固体アクチュエータにおいて力を測定する力測定デバイス、力を測定する方法、及び力測定デバイスの使用
本発明は、固体アクチュエータ上に配置されると共にピエゾ抵抗特性を有するアモルファスカーボン層を含む力測定デバイスに関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
固体アクチュエータ、たとえば、圧電アクチュエータ、詳細には圧電スタックアクチュエータの形をとるアクチュエータだけでなく、磁歪アクチュエータ又は電歪アクチュエータも、革新的なアクティブシステム、詳細にはアダプトロニックシステムの不可欠なコントローラであり、広く流通する可能性がある。圧電アクチュエータの用途の1つの既知の分野は、たとえば、コモンレールディーゼル車両のための最新のインジェクションシステムである。現在、さらなる用途を妨げる、これらのアクチュエータに関連する未解決の問題は、それぞれの用途においてアクチュエータが加えるか又は受ける作用の方向における目下の力がわからないことである。(DMS)抵抗線ひずみゲージ又は圧電セラミック力センサを基にする、機械的に直列に接続される力センサモジュールの使用によって、質量が増加するか、又は構造的に体積及び/若しくは弾性が増加し、コストも上昇する。さらに、従来の圧電センサは、静的測定の場合には使用することができないため、アクチュエータにおいて多くの場合に望まれる機械的な予荷重調整時の測定を行うことができない。(最新式の)スタックアクチュエータにおいてディスクを使用することは、アクチュエータの作用方向において力を測定するだけでなく、一緒に横歪成分も検出するため、測定を誤らせるという不都合を伴う。非常に高い剛性で、静的に作用するだけでなく、極めて動的にも作用する圧縮力測定が好都合であろう。
【0002】
圧電アクチュエータは、現在、種々の要件に合わせて販売されている。それによれば、横方向に接着されたDMSで、伸びが部分的に測定される。力測定はロードセルによってのみ果たすことができ、それらのロードセルはさらに、力の流れ又は歪みを測定するセンサ内に直列に組み込まれ、それらのセンサは直列又は並列に接続される。たとえば、研究用に設計するために、圧電によって力を測定するフォイルも使用された。しかしながら、詳細には、それによれば、荷重が低く、さらには損傷が激しいという不都合がある。
【0003】
セラミック板又は繊維から形成される圧電センサも既知であり、同様に、半製品の物品として提供又は構成される。しかしながら、これによれば、静的測定を実施することができないという不都合がある。
【0004】
さらに、ピエゾ抵抗センサは、(変形可能な基本的な物体への)伸び−縮みの原理に従って用いられる。
アダプトロニックシステム及びメカトロニックシステムは多くの場合に、固体アクチュエータ、多くの場合に圧電アクチュエータを基にして設計される。いくつかの例が「interface for vibration reduction in structural-dynamic systems」と題するドイツ公開特許第195 27 514号明細書、及び「method for reducing noise transmission in vehicles, chassis for vehicles and actuators」と題する同第101 17 305号明細書で言及されている。
【0005】
極めて動的なアクティブ動作、詳細には、たとえば、静的に予荷重をかけられている小さな部品を極めて動的に試験するために、静的な力及び動的な力を同時に測定することができる力センサが重要である。それに加えて、力センサシステムは力の流れの中に直接置かれるため、アクチュエータから試験体まで最適にアクチュエータ推力及びアクチュエータ力を伝達するために、それらのセンサシステムは、高い剛性を有するべきである。
【0006】
種々の構成を有し、種々の測定原理による力センサが既に市販されている。圧電力センサ(たとえば、Kistler Instrumente AG Winterthur: Quartz measuring washers 9001A-9071A, Kistler Instrumente AG Winterthur, data sheet, Winterthur, 2004)は非常に高感度であり、相対的に高い剛性を有し、コンパクトな形で入手することができるが、測定原理(荷重測定)に起因して、動的な力を測定する場合にしか適していない。それとは別に、抵抗線ひずみゲージに基づく力センサがある(たとえば、HBM GmbH: U9B-Force Transducer, Hottinger Baldwin Messtechnik GmbH, data sheet, Darmstadt, 2004; HBM GmbH: Z30-Force Transducer)。これらは、静的な力を測定するのにも適しているが、低い固有剛性しか持たない。さらに、全ての市販されているセンサは、無視することができないほどの質量を有し、それにより、極めて動的な試験技術における適用を難しくする。
【0007】
たとえば、「Adaptive Piezoelectric Sensoriactuator」と題する米国特許第5,578,761号、及び「Piezoelectric Vibration Exciter, Especially for Destructive Material Testing」と題する同第4,491,759号のような、いくつかの文献が圧電アクチュエータの作動を取り扱う。
【0008】
力センサシステムをアクチュエータシステムに組み込むことを取り扱う刊行物はわずかにすぎない。この点において、たとえば、「Dual Function System Having a Piezoelectric Element」と題する米国特許第5,347,870号明細書が、関連性がある。また、当該特許明細書によれば、そのアクチュエータはセンサとしても同時に用いられる。しかしながら、このアクチュエータによれば、静的測定及びプリテンションは不可能である。しかしながら、本発明の主題である、硬質で、非常に薄いDLC(ダイヤモンドライクカーボン)層に基づく、表面に組み込まれる力センサシステムは、これらの刊行物のいずれにおいても提案されていない。それゆえ、力センサシステムの剛性が非常に高く、アクチュエータの伸びが失われることが避けられる結果として、いくつかの利点がもたらされる。
【0009】
それらの層の製造は、従来のプラズマPVD法、及び/又はプラズマCVD法によって、又はその両方の方法の組み合わせによって達成することができる。この目的を果たすために、商用のマルチターゲットスパッタ設備又はプラズマCVD設備を用いることができる。
【0010】
現行の技術水準に関連するさらに詳細な記述は、以下の:「use as force sensor」と題するドイツ公開特許第199 54 164号明細書、「roller bearings」と題する同第102 43 095号明細書、「device for frictional connections」と題する同第102 17 284号明細書、及び「multifunction layer for force and temperature measurements」と題する同第102 53 178号明細書において見られる。
【0011】
多機能性のアモルファスカーボン層に関してこれまでに既知である使用では、固体アクチュエータの場合の力センサとしての適用は全く開示されていない。
電子的な構成要素だけでなく、特に機械的な構成要素の小型化を進める結果として、対応する方法によって、その寿命及び信頼性を調べる必要があり、且つ開発工程を最適化するために、それらを評価する必要がある。さらに、振動が、商用の方法で達成することができる製造公差、計測解決法、寿命及び快適性を制限するため、振動を低減するアクティブコントロールのための測定を含む、振動の問題が、益々注目を集めている。この目的を果たすために、標準的な設計方法に対して基本的に広い周波数範囲が考慮されなければならないため、薄く、本発明による力センサは、質量が小さな炭素層から形成され、現行の技術水準に対して大きな利点を有する。
【0012】
より広い周波数範囲における実験的な動作荷重シミュレーションの場合でも、振動及び構造的な音響範囲のアクティブコントロールの場合でも、制御される機械的な力を導入するための概念が、益々重要になりつつある。この目的を果たすために、静的荷重から極めて動的な荷重までを生成することができる固体アクチュエータ、非常に多くの場合に圧電セラミックスタックアクチュエータが適している。制御された動作、たとえば振動減衰の場合、作用する力、又は導入される力の測定がかなり重要である。この力測定は、アクチュエータ上、又は内で直接達成される、すなわち、力の流れの中で直接行われることが好都合である。荷重経路内の弾性は、アクチュエータの有効度の低下に対応し、避けなければならないため、極めて高い剛性のセンサが不可欠である。同時に、機械的なプリテンション荷重及び動作荷重の両方を測定することができるようにするために、力測定は、静的にも、極めて動的にも行われることが意図される。静電容量又は圧電セラミックを基にする力センサのような既知の解決法は、DLC層の解決法に対して、はるかに剛性が低い。さらに、圧電セラミックの解決法では、静的荷重の測定は達成不可能である。
【0013】
現行の技術水準において記述されるような、圧電セラミック層を用いることによって力を測定するという解決法は、それに加えて、横収縮効果が、軸方向の力測定を誤らせるという不都合を伴う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
このことから、本発明の目的は、記述された不都合を有しない力センサを提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、請求項1の特徴を有する力測定デバイスによって達成される。同様に、請求項25の特徴を有する、力を測定する方法が提供される。さらに、本発明による薄膜センサの使用が請求項33に記載される。従属請求項はそれぞれ、好都合な展開を述べる。
【0016】
本発明によれば、新規の力測定デバイスが提案され、そのデバイスは、支持体(キャリア)上に配置されると共にピエゾ抵抗特性を有するアモルファスカーボン層(ピエゾ抵抗層)を備える。
【0017】
好都合なことには、その支持体は、特に圧電スタックアクチュエータとして構成される固体アクチュエータである。
その支持体はさらに、たとえば、金属支持体、好ましくは鋼支持体又はセラミック支持体の形で存在することができる。たとえば、表面全体にわたって荷重を測定することが望ましい場合には、金属でコーティングされたセラミックリング、鋼リング又は金属フォイルを用いることができる。
【0018】
好都合な一実施の形態では、支持体は、電磁アクチュエータ、液圧アクチュエータ及び/又は空気圧アクチュエータとして構成してもよい。
本発明による意味におけるアモルファスカーボン層の中には、水素を伴うアモルファスカーボン及び水素を伴わないアモルファスカーボンの両方から形成される層が存在する。ドイツ公開特許第199 54 164号によれば、たとえば、a−C、a−:CH、i−CH、a−C:H:Me、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、Me:DLCで記述されるアモルファスカーボンを含むこのタイプの層が既知である。好ましくは、アモルファスカーボンは多機能層として構成され、a−C、a−:CH、i−CH、a−C:H:Me、DLC、Me:DLC及び/又はこれらの混合物を含む。
【0019】
その硬度が高いことに起因して、ダイヤモンドライクハイドロカーボン(DLC)が特に好都合である。驚いたことに、薄い層としてダイヤモンドライクハイドロカーボンを適用することによって、実際にシステムの剛性を変更することなく法線力の測定が可能になる。それゆえ、たとえば、10nm/kN未満の極めて高い剛性と、優れたトライボロジー特性とを有する力/圧力センサとして製造される力測定デバイスを構成することができる。これらのトライボロジー特性は、特に、高い耐摩耗性(2・10−15〜10・10−15m3/Nm;それとは対照的に、硬化鋼(100Cr6)は、約100倍高い摩耗値(220・10−15m3/Nm)を有する)と、高い熱安定性(少なくとも150℃まで、好ましくは少なくとも200℃まで)とによって定量化することができる。
【0020】
本発明によれば、金属、シリコン、フッ素、ホウ素、ゲルマニウム、酸素から形成される添加剤/ドーピングを用いて、また用いることなく、部分的にsp3結合した炭素を有する層を用いてもよい。
【0021】
アモルファスカーボン層は、少なくとも10GPaの硬度を有することが好ましく、少なくとも15GPaの硬度を有することが特に好ましく、0.1μm〜30μmの範囲の厚みに、好ましくは1μm〜10μmの範囲の厚みに被着される。
【0022】
多機能アモルファスカーボン層のさらなる利点は、それらの層が、非常に好都合のトライボロジー特性、及び高い機械的な耐摩耗性によって顕著であり、少なくとも150℃までの、好ましくは少なくとも200℃までの熱負荷をかけることができるという事実にある。
【0023】
代替的な一実施の形態では、支持体とアモルファスカーボン層との間に絶縁性の支持体材料がある場合、さらに金属層を被着することができる。それゆえ、金属層は、電圧及び/又は電流の強さのような電気的な変数を求めるために、さらに最終的には、アモルファスカーボン層の抵抗を求めるために、電気的接触を可能にする。
【0024】
その実施の形態によれば、金属層の被着される厚みは50nm〜500nmに及ぶ。基本的には、そのコーティングのために全ての導電性材料を用いることができるが、好ましくは金属(特に、遷移金属)及び/又は半金属及び/又はそれらの合金が用いられることが好ましい。
【0025】
この実施の形態は、特に、セラミック支持体に基づいてセンサを構成するために用いることができる(図1及び図3を参照)。ピエゾ抵抗層が、金属層の上側に堆積される。
さらなる一実施の形態では、その力測定デバイスはさらに、基板とピエゾ抵抗層との間に絶縁層及び/又は摩耗保護層を有し、その層は、たとえば、AlN又はAl2O3のような材料を含むことができる。この実施の形態によれば、絶縁層及び/又は摩耗保護層の層厚さは、0.5μm〜500μm、好ましくは2μm〜10μmの寸法を有する。
【0026】
この実施の形態は、特に、金属製の導電性支持体、たとえば鋼支持体が用いられる場合に好都合である。例としての一実施の形態が、図2及び図4に表わされる。
さらに、その力測定デバイスのさらなる実施の形態も実現可能であり、その場合、さらに、ピエゾ抵抗センサ層上に局部電極構造が被着される(図3〜図5も参照されたい)。これらは、図8及び図9に表わされるように、フォイルの形で被着することもできる。
【0027】
さらに、その力測定デバイス内にさらに少なくとも1つの温度センサが組み込まれると好都合であり得る。それゆえ、特に極めて動的な力、すなわち、時間と共に急速に変化する力を測定する場合、その力測定デバイスの温度特性、すなわち、温度がアモルファスカーボン層の電気抵抗に及ぼす影響を考慮に入れることができる。
【0028】
上記の力測定デバイスは原理的には、任意の幾何学的な実施の形態を採用することができるが、リング形が特に好ましい。
本発明によれば、その力測定デバイスの助けを借りて力を測定する方法も提供される。
【0029】
ここで、力測定デバイスの本発明による構成によれば、動的及び静的両方の力の測定が可能である。それゆえ、驚いたことに、現行の技術水準をはるかに超えた固体アクチュエータの用途が可能になる。極めて動的な測定の場合、この力センサの利点は、圧電アクチュエータ上に直接被着される層を介して、測定を高い精度で実施することができるという事実にある。その層は、大部分が非常に軽量の構成要素として炭素を含むため、さらになる利点は、ピエゾ抵抗層の質量が非常に小さいという事実にある。
【0030】
ピエゾ抵抗層の抵抗測定の助けを借りて、力測定デバイスに作用する目下の力の測定が達成される。その測定では、センサ層を通じて電流が流され、たとえば、金属層のエッジ領域において接触しているワイヤ上でタップされる。
【0031】
別の実施の形態では、ピエゾ抵抗層の抵抗測定のために用いられる電流は、鋼支持体を介してタップすることもできる。
その力センサの実施の形態によれば、力の測定値は、表面全体にわたって、すなわち全体的に測定することができるか、又は局部的に分解して測定することができる。局部的に分解した測定は、センサ層上に局部電極構造を導入することによって実現することができる。
【0032】
表面全体に荷重をかけた場合のアモルファスカーボン層の典型的なピエゾ抵抗の挙動が図6に示される。そのグラフでは、センサ層の表面全体に接触している場合のセンサ層の荷重サイクル特性及び無荷重サイクル特性を検出することができ、これらのサイクルは、非常に良好な再現性を有する。
【0033】
極めて動的な測定の場合には特に、力測定に加えて、接触表面の温度も測定しなければならない。その測定は、一方において、力センサの温度特性を補償するのに役に立つだけでなく、アクチュエータの作動を制御及び最適化するのにも役に立つ。結果として、ピエゾ抵抗層の抵抗の温度への依存性を、実効的に補償することができる。温度変動は、高い圧力において生じることがある。しかしながら、他方では、それゆえ、広い温度範囲にわたって力測定デバイスを用いることを可能にすることができる。
【0034】
本発明によれば、力測定デバイスの適用の可能性も提供される。本明細書において提案されるダイヤモンドライク力センサリング層によれば、アクティブ構造インターフェース、プリテンション制御ローラベアリング、保持力制御、工作機械、印刷ローラ、制動装置又は調整装置を構成することができるようになる。
【0035】
アクティブ振動減衰システムにおける用途も考えられる。
本発明によれば、力測定デバイスを製造する方法も提供される。その方法では、フォイル及び/又は温度センサ上に予め構成される局部電極構造が力センサに組み込まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下で説明される添付の図面を参照しながら、力を測定するための発明、その使用法、さらには本発明を製造するための本発明による方法を、さらに詳しく説明するつもりであるが、その説明は一例であり、本発明を説明される例に限定することは意図していない。
【0037】
セラミック材料3、圧電スタックアクチュエータ素子7、又は金属、たとえば鋼4(図1〜図5)を含む支持体上に力測定デバイスを構成することができる。支持材料としての鋼は、金属をコーティングするステップをなしで済ませることができるという利点を有する。そのリングは、力を全体的に検知するために、検知用の炭化水素層1で直接覆うことができる。局部的に分解して力又は圧力を測定するために、構造化された電極5を、センサ層上に被着することもできる。
【0038】
アクチュエータ素子は表面上に既に金属層2を有することもできるため、センサ構成は、絶縁層及び/又は摩耗保護層6が最初にPZT基板に被着されるような外観を有することもできる(図5)。これは、たとえば、AlN又はAl2O3にすることができる。結果として、そのセンサ構成は、アクチュエータスタックに印加される電位から切り離される。金属層2は、その上に均一に堆積することができる。その後、その上にピエゾ抵抗層1が被着される。金属2で均一に下塗する場合、局所的に分解して圧力測定を実施することを意図する場合には、センサ層上に個々の局部電極5を堆積しなければならない。力の全体的な測定は、これらの上部電極5を用いることなく達成される。
【0039】
代替的に、構造化されたセンサリングに絶縁及び摩耗保護層6を直接コーティングすることもできる。この保護層のための層の厚さは数マイクロメートルの範囲内であり、アクチュエータ構成の中にさらなる構成要素を組み込む必要がないという、付加的な利点を与える。
【0040】
その力センサ(たとえば、図1及び図2)は、それらの上に作用する力を求めるために、表面全体にわたって荷重をかけることができる。それゆえ、その力は全体的に求められる。それによれば、作用する力の関数として、ピエゾ抵抗センサ層の抵抗の非線形の依存性が生成される(図6)。
【0041】
たとえば、セラミック圧電アクチュエータのような数多くの多機能固体アクチュエータは、圧力負荷しか検知することができないため、さらに大きなアクチュエータの場合には、力の全体的な測定に加えて、その表面上の力分布、そしておそらくトルクの導入を求めること、さらには、制御技術によって、危険な剪断力及び局所的な荷重ピークの蓄積を避けることも賢明である。
【0042】
図7では、電極構造が局部的に被着される結果として、測定曲線が線形になることを見いだすことができる。一例として、図3に表わされるような実施形態では、センサ層1を通じて、電極5にわたって電流が流れ、その電流が金属層2上でタップされる。相対する基板として、コーティングされていないセラミックリング3を用いることができる。
【0043】
局部的に分解して力を測定するためにセンサ層1上に局部電極構造5を直接堆積することとは別の方法が、フォイル8を組み込むことである。このフォイル8は、その表面上に局部電極構造を有する。実現可能な設計が図8に表わされる。これらの構造化されたフォイルはリフトオフ工程によって製造することができるため、その構造は、測定作業に合わせて迅速に設計することができる。同様に、フォイル上に温度センサ10を組み込むことも可能である(図9)。
【0044】
これらのフォイルは、リング上に被着することができるが、当該リングに結合されることなく、均一にコーティングされた単一のセンサ層1に直接接触する。その際、1つのアクチュエータ内に種々のフォイルを組み込むと共に、測定作業に応じて、これらのフォイルをそれぞれ交換するという可能性が提供される。しかしながら、これらの構造化されたプラスチック材料フォイル8又は9を2つのリングに結合して、カプセル化されたセンサシステムを形成することもできる。それによれば、センサ1を有するリングだけが覆われ、金属製の電極構造5と接触する。第2のリングはコーティングされないことがある。
【0045】
力制御の圧電アクチュエータは革新的なアダプトロニックシステムを可能にする。その例には、ユニットを取り付けるときに構造によってもたらされる雑音の流れを制御するように意図されるアクティブ構造インターフェース(ドイツ公開特許第103 614 81号又は同第102 004 019 2号を参照)、又は、たとえば、ツールスピンドルとの精度を向上することに繋がるプリテンション制御ローラベアリングがある。さらに、たとえば保持力制御において、工作機械と共に、たとえば型締力をモニタするために、印刷媒体において、たとえば印刷ローラ内の間隔を調整するために、又は食品加工の場合に、たとえば、刃を調整するために、ロボティックス/アセンブリにおいて多数の用途が考えられる。
【0046】
さらに、その結果は、他のアクチュエータ、たとえば、電磁アクチュエータ、液圧アクチュエータ及び空気圧アクチュエータにも当てはめることができる。
図12では、アクティブ振動減衰の構成を説明することを意図しており、それは本発明おいて説明されたアクチュエータ−センサユニットを組み込んでいる。
【0047】
この目的を果たすために、そのユニットは、2つの弾性機械システム間に挿入され、たとえば、機械的なベアリングの形をとる。代替的に、受動的なベアリングと組み合わせて都合よく用いることができるか、又はそのユニットは弾性構造内にベアリング素子として導入される(F. Doengi著「Adaptive Structures in High Precision Satellites, Modeling and Control of Adaptive Mechanical Structures」(Progress Reports, VDI, series 11, no. 268, p. 429 ff.)。
【0048】
小信号の抵抗の変化を求めて、それに比例する電圧に変換することによって、アクチュエータ−センサユニット上に存在する動的な力が、測定増幅器13において変換される。
ここに記述されるコントローラは主に積分部材14を含む(A. Preumont著「Vibration and Control of Active Structures」(2nd Ed., Kluwer Academic Publishers, 2002))。しかしながら、他のコントローラの適用も同様に可能である(D. Mayer著「Control and identification of active mechanical structures with adaptive digital filters」(Dissertation, TUE Darmstadt, 2003))。
【0049】
コントローラにおいて処理される信号は、その後、(ここでは、圧電)アクチュエータのために適した電力増幅器15で増幅され、それに応じて、アクチュエータが作動する。
相応に検知層を備える環状スタックアクチュエータ(図10及び図11)を用いるときに、アクチュエータ−センサユニットの特にコンパクトな実施形態が製造される。そのアクチュエータは、貫通するねじ12(図11)によって機械的にプリテンションをかけられ、そのプリテンションを測定するために、DLCセンサを用いることができる。
【0050】
動的な動作中に、アクチュエータ−センサユニット上に存在する力を測定するために、後に、そのセンサを用いることができる。プリテンション用のねじ12とアクチュエータとの間の剛性比が適切に選択される限り、この概念によれば、アクティブ振動減衰(たとえば、上記の例に対応する)も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】基板としてのセラミックアクチュエータリング3と、その上に被着される金属層2と、さらにその上に被着されるピエゾ抵抗層1とを有する、本発明による力測定デバイスの環状の実施形態を示す図である。
【図2】基板としての鋼支持体4と、その上に被着されるピエゾ抵抗層1とを有する、同じく、本発明による力測定デバイスの環状の実施形態を示す図である。
【図3】図1において表され、さらに局部電極構造5を被着されている、本発明による力測定デバイスの環状の実施形態を示す図である。
【図4】図2において表され、さらに局部電極構造5を被着されている、本発明による力測定デバイスの環状の実施形態を示す図である。
【図5】PZT素子7を基にし、付加的な絶縁層及び/又は摩耗保護層6、さらには、均一な金属層2、ピエゾ抵抗センサ層1及び局部電極構造5を有する、本発明による力測定デバイスの一実施形態を示す図である。
【図6】センサの表面全体に荷重をかけることによって作用する力の関数として、抵抗測定値の典型的な測定曲線を示すグラフである。
【図7】局部電極構造を有するセンサの実施形態に局部的に構造化した荷重をかけることによって作用する力の関数として、抵抗測定値の典型的な測定曲線を示すグラフである。
【図8】力を局所的に測定することができるようにする、予め構成された局部電極構造9を有するフォイル8を示す図である。
【図9】局部電極構造9を有し、温度センサ10が組み込まれるフォイル8を示す図である。
【図10】ピエゾ抵抗センサ層1及び圧電スタックアクチュエータ7を含み、いずれの構成要素ともハウジング11内に配置される、アクチュエータ−センサユニットを示す図である。
【図11】ここでさらに、ユニットのプリテンション12を調整するための別のねじが存在する、同じく、図10に示されるようなアクチュエータ−センサユニットを示す図である。
【図12】ピエゾ抵抗センサ層1によって生成される測定信号が最初に測定増幅器13において予め増幅され、その後、集積増幅器14においてさらに処理され、圧電スタックアクチュエータ7を制御するために、その信号が最終的に、電力増幅器15においてさらに増幅される、自動制御システムにおける図11のようなアクチュエータ−センサユニットを示す図である。
【技術分野】
【0001】
固体アクチュエータ、たとえば、圧電アクチュエータ、詳細には圧電スタックアクチュエータの形をとるアクチュエータだけでなく、磁歪アクチュエータ又は電歪アクチュエータも、革新的なアクティブシステム、詳細にはアダプトロニックシステムの不可欠なコントローラであり、広く流通する可能性がある。圧電アクチュエータの用途の1つの既知の分野は、たとえば、コモンレールディーゼル車両のための最新のインジェクションシステムである。現在、さらなる用途を妨げる、これらのアクチュエータに関連する未解決の問題は、それぞれの用途においてアクチュエータが加えるか又は受ける作用の方向における目下の力がわからないことである。(DMS)抵抗線ひずみゲージ又は圧電セラミック力センサを基にする、機械的に直列に接続される力センサモジュールの使用によって、質量が増加するか、又は構造的に体積及び/若しくは弾性が増加し、コストも上昇する。さらに、従来の圧電センサは、静的測定の場合には使用することができないため、アクチュエータにおいて多くの場合に望まれる機械的な予荷重調整時の測定を行うことができない。(最新式の)スタックアクチュエータにおいてディスクを使用することは、アクチュエータの作用方向において力を測定するだけでなく、一緒に横歪成分も検出するため、測定を誤らせるという不都合を伴う。非常に高い剛性で、静的に作用するだけでなく、極めて動的にも作用する圧縮力測定が好都合であろう。
【0002】
圧電アクチュエータは、現在、種々の要件に合わせて販売されている。それによれば、横方向に接着されたDMSで、伸びが部分的に測定される。力測定はロードセルによってのみ果たすことができ、それらのロードセルはさらに、力の流れ又は歪みを測定するセンサ内に直列に組み込まれ、それらのセンサは直列又は並列に接続される。たとえば、研究用に設計するために、圧電によって力を測定するフォイルも使用された。しかしながら、詳細には、それによれば、荷重が低く、さらには損傷が激しいという不都合がある。
【0003】
セラミック板又は繊維から形成される圧電センサも既知であり、同様に、半製品の物品として提供又は構成される。しかしながら、これによれば、静的測定を実施することができないという不都合がある。
【0004】
さらに、ピエゾ抵抗センサは、(変形可能な基本的な物体への)伸び−縮みの原理に従って用いられる。
アダプトロニックシステム及びメカトロニックシステムは多くの場合に、固体アクチュエータ、多くの場合に圧電アクチュエータを基にして設計される。いくつかの例が「interface for vibration reduction in structural-dynamic systems」と題するドイツ公開特許第195 27 514号明細書、及び「method for reducing noise transmission in vehicles, chassis for vehicles and actuators」と題する同第101 17 305号明細書で言及されている。
【0005】
極めて動的なアクティブ動作、詳細には、たとえば、静的に予荷重をかけられている小さな部品を極めて動的に試験するために、静的な力及び動的な力を同時に測定することができる力センサが重要である。それに加えて、力センサシステムは力の流れの中に直接置かれるため、アクチュエータから試験体まで最適にアクチュエータ推力及びアクチュエータ力を伝達するために、それらのセンサシステムは、高い剛性を有するべきである。
【0006】
種々の構成を有し、種々の測定原理による力センサが既に市販されている。圧電力センサ(たとえば、Kistler Instrumente AG Winterthur: Quartz measuring washers 9001A-9071A, Kistler Instrumente AG Winterthur, data sheet, Winterthur, 2004)は非常に高感度であり、相対的に高い剛性を有し、コンパクトな形で入手することができるが、測定原理(荷重測定)に起因して、動的な力を測定する場合にしか適していない。それとは別に、抵抗線ひずみゲージに基づく力センサがある(たとえば、HBM GmbH: U9B-Force Transducer, Hottinger Baldwin Messtechnik GmbH, data sheet, Darmstadt, 2004; HBM GmbH: Z30-Force Transducer)。これらは、静的な力を測定するのにも適しているが、低い固有剛性しか持たない。さらに、全ての市販されているセンサは、無視することができないほどの質量を有し、それにより、極めて動的な試験技術における適用を難しくする。
【0007】
たとえば、「Adaptive Piezoelectric Sensoriactuator」と題する米国特許第5,578,761号、及び「Piezoelectric Vibration Exciter, Especially for Destructive Material Testing」と題する同第4,491,759号のような、いくつかの文献が圧電アクチュエータの作動を取り扱う。
【0008】
力センサシステムをアクチュエータシステムに組み込むことを取り扱う刊行物はわずかにすぎない。この点において、たとえば、「Dual Function System Having a Piezoelectric Element」と題する米国特許第5,347,870号明細書が、関連性がある。また、当該特許明細書によれば、そのアクチュエータはセンサとしても同時に用いられる。しかしながら、このアクチュエータによれば、静的測定及びプリテンションは不可能である。しかしながら、本発明の主題である、硬質で、非常に薄いDLC(ダイヤモンドライクカーボン)層に基づく、表面に組み込まれる力センサシステムは、これらの刊行物のいずれにおいても提案されていない。それゆえ、力センサシステムの剛性が非常に高く、アクチュエータの伸びが失われることが避けられる結果として、いくつかの利点がもたらされる。
【0009】
それらの層の製造は、従来のプラズマPVD法、及び/又はプラズマCVD法によって、又はその両方の方法の組み合わせによって達成することができる。この目的を果たすために、商用のマルチターゲットスパッタ設備又はプラズマCVD設備を用いることができる。
【0010】
現行の技術水準に関連するさらに詳細な記述は、以下の:「use as force sensor」と題するドイツ公開特許第199 54 164号明細書、「roller bearings」と題する同第102 43 095号明細書、「device for frictional connections」と題する同第102 17 284号明細書、及び「multifunction layer for force and temperature measurements」と題する同第102 53 178号明細書において見られる。
【0011】
多機能性のアモルファスカーボン層に関してこれまでに既知である使用では、固体アクチュエータの場合の力センサとしての適用は全く開示されていない。
電子的な構成要素だけでなく、特に機械的な構成要素の小型化を進める結果として、対応する方法によって、その寿命及び信頼性を調べる必要があり、且つ開発工程を最適化するために、それらを評価する必要がある。さらに、振動が、商用の方法で達成することができる製造公差、計測解決法、寿命及び快適性を制限するため、振動を低減するアクティブコントロールのための測定を含む、振動の問題が、益々注目を集めている。この目的を果たすために、標準的な設計方法に対して基本的に広い周波数範囲が考慮されなければならないため、薄く、本発明による力センサは、質量が小さな炭素層から形成され、現行の技術水準に対して大きな利点を有する。
【0012】
より広い周波数範囲における実験的な動作荷重シミュレーションの場合でも、振動及び構造的な音響範囲のアクティブコントロールの場合でも、制御される機械的な力を導入するための概念が、益々重要になりつつある。この目的を果たすために、静的荷重から極めて動的な荷重までを生成することができる固体アクチュエータ、非常に多くの場合に圧電セラミックスタックアクチュエータが適している。制御された動作、たとえば振動減衰の場合、作用する力、又は導入される力の測定がかなり重要である。この力測定は、アクチュエータ上、又は内で直接達成される、すなわち、力の流れの中で直接行われることが好都合である。荷重経路内の弾性は、アクチュエータの有効度の低下に対応し、避けなければならないため、極めて高い剛性のセンサが不可欠である。同時に、機械的なプリテンション荷重及び動作荷重の両方を測定することができるようにするために、力測定は、静的にも、極めて動的にも行われることが意図される。静電容量又は圧電セラミックを基にする力センサのような既知の解決法は、DLC層の解決法に対して、はるかに剛性が低い。さらに、圧電セラミックの解決法では、静的荷重の測定は達成不可能である。
【0013】
現行の技術水準において記述されるような、圧電セラミック層を用いることによって力を測定するという解決法は、それに加えて、横収縮効果が、軸方向の力測定を誤らせるという不都合を伴う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
このことから、本発明の目的は、記述された不都合を有しない力センサを提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、請求項1の特徴を有する力測定デバイスによって達成される。同様に、請求項25の特徴を有する、力を測定する方法が提供される。さらに、本発明による薄膜センサの使用が請求項33に記載される。従属請求項はそれぞれ、好都合な展開を述べる。
【0016】
本発明によれば、新規の力測定デバイスが提案され、そのデバイスは、支持体(キャリア)上に配置されると共にピエゾ抵抗特性を有するアモルファスカーボン層(ピエゾ抵抗層)を備える。
【0017】
好都合なことには、その支持体は、特に圧電スタックアクチュエータとして構成される固体アクチュエータである。
その支持体はさらに、たとえば、金属支持体、好ましくは鋼支持体又はセラミック支持体の形で存在することができる。たとえば、表面全体にわたって荷重を測定することが望ましい場合には、金属でコーティングされたセラミックリング、鋼リング又は金属フォイルを用いることができる。
【0018】
好都合な一実施の形態では、支持体は、電磁アクチュエータ、液圧アクチュエータ及び/又は空気圧アクチュエータとして構成してもよい。
本発明による意味におけるアモルファスカーボン層の中には、水素を伴うアモルファスカーボン及び水素を伴わないアモルファスカーボンの両方から形成される層が存在する。ドイツ公開特許第199 54 164号によれば、たとえば、a−C、a−:CH、i−CH、a−C:H:Me、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、Me:DLCで記述されるアモルファスカーボンを含むこのタイプの層が既知である。好ましくは、アモルファスカーボンは多機能層として構成され、a−C、a−:CH、i−CH、a−C:H:Me、DLC、Me:DLC及び/又はこれらの混合物を含む。
【0019】
その硬度が高いことに起因して、ダイヤモンドライクハイドロカーボン(DLC)が特に好都合である。驚いたことに、薄い層としてダイヤモンドライクハイドロカーボンを適用することによって、実際にシステムの剛性を変更することなく法線力の測定が可能になる。それゆえ、たとえば、10nm/kN未満の極めて高い剛性と、優れたトライボロジー特性とを有する力/圧力センサとして製造される力測定デバイスを構成することができる。これらのトライボロジー特性は、特に、高い耐摩耗性(2・10−15〜10・10−15m3/Nm;それとは対照的に、硬化鋼(100Cr6)は、約100倍高い摩耗値(220・10−15m3/Nm)を有する)と、高い熱安定性(少なくとも150℃まで、好ましくは少なくとも200℃まで)とによって定量化することができる。
【0020】
本発明によれば、金属、シリコン、フッ素、ホウ素、ゲルマニウム、酸素から形成される添加剤/ドーピングを用いて、また用いることなく、部分的にsp3結合した炭素を有する層を用いてもよい。
【0021】
アモルファスカーボン層は、少なくとも10GPaの硬度を有することが好ましく、少なくとも15GPaの硬度を有することが特に好ましく、0.1μm〜30μmの範囲の厚みに、好ましくは1μm〜10μmの範囲の厚みに被着される。
【0022】
多機能アモルファスカーボン層のさらなる利点は、それらの層が、非常に好都合のトライボロジー特性、及び高い機械的な耐摩耗性によって顕著であり、少なくとも150℃までの、好ましくは少なくとも200℃までの熱負荷をかけることができるという事実にある。
【0023】
代替的な一実施の形態では、支持体とアモルファスカーボン層との間に絶縁性の支持体材料がある場合、さらに金属層を被着することができる。それゆえ、金属層は、電圧及び/又は電流の強さのような電気的な変数を求めるために、さらに最終的には、アモルファスカーボン層の抵抗を求めるために、電気的接触を可能にする。
【0024】
その実施の形態によれば、金属層の被着される厚みは50nm〜500nmに及ぶ。基本的には、そのコーティングのために全ての導電性材料を用いることができるが、好ましくは金属(特に、遷移金属)及び/又は半金属及び/又はそれらの合金が用いられることが好ましい。
【0025】
この実施の形態は、特に、セラミック支持体に基づいてセンサを構成するために用いることができる(図1及び図3を参照)。ピエゾ抵抗層が、金属層の上側に堆積される。
さらなる一実施の形態では、その力測定デバイスはさらに、基板とピエゾ抵抗層との間に絶縁層及び/又は摩耗保護層を有し、その層は、たとえば、AlN又はAl2O3のような材料を含むことができる。この実施の形態によれば、絶縁層及び/又は摩耗保護層の層厚さは、0.5μm〜500μm、好ましくは2μm〜10μmの寸法を有する。
【0026】
この実施の形態は、特に、金属製の導電性支持体、たとえば鋼支持体が用いられる場合に好都合である。例としての一実施の形態が、図2及び図4に表わされる。
さらに、その力測定デバイスのさらなる実施の形態も実現可能であり、その場合、さらに、ピエゾ抵抗センサ層上に局部電極構造が被着される(図3〜図5も参照されたい)。これらは、図8及び図9に表わされるように、フォイルの形で被着することもできる。
【0027】
さらに、その力測定デバイス内にさらに少なくとも1つの温度センサが組み込まれると好都合であり得る。それゆえ、特に極めて動的な力、すなわち、時間と共に急速に変化する力を測定する場合、その力測定デバイスの温度特性、すなわち、温度がアモルファスカーボン層の電気抵抗に及ぼす影響を考慮に入れることができる。
【0028】
上記の力測定デバイスは原理的には、任意の幾何学的な実施の形態を採用することができるが、リング形が特に好ましい。
本発明によれば、その力測定デバイスの助けを借りて力を測定する方法も提供される。
【0029】
ここで、力測定デバイスの本発明による構成によれば、動的及び静的両方の力の測定が可能である。それゆえ、驚いたことに、現行の技術水準をはるかに超えた固体アクチュエータの用途が可能になる。極めて動的な測定の場合、この力センサの利点は、圧電アクチュエータ上に直接被着される層を介して、測定を高い精度で実施することができるという事実にある。その層は、大部分が非常に軽量の構成要素として炭素を含むため、さらになる利点は、ピエゾ抵抗層の質量が非常に小さいという事実にある。
【0030】
ピエゾ抵抗層の抵抗測定の助けを借りて、力測定デバイスに作用する目下の力の測定が達成される。その測定では、センサ層を通じて電流が流され、たとえば、金属層のエッジ領域において接触しているワイヤ上でタップされる。
【0031】
別の実施の形態では、ピエゾ抵抗層の抵抗測定のために用いられる電流は、鋼支持体を介してタップすることもできる。
その力センサの実施の形態によれば、力の測定値は、表面全体にわたって、すなわち全体的に測定することができるか、又は局部的に分解して測定することができる。局部的に分解した測定は、センサ層上に局部電極構造を導入することによって実現することができる。
【0032】
表面全体に荷重をかけた場合のアモルファスカーボン層の典型的なピエゾ抵抗の挙動が図6に示される。そのグラフでは、センサ層の表面全体に接触している場合のセンサ層の荷重サイクル特性及び無荷重サイクル特性を検出することができ、これらのサイクルは、非常に良好な再現性を有する。
【0033】
極めて動的な測定の場合には特に、力測定に加えて、接触表面の温度も測定しなければならない。その測定は、一方において、力センサの温度特性を補償するのに役に立つだけでなく、アクチュエータの作動を制御及び最適化するのにも役に立つ。結果として、ピエゾ抵抗層の抵抗の温度への依存性を、実効的に補償することができる。温度変動は、高い圧力において生じることがある。しかしながら、他方では、それゆえ、広い温度範囲にわたって力測定デバイスを用いることを可能にすることができる。
【0034】
本発明によれば、力測定デバイスの適用の可能性も提供される。本明細書において提案されるダイヤモンドライク力センサリング層によれば、アクティブ構造インターフェース、プリテンション制御ローラベアリング、保持力制御、工作機械、印刷ローラ、制動装置又は調整装置を構成することができるようになる。
【0035】
アクティブ振動減衰システムにおける用途も考えられる。
本発明によれば、力測定デバイスを製造する方法も提供される。その方法では、フォイル及び/又は温度センサ上に予め構成される局部電極構造が力センサに組み込まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下で説明される添付の図面を参照しながら、力を測定するための発明、その使用法、さらには本発明を製造するための本発明による方法を、さらに詳しく説明するつもりであるが、その説明は一例であり、本発明を説明される例に限定することは意図していない。
【0037】
セラミック材料3、圧電スタックアクチュエータ素子7、又は金属、たとえば鋼4(図1〜図5)を含む支持体上に力測定デバイスを構成することができる。支持材料としての鋼は、金属をコーティングするステップをなしで済ませることができるという利点を有する。そのリングは、力を全体的に検知するために、検知用の炭化水素層1で直接覆うことができる。局部的に分解して力又は圧力を測定するために、構造化された電極5を、センサ層上に被着することもできる。
【0038】
アクチュエータ素子は表面上に既に金属層2を有することもできるため、センサ構成は、絶縁層及び/又は摩耗保護層6が最初にPZT基板に被着されるような外観を有することもできる(図5)。これは、たとえば、AlN又はAl2O3にすることができる。結果として、そのセンサ構成は、アクチュエータスタックに印加される電位から切り離される。金属層2は、その上に均一に堆積することができる。その後、その上にピエゾ抵抗層1が被着される。金属2で均一に下塗する場合、局所的に分解して圧力測定を実施することを意図する場合には、センサ層上に個々の局部電極5を堆積しなければならない。力の全体的な測定は、これらの上部電極5を用いることなく達成される。
【0039】
代替的に、構造化されたセンサリングに絶縁及び摩耗保護層6を直接コーティングすることもできる。この保護層のための層の厚さは数マイクロメートルの範囲内であり、アクチュエータ構成の中にさらなる構成要素を組み込む必要がないという、付加的な利点を与える。
【0040】
その力センサ(たとえば、図1及び図2)は、それらの上に作用する力を求めるために、表面全体にわたって荷重をかけることができる。それゆえ、その力は全体的に求められる。それによれば、作用する力の関数として、ピエゾ抵抗センサ層の抵抗の非線形の依存性が生成される(図6)。
【0041】
たとえば、セラミック圧電アクチュエータのような数多くの多機能固体アクチュエータは、圧力負荷しか検知することができないため、さらに大きなアクチュエータの場合には、力の全体的な測定に加えて、その表面上の力分布、そしておそらくトルクの導入を求めること、さらには、制御技術によって、危険な剪断力及び局所的な荷重ピークの蓄積を避けることも賢明である。
【0042】
図7では、電極構造が局部的に被着される結果として、測定曲線が線形になることを見いだすことができる。一例として、図3に表わされるような実施形態では、センサ層1を通じて、電極5にわたって電流が流れ、その電流が金属層2上でタップされる。相対する基板として、コーティングされていないセラミックリング3を用いることができる。
【0043】
局部的に分解して力を測定するためにセンサ層1上に局部電極構造5を直接堆積することとは別の方法が、フォイル8を組み込むことである。このフォイル8は、その表面上に局部電極構造を有する。実現可能な設計が図8に表わされる。これらの構造化されたフォイルはリフトオフ工程によって製造することができるため、その構造は、測定作業に合わせて迅速に設計することができる。同様に、フォイル上に温度センサ10を組み込むことも可能である(図9)。
【0044】
これらのフォイルは、リング上に被着することができるが、当該リングに結合されることなく、均一にコーティングされた単一のセンサ層1に直接接触する。その際、1つのアクチュエータ内に種々のフォイルを組み込むと共に、測定作業に応じて、これらのフォイルをそれぞれ交換するという可能性が提供される。しかしながら、これらの構造化されたプラスチック材料フォイル8又は9を2つのリングに結合して、カプセル化されたセンサシステムを形成することもできる。それによれば、センサ1を有するリングだけが覆われ、金属製の電極構造5と接触する。第2のリングはコーティングされないことがある。
【0045】
力制御の圧電アクチュエータは革新的なアダプトロニックシステムを可能にする。その例には、ユニットを取り付けるときに構造によってもたらされる雑音の流れを制御するように意図されるアクティブ構造インターフェース(ドイツ公開特許第103 614 81号又は同第102 004 019 2号を参照)、又は、たとえば、ツールスピンドルとの精度を向上することに繋がるプリテンション制御ローラベアリングがある。さらに、たとえば保持力制御において、工作機械と共に、たとえば型締力をモニタするために、印刷媒体において、たとえば印刷ローラ内の間隔を調整するために、又は食品加工の場合に、たとえば、刃を調整するために、ロボティックス/アセンブリにおいて多数の用途が考えられる。
【0046】
さらに、その結果は、他のアクチュエータ、たとえば、電磁アクチュエータ、液圧アクチュエータ及び空気圧アクチュエータにも当てはめることができる。
図12では、アクティブ振動減衰の構成を説明することを意図しており、それは本発明おいて説明されたアクチュエータ−センサユニットを組み込んでいる。
【0047】
この目的を果たすために、そのユニットは、2つの弾性機械システム間に挿入され、たとえば、機械的なベアリングの形をとる。代替的に、受動的なベアリングと組み合わせて都合よく用いることができるか、又はそのユニットは弾性構造内にベアリング素子として導入される(F. Doengi著「Adaptive Structures in High Precision Satellites, Modeling and Control of Adaptive Mechanical Structures」(Progress Reports, VDI, series 11, no. 268, p. 429 ff.)。
【0048】
小信号の抵抗の変化を求めて、それに比例する電圧に変換することによって、アクチュエータ−センサユニット上に存在する動的な力が、測定増幅器13において変換される。
ここに記述されるコントローラは主に積分部材14を含む(A. Preumont著「Vibration and Control of Active Structures」(2nd Ed., Kluwer Academic Publishers, 2002))。しかしながら、他のコントローラの適用も同様に可能である(D. Mayer著「Control and identification of active mechanical structures with adaptive digital filters」(Dissertation, TUE Darmstadt, 2003))。
【0049】
コントローラにおいて処理される信号は、その後、(ここでは、圧電)アクチュエータのために適した電力増幅器15で増幅され、それに応じて、アクチュエータが作動する。
相応に検知層を備える環状スタックアクチュエータ(図10及び図11)を用いるときに、アクチュエータ−センサユニットの特にコンパクトな実施形態が製造される。そのアクチュエータは、貫通するねじ12(図11)によって機械的にプリテンションをかけられ、そのプリテンションを測定するために、DLCセンサを用いることができる。
【0050】
動的な動作中に、アクチュエータ−センサユニット上に存在する力を測定するために、後に、そのセンサを用いることができる。プリテンション用のねじ12とアクチュエータとの間の剛性比が適切に選択される限り、この概念によれば、アクティブ振動減衰(たとえば、上記の例に対応する)も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】基板としてのセラミックアクチュエータリング3と、その上に被着される金属層2と、さらにその上に被着されるピエゾ抵抗層1とを有する、本発明による力測定デバイスの環状の実施形態を示す図である。
【図2】基板としての鋼支持体4と、その上に被着されるピエゾ抵抗層1とを有する、同じく、本発明による力測定デバイスの環状の実施形態を示す図である。
【図3】図1において表され、さらに局部電極構造5を被着されている、本発明による力測定デバイスの環状の実施形態を示す図である。
【図4】図2において表され、さらに局部電極構造5を被着されている、本発明による力測定デバイスの環状の実施形態を示す図である。
【図5】PZT素子7を基にし、付加的な絶縁層及び/又は摩耗保護層6、さらには、均一な金属層2、ピエゾ抵抗センサ層1及び局部電極構造5を有する、本発明による力測定デバイスの一実施形態を示す図である。
【図6】センサの表面全体に荷重をかけることによって作用する力の関数として、抵抗測定値の典型的な測定曲線を示すグラフである。
【図7】局部電極構造を有するセンサの実施形態に局部的に構造化した荷重をかけることによって作用する力の関数として、抵抗測定値の典型的な測定曲線を示すグラフである。
【図8】力を局所的に測定することができるようにする、予め構成された局部電極構造9を有するフォイル8を示す図である。
【図9】局部電極構造9を有し、温度センサ10が組み込まれるフォイル8を示す図である。
【図10】ピエゾ抵抗センサ層1及び圧電スタックアクチュエータ7を含み、いずれの構成要素ともハウジング11内に配置される、アクチュエータ−センサユニットを示す図である。
【図11】ここでさらに、ユニットのプリテンション12を調整するための別のねじが存在する、同じく、図10に示されるようなアクチュエータ−センサユニットを示す図である。
【図12】ピエゾ抵抗センサ層1によって生成される測定信号が最初に測定増幅器13において予め増幅され、その後、集積増幅器14においてさらに処理され、圧電スタックアクチュエータ7を制御するために、その信号が最終的に、電力増幅器15においてさらに増幅される、自動制御システムにおける図11のようなアクチュエータ−センサユニットを示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に配置されると共にピエゾ抵抗特性を有するアモルファスカーボン層を備える、力測定デバイス。
【請求項2】
前記支持体は固体アクチュエータであることを特徴とする、請求項1に記載の力測定デバイス。
【請求項3】
前記固体アクチュエータは圧電スタックアクチュエータであることを特徴とする、請求項2に記載の力測定デバイス。
【請求項4】
前記支持体は金属支持体であり、好ましくは鋼支持体であることを特徴とする、請求項1に記載の力測定デバイス。
【請求項5】
前記支持体はセラミック支持体であることを特徴とする、請求項1に記載の力測定デバイス。
【請求項6】
前記支持体は電磁アクチュエータ、液圧アクチュエータ及び/又は空気圧アクチュエータであることを特徴とする、請求項1に記載の力測定デバイス。
【請求項7】
前記アモルファスカーボンは、a−C、a−:CH、i−CH、a−C:H:Me、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、Me:DLC及び/又はそれらの混合物を含むグループから選択されることを特徴とする、請求項1〜6のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項8】
前記アモルファスカーボン層は少なくとも部分的にsp3結合している炭素を有することを特徴とする、請求項1〜7のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項9】
前記アモルファスカーボン層の厚みは0.1μm〜30μmであり、好ましくは1〜10μmであることを特徴とする、請求項1〜8のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項10】
前記アモルファスカーボン層は少なくとも10GPa、好ましくは少なくとも15GPaの硬度を有することを特徴とする、請求項1〜9のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項11】
前記アモルファスカーボン層は、少なくとも150℃まで、好ましくは少なくとも200℃までの熱負荷をかけることができることを特徴とする、請求項1〜10のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項12】
前記アモルファスカーボン層は、10nm/kN未満の剛性を有することを特徴とする、請求項1〜11のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項13】
基板と前記アモルファスカーボン層との間に金属層が配置されることを特徴とする、請求項1〜12のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項14】
前記基板と前記金属層との間に絶縁層及び/又は摩耗保護層が含まれることを特徴とする、請求項1〜13のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項15】
前記絶縁層及び/又は前記摩耗保護層は、材料AlN及び/又はAl2O3を含むことを特徴とする、前項に記載の力測定デバイス。
【請求項16】
前記アモルファスカーボン層上に局部電極構造が被着されることを特徴とする、請求項1〜15のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項17】
前記力測定デバイス内に温度センサが組み込まれることを特徴とする、請求項1〜16のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項18】
前記局部電極構造及び/又は前記温度センサはフォイル上に予め構造化されることを特徴とする、請求項16及び17のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項19】
前記力測定デバイスはリングとして構成されることを特徴とする、請求項1〜18のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項20】
ピエゾ抵抗層の抵抗測定が達成されることを特徴とする、請求項1〜19のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイスの助けを借りて力を測定する方法。
【請求項21】
前記力の前記測定は、前記力測定デバイス全体を介して、表面全体にわたって達成されることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記力の前記測定は局所的に分解して達成されることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
静的な力の測定が達成されることを特徴とする、請求項20〜22のうちの1つ又は複数の項に記載の方法。
【請求項24】
動的な力の測定が達成されることを特徴とする、請求項20〜22のうちの1つ又は複数の項に記載の方法。
【請求項25】
前記ピエゾ抵抗層を通じる電流の流れが、前記金属層を介してタップされることを特徴とする、請求項20〜24のうちの1つ又は複数の項に記載の方法。
【請求項26】
前記ピエゾ抵抗層を通じる電流の流れが、前記金属製支持体を介して、好ましくは前記鋼支持体を介してタップされることを特徴とする、請求項20〜24のうちの1つ又は複数の項に記載の方法。
【請求項27】
アクティブ構造インターフェース、プリテンション制御ローラベアリング、保持力制御装置、工作機械、印刷ローラ、制動装置及び/又は調整装置を含むグループから選択されるアダプトロニックシステムにおいて、請求項1〜19のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイスの使用。
【請求項28】
アクティブ振動減衰システムにおける、請求項1〜19のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイスの使用。
【請求項29】
局部力測定セル及び力検知ネットワークにおける、請求項1〜19のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイスの使用。
【請求項1】
支持体上に配置されると共にピエゾ抵抗特性を有するアモルファスカーボン層を備える、力測定デバイス。
【請求項2】
前記支持体は固体アクチュエータであることを特徴とする、請求項1に記載の力測定デバイス。
【請求項3】
前記固体アクチュエータは圧電スタックアクチュエータであることを特徴とする、請求項2に記載の力測定デバイス。
【請求項4】
前記支持体は金属支持体であり、好ましくは鋼支持体であることを特徴とする、請求項1に記載の力測定デバイス。
【請求項5】
前記支持体はセラミック支持体であることを特徴とする、請求項1に記載の力測定デバイス。
【請求項6】
前記支持体は電磁アクチュエータ、液圧アクチュエータ及び/又は空気圧アクチュエータであることを特徴とする、請求項1に記載の力測定デバイス。
【請求項7】
前記アモルファスカーボンは、a−C、a−:CH、i−CH、a−C:H:Me、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)、Me:DLC及び/又はそれらの混合物を含むグループから選択されることを特徴とする、請求項1〜6のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項8】
前記アモルファスカーボン層は少なくとも部分的にsp3結合している炭素を有することを特徴とする、請求項1〜7のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項9】
前記アモルファスカーボン層の厚みは0.1μm〜30μmであり、好ましくは1〜10μmであることを特徴とする、請求項1〜8のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項10】
前記アモルファスカーボン層は少なくとも10GPa、好ましくは少なくとも15GPaの硬度を有することを特徴とする、請求項1〜9のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項11】
前記アモルファスカーボン層は、少なくとも150℃まで、好ましくは少なくとも200℃までの熱負荷をかけることができることを特徴とする、請求項1〜10のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項12】
前記アモルファスカーボン層は、10nm/kN未満の剛性を有することを特徴とする、請求項1〜11のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項13】
基板と前記アモルファスカーボン層との間に金属層が配置されることを特徴とする、請求項1〜12のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項14】
前記基板と前記金属層との間に絶縁層及び/又は摩耗保護層が含まれることを特徴とする、請求項1〜13のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項15】
前記絶縁層及び/又は前記摩耗保護層は、材料AlN及び/又はAl2O3を含むことを特徴とする、前項に記載の力測定デバイス。
【請求項16】
前記アモルファスカーボン層上に局部電極構造が被着されることを特徴とする、請求項1〜15のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項17】
前記力測定デバイス内に温度センサが組み込まれることを特徴とする、請求項1〜16のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項18】
前記局部電極構造及び/又は前記温度センサはフォイル上に予め構造化されることを特徴とする、請求項16及び17のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項19】
前記力測定デバイスはリングとして構成されることを特徴とする、請求項1〜18のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイス。
【請求項20】
ピエゾ抵抗層の抵抗測定が達成されることを特徴とする、請求項1〜19のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイスの助けを借りて力を測定する方法。
【請求項21】
前記力の前記測定は、前記力測定デバイス全体を介して、表面全体にわたって達成されることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記力の前記測定は局所的に分解して達成されることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
静的な力の測定が達成されることを特徴とする、請求項20〜22のうちの1つ又は複数の項に記載の方法。
【請求項24】
動的な力の測定が達成されることを特徴とする、請求項20〜22のうちの1つ又は複数の項に記載の方法。
【請求項25】
前記ピエゾ抵抗層を通じる電流の流れが、前記金属層を介してタップされることを特徴とする、請求項20〜24のうちの1つ又は複数の項に記載の方法。
【請求項26】
前記ピエゾ抵抗層を通じる電流の流れが、前記金属製支持体を介して、好ましくは前記鋼支持体を介してタップされることを特徴とする、請求項20〜24のうちの1つ又は複数の項に記載の方法。
【請求項27】
アクティブ構造インターフェース、プリテンション制御ローラベアリング、保持力制御装置、工作機械、印刷ローラ、制動装置及び/又は調整装置を含むグループから選択されるアダプトロニックシステムにおいて、請求項1〜19のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイスの使用。
【請求項28】
アクティブ振動減衰システムにおける、請求項1〜19のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイスの使用。
【請求項29】
局部力測定セル及び力検知ネットワークにおける、請求項1〜19のうちの1つ又は複数の項に記載の力測定デバイスの使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【公表番号】特表2009−535610(P2009−535610A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506996(P2009−506996)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【国際出願番号】PCT/EP2007/003776
【国際公開番号】WO2007/124940
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(507241894)フラオンホファー−ゲゼルシャフト・ツア・フェルデルング・デア・アンゲヴァンテン・フォルシュング・エー・ファオ (14)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【国際出願番号】PCT/EP2007/003776
【国際公開番号】WO2007/124940
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(507241894)フラオンホファー−ゲゼルシャフト・ツア・フェルデルング・デア・アンゲヴァンテン・フォルシュング・エー・ファオ (14)
【Fターム(参考)】
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