説明

固体剤形としての医薬組成物およびその製造方法

本発明は、治療有効成分としてデスモプレッシンを含む固体剤形として新規な医薬組成物およびその製造法に関する。本発明は、治療有効成分としてデスモプレッシン、または薬学的に許容し得るその塩、それと共に薬学的に許容し得る賦形剤、希釈剤、または担体、あるいはそれらの混合物を含み、前記賦形剤、希釈剤および担体のうち少なくとも1種は、単糖類、二糖類、オリゴ糖類および多糖類から選択される物質であり、前記物質は、60μmから1000μmの範囲の平均粒径を有する、固体剤形としての医薬組成物に関する。本発明による方法は、デスモプレッシンの固体剤形の製造改善を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療有効成分としてデスモプレッシンを含む固体剤形の新規な医薬組成物およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
dDAVPとしても知られているデスモプレッシンは、もっぱら経鼻スプレーおよび錠剤製剤として市販されている製薬製品、ミニリン(Minirin(登録商標))における治療有効成分(その酢酸塩として)である。デスモプレッシンは、一次的夜尿症、すなわち、小児における夜尿症の治療において主として使用されるが、夜間頻尿症および尿崩症の治療にも承認されている。錠剤製剤の最初の市場導入は、1987年のスウェーデンであった。
【0003】
要約すると、錠剤製剤のような固体剤形は、好適な顆粒を所望の固体剤形へと圧縮することにより典型的に製造され、前記顆粒は、固体粒子の混合物として必要な構成成分からなる。典型的なこのような粒子は、治療有効成分、種々の賦形剤(充填剤)、崩壊剤、潤滑剤および結合剤であり、場合によっては、例えば、風味剤、防腐剤および/または着色剤と一緒に存在する。商品として入手できるMinirin(登録商標)錠剤は、この一般的なプロトコルに従って調製され、その錠剤は、米国特許第5047398号に記載されているように最初に開示され、その教示は、参照として本明細書に組み込まれている。製薬錠剤製造の包括的概要に関しては、「Pharmaceutics−The science of dosage form design」中の647〜668ページ、「Tableting」(N.A.Armstrongによる);編集者M.E.Aulton、Churchill Livingstone、エジンバラ、ロンドン、メルボルンおよびニューヨーク、1988年を参照されたく、その教示の全ては、参照として本明細書に組み込まれている。
【0004】
現在市販され、したがって工業スケールで製造されているMinirin(登録商標)は、治療有効成分のデスモプレッシンと共に、それぞれ賦形剤としてジャガイモ澱粉と乳糖、および好適な量の結合剤と潤滑剤とからなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
固体粒子の混合物からなる顆粒の錠剤圧縮において、一般に可能な最高スピードで圧縮操作を実施する必要があり、と同時に機械による摩耗を最少にし、全て関連する受け持ち区域の規制要求に合致する品質の錠剤を得る必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある一定の寸法の賦形剤の粒子は、予想外にも製造工程のスピードを実質的に改良するが、今まで用いられた工業的製造工程と比較して機械による摩耗および錠剤の品質が、実質的に不変のままであることを発見した。問題の寸法は、デスモプレッシン錠剤の製剤化に関する製造工程において、総合的能力の改善、したがってスピードの改善を提供するような様式で粒子および顆粒の流動性に本質的に影響を与えると思われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
より具体的には、本発明は、治療有効成分としてのデスモプレッシン、または薬学的に許容し得るその塩と共に、薬学的に許容し得る賦形剤、希釈剤、または担体、もしくはそれらの混合物を含み、前記賦形剤、希釈剤および担体のうち少なくとも1種は、単糖類、二糖類、オリゴ糖類および多糖類から選択される物質であり、前記物質は、60μmから1000μmの範囲の平均粒径を有する、固体剤形としての医薬組成物に関する。
【0008】
したがって、少なくとも2種の前述のタイプの糖類の混合物が存在するこれらの実施形態において、それらの少なくとも1種が、本発明の特定の粒径範囲内でなければならない。
【0009】
多くの場合において、用語の賦形剤、希釈剤および担体は、交換可能に用いることができ、それらは、1種で同一の物質、または同様なこのような物質の混合物も示すことができる。これらの用語の正しい使用ならびにこれらの解釈は自明であり、十分に製薬製剤における当業者の能力の範囲内である。
【0010】
本発明による医薬組成物は、崩壊剤、潤滑剤、結合剤、風味剤、防腐剤、着色剤およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の添加剤を場合によっては含むことができる。また、好適と考えられる場合、他の添加物を含んでもよい。崩壊剤、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)、結合剤(例えば、コリドン(Kollidon)(登録商標)25、BASF)、風味剤、防腐剤、着色剤およびそれらの好適な混合物ならびに本発明を実施しようとする当業者によって考え得る任意の他の従来の添加物の代表例は、「Handbook of Pharmaceutical Excipients」;編集者A.H.Kibbe、第3版、American Pharmaceutical Association、米国、およびPharmaceutical Press、英国、2000年に見ることができ、それらの教示は、参照として本明細書に組み込まれている。一例として、本発明の実施の際にも適用できる、潤滑剤および結合剤の典型的な量は、医薬組成物の6重量パーセント未満の位数であることを述べることができる。
【0011】
本明細書で用いられる表現の「オリゴ糖類」は、グリコシド結合を介して結合した3から10個の単糖単位からなり、任意の分枝度を有する鎖をいう。したがって、本明細書で用いられる表現の「多糖類」は、グリコシド結合を介して結合した少なくとも11個の単糖単位からなる、任意の分枝度を有する鎖をいう。天然糖類の、人工的に修飾された誘導体および類縁体もまた、本発明の実施の際に使用することが可能である。
【0012】
従来用いられている製造工程から得られる市販の錠剤において、乳糖粒子(DMVにより提供されたPharmatose 150M、オランダ)は、エアジェット篩い(Alpine GmbH、DEにより提供)により決定された平均サイズ約50μmである。その粒径では、1時間当たり約170000個の錠剤を超える圧縮スピードを可能にする顆粒は提供されない。それと対照的に、本発明による工程は、所望の錠剤品質と共に約250000個の錠剤/時間までの圧縮スピードを可能にし、製錠機による摩耗を低レベルに維持した。
【0013】
前記平均粒径に関する上限のさらなる例として、900μm、800μm、700μmおよび600μmを述べることができる。しかしながら、前記医薬組成物の好ましい実施形態において、前記平均粒径は、70μmから500μmの範囲内である。他の好ましい実施形態において、前記平均粒径は、75μmから350μmの範囲内である。さらに他の好ましい実施形態において、前記平均粒径は、100μmから200μmの範囲内である。さらに好ましい実施形態において、前記平均粒径は、120μmから180μmの範囲内である。本発明の最も好ましい実施形態において、前記平均粒径は、140μm(エアジェット篩いによる測定)である。オランダのDMVにより市販され、Pharmatose DCL 15として販売されている乳糖粒子は、この最も好ましい平均粒径のものである。他の特定の実施形態は、例えば、Pharmatose DCL 11、Pharmatose DCL 21およびPharmatose DCL 40の使用を含むことができ、これらは全て前述のDMVにより提供され、それぞれ110μm、150μmおよび165μmの平均粒径を有している。
【0014】
市販の提供者によれば、Pharmatose DCL 15の粒径分布は、本質的に全粒子が、500μm以下のサイズを有しているが、粒子の凡そ72%は、75μmから350μmのサイズを有している。
【0015】
エアジェット篩いによる粒径の測定において、エアは、篩い上の物質が流動されるように回転スリットから篩いを通して上方に吸い込まれる。同時に、篩いの底部に陰圧が適用され、これにより微小粒子は採取装置へと除かれる。サイズ分析および平均粒径の決定は、単独の篩いを連続的に用いることにより粒径分布の微小末端から粒子を除去することにより実施される。また、これに関するより詳細については、「Particle Size Measurement」、第5版、178ページ、1巻;T.Allen、Chapman & Hall、ロンドン 英国、1997年、を参照されたい。このように当業者にとって、このようなサイズ測定は、従来からの特徴である。
【0016】
したがって、前記物質は、二糖類、好ましくは乳糖、より好ましくは乳糖−α−一水和物であることが好ましい。
【0017】
前記多糖類としては、澱粉が好ましく、多くの利用できる澱粉の中で、ジャガイモ澱粉が最も好ましい。ジャガイモ澱粉の例として、Pharma M20、Pharma M14(KMC、DKにより提供)およびAmylSolVat(Lyckeby Starkelse AB、SEにより提供)を述べることができる。
【0018】
好ましい実施形態において、前記二糖類および多糖類の双方が、前記医薬組成物中に存在する。特にその実施形態において、前記二糖類と多糖類との間の重量比は、典型的には100:1から1:100、好ましくは10:1から1:10、より好ましくは2:1から1:2である。
【0019】
前記賦形剤、希釈剤および担体を併せた全量が通常は医薬組成物の5重量パーセントから99重量パーセント、好ましくは50重量パーセントから99重量パーセントであり、100%までの残部は、治療有効成分と、場合によっては前述の添加剤とであり、後者は、潤滑剤および結合剤であることが好ましい。
【0020】
本発明による固体剤形としての医薬組成物は、典型的には、経口的に利用できる錠剤である。代替の非限定実施形態として、前記錠剤は、頬側投与および/または舌下投与など、経口投与用に構成され得る。
【0021】
典型的に前記組成物は、固体剤形の1単位当たり20μgから600μgの量で酢酸デスモプレッシンを含む。一例として、100μgの酢酸デスモプレッシンを含有する典型的な錠剤は、3〜4mmの厚さおよび200mgの重量を有する白色、凸状の楕円形(6.7×9.5mm)である。他の例として、200μgの酢酸デスモプレッシンを含有する錠剤は、3〜4mmの厚さおよび200mgの重量を有する白色、円形(8mmの直径)の凸状である。
【0022】
したがって、本発明のさらなる態様は、治療有効成分としてのデスモプレッシン、または薬学的に許容し得るその塩を含む固体剤形としての医薬組成物の製造方法に関するものであって、前記方法は:
i)賦形剤、希釈剤および担体のうち少なくとも1種は、単糖類、二糖類、オリゴ糖類および多糖類から選択される物質であり、前記物質は、60μmから1000μmの範囲の平均粒径を有し、場合によっては、湿潤剤の存在下、デスモプレッシンと、前記賦形剤、希釈剤、または担体、もしくはそれらの混合物とを混合するステップ;
ii)場合によっては、湿潤剤の存在下、生じた混合物を前記固体剤形への圧縮に好適な顆粒形成に供するステップ;
iii)崩壊剤、潤滑剤、結合剤、風味剤、防腐剤、着色剤およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の添加剤存在下、顆粒の前記混合および/または顆粒形成を場合によっては実施するステップ;
iv)場合によっては、前記顆粒を乾燥するステップ;
v)前記顆粒を前記固体剤形へ圧縮するステップ、を含む。
【0023】
このように、本発明による方法は、具体的成分が確認され、含まれたら、製薬製剤の製造用の従来の装置を用いることにより実施できる。錠剤への圧縮に好適な顆粒は、典型的には、少なくとも約100μmの平均粒径を有する。2mm超のサイズを有する離散した顆粒は通常、引き続く圧縮ステップに移されない。
【0024】
非限定例として、顆粒化用の以下の装置を述べることができる:例えば、GEA/Collete NV、BE(UltimaPro(商標)シリーズ)、Huttlin GmbH、DE(HDGシリーズ)、Diosna Dierks & Soehne GmbH、DE(VACシリーズ)、Fluid Air社、US(Magnaflo(登録商標)シリーズ)およびVector社、US(GMXシリーズ)により提供される、直接加熱される固体流動床;例えば、Jaygo社、US(JRBおよびNovamixシリーズ)、Paul O.Abbe社、US(Rota−Cone、Rota−U、Rota Blade、Cylindrical Ribbon/Paddle、PlowおよびSigma−bladeシリーズ)、Forberg A/S、NO(Forberg IIシリーズ)、Gemco社、US(D/3 Double Cone、V−ShapeおよびSlant−Coneシリーズ)、LittlefordDay社、US(Double Arm、Day NautaおよびDaymaxシリーズ)、Patterson−Kelly、Harsco社、US(P−K Solids Processor(登録商標)シリーズ)、上記のDiosna(CCSおよびVACシリーズ)、Romaco Zanchetta SpA、IT(Roto E、Roto DおよびRoto Pシリーズ)およびL.B.Bohle Maschinen und Verfahren GmbH、DE(Granumator GMAおよびVagumator VMAシリーズ)によって提供されるパドルシステム、ロータリーシステムおよび攪拌システムなどの間接的熱伝導移動固体床。前述の装置はまた、一般に、調製された顆粒の乾燥も提供する。
【0025】
上記に示されたように、前記平均粒径に関する上限のさらなる例として、900μm、800μm、700μmおよび600μmである。本発明の方法の好ましい実施形態において、前記平均粒径は、70μmから500μmの範囲内である。他の好ましい実施形態において、前記平均粒径は、75μmから350μmの範囲内である。さらに他の好ましい実施形態において、前記平均粒径は、100μmから200μmの範囲内である。さらに好ましい実施形態において、前記平均粒径は、120μmから180μmの範囲内である。本発明の最も好ましい実施形態において、前記平均粒径は、140μmである。オランダのDMVにより市販され、Pharmatose DCL 15として販売されている乳糖粒子は、この最も好ましい平均粒径のものである。本発明の他の可能な実施形態は、Pharmatose DCLの前述の変異体(上記参照)を含み得る。
【0026】
したがって、前記物質は、二糖類、好ましくは乳糖、より好ましくは乳糖−α−一水和物であることが好ましい。前記単糖類はまた、D−マンニトール、D−ソルビトールまたはキシリトールもしくはそれらの混合物であり得る。
【0027】
前記多糖類は、好ましくは澱粉、より好ましくはジャガイモ澱粉である。好ましい具体的なジャガイモ澱粉は、上記のものと同一である。
【0028】
本発明による方法において、製造された固体剤形は、典型的には経口的に利用できる錠剤である。所望の場合、それはまた、口腔粘膜投与用になされた形態および/または組成物であり得る。後者の好ましい例は、頬側投与および/または舌下投与である。本発明の実施に好適な錠剤圧縮用装置の例は、Elizabeth−Hata International、US(HTシリーズ)、Courtoy NV、BE(R090F、R100M、R190FT、R290FT、R292FおよびR233シリーズ)、Vector社、US(2000、200およびMagnaシリーズ)、Fette GmbH、DE(Hightech、Medium、Special and WIPシリーズ)、Manesty、UK(Xpress、DiamondおよびValueシリーズ)およびKilian & Co.GmbH、DE(S、T、E、RXおよびKTSシリーズ)により提供されるロータリープレスである。
【0029】
本発明の好ましい実施形態において、前記顆粒の混合および形成ステップは、このような「ワンポット」の、すなわち、組み合わされた工程のために構成された単独の一体型機械において実施される。このような一体型機械、あるいは、表示されたワンポット(単独ポット)装置は、Forberg A/S、ノルウェーにより提供されるFTシリーズである。
【0030】
使用される前記湿潤化剤は、水、および、水とアルコールとの、好ましくはエタノールとの混合物から選択されることが好ましい。水/エタノール1:3の混合物が典型的に用いられるが、多くの他の組合せも可能である。
【0031】
上記に示されたように、前記生じた混合物は、少なくとも100μm、好ましくは100μmから2mmの範囲の平均粒径の顆粒形成に供されることが好ましい。
【0032】
前記方法の好ましい実施形態において、前記二糖類および多糖類の双方は、混合ステップに存在する。次に前記二糖類と多糖類との重量比は、100:1から1:100、好ましくは10:1から1:10、より好ましくは2:1から1:2である。
【0033】
前記方法は、前記賦形剤、希釈剤および担体を併せた全量は、医薬組成物の5重量パーセントから99重量パーセント、好ましくは50重量パーセントから99重量パーセントであるそのような方法において実施されることが好ましい。
【0034】
最も好ましい実施形態において、酢酸デスモプレッシンが使用され、最終的には固体剤形の1単位当たり20μgから600μgの酢酸デスモプレッシンを提供する量で、前記賦形剤、希釈剤および/または担体と混合される(上記および錠剤の実施例に関する実験部分を参照)。
【0035】
さらなる態様において、本発明はまた、一般に、また具体的実施形態の双方において概説されたように、上記に定義された新規な方法により得ることができる、固体剤形としての医薬組成物に関する。
【0036】
本発明をより詳細に実証および説明するために、以下の実施例が提供される。それは、本発明の実施法であって、限定するものとして解釈してはならない。
【実施例】
【0037】
実施例1:dDAVPの固体剤形の調製
酢酸デスモプレッシン(100gまたは200g;PolyPeptide Laboratories AB、SEより提供)、結合剤としてポリビニルピロリドン(PVP)(1.84kg;Kollidon(登録商標)25、BASF GmbH、DEにより提供)、顆粒化液(水/エタノール1:3混合物)を容器内で合わせ、透明な溶液が達成されるまで室温で混合する。ジャガイモ澱粉(77kg、レーザー回折測定による平均粒径約40〜50μm;Lyckeby Starkelse AB、SEより提供のAmylSolVat)を秤量し、2mm篩いを通して篩い分けする。乳糖(120kg、DMV NV、NLにより提供のDCL 15;この製品の詳細に関して上記参照)を秤量し、澱粉と共に単独ポットミキサー(FT−350;Forberg A/S、NOにより提供)に充填し、その中で混合する。次に、顆粒化液溶液を粉末混合物にスプレーし、その後、湿った顆粒を温風(150℃)で乾燥する(全て混合を続ける)。次いで乾燥顆粒を篩い分け(2mm)し、二重コーンミキサーに移す。ステアリン酸マグネシウム(最大1.0kg;Peter Greven NV、NLにより提供)を次に秤量し、篩い分け(1mm)し、最終混合のため、二重コーンミキサーに移す。次いで、従来からのロータリー錠剤用圧縮機(Kilian S−250)を使用することにより、生じた混合物から錠剤を圧縮製剤し、このとき約250000個の錠剤/時間の圧縮製剤スピードにより、適切な錠剤品質および低機械的摩耗が達成できる。適切な品質の錠剤は、かき傷または縁部欠けのない円滑な表面を有し、層状化(いわゆるキャッピング)傾向を示さない。
【0038】
典型的に前記工程は、前述の外観、寸法および重量を有する100μgまたは200μgの酢酸デスモプレッシンを含有する錠剤を提供するように構成されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療有効成分としてデスモプレッシン、または薬学的に許容し得るその塩を、薬学的に許容し得る賦形剤、希釈剤、または担体、あるいはそれらの混合物と共に含み、前記賦形剤、希釈剤および担体のうち少なくとも1種は、単糖類、二糖類、オリゴ糖類および多糖類から選択される物質であり、前記物質は、60μmから1000μmの範囲の平均粒径を有する、固体剤形としての医薬組成物。
【請求項2】
前記平均粒径が、70μmから500μmの範囲にある請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記平均粒径が、75μmから350μmの範囲にある請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記平均粒径が、100μmから200μmの範囲にある請求項1から3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記平均粒径が、120μmから180μmの範囲にある請求項1から4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記物質が、二糖類、好ましくは乳糖、より好ましくは乳糖−α−一水和物である請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記多糖類が、澱粉、好ましくはジャガイモ澱粉である請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記二糖類および多糖類の双方が存在する請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記二糖類と多糖類との重量比が、100:1から1:100、好ましくは10:1から1:10、より好ましくは2:1から1:2である請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記賦形剤、希釈剤および担体を併せた全量が、医薬組成物の5重量パーセントから99重量パーセント、好ましくは50重量パーセントから99重量パーセントである請求項1から9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記固体剤形が、口腔粘膜投与、好ましくは頬側投与および/または舌下投与用に場合によって構成されている、経口利用可能な錠剤である請求項1から10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
固体剤形の1単位当たり20μgから600μgの量で酢酸デスモプレッシンを含む請求項1から11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
i)賦形剤、希釈剤および担体のうち少なくとも1種は、単糖類、二糖類、オリゴ糖類および多糖類から選択される物質であり、前記物質は、60μmから1000μmの範囲の平均粒径を有し、デスモプレッシンと、前記賦形剤、希釈剤、または担体、あるいはそれらの混合物とを、場合によっては湿潤剤の存在下で、混合するステップ;
ii)生じた混合物を、場合によっては湿潤剤の存在下で、前記固体剤形への圧縮に好適な顆粒の形成に供するステップ;
iii)崩壊剤、潤滑剤、結合剤、風味剤、防腐剤、着色剤およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の添加剤の存在下で前記混合および/または顆粒形成を場合によっては実施するステップ;
iv)場合によっては、前記顆粒を乾燥するステップ;
v)前記顆粒を前記固体剤形へ圧縮するステップ
を含む、治療有効成分としてのデスモプレッシン、または薬学的に許容し得るその塩を含む固体剤形としての医薬組成物の製造方法。
【請求項14】
前記平均粒径が、70μmから500μmの範囲にある請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記平均粒径が、75μmから350μmの範囲にある請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記平均粒径が、100μmから200μmの範囲にある請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記平均粒径が、120μmから180μmの範囲にある請求項13から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記物質が、二糖類、好ましくは乳糖、より好ましくは乳糖−α−一水和物である請求項13から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記多糖類が、澱粉、好ましくはジャガイモ澱粉である請求項13から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記固体剤形が、口腔粘膜投与、好ましくは頬側投与および/または舌下投与用に場合によって構成されている、経口利用可能な錠剤である請求項13から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記混合ステップおよび顆粒形成ステップが、このような組合せ工程のために構成された単独の一体型機械において実施される請求項13から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記湿潤剤が、水、および、水とアルコールとの、好ましくはエタノールとの混合物から選択される請求項13から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記生じた混合物が、少なくとも100μm、好ましくは100μmから2mmの範囲の平均粒径を有する顆粒の形成に供される請求項13から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記二糖類および多糖類の双方が、混合ステップに存在する請求項13から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記二糖類と多糖類との重量比が、100:1から1:100、好ましくは10:1から1:10、より好ましくは2:1から1:2である請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記賦形剤、希釈剤および担体を併せた全量が、医薬組成物の5重量パーセントから99重量パーセント、好ましくは50重量パーセントから99重量パーセントである請求項13から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
酢酸デスモプレッシンが使用され、固体剤形の1単位当たり20μgから600μgの酢酸デスモプレッシンを提供する量で前記賦形剤、希釈剤または担体と混合される請求項13から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
請求項13から27のいずれか一項に定義された方法により得ることのできる固体剤形としての医薬組成物。

【公表番号】特表2006−524663(P2006−524663A)
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505337(P2006−505337)
【出願日】平成16年4月30日(2004.4.30)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004597
【国際公開番号】WO2004/096181
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(500297535)フェリング ベスローテン フェンノートシャップ (36)
【Fターム(参考)】