説明

固体酸化物型燃料電池スタックのための可撓性シール

固体酸化物型燃料電池スタックのシールアッセンブリは、対向表面を有する少なくとも二つの燃料電池スタック部品と、この表面の間に設けられるシール部材とを含み、シール部材は、表面に対して面内方向と面外方向の両方で機械的可撓性を有する可撓性シール部材である。シール部材は、1本または複数本の略連続繊維で形成されると好都合である。さらに、燃料電池スタックの汚染を防止しながら所望レベルの不透過性を付与して好都合であるシール部材に好適な材料が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体酸化物型燃料電池(solid oxide fuel cell)(SOFC)スタックに関し、より詳しくは、このスタックを形成する部品の層の間に配置するための可撓性シールに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなシールの主な機能は、SOFCスタックで使用される気体状反応物の混合を防止することである。シールが所望の機能を行うためには、SOFCスタック内で見られる高温・湿度低下条件において機械的および化学的な安定性をシールが有する必要がある。そのうえ、動作および熱サイクル条件において、シールは構造完全性を維持しなければならない。
【0003】
従来のシールはガラスまたはガラス系セラミックスで製造され、熱サイクル中にシールが構造完全性を維持するように、電池およびスタック部品のものと適合するように熱膨張性が調節されている。これらのガラスは一般に、ケイ素、ホウ素、またはリンを含有する酸化物で製造され、通常はアルカリ金属酸化物が添加されている。不都合なことに、これらの酸化物は電池を汚染する傾向を持ち、電池とスタックの長期的な性能に悪影響を与える。そのうえ、これらのガラスは湿度低下環境では化学的に安定せず、長期間の用途では構造完全性を持たない。
【0004】
先行技術によるSOFC用シールは、セラミック粒子と混合された不連続セラミック繊維で製造されたガスケットも使用する。このようなシールでは漏れが見られ、その結果、ガスの混合、効率の損失、電池性能劣化の可能性が見られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上に基づいて、汚染を行わず、電池性能に悪影響を与えず、長期間の運転・熱サイクル条件でも化学的および機械的に安定した改良型の不透過性シールの必要性が残ることは明白である。
【0006】
そのため、本発明の主な目的は、このようなシールを提供することである。
【0007】
本発明の他の目的と長所は、以下で明らかとなるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にしたがえば、以上の目的と長所が容易に実現される。
【0009】
本発明によれば、対向表面を有する少なくとも二つの燃料電池スタック部品と、表面間に設けられるシール部材とを含む固体酸化物型燃料電池スタックのためのシールアッセンブリが提供され、シール部材は、面内方向と面外方向の両方に機械的可撓性を有することにより、高いレベルの気体不透過性を維持しながら、電池と他のスタック部品の組立・製造公差を緩和するとともに、熱膨張の不一致による応力を軽減する。面内方向は対向表面に対して略平行であるのに対して、面外方向は対向表面に対して略垂直である。
【0010】
本発明によればさらに、シール部材は、連続繊維シールを形成するように配列された連続繊維の形態であることが望ましい。連続繊維シールは、面内および面外方向の可撓性という機能を維持しながら所望の気体不透過性を提供するため、閉ループリングまたは他の閉ループ構造に形成されることが望ましい。
【0011】
さらに本発明によれば、ここでは安定酸化物セラミックスと呼ばれる酸化性雰囲気と湿度低下雰囲気の両方で安定した酸化物セラミックスから成る群より選択される少なくとも一種類の材料をシール部材が含む。
【0012】
本発明によればさらに、面内と面外方向の繊維の移動が好適に制御されるように、シール表面の所定の表面形体の間に、可撓性連続繊維シールが配置される。特に重要なのは、面外方向における可撓性シール変形の程度を制御することにより金属相互接続部のクリープ変形量を好適に制限する圧縮ストッパである。
【0013】
さらに本発明によれば、シールの不透過性を一層高めるため、可撓性連続繊維シールには、金属、セラミック、サーメット含浸剤が含浸される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施例についての詳細な説明を以下に挙げる。
【0015】
本発明は、一般に燃料電池、特に固体酸化物型燃料電池(SOFC)に関し、そしてより詳しくは、固体酸化物型燃料電池スタックの層の間での気体の漏れに対する適切なシールを提供する一方で、スタックの汚染を回避するとともに、面内方向と面外方向の両方で機械的可撓性を好適に提供することにより、電池および他のスタック部品の組立および製造公差を緩和するとともに、熱膨張の不一致による応力を軽減する、これら層の間に配置するためのシールアッセンブリに関する。ここでの説明はSOFCに関するものであるが、当業者は、溶融炭酸塩型燃料電池または他の燃料電池など、このような技術の恩恵を受ける他のタイプの燃料電池に本発明が適用できることを認めるだろう。
【0016】
本発明によれば、対向表面を有する少なくとも二つの燃料電池スタック部品と、この表面の間に設けられるシール部材とを含む、固体酸化物型燃料電池スタックのためのシールアッセンブリが提供される。シール部材は、酸化性と還元性の両方の雰囲気中で安定している酸化物セラミックスから成る群より選択される材料で設けられると好都合であり、この材料はここでは安定酸化物セラミックスと呼ばれる。
【0017】
本発明の別の態様によれば、連続繊維シールを形成するように配列された連続繊維の形態のシール部材が設けられる。連続繊維シールは、所望の気体不透過性その他を付与するための閉ループリングまたは他の閉ループ構造に形成されることが望ましい。閉ループという用語は、繊維(fiber)または綱(tow)の自由端部を二つのみ有する「Oリング」状構造を形成するように巻かれた繊維または綱と呼ばれる繊維束として定義される。繊維または綱のループの数が増加するにつれて、繊維自由端部により生まれる不連続性は重要でなくなり、気体不透過性の上昇が見られる。
【0018】
図1は、本発明による燃料電池スタックアッセンブリ10を概略的に示す。アッセンブリ10は、間に配置されたバイポーラ(bipolar)プレート14を備えるスタック状に配列された複数の燃料電池12を含むことが望ましい。
【0019】
燃料電池12は一般に、電解質16と、電解質16の片側に配置されるカソード層18と、電解質16の反対側に配置されるアノード層20と、いずれかの側の層22とを含む。
【0020】
バイポーラプレート14は、カソード対向表面26とアノード対向表面28とを有するセパレータプレート24と、カソード対向表面26と隣接の燃料電池12のカソード層18との間に配置されるカソード相互接続部30と、アノード対向表面28と隣接の燃料電池12のアノード層20との間に配置されるアノード相互接続部32とを含む。
【0021】
本発明によれば、任意の溝46を中に画定するフレーム44と、所望のシールを間に設けるように溝46に配置されてセパレータプレート24と隣接の燃料電池12との間で圧縮される可撓性シール部材48との形態で、シール設計が設けられる。可撓性シールの撓み量を制限して、可撓性相互接続部、可撓性シール、およびスタックの他のすべての要素を好適に組み立てるため、圧縮ストッパ50が設けられている。当業者は、セパレータプレート24と隣接の燃料電池12との間、または他の燃料電池部品の間にも可撓性シール部材48を直接に載置できるので、フレーム44が必要ではないことを認めるだろう。当業者はまた、本発明では圧縮ストッパ50が必要でないが、ここで説明するようにそれにより付加的な利点が得られることを認めるだろう。
【0022】
燃料電池12とセパレータプレート24との間に配置されてカソード側をシールするシール部材48が図1の実施例に示されているが、本発明によるシール部材48と、関連のシールアッセンブリは、必要または所望により、アノード側をシールするように他の燃料電池スタック部品の間に同様に配置されてもよいことを理解すべきである。
【0023】
さらに本発明によれば、燃料電池スタックを汚染せずに効果的なシール機能を可能にする選択材料からシール部材48が設けられると好都合である。本発明によれば、アルミナ、ジルコニア、ムライト、イットリウムアルミニウムガーネイト、ケイ酸マグネシウムその他などの少なくとも一種類の安定酸化物セラミックを含む材料集合からシール部材48が設けられると好都合である。シール部材48は、連続繊維シール構造として設けられることが望ましい。シールに使用できる市販の繊維材料製品は、3M製のNextelTM610,NextelTM312,NextelTM440,NextelTM550,NextelTM720その他を非限定的な例として含む。
【0024】
上記のように、高いレベルの不透過性を維持しながら、かなりの機械的可撓性を呈する連続繊維、望ましくは連続アルミナ繊維の形態でシール部材48が設けられると好都合である。
【0025】
図2は、連続繊維がリングなどの閉ループ構造に巻かれているシール部材48の一構成を示し、リングは、繊維束による1本のループで構成されても、個々の繊維または細い繊維束による複数の連続ループで構成されてもよい。連続した閉ループシール構造により繊維端部が実質的に最小となるので、個々の繊維または細い繊維束による連続ループは気体に対する不透過性を上昇させて好都合である。図2ではシール部材48がリングとして開示されているが、当業者は、他の形状のシール部材48も可能であり、本発明の範囲に含まれることを認めるだろう。例えばシール部材48は、図1の溝46により画定されるものなど、シールされることが望ましい範囲に適合する形状であることが望ましい。
【0026】
図3は、図2の閉ループ構造の一部の拡大図を示し、繊維または繊維束の端部56が見られる。シール部材48の好適な実施例は高さ“h”を有し、直径“t”の繊維または繊維束による“n”本のループで構成され、“n”は1と等しいかこれより大きく、“h/t”の比は1より大きいかこれと等しい。特定の繊維または繊維束については、‘n’の数が大きくなると、一定に維持される端部56の数に対してループの数が増大するので、不透過性が上昇する。例えば、単一の繊維が十(10)回巻かれた場合には、ループ/端部の比が5:1であれば、ループの数は10で端部56の数は2あることになる。繊維を100回巻くと、ループ/端部の比が50:1であれば、この構造はループの数は100で端部56の数は二つのみ有することになるので、不透過性は上昇する。
【0027】
図4は、連続繊維から成る複数の連続ループ状閉リング構造52,53,54が略同心パターンで載置されて不透過性を上昇させる、シール部材48の別の構成を示す。
【0028】
本発明の別の実施例では、同心リングの各々の繊維シールの材料は異なっていてもよい。一例を挙げると、シールのアノード側の54など、一つまたは複数の内側リングは、黒鉛繊維など還元性環境のみで安定している材料で製造され、シールのカソード側の内側リングまたは層は、シリカなど、酸化性環境のみで安定している材料で製造される。
【0029】
図5は、繊維の別の構成を示し、繊維または繊維束が閉ループに形成され、さらに閉ループ構造上または周りに巻き付けられて扱いやすい「Oリング」状シール構造とするために一定長さの繊維端部58が使用される。
【0030】
本発明の別の実施例では、組紐(braid)、糸(yarn)、織物(weave)など、他の連続繊維構造を有するシール部材48が設けられると好都合である。
【0031】
本発明の別の実施例では、シールの不透過性をさらに高めるように繊維内に配置することのできるセラミックや金属などの二次的な粒子およびゲルを連続ループ繊維に含浸することができる。含浸剤の体積分率は、約0.1%から約50%の範囲であり、粒子の形状は、球形、小板形状、針状、また不規則でもよい。
【0032】
含浸剤は、Ni、Cr、Cu、Ag、Fe、Al、およびこれらの組み合わせから成る一組の金属および合金のうちの一種類または複数種類を含む。これら含浸剤の一部は、シールの不透過性を向上させるため、酸化物、窒化物などを形成するように好適な環境で処理をしてもよい。これらの金属の一部は、シールの不透過性を高めるための酸化、窒化などにより体積膨張を受けることがある。
【0033】
本発明の別の実施例では、シールの不透過性を向上させるため、アルミナ、ジルコニア、ムライト、イットリウムアルミニウムガーネイトなどのセラミック粒子、および他の酸化物を繊維束の含浸に使用できる。
【0034】
本発明のまた別の実施例では、シールの不透過性を向上させるため、金属状態へ分解できるAg2Oまたは他の酸化物を繊維束の含浸に使用できる。当業者は、含浸剤では多くのサイズ、材料、体積分率、形状などが可能であり、本発明の範囲に含まれることを認めるだろう。
【0035】
再び図1を参照すると、本発明によれば、対向表面60が画定されるフレーム44を有するセパレータプレート24が設けられると好都合であり、フレーム44はさらに、シール部材48を収容するために中に画定された溝46を有することが望ましい。
【0036】
図6は、“V”字溝を使用したこのような構成の一つを示す。図7は、浅溝46を使用した別の構成を示す。図8は溝のない第3構成を示す。図6と図7に開示されたような溝46は、溝の形状、荷重の大きさなどに基づいてシールが荷重を受けた状態で変形して、より良好なシールとなる可能性があるので、シールが圧縮された時のシール機能を向上させることができる。そのうえ、溝46は、組立と動作中にシールを所定箇所に保持するのに役立つ。
【0037】
図9は、逆溝を用いた別の構成を示し、この場合には不透過性を高めるため燃料電池12の表面に設けられた溝46と対向する部品ケース表面の逆溝49を用いて、シール部材が溝へ圧縮され、好都合である。
【0038】
さらに本発明によれば、図1に概略図示された可撓性相互接続部30,32をバイポーラプレートが含み、可撓性シール部材48、フレーム44、および圧縮ストッパ50とともに、燃料電池12およびバイポーラプレート14などの部品における面外方向の不整合を補うことができる。こうして、可撓性相互接続部30,32と可撓性シール部材48との組み合わせによって、製造および組立手順中により大きな技術的公差が認められる。さらに、一定厚さのフレーム44と圧縮ストッパ50とを設けることで、シールと相互接続部の変形の量を好適に制御することによって、シールおよび相互接続部の可撓性要件を切り離すことができ、そのため安定した適合材料に基づくスタックの構築にかなりの柔軟性を付与する。
【0039】
圧縮ストッパ50は、スタックが圧縮される際に相互接続部30(または32)の変形の程度を制限し、こうして相互接続部のクリープ駆動力を低下させるとともにスタックの長期耐久性を向上させる。
【0040】
圧縮ストッパ50は、剛性で、シール部材48の初期高さよりも厚みが小さいことが望ましく、シール部材48を最初に圧縮させてからシール圧縮を停止させることができる。スタックアッセンブリ10への圧縮力の大部分は圧縮ストッパ50に支承されるため、相互接続部クリープ駆動力は低下する。圧縮ストッパ50の一般的な厚みは、0.01mmから10mmの範囲である。圧縮ストッパ50は、アルミナなどの安定セラミック材料のプレートなどで製造されるか、金属フレームの一体的部分として機械加工される。当業者は、圧縮ストッパ50には他の設計、形状、材料などが可能であり、本発明の範囲に含まれることを認めるだろう。
【0041】
本発明によるシールアッセンブリは、面内方向応力の軽減を可能にして、シール能力を犠牲にすることなく熱サイクル耐性を促進して好都合であることが分かっている。さらに、ガラスが回避される本発明の実施例によれば、同様に燃料電池の汚染も回避される。
【0042】
図1には、アッセンブリ10の上部と底部に印加される圧縮荷重が示され、この圧縮荷重は、相互接続部を充分に結合してシールの漏れを充分に低下させながら、それにもかかわらず隣接部品間の微小摺動により熱不整合による応力を軽減するとともに相互接続部の圧縮クリープを最小にするように選択されると好都合である。
【0043】
本発明によるシール部材はさらに、スタックの部品が受ける応力をさらに低下させてシールアッセンブリにおける所望の面内方向摺動をさらに可能にしながら高いレベルの不透過性を維持する比較的低いクランプ荷重の使用を可能にする。
【0044】
また、長形で溝46に配置される略円形部材としてシール部材48が図1に示されているが、楕円形など他の形状と、シールエンドキャップおよび一体化された外部マニホルドなどを含む複数のラビリンス型シールなどの異なる構造とを持つシールも設けられることを理解すべきである。
【0045】
本発明で記載されるシールは密封式でないことを理解すべきである。少量の気体がシールを透過できる。このような少量の漏れの結果、気体の混合は最小となり、効率の損失はわずかで、セル性能の低下は取るに足りないものとなる。
【0046】
一例では、二つの平坦な鋼表面の間にシールを形成するため、周長が16cm,19cm,20.3cm,24.3cm,26cmのNextelTM610の1500デニール綱による5本の同心閉ループシールを使用した。Heの流量が0.5l/分、気圧が1.5kPaでは、室温において3MPaの圧縮荷重を受けると1.5ml/分未満(つまり0.3%未満)の漏れ量が得られた。10℃/分で20℃から800℃まで10回の熱サイクルが行われた後に、漏れ量の上昇は見られなかった。ゆえに、本発明の構造は、予想動作条件の下で優れたシール機能を発揮し、好都合である。
【0047】
本発明はここに説明および図示された例に限定されることはなく、これらの例は、発明を実施する最良の態様を示すものに過ぎないと見なされ、部品の形状、大きさ、構成、また動作の詳細について変更を受けることを理解すべきである。むしろ本発明は、クレームに規定された趣旨および範囲に含まれる変更をすべて包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明によるシールアッセンブリを含む燃料電池スタックの概略図。
【図2】本発明の可撓性連続繊維シールの好適な実施例を示す図。
【図3】二つの繊維端部を示す好適な実施例の拡大図。
【図4】本発明の可撓性連続繊維シールの好適な第二実施例を示す図。
【図5】本発明の可撓性連続繊維シールの構成の好適な第三実施例を示す図。
【図6】本発明による平坦表面を使用する可撓性連続繊維シールの構成の好適な実施例を示す図。
【図7】本発明による浅溝付き表面を使用する可撓性連続繊維シールの構成の好適な第二実施例を示す図。
【図8】本発明による“V”溝付き表面を使用する可撓性連続繊維シールの構成の別の好適な実施例を示す図。
【図9】本発明による逆転溝付き表面を使用する可撓性連続繊維シールの構成のまた別の好適な実施例を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向表面を有する少なくとも二つの燃料電池スタック部品と、
前記表面の間に設けられるシール部材であって、該表面に対して面内方向と面外方向の両方で機械的可撓性を有する可撓性シール部材であるシール部材と、
を含むことを特徴とする、固体酸化物型燃料電池スタックのためのシールアッセンブリ。
【請求項2】
前記シール部材が安定酸化物セラミックを含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記シール部材が、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、ムライト、イットリウムアルミニウムガーネイト、ケイ酸マグネシウム、およびこれらの組み合わせから成る群より選択される少なくとも一種類の材料を含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記シール部材が、繊維、綱、糸、製織繊維、およびこれらの組み合わせから成る群より選択される構造を有する長形圧縮部材を含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記シール部材が1本または複数本の略連続繊維を含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記繊維には、Ni、Cr、Ag、Cu、Fe、Al、およびこれらの組み合わせから成る群より選択される少なくとも一種類の金属が含浸されることを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記繊維には、アルミナ、ジルコニア、イットリアアルミニウムガーネイト、ケイ酸マグネシウム、およびこれらの組み合わせから成る群より選択される少なくとも一種類の材料が含浸されることを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項8】
前記繊維には、Ag2Oが含浸されることを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項9】
前記シール部材が、第2繊維と略同心関係にある第1繊維を少なくとも含むことを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも二つの燃料電池スタック部品が、前記シール部材が間に設けられたセパレータプレートと燃料電池とを含むことを特徴とする請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記燃料電池スタック部品の少なくとも一つから延出し、前記対向表面の少なくとも一方を画定し、前記シール部材を収容するための溝を有する圧縮ストッパをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項12】
前記シール部材が高さを有するとともに前記溝が深さを有し、該高さが該深さより大きいことにより、該溝の中の該シール部材が前記対向表面の間で圧縮されることが可能であることを特徴とする請求項11記載の装置。
【請求項13】
1本または複数本の略連続繊維を含むことを特徴とする、固体酸化物型燃料電池スタックのためのシール部材。
【請求項14】
前記シールは、前記略連続繊維の多重ループによって画定されることを特徴とする請求項13記載のシール部材。
【請求項15】
前記少なくとも1本の略連続繊維が前記多重ループを画定し、該略連続繊維の端部が該多重ループに巻き付けられることを特徴とする請求項14記載のシール部材。
【請求項16】
少なくとも1本の前記略連続繊維が安定酸化物セラミックを含むことを特徴とする請求項13記載のシール部材。
【請求項17】
少なくとも1本の前記略連続繊維が、アルミナ、ジルコニア、イットリアアルミニウムガーネイト、ケイ酸マグネシウム、およびこれらの組み合わせから成る群より選択される材料を含むことを特徴とする請求項13記載のシール部材。
【請求項18】
少なくとも1本の前記略連続繊維が、綱、糸、製織繊維、およびこれらの組み合わせから成る群より選択される構造を有する長形圧縮部材を含むことを特徴とする請求項13記載のシール部材。
【請求項19】
前記シール部材には、複数の粒子が含浸されることを特徴とする請求項13記載のシール部材。
【請求項20】
前記粒子が、Ni、Cr、Ag、Cu、Fe、Al、およびこれらの組み合わせから成る群より選択される少なくとも一種類の金属を含むことを特徴とする請求項19記載のシール部材。
【請求項21】
前記繊維には、Ag2Oが含浸されることを特徴とする請求項13記載のシール部材。
【請求項22】
対向表面を有する少なくとも二つの燃料電池スタックと、
前記表面の間に設けられるシール部材であって、面内方向と面外方向の両方で機械的可撓性を有する可撓性シール部材であるシール部材と、
を含むことを特徴とする、燃料電池スタックのためのシールアッセンブリ。
【請求項23】
前記シール部材が1本または複数本の略連続繊維を含むことを特徴とする請求項22記載の装置。
【請求項24】
対向表面を有する少なくとも二つの燃料電池スタック部品と、
前記表面の間に設けられるシール部材であって、該対向表面に略垂直な方向に機械的可撓性を有する可撓性シール部材であるシール部材と、
前記燃料電池スタック部品の前記対向表面の間に設けられる圧縮ストッパと、
を含むことを特徴とする、固体酸化物型燃料電池スタックのためのシールアッセンブリ。
【請求項25】
前記対向表面の間に位置するフレームをさらに含み、該フレームが一つの対向表面に隣接して配置され、前記圧縮ストッパが該フレームに設けられることを特徴とする請求項24記載の装置。
【請求項26】
前記可撓性シール部材の圧縮に制限を与えるように前記圧縮ストッパが位置することを特徴とする請求項24記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−531965(P2007−531965A)
【公表日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520405(P2006−520405)
【出願日】平成16年7月19日(2004.7.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/023131
【国際公開番号】WO2005/008104
【国際公開日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(500477447)ユーティーシー パワー コーポレイション (138)
【Fターム(参考)】