説明

固定軌道の下部構造状態を監視するための装置とその方法

本発明は、特に下部構造支持板1の移行領域における固定軌道の下部構造状態を監視するための装置に関し、監視しようとする下部構造板の端部4,5に、その上に配置される軌道板2を垂直の孔の中に固定されない状態で貫通する測定ピン6が取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は固定軌道の、特に下部構造支持板の移行領域における下部構造状態を監視するための装置とその方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
固定軌道システムに生じる応力の判定および巨大な下部構造、例えば、橋梁または橋脚支台の領域における幾何設計寸法に発生する誤差の確認のためには、固定軌道の架台条件の継続的な点検が必要である。その場合、固定軌道の下部構造として用いられる支持板要素間の移行部は特に注意を要する箇所と考えるべきである。その他の重要と考えられる点検箇所は、道路付随構築物の軌道移行部および他の構造形態への移行部である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それ故、本発明の課題は、例えば、下部構造支持板の縁部の道程破断を適時に検知し、必要があれば修理することができるように、まさにそのような注意を要する移行部において下部構造状態の簡単な監視を実現するための装置とその方法とを創造することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題の解決のために、監視すべき下部構造支持板の端に、下部構造支持板の上に配置される軌道板を垂直の孔の中において自立して貫通し、軌道板から突き出る測定ピンを取り付けることを提案する。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、例えば、下部構造支持板の縁部の道程破断を適時に検知し、必要があれば修理することができ、まさにそのような注意を要する移行部において下部構造状態の簡単な監視を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
上記した測定ピンは軌道板の設置前に下部構造板に装着することができるが、固定軌道板の完成後に後から設けられる孔を通して下部構造板に組み込むこともできる。
【0007】
このような装置による固定軌道板の下部構造状態の監視には、測定ピンの高さ移動量を定めるためのレーザースキャン装置を備える測定車両による点検走行がおこなわれる。
【0008】
全ての測定ピンが軌道板から正確に予め決められた寸法だけ突き出ることがはじめから確実であれば、測定ピンの目標高さに対する測定ピン高さの乖離はすべて下部構造支持板の状態の変化に対する判定基準として使うことができる。しかし、この方法は実際には実施が難しいので、点検走行では各測定ピンの高さ変化量と先におこなった測定結果との比較をその都度おこない、各測定ピンに固定軌道板に対する下部構造支持板の高さ変動量Δhを別に把握することを提案する。
【実施例】
【0009】
本発明のその他の利点、特徴および詳細を一つの実施例の以下の説明および図面によって示す。
図1は、特に、道路付随構築物の移行領域の隠れた下部構造支持板をもつ固定軌道の断面略図である。
図2は、測定ピンの領域の拡大断面図である。
【0010】
図1には、固定軌道板2が設けられるそれぞれ一つの下部構造支持板が示されている。この固定軌道板は連続レール3を支えている。
【0011】
特に、道路付随構築物の軌道移行部またはその他の移行部の領域における二つの軌道支持板1の間の危険な移行領域を可能な限り簡単に監視しうるために、軌道支持板1の端部4、5にそれぞれ測定ピン6を設ける。この測定ピンは垂直方向のスロット7の中に自立してその上に配置される軌道板2を貫通しており、固定軌道板から僅かな寸法だけ突き出ている。点検走行では、例えば、測定車両のレーザー測定システムにより各測定ピン7の先端の高さを非常に簡単に把握できる。その場合、特に、先に先行の測定に対する高さ変化量Δhの決定により、下部構造支持板1の高さ変化量を非常に簡単に検知することができる。
【0012】
測定ピン6は軌道板2を装着する前でも、固定軌道の完成の後でも後から設けられる孔7を通じて下部構造支持板1に組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】特に、道路付随構築物の移行領域の隠れた下部構造支持板をもつ固定軌道の断面略図。
【図2】測定ピンの領域の拡大断面図。
【符号の説明】
【0014】
1 軌道支持板 2 軌道板 3 連続レール
4,5 端部 6 測定ピン 7 スロット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に下部構造支持板の移行領域における固定軌道の下部構造状態を監視するための装置において、監視しようとする下部構造板(1)の端部(4、5)に、その上に配置される軌道板(2)を垂直の孔(7)の中に固定されない状態で貫通する測定ピン(6)が取り付けられていることを特徴とする装置。
【請求項2】
測定ピン(6)は軌道板(2)を正確に予め与えられている寸法だけ突き出ることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1または2に掲げる装置において、測定ピン(6)は軌道板(2)の装着の前に下部構造板(1)に挿入されていることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1または2に掲げる装置において、測定ピン(6)は固定軌道の完成後にあとから取り付けられる孔を通じて下部構造板(1)に挿入されることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1から3までのひとつに掲げる装置を備える固定軌道の下部構造状態監視方法において、高さ検知装置、特にレーザースキャン装置を備える測定車両による点検走行により、測定ピンの高さ変化量が決定されることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項4に掲げる装置において、各点検走行においては、先の測定結果との各測定ピンのそれぞれの高さ差Δhが検知されることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−502328(P2006−502328A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−542399(P2004−542399)
【出願日】平成15年10月1日(2003.10.1)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010886
【国際公開番号】WO2004/033992
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(597064539)プフライデレル インフラストルクチュアテヒニク ゲーエムベーハー ウント コンパニイ カーゲー (2)
【氏名又は名称原語表記】Pfleiderer Infrastrukturtechnik GmbH & Co. KG
【Fターム(参考)】