圧力制御システム付搾乳器
【課題】搾乳サイクル中乳房シールドチャンバ内で乳房に加えられる圧力を調整し且つ又その圧力を、最小の真空を維持するサイクルで変える圧力制御装置を提供する。
【解決手段】手動又は電動搾乳器であって、該搾乳器は、乳房シールドチャンバ内の圧力変化、例えば、真空を、周囲圧力(大気)よりも小さい、維持される最小圧力に調整する機構を含む。圧力調整器は、負圧を最小値と最大値の間(及び間の値)に変えるための、又は乳房シールド内の実際に測定された特別の負圧の値を達成する制御器を提供する。
【解決手段】手動又は電動搾乳器であって、該搾乳器は、乳房シールドチャンバ内の圧力変化、例えば、真空を、周囲圧力(大気)よりも小さい、維持される最小圧力に調整する機構を含む。圧力調整器は、負圧を最小値と最大値の間(及び間の値)に変えるための、又は乳房シールド内の実際に測定された特別の負圧の値を達成する制御器を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、母乳を吸い出すための搾乳器に関し、特に、手動で操作されるか、電動化されるかのいずれかの搾乳器に関する。搾乳サイクル中乳房シールドのチャンバ内で乳房に実際に加えられる如き圧力を調整し且つ又その圧力を、最小の真空を維持する圧力をサイクル内で変える圧力制御装置を有する搾乳器に関する。
【背景技術】
【0002】
養母用の搾乳器はよく知られている。搾乳器により、養母は、必要とするとき又は都合の良いときに、母乳を絞り出し、後の使用のために母乳の収集をさらに行う。子供が授乳問題を有している時のように、或いは、お母さんが、乳が出すぎたり、出なかったり、或いは乳頭の痛み、変形又は損傷、若しくは乳房での授乳に貢献しない同様な状態の問題を有するならば、搾乳器は、あるお母さんのために必要である。
【0003】
搾乳器の3つの一般的な大まかな分類、すなわち、手動で吸引を発生させる手動搾乳器、バッテリーによって供給される動力で吸引を発生させる小型モータ付の電動搾乳器、「家庭」の電流を使う種々のタイプの電動機によって吸引を生じさせる電動搾乳器がある。ある搾乳器は、これらの大まかな分類を越えることがある。
【0004】
種々のタイプの手動搾乳器が存在する。このような手動搾乳器の例は、米国特許第6,497,677号に記載されている。
【0005】
電動携帯搾乳器は、例えば、米国特許第4,964,851号に記載されている。この搾乳器は、小型で、軽量であり、良好な真空(即ち、負圧)の調整を好ましい限度で達成する。Medela社によって販売されているLACTINAの搾乳器も、バッテリーのみならず家庭の電流によって駆動されるもう一つのタイプの搾乳器である。それは、一般的には、米国特許第5,007,899号に記載されている。
【0006】
これらの搾乳器は、全て、乳房シールド内で乳房及び乳首に加えられる圧力、典型的には負圧又は真空を循環させるように設計される。在来の搾乳器は、一般的には、容積形ポンプタイプ又は蓄圧器形ポンプタイプのものである。容積形ポンプは、上記のピストンタイプポンプのような、真空を発生させるために容積を拡張させる機構を使用する。戻りストロークの終わりに、ポンプは大気に戻る。最大(又は他の)真空は、ストロークの長さによって達成される。乳房シールドを大気圧に戻すとき、一方向弁が開かれて開いて、乳房組織の復位で蓄圧漏れ空気、即ち過剰空気を、及び乳房シールド内の追い出された乳を排出する。排出は、大気に通じた乳収集びん又は可撓性バックの中へ起こる。変形例として、所望の真空レベルをおおよそ確立するために、空気を、一定長さのストローク中(例えば、大気への調節可能な戻りによって)調節可能に加えることができる。
【0007】
蓄圧器形ポンプは、装置内のガスの元の量の小部分を繰り返し排出することによって真空を高める。蓄圧器形ポンプは、ポンプに電力が供給され且つ作動している時間又は継続時間、例えば、所定サイクルのためのポンプの往復運動回数によって最大真空を制御する。真空はまた、例えば、米国特許第4,964,851号に記載された携帯電動搾乳器の調整器のような調整器によって調節することができる。
【0008】
在来の搾乳器の問題は、乳房シールド内の「システム」容積が、養母の乳房が乳房シールド内に占める容積の量並びに真空下での所定乳房の応答により変化することである。例えば、充血した乳房を有する養母は、高度に弾力性の乳房組織及び又は乳首を有する母親と違って乳房シールドを占める堅い乳房及び乳首組織を有する。その上、小さい乳房又は乳首は乳房シールドを満たし、大きな乳房又は乳首と違って反応する。かくして、システム容積は、乳房ごとに、また同じ乳房でも時間ごとに変化する。
【0009】
「デッド」容積と時々称せられる「可変システム容積」は、吸引サイクル内で問題を含む。高度に弾力性の乳房/乳首を想像すると、吸引サイクルのスタートで、乳房及び乳首は乳房シールドのシステム容積のある部分を占める。これは、システム内の空気の出発量を固定する。真空ができると、乳房/乳首組織は乳房シールド内へ引かれ、真空の増大を若干軽減する。かくして、サイクル内で生じた真空は、弾力性の小さい乳房/乳首で実現されるよりも小さい。
【0010】
容積タイプ又は蓄圧器タイプの在来の搾乳器が、所望の真空について実際の設定点を提供するようとした程度にまで、在来の搾乳器は近似によってのみそうする。このようなポンプについて「250mmHg」の真空設定は、例えば、標準サイズの乳房のためであるに過ぎない。何故ならば、それは、操作によって行われる、移動又は代替的に蓄圧に由来する期待のレベルに基づかれるからである。かくして、真空を調整する方法又は機構は,乳房で感知される実際の圧力によって制御されない。
【0011】
ある先行技術の特許は感知された圧力で圧力を調整することを開示する。メドーの米国特許第5,902,267号は、調整された出力を乳房のポンプ「フランジ」に適用し、次いで、一サイクルで周囲圧力に戻す集中真空装置内の調整器を開示する。
【0012】
ケリーの米国特許第6,383,163号は、乳房カップ内の吸引を感知し、且つ最大吸引が感知されて、圧力を解放し、乳房カップを周囲圧力に戻すとき弁を開くための真空センサーを開示する。乳房カップが周囲圧力を達成するとき、弁は、他のサイクルのために閉じる。
【0013】
本発明と違って、先行技術は、最大の負圧に、次いで、巧い乳絞りのために大気圧力に戻す必要なしに、周囲圧力よりも依然として小さい所望の最小負圧に達するために乳房シールド内の真空を調整しない。乳房シールドチャンバ内に周囲圧力への戻りは要求されず、搾乳期中の少なくとも一部分の間乳房に最小レベルの真空を維持することによって利益が達成される。このようなことは、例えば、最大真空に達するのに要求されるエネルギー量を減ずることを含む。真空の解放時に乳首の「弾性反発」も最小にされる。更なる利益は、実際に感知され、それによって実際に付与された圧力の所望設定点間で所定の真空サイクルを制御することができることから生じ、もっと複雑でしかも正確に制御されたカーブのために設定点を多くする。本発明はまた、乳房シールド内の乳房又は乳首の往復運動を最小にするといった心地よさを養母に提供する。
【0014】
「特に、乳房シールド圧力制御装置を有する搾乳器用の最小負圧制御方法及び装置」と題する特許出願番号11/486,364号は、最小真空を含む真空サイクルを正確に制御するセンサーを有する蓄圧器形搾乳器を使用する手段を開示する。その出願は、乳房と接触しているときに、制御装置によって制御される内部圧力を有する乳房シールドを開示し、乳房シールドの内部圧力が乳収集びんと連通してびんを最小真空に制御する。より大きな真空へのある僅かなサイクル変化がびんの収集内に搾乳サイクル毎に起こる。収集びんは大気圧から密封される。一方向弁の開きは、乳房シールドが最小真空制御、即ち低真空に近づくとき、びん内の高い真空によって助けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第6,497,677号明細書
【特許文献2】米国特許第4,964,851号明細書
【特許文献3】米国特許第5,007,899号明細書
【特許文献4】米国特許第6,383,163号明細書
【特許文献5】米国特許第5,902,267号明細書
【特許文献6】米国特許出願第11/486,364号明細書
【特許文献7】米国特許公開第2004/0039330号公報
【特許文献8】弁国特許公開第2005/0222536号公報
【特許文献9】米国特許第6,547,756号明細書
【特許文献10】米国特許第4,929,229号明細書
【特許文献11】米国特許第6,676,631号明細書
【特許文献12】米国特許第5,941,847号明細書
【特許文献13】USSN第11/591,276号明細書
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】最新外科34巻59−63頁(1989年6月)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の主な目的は、乳房シールドチャンバ内の圧力変化、例えば、真空を調整し、1つの好ましい形態ではその圧力を相当正確に調整するのに使用することができる機構を含む手動か自動のいずれかの搾乳器を提供するにある。
【0018】
本発明は他の顕著な側面では、搾乳期中の、全てではないが、少なくともある間乳房シールド内に真空の最小レベルを維持する搾乳サイクルを操作する。所望の最小レベルは、乳首が弛張状態を達成しないように達成することができる。
【0019】
約20mmHgないし約60mmHgの範囲の最小真空が最も望ましいと現在のところ考えられる。
【0020】
実施形態では、乳房シールドチャンバ内の真空を調整する、自動搾乳器と関連して用いられる調整器は、予め設定された指示又は使用者の入力パラメータで、制御器及び乳房に対して感知された実際の真空に従って操作し、且つ所定の指示に従う異なる操作条件(例えばゆるみシーケンスに続く絞り出しシーケンス)間を自動的に移行し、或いは、使用者の入力又は両方に従って操作する。
【0021】
本発明によって実現される他の顕著な利点は、搾乳中の圧力を、ある場合に含む複数の所望設定点を通して、サイクルの一部中周囲圧力(大気圧)よりも小さい圧力まで、次いで最大負圧まで制御するように、乳房シールドチャンバ内の圧力変化を正確に調整する能力である。
【0022】
本発明の目的は、システム容積、即ちシステム内の空気容積と関連した課題を解消するために乳房シールド内の最小真空レベル及び最大真空レベルを制御することにある。本発明の他の関連した目的は、吸引サイクル当たりの仕事量、従って消費エネルギーを減じることによって、進歩した装置の開発、搾乳装置の小型化、その物理的な大きさ、及び動力要求を高めることにある。仕事が少なくなればなるほど、電動搾乳器のバッテリー寿命は長くなる。また、潜在的により小型のモータを(騒音を少なくするために)モータの減速で使用することができる。
【0023】
最小真空を維持することは、在来の装置で見られる、大気圧に戻る乳首の弾性反発を最小にするのに役立つ。乳房又は乳首が乳房シールドに引き入れられ又は乳房シールド内に引き戻されると、システム容積は変化する。本発明は、搾乳器が作用しなければならないもっと安定な容積を見込む。もっと安定な容積は、また、乳房シールド内での乳房又は乳首の往復運動を最小にすることによって不快さ及びいらだちを解消する。乳は、また、基線真空中取り出され続ける。
【0024】
加えて、乳を活動的に取り出すために真空が乳房に加えられる継続時間を正確に制御することができる。「インテリジェントシステム、即ち「スマートポンプ」は、各サイクル中所望カーブ(吸引パターン又はシーケンス)を繰り返す。
【0025】
本発明の他の目的は、「手を使わない」使用のため、或いはある場合には若干手を使わないために吸引によって乳房シールドを乳房に保持し或いは乳房への乳房シールドの保持を助ける最小真空を維持することにある。
【0026】
本発明の他の目的は、弁を含み、該弁は、弁の前後の圧力差により乳捕捉チャンバ内で開き、圧力差は弁を開く際補助する。弁は、弁の上に溜まった乳を捕捉容器の中へ空にするために開く。本発明の1つの形態では、乳は、実際には、容器内に存在する真空によって、弁を通して容器の中に吸い込まれる。これにより、もっと丈夫な弁の使用は、捕捉容器内の真空を使用して乳を弁の中を流通させる。差圧は、高い開弁力並びに信頼できる操作及びより長い寿命を維持する広範囲の開弁力でチェック弁、例えば「ダックビル」弁の利用を見込む。
【0027】
本発明の更に他の側面では、乳房シールドの乳房シールドチャンバ内の調整圧力は、乳房シールド内の可変(乳房と乳房)又は変化する(乳首が搾乳中乳房シールドに入ったり出たりする)システム容積によるような、搾乳サイクルと搾乳サイクルの間、母と母の間、搾乳期中と搾乳期中の間の一貫性を見込む。
【0028】
圧力センサーで、大変正確な圧力カーブが達成されるばかりでなく、所望に応じて調整され、次いで、後の搾乳期中に再現される。
【0029】
更に他の実施形態では、搾乳器は、乳房シールド組立体にではなく、真空ポンプに設置された弁構造を有する圧力制御装置を含む。この実施形態の1つの形態では、3つの一方向弁が使用される。2つは傘とダックビルの組み合わせであり、3番目のものはシステムからの過剰な空気を除去するのに用いられるフラップ又はリード弁である。全ての弁は、弁の前後の圧力によって静的に開閉される。
【0030】
本発明の実施形態は、搾乳器環境の外側に、負圧傷治療と称されるものに潜在的な応用を有する。負圧傷治療は、ブルースカイ メディカル グループ社、チャリカー−ジェッター又はウッデイング−スコット排液キット、チャリカー,エム等の閉鎖吸引傷排液を有する切開及び皮膚フィステルの効果的管理、最新外科34巻59−63頁(1989年6月)に記載されている。間欠的に加えられる減圧は、傷治療及び治癒の際治療的利益を有することを示している。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のある側面による手動搾乳器の実施形態の斜視図である。
【図2】図1の搾乳器の側面図である。
【図3】図1の搾乳器組立体の主要部の分解断面図である。
【図4】図1の搾乳器の1つの弁機構の部分の拡大図である。
【図5】図3の弁機構及び調整器の分解側面断面図である。
【図6】本発明のある側面による電動搾乳器の他の実施形態の一部切除した概略側面図である。
【図7】図6のタイプの搾乳器内の圧力を制御するための他の構造の概略図である。
【図8】本発明の他の実施形態によるコンピュータ操作搾乳器の種々の構成部品の図式図である。
【図9】圧力を調整することによって異なる最大真空レベルと最小真空レベルの間で搾乳器を操作するための種々の表示方法(カーブ)である。
【図10】圧力を調整することによって異なる最大真空レベルと最小真空レベルの間で搾乳器を操作するための種々の表示方法(カーブ)である。
【図11】圧力を調整することによって異なる最大真空レベルと最小真空レベルの間で搾乳器を操作するための種々の表示方法(カーブ)である。
【図12】圧力を調整することによって異なる最大真空レベルと最小真空レベルの間で搾乳器を操作するための種々の表示方法(カーブ)である。
【図13】図1の搾乳器に適用し得るタイプの弁機構の変形態様の部分の拡大図である。
【図14】他の調整器の変形態様の側面図である。
【図15】本発明の側面による乳房シールドの「手を使わない」タイプの実施形態の斜視図である。
【図16】2つのダックビル弁を使用する本発明の他の実施形態の斜視図である。
【図17】図16の実施形態の下流端面図である。
【図18】図が図6の実施形態と似ている他の実施形態の図である。
【図19】発明の要旨の更に他の変形例の図である。この変形例は、(他の実施形態のあるものでなされるように、)装置の部分を周囲圧力に必ずしも通気することなく、真空を所望の最小にまで引く真空源216で機能するようになっている。
【図20】圧力調整器の他の実施形態を示す。
【図21】非バリヤーシステムのための乳房シールド及び収集びんの断面図である。
【図22】バリヤーシステムのための図21の変形例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明の一実施形態は、ここに援用する米国公開第2004/0039330号に詳細に記載されているタイプの、図1ないし3の手動搾乳器で示されている。このタイプの搾乳器は単なる例示であって、本発明を限定するものではない。
【0033】
搾乳器組立体110は乳房に接触するための乳房シールド112を含む。乳房シールド112は導管構造物114に取り付けられている。真空ポンプ機構116、この例では、手動のハンドル(レバー)117が導管構造物114に取り付けられている。導管構造物114は、真空ポンプ機構116によって発生させた真空をシールド112に伝達し、絞り出された母乳をシールド112からこれに取り付けられた容器118に伝える。
【0034】
シールド112は、乳房上に受けられるように形成され且つ寸法決めされた全体的に漏斗状部分120を有する。シールド120は、漏斗状部分120から下流にスリーブ122の中へ延びる。スリーブ、又は乳首トンネル122は、絞り出された乳を導管構造物114の中へ導く。本発明の目的のために、シールド112の形状及び導管構造物114とのその形成部は一般的には、本発明に付随し、再び、これらの要素の特定の構成及び詳細は限定するものではない。
【0035】
導管構造物114は、スリーブ122を受け入れるように寸法決めされ且つ形成されたシールドマウント124を介してシールド112に取り付けできる。導管構造物114は、一般的には、乳の流ればかりでなく圧力(例えば、真空)の伝達をも含む搾乳器組立体110の部品を相互に連結し且つかかる部品間の流体の伝達を可能にする。ここでは、導管構造体114は、上流端でシールドマウント124によってスリーブ122に連結し、かつ当該技術(上記の特許公開)で知られているように、容器の取付端126の弁機構(図3に図示せず)で終わっている。導管取付端126は、乳びん等の形態をした容器118との解放可能な取付けのためのネジ山(図3)又は他の適当な機構を含む。図3では、導管構造物114は、絞り出された母乳をシールドマウント124から容器118に導くためのチャンネル130を含む。導管構造物114はまた、ポンプ機構116を受け入れ且つポンプハンドル117とその関連した拡張可能なチャンバ装置の移動によって影響される空気圧力変化(ここでは、真空)を導くための受け部又はウエル134を含む(再び、上記の特許公開を参照)。
【0036】
(極めて概略的に示すが、当該技術で周知のタイプの)圧力調整器160は、搾乳サイクル中圧力を調整するように乳房シールド内の圧力を調整する能力を有する。母乳の絞り出し中乳房シールド内に最小レベルを維持するために特定の真空レベルを設定するように作動する大変容易な手動操作調整器160が設けられている。この例の調整器160は、手動で操作され、そして米国特許第4,964,851号に開示されたタイプのものである。手動で調節可能な調整の外に、変形態様に関して以下でもっと完全に論じるように調整を自動化してもよく、或いは調整器機構を、更に、これ又以下で論じるように、ある実施形態では調節不可能にしてもよい。
【0037】
図3に示すように、調整器160は、乳房シールド内に最小の真空を維持しながら、乳房から吸引された乳が収集容器118に流れるようにする弁機構と関連して働く。もっと具体的には、図4及び5を参照すると、弁機構は、一般的には、剛性壁又はベース172及び、ここに援用される米国特許第4,929,229号に詳細に記載されているような、ゴム又はシリコーンゴムで作られた薄い可撓性膜174(又はフラップ)からなる。壁172は形状が円形(円板状)であり、シールドマウント124と取り外し自在に係合されるか、それと一体にされるかのいずれかである。壁172は、4つの開口180,182,184,186を有する。開口184は、壁172のほぼ中心にある箇所に置かれる。開口180、182は、壁172の底にそって壁172を貫いて形成される。
【0038】
開口186は膜174との係合のためである。薄い可撓性膜174はほぼ円形(円板状)形状を有し、且つスナップ嵌めで開口186に係合されるノブ(こぶ)176によって壁172に取り付けられる。膜174の直径は、壁部172及び開口180、182、184を完全に覆うのに十分である。弁機構172及び174はチャンネル130の上流でシールドマウント124内に位置決めされる。
【0039】
図3及び5を参照すると、調整器160と圧力チャンネル構造物164内に配置された手動調節機構162を含む。調整器160は、調節機構162を搾乳器システムの外側から手動で調節するためにアクセスできる。圧力チャンネル構造物164は、シールドマウント124の外側に延びて第2の端でチャンネル130と連通する。即ち、圧力チャンネル164の第2の端は、チャンネル130に通じるギャップ132と連通する。勿論、チャンネル164をシールドマウントの側壁構造物で内部に作られても良く、さもなければ、弁172の上流側と下流側との間に空気チャンネルを確立しても良い。
【0040】
圧力調整器160は、負圧を達成してこれを変化させるための簡単な手動制御器を提供する。今や、養母は、以下のように、所望の最小負圧真空レベルを維持することができる。
【0041】
調整器160は所望レベルに調節される。サイクルが周囲圧力に行く(又はそれに少なくとも向かう)と、弁フラップ174は壁172に接触して、乳房シールドを搾乳器の残部から遮断する。しかしながら、乳房シールド112内の負圧は、システムが最大の負圧から周囲圧力に向かって戻り、より高い圧力空気が圧力チャンネル164の中を通るので降下し続ける。
【0042】
乳房シールド112内の真空は調節された最小に維持され、養母は、大気圧又は僅かな正圧がチャンネル130内に存在するまでポンプハンドル117をストローク移動させる。びん118と、チャンネル130と連通する乳保持チャンバ168との間の弁(図示しないが、標準)が開いて乳をびんの中へ送る。
【0043】
図5を参照すると、負圧が設定した最小に達するとき、調整器160は閉じ、即ち空気流を遮断し、シールド112内に所望の負圧を維持する。しかる後、下流の真空レベルが次のサイクルで(例えば、所望の、選択された又は定義の)所定の最小レベルを越えるとき、弁172、174が開く。
【0044】
乳房シールド内に維持された最小真空を、乳房シールドそれ自体に位置した逃がし要素、例えば逃がし弁によって解放してもよいことに気づく。養母はまた、真空を破るように乳房シールドの一部分を簡単に手で操作してもよいし、或いは乳房シールドを乳房からちょっと引き離してもよい。
【0045】
薄い可撓性膜274の変形態様を図13に示す。この実施形態はスナップ嵌め係合のためのこぶ276と共にスリット277を含む。スリット277は膜274の実質的に中心に配置されるが、膜が所望の圧力で開閉するようにスリットのどんな位置をも考えられる。この図13の実施形態では、スリットは、膜の自然の弾性と関連して寸法決めされ、膜は所望の最小真空(即ち50mmHgの負圧)で閉じる。使用者が最小の真空を調節する能力はない(何故ならばこの例では調節可能な調整器が使用されていないからである)が、所望の圧力を維持するための大変簡単な機構が設けられる。その機構は、例えば工場でおおよそ所望な最小真空に調節でき、そして、適度に丈夫である。例えば、1つ又はそれ以上のピンホールのようなこのスリット状の概念を実行するための方法があり、ピンホールは、ホールを画成する材料の自然の弾性が閉鎖を引き起こす点に達するまで開きぱなしである。
【0046】
簡単だけど、丈夫な圧力調整器の他の実施形態を図14に示す。図14に示すように、調整器500は、各端にディスク503及び504を有する剛性ピン502を含む。調整器500は、ドーム506内でピン502の長手方向軸線に沿って移動することができる。ドーム506は、可撓性膜508に固定され、或いは図示のように可撓性膜と一体にされる。かくして、ドーム506は可撓性であり、本質的にばね状要素を形成する。即ち、ドーム506は、ドーム506がディスク504を膜508から押し離し、同時に、ディスク504を引っ張ってシールリング505と密封係合状態にするように、ピン502とともに寸法決めされる。ドーム506によってピン502に及ぼされる力の量は、所望の最小真空に調節される。ドームには、空気を膜の一方の側から他方の側に流通させる開口507が形成されている。変形として、ピンが通る穴509は、操作中この空気を流通させるようにしてもよい。気づくように、調整器500は、最小真空で閉じるように調節され、搾乳器の残部内の負圧が周囲圧力に向かって降下するとき、フラップ508は上記のようにベースに向かって閉じる。ついで、乳房シールド内の真空により、ディスク504を座から離し、より高い圧力空気を穴507を通して乳房シールドに引き入れる。圧力差が弾性ドーム506によってディスク503に及ぼされたばね力に打ち勝つのに最早十分ではなく、そしてディスク504が着座するとき、乳房シールド内は最小圧力に達する。本発明について使用されるようになった簡単なしかも丈夫な調整器のさらに他の形態は、米国特許第3,159,176号に記載されているもののような、傘弁、ダックビル弁、又は傘とダックビルの組み合わせ逆止め−逃がし弁である。
【0047】
図16及び17は、所望の最小真空を確立し且つ維持する2つのダックビル弁を使用するさらに他の変形例を示す。このタイプの乳房シールドは、2005年3月31日に出願された米国特許公開2005/0222536号に開示されているような、可撓性シリコーンで作られた例である。乳房シールドの性質は、上述したように、勿論本発明に単に付随するに過ぎない。乳房シールド360は、乳首及びそれを取り囲む乳房を受け入れる開口362を有する。乳房シールドの下流端366を密封する第1のダックビル弁364が開口362から下流にある。第1のダックビル弁364は在来の構造のものであって、可撓性材料で作られ、この弁のための下流開口を有する。
【0048】
第2のダックビル弁370が第1ダックビル弁364の上流フランジ374に形成された導管又は貫通穴372内に配置される。第2ダックビル弁は、一般的には、第1ダックビル弁364と同じタイプであるが、それより大変小さい。貫通穴372の下流端は、一般的に乳房シールドのために発生される真空と連通する開口378で終わっている。貫通穴372の上流端は、小さい方のダックビル弁370の内部と連通する。小さい方のダックビル弁370は、搾乳サイクル全体にわたって乳房シールド内に維持されるべく所望の最小圧力(真空)で閉じるように設計されている。
【0049】
これは、上記の二重ダックビルの実施形態がどのように働くかである。搾乳シーケンスがシステム内で周囲圧力に向かって行くとき、第1のダックビル弁364は閉じる(今、乳房シールド内よりも高い圧力が下流に在る)。それにもかかわらず、圧力差により、空気を小さい方のダックビル弁370を通って乳房シールドの内部に流通させ、ついには、小さい方のダックビル弁370の自然の(所定の)弾性により、ダックビル弁370は、維持されるべき所望の最小真空で閉じる。
【0050】
勿論、本発明は、電動搾乳器にも容易に適用できる。搾乳器は、乳房シールド内に簡単な真空及びサイクル頻度条件を生じさせるように手動で調節できてもよいし、或いは、もっと複雑な搾乳サイクル又はカーブのために米国特許第6,547,756号に詳細に記載されているように、使用者がブログラムできてもよいし、或いは、両能力を有してもよい。
【0051】
上記のように、本発明は、搾乳器の環境を越える適用を有する。例えば、図16及び17の実施形態は陰性の傷治療に適用される。開口362を、例えば、広げて軸線方向に延びる部分380を大変短くする。装置の残部は、この他の治療適用に採用するには殆ど又は全く修正を必要としない。
【0052】
図6に示すように、この搾乳器組立体210は、乳房シールドに受けられるように形成且つ寸法決めされた乳房シールド212を含む。乳房シールド212は導管構造物214に取り付けられる。真空ポンプ機構216が空気ライン218を介して組立体に取り付けられる。ポンプ216は制御器220によって制御される。空気ライン218は、弁280が開いているとき乳房シールド212内の真空レベルを調整する調節可能な圧力調整器260を含む。
【0053】
導管構造物214は、絞り出された母乳を乳房シールド212からダックビル弁機構270を通して乳容器228へ導く。以下に更に記載されるように、ベント275が弁270と関連して用いられる。
【0054】
制御器220によって操作されるソレノイド弁280が周囲圧力空気ライン290内の調整器260と直列をなしている。
【0055】
手動調節可能な調整器260は、乳房シールド212内の最小負圧を(調整器160を参照して前に記載した方法で)調整する能力を有する。この例では、調整器260は真空ライン218周囲圧力の管290内に配置される。
【0056】
上記のように、ソレノイド弁280は、搾乳サイクルを制御する制御器220によって操作される。制御器220は、ソレノイド弁をサイクル中の設定時間又は圧力で作動する用に機能する機械的装置から、同じことをするようにプログラムされたマイクロプロセッサーまで、多くのタイプのものでよい。ソレノイド弁280が閉じていると(そして搾乳器が働いているとき)、真空が乳房シールド212内で所望最大まで増し、そのとき、ソレノイド弁280は開かれ、従って、真空は乳房シールド212内で周囲圧力まで減じる。管218内の負圧が調整器260の設定最小に達するとき、調整器は閉じ、管290は管218から遮断される。これは、乳房シールド212内に最小の負圧(真空)レベルを維持する。次いで、ソレノイド弁は閉じられて新しいサイクルを開始する。
【0057】
電動搾乳器の使用中、搾乳器組立体210は最初、大気圧(又は約0mmHgの負圧)であり、ソレノイド弁280及びダックビル弁270は、真空の高まりの初期に閉じられる。調整器260は、所定値(例えば、50mmHgの負圧)に設定される。乳房シールド212内の真空が、例えば、乳絞り出しのために用いられる値として、最大値、通常はほぼ250mmHg真空まで増す。最大値に達すると、ポンプ216は、真空を引くのを停止し、ソレノイド弁280が開き、搾乳器組立体210は大気に向かって戻り、これにより、乳房シールド212内の真空を減少させる。しかしながら、所定の最小真空に達したとき、調整器260は管290を遮断して装置を最小真空に保持する。
【0058】
絞り出された乳は弁270の上の捕捉チャンバ221内に集められる。容器228内にも真空を発生させていることに気づくであろう。これは、ベント275が特異な仕方で遊びになる場合である。容器228内の真空は、空気が容器228からベント275を経て乳房シールド導管構造物の中へ流れるとき増す。びん228内の負圧のこの幾分増分的な増大は、ついには、弁270を開かせ且つ乳を容器228の中へ落とし込ませるのに使用される。しかる後、引き続くサイクルは弁270の前後のこの圧力差を経験し、容器228内の真空が乳房シールド212内の真空よりも大きいために、各サイクル中、乳は弁270を通して容器228の中へ落ちる。
【0059】
もっと具体的には、図11は、乳房シールド導管構造物内の圧力及び収集容器内の対応する圧力を調整し、且つ合わせることによって搾乳器を、異なる最大真空レベルと最小真空レベルとの間で操作するための方法を示す。図示した圧力の量を0mmHg負圧(即ち周囲圧力)で示し、サイクルは、約−50mmHgの最小圧力と約−240mmHgの最大圧力の間に維持される。カーブ700は、乳房シールド内の圧力を表し、カーブ600は、びん内の圧力を表す。図6の自動搾乳器のような自動搾乳器を参照すると、装置は、搾乳器が操作を開始するとき、大気にある。ソレノイド弁280及びダックビル弁270(真空の初期)は閉じられている。調整器260は、最小圧力、この例では、−50mmHgに設定される。乳房シールド212内の真空が、図11にセグメント702で表されているように、増すと、びん228内の真空は最小圧力(セグメント602)に向かって増す。図11には示されていないが、びんからの空気の初期除去のために、乳房シールド内の真空が最大レベルに達する前に、数回のサイクルを取る。最大の真空、例えば、−240mmHgに達すると、ソレノイド弁280が開き、乳房シールド(及び連通内部構造物)は最小圧力に戻る。装置が最小圧力(依然として大気圧よりも低い)乳房シールド212内の真空は減じ(グラフのセグメント704)、びん228内の真空は増大し続ける。搾乳サイクルの終わりに、乳房シールド212内は最小圧力に達し、調整器260は管290を閉じる。乳房シールド212内の真空は、ある時間の間最小圧力を維持し、びん228内の真空は、ベント275を通る流通によりゆっくりと増す(より負圧になる)。上記の搾乳サイクルは多数回繰り返し、ついには、追加の真空から、びん228内に負圧を生じさせ(グラフのセグメント608、もっと具体的には、610)、ダックビル弁270を開かせ、乳房シールド212から乳は容器228に流れ込む。したがって、これが可能にするものは、導管構造物と乳容器との間のはるかに丈夫な弁の使用である。びんと乳捕捉チャンバとの間に引き起こされる圧力差は、本質的に、乳を弁を通して推進させるのに利用される。
【0060】
具体的には、図19は、在来のシールド612及び乳首トンネル622を有する。捕捉チャンバ621は乳首トンネルから下流であり、そして米国特許第4,929,229号記載されたものに大変よく似た弁機構632(その詳細はその特許から集められる)を有する。しかしながら、弁機構について使用される膜は、(例えば図4に関して記載された)ベース172と関連して用いられるような上記の(図13に示す)膜274である。
【0061】
図19の実施形態は、手動搾乳器又は自動搾乳器の両方に使用することができる。ここでは、それは自動搾乳器について使用される。真空源216から空気ライン218と連結したニップル636を有するアダプター634が示されている。そのニップル636は内部管638まで延び、内部管は以下に記載されるように導管646内に嵌まる。
【0062】
アダプター634は、搾乳器のカラー部640と、カラー640の雌ねじ644と螺合されるアダプター634の雄ねじ642を介して合う。カラー640は、乳房シールド612と連通する、導管647の中へ延びる開口を有する。
【0063】
この実施形態並びに本発明の他の実施形態は、衛生上の理由で、並びに真空源を湿気から保護するために、真空源を乳房シールドから分離する種々の手段を採用してもよいことは気づくであろう。このような種々の分離技術は、例えば、本出願人の譲受人メデラによって開発され、また米国特許第6,676,631号(例えば、その図20を参照)、米国特許第5,941,847号及びUSSN11/591,276号(2006年11月1日)に見られる。
【0064】
今、図19に戻ると、この実施形態は周囲圧力に戻らないが、その代わり、真空を最大(例えば、約−250mmHg)から所望の最小(例えば、約−50mmHg)まで下げ、ついには、もう一度最大まで戻る。これは、本質的に「閉」システムである。絞り出された乳は、びん628内に保持された真空がシステムの残部内の最小真空を上回るまで、捕捉チャンバ621内に集まる。スリット(274、277)を有する膜を使用すると、サイクルの最大の終わりにびん内に発生した真空は、(適当なサイクル速度及びスリット277の大きさの選択により)最小にまで完全には戻らない。多数の初期サイクル後、びんの中に生じた真空により、膜274を座から離し、捕捉チャンバ内の乳を流通させる。
【0065】
手動調整器が図6に示され、自動圧力調整装置が図7に示されている。真空ポンプ機構416は真空ライン418及び周囲空気ライン490内のソレノイド弁480を含む。ポンプ416は、マイクロプロセッサー式制御器420によって制御され、制御器420は、さらにソレノイド弁480を制御し、且つ圧力トランスデューサ460と接続されている。
【0066】
圧力値の範囲(最大、最小、及びそれらの間のどこか)は使用者によって予めプログラムされても良いし、或いはプログラムされても良い。例えば、図8を参照すると、搾乳器は、複数の「チップ」カード301による使用者の入力がなされる、300で支持したマイクロプロセッサー式装置を利用する。各チップカードは、圧力レベルを変えるか、EEPROMに記録された、乳房シールド内に特定の圧力レベルを維持するかのいずれかである1つ又はそれ以上の所定プログラムを収容する。例えば、各チップカードは、乳房シールド内に実現されるべき、特定なタイプの真空カーブ又はカーブの組み合わせを収容しても良い。この種のプログラムシーケンス発生のより詳細は米国特許第6,547,756号で見られる。ここに記載のように、搾乳カーブを設定又は調節するために多くの他の入力機構を使用してもよい。「低下」シーケンスのためのボタン307のようなもっとデリケートな専用ボタン及び乳房シールド内の所定の基線真空のためのボタン310のような他の入力手段を使用しても良い。その各々は、与えられた圧力レベル又は範囲をマイクロプロセッサー300へ、そして乳房シールドに作動するように設定される。特別のプログラムサイクル並びに所望の圧力レベル設定点のためのコードを入力する置数パッドを設けても良い。
【0067】
次いで、選択された特定のプログラムはマイクロプロセッサー300に伝達される。マイクロプロセッサー300は、共通の電源(308又は305)にたよって、ポンプの操作を行わせ、且つ選択されたプログラムにしたがって圧力を制御する駆動ユニット303と統合される。
【0068】
かくして、種々の最大圧力点、最小圧力点及びそれらの間の圧力点を使用者によって設定することができ、或いは予めプログラムすることができる。図7に戻ると、圧力トランスデューサ460は、信号を制御器420に送り戻して操作を制御して、果たされる圧力を比較的正確に決定する。この実施形態では、ソレノイド弁480は、弁を制御シーケンスで可変的に開閉することによって、真空を圧力点間に調節するように操作される。乳房シールドを、サイクルの中に50mmHgのような所望の最小圧力を維持するように乳房シールドを操作するために、弁は、設定された最大負圧で開かれ、装置を周囲圧力に通じさせる(弁が開かれる割合は、発生されるカーブにわたってある制御を与える)。圧力トランスデューサ460が所望の最小圧力を検出する点で、弁は閉じられ、周囲の空気を遮断し、真空を乳房シールド内に保持する。かくして、マイクロプロセッサーに、乳房シールド内の圧力を最大圧力から最小圧力に、選択的にそれらの間の圧力に自動的に移行させる能力を与えるのがよい。
【0069】
例えば、弁270の代わりに、置き換えられ或いは使用される、当該技術で知られた電気機械的弁に置き換えてもよいし或いはそれを使用しても良い。
例えば、図11に戻ると、この上記システムを使用して、初期サイクルの最小圧力を、びんの中に生じた圧力の最小に実際に一致するように初期に調節し、乳を、数回のサイクル後ではなく最初から落とす。かくして、グラフ点706を、(初期には、−50mmHgより低い圧力(即ち真空)の使用により)グラフ点606まで下方に(図11に示すように)移動し、引き続く「最小」は同様に、所望の−50mmHgに達するまで増すように調節される。
【0070】
図18を見ると、さらに他の実施形態が見られる。この例では、真空源216から2つの別々の真空ラインVE、VM を操作するのに制御器220が使用される。VEは乳搾りサイクルのための真空源ラインであり、VM は乳房シールド内に最小基線真空を伝えて維持するためのラインである。真空源216は、互いに独立していて別々に制御することができる異なる真空源であっても良い。
【0071】
種々の異なる、しかも正確に決定された実際の圧力並びに変化速度を乳房シールド内に提供することができ、全ての圧力は、所望ならば、搾乳期中の大部分の間周囲圧力よりも低い。周囲圧力よりも低い異なる圧力を有するシーケンスにより乳房シールドを操作するための方法(カーブ)の種類の例を図9,10及び12に更に示す。
【0072】
図9、10及び12のグラフに指示されているように、負圧(水銀柱のミリメートルで)はY軸に沿っており、時間(秒で)はX軸に沿っている。圧力は、搾乳器組立体の乳房シールド内に実現されるよう期待される圧力に関して示される。図9の特定なサイクル又はシーケンスを参照すると、圧力の量は0mmHg負圧よりも低い、より具体的には、最小圧力値と最大握力値の間であり、例えば−50mmHgないし−150mmHgである。調整器は、比較的平滑に上昇及び下降するシーケンスに沿って最小値と最大値の間で真空を乳房シールド内に維持する。−50mmHgの「最小」圧力を一般的に述べたけれども、発明者の考えは約20mmHgの負圧と約60mmHgの負圧の間に所望な範囲を得る。例えば、本発明のある適用では、最小真空を、「手を使わない」使用モードで、吸引により乳房シールド(及びそれが担持している関連構造物)を適所に保持することができるレベルに維持することが望まれる。乳房シールドの完全に「手を使わない」吊り下げがなし遂げられようとなし遂げられまいと、最小真空の使用は、乳房シールドを乳首のまわりに位置させておくのに役立つ。乳首が乳房シールドの中心に位置しなくなることは望ましくなく、その点で本発明は大変有益である。
【0073】
例えば、図15は、「手を使わない」使用に資すると考えられる漏斗状表面の内部に構造を有する乳房シールドについての実施形態を示す。漏斗部350はシールド112、211に関して前に述べたタイプのものである。しかしながら、その内部表面には、複数の吸引チャンネル354が、漏斗部350/乳首トンネル352の軸線の周りに同心的に形成されている。吸引チャンネル354は周期的に(例えば領域356で)中断される。吸引チャンネル354は内方に解放している(即ち乳房に面している)。
【0074】
一連の真空チャンネル358は吸引チャンネル354と相互に連結している。これらの真空チャンネル358は、該チャンネルが、その下流端で乳房シールド内に発生される真空に通じるように、乳房及び乳首の組織を通り越して延びる箇所まで乳首トンネル352の中へ延びる。従って理解できるように、乳房シールド内に維持される最小真空のような真空は真空チャンネル358によって吸引チャンネル354に伝えられる。それによって、漏斗350とその中の乳房との間の吸引のための相当に広い領域が確立され、乳房シールドを位置決めし、且つ十分であれば、乳房シールドを実際に適所に支持するのに役立つ。勿論上記の「手を使わない」タイプの吸引を伝え、且つ提供する多くの他の設計が考えられる。
【0075】
他の操作方法では、図10に示すように、負圧の量は、時間にわたるカーブにもっと複雑さを与える。具体的には、調整器は、圧力を、最小真空と最大真空との間の、ある時間保持された中間真空、例えば、−1590mmHgと−250mmHgとの間の−175mmHg(点708)の中間真空に制御するように手で操作することができる。図12は、サイクルの最大真空と最小真空の連続の間に周囲圧力への戻りが散在するときの更に他のあり得る変形例を示す。明かに、本発明により、種々の正確に制御且つ調整された搾乳シーケンスを果たすことができる。
【0076】
図20を参照すると、最小真空を維持するのに用いられる圧力調整器の他の実施形態が示されている。この実施形態では、使用される弁は搾乳器組立体自体からは除去され、そして真空ポンプにより近く置かれる。使用されているポンプのタイプは、メデラ社によって販売されているSYMPHONYに使用されているもののようなダイヤフラムポンプである。この実施形態は、また、一部、2つの課題に取り組み、即ち、例えば、乳房シールドと乳房との間の隙間から乳房シールドの中への漏れからの空気を装置から追い出すひつようがあり、したがって、可撓性膜と、該膜が往復動するキャップとの間の領域に入る空気も追い出すことが必要である。
【0077】
再び図20を今参照すると、ダイヤフラムポンプは、全体的に、801で指示されている。ダイヤフラムポンプは、ポンプキャップ805に対して往復運動(周知の方法で、しかしその機構は図示せず)される膜又はバリヤー803の使用によって真空を生じさせる。膜803がキャップ805から引き離されると、キャップ内部と膜との間の拡張容積は負圧を発生し、この負圧は、キャップ805のポート804から導管811に最初伝達され、ここで、この導管構造物は、キャップ805と一体であるが、そうである必要はない。キャップ805はベース構造物に(これまた図示せず)にスナップ嵌めしまたは干渉嵌めし、膜803はベース構造物に取り付けられる。
【0078】
導管811から下流に、最小真空を確立し且つ維持するのに使用される弁構造物がある。導管又は通路811は弁ハウジング814によって形成されたチャンバ812に通じている。弁機構は、ダックビル弁813と組み合わされた傘弁817である。これらは、変形例として共通のチャンネルに沿って分離されても良い。弁機構813/817は隔壁((又は肩)821に密封当接し、隔壁は、傘弁817の上流側と下流側との間に延びる通路819を有する。傘弁817はその下側に沿って面815に密封当接する。ダックビル弁813はチャンバ812の中へ延びる。
【0079】
隔壁821はそれ自体取付組立体818の一部であり、取付組立体は、弁機構の挿入及び取り外しを容易にするため、ハウジング814内に滑り嵌めするように設計されている。この目的のために、パッキングシール823(又はリング)が隔壁の円周チャンネル820に嵌まって、互いに嵌まるとき2つの部品を密封する。
【0080】
上記のハウジング及び取付組立体は、ホース829によって(図示しないが、下流の)乳房シールド組立体に連結する。ホース829は、チューブ取付突出部に圧嵌めし、該ホース取付突出部は、シールリッジ825を備えたフランジを有するプラグの一部である。チャンネル830は突出部及びプラグを貫いて延びる。
【0081】
最終のこの弁構造は一方向(耐圧力)リード弁807であり、リード弁807は、キャップ805を貫いて、キャップの内部と膜との間の空間へ延びる穴809を開閉する(穴を密封する)仕方で付勢ヒンジ806を介してキャップに取り付けられる。
【0082】
操作中、真空がダイヤフラムポンプ801によって発生され(又は引かれる)とき、傘弁は閉じ、ダックビル弁813は開く。しかしながら、弁817は、真空ストロークの解放時最小真空で閉じる。ダイヤフラムの戻りストロークの際過剰な空気は穴809に作られた空気ベントから追い出される。
【0083】
図21は、図20に関して記載された弁構造と一緒に用いられる収集びん及び捕捉チャンバーを示す。乳房シールド組立体の捕捉チャンバ621は、びん628を乳房シールド組立体のカラー(ここでは螺子834を介して)に取り付けるように、通常の仕方で、乳房を搾乳器組立体に連結する。収集びん628も密封ガスケット833を使用して示されているが、これは、当然適当な干渉シールを不要にする。上記組立体のあるものの代表的な弁174は捕捉チャンバを開閉するために172の面に解放自在に密封接触する。収集びんの中の圧力又は真空を制御するために、オリフイス通路835は、収集びんから搾乳器導管系の中への僅かな空気流を可能にする。乳房シールドが通路835を通る空気流を増すより高い真空に回帰すると、これは、収集びんの中の真空を高める。収集チャンバ621の中の真空は傘弁817によって設定された最小制御真空よりも高くなる。一方向弁174は開いて乳房シールド内の真空が収集びんよりも小さくなるのを防止する。追い出された乳は弁174に押し通され、捕捉チャンバ621とびんとの間の真空レベルはサイクルを終えて均等化し、傘弁817によって設定された制御真空に達する。
【0084】
図22は、図21の部分を全て有するが、更に他の弁838を含む。これは、807の弁と同様の一方向リード弁838である。リード弁のフラップは穴又は通路840を覆う。制御真空が大気圧又はそれ以上に設定される時にのみ、一方向弁838は開いて空気を追い出す。
【0085】
かくして、本発明をある実施形態及び適用に関してここに記載したが、当業者は、発明の概念の精神に依然として入る変化、修正、変更等を認識するであろう。これらは請求の範囲に記載されるように、発明の範囲内に含まれるものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、母乳を吸い出すための搾乳器に関し、特に、手動で操作されるか、電動化されるかのいずれかの搾乳器に関する。搾乳サイクル中乳房シールドのチャンバ内で乳房に実際に加えられる如き圧力を調整し且つ又その圧力を、最小の真空を維持する圧力をサイクル内で変える圧力制御装置を有する搾乳器に関する。
【背景技術】
【0002】
養母用の搾乳器はよく知られている。搾乳器により、養母は、必要とするとき又は都合の良いときに、母乳を絞り出し、後の使用のために母乳の収集をさらに行う。子供が授乳問題を有している時のように、或いは、お母さんが、乳が出すぎたり、出なかったり、或いは乳頭の痛み、変形又は損傷、若しくは乳房での授乳に貢献しない同様な状態の問題を有するならば、搾乳器は、あるお母さんのために必要である。
【0003】
搾乳器の3つの一般的な大まかな分類、すなわち、手動で吸引を発生させる手動搾乳器、バッテリーによって供給される動力で吸引を発生させる小型モータ付の電動搾乳器、「家庭」の電流を使う種々のタイプの電動機によって吸引を生じさせる電動搾乳器がある。ある搾乳器は、これらの大まかな分類を越えることがある。
【0004】
種々のタイプの手動搾乳器が存在する。このような手動搾乳器の例は、米国特許第6,497,677号に記載されている。
【0005】
電動携帯搾乳器は、例えば、米国特許第4,964,851号に記載されている。この搾乳器は、小型で、軽量であり、良好な真空(即ち、負圧)の調整を好ましい限度で達成する。Medela社によって販売されているLACTINAの搾乳器も、バッテリーのみならず家庭の電流によって駆動されるもう一つのタイプの搾乳器である。それは、一般的には、米国特許第5,007,899号に記載されている。
【0006】
これらの搾乳器は、全て、乳房シールド内で乳房及び乳首に加えられる圧力、典型的には負圧又は真空を循環させるように設計される。在来の搾乳器は、一般的には、容積形ポンプタイプ又は蓄圧器形ポンプタイプのものである。容積形ポンプは、上記のピストンタイプポンプのような、真空を発生させるために容積を拡張させる機構を使用する。戻りストロークの終わりに、ポンプは大気に戻る。最大(又は他の)真空は、ストロークの長さによって達成される。乳房シールドを大気圧に戻すとき、一方向弁が開かれて開いて、乳房組織の復位で蓄圧漏れ空気、即ち過剰空気を、及び乳房シールド内の追い出された乳を排出する。排出は、大気に通じた乳収集びん又は可撓性バックの中へ起こる。変形例として、所望の真空レベルをおおよそ確立するために、空気を、一定長さのストローク中(例えば、大気への調節可能な戻りによって)調節可能に加えることができる。
【0007】
蓄圧器形ポンプは、装置内のガスの元の量の小部分を繰り返し排出することによって真空を高める。蓄圧器形ポンプは、ポンプに電力が供給され且つ作動している時間又は継続時間、例えば、所定サイクルのためのポンプの往復運動回数によって最大真空を制御する。真空はまた、例えば、米国特許第4,964,851号に記載された携帯電動搾乳器の調整器のような調整器によって調節することができる。
【0008】
在来の搾乳器の問題は、乳房シールド内の「システム」容積が、養母の乳房が乳房シールド内に占める容積の量並びに真空下での所定乳房の応答により変化することである。例えば、充血した乳房を有する養母は、高度に弾力性の乳房組織及び又は乳首を有する母親と違って乳房シールドを占める堅い乳房及び乳首組織を有する。その上、小さい乳房又は乳首は乳房シールドを満たし、大きな乳房又は乳首と違って反応する。かくして、システム容積は、乳房ごとに、また同じ乳房でも時間ごとに変化する。
【0009】
「デッド」容積と時々称せられる「可変システム容積」は、吸引サイクル内で問題を含む。高度に弾力性の乳房/乳首を想像すると、吸引サイクルのスタートで、乳房及び乳首は乳房シールドのシステム容積のある部分を占める。これは、システム内の空気の出発量を固定する。真空ができると、乳房/乳首組織は乳房シールド内へ引かれ、真空の増大を若干軽減する。かくして、サイクル内で生じた真空は、弾力性の小さい乳房/乳首で実現されるよりも小さい。
【0010】
容積タイプ又は蓄圧器タイプの在来の搾乳器が、所望の真空について実際の設定点を提供するようとした程度にまで、在来の搾乳器は近似によってのみそうする。このようなポンプについて「250mmHg」の真空設定は、例えば、標準サイズの乳房のためであるに過ぎない。何故ならば、それは、操作によって行われる、移動又は代替的に蓄圧に由来する期待のレベルに基づかれるからである。かくして、真空を調整する方法又は機構は,乳房で感知される実際の圧力によって制御されない。
【0011】
ある先行技術の特許は感知された圧力で圧力を調整することを開示する。メドーの米国特許第5,902,267号は、調整された出力を乳房のポンプ「フランジ」に適用し、次いで、一サイクルで周囲圧力に戻す集中真空装置内の調整器を開示する。
【0012】
ケリーの米国特許第6,383,163号は、乳房カップ内の吸引を感知し、且つ最大吸引が感知されて、圧力を解放し、乳房カップを周囲圧力に戻すとき弁を開くための真空センサーを開示する。乳房カップが周囲圧力を達成するとき、弁は、他のサイクルのために閉じる。
【0013】
本発明と違って、先行技術は、最大の負圧に、次いで、巧い乳絞りのために大気圧力に戻す必要なしに、周囲圧力よりも依然として小さい所望の最小負圧に達するために乳房シールド内の真空を調整しない。乳房シールドチャンバ内に周囲圧力への戻りは要求されず、搾乳期中の少なくとも一部分の間乳房に最小レベルの真空を維持することによって利益が達成される。このようなことは、例えば、最大真空に達するのに要求されるエネルギー量を減ずることを含む。真空の解放時に乳首の「弾性反発」も最小にされる。更なる利益は、実際に感知され、それによって実際に付与された圧力の所望設定点間で所定の真空サイクルを制御することができることから生じ、もっと複雑でしかも正確に制御されたカーブのために設定点を多くする。本発明はまた、乳房シールド内の乳房又は乳首の往復運動を最小にするといった心地よさを養母に提供する。
【0014】
「特に、乳房シールド圧力制御装置を有する搾乳器用の最小負圧制御方法及び装置」と題する特許出願番号11/486,364号は、最小真空を含む真空サイクルを正確に制御するセンサーを有する蓄圧器形搾乳器を使用する手段を開示する。その出願は、乳房と接触しているときに、制御装置によって制御される内部圧力を有する乳房シールドを開示し、乳房シールドの内部圧力が乳収集びんと連通してびんを最小真空に制御する。より大きな真空へのある僅かなサイクル変化がびんの収集内に搾乳サイクル毎に起こる。収集びんは大気圧から密封される。一方向弁の開きは、乳房シールドが最小真空制御、即ち低真空に近づくとき、びん内の高い真空によって助けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第6,497,677号明細書
【特許文献2】米国特許第4,964,851号明細書
【特許文献3】米国特許第5,007,899号明細書
【特許文献4】米国特許第6,383,163号明細書
【特許文献5】米国特許第5,902,267号明細書
【特許文献6】米国特許出願第11/486,364号明細書
【特許文献7】米国特許公開第2004/0039330号公報
【特許文献8】弁国特許公開第2005/0222536号公報
【特許文献9】米国特許第6,547,756号明細書
【特許文献10】米国特許第4,929,229号明細書
【特許文献11】米国特許第6,676,631号明細書
【特許文献12】米国特許第5,941,847号明細書
【特許文献13】USSN第11/591,276号明細書
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】最新外科34巻59−63頁(1989年6月)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の主な目的は、乳房シールドチャンバ内の圧力変化、例えば、真空を調整し、1つの好ましい形態ではその圧力を相当正確に調整するのに使用することができる機構を含む手動か自動のいずれかの搾乳器を提供するにある。
【0018】
本発明は他の顕著な側面では、搾乳期中の、全てではないが、少なくともある間乳房シールド内に真空の最小レベルを維持する搾乳サイクルを操作する。所望の最小レベルは、乳首が弛張状態を達成しないように達成することができる。
【0019】
約20mmHgないし約60mmHgの範囲の最小真空が最も望ましいと現在のところ考えられる。
【0020】
実施形態では、乳房シールドチャンバ内の真空を調整する、自動搾乳器と関連して用いられる調整器は、予め設定された指示又は使用者の入力パラメータで、制御器及び乳房に対して感知された実際の真空に従って操作し、且つ所定の指示に従う異なる操作条件(例えばゆるみシーケンスに続く絞り出しシーケンス)間を自動的に移行し、或いは、使用者の入力又は両方に従って操作する。
【0021】
本発明によって実現される他の顕著な利点は、搾乳中の圧力を、ある場合に含む複数の所望設定点を通して、サイクルの一部中周囲圧力(大気圧)よりも小さい圧力まで、次いで最大負圧まで制御するように、乳房シールドチャンバ内の圧力変化を正確に調整する能力である。
【0022】
本発明の目的は、システム容積、即ちシステム内の空気容積と関連した課題を解消するために乳房シールド内の最小真空レベル及び最大真空レベルを制御することにある。本発明の他の関連した目的は、吸引サイクル当たりの仕事量、従って消費エネルギーを減じることによって、進歩した装置の開発、搾乳装置の小型化、その物理的な大きさ、及び動力要求を高めることにある。仕事が少なくなればなるほど、電動搾乳器のバッテリー寿命は長くなる。また、潜在的により小型のモータを(騒音を少なくするために)モータの減速で使用することができる。
【0023】
最小真空を維持することは、在来の装置で見られる、大気圧に戻る乳首の弾性反発を最小にするのに役立つ。乳房又は乳首が乳房シールドに引き入れられ又は乳房シールド内に引き戻されると、システム容積は変化する。本発明は、搾乳器が作用しなければならないもっと安定な容積を見込む。もっと安定な容積は、また、乳房シールド内での乳房又は乳首の往復運動を最小にすることによって不快さ及びいらだちを解消する。乳は、また、基線真空中取り出され続ける。
【0024】
加えて、乳を活動的に取り出すために真空が乳房に加えられる継続時間を正確に制御することができる。「インテリジェントシステム、即ち「スマートポンプ」は、各サイクル中所望カーブ(吸引パターン又はシーケンス)を繰り返す。
【0025】
本発明の他の目的は、「手を使わない」使用のため、或いはある場合には若干手を使わないために吸引によって乳房シールドを乳房に保持し或いは乳房への乳房シールドの保持を助ける最小真空を維持することにある。
【0026】
本発明の他の目的は、弁を含み、該弁は、弁の前後の圧力差により乳捕捉チャンバ内で開き、圧力差は弁を開く際補助する。弁は、弁の上に溜まった乳を捕捉容器の中へ空にするために開く。本発明の1つの形態では、乳は、実際には、容器内に存在する真空によって、弁を通して容器の中に吸い込まれる。これにより、もっと丈夫な弁の使用は、捕捉容器内の真空を使用して乳を弁の中を流通させる。差圧は、高い開弁力並びに信頼できる操作及びより長い寿命を維持する広範囲の開弁力でチェック弁、例えば「ダックビル」弁の利用を見込む。
【0027】
本発明の更に他の側面では、乳房シールドの乳房シールドチャンバ内の調整圧力は、乳房シールド内の可変(乳房と乳房)又は変化する(乳首が搾乳中乳房シールドに入ったり出たりする)システム容積によるような、搾乳サイクルと搾乳サイクルの間、母と母の間、搾乳期中と搾乳期中の間の一貫性を見込む。
【0028】
圧力センサーで、大変正確な圧力カーブが達成されるばかりでなく、所望に応じて調整され、次いで、後の搾乳期中に再現される。
【0029】
更に他の実施形態では、搾乳器は、乳房シールド組立体にではなく、真空ポンプに設置された弁構造を有する圧力制御装置を含む。この実施形態の1つの形態では、3つの一方向弁が使用される。2つは傘とダックビルの組み合わせであり、3番目のものはシステムからの過剰な空気を除去するのに用いられるフラップ又はリード弁である。全ての弁は、弁の前後の圧力によって静的に開閉される。
【0030】
本発明の実施形態は、搾乳器環境の外側に、負圧傷治療と称されるものに潜在的な応用を有する。負圧傷治療は、ブルースカイ メディカル グループ社、チャリカー−ジェッター又はウッデイング−スコット排液キット、チャリカー,エム等の閉鎖吸引傷排液を有する切開及び皮膚フィステルの効果的管理、最新外科34巻59−63頁(1989年6月)に記載されている。間欠的に加えられる減圧は、傷治療及び治癒の際治療的利益を有することを示している。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のある側面による手動搾乳器の実施形態の斜視図である。
【図2】図1の搾乳器の側面図である。
【図3】図1の搾乳器組立体の主要部の分解断面図である。
【図4】図1の搾乳器の1つの弁機構の部分の拡大図である。
【図5】図3の弁機構及び調整器の分解側面断面図である。
【図6】本発明のある側面による電動搾乳器の他の実施形態の一部切除した概略側面図である。
【図7】図6のタイプの搾乳器内の圧力を制御するための他の構造の概略図である。
【図8】本発明の他の実施形態によるコンピュータ操作搾乳器の種々の構成部品の図式図である。
【図9】圧力を調整することによって異なる最大真空レベルと最小真空レベルの間で搾乳器を操作するための種々の表示方法(カーブ)である。
【図10】圧力を調整することによって異なる最大真空レベルと最小真空レベルの間で搾乳器を操作するための種々の表示方法(カーブ)である。
【図11】圧力を調整することによって異なる最大真空レベルと最小真空レベルの間で搾乳器を操作するための種々の表示方法(カーブ)である。
【図12】圧力を調整することによって異なる最大真空レベルと最小真空レベルの間で搾乳器を操作するための種々の表示方法(カーブ)である。
【図13】図1の搾乳器に適用し得るタイプの弁機構の変形態様の部分の拡大図である。
【図14】他の調整器の変形態様の側面図である。
【図15】本発明の側面による乳房シールドの「手を使わない」タイプの実施形態の斜視図である。
【図16】2つのダックビル弁を使用する本発明の他の実施形態の斜視図である。
【図17】図16の実施形態の下流端面図である。
【図18】図が図6の実施形態と似ている他の実施形態の図である。
【図19】発明の要旨の更に他の変形例の図である。この変形例は、(他の実施形態のあるものでなされるように、)装置の部分を周囲圧力に必ずしも通気することなく、真空を所望の最小にまで引く真空源216で機能するようになっている。
【図20】圧力調整器の他の実施形態を示す。
【図21】非バリヤーシステムのための乳房シールド及び収集びんの断面図である。
【図22】バリヤーシステムのための図21の変形例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明の一実施形態は、ここに援用する米国公開第2004/0039330号に詳細に記載されているタイプの、図1ないし3の手動搾乳器で示されている。このタイプの搾乳器は単なる例示であって、本発明を限定するものではない。
【0033】
搾乳器組立体110は乳房に接触するための乳房シールド112を含む。乳房シールド112は導管構造物114に取り付けられている。真空ポンプ機構116、この例では、手動のハンドル(レバー)117が導管構造物114に取り付けられている。導管構造物114は、真空ポンプ機構116によって発生させた真空をシールド112に伝達し、絞り出された母乳をシールド112からこれに取り付けられた容器118に伝える。
【0034】
シールド112は、乳房上に受けられるように形成され且つ寸法決めされた全体的に漏斗状部分120を有する。シールド120は、漏斗状部分120から下流にスリーブ122の中へ延びる。スリーブ、又は乳首トンネル122は、絞り出された乳を導管構造物114の中へ導く。本発明の目的のために、シールド112の形状及び導管構造物114とのその形成部は一般的には、本発明に付随し、再び、これらの要素の特定の構成及び詳細は限定するものではない。
【0035】
導管構造物114は、スリーブ122を受け入れるように寸法決めされ且つ形成されたシールドマウント124を介してシールド112に取り付けできる。導管構造物114は、一般的には、乳の流ればかりでなく圧力(例えば、真空)の伝達をも含む搾乳器組立体110の部品を相互に連結し且つかかる部品間の流体の伝達を可能にする。ここでは、導管構造体114は、上流端でシールドマウント124によってスリーブ122に連結し、かつ当該技術(上記の特許公開)で知られているように、容器の取付端126の弁機構(図3に図示せず)で終わっている。導管取付端126は、乳びん等の形態をした容器118との解放可能な取付けのためのネジ山(図3)又は他の適当な機構を含む。図3では、導管構造物114は、絞り出された母乳をシールドマウント124から容器118に導くためのチャンネル130を含む。導管構造物114はまた、ポンプ機構116を受け入れ且つポンプハンドル117とその関連した拡張可能なチャンバ装置の移動によって影響される空気圧力変化(ここでは、真空)を導くための受け部又はウエル134を含む(再び、上記の特許公開を参照)。
【0036】
(極めて概略的に示すが、当該技術で周知のタイプの)圧力調整器160は、搾乳サイクル中圧力を調整するように乳房シールド内の圧力を調整する能力を有する。母乳の絞り出し中乳房シールド内に最小レベルを維持するために特定の真空レベルを設定するように作動する大変容易な手動操作調整器160が設けられている。この例の調整器160は、手動で操作され、そして米国特許第4,964,851号に開示されたタイプのものである。手動で調節可能な調整の外に、変形態様に関して以下でもっと完全に論じるように調整を自動化してもよく、或いは調整器機構を、更に、これ又以下で論じるように、ある実施形態では調節不可能にしてもよい。
【0037】
図3に示すように、調整器160は、乳房シールド内に最小の真空を維持しながら、乳房から吸引された乳が収集容器118に流れるようにする弁機構と関連して働く。もっと具体的には、図4及び5を参照すると、弁機構は、一般的には、剛性壁又はベース172及び、ここに援用される米国特許第4,929,229号に詳細に記載されているような、ゴム又はシリコーンゴムで作られた薄い可撓性膜174(又はフラップ)からなる。壁172は形状が円形(円板状)であり、シールドマウント124と取り外し自在に係合されるか、それと一体にされるかのいずれかである。壁172は、4つの開口180,182,184,186を有する。開口184は、壁172のほぼ中心にある箇所に置かれる。開口180、182は、壁172の底にそって壁172を貫いて形成される。
【0038】
開口186は膜174との係合のためである。薄い可撓性膜174はほぼ円形(円板状)形状を有し、且つスナップ嵌めで開口186に係合されるノブ(こぶ)176によって壁172に取り付けられる。膜174の直径は、壁部172及び開口180、182、184を完全に覆うのに十分である。弁機構172及び174はチャンネル130の上流でシールドマウント124内に位置決めされる。
【0039】
図3及び5を参照すると、調整器160と圧力チャンネル構造物164内に配置された手動調節機構162を含む。調整器160は、調節機構162を搾乳器システムの外側から手動で調節するためにアクセスできる。圧力チャンネル構造物164は、シールドマウント124の外側に延びて第2の端でチャンネル130と連通する。即ち、圧力チャンネル164の第2の端は、チャンネル130に通じるギャップ132と連通する。勿論、チャンネル164をシールドマウントの側壁構造物で内部に作られても良く、さもなければ、弁172の上流側と下流側との間に空気チャンネルを確立しても良い。
【0040】
圧力調整器160は、負圧を達成してこれを変化させるための簡単な手動制御器を提供する。今や、養母は、以下のように、所望の最小負圧真空レベルを維持することができる。
【0041】
調整器160は所望レベルに調節される。サイクルが周囲圧力に行く(又はそれに少なくとも向かう)と、弁フラップ174は壁172に接触して、乳房シールドを搾乳器の残部から遮断する。しかしながら、乳房シールド112内の負圧は、システムが最大の負圧から周囲圧力に向かって戻り、より高い圧力空気が圧力チャンネル164の中を通るので降下し続ける。
【0042】
乳房シールド112内の真空は調節された最小に維持され、養母は、大気圧又は僅かな正圧がチャンネル130内に存在するまでポンプハンドル117をストローク移動させる。びん118と、チャンネル130と連通する乳保持チャンバ168との間の弁(図示しないが、標準)が開いて乳をびんの中へ送る。
【0043】
図5を参照すると、負圧が設定した最小に達するとき、調整器160は閉じ、即ち空気流を遮断し、シールド112内に所望の負圧を維持する。しかる後、下流の真空レベルが次のサイクルで(例えば、所望の、選択された又は定義の)所定の最小レベルを越えるとき、弁172、174が開く。
【0044】
乳房シールド内に維持された最小真空を、乳房シールドそれ自体に位置した逃がし要素、例えば逃がし弁によって解放してもよいことに気づく。養母はまた、真空を破るように乳房シールドの一部分を簡単に手で操作してもよいし、或いは乳房シールドを乳房からちょっと引き離してもよい。
【0045】
薄い可撓性膜274の変形態様を図13に示す。この実施形態はスナップ嵌め係合のためのこぶ276と共にスリット277を含む。スリット277は膜274の実質的に中心に配置されるが、膜が所望の圧力で開閉するようにスリットのどんな位置をも考えられる。この図13の実施形態では、スリットは、膜の自然の弾性と関連して寸法決めされ、膜は所望の最小真空(即ち50mmHgの負圧)で閉じる。使用者が最小の真空を調節する能力はない(何故ならばこの例では調節可能な調整器が使用されていないからである)が、所望の圧力を維持するための大変簡単な機構が設けられる。その機構は、例えば工場でおおよそ所望な最小真空に調節でき、そして、適度に丈夫である。例えば、1つ又はそれ以上のピンホールのようなこのスリット状の概念を実行するための方法があり、ピンホールは、ホールを画成する材料の自然の弾性が閉鎖を引き起こす点に達するまで開きぱなしである。
【0046】
簡単だけど、丈夫な圧力調整器の他の実施形態を図14に示す。図14に示すように、調整器500は、各端にディスク503及び504を有する剛性ピン502を含む。調整器500は、ドーム506内でピン502の長手方向軸線に沿って移動することができる。ドーム506は、可撓性膜508に固定され、或いは図示のように可撓性膜と一体にされる。かくして、ドーム506は可撓性であり、本質的にばね状要素を形成する。即ち、ドーム506は、ドーム506がディスク504を膜508から押し離し、同時に、ディスク504を引っ張ってシールリング505と密封係合状態にするように、ピン502とともに寸法決めされる。ドーム506によってピン502に及ぼされる力の量は、所望の最小真空に調節される。ドームには、空気を膜の一方の側から他方の側に流通させる開口507が形成されている。変形として、ピンが通る穴509は、操作中この空気を流通させるようにしてもよい。気づくように、調整器500は、最小真空で閉じるように調節され、搾乳器の残部内の負圧が周囲圧力に向かって降下するとき、フラップ508は上記のようにベースに向かって閉じる。ついで、乳房シールド内の真空により、ディスク504を座から離し、より高い圧力空気を穴507を通して乳房シールドに引き入れる。圧力差が弾性ドーム506によってディスク503に及ぼされたばね力に打ち勝つのに最早十分ではなく、そしてディスク504が着座するとき、乳房シールド内は最小圧力に達する。本発明について使用されるようになった簡単なしかも丈夫な調整器のさらに他の形態は、米国特許第3,159,176号に記載されているもののような、傘弁、ダックビル弁、又は傘とダックビルの組み合わせ逆止め−逃がし弁である。
【0047】
図16及び17は、所望の最小真空を確立し且つ維持する2つのダックビル弁を使用するさらに他の変形例を示す。このタイプの乳房シールドは、2005年3月31日に出願された米国特許公開2005/0222536号に開示されているような、可撓性シリコーンで作られた例である。乳房シールドの性質は、上述したように、勿論本発明に単に付随するに過ぎない。乳房シールド360は、乳首及びそれを取り囲む乳房を受け入れる開口362を有する。乳房シールドの下流端366を密封する第1のダックビル弁364が開口362から下流にある。第1のダックビル弁364は在来の構造のものであって、可撓性材料で作られ、この弁のための下流開口を有する。
【0048】
第2のダックビル弁370が第1ダックビル弁364の上流フランジ374に形成された導管又は貫通穴372内に配置される。第2ダックビル弁は、一般的には、第1ダックビル弁364と同じタイプであるが、それより大変小さい。貫通穴372の下流端は、一般的に乳房シールドのために発生される真空と連通する開口378で終わっている。貫通穴372の上流端は、小さい方のダックビル弁370の内部と連通する。小さい方のダックビル弁370は、搾乳サイクル全体にわたって乳房シールド内に維持されるべく所望の最小圧力(真空)で閉じるように設計されている。
【0049】
これは、上記の二重ダックビルの実施形態がどのように働くかである。搾乳シーケンスがシステム内で周囲圧力に向かって行くとき、第1のダックビル弁364は閉じる(今、乳房シールド内よりも高い圧力が下流に在る)。それにもかかわらず、圧力差により、空気を小さい方のダックビル弁370を通って乳房シールドの内部に流通させ、ついには、小さい方のダックビル弁370の自然の(所定の)弾性により、ダックビル弁370は、維持されるべき所望の最小真空で閉じる。
【0050】
勿論、本発明は、電動搾乳器にも容易に適用できる。搾乳器は、乳房シールド内に簡単な真空及びサイクル頻度条件を生じさせるように手動で調節できてもよいし、或いは、もっと複雑な搾乳サイクル又はカーブのために米国特許第6,547,756号に詳細に記載されているように、使用者がブログラムできてもよいし、或いは、両能力を有してもよい。
【0051】
上記のように、本発明は、搾乳器の環境を越える適用を有する。例えば、図16及び17の実施形態は陰性の傷治療に適用される。開口362を、例えば、広げて軸線方向に延びる部分380を大変短くする。装置の残部は、この他の治療適用に採用するには殆ど又は全く修正を必要としない。
【0052】
図6に示すように、この搾乳器組立体210は、乳房シールドに受けられるように形成且つ寸法決めされた乳房シールド212を含む。乳房シールド212は導管構造物214に取り付けられる。真空ポンプ機構216が空気ライン218を介して組立体に取り付けられる。ポンプ216は制御器220によって制御される。空気ライン218は、弁280が開いているとき乳房シールド212内の真空レベルを調整する調節可能な圧力調整器260を含む。
【0053】
導管構造物214は、絞り出された母乳を乳房シールド212からダックビル弁機構270を通して乳容器228へ導く。以下に更に記載されるように、ベント275が弁270と関連して用いられる。
【0054】
制御器220によって操作されるソレノイド弁280が周囲圧力空気ライン290内の調整器260と直列をなしている。
【0055】
手動調節可能な調整器260は、乳房シールド212内の最小負圧を(調整器160を参照して前に記載した方法で)調整する能力を有する。この例では、調整器260は真空ライン218周囲圧力の管290内に配置される。
【0056】
上記のように、ソレノイド弁280は、搾乳サイクルを制御する制御器220によって操作される。制御器220は、ソレノイド弁をサイクル中の設定時間又は圧力で作動する用に機能する機械的装置から、同じことをするようにプログラムされたマイクロプロセッサーまで、多くのタイプのものでよい。ソレノイド弁280が閉じていると(そして搾乳器が働いているとき)、真空が乳房シールド212内で所望最大まで増し、そのとき、ソレノイド弁280は開かれ、従って、真空は乳房シールド212内で周囲圧力まで減じる。管218内の負圧が調整器260の設定最小に達するとき、調整器は閉じ、管290は管218から遮断される。これは、乳房シールド212内に最小の負圧(真空)レベルを維持する。次いで、ソレノイド弁は閉じられて新しいサイクルを開始する。
【0057】
電動搾乳器の使用中、搾乳器組立体210は最初、大気圧(又は約0mmHgの負圧)であり、ソレノイド弁280及びダックビル弁270は、真空の高まりの初期に閉じられる。調整器260は、所定値(例えば、50mmHgの負圧)に設定される。乳房シールド212内の真空が、例えば、乳絞り出しのために用いられる値として、最大値、通常はほぼ250mmHg真空まで増す。最大値に達すると、ポンプ216は、真空を引くのを停止し、ソレノイド弁280が開き、搾乳器組立体210は大気に向かって戻り、これにより、乳房シールド212内の真空を減少させる。しかしながら、所定の最小真空に達したとき、調整器260は管290を遮断して装置を最小真空に保持する。
【0058】
絞り出された乳は弁270の上の捕捉チャンバ221内に集められる。容器228内にも真空を発生させていることに気づくであろう。これは、ベント275が特異な仕方で遊びになる場合である。容器228内の真空は、空気が容器228からベント275を経て乳房シールド導管構造物の中へ流れるとき増す。びん228内の負圧のこの幾分増分的な増大は、ついには、弁270を開かせ且つ乳を容器228の中へ落とし込ませるのに使用される。しかる後、引き続くサイクルは弁270の前後のこの圧力差を経験し、容器228内の真空が乳房シールド212内の真空よりも大きいために、各サイクル中、乳は弁270を通して容器228の中へ落ちる。
【0059】
もっと具体的には、図11は、乳房シールド導管構造物内の圧力及び収集容器内の対応する圧力を調整し、且つ合わせることによって搾乳器を、異なる最大真空レベルと最小真空レベルとの間で操作するための方法を示す。図示した圧力の量を0mmHg負圧(即ち周囲圧力)で示し、サイクルは、約−50mmHgの最小圧力と約−240mmHgの最大圧力の間に維持される。カーブ700は、乳房シールド内の圧力を表し、カーブ600は、びん内の圧力を表す。図6の自動搾乳器のような自動搾乳器を参照すると、装置は、搾乳器が操作を開始するとき、大気にある。ソレノイド弁280及びダックビル弁270(真空の初期)は閉じられている。調整器260は、最小圧力、この例では、−50mmHgに設定される。乳房シールド212内の真空が、図11にセグメント702で表されているように、増すと、びん228内の真空は最小圧力(セグメント602)に向かって増す。図11には示されていないが、びんからの空気の初期除去のために、乳房シールド内の真空が最大レベルに達する前に、数回のサイクルを取る。最大の真空、例えば、−240mmHgに達すると、ソレノイド弁280が開き、乳房シールド(及び連通内部構造物)は最小圧力に戻る。装置が最小圧力(依然として大気圧よりも低い)乳房シールド212内の真空は減じ(グラフのセグメント704)、びん228内の真空は増大し続ける。搾乳サイクルの終わりに、乳房シールド212内は最小圧力に達し、調整器260は管290を閉じる。乳房シールド212内の真空は、ある時間の間最小圧力を維持し、びん228内の真空は、ベント275を通る流通によりゆっくりと増す(より負圧になる)。上記の搾乳サイクルは多数回繰り返し、ついには、追加の真空から、びん228内に負圧を生じさせ(グラフのセグメント608、もっと具体的には、610)、ダックビル弁270を開かせ、乳房シールド212から乳は容器228に流れ込む。したがって、これが可能にするものは、導管構造物と乳容器との間のはるかに丈夫な弁の使用である。びんと乳捕捉チャンバとの間に引き起こされる圧力差は、本質的に、乳を弁を通して推進させるのに利用される。
【0060】
具体的には、図19は、在来のシールド612及び乳首トンネル622を有する。捕捉チャンバ621は乳首トンネルから下流であり、そして米国特許第4,929,229号記載されたものに大変よく似た弁機構632(その詳細はその特許から集められる)を有する。しかしながら、弁機構について使用される膜は、(例えば図4に関して記載された)ベース172と関連して用いられるような上記の(図13に示す)膜274である。
【0061】
図19の実施形態は、手動搾乳器又は自動搾乳器の両方に使用することができる。ここでは、それは自動搾乳器について使用される。真空源216から空気ライン218と連結したニップル636を有するアダプター634が示されている。そのニップル636は内部管638まで延び、内部管は以下に記載されるように導管646内に嵌まる。
【0062】
アダプター634は、搾乳器のカラー部640と、カラー640の雌ねじ644と螺合されるアダプター634の雄ねじ642を介して合う。カラー640は、乳房シールド612と連通する、導管647の中へ延びる開口を有する。
【0063】
この実施形態並びに本発明の他の実施形態は、衛生上の理由で、並びに真空源を湿気から保護するために、真空源を乳房シールドから分離する種々の手段を採用してもよいことは気づくであろう。このような種々の分離技術は、例えば、本出願人の譲受人メデラによって開発され、また米国特許第6,676,631号(例えば、その図20を参照)、米国特許第5,941,847号及びUSSN11/591,276号(2006年11月1日)に見られる。
【0064】
今、図19に戻ると、この実施形態は周囲圧力に戻らないが、その代わり、真空を最大(例えば、約−250mmHg)から所望の最小(例えば、約−50mmHg)まで下げ、ついには、もう一度最大まで戻る。これは、本質的に「閉」システムである。絞り出された乳は、びん628内に保持された真空がシステムの残部内の最小真空を上回るまで、捕捉チャンバ621内に集まる。スリット(274、277)を有する膜を使用すると、サイクルの最大の終わりにびん内に発生した真空は、(適当なサイクル速度及びスリット277の大きさの選択により)最小にまで完全には戻らない。多数の初期サイクル後、びんの中に生じた真空により、膜274を座から離し、捕捉チャンバ内の乳を流通させる。
【0065】
手動調整器が図6に示され、自動圧力調整装置が図7に示されている。真空ポンプ機構416は真空ライン418及び周囲空気ライン490内のソレノイド弁480を含む。ポンプ416は、マイクロプロセッサー式制御器420によって制御され、制御器420は、さらにソレノイド弁480を制御し、且つ圧力トランスデューサ460と接続されている。
【0066】
圧力値の範囲(最大、最小、及びそれらの間のどこか)は使用者によって予めプログラムされても良いし、或いはプログラムされても良い。例えば、図8を参照すると、搾乳器は、複数の「チップ」カード301による使用者の入力がなされる、300で支持したマイクロプロセッサー式装置を利用する。各チップカードは、圧力レベルを変えるか、EEPROMに記録された、乳房シールド内に特定の圧力レベルを維持するかのいずれかである1つ又はそれ以上の所定プログラムを収容する。例えば、各チップカードは、乳房シールド内に実現されるべき、特定なタイプの真空カーブ又はカーブの組み合わせを収容しても良い。この種のプログラムシーケンス発生のより詳細は米国特許第6,547,756号で見られる。ここに記載のように、搾乳カーブを設定又は調節するために多くの他の入力機構を使用してもよい。「低下」シーケンスのためのボタン307のようなもっとデリケートな専用ボタン及び乳房シールド内の所定の基線真空のためのボタン310のような他の入力手段を使用しても良い。その各々は、与えられた圧力レベル又は範囲をマイクロプロセッサー300へ、そして乳房シールドに作動するように設定される。特別のプログラムサイクル並びに所望の圧力レベル設定点のためのコードを入力する置数パッドを設けても良い。
【0067】
次いで、選択された特定のプログラムはマイクロプロセッサー300に伝達される。マイクロプロセッサー300は、共通の電源(308又は305)にたよって、ポンプの操作を行わせ、且つ選択されたプログラムにしたがって圧力を制御する駆動ユニット303と統合される。
【0068】
かくして、種々の最大圧力点、最小圧力点及びそれらの間の圧力点を使用者によって設定することができ、或いは予めプログラムすることができる。図7に戻ると、圧力トランスデューサ460は、信号を制御器420に送り戻して操作を制御して、果たされる圧力を比較的正確に決定する。この実施形態では、ソレノイド弁480は、弁を制御シーケンスで可変的に開閉することによって、真空を圧力点間に調節するように操作される。乳房シールドを、サイクルの中に50mmHgのような所望の最小圧力を維持するように乳房シールドを操作するために、弁は、設定された最大負圧で開かれ、装置を周囲圧力に通じさせる(弁が開かれる割合は、発生されるカーブにわたってある制御を与える)。圧力トランスデューサ460が所望の最小圧力を検出する点で、弁は閉じられ、周囲の空気を遮断し、真空を乳房シールド内に保持する。かくして、マイクロプロセッサーに、乳房シールド内の圧力を最大圧力から最小圧力に、選択的にそれらの間の圧力に自動的に移行させる能力を与えるのがよい。
【0069】
例えば、弁270の代わりに、置き換えられ或いは使用される、当該技術で知られた電気機械的弁に置き換えてもよいし或いはそれを使用しても良い。
例えば、図11に戻ると、この上記システムを使用して、初期サイクルの最小圧力を、びんの中に生じた圧力の最小に実際に一致するように初期に調節し、乳を、数回のサイクル後ではなく最初から落とす。かくして、グラフ点706を、(初期には、−50mmHgより低い圧力(即ち真空)の使用により)グラフ点606まで下方に(図11に示すように)移動し、引き続く「最小」は同様に、所望の−50mmHgに達するまで増すように調節される。
【0070】
図18を見ると、さらに他の実施形態が見られる。この例では、真空源216から2つの別々の真空ラインVE、VM を操作するのに制御器220が使用される。VEは乳搾りサイクルのための真空源ラインであり、VM は乳房シールド内に最小基線真空を伝えて維持するためのラインである。真空源216は、互いに独立していて別々に制御することができる異なる真空源であっても良い。
【0071】
種々の異なる、しかも正確に決定された実際の圧力並びに変化速度を乳房シールド内に提供することができ、全ての圧力は、所望ならば、搾乳期中の大部分の間周囲圧力よりも低い。周囲圧力よりも低い異なる圧力を有するシーケンスにより乳房シールドを操作するための方法(カーブ)の種類の例を図9,10及び12に更に示す。
【0072】
図9、10及び12のグラフに指示されているように、負圧(水銀柱のミリメートルで)はY軸に沿っており、時間(秒で)はX軸に沿っている。圧力は、搾乳器組立体の乳房シールド内に実現されるよう期待される圧力に関して示される。図9の特定なサイクル又はシーケンスを参照すると、圧力の量は0mmHg負圧よりも低い、より具体的には、最小圧力値と最大握力値の間であり、例えば−50mmHgないし−150mmHgである。調整器は、比較的平滑に上昇及び下降するシーケンスに沿って最小値と最大値の間で真空を乳房シールド内に維持する。−50mmHgの「最小」圧力を一般的に述べたけれども、発明者の考えは約20mmHgの負圧と約60mmHgの負圧の間に所望な範囲を得る。例えば、本発明のある適用では、最小真空を、「手を使わない」使用モードで、吸引により乳房シールド(及びそれが担持している関連構造物)を適所に保持することができるレベルに維持することが望まれる。乳房シールドの完全に「手を使わない」吊り下げがなし遂げられようとなし遂げられまいと、最小真空の使用は、乳房シールドを乳首のまわりに位置させておくのに役立つ。乳首が乳房シールドの中心に位置しなくなることは望ましくなく、その点で本発明は大変有益である。
【0073】
例えば、図15は、「手を使わない」使用に資すると考えられる漏斗状表面の内部に構造を有する乳房シールドについての実施形態を示す。漏斗部350はシールド112、211に関して前に述べたタイプのものである。しかしながら、その内部表面には、複数の吸引チャンネル354が、漏斗部350/乳首トンネル352の軸線の周りに同心的に形成されている。吸引チャンネル354は周期的に(例えば領域356で)中断される。吸引チャンネル354は内方に解放している(即ち乳房に面している)。
【0074】
一連の真空チャンネル358は吸引チャンネル354と相互に連結している。これらの真空チャンネル358は、該チャンネルが、その下流端で乳房シールド内に発生される真空に通じるように、乳房及び乳首の組織を通り越して延びる箇所まで乳首トンネル352の中へ延びる。従って理解できるように、乳房シールド内に維持される最小真空のような真空は真空チャンネル358によって吸引チャンネル354に伝えられる。それによって、漏斗350とその中の乳房との間の吸引のための相当に広い領域が確立され、乳房シールドを位置決めし、且つ十分であれば、乳房シールドを実際に適所に支持するのに役立つ。勿論上記の「手を使わない」タイプの吸引を伝え、且つ提供する多くの他の設計が考えられる。
【0075】
他の操作方法では、図10に示すように、負圧の量は、時間にわたるカーブにもっと複雑さを与える。具体的には、調整器は、圧力を、最小真空と最大真空との間の、ある時間保持された中間真空、例えば、−1590mmHgと−250mmHgとの間の−175mmHg(点708)の中間真空に制御するように手で操作することができる。図12は、サイクルの最大真空と最小真空の連続の間に周囲圧力への戻りが散在するときの更に他のあり得る変形例を示す。明かに、本発明により、種々の正確に制御且つ調整された搾乳シーケンスを果たすことができる。
【0076】
図20を参照すると、最小真空を維持するのに用いられる圧力調整器の他の実施形態が示されている。この実施形態では、使用される弁は搾乳器組立体自体からは除去され、そして真空ポンプにより近く置かれる。使用されているポンプのタイプは、メデラ社によって販売されているSYMPHONYに使用されているもののようなダイヤフラムポンプである。この実施形態は、また、一部、2つの課題に取り組み、即ち、例えば、乳房シールドと乳房との間の隙間から乳房シールドの中への漏れからの空気を装置から追い出すひつようがあり、したがって、可撓性膜と、該膜が往復動するキャップとの間の領域に入る空気も追い出すことが必要である。
【0077】
再び図20を今参照すると、ダイヤフラムポンプは、全体的に、801で指示されている。ダイヤフラムポンプは、ポンプキャップ805に対して往復運動(周知の方法で、しかしその機構は図示せず)される膜又はバリヤー803の使用によって真空を生じさせる。膜803がキャップ805から引き離されると、キャップ内部と膜との間の拡張容積は負圧を発生し、この負圧は、キャップ805のポート804から導管811に最初伝達され、ここで、この導管構造物は、キャップ805と一体であるが、そうである必要はない。キャップ805はベース構造物に(これまた図示せず)にスナップ嵌めしまたは干渉嵌めし、膜803はベース構造物に取り付けられる。
【0078】
導管811から下流に、最小真空を確立し且つ維持するのに使用される弁構造物がある。導管又は通路811は弁ハウジング814によって形成されたチャンバ812に通じている。弁機構は、ダックビル弁813と組み合わされた傘弁817である。これらは、変形例として共通のチャンネルに沿って分離されても良い。弁機構813/817は隔壁((又は肩)821に密封当接し、隔壁は、傘弁817の上流側と下流側との間に延びる通路819を有する。傘弁817はその下側に沿って面815に密封当接する。ダックビル弁813はチャンバ812の中へ延びる。
【0079】
隔壁821はそれ自体取付組立体818の一部であり、取付組立体は、弁機構の挿入及び取り外しを容易にするため、ハウジング814内に滑り嵌めするように設計されている。この目的のために、パッキングシール823(又はリング)が隔壁の円周チャンネル820に嵌まって、互いに嵌まるとき2つの部品を密封する。
【0080】
上記のハウジング及び取付組立体は、ホース829によって(図示しないが、下流の)乳房シールド組立体に連結する。ホース829は、チューブ取付突出部に圧嵌めし、該ホース取付突出部は、シールリッジ825を備えたフランジを有するプラグの一部である。チャンネル830は突出部及びプラグを貫いて延びる。
【0081】
最終のこの弁構造は一方向(耐圧力)リード弁807であり、リード弁807は、キャップ805を貫いて、キャップの内部と膜との間の空間へ延びる穴809を開閉する(穴を密封する)仕方で付勢ヒンジ806を介してキャップに取り付けられる。
【0082】
操作中、真空がダイヤフラムポンプ801によって発生され(又は引かれる)とき、傘弁は閉じ、ダックビル弁813は開く。しかしながら、弁817は、真空ストロークの解放時最小真空で閉じる。ダイヤフラムの戻りストロークの際過剰な空気は穴809に作られた空気ベントから追い出される。
【0083】
図21は、図20に関して記載された弁構造と一緒に用いられる収集びん及び捕捉チャンバーを示す。乳房シールド組立体の捕捉チャンバ621は、びん628を乳房シールド組立体のカラー(ここでは螺子834を介して)に取り付けるように、通常の仕方で、乳房を搾乳器組立体に連結する。収集びん628も密封ガスケット833を使用して示されているが、これは、当然適当な干渉シールを不要にする。上記組立体のあるものの代表的な弁174は捕捉チャンバを開閉するために172の面に解放自在に密封接触する。収集びんの中の圧力又は真空を制御するために、オリフイス通路835は、収集びんから搾乳器導管系の中への僅かな空気流を可能にする。乳房シールドが通路835を通る空気流を増すより高い真空に回帰すると、これは、収集びんの中の真空を高める。収集チャンバ621の中の真空は傘弁817によって設定された最小制御真空よりも高くなる。一方向弁174は開いて乳房シールド内の真空が収集びんよりも小さくなるのを防止する。追い出された乳は弁174に押し通され、捕捉チャンバ621とびんとの間の真空レベルはサイクルを終えて均等化し、傘弁817によって設定された制御真空に達する。
【0084】
図22は、図21の部分を全て有するが、更に他の弁838を含む。これは、807の弁と同様の一方向リード弁838である。リード弁のフラップは穴又は通路840を覆う。制御真空が大気圧又はそれ以上に設定される時にのみ、一方向弁838は開いて空気を追い出す。
【0085】
かくして、本発明をある実施形態及び適用に関してここに記載したが、当業者は、発明の概念の精神に依然として入る変化、修正、変更等を認識するであろう。これらは請求の範囲に記載されるように、発明の範囲内に含まれるものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
母乳の絞り出しのための改良搾乳器であって、乳房シールド及び該乳房シールドと連通する真空ポンプを含み、更に、搾乳期中の少なくともいくらかの反復サイクルの過程の間乳房シールド内に少なくとも最小負圧を維持する、乳房シールドチャンバと関連し、且つ前記真空ポンプと別の機構を含む、上記改良搾乳器。
【請求項2】
前記機構は、更に電動ポンプと関連して操作されるようになっている、請求項1の改良搾乳器。
【請求項3】
前記機構は、圧力調整器を更に含む、請求項1の改良搾乳器。
【請求項4】
前記機構は、前記乳房シールドチャンバと連通した空気ライン内に設置された弁であり、前記弁は、前記乳房シールド内に前記最小負圧を維持するために、所望の最小負圧で前記空気ラインを閉じるように操作する、請求項1の改良搾乳器。
【請求項5】
前記搾乳器は、制御器によって操作される真空源を含む組立体の一部であり、前記弁は、前記乳房シールドチャンバと連通した圧力トランスデューサからなり、前記圧力トランスデューサは、前記乳房シールド内の実際の圧力を検出して、前記乳房シールドチャンバ内に所望の最小負圧を維持するために、前記真空源を操作する信号を前記制御器に出す、請求項1の改良搾乳器。
【請求項6】
母乳の絞り出しのための改良搾乳器であって、乳房シールドと、真空ポンプと、乳房シールドへの管に、または真空ポンプから下流で乳房シールドに設置され、搾乳期中の少なくともいくらかの反復サイクルの過程の間乳房シールド内に少なくとも最小負圧を維持する、乳房シールドチャンバと連通する一方向弁と、を含む、上記改良搾乳器。
【請求項7】
母乳の絞り出しのための改良搾乳器であって、乳房シールドを含み、該乳房シールドは、乳房シールドと関連し、前記乳房シールドから遠くにあって、真空ラインで乳房シールドと連結された負圧源に対して下流の感圧弁装置を含み、該弁は、搾乳期中の反復サイクル中維持される最小負圧で閉じる協同要素を有する、改良搾乳器。
【請求項8】
母乳の絞り出しのための改良搾乳器であって、
乳首を含む母の乳房を受け入れる内部を有する乳房シールドと、
前記乳房シールド内部と連通し、乳房シールド内部から乳を受ける乳容器と、
前記乳房シールドの内部と関連し、搾乳期中の少なくともいくらかの連続サイクルの過程の間乳房シールド内に少なくとも最小負圧を維持し、乳を乳容器の中へ注ぐのに使用される捕捉チャンバの上流に設置された機構と、
前記機構を含み、且つ前記乳房シールドの内部及び乳容器と連通し、搾乳期中の少なくとも一部中周囲圧力に戻らない圧力サイクルを使用して前記乳房シールド内に前記最小負圧を発生させるように操作される真空源と、
前記乳房シールドの内部と前記容器を分離する弁構造物を含む機構と、を含み、弁構造物は、乳の流通のために、且つまた前記容器への空気流通のために開閉することができ、さもなければ使用中空気流に対し閉じられる、前記改良搾乳器。
【請求項9】
母乳の絞り出しのための搾乳器であって、乳房を受け入れる乳房シールドであって、乳房の少なくとも乳首の周りにほぼ気密空間を形成することのできる内部を有する乳房シールドと、
前記乳房シールド空間と連通し、負圧源から周期的な負圧を伝える導管構造物と、
前記乳房シールド空間と近接して前記導管構造物に設けられた弁と、を含み、該弁は、前記乳房シールド空間内の負圧の所望レベルで閉じるように設計され、それによって、搾乳期中の少なくともいくらかの反復サイクルの過程の間乳房シールド内に少なくとも最小負圧を維持するように設計されている、搾乳器。
【請求項1】
母乳の絞り出しのための改良搾乳器であって、乳房シールド及び該乳房シールドと連通する真空ポンプを含み、更に、搾乳期中の少なくともいくらかの反復サイクルの過程の間乳房シールド内に少なくとも最小負圧を維持する、乳房シールドチャンバと関連し、且つ前記真空ポンプと別の機構を含む、上記改良搾乳器。
【請求項2】
前記機構は、更に電動ポンプと関連して操作されるようになっている、請求項1の改良搾乳器。
【請求項3】
前記機構は、圧力調整器を更に含む、請求項1の改良搾乳器。
【請求項4】
前記機構は、前記乳房シールドチャンバと連通した空気ライン内に設置された弁であり、前記弁は、前記乳房シールド内に前記最小負圧を維持するために、所望の最小負圧で前記空気ラインを閉じるように操作する、請求項1の改良搾乳器。
【請求項5】
前記搾乳器は、制御器によって操作される真空源を含む組立体の一部であり、前記弁は、前記乳房シールドチャンバと連通した圧力トランスデューサからなり、前記圧力トランスデューサは、前記乳房シールド内の実際の圧力を検出して、前記乳房シールドチャンバ内に所望の最小負圧を維持するために、前記真空源を操作する信号を前記制御器に出す、請求項1の改良搾乳器。
【請求項6】
母乳の絞り出しのための改良搾乳器であって、乳房シールドと、真空ポンプと、乳房シールドへの管に、または真空ポンプから下流で乳房シールドに設置され、搾乳期中の少なくともいくらかの反復サイクルの過程の間乳房シールド内に少なくとも最小負圧を維持する、乳房シールドチャンバと連通する一方向弁と、を含む、上記改良搾乳器。
【請求項7】
母乳の絞り出しのための改良搾乳器であって、乳房シールドを含み、該乳房シールドは、乳房シールドと関連し、前記乳房シールドから遠くにあって、真空ラインで乳房シールドと連結された負圧源に対して下流の感圧弁装置を含み、該弁は、搾乳期中の反復サイクル中維持される最小負圧で閉じる協同要素を有する、改良搾乳器。
【請求項8】
母乳の絞り出しのための改良搾乳器であって、
乳首を含む母の乳房を受け入れる内部を有する乳房シールドと、
前記乳房シールド内部と連通し、乳房シールド内部から乳を受ける乳容器と、
前記乳房シールドの内部と関連し、搾乳期中の少なくともいくらかの連続サイクルの過程の間乳房シールド内に少なくとも最小負圧を維持し、乳を乳容器の中へ注ぐのに使用される捕捉チャンバの上流に設置された機構と、
前記機構を含み、且つ前記乳房シールドの内部及び乳容器と連通し、搾乳期中の少なくとも一部中周囲圧力に戻らない圧力サイクルを使用して前記乳房シールド内に前記最小負圧を発生させるように操作される真空源と、
前記乳房シールドの内部と前記容器を分離する弁構造物を含む機構と、を含み、弁構造物は、乳の流通のために、且つまた前記容器への空気流通のために開閉することができ、さもなければ使用中空気流に対し閉じられる、前記改良搾乳器。
【請求項9】
母乳の絞り出しのための搾乳器であって、乳房を受け入れる乳房シールドであって、乳房の少なくとも乳首の周りにほぼ気密空間を形成することのできる内部を有する乳房シールドと、
前記乳房シールド空間と連通し、負圧源から周期的な負圧を伝える導管構造物と、
前記乳房シールド空間と近接して前記導管構造物に設けられた弁と、を含み、該弁は、前記乳房シールド空間内の負圧の所望レベルで閉じるように設計され、それによって、搾乳期中の少なくともいくらかの反復サイクルの過程の間乳房シールド内に少なくとも最小負圧を維持するように設計されている、搾乳器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図11】
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【図13】
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【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2013−39445(P2013−39445A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−257913(P2012−257913)
【出願日】平成24年11月26日(2012.11.26)
【分割の表示】特願2010−503207(P2010−503207)の分割
【原出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(509105020)メデラ ホールディング アクチェンゲゼルシャフト (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年11月26日(2012.11.26)
【分割の表示】特願2010−503207(P2010−503207)の分割
【原出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(509105020)メデラ ホールディング アクチェンゲゼルシャフト (8)
【Fターム(参考)】
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