説明

圧縮収縮法及びゴムブランケット収縮機

ゴムブランケット(3)が主シリンダ通過後に冷却されるゴムブランケット収縮機を用いて織布材料ウェブ(9)を圧縮収縮するための方法を説明する。その都度処理される材料ウェブ(9)によって主シリンダにおいて覆われていないゴムブランケット(3)の縁部域(22)の早期脆化を低減するためには、材料ウェブ(9)によって主シリンダにおいて覆われていないゴムブランケット(3)の領域(22)をシリンダから離した後に、材料ウェブ(9)によって覆われたゴムブランケット(3)の領域(27)で定着が行われるという意味において許容されるよりも強力に冷却する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械的に圧縮された材料ウェブを、エンドレスのゴムブランケットと加熱された主シリンダ若しくは加熱シリンダの外周面との間で定着させ、ゴムブランケットの主シリンダを通過した領域をその都度冷却する圧縮収縮機若しくはゴムブランケット収縮機を用いた繊維材料ウェブの圧縮収縮法に関する。更に本発明は、機械的に圧縮された材料ウェブが、エンドレスのゴムブランケットと加熱された主シリンダの外周面との間で定着され、ゴムブランケットの主シリンダを通過した各領域に冷却手段が対応配置されているゴムブランケット収縮機に関する。ゴムブランケットはゴムバンド若しくはゴム連行体とも云う。
【0002】
「ゴムブランケットカレンダ」を備えたゴムブランケット収縮機はドイツ連邦共和国特許出願公開第1072220号明細書に記載されている。圧縮収縮シリンダの主シリンダは木綿織布の収縮に際して約130℃に加熱され、これにより、各材料ウェブの機械的な圧縮を定着させる。主シリンダによって供給される熱は材料ウェブ自体のみならず、この材料ウェブを主シリンダに押しつけているゴムブランケットをも加熱する。材料ウェブ幅は―少なくともロット毎に―変動するので、ゴムブランケットは一般に処理される材料ウェブよりも広幅になる。
【0003】
主シリンダの熱作用によって、ゴムブランケットは該ゴムブランケット中に存在する可塑剤が外側に移動するように著しく加熱される。この作用を抑制するためには、従来の収縮機におけるゴムブランケットの全幅を、主シリンダを通過し且つ定着された織布若しくは材料ウェブが持ち上げられた後で水冷する(例えば前掲のドイツ連邦共和国特許出願公開第1072220号明細書を参照のこと)。
【0004】
主シリンダを通過する際に、材料ウェブによって覆われたゴムブランケットの(真ん中の)領域は、材料ウェブの接触していない各領域ほどは加熱されない。本発明者は、ゴムブランケットの縁部域における従来の冷却は常に十分であるわけではないので、当該の縁部域は早期に脆化する恐れがあるということに気づいた。しかし、この問題を克服するためにゴムブランケットをより強力に冷却することはできない。なぜならば、極端に低温のゴムブランケットにおいては、材料ウェブの機械的な圧縮の正しい定着は生ぜしめられないからである。従って実地においては、ゴムブランケットは表面の加熱に基づいて脆くなり、比較的頻繁に―連続運転時にはほぼ2週間毎に―研磨しなければならないということを考慮せねばならなかった。研磨の度に、本来のオーダなら5−8cmの厚さのゴムブランケットは薄くなってゆき、ブランケットの厚みと共に収縮ポテンシャルも低下する。
【0005】
本発明の課題は、圧縮収縮機のゴムブランケットカレンダにおいて、材料ウェブによって覆われていないゴムブランケットの各領域の早期摩耗に、ゴムブランケットのその時々の能動域、つまり運転時に主シリンダにおいて材料ウェブによって覆われるゴムブランケット領域を許容不能に冷却すること無しに対処することである。換言すると、即ち材料ウェブ幅外に位置するゴムブランケットの縁部域の早期脆化を防止するための手段を求める。
【0006】
本発明による解決手段は、冒頭で述べた形式の方法に関して請求項1の特徴部に記載されている。特に、ゴムブランケットを完全には覆っていない材料ウェブに適用する場合、主シリンダに接する材料ウェブによって被覆されていない(つまり収縮に関しては非能動的な)ゴムブランケットの領域を、主シリンダから離れた後に、ゴムブランケットの材料ウェブによって覆われた領域若しくは能動域内で定着が行われるという意味において許容されているよりも強力に冷却する。冒頭に記載したゴムブランケット収縮機に関して、当該の解決手段では、主シリンダにおいて材料ウェブの接触していないゴムブランケットの縁部域に、これらの縁部域の幅に適合可能な補助冷却装置が対応配置されている。本発明の若干の改良は従属請求項に記載されている。
【0007】
本発明では、主シリンダにおいて材料ウェブの接触しないゴムバンドの非能動域、つまり、特に材料ウェブの長手方向縁部域が別個に、しかも材料ウェブを主シリンダに直接に押圧するゴムブランケットの能動域において許容されるよりも強力に冷却される。「強力」に冷却するとはつまり、本発明の意味においては5〜20℃のオーダの温度に冷却することであり、この温度は能動域に関してかろうじて許容される、ゴムブランケットの循環時に主シリンダに供給される熱量が全て補助冷却装置(単に冷却装置と云う)へ再度導出される最低温度である。この場合、本発明の根底には、1回加熱されたゴムブランケットは、ゴムの低い熱伝導率に基づいて緩やかにしか再冷却され得ないという認識がある。
【0008】
つまり、本発明によって、前記の非能動域が―一巡する毎に―加熱されることも防止するのが望ましい。主シリンダに付与される(冷却装置に再度導出される)熱エネルギのゴムブランケット内部への侵入は防止されるのが望ましい。主シリンダとゴムブランケットとの間及びゴムブランケットと冷却装置との間の熱交換は、ゴムブランケットの薄い―例えば2mmのオーダの厚さ―外層にのみ該当するのが望ましい。このことも本発明による縁部域の比較的強力な冷却によって達成される。
【0009】
本発明では、ゴムブランケットの低い熱伝導率が考慮若しくは利用される。主シリンダにおいてこのようなブランケットの外面にもたらされた熱は、緩やかにしかブランケットの深部へ侵入しない。同じことがゴムブランケット冷却作用について云える。この冷却作用も緩やかにしかゴムブランケットの深部に進行しない。ある計算例では、加熱されたゴムブランケット表面の約1cm下に位置する層が120℃から40℃に冷却されるまでに、約2秒かかる。ゴムブランケットは50m/min(0.833m/s)のオーダの製作速度で走行するので、冷却部には約1.5mのゴムブランケットがもたらされる。しかし、このような冷却長さは圧縮収縮機に供与されていない。つまり、本発明を適用しないと、主シリンダにもたらされる熱は縁部域に一巡する毎に深く侵入し、非能動的な縁部域の残留温度がゴムの耐用年数にとって不都合な平衡値にまで上昇する。
【0010】
この問題に本発明は、非能動的な縁部域を最初から(実質的に最初の循環から)集中的に冷却して、同一循環において先にもたらされた熱量を事実上完全に再導出することによって対処する。つまり、熱エネルギがゴムブランケットの材料に深く侵入する機会は全くない。いずれにしろ許容不能な温度範囲では加熱も冷却もされず、従って比較的薄い外層だけが交互に加熱されたり冷却されたりする。この加熱された若しくは再冷却された外層の厚さが例えば2mmである場合、当該の外層は(前記の計算例では)0.3秒のオーダで120℃から40℃に冷却され得る。即ちこの場合、前記の50m/minの速度では冷却用に約25cmしか要さない。この長さの冷却距離は、汎用のゴムブランケット収縮機において構造的に簡単にマスター可能である。
【0011】
ゴムブランケットの非能動的な縁部域の本発明による冷却は、有利には機械の始動後直ちに開始される。この場合、有利には―非能動的な縁部域における―冷却出力/1回転は、加熱出力/1回転と少なくともほぼ同一に合致されるのが望ましい。
【0012】
本発明の別の有利な構成では、上で規定したゴムブランケットの縁部域に、これらの縁部域の幅にそれぞれ適合可能な各1つの(補助)冷却装置が対応配置される。例えば、ノズルからの空気噴流又は水噴流をゴムブランケットの非能動的な縁部域に向けることができる。噴流を形成するためには、当該のノズルを支持する旋回可能なノズルバーが設けられる。冷却されるべき縁部域の、処理される材料ウェブの幅に関連した幅は、その時々の材料ウェブ縁部を検出するセンサによって制御可能である。フラットビームスプレーノズルは特に良好に、その都度測定された冷却されるべき(非能動的な)縁部域の幅に適合され得る。処理面におけるスプレー範囲がほぼ線状に細長くなっているフラットビームスプレーノズルは、冷却されるべき縁部幅に関連して段階的に切り替えられる。フラットビームスプレーノズルは、フラットビーム延いては該フラットビームのスプレー範囲が縁部幅に対応して回動されるか又はビーム距離が可変の場合、―とりわけ(ゴムブランケットカバーに対してほぼ垂直な軸を中心として)スプレー範囲を回動させることにより―冷却しようとする縁部ストリップの幅に対する連続的な適合をも可能にする。
【0013】
単一の旋回可能なノズルバーに対して択一的に、幅に適合させるためには複数の定置のノズルバーが設けられてよい。個々のノズルバーは、各縁部域の規定された全幅にそれぞれ対応し、例えば弁によって別個に制御可能である。ノズルバーにはそれぞれフラットビームノズルを装備することができる。これらのノズルを使用すると、規定された角度を有するフラットビームのスプレー範囲をゴムブランケットの走行方向に向けることが可能である。定置のノズルバーのその時々の所要数は、ゴムブランケットのその時々の非能動域の最大スプレー(冷却)サイズ、即ちゴムブランケット幅に対する最小材料ウェブ幅の比に従う。
【0014】
ゴムブランケットの縁部に対してフラットビームのスプレー範囲が傾斜している前記スプレー角は、各ノズルバーに関して別個であるのが望ましい。つまり、別の向きで調節されるのが望ましい。有利な構成では、フラットビームノズルのスプレー範囲がゴムブランケット縁部に対して傾斜している角度は、例えば100mm幅のゴムブランケットの非能動的な縁部域に対応配置しようとする第1のノズルビームの場合、比較的小さくなる。ゴムブランケット中央に向かって設けられた、より広幅の、例えば200mm幅の縁部域をノズルでカバーしようとする第2のノズルバーでは、当該角度はより大きく選択される。つまり、線状に真っ直ぐなスプレー範囲が、縁部域の一方の長手方向縁部から他方の長手方向縁部へと(斜めに)延びている。それにもかかわらず、長手方向で単位面積当たりのスプレー強度を第1のノズルバーの場合と同等に保持するためには、第2のバーに2つの(同一方向に向けられた)フラットビームノズルが設けられてよい。これに対応して、引き続き内側に位置する各ノズルバーでは、(ブランケット縁部に対して測定した)フラットビームの角度も、ノズルの数も、次第に増大するように選択され得る。場合によっては各スプレー範囲に関して同一のスプレー区間及び同一の強度が得られる。
【0015】
このようにして最大限に冷却しようとする縁部幅は、フラットビームスプレー範囲の長さによって規定される。この長さは、ノズルとゴムブランケットとの間の距離を変化させることによって縁部幅に適合され得る。但し、(相応して広幅のゴムブランケットを備えた)特に広幅の機械において特に細長い材料ウェブを、ゴムブランケットを損傷すること無く処理する場合は、前記の形式の2つ又はそれ以上のノズルバー群を、それぞれスプレー範囲の長さの間隔をあけてゴムブランケットの縁部に設けることができる。
【0016】
冷却媒体としては、既に述べたように水又は空気(若しくは液体又は気体全般)が規定され得る。空冷の利点はより良好な調量性にあり、水冷の利点はより良好な有効性にある。但し、ゴムブランケットにスプレーされた水は、圧縮収縮を加えようとする領域にブランケットが新たに進入する前に圧搾されねばならない。
【0017】
非能動的な縁部域に対応配置された例えばノズル等の冷却手段は、対流原理の形式に基づいた、別個に制御される若しくは専用の冷却媒体供給システムを有していてよい。場合によっては、例えば新鮮水等の同一冷却媒体を、処理される各縁部域の最終冷却用にまず最初に使用することができる。そこで生じる還流水をポンピングし返して、同じ縁部域を予冷するために利用する。この場合は3段階又はそれ以上の段階が規定されてもよく、冷却領域から流出する還流水はその都度ゴムブランケット走行方向で見て先行する、まだ比較的高温の縁部域を冷却するために利用される。
【0018】
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
【0019】
図1には、ゴムバンド収縮機が図示のシリンダ軸線に対して垂直方向で縦断されて示されている。この収縮機は基本的に加熱される主シリンダ1から成っており、この主シリンダ1の外周面2には、長手方向に張られたエンドレスのゴムブランケット3が押しつけられる。このゴムブランケット3は、「圧着ローラ」4と、ガイドローラ5と、変向ローラ6とを介して図示の走行方向7で案内される。主シリンダ1の対応する回転方向8も同様に矢印で示される。収縮しようとする材料ウェブ9は、図示の搬送方向10で圧着ローラ4を介して「収縮ニップ」11内へ延びており、そこで機械的な収縮が行われる。
【0020】
機械的に生ぜしめられる収縮は、加熱された主シリンダ1が作用すると同時に、外周面に設けられたゴムブランケット3によって材料ウェブ9が圧着されることにより定着される。ゴムブランケット3は著しい収縮効果を得るために、規定された初期厚さを有している。ブランケットが脆性の場合、このブランケットは必然的に摩耗する。脆化の速度を低下させるためには、ゴムブランケット3の全幅を外周面2の通過後に水シャワー12によって冷却する。この冷却は、ゴムブランケット3が引き続いて収縮ニップ11に再到達したときに、当該ゴムブランケット3が主シリンダの外周面2における定着プロセスを十分に助成可能な暖かさをまだ有している程度にのみ行ってよい。水シャワー12によって付与された液体は、ゴムブランケット3が圧着ローラ4に到達する前に、規定された残留湿分は別として例えばピンチローラ対13によって再び圧搾する必要がある。
【0021】
図2には、本発明による補助冷却装置の実施例がゴムブランケット3の平面図として示されており、これは図1に示した矢印方向IIで見た図であると見なすことができる。従って、図2ではゴムブランケット3の後ろにローラ5,6の残片と、搬送方向10で走行する(収縮が完了して定着された)材料ウェブ9とが見えている。
【0022】
図2では、右半分に支持体14において軸15を中心として旋回可能な(水)ノズルバー16が示されている。このノズルバー16は多数のノズル17を有しており、これらのノズル17は、図面ではバー16の長手方向で連続しており且つ制御弁19(象徴的に図示)を備えた液体供給導管18を有していてよい。更に、前記バーは旋回駆動装置20を有しており、この旋回駆動装置20は、例えばバー16を規定された形式で制御して、図平面に対して垂直方向で位置する軸15を中心として旋回させられるように形成することができる。旋回駆動装置はセンサ21を介して制御可能であり、このセンサ21は材料ウェブ縁部を読み取ることにより、ゴムブランケット3の材料ウェブ9によって覆われていない個々の縁部域22の幅の程度をその都度最終的に検出する。センサ21の測定結果を以て、旋回駆動装置20は、バー16のノズル17がその都度ちょうど両縁部域22を水冷するように制御され得る。
【0023】
図2の左半分に示した空冷バー23は、基本的に図2の右半分に示した水冷バー16と同様に働く。空冷バー23も支持体14において、図平面に対して垂直方向の軸24を以て支承され且つセンサ21と同様のセンサによって制御可能な旋回駆動装置(図示せず)を有していてよい。空冷バー23は、例えば図示のように相並んで当該バー23の長手方向で連続して配置された多数の吹出しノズル若しくは冷却ノズル25を有しているのが望ましい。これらの冷却ノズル25はバー23の旋回に基づいて、できるだけ正確に各縁部域22しか冷却しないようにゴムブランケット3に向けられる。この目的のためには、冷却バー23が図示の旋回方向26で往復運動される。主シリンダ1に接したゴムブランケット3の能動域27の不都合な冷却を防止するためには、バー23に(バー16と同様に)ドクタ28を取り付けることができる。ゴムブランケット3の能動域27(本実施例ではゴムブランケットの中央ゾーン)は、両縁部域22間で材料ウェブ9を主シリンダ1の外周面2に直接に押し当てるゴムブランケット領域を制限している。
【0024】
図3及び図4には、複数の定置のノズルバーを使用した場合の材料ウェブ幅に対する冷却域の適合が示されており、以下に左側のゴムブランケット縁部における状況を説明する。右側のゴムブランケット縁部では鏡面対称的にスプレーが行われる。図1及び図2に示した部材と同じ部材には同一符号を付してある。
【0025】
例えば冷却水又は冷却空気等の冷却媒体が流れる、図3に示したコレクタ31からは複数の個別管32が分岐している。管32の数は、ゴムブランケット幅に対する最小限の材料ウェブ幅の比率に従っている。前記の各管32は、それぞれノズルバー33a〜33eと結合されている。各管32と所属のノズルバー33との間には遮断弁34が位置している。
【0026】
図3では、材料ウェブ中央に向かう方向35で連続したノズルバー33a〜33eに多数のフラットビームノズルが様々にねじ込まれる。各ノズルバーがノズルねじ込み用に4つの接続箇所を有していると仮定する。縁部36から見て第1のバー33aには1つのフラットビームノズル37aが真ん中のポジションにねじ込まれる。縁部36から見て第2のノズルバー33bには2つのフラットビームノズル37bがねじ込まれる。縁部から見て第3のノズルバー33cには3つのフラットビームノズル37cがねじ込まれる。図3では、第4のノズルバー33dにもやはり3つのフラットビームノズル37dが設けられる。第5のノズルバー33eは、図3では4つのフラットビームノズル37eを有している。但し、基本的には異なるノズルバーに別の数のノズルを設けてもよいし、リニアに増大するノズル数(第1のバーは1つのノズル、第2のバーは2つのノズル、第3のバーは3つのノズル、第4のバーは5つのノズル等)を設けてもよいし、又はノズルを別の3次元分布で設けてもよい。
【0027】
作動時にノズル33a〜33eはゴムブランケット3に、図3及び図4に示した細長いスプレー範囲38a〜38eを生ぜしめる。説明した実施例では、異なるバーのノズルが様々に方向付けられる。図4では、フラットビームノズル37a〜37e若しくはスプレー範囲38a〜38eと、ゴムバンドの縁部36との間のスプレー角w1〜w5は、それぞれ各個別バーにおいては同一であるが、バー毎に変化するように規定される。図面では、第1のノズルバー33aのノズル37aは、縁部36とスプレー範囲38aとの間の角度w1が比較的小さくなるように方向付けられるか若しくはねじ込まれる。このようにして、最小限に細長い縁部域22aを冷却することができる。第2のノズルバー33bの作動時には、スプレー範囲38bとゴムブランケット3の縁部36との間の角度w2は前記角度w1よりも大きくなり、冷却しようとする縁部域の幅は相応して広くなる。第3のノズルバー33cでは、角度w3は更に大きくなる。ノズルバー33e(及びノズル37e)の作動時には、最大幅を有する縁部域22bが冷却され得る。各ノズルバー33に異なる数のフラットビームノズル37が設けられており且つ角度wがそれぞれ異なっていることに基づいて、スプレーの強さは、スプレーしようとするゴムブランケット3の非能動縁部域22が比較的大きい場合でも、ほぼ同一に保たれるということが達成される。
【0028】
前記の角度w1〜w5は、例えばフラットビームノズル37aによって、100mmの非能動的なゴムバンドストリップの各面にスプレーして冷却することができるように選択可能である。縁部域がより広幅の場合、例えば200mmの幅を有している場合は、第2のノズルバー33bが接続され且つ第1のノズルバー33aは遮断される。更に広幅の縁部域においては、次のノズルバー33c〜33eが選択的に作動される。但し、本発明の枠内で、個々のノズルバー33が同時に各非能動縁部域を冷却するために使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】ゴムバンド収縮機を垂直方向で縦断して示した原理図である。
【図2】可動の冷却装置を備えたゴムブランケットの冷却域を示した平面図である。
【図3】定置の冷却装置を備えた実施例を示した図である。
【図4】定置の冷却装置を備えた実施例を示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械的に圧縮された材料ウェブ(9)を、エンドレスのゴムブランケット(3)と加熱された主シリンダ(1)の外周面(2)との間で定着させ、ゴムブランケット(3)の主シリンダ(1)を通過した領域をその都度冷却するゴムブランケット収縮機を用いた繊維材料ウェブ(9)の圧縮収縮法において、
ゴムブランケット(3)を完全には覆っていない材料ウェブ(9)に適用する場合、主シリンダ(1)に接する材料ウェブ(9)によって予め被覆されていないゴムブランケット(3)の非能動的な領域(22)を、主シリンダ(1)から離れた後に、ゴムブランケット(3)の材料ウェブ(9)によって覆われた能動域(27)内で定着が行われるという意味において許容されているよりも強力に且つ別個に冷却することを特徴とする、圧縮収縮法。
【請求項2】
非能動域(22)を5〜20℃のオーダで、主シリンダ(1)において材料ウェブ(9)によって覆われたゴムブランケット(3)の能動域(27)よりも強力に冷却する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ゴムブランケットの1循環に際して、主シリンダ(1)において非能動域(22)に供給される熱量を、該領域を別個に冷却することにより同一循環時にほぼ完全に導出する、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
非能動域(22)の別個の冷却を最初の循環から行う、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
非能動域(22)を段階的に対流原理の形式で冷却する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
機械的に圧縮された材料ウェブ(9)が、エンドレスのゴムブランケット(3)と加熱された主シリンダ(1)の外周面(2)との間で定着され、ゴムブランケット(3)の主シリンダ(1)を通過した各領域に冷却手段(12)が対応配置されている、特に請求項1から5までのいずれか1項記載の方法を実施するためのゴムブランケット収縮機において、
主シリンダ(1)において材料ウェブ(9)の接触していないゴムブランケット(3)の非能動的な縁部域(22)に、―主シリンダ(1)を通過した後の領域で―当該の縁部域(22)の幅に適合可能な補助冷却装置(16,23)が対応配置されていることを特徴とする、ゴムブランケット収縮機。
【請求項7】
補助冷却装置(16,23)が、前記縁部域(22)に冷却水噴流若しくは冷却空気噴流をスプレーするための手段を有している、請求項6記載のゴムブランケット収縮機。
【請求項8】
補助冷却装置として旋回可能な冷却バー(16,23)が設けられている、請求項6又は7記載のゴムブランケット収縮機。
【請求項9】
各補助冷却装置(16,23)によって冷却されるゴムブランケット領域の幅を制御するために、材料ウェブ縁部に対応配置された少なくとも1つのセンサ(21)が設けられている、請求項6から8までのいずれか1項記載のゴムブランケット収縮機。
【請求項10】
冷却媒体を供給するために、特にビーム長手方向軸線を中心として旋回可能なビームを有するフラットビームスプレーノズル(37a〜37e)が設けられている、請求項6から9までのいずれか1項記載のゴムブランケット収縮機。
【請求項11】
補助冷却装置として定置のノズルバーが設けられており、各縁部域(22)に少なくとも1つのノズルバー(33a〜33e)が対応配置されている、請求項6から10までのいずれか1項記載のゴムブランケット収縮機。
【請求項12】
ノズルバー(33a〜33e)が互いに平行に配置されており且つゴムブランケット中央に向かう方向(35)で連続している、請求項11記載のゴムブランケット収縮機。
【請求項13】
ノズルバー(33a〜33e)が、異なるスプレー角(w1〜w5)を備えた異なる数のフラットビームノズル(37a〜37e)を有している、請求項11又は12記載のゴムブランケット収縮機。
【請求項14】
ノズルバー(33a〜33e)が、ゴムブランケット(3)の縁部(36)から中央部に向かう方向(35)で数が増大するフラットビームノズル(37a〜37e)を有しており、これらのノズルによって形成されるノズルバーのスプレー範囲(38a〜38e)が、ブランケット縁部から中央部に向かって比較的フラットに向けられている、請求項11から13までのいずれか1項記載のゴムブランケット収縮機。
【請求項15】
各ノズルバー(33a〜33e)が、遮断弁(34)を介してコレクタ(31)に接続されており、ノズルを等しく装備されたノズルバーが左右対で制御される、請求項11から14までのいずれか1項記載のゴムブランケット収縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−506867(P2007−506867A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515697(P2006−515697)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【国際出願番号】PCT/DE2004/001407
【国際公開番号】WO2005/005706
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(501169213)アー モンフォルツ テクスティールマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (6)
【氏名又は名称原語表記】A.Monforts Textilmaschinen GmbH & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Schwalmstrasse 301, D−41238 Moenchengladbach, Germany
【Fターム(参考)】