説明

圧粉磁芯及びそれを用いたインダクタ

【課題】 軟磁性合金粉末と、熱硬化性高分子を含む結合材からなり、結合材の硬化反応に伴う応力が少なく、しかも熱処理による結合材の熱劣化に起因する、強度低下や粉末粒子間の絶縁低下が少ない圧粉磁芯と、それを用いたインダクタを提供すること。
【解決手段】 結合材として、質量比で94%以上、99%以下キシレン樹脂を軟磁性合金粉末に混合した混和物を成形して圧粉磁芯を得る。この圧粉磁芯は優れた電磁気特性を有するので、これを応用したインダクタも優れた特性を有し、小型で大電流に対応可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟磁性合金粉末と、熱硬化性高分子からなる結合材とを混合混練した混和物を、成形して得られる圧粉磁芯、及び前記圧粉磁芯の周囲に巻線を施すか、前記圧粉磁芯の内部にコイルを配置した構造のインダクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電気機器、電子機器の小型化が一層進み、これらに用いられる部品に対する小型化の要求は留まるところがないのが実情である。このような背景から電気機器、電子機器に用いられる重要な部品であるインダクタについても、小型化、高効率化の要求が、ますます高まっている。
【0003】
インダクタの構造には種々のものがあり、高効率化を目的としてコイルの周囲に閉磁路を構成する磁芯を配置した構造のものが多用されている。このような磁芯を構造の観点からみると、フェライトの焼結体からなるフェライト磁芯、非晶質軟磁性合金薄帯や高珪素鋼などの板材を積層した積層磁芯、非晶質鉄系合金粉末、Fe−Si粉末、Fe−Cr−Si粉末、Fe−Si−Al粉末などの軟磁性合金の粉末を、結合材を用いて圧縮成形した圧粉磁芯に大別される。
【0004】
これらの中で、圧粉磁芯は、粒度を微細化した軟磁性合金粉末粒子間に、高分子材料などの絶縁材を介在させるという構造的な特徴から、渦電流に起因する損失を抑制することが可能であり、かつ、鉄系の軟磁性合金粉末を用いることで、高い飽和磁束密度を発現し得ることから、高周波帯域に対応し、かつ大電流を必要とするチョークコイル、トランスなどのインダクタに適した材料であると言える。
【0005】
また、小型のインダクタに適用する場合は、フェライト焼結体や積層磁芯よりも、圧粉磁芯の方が、所要形状を得るのが容易であるという利点もある。さらに圧粉磁芯をインダクタに応用した場合の利点として、成形の際、金型の内部に予めコイルを配置した状態で、軟磁性合金粉末と結合材からなる原料粉末を供給して、圧縮成形を行うことにより、圧粉磁芯内部にコイルが内蔵された一体型のインダクタが容易に得られる点が挙げられる。このような構造をフェライト磁芯や積層磁芯で実現するには、巻線を施す巻芯部と巻芯部閉磁路を構成するためのスリーブ部を別個に作製して組み立てることになる。
【0006】
このようなインダクタの特性を向上するには、前記のように磁芯の飽和磁束密度向上が不可欠であるが、圧粉磁芯は、粉末と結合材の混和物を圧縮成型して作製することから、粉末粒子間には空隙が存在し、この空隙は当然のことながら飽和磁束密度向上にはまったく寄与しないし、透磁率低下を助長することがある。
【0007】
これに対処するため、軟磁性合金粉末の粒度を調整し、大きな粒子間の空隙に小さな粒子を充填することが行われている。このような技術を適用する場合は、径の小さい粒子をも結合材で均一に被覆することが重要となる。反面、結合材は前記の空隙と同様に特性低下の一因となるので、可能な限り使用量を少なくする必要がある。
【0008】
このため、結合材としては、軟磁性合金粉末と混合する工程においては、軟磁性合金粉末表面との親和性が大きい低粘度の液体で、圧縮成形後においては、軟磁性合金粉末表面との接着強度を有し、それ自体の機械的強度が大きい固体であることが望ましい。そして、このような特徴を具備した材料として、エポキシ樹脂を代表とする、各種の熱硬化性高分子材料が挙げられる。
【0009】
この場合の課題の一つに、熱硬化性高分子材料の硬化反応に伴う収縮により、軟磁性合金粉末に応力が生じることが挙げられる。一般に熱硬化性高分子材料の硬化反応では、硬化反応に与る低分子化合物の重付加反応や重縮合反応の進行に伴い、体積の減少、即ち収縮が起こるので、これは避け難い問題である。
【0010】
軟磁性合金に応力が生じることは、主にヒステリシス損失の増加に起因する、透磁率の低下や損失の増加、つまりインダクタとしての特性低下に繋がり、結合材の収縮に由来する応力は、無視することはできない。また、軟磁性合金粉末粒子と熱硬化性高分子材料の界面の接着強度が大きく、しかもヤング率が大きいと、軟磁性合金粉末粒子の表面近傍に加わる剪断応力も大きくなり、前記と同様に特性低下を助長することがある。
【0011】
一方で、軟磁性合金に着目すると、近年、非晶質軟磁性合金や、非晶質相に極めて小さな結晶を析出させた、いわゆるナノ結晶磁性合金が、優れた磁気特性を発現することから、実用化が進められている。このような非晶質軟磁性合金においては、前記の応力の影響が大きく、粉末を圧粉磁芯に応用する際には、非晶質軟磁性合金の本来の磁気特性を十分発現させるため、圧縮成形工程で非晶質軟磁性合金粉末に生じる応力を、熱処理によって除去する必要がある。前記熱処理に要する時間は、数十分の短時間であるが、温度を非晶質軟磁性合金のキュリー温度以上、結晶化温度以下にすることから、結合材には、それに対応した耐熱性が求められる。
【0012】
結合材に要求される、これらの特性に鑑み、従来の技術を俯瞰すると、圧粉磁芯における磁性粉末間の空隙を減少する方法として、特許文献1には、スペーシング材と称する材料を用いる技術が開示されている。しかし、本特許文献には、スペーシング材として、種々の材料が例示されているものの、前記の結合材の収縮による圧粉磁芯の特性低下の抑制方法や、耐熱性については、必ずしも十分には開示されていない。
【0013】
【特許文献1】特許第3624681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明の課題は、結合材の硬化反応に伴う応力が少なく、しかも熱処理による結合材の熱劣化に起因する、強度低下や粉末粒子間の絶縁低下が少ない圧粉磁芯と、それを用いた、優れた電磁気特性を有するインダクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、前記課題を解決し得る結合材を検討した結果、キシレン樹脂が可撓性や靱性に優れ、しかも金属との接着性や耐熱性にも優れた特性を有し、軟磁性合金粉末を含む圧粉体の結合材として適していることが見出された結果なされたものである。
【0016】
即ち、本発明は、軟磁性合金粉末と熱硬化性高分子を含む混和物を成形してなる圧粉磁芯において、前記熱硬化性高分子がキシレン樹脂を含むことを特徴とする圧粉磁芯である。
【0017】
また本発明は、前記軟磁性合金粉末が、非晶質軟磁性合金粉末を含むことを特徴とする、前記の圧粉磁芯である。
【0018】
また本発明は、前記キシレン樹脂がレゾール型のキシレン樹脂を含むことを特徴とする、前記の圧粉磁芯である。
【0019】
また、本発明は、前記混和物の軟磁性合金粉末の含有量が、質量比で94%以上、99%以下であることを特徴とする、前記の圧粉磁芯である。
【0020】
また、本発明は、前記の圧粉磁芯の内部及び外部の少なくともいずれか一方に、巻線を配置してなることを特徴とするインダクタである。
【発明の効果】
【0021】
本発明において、結合材として用いるキシレン樹脂は、その化学構造の特徴から、例えば従来汎用されているフェノール樹脂に比較すると、可撓性や靱性に優れ、かつ金属と接着性に優れているので、圧粉磁芯用の結合材として適している。
【0022】
しかもキシレン樹脂は、同じく従来汎用されているエポキシ樹脂に比較すると、耐熱性に優れている。磁気特性を向上するために、軟磁性合金粉末として非晶質軟磁性合金粉末を用いる場合は、前記のように熱処理が不可欠となることから、結合材が一定以上の耐熱性を具備していることは重要な要件となる。
【0023】
また、本発明においては、圧粉磁芯の前駆体である軟磁性合金粉末と結合材からなる混和物における軟磁性合金粉末の含有量を、質量比で94%以上、99%以下とするのが望ましい。その理由は、94%未満の領域では、磁性を担う軟磁性合金粉末の量が不足し、十分な磁気特性が得られないためであり、99%を超える領域では、結合材の量が不足し、圧粉磁芯として必要な機械的強度を確保できないためである。
【0024】
さらに、本発明の圧粉磁芯は、高透磁率、低ロスなどの従来より優れた電磁気特性を有するので、これに巻線を施すことにより、小型、薄型で高効率のインダクタを得ることができる。本発明の圧粉磁芯をインダクタに応用するにあたっては、適当な形状に成形した圧粉磁芯の周囲に巻線を施してもよいが、前記のように圧粉磁芯にコイルを内蔵させ、磁芯の外側に露出した導体に適宜フォーミング加工を施すことにより、周囲に巻線を施す場合よりも高効率で、かつ表面実装に適応したインダクタを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、具体的な例を挙げ、本発明の実施の形態について説明する。
【0026】
本発明の圧粉磁芯及びインダクタは、用いる結合材が従来の圧粉磁芯と異なるのが特徴であり、その他の構成や製造方法については、従来と大きな相違はない。
【0027】
具体的な製造工程は、軟磁性合金粉末と結合材を混合混練して混和物を得る混合工程、前記混和物から適当な粒度を有する顆粒からなる原料粉末を得る造粒工程、前記原料粉末を金型に供給して圧縮成形を行う成形工程から構成される。成形工程において、金型内部に予めコイルを配置しておくことで、コイルと圧粉磁芯が一体化したインダクタが得られることは前述の通りである。
【0028】
混合工程においては、軟磁性合金粉末の表面を結合材で均一に被覆する必要があるため、結合材を適当な溶媒に溶解して溶液とし、予め混合槽に投入した軟磁性合金粉末を攪拌した状態で前記の溶液を注入し、均一になるまで攪拌を継続する方法が挙げられる。この場合はヘンシェルミキサー(登録商標)のような装置が用いられる。また、軟磁性合金粉末と前記溶液を加圧ニーダーに同時に投入して均一になるまで混練するという方法も挙げられる。
【0029】
造粒工程は、前記混和物を金型に装入するのに適した粒度に粉砕すればよい。具体的には、前記混和物の溶媒を十分に除去してから、目開きが250〜850μmの篩を通過する粒度に粉砕する必要がある。このように調製した原料粉末を金型に供給し、成形を行うことで本発明の圧粉磁芯が得られ、得られた圧粉磁芯に適宜巻線を施すことで、本発明のインダクタが得られる。
【実施例1】
【0030】
次に、具体的な実施例を示し、本発明についてさらに詳しく説明する。まず軟磁性合金粉末として、平均粒径が15μmのFe−Si−B−Cr系非晶質軟磁性合金粉末と平均粒径が12μmの鉄粉を、質量比で55/45となるように混合して粉末を調製した。
【0031】
次に、結合材としてノボラック型のキシレン樹脂と、レゾール型のキシレン樹脂を準備し、それぞれ、エチルアルコールに溶解して、固形分が50質量%の溶液を調製した。前記粉末と前記結合材の溶液を質量比で、95.5/9.0となるように秤量して加圧ニーダーに投入し、10分間混練を行い、混和物を得た。
【0032】
得られた混和物をステンレス製のバットに拡げ、50℃に設定した乾燥炉に装入して、1時間保持し、溶媒のエチルアルコールを除いた。次に溶媒を乾燥させた混和物をスタンプミルと乳鉢を用いて、目開きが425μmの篩を通過するまで粉砕し、原料粉末を得た。
【0033】
この原料粉末を、金型を用いて外径が14mm、内径が8mm、高さが5mmのトロイダル形状に成形し、磁気特性測定用の圧粉磁芯試料とした。このときの成形圧力は、490MPa、735MPa、980MPaの3点とした。
【0034】
また、比較に供するために、結合材にエポキシ樹脂を用いた圧粉磁芯試料も同様に調製した。ここでは、ビスフェノールA型の主剤とノボラック型フェノール樹脂の硬化剤からなるエポキシ樹脂を用い、溶媒にはメチルエチルケトンを用いた。
【0035】
そして、レゾール型キシレン樹脂を用いた試料を実施例1、ノボラック型キシレン樹脂を用いた試料を実施例2、エポキシ樹脂を用いた試料を比較例1とし、これらの圧粉磁芯を、恒温槽に装入して、150℃で30分保持し、結合材の硬化を行った。結合材を硬化させた後、圧粉磁芯表面に絶縁テープを巻き付けた後、巻線を施し、μ′−f特性とコアロスを評価した。
【0036】
図1は、実施例1、実施例2、比較例1の試料の、周波数;1MHzにおけるμ′とコアロスPcvを示した図である。図1から明らかなように、実施例1の試料は、最も優れたμ′及びコアロスを示し、実施例2は実施例1よりも若干劣った結果となった。これに対し、比較例1の試料はμ′も実施例より劣っているが、コアロスが実施例より大幅に劣った結果を示した。
【0037】
この原因を探るため、各試料の保磁力を測定したところ、実施例1の保磁力は、18A/mであったのに対し、比較例1の保磁力は、45A/mであり、コアロスの増加は保磁力の増加、即ち、ヒステリシス損失の増加に起因すると考えられる。また、結合材の硬化を行う前後の試料の寸法を測定したところ、実施例1及び実施例2の試料においては、検知可能な程度の寸法の変化が見られなかったのに対し、比較例3の試料においては、外径が約0.4%減少しているという結果が得られた。つまり、硬化反応に際して結合材の収縮率の差が、軟磁性合金粉末に生じる応力の差となって、コアロス増加に繋がったものと解される。
【実施例2】
【0038】
次に、本発明の圧粉磁芯をインダクタに応用した例について説明する。ここでは、軟磁性合金粉末として、平均粒径が15μmのFe−Si−B−Cr系非晶質軟磁性合金粉末を用い、結合材として実施例1のレゾール型のキシレン樹脂を用いた。また比較のため、比較例1のエポキシ樹脂と、フェノール樹脂を用いた原料粉末を調製した。原料粉末の調製方法は、実施例1と同様である。
【0039】
図2は試作したインダクタを示す図で、図2(a)は圧粉磁芯の内部を透視してコイルを示した図、図2(b)は、インダクタの外観を示す斜視図である。図2において1はインダクタ、2はコイル、3は圧粉磁芯、4a、4bはコイルの端末、5はコイルの端末にフォーミングを施して形成した表面実装用端子である。
【0040】
ここで、使用したコイル2は、断面が2mm×0.3mmの寸法で、表面にポリアミドイミドの絶縁を施した平角導体を、エッジワイズ巻きにしたもので、巻き回し回数は、3.5ターンである。また、インダクタ1の圧粉磁芯部分の外寸は、縦横が10mm、厚さが5mmである。
【0041】
インダクタの製造工程は従来と差はなく、予め金型内部の所定の位置に、コイル2を配置しておき、所要量の原料粉末を秤量して投入し、735MPaの圧力で圧縮成形を行った。成形後、実施例1と同様に結合材の硬化を行い、次いで圧縮成形の際に非晶質軟磁性合金粉末に加わった歪みを除くため、Ar雰囲気で、350℃で30分間熱処理を行った。
【0042】
次に、コイル端末の圧粉磁芯の外側に露出した部分にフォーミング加工を施し、表面実装用の端子を形成し、本発明の実施例と比較例のインダクタを得た。ここでは、結合材にレゾール型キシレン樹脂を用いたインダクタを実施例3、フェノール樹脂を用いたものを比較例2、エポキシ樹脂を用いたものを比較例3とした。
【0043】
これらの実施例、比較例のインダクタについて、評価項目として、直流重畳特性と、350℃の熱処理前後の絶縁抵抗を測定した。直流重畳特性は周波数100kHzで測定し、絶縁抵抗は、図2(b)に示した表面実装用端子5と、図におけるインダクタの上側の底面中央部との間について測定した。
【0044】
図3は実施例3と比較例2、比較例3の直流重畳特性の測定結果を示したものである。図3に示したように、実施例3のインダクタは、他のインダクタに比較してほぼ全電流値で最も高いインダクタンスを示し、しかもフェノール樹脂を用いた比較例2のインダクタよりも、電流値の大きい領域における、インダクタンスの低下が少ない結果となっている。この原因として、キシレン樹脂は、フェノール樹脂よりも金属との接着性が優れているので、非晶質軟磁性合金粉末の分散が、より均一で、粉末粒子間の絶縁が確保されていることが挙げられる。
【0045】
また表1には、絶縁抵抗の測定結果を示した。ここではそれぞれ10個の試料について測定を行い、最大値、最小値、平均値を示した。
【0046】
【表1】

【0047】
表1に示したように実施例3のインダクタは比較例2、比較例3よりも高い絶縁抵抗を示し、このことからもキシレン樹脂が粉末粒子表面を均一に被覆していることが分かる。また、エポキシ樹脂を用いた比較例3においては、350℃の熱処理後における絶縁抵抗の低下が著しく、このような高温での熱処理には耐熱性が対応していないことが分かる。
【0048】
以上に説明したように、本発明によれば、電気特性に優れた圧粉磁芯が得られ、それを用いることにより従来よりも小型で大電流に対応可能なインダクタを提供することができる。従って、本発明が電気電子機器の小型化に寄与するところは非常に大きいと言える。なお、本発明は、前記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれる。即ち、当業者であればなし得るであろう各種変形、修正が本発明に含まれることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施例1、実施例2、比較例1の試料の、周波数;1MHzにおけるμ′とコアロスPcvを示した図。
【図2】試作したインダクタを示す図で、図2(a)は圧粉磁芯の内部を透視してコイルを示した図。図2(b)は、インダクタの外観を示す斜視図。
【図3】実施例3と比較例2、比較例3の直流重畳特性の測定結果を示す図。
【符号の説明】
【0050】
1 インダクタ
2 コイル
3 圧粉磁芯
4a,4b コイルの端末
5 表面実装用端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟磁性合金粉末と熱硬化性高分子を含む混和物を成形してなる圧粉磁芯において、前記熱硬化性高分子はキシレン樹脂を含むことを特徴とする圧粉磁芯。
【請求項2】
前記軟磁性合金粉末は非晶質軟磁性合金粉末を含むことを特徴とする、請求項1に記載の圧粉磁芯。
【請求項3】
前記キシレン樹脂はレゾール型のキシレン樹脂を含むことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の圧粉磁芯。
【請求項4】
前記混和物の軟磁性合金粉末の含有量は、質量比で94%以上、99%以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の圧粉磁芯。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の圧粉磁芯の内部及び外部の少なくともいずれか一方に、巻線を配置してなることを特徴とするインダクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−235497(P2008−235497A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−71827(P2007−71827)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【Fターム(参考)】