説明

土壌採取管装置

【課題】自由曲線掘削機による曲線掘削経路でも土壌を採取できて、かつ、土壌成分の調査を正確に行え、さらに、採取した土壌を容易に取り出せる土壌採取管装置を提供する。
【解決手段】ロッド部の先端に取付けられて地中の土壌採取目標位置で土壌を採取するための土壌採取管装置3において、内部材11と外部材12とを備え、内部材は、土壌収容部40を有した内側軸部11Aと、土壌収容部に対する土壌の出入口となる内側土壌取込孔24とを備え、外部材は、外管41と、外側土壌取込孔43と、土壌取込板42とを備え、内側軸部11Aと外管41とが内側軸部11Aの中心軸線に沿った方向に相対的に移動可能なように構成され、内側土壌取込孔と外側土壌取込孔とが連通して土壌収容部に地中の土壌を取込可能な土壌取込可能状態、及び、内側土壌取込孔が外部材で覆われて土壌収容部に地中の土壌を取込不可な土壌取込不可状態に設定可能に構成された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中の土壌採取目標位置の土壌を採取するための土壌採取管装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自由曲線掘削機を用いて土壌採取目標位置まで掘削し、掘削ヘッド内に土壌採取目標位置の土壌を取り込んで採取する装置(例えば、特許文献1参照)や、掘削ヘッドの前方の土壌にサンプリング管を貫入して土壌採取目標位置の土壌をサンプリング管内に取り込んで採取する装置(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−64957号公報
【特許文献2】特開2007−270608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、掘削ヘッド内において水圧によりピストンを掘削ヘッドの先端側に押圧するとともに、掘削ヘッドの先端から掘削ヘッドの前方に水を噴射しながら掘削し、土壌採取目標位置に到達した場合に、水圧を解除して、水により泥水化した土壌を掘削ヘッドの先端から掘削ヘッド内に取り込む構成であり、掘削ヘッド内に取り込まれる土壌は水分含有量の多い泥水状となってしまうので、土壌成分の調査を正確に行えない場合がある。特許文献2では、地中において掘削ヘッドの先端から前方に真っ直ぐな管を突出させるので、曲線掘削経路で土壌を採取できない。また、特許文献1;2のいずれにおいても、採取した土壌を掘削ヘッド内やサンプリング管内から取り出しにくいという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、自由曲線掘削機による曲線掘削経路でも土壌を採取できて、かつ、土壌成分の調査を正確に行え、さらに、採取した土壌を容易に取り出せる土壌採取管装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る土壌採取管装置によれば、ロッド部の先端に取付けられて地中の土壌採取目標位置で土壌を採取するための土壌採取管装置において、内部材と外部材とを備え、内部材は、両端が閉塞された筒部の内部空間により形成された土壌収容部を有した内側軸部と、内側軸部の周面に筒部の内外に貫通するように形成されて土壌収容部に対する土壌の出入口となる内側土壌取込孔とを備え、外部材は、内側軸部の外周面に内側軸部と同軸に設けられた外管と、外管の周面に外管の内外に貫通するように形成された外側土壌取込孔と、外管の中心軸線に沿った外側土壌取込孔の孔縁から外管の中心軸線より離れる方向に延長するように設けられた土壌取込板とを備え、内側軸部と外管とが内側軸部の中心軸線に沿った方向に相対的に移動可能なように構成され、内側軸部及び外管の相対的な移動により内側土壌取込孔と外側土壌取込孔とが連通することによって土壌収容部に地中の土壌を取込可能な土壌取込可能状態、及び、内側土壌取込孔が外部材で覆われることによって土壌収容部に地中の土壌を取込不可な土壌取込不可状態に設定可能に構成されたので、土壌収容部内に採取された土壌を、内側土壌取込孔及び外側土壌取込孔を介して容易に取り出せる。また、自由曲線掘削機による曲線掘削経路でも土壌を採取できて、かつ、土壌成分の調査を正確に行える。
内側軸部の一端部には外管の一端と衝突する一端ストッパーを備え、内側軸部の他端部には外管の他端と衝突する他端ストッパーを備え、外管の一端と内側軸部の一端ストッパーとが衝突した状態において内側土壌取込孔が外部材で覆われた土壌取込不可状態に設定され、かつ、外管の他端と内側軸部の他端ストッパーとが衝突した状態において内側土壌取込孔と外側土壌取込孔とが連通した土壌取込可能状態に設定されるので、土壌取込不可状態及び土壌取込可能状態の設定を簡単かつ確実に行えるようになる。
内側軸部の一端部には外管の一端と衝突する一端ストッパーを備え、内側軸部の他端部には外管の他端と衝突する他端ストッパーを備え、外管の一端と内側軸部の一端ストッパーとが衝突した状態において内側土壌取込孔と外側土壌取込孔とが連通した土壌取込可能状態に設定され、かつ、外管の他端と内側軸部の他端ストッパーとが衝突した状態において内側土壌取込孔が外部材で覆われた土壌取込不可状態に設定されるので、土壌取込不可状態及び土壌取込可能状態の設定を簡単かつ確実に行えるようになる。
内側軸部の外周面又は外管の内周面には、土壌取込不可状態において内側軸部の外周面と外管の内周面との間を介した土壌収容部に対する水や土砂の出入りを防止するための水密維持部材を備えたので、土壌採取目標位置の土壌の成分の検査を正確に行うことができるようになる。
内側軸部及び外管には、内側軸部及び外管を内側軸部の中心軸線に沿った方向に相対的に移動可能にガイドするためのガイド機構が設けられたので、外管及び内側軸部の相対的な移動動作がスムーズになる。
ガイド機構は、外管の内外に貫通して外管の中心軸線に沿った方向に延長する両端閉塞の長孔により形成されたガイド孔と、ガイド孔内を長手方向に移動可能となるように外管の外面にねじにより着脱可能に取付けられたスライダーとにより構成されたので、内側軸部と外管とを分離させることが容易となるので、土壌収容部内の土壌を容易に取り出すことができるようになる。また、ガイド孔の両端をストッパーとして機能させることも可能となることから、内側軸部を両端にストッパーを備えない簡単な構成とできる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】土壌採取管装置を示す分解斜視図(実施形態1)。
【図2】(a)は土壌採取管装置の側面図、(b)は(a)のA−A断面図(実施形態1)。
【図3】土壌採取管装置の土壌取込可能状態及び土壌取込不可状態を土壌採取管装置のガイド機構が見える側である一側面側から見た斜視図(実施形態1)。
【図4】土壌採取管装置の土壌取込可能状態及び土壌取込不可状態を土壌採取管装置の土壌取込孔が見える側である他側面側(図3のA側)から見た斜視図(実施形態1)。
【図5】地中土壌採取方法を示す図(実施形態1)。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態1
図5(c);(d)に示すように、土壌採取装置1は、自由曲線掘削機2と土壌採取管装置3とにより構成される。
【0008】
図5(a);(b)に示すように、自由曲線掘削機2は、ロッド部5と、ロッド部5の先端5tに設けられた削孔ビット6と、ロッド部5の先端部あるいは削孔ビット6に設けられた磁気センサやジャイロセンサなどの位置検出センサ7と、ロッド部5を前後動させたり回転させたりするための駆動装置8とを備える。削孔ビット6は、先端に、中実の円柱の一端開口部が斜めに切り落とされたような楕円傾斜面9を備え、楕円傾斜面9に図外の削岩ビットを有した構成である。また、削孔ビット6は、先端に図外の掘削液噴射孔を備え、内部には、掘削液噴射孔とロッド部5の内部空間とを連通させる図外の掘削液供給路を備える。ロッド部5は、掘削が進むに伴って例えば金属円管により形成されるロッド5aを複数個順次継ぎ足して構成される。ロッド5a同士の連結は、例えば、ネジ継手のような図外の連結部材が用いられる。位置検出センサ7は、削孔ビット6の後端側に形成された中空部に埋設される。
【0009】
実施形態1による土壌採取管装置3は、ロッド部5の先端に取付けられて地中の土壌採取目標位置50で土壌を採取するための装置であって、図1;図2に示すように、内部材11と外部材12とを備え、例えば、鋼のような金属により構成される。
【0010】
内部材11は、軸部材13と蓋部材14とにより構成される。
軸部材13は、断面円形の円形棒を加工して形成されたものであり、具体的には、円形棒の一端18側部分の外径が後述する外管41の内径よりも小さく形成された土壌収容軸部15と、円形棒の他端19側部分の外径が土壌収容軸部15の外径よりも小さく形成されたロッド連結軸部16と、土壌収容軸部15とロッド連結軸部16との境界部に設けられた他端ストッパー17とを備える。他端ストッパー17は、外径が外管41の内径よりも大きく形成されて外管41の他端面41bに接触する外管41の他端面41bに対応した環状面により構成される。他端ストッパー17の外径寸法は、例えば、外管41の外径寸法と同じ寸法に形成される。
【0011】
土壌収容軸部15は、円形棒の一端面に開口し当該一端面から円形棒の他端19側に向けて延長する断面円形状の有底の土壌収容空間20を備える。即ち、円形棒の一端部に形成された一端開口の筒部21の内部空間により土壌収容空間20が形成される。
【0012】
ロッド連結軸部16は、円形棒の他端面に開口し当該他端面から円形棒の一端18側に向けて延長するロッド連結部22を備える。ロッド連結部22は、ロッド部5の先端5tに形成された図外のねじ部と螺合するねじ部により構成される。例えば、ロッド部5の先端5tの周面に形成された図外の雄ねじ部と螺合する雌ねじ部により構成される。ロッド連結軸部16の外周面の一部にはスパナのような工具で掴むための平面部23を備える。
【0013】
土壌収容軸部15の筒部21の周面には、筒部21の内外に貫通する貫通孔により形成された内側土壌取込孔24を備える。筒部21の開口側の端部には雌ねじ部37が形成される。
【0014】
さらに、土壌収容軸部15の外周面には、土壌収容軸部15の外周面より突出する第1スライダー25及び第2スライダー26が設けられる。第1スライダー25及び第2スライダー26は、土壌収容軸部15の中心軸線aに沿った方向に直線状に延長する長楕円板により形成される。第1スライダー25は他端ストッパー17に隣接するように設けられ、第2スライダー26は土壌収容軸部15の一端18側に設けられる。第1スライダー25及び第2スライダー26は、その長楕円板の長径軸が、土壌収容軸部15の中心軸線aを通過して土壌収容軸部15を2分割する縦断面上に位置されることにより、土壌収容軸部15の中心軸線aと平行な一直線上に位置される。長楕円板からなる第1スライダー25及び第2スライダー26は、長楕円板の長径軸上に並ぶように締結される固定手段としての六角レンチねじのようなねじ27により土壌収容軸部15の外周面に着脱可能に取付けられる。
【0015】
蓋部材14は、円形棒を加工して形成されたものであり、具体的には、一端部から他端部に向けて徐々に径寸法が小さくなった5つの径の異なる軸径部を備えたものである。即ち、一端部に最大軸径の第1軸径部31を備え、他端部に最小軸径の第5軸径部35を備える。第3軸径部33の外周面には雄ねじ部36が形成される。第5軸径部35及び第4軸径部34を筒部21の一端面の開口を介して土壌収容空間20に挿入し、第3軸径部33に形成された雄ねじ部36と土壌収容軸部15の筒部21の開口側の端部に形成された雌ねじ部37とが締結されることで、筒部21の一端開口が蓋部材14で閉じられた土壌収容部40が区画形成される。即ち、内側土壌取込孔24を介してのみ土壌を取込可能な土壌収容部40が形成される。また、第2軸径部32の外周面と筒部21の外周面とが同一面上に位置され、かつ、第1軸径部31が外管41の一端面41aに接触する一端ストッパー38を備える。一端ストッパー38は、外径が外管41の内径よりも大きく形成されて外管41の一端面41aに接触する外管41の一端面41aに対応した環状面により構成される。一端ストッパー38の外径寸法は、例えば、外管41の外径寸法と同じ寸法に形成される。
【0016】
以上のように、軸部材13と蓋部材14とが連結されて土壌収容部40が区画形成された内部材11は、外管41の内側に位置される内側軸部11Aを備える。そして、内側軸部11Aの他端には他端ストッパー17が設けられ、内側軸部11Aの一端には一端ストッパー38が設けられたことによって、外管41は、内側軸部11Aの外周面上を内側軸部11Aの中心軸線aに沿った方向の移動可能となり、かつ、その移動が他端ストッパー17及び一端ストッパー38により規制された構成である。また、内側軸部11Aは、両端が閉塞された筒部21の内部空間により形成された土壌収容部40を備え、内側軸部11Aの周面には、筒部21の内外に貫通するように形成されて土壌収容部40に対する土壌の出入口となる内側土壌取込孔24が形成された構成である。
【0017】
外部材12は、外管41と土壌取込板42とを備える。
外管41は断面円形で両端開口の管により形成される。外管41の内側に内側軸部11Aが挿入されて当該外管41と内側軸部11Aとが同軸(外管41の中心軸線aと内側軸部11Aの中心軸線aとが一致した状態)に配置され、外管41及び内側軸部11Aの中心軸線aに沿った方向に外管41と内側軸部11Aとが相対的に移動可能に構成される。
そして、外管41及び内側軸部11Aの移動が、外管の他端面41bと他端ストッパー17との衝突、及び、外管41の一端面41aと一端ストッパー38との衝突により規制される。
尚、外管41の内径寸法と内側軸部11Aの外径寸法とが互いに近似した適性値に設定される(例えば、内側軸部11Aの外径寸法が外管41の内径寸法よりも数mm小さい程度に設定される)。
【0018】
外管41は、外管41の内外に貫通する貫通孔により形成された外側土壌取込孔43と、外管41の内外に貫通して外管41の中心軸線aに沿った方向に延長する長孔により形成された第1ガイド孔44及び第2ガイド孔45とを備える。
第1スライダー25が挿入されて係合する第1ガイド孔44は、長手方向の一端が閉塞し、他端が外管41の他端面41bに開口した長孔により形成される。第2スライダー26が挿入されて係合する第2ガイド孔45は、長手方向の両端が閉塞した長孔により形成される。
【0019】
外側土壌取込孔43は、例えば、外管41の周面において周方向に沿って湾曲する矩形形状の孔に形成される。具体的には、当該矩形形状の孔は、外管41の中心軸線aに沿って延長して互いに平行に対向する2つの辺縁と外管41の周方向に沿って延長して互いに平行に対向する2つの辺縁とによる湾曲矩形形状の開口縁を備えた孔である。内側土壌取込孔24も、筒部21に形成された外側土壌取込孔43と同様の湾曲長方形状の開口縁を備えた孔である。即ち、外管41及び内側軸部11Aの中心軸線aに沿った方向に外管41と内側軸部11Aとが相対的に移動することにより、図4(b)のように外側土壌取込孔43と内側土壌取込孔24とが連通して土壌収容部40と外部とが開通したり、図4(a)のように外側土壌取込孔43及び内側土壌取込孔24が共に閉じられた状態(外側土壌取込孔43が内側軸部11Aで閉じられた状態、及び、内側土壌取込孔24が外管41で閉じられた状態)となる。
各土壌取込孔24;43は好ましくは近似した大きさに形成すればよい。例えば、孔の中心が一致するように位置された場合に、例えば、それぞれの孔の開口縁面が同一面上に位置するような大きさに形成すればよい。
【0020】
ブレードと呼ばれる土壌取込板42は、外側土壌取込孔43の外管41の中心軸線に沿って延長する一方の辺縁43a(外管41の中心軸線aに沿って延長する外側土壌取込孔43の孔縁)に溶接やボルト結合などの固定手段により取付けられる。土壌取込板42は、外側土壌取込孔43の一方の辺縁43aから外管41の中心軸線aより離れる方向に延長して、かつ、板面42e;42fが外管41の中心軸線aを回転中心とした回転方向と直交するように外管41に取付けられる。
具体的には、土壌取込板42は、外管41の中心軸線aに沿って延長するとともに当該中心軸線aと直交する方向(外管41の径に沿った方向)に延長する例えば四角形板により形成される。
【0021】
一方の辺縁43a側に接続された土壌取込板42の一方の辺縁42aと対向する他方の辺縁42b側には、他方の辺縁42bより一方の辺縁42aに向かって延長する複数のスリット(溝)46;46…が形成される。
また、土壌取込板42の一方の辺縁42aと他方の辺縁42bとを繋ぐ辺縁43c;43dと他方の辺縁42bとの境界部分は、面取り部47;47に形成される。
土壌取込板42の辺縁43c;43d側における一方の板面42e側には、他方の板面42fから一方の板面42eの中央に向けて傾斜する傾斜面48;48が形成される。
スリット46は、外管41を外管41の中心軸線aを回転中心として回転させる際に土壌取込板42が受ける土抵抗を低減させる構成である。
面取り部47;47及び傾斜面48;48は、外管41が外管41の中心軸線aに沿って地中を移動する際に土壌取込板42が受ける土抵抗を低減させる構成である。
【0022】
後述する土壌取込不可状態において、内側土壌取込孔24あるいは外側土壌取込孔43と外管41の一端面41aとの間、及び、内側土壌取込孔24あるいは外側土壌取込孔43と外管41の他端面41bとの間には、内側軸部11Aの外周面又は外管41の内周面を少なくとも1周するOリングのような水密維持部材49;49が、内側軸部11Aの外周面又は外管41の内周面に設けられる。水密維持部材49;49を備えるので、土壌取込不可状態において外管41の内周面と内側軸部11Aの外周面との間の隙間を介した土壌収容部40内と地盤との間の水の流通を防止できる。
水密維持部材49としての例えばOリングは、内側軸部11Aの外周面又は外管41の内周面を1周するように内側軸部11Aの外周面又は外管41の内周面に形成された環状溝49a内に嵌め込まれて取付けられ、対向する面に密接状態に接触して水密を保つ部材である。
尚、内側軸部11Aの外周面に水密維持部材49を設ける場合には、外管41と内側軸部11Aとの相対的な移動により水密維持部材49が外側土壌取込孔43の外管内周面側の孔縁に接触して切断されたり欠損したり位置ずれしたりして水密性能を維持できなくなるようなことを防止するため、外側土壌取込孔43の外管内周面側の孔縁は面取り加工した面取孔縁部に形成することが好ましい。同様に、外管41の内周面に水密維持部材49を設ける場合には、外管41と内側軸部11Aとの相対的な移動により水密維持部材49が内側土壌取込孔24の内側軸部外周面側の孔縁に接触して切断されたり欠損したり位置ずれしたりして水密性能を維持できなくなるようなことを防止するため、内側土壌取込孔24の内側軸部外周面側の孔縁は面取り加工した面取孔縁部に形成することが好ましい。
【0023】
以上の構成における土壌採取管装置3の内部材11と外部材12との組付方法について図1を参照して説明する。
例えば、まず、第1スライダー25を内側軸部11Aの外周面に取付けておく。即ち、第1スライダー25に形成されたねじ挿入孔25aと内側軸部11Aの外周面に形成されたねじ孔25bとの位置を合わせた後、ねじ27を第1スライダー25のねじ挿入孔25aに挿入し、ねじ27を内側軸部11Aのねじ孔25bに締結することにより、第1スライダー25を内側軸部11Aの外周面にねじ27によって着脱可能に取付けておく。次に、外管41の他端面41bの開口を介して内側軸部11Aを内側軸部11Aの一端18側から外管41内に挿入し、第1スライダー25を第1ガイド孔44に挿入して係合させる。そして、第2ガイド孔45を介して確認可能となる内側軸部11Aの外周面に形成されたねじ孔26bと第2スライダー26に形成されたねじ挿入孔26aとの位置を合わせた状態で、外管41の外面側からねじ27を第2ガイド孔45を介して第2スライダー26のねじ挿入孔26aに挿入し、ねじ27を内側軸部11Aのねじ孔26bに締結することにより、第2スライダー26を内側軸部11Aの外周面にねじ27によって着脱可能に取付けておく。これにより、第2スライダー26が第2ガイド孔45内に挿入されて第2ガイド孔45に係合され、中心軸線aに沿った方向に第2ガイド孔45の長孔の長さだけ移動可能に構成されるとともに、内側軸部11Aと外管41とが互いに離れないように組み合わされる。
【0024】
よって、第1;第2スライダー25;26と第1;第2ガイド孔44;45との係合により、外管41及び内側軸部11Aの中心軸線に沿った方向に外管41と内側軸部11Aとが相対的に移動可能になるとともに、内側軸部11Aを中心軸線aを回転中心として回転させた場合に内側軸部11Aと外管41とが一緒に回転するように構成され、かつ、内側軸部11Aに内側軸部11Aの中心軸線aを回転中心として内側軸部11Aを回転させようとする力が加わっていない状態において外管41が外管41の中心軸線aを回転中心として回転しないように規制される。
【0025】
即ち、第1;第2スライダー25;26と第1;第2ガイド孔44;45とにより、内側軸部11A及び外管41を内側軸部11Aの中心軸線aに沿った方向に相対的に移動可能にガイドするためのガイド機構60が構成される。
【0026】
図3(a);図4(a)に示すように、土壌採取管装置3は、外管41の一端面41aと一端ストッパー38とが接触した場合に、内側土壌取込孔24が外管41の内周面で覆われた状態となって土壌収容部40内に土壌を取込不可な状態(以下、土壌取込不可状態という)となり、水密維持部材49;49が、外管41の内周面と内側軸部11Aの外周面との間を介した土壌収容部40内と地盤との間の水や土砂の流通を防止する。
一方、図3(b);図4(b)に示すように、土壌採取管装置3は、外管41の他端面41bと他端ストッパー17とが接触した場合に、内側土壌取込孔24の孔の中心と外側土壌取込孔43の孔の中心とが一致した状態となって内側土壌取込孔24と外側土壌取込孔43とが連通した状態となり、当該外側土壌取込孔43及び内側土壌取込孔24を介して土壌収容部40内に土壌を取込可能な状態(以下、土壌取込可能状態という)となる。
【0027】
上述した土壌採取装置1を用いて、例えば、図5に示すように、機械工場のような建屋62下の地中や廃棄物処分場跡のような更地下の地中における土壌採取目標位置50での汚染された土壌を採取する方法を説明する。
まず、図5(a);(b)に示すように、自由曲線掘削機2を用いて土壌採取目標位置50を通過する掘削孔51を形成する。例えば、削孔ビット6を土壌採取目標位置の深さ位置まで斜め下方向に推進させるようにして斜め下方向に地盤を掘削した後、削孔ビット6を水平方向に推進させるようにして水平方向に地盤を掘削して土壌採取目標位置50を通過する掘削孔51を形成し、その後、削孔ビット6を斜め上方向に推進させるようにして斜め上方向に地盤を掘削して削孔ビット6を地上に出す。
地盤を斜めに掘削する場合には、ロッド部5をロッド部5の中心軸線(中心軸線)を回転中心として駆動装置8に設けられた図外のモータのような回転駆動源で回転させることで削孔ビット6を回転させながら削孔ビット6を推進させる。
削孔ビット6の推進方向を変える場合は、ロッド部5を回転させないで、駆動装置8に設けられた図外の油圧シリンダのような押圧装置でロッド部5に推進力を与えて削孔ビット6の楕円傾斜面9に土圧が作用するようにすることで、削孔ビット6の推進方向を変える。これにより、削孔ビット6及びロッド部5を水平方向に移動させることができる。
掘削の際には、ロッド部5の筒内中空部を掘削液の供給管路として利用するので、ロッド部5の後端を図外の掘削液供給装置に繋ぎ、ロッド部5を回転させるとともに、掘削液供給装置からロッド部5の筒内中空部を介して削孔ビット6に掘削液を圧送して供給する。掘削液としては、水、ベントナイト溶液、ポリマー等の安定液等を用いる。これにより、削孔ビット6の先端の掘削液噴射孔から地盤に掘削液が噴射されながら削孔ビット6が地盤を掘削する。
そして、掘削が進むのに応じてロッド5aを順次継ぎ足していく動作を繰り返すことにより、土壌採取目標位置50を通過する掘削孔51を形成する。尚、削孔ビット6の位置は、位置検出センサ7からの位置情報により操作者が知ることができ、当該位置情報に基づいて土壌採取目標位置50を通過する掘削孔51を形成できる。
【0028】
土壌採取目標位置50を通過して地中を掘り抜いた掘削孔51を形成し、掘削孔51の掘削終点Yから地上に引き出したロッド部5の先端に取付けられていた削孔ビット6を取り外し、代わりに、ロッド部5の先端部と土壌採取管装置3のロッド連結部22とをねじ結合により連結することにより、ロッド部5の先端に土壌採取管装置3を取付ける(図5(c)参照)。そして、ロッド部5を掘削始点X側に引っ張って、土壌採取管装置3を外管41の一端面41aと一端ストッパー38とを接触させた土壌取込不可状態に維持しながら、掘削孔51内経由で掘削始点X側に戻して土壌採取目標位置50まで移動させる(図5(d)参照)。土壌採取管装置3が土壌採取目標位置50に到達したならば、ロッド部5を掘削終点Y側に押して、土壌採取管装置3を外管41の他端面41bと他端ストッパー17とを接触させた土壌取込可能状態にしてから、ロッド部5をロッド部5の中心軸線を回転中心として一方方向に回転させる。これにより、土壌採取管装置3の内部材11及び外部材12が共に内側軸部11Aの中心軸線aを回転中心として回転するので、土壌取込板42の他方の板面42fで押された(掻き取られた)土壌採取目標位置50の土砂が外側土壌取込孔43及び内側土壌取込孔24を介して土壌収容部40内に取り込まれる。
尚、土壌採取管装置3が土壌採取目標位置50に到達してから、ロッド部5を掘削終点Y側に押す動作とロッド部5をロッド部5の中心軸線を回転中心として一方方向に回転させる動作とを一緒に行うようにしてもよい。つまり、外管41の他端面41bと他端ストッパー17とを接触させてからロッド部5を回転させた場合には、掘削孔51の径が大きい場合等、土壌取込板42が土壌(掘削孔51の内壁)と接触せずに土壌採取管装置3が空回りして土砂を効率的に採取できない可能性もある。このような場合には、上述したように、ロッド部5を押しながら回転させたり、ロッド部5を回転させながら押すことにより、土壌採取管装置3が前進運動と回転運動とを同時に行うので、土壌取込板42が土壌(掘削孔51の内壁)と接触しやすくなって土壌取込効率が良くなる。
その後、ロッド部5を掘削始点X側に引っ張って、土壌採取管装置3を外管41の一端面41aと一端ストッパー38とを接触させた土壌取込不可状態に維持しながら掘削孔51経由で掘削始点Xまで戻して地上に出し、ロッド部5の先端に取付けられていた土壌採取管装置3を取り外す。そして、土壌採取管装置3を土壌取込可能状態にし、外側土壌取込孔43及び内側土壌取込孔24を介して土壌収容部40内の土壌を取り出す。
また、土壌収容部40内の土壌を外側土壌取込孔43及び内側土壌取込孔24を介して取り出し難い場合には、図1に示すように、第2スライダー26、蓋部材14を取り外すことにより土壌採取管装置3を分解することで、土壌収容部40内の土壌を容易に取り出すことができるようになる。
尚、作業者は図外のモニターに表示される位置検出センサ7からの情報(方位情報、距離情報等)を確認しながら、土壌採取目標位置50への掘削作業、及び、土壌採取目標位置50の土壌を土壌収容部40内に取り込む土壌採取作業を行う。
【0029】
実施形態1によれば、自由曲線掘削機2を用いて土壌採取目標位置50の土壌を採取する方法において、採取した土壌を容易に取り出せる。
実施形態1によれば、ロッド部5を引っ張ったり、押したりするだけで、土壌収容部40の土壌出入口となる内側土壌取込孔24の開閉操作を行えるので、開閉操作を容易に行える。即ち、土壌取込不可状態及び土壌取込可能状態に設定する作業を容易に行える。
実施形態1によれば、自由曲線掘削機2による水平掘削経路だけでなく、曲線掘削経路でも土壌を採取できる。したがって、土壌採取目標位置50がどこであっても土壌採取目標位置50の土壌を採取可能となる。
実施形態1によれば、自由曲線掘削機2による掘削を終えた後の掘削経路中における土壌採取目標位置50の土壌を採取するので、掘削による水分が少なくなった土壌を採取できることから、特許文献1に比べて、土壌成分の調査を正確に行える。
実施形態1によれば、外管41の一端面41aと接触する一端ストッパー38、及び、外管41の他端面41bと接触する他端ストッパー17を備えるので、土壌取込不可状態及び土壌取込可能状態の設定を簡単かつ確実に行えるようになる。
実施形態1によれば、土壌取込不可状態において外管41の内周面と内側軸部11Aの外周面との間の隙間を介した土壌収容部40内と地盤との間の水や土砂の流通を防止する水密維持部材49;49を備えているので、土壌取込不可状態において、土壌採取目標位置50以外の地中で土壌収容部40内から外部に汚染地下水や汚染土壌が漏れてしまうことを防止でき、土壌採取目標位置50以外の場所を汚染してしまうようなことを防止できる。また、土壌取込不可状態において、土壌採取目標位置50以外の地中で外部から土壌収容部40内に土壌や地下水が入り込んでしまうことを防止でき、土壌採取目標位置50の土壌の成分の検査を正確に行うことができるようになる。
実施形態1によれば、第1;第2スライダー25;26と第1;第2ガイド孔44;45とにより構成されたガイド機構60を備え、内側軸部11Aを回転させようとする力が加わっていない状態において外管41が回転しないように規制されるので、外管41と内側軸部11Aとが内側軸部11Aの中心軸線aに沿った方向に直線運動を行うように相対的に移動可能となり、外管41と内側軸部11Aとの相対的な移動動作がスムーズになるとともに、ロッド部5からの回転力を2箇所のガイド機構60により外管41に伝達できるので、外管41に回転力をスムーズに伝達できて土壌取込動作をスムーズに行えるようになる。
実施形態1によれば、ガイド機構60が、外管41の内外に貫通して外管41の中心軸線aに沿った方向に延長する両端閉塞の長孔により形成された第2ガイド孔45と、ガイド孔45内を長手方向に移動可能となるように外管41の外面にねじ27により着脱可能に取付けられた第2スライダー26とにより構成されたので、土壌採取管装置3の分解が容易となり、内側軸部11Aと外管41とを分離させることが容易となるので、土壌収容部40内の土壌を容易に取り出すことができるようになる。
【0030】
実施形態2
掘削始点から土壌採取目標位置50まで掘削孔51を形成した後、ロッド部5を掘削孔51の掘削始点Xに戻して地上に引き出してロッド部5の先端5tに取付けられていた削孔ビット6を取り外し、ロッド部5の先端5tに土壌採取管装置3を取付けて、土壌採取管装置3を掘削孔51内経由で土壌採取目標位置50まで移動させる。土壌採取管装置3が土壌採取目標位置50に到達したならば、ロッド部5を押して、土壌採取管装置3を土壌取込可能状態にしてから、ロッド部5をロッド部5の中心軸線を回転中心として一方方向に回転させることで、土壌採取目標位置50の土砂を土壌収容部40内に取り込むようにしてもよい。
尚、この場合、土壌採取管装置3を掘削始点から土壌採取目標位置50まで移動させるまでの間は、土壌採取管装置3が土壌取込可能状態となるので、土壌採取管装置3が掘削始点Xから土壌採取目標位置50に移動するまでの間に土壌収容部40内に土壌が取り込まれ難いように、外側土壌取込孔43及び内側土壌取込孔24を下向きにして土壌採取管装置3を移動させることが好ましい。
実施形態2によれば、実施形態1と同じ効果が得られるとともに、地中を掘り抜くことができない現場においても土壌を採取することができる。
【0031】
実施形態3
実施形態1;2では、ロッド部5を引っ張った際に土壌取込不可状態となり、ロッド部を押した際に土壌取込可能状態となるような構成の土壌採取管装置3を示したが、ロッド部5を引っ張った際に土壌取込可能状態となり、ロッド部5を押した際に土壌取込不可状態となるような構成の土壌採取管装置3としてもよい。
実施形態3の土壌採取管装置3を用いる場合には、実施形態1と同様に、自由曲線掘削機2を用いて土壌採取目標位置50を通過した地中を掘り抜いた掘削孔51を形成した後、ロッド部5を掘削孔51の掘削始点Xに戻して地上に引き出してロッド部5の先端5tに取付けられていた削孔ビット6を取り外し、ロッド部5の先端5tに土壌採取管装置3を取付ける。そして、ロッド部5を押して土壌採取管装置3を土壌取込不可状態に維持しながら土壌採取管装置3を掘削孔51内経由で土壌採取目標位置50まで移動させてから、ロッド5部を引っ張って、かつ、ロッド部5を一方方向に回転させて土壌採取目標位置50の土砂を土壌収容部40内に取り込む。そして、ロッド部5を押して土壌採取管装置3を土壌取込不可状態に維持しながら土壌採取管装置3を掘削終点Yから地上に出し、土壌収容部40内の土砂を取り出す。
【0032】
実施形態4
実施形態1の一端ストッパー38及び他端ストッパー17を設けずに、第2ガイド孔45の長手方向の両端をストッパーとして機能させてもよい。即ち、第2スライダー26が第2ガイド孔45の長手方向の両端に接触可能なようにし、外管41及び内側軸部11Aの移動が、第2スライダー26と第2ガイド孔45の一端との衝突、及び、第2スライダー26と第2ガイド孔45の他端との衝突により規制されるように構成する。
実施形態4によれば、第2ガイド孔45の両端をストッパーとして機能させることから、実施形態1の一端ストッパー38及び他端ストッパー17が不要となり、内側軸部11Aを両端にストッパーを備えない簡単な構成とできる。また、蓋部材14も不要となり、内部材11の構成も簡単とできる。
【0033】
実施形態5
また、第2ガイド孔45;第1ガイド孔44の代わりに、外管41の内周面及び内側軸部11Aの外周面の一方に内側軸部11Aの中心軸線aに沿って延長する図外のガイドとしての長溝を形成し、外管41の内周面及び内側軸部11Aの外周面の他方には、第2スライダー26;第1スライダー25の代わりに、上記長溝内に突出して長溝に係合し長溝内を長手方向に移動可能な図外のスライダーを設けるようにしてもよい。
【0034】
実施形態6
内側土壌取込孔24、外側土壌取込孔43、土壌取込板42からなる土壌取込構成部を複数組設けてもよい。例えば、土壌採取管装置3を中心軸線aに沿って延長するように複数個繋げた構成としたり、中心軸線aに沿って延長するように複数組の土壌取込構成部を備えた土壌採取管装置としてもよい。また、内側軸部11A及び外管41の周方向に沿って複数組の土壌取込構成部を備えた土壌採取管装置としてもよい。実施形態6によれば、広範囲の土壌調査が可能となり、土壌調査をより詳細に行うことが可能となる。
【0035】
上記では、断面円形の内側軸部11A及び外管41を示したが、内側軸部11A及び外管41は断面角形状であってもよい。
第2スライダー26;第1スライダー25は、ガイド内をスライド可能な構成であればよく、形状は問わない。
また、第1スライダー25と第1ガイド孔44とにより構成されるガイド機構60は設けなくともよい。
【0036】
本発明は、土壌汚染された土壌を調査するための採取だけでなく、セメント等の改良材で地盤改良された場所に所定量の改良材が入っているかを確認するための調査等、土壌中の調査したい物質の量を測定するための土壌を採取する場合にも利用できる。
【符号の説明】
【0037】
3 土壌採取管装置、5 ロッド部、11 内部材、11A 内側軸部、
12 外部材、17 他端ストッパー、21 筒部、24 内側土壌取込孔、
26 第2スライダー(スライダー)、27 ねじ、38 一端ストッパー、
40 土壌収容部、41 外管、42 土壌取込板、43a 辺縁(孔縁)、
45 第2ガイド孔(ガイド孔)、49 水密維持部材、50 土壌採取目標位置、
60 ガイド機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッド部の先端に取付けられて地中の土壌採取目標位置で土壌を採取するための土壌採取管装置において、
内部材と外部材とを備え、
内部材は、両端が閉塞された筒部の内部空間により形成された土壌収容部を有した内側軸部と、内側軸部の周面に筒部の内外に貫通するように形成されて土壌収容部に対する土壌の出入口となる内側土壌取込孔とを備え、
外部材は、内側軸部の外周面に内側軸部と同軸に設けられた外管と、外管の周面に外管の内外に貫通するように形成された外側土壌取込孔と、外管の中心軸線に沿った外側土壌取込孔の孔縁から外管の中心軸線より離れる方向に延長するように設けられた土壌取込板とを備え、
内側軸部と外管とが内側軸部の中心軸線に沿った方向に相対的に移動可能なように構成され、
内側軸部及び外管の相対的な移動により内側土壌取込孔と外側土壌取込孔とが連通することによって土壌収容部に地中の土壌を取込可能な土壌取込可能状態、及び、内側土壌取込孔が外部材で覆われることによって土壌収容部に地中の土壌を取込不可な土壌取込不可状態に設定可能に構成されたことを特徴とする土壌採取管装置。
【請求項2】
内側軸部の一端部には外管の一端と衝突する一端ストッパーを備え、内側軸部の他端部には外管の他端と衝突する他端ストッパーを備え、
外管の一端と内側軸部の一端ストッパーとが衝突した状態において内側土壌取込孔が外部材で覆われた土壌取込不可状態に設定され、かつ、外管の他端と内側軸部の他端ストッパーとが衝突した状態において内側土壌取込孔と外側土壌取込孔とが連通した土壌取込可能状態に設定されることを特徴とする請求項1に記載の土壌採取管装置。
【請求項3】
内側軸部の一端部には外管の一端と衝突する一端ストッパーを備え、内側軸部の他端部には外管の他端と衝突する他端ストッパーを備え、
外管の一端と内側軸部の一端ストッパーとが衝突した状態において内側土壌取込孔と外側土壌取込孔とが連通した土壌取込可能状態に設定され、かつ、外管の他端と内側軸部の他端ストッパーとが衝突した状態において内側土壌取込孔が外部材で覆われた土壌取込不可状態に設定されることを特徴とする請求項1に記載の土壌採取管装置。
【請求項4】
内側軸部の外周面又は外管の内周面には、土壌取込不可状態において内側軸部の外周面と外管の内周面との間を介した土壌収容部に対する水や土砂の出入りを防止するための水密維持部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の土壌採取管装置。
【請求項5】
内側軸部及び外管には、内側軸部及び外管を内側軸部の中心軸線に沿った方向に相対的に移動可能にガイドするためのガイド機構が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の土壌採取管装置。
【請求項6】
ガイド機構は、外管の内外に貫通して外管の中心軸線に沿った方向に延長する両端閉塞の長孔により形成されたガイド孔と、ガイド孔内を長手方向に移動可能となるように外管の外面にねじにより着脱可能に取付けられたスライダーとにより構成されたことを特徴とする請求項5に記載の土壌採取管装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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