説明

固形状熱溶融型の接着剤組成物

【課題】環境負荷や運送における環境安全性を損なわない特定の展延性向上剤を使用することにより、保存安定性、溶融塗布性、接着性および加工後の洗浄除去性が優れている環境対応型の仮り止め用の接着剤組成物を提供すること。
【解決手段】セラック樹脂と展延性向上剤とからなり、該展延性向上剤が芳香族モノカルボン酸とジアルキレングリコールとからなるエステルであることを特徴とする固形状熱溶融型の接着剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品、光学部品、医療部品用および自動車部品などの部材を切断または研磨加工する際に、これらの部材を一時的に仮止めするために使用する固形状熱溶融型の固形接着剤組成物(以下単に「接着剤組成物」という)に関し、さらに詳しくは、保存安定性、溶融塗布性、接着性および加工後の接着剤の洗浄除去性などに優れた接着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上記の平板、丸棒などの種々の形状を有する部材に種々の加工を施すために、上記部材を固定台に仮り接着する接着剤組成物として、熱溶融状態で適度の展延性を持たせた接着剤組成物が使用されている。
【0003】
上記の接着剤組成物としては、従来よりセラック樹脂系からなる接着剤が使用されている。上記のセラック樹脂は、70〜90℃近辺では熱溶融軟化する熱可塑性を有するが、それ以上に加熱したり、加熱時間が長くなるとセラック樹脂の熱硬化が徐々に進行し、その軟化温度および溶融温度が上昇して流動性が失われ最終的には硬化重合反応が進行し、このために、接着剤自体の熱溶融における展延性が低下し、溶融塗布性、接着性および加工後の接着剤の洗浄除去性が著しく損なわれる。
【0004】
上記の接着剤の熱溶融の際の展延性を向上させ、溶融塗布性および接着性を改良するために、セラック樹脂に脂肪酸、可塑剤、粘着付与剤などの添加剤を配合し、適度の熱溶融粘度を有する接着剤を調製する方法が知られている。上記の添加剤である脂肪酸や可塑剤は、高温条件下において接着剤の混練調製時や溶融塗布時に、これらが揮発しやすく、接着剤自体に過度の熱重量減少が発生しやすい。このことは、溶融時における展延性が低下し、溶融塗布性および接着性にも悪影響を及ぼす。また、上記の可塑剤は揮発によって環境を汚染する危険性もある。
【0005】
上記接着剤の調製方法としては、例えば、天然セラックに添加剤として脂肪酸を配合してなる接着剤(特許文献1参照)が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示の接着剤は、天然セラックに、添加剤として12−ヒドロキシステアリン酸とパルミチン酸を配合しているが、パルミチン酸はセラック樹脂に対して貧相溶性であり、均一な接着剤が得にくい。また、上記の接着剤は、保存中の温度変化により上記の脂肪酸自体がブリードして保存安定性が低下する。
【0006】
また、上記の添加剤以外に、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、ジシクロヘキシルフタレートなどのフタル酸エステル系やトリクレジルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリエチルフォスフェートなどのリン酸エステル系などの可塑剤など、特に耐熱性の面からトリクレジルホスフェートが使用されている。
【0007】
しかしながら、上記のフタル酸エステル系の可塑剤の中には、内分泌作用の攪乱性を有すると疑われる物質として、動物の生殖や発育に悪影響を及ぼす可能性が懸念されており、環境上問題がある。また、上記のフタル酸エステル系の可塑剤が析出し、手に接触したりして体内に入る危険性もある。
【0008】
また、上記のトリクレジルホスフェートは環境有害物質として、その含有量が10質量%以上であると接着剤自体を船舶で運送する場合に、船舶安全法に適合しない。また、航空法の毒性物質に該当する危険性がある。このために、上記の可塑剤の添加量を極力減量して使用することも検討される。しかしながら、添加量を減らすと、溶融塗布において展延性が低下して、十分な溶融塗布性が得られない。また、加工後の接着剤の洗浄除去性も十分ではない。
【0009】
上述のことから、保存安定性、溶融塗布性、接着性および加工後の接着剤の洗浄除去性が優れており、かつ環境負荷が少なく、また、運送における環境安全性が損なわれない仮止め用の固形の接着剤組成物が要望されている。
【0010】
【特許文献1】特開平7−53943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の目的は、環境負荷や運送における環境安全性を損なわない特定の展延性向上剤を使用することにより、保存安定性、溶融塗布性、接着性および加工後の洗浄除去性が優れている環境対応型の仮り止め用の接着剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、セラック樹脂と展延性向上剤とからなり、該展延性向上剤が芳香族モノカルボン酸とジアルキレングリコールとからなるエステルであることを特徴とする固形状熱溶融型の接着剤組成物を提供する。
【0013】
本発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、セラック樹脂に特定のエステルを溶融配合した接着剤組成物が、溶融の際に展延性が向上し、保存安定性、溶融塗布性、接着性および加工後の接着剤の洗浄除去性が優れており、環境ホルモンなどの環境負荷や運送における環境安全性を損なうことのない環境対応型の仮止め用の接着剤組成物であることを見出した。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、セラック樹脂に展延性向上能力があるエステルを溶融配合することにより、従来のセラック系接着剤に比べて、環境ホルモンなどの環境負荷や運送における環境安全性を損なうことなく、船舶安全法や航空法に適合しており、保存安定性、溶融塗布性、接着性および加工後の接着剤の洗浄除去性が優れた電子部品などの切断、切削および研磨加工の際の仮止め接着に有効である環境対応型の接着剤組成物が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明を特徴づける展延性向上剤としての芳香族モノカルボン酸とジアルキレングリコールとからなるエステルは、芳香族モノカルボン酸とジアルキレングリコールとを公知の方法でエステル化したモノおよびジエステル化合物あるいはそれらの混合物である。好ましくは液状のジエステル化合物が使用される。
【0016】
上記のエステル生成に使用される芳香族モノカルボン酸としては、例えば、安息香酸、および安息香酸誘導体である2−、3−および4−メチル安息香酸、2−および4−エチル安息香酸、4−n−プロピル安息香酸、4−t−ブチル安息香酸、4−シクロヘキシル安息香酸、2−および4−クロロ安息香酸、2−および4−メトキシ安息香酸、4−エトキシ安息香酸、4−t−ブトキシ安息香酸、3,4−、2,6−および3,5−ジメチル安息香酸、4−クロロ−2−メトキシ安息香酸、2,4,6−トリメチル安息香酸、テトラメチル安息香酸、トルイル酸、ナフトエ酸など、好ましくは安息香酸が挙げられる。
【0017】
また、上記の芳香族モノカルボン酸と反応してエステルを形成するジアルキレングリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコールなど、好ましくはジエチレングリコールおよびジプロピレングリコールが挙げられる。
【0018】
前記のエステルは、上記の芳香族モノカルボン酸とジアルキレングリコールとを、そのモル比を当量、あるいは任意に設定して公知の方法でエステル化したもので、好ましくは安息香酸とジアルキレングリコールとからなるエステルが挙げられる。
【0019】
上記の安息香酸とジアルキレングリコールとのエステルとしては、安息香酸とジエチレングリコールとのエステルおよび/または安息香酸とジプロピレングリコールとのエステルが好ましく使用される。上記のエステルは、公知の方法にて安息香酸とジエチレングリコールまたはジプロピレングリコールとを反応させて得られるジエチレングリコールジベンゾエートまたはジプロピレングリコールジベンゾエートなどのジエステルあるいはジエチレングリコールモノベンゾエートまたはジプロピレングリコールモノベンゾエートなどのモノエステルおよびこれらの混合物など、好ましくはジエチレングリコールジベンゾエートおよび/またはジプロピレングリコールジベンゾエートが挙げられる。特に、ジエチレングリコールジベンゾエートとジプロピレングリコールジベンゾエートとの混合物が、得られる接着剤組成物の溶融塗布の際の展延性向上効果が大であり有効である。
【0020】
上記のジエチレングリコールジベンゾエートとジプロピレングリコールジベンゾエートとを混合物として使用する場合のその好ましい配合割合は、ジエチレングリコールジベンゾエート(G1)/ジプロピレングリコールジベンゾエート(G2)=40/60〜70/30(質量比)である。上記のエステルの配合が各々のエステルの凝固点を降下させ、得られる接着剤組成物の溶融塗布の際の展延性向上効果が大きく極めて有効である。
【0021】
また、本発明で使用するエステル単体またはその混合物は、その凝固点が−30℃〜30℃のものが好ましく使用され、特に好ましくは凝固点が0℃〜30℃のものが有効である。上記の凝固点が上記上限を超えると、得られる接着剤組成物の溶融塗布の展延性が低下する傾向がある。一方、凝固点が上記下限未満であると、得られる接着剤組成物がブリードする傾向がある。上記の凝固点を有するエステルとしては、例えば、凝固点が0℃のエステルであるジエチレングリコールジベンゾエート50〜60質量%とジプロピレングリコールジベンゾエート50〜40質量%との混合物が挙げられる。
【0022】
また、前記のエステルは、熱重量減少率が2%以下(160℃)のものが好ましく使用される。上記のエステルの熱重量減少率が上記範囲を超えると、得られる接着剤組成物中のエステルが揮発しやすくなり、得られる接着剤組成物の接着力、溶融塗布性および仮り止め加工後の接着剤の洗浄除去性が低下する。なお、上記の加熱後の熱重量減少率は、予め試料の重量(k1)を測定した後、該試料を160℃の雰囲気で600秒間加熱処理し、該試料の重量(k2)を再び測定して、下記(1)の計算式より求めた。上記の熱重量減少率が好ましい範囲のエステルとしては、例えば、前記の凝固点が0℃を有するジエチレングリコールジベンゾエートとジプロピレングリコールジベンゾエートとの混合物などが挙げられる。
熱重量減少率(%)=(k1−k2)/k1×100 (1)
【0023】
また、本発明に使用するセラック樹脂は、ラックカイガラ虫が分泌する樹脂状の物質を公知の溶液抽出法、ソーダー法等の方法により精製したものである。その樹脂分は、アレウリチン酸、ジャラール酸、ラクシジャラール酸などの樹脂酸とのエステル化合物を主成分とした天然セラック樹脂あるいは合成セラック樹脂である。上記のセラック樹脂としては、例えば、精製セラック樹脂、漂白セラック樹脂、脱色セラック樹脂、その他、酢酸カリウム、ジメチル尿素、オレイン酸などの熱硬化抑制剤を配合したセラック樹脂などが挙げられる。なお、上記のセラック樹脂は、それ自身の有する熱硬化時間に関して特に限定されるものではなく、天然セラック樹脂から精製セラック樹脂の熱硬化時間に相当する広範囲のものである。一般的には、170℃において、その熱硬化時間が90秒前後〜800秒程度の広範囲のものが使用することができる。
【0024】
前記のセラック樹脂と(a)と展延性向上剤(b)との好ましい配合割合は、b/(a+b)=10/100〜60/100(質量比)である。上記の展延性向上剤(b)の割合が多過ぎると、得られる接着剤組成物の耐熱性、接着性および保存安定性が低下する。一方、展延性向上剤(b)の割合が少な過ぎると、得られる接着剤組成物の溶融塗布の際の展延性向上効果が低下する。
【0025】
また、本発明では、前記のセラック樹脂と展延性向上剤にさらに体質顔料を含有することができる。上記の体質顔料としては、例えば、ひ性硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウムなどの硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化チタンなどの無機体質顔料が挙げられる。上記の体質顔料の粒径は、特に限定されるものではないが10μm以下のものが好ましい。その添加量は、接着剤組成物全量中10〜70質量%である。
【0026】
また、本発明では、本発明の目的を妨げない範囲において、必要に応じて、酸化防止剤、分散剤などの添加剤を接着剤組成物に添加して使用することができる。
【0027】
本発明の接着剤組成物は、前記のセラック樹脂と展延性向上剤を配合し、100〜150℃の雰囲気下で5〜30分間熱溶融しながら公知の方法で均一に混練して均質化する。その混合物を熱溶融したままで必要に応じてその他の任意の成分を配合して均質化後、上記の溶融混合物を成形型に流し込み、常温まで冷却して固形化して調製される。
【0028】
本発明の接着剤組成物を使用する事例としては、電子部品、光学機器、医療部品および自動車に使用されるガラス、セラミック、磁性体などの材料からなる部材を切断、切削および研磨加工する際に、これらの部材を一時的に仮止めするためのカーボンプレートなどからなる固定台を100℃〜180℃に加熱し、当該固定台に上記の接着剤組成物を手塗り、あるいは通常のホットメルトアプリケーターを使用して、10μm〜100μmの厚みに溶融塗布する。次に、熱溶融状態にある該接着剤組成物塗布面に上記の加工される部材を加熱圧着し、圧着後、常温まで冷却して仮固定する。
【0029】
上記の仮固定された部材を、例えば、ダイヤモンドカッターなどを使用して切断加工する。切断加工後、pH12〜14に調製されたアルカリ洗浄液、例えば、90℃の5質量%水酸化カリウム水溶液を使用して上記の接着剤組成物を洗浄除去し加工部材を得る。その他、洗浄液として、メタノールなどの有機溶剤を使用することもできる。
【実施例】
【0030】
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。文中「部」または「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0031】
[実施例1〜4]
下記のセラック樹脂(a)、展延性向上剤(b)および体質顔料(e)を使用して表1に示すように各々を配合し、120℃にて10分間均一に熱溶融混練して均質化し、均質化後、常温まで冷却固化して本発明の接着剤組成物U1〜U4を調製した。
【0032】
[比較例1〜2]
実施例1において、展延性向上剤(b)をリン酸エステル(c)または高級脂肪酸(d)に置き換える以外は実施例1と同様にして接着剤組成物V1〜V2を調製した。
【0033】
上記の表1に示すセラック樹脂(a)、展延性向上剤(b)、リン酸エステル(c)、高級脂肪酸(d)および体質顔料(e)は下記の通りである。
セラック樹脂(a):170℃にて400秒の熱硬化時間を有するセラック樹脂
展延性向上剤(b):
b1:ジエチレングリコールジベンゾエート
b2:ジプロピレングリコールジベンゾエート
b3:ジエチレングリコールジベンゾエート60%とジプロピレングリ
コールジベンゾエート40%との混合物
リン酸エステル(c):トリクレジルホスフェート
高級脂肪酸(d):ステアリン酸
体質顔料(e):平均粒子径5μm〜10μmのひ性硫酸バリウム
【0034】

【0035】
上記で得られた各々の接着剤組成物について保存安定性、溶融塗布性、接着力および洗浄除去性に関して下記の測定方法により評価した。評価結果を表2に示す。
(保存安定性)
上記で得られた各々の接着剤組成物を40℃の雰囲気下で2週間放置して、接着剤組成物の表面を指触し、下記の評価方法から保存安定性を評価した。
◎:接着剤組成物の表面にブリードに伴うベタつきが認められず、保存安定性が良好である。
×:接着剤組成物の表面にブリードに伴うベタつきが認められ、保存安定性が不良である。
【0036】
(溶融塗布性)
上記で得られた各々の接着剤組成物を使用して、150℃に加熱されたカーボンプレート上に手塗し、その溶融塗布状態を下記の評価方法により評価した。
◎:塗布面に糸引現象の発生が認められず、均一に平滑な塗布面が得られた。
○:塗布面に糸引現象の発生が認められないが、塗布面の均一平滑性がやや劣る。
×:塗布面に糸引現象の発生が認められ、塗布面の均一平滑性が劣る。
【0037】
(接着力)
上記で得られた各々の接着剤組成物を150℃に加熱溶融して、ステンレス基板同士を接着した試料を作製し、該試料の基板の剪断力をテンシロンにて測定した。
【0038】
(洗浄除去性)
上記で得られた各々の接着剤組成物を使用して、150℃に加熱されたガラス基板上に40〜50μmの厚みに塗布し、常温まで冷却して固化させて試料を作製した。該試料を25℃の条件下でメタノールの洗浄液(S1)に浸漬し、または、該試料を90℃の条件下で5%の水酸化カリウム水溶液の洗浄液(S2)に浸漬し、各々接着剤組成物の上記の各々の洗浄液に対する洗浄除去性を下記の基準で評価した。
◎:ガラス基板上の接着剤組成物が、5分間未満で完全に洗浄除去される。
○:ガラス基板上の接着剤組成物が、5〜10分間で完全に洗浄除去される。
×:ガラス基板上の接着剤組成物が洗浄除去されるのに、10分間以上を要する。
【0039】

【0040】
上記の評価結果より、本発明の接着剤組成物は、従来の仮止め接着剤に比べて保存安定性、溶融塗布性、接着力および洗浄除去性に関して同等若しくはそれ以上の性能を有することが実証されている。特に、比較例1のリン酸エステル(トリクレジルホスフェート)を可塑剤とした接着剤に比べて、溶融塗布性および洗浄除去性が優れている。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明によれば、本発明の接着剤組成物は、保存安定性、溶融塗布性、接着力および加工後の使用済み接着剤の洗浄除去性が優れており、また、環境ホルモンなどの環境負荷や運送における環境安全性を損なうことなく、船舶安全法や航空法に適合した環境対応型の接着剤組成物として、電子部品、光学部品および医療部品用などの部材を切断、切削または研磨加工する際に、これらの部材を熱融着により一時的に仮止めするために使用する接着剤組成物として有効に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラック樹脂と展延性向上剤とからなり、該展延性向上剤が芳香族モノカルボン酸とジアルキレングリコールとからなるエステルであることを特徴とする固形状熱溶融型の接着剤組成物。
【請求項2】
前記芳香族モノカルボン酸が安息香酸であり、ジアルキレングリコールがジエチレングリコールおよび/またはジプロピレングリコールである請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項3】
前記展延性向上剤が、ジエチレングリコールジベンゾエート(G1)と、ジプロピレングリコジベンゾエート(G2)との混合物であり、両者の混合質量比がG1/G2=40/60〜70/30である請求項1または2に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
前記展延性向上剤の凝固点が、−30℃〜30℃である請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
【請求項5】
前記展延性向上剤の熱重量減少率が、2%以下(160℃)である請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
【請求項6】
前記のセラック樹脂(a)と展延性向上剤(b)との質量配合比が、b/(a+b)=10/100〜60/100(質量比)である請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
【請求項7】
さらに体質顔料を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の接着剤組成物。

【公開番号】特開2007−169388(P2007−169388A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−366754(P2005−366754)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(000183923)ザ・インクテック株式会社 (268)
【Fターム(参考)】