説明

圧縮可能なヒートシール部材を有するヒートシールダイとその使用方法

この出願は、改良されたヒートシールダイとその使用方法を提供する。このヒートシールダイは、第一ヒートシール面を有する第一ヒートシールジョーと第二ヒートシール面を有する第二ヒートシールジョーとを含んでいる。第二ヒートシールジョーは複数の溝と、複数の柔軟な圧縮性部材とを有し、柔軟な圧縮性部材の各々は該溝の一つに配置されている。複数の柔軟な圧縮性部材は、第二ヒートシール面の少なくとも一部を形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、柔軟な包装をヒートシールするためのヒートシールダイに関し、さらに特定すると圧縮可能なヒートシール部材を有するヒートシールダイに関する。
【背景技術】
【0002】
消費者に行き渡るように、食品や薬品のような物品を個々の包装物に包装することは普通に行われている。一つの良く見られる包装デザインが図1に示されている。図1に示されているように、包装1は、ヒートシールダイにより少なくとも二つの端部2,3においてヒートシールされている。ソースを包装するときは、固い粒状物(例、砕かれたペッパーコーンなど)がヒートシール工程中にヒートシール領域に捕捉されることがよくある。これらの固い物体は、ヒートシールジョーが締まり、この物体の回りの領域で包装の二つの側部をシールするのを妨げることがある。多くの場合、これは、ソースが包装から漏れ出す通路を残す。多くの個々の包装とバルクでの包装は流通のために一緒に包装されるので、ほんの一個の不良包装品が多くの他の包装品を不良にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それ故、望まれるのは、信頼性を持って柔軟な包装品に密閉ヒートシールを形成できるヒートシールダイである。ヒートシールダイがインラインの形成、充填、シールに使用できることも望ましいことである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様においては、この出願はヒートシールダイを提供する。一実施態様においては、ヒートシールダイは、第一のヒートシール面を有する第一ヒートシールジョーと第二のヒートシール面を有する第二ヒートシールジョーとを有している。この第二ヒートシールジョーは、少なくとも一つの溝と、この溝に容れられた少なくとも一つの柔軟な圧縮性部材を有している。この少なくともひとつの柔軟な圧縮性部材は、第二ヒートシール面の少なくとも一部を形成する。このヒートシールダイは、包装が第一ヒートシール面と第二ヒートシール面との間で圧縮される箇所で包装にヒートシール部を形成するように構成されている。
【0005】
別の態様においては、この出願は複数の凸部を有する第一ヒートシールジョーを有するヒートシールダイを提供する。複数の凸部は、第一ヒートシール面の少なくとも一部を形成する。ヒートシールダイは、複数の溝を有する第二ヒートシールジョーをさらに有している。この複数の溝の夫々は、ヒートシールダイが第一ヒートシールジョーと第二ヒートシールジョーを圧縮するとき、第一ヒートシールジョーの複数の凸部の一つを受け入れるように構成されている。ヒートシールダイは第二ヒートシールジョーに取外し可能に取付けられた複数の柔軟な圧縮性部材を有している。この柔軟な圧縮性部材の夫々は、第二ヒートシールジョーの複数の溝の一つに容れられている。複数の柔軟な圧縮性部材の夫々は、第一ヒートシールジョーの溝の一つにより圧縮されると柔軟に変形するように構成されている。複数の柔軟な圧縮性部材は、第二ヒートシールジョーの溝内に配置されたとき、第二ヒートシール面の少なくとも一部を形成する。
【0006】
別の態様では、この出願は、ヒートシール可能な材料の第一層と第二層を有する包装をヒートシールする方法を提供する。この方法は、第一ヒートシール面を有する第一ヒートシールジョーと溝を有する第二ヒートシールジョーと柔軟な圧縮性部材とを有するヒートシールダイを提供することを含む。柔軟な圧縮性部材は、溝内に容れられ、第二ヒートシール面の少なくとも一部を形成する。この方法は、さらにヒートシール可能な材料の第一層と第二層を第一ヒートシールジョーと第二ヒートシールジョーとの間に供給すること;ヒートシール可能な材料の第一層と第二層の回りにおいて、第一ヒートシールジョーと第二ヒートシールジョーを締め付けて、複数の柔軟な圧縮可能な部材を変形させることと、ヒートシール可能な材料の第一層と第二層の間にヒートシール部を形成することを含む。
【0007】
この出願のこれら及びその他の特徴は、以下の詳細な説明を添付された請求項と関連させて読むと当業者に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ヒートシールダイにより形成された少なくとも二つのヒートシール部を有する包装。
【図2】この発明の一つ又はそれ以上の実施態様によるヒートシールダイの開位置の断面図。
【図3】この発明の一つ又はそれ以上の実施態様によるヒートシールダイの閉位置の断面図。
【図4】ヒートシールダイのジョーの間を包装フィルムが通るように開位置にあるこの発明の一つ又はそれ以上の実施態様によるヒートシールダイの断面図。
【図5】包装材料をジョーの間でヒートシールするために閉位置にあるこの発明の一つ又はそれ以上の実施態様によるヒートシールダイの断面図。
【図6】この発明の一つ又はそれ以上の実施態様によるヒートシールダイの閉位置で柔軟な加圧部材が除かれた断面図。
【図7】この発明の一つ又はそれ以上の実施態様によるヒートシールダイの閉位置の断面図。
【図8】この発明の一つ又はそれ以上の実施態様によるヒートシールダイの閉位置で柔軟な加圧部材が除かれた断面図。
【図9】この発明の一つ又はそれ以上の実施態様によるヒートシールダイの閉位置の断面図。
【図10】この発明の一つ又はそれ以上の実施態様によるヒートシールダイの閉位置で柔軟な加圧部材が除かれた断面図。
【図11】この発明の一つ又はそれ以上の実施態様によるヒートシールダイの開位置の断面図。
【図12】この発明の一つ又はそれ以上の実施態様によるヒートシールダイの閉位置の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここに示された好ましい実施態様を含むこの発明の種々の特徴についてこれから見ていく。各例は、この発明の実施態様を説明するために与えられているもので、この発明を限定するためではない。事実、この発明の精神又は範囲から外れることなくこの発明に種々の修正及び変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。例えば、実施態様の一部として図示説明された特徴は、別の実施態様を生み出すために他の実施態様に使用できる。かくて、この発明はこのような修正や変更を添付された請求項およびその均等手段の範囲に含むことを意図している。
【0010】
この発明の態様に従うヒートシールダイは、ソースや他の包装に信頼できるヒートシール部を形成するために開発されてきた。ヒートシール領域に固い粒状の物体があると欠陥のあるシール部ができ易い従来のヒートシールダイとは異なり、このヒートシールダイは、包装のヒートシール領域に捉えられた物体の回りにヒートシールダイが密封シールを形成できる圧縮可能なダイ部材を有している。
【0011】
ある実施態様においては、圧縮性の柔軟部材は、ヒートシールダイから取り外し可能であり、ヒートシールダイは、ダイの中にこの圧縮性柔軟部材があっても無くてもヒートシール部を形成することができる。この様な特徴は、このヒートシールダイを二つの異なるヒートシールモードで作用させることが可能である。一つのモードでは、ヒートシール部は、第一ジョーの凸部と第二ジョーに位置した圧縮性部材との間のヒートシール形成中間部において形成されてもよい。第二モードでは、ヒートシール部は、第一ジョーの平坦面と第二ジョーの第二平坦面との間の第二ヒートシール形成中間部において形成されてもよい。
【0012】
このヒートシールジョーは、装置速度を増すために、ダイの溝の表面を通って圧縮性部材へと熱を効率よく伝達する。しかも、圧縮性物体の使用はダイが柔軟な包装をより優しくヒートシールさせることを可能にし、包装材に掛かるストレスを軽減させる。従って、ある実施態様では、ヒートシールダイは、形成、充填、包装のインラインで使用できる。さらに、ある実施態様では、ヒートシールダイは、フォイルバリアー層を有する包装材と共に用いることができる。有利には、柔軟性部材は、ダイがフォイルバリアーを壊すことなくヒートシール部を形成させる。
【0013】
ここに説明されたヒートシールダイと方法は、本質的にはどんな製品の包装にも有益である。有利には、ヒートシールダイと方法は、ソースを入れる包装をヒートシールするのに特に有用である。ここに使用されている「ソース」という用語は、固形粒子を含む実質的に液体の食品のことをいう。ある実施態様においては、ヒートシールダイと方法は、薬のような医療品を入れる包装のヒートシールにも有用である。このダイは種々の化学物質、例、オイル、クリーナー液、エチレングリコール又はペンキなどを入れる柔軟な包装と容器にも使用できる。ある実施態様によれば、このヒートシールダイと方法は、柔軟な部分制御包装に製品を包装する、複数レーン形態の充填、シールパッケージシステムに有用である。
【0014】
ここに用いている「有する」、「有している」、「含む」、「含んでいる」という用語は、反対の意味が明示されていない限り、開放エンドの非限定の用語であることが意図されている。
ヒートシールダイ
【0015】
この出願は、シール包装を作るための改良されたヒートシールダイと方法を提供する。特定の実施態様によれば、この出願は、圧縮性ダイ部材を有するヒートシールダイを提供する。
【0016】
図を参照して、ここでは同じ番号は別の図においても同じ部材を指示しているが、図2は第一ヒートシールジョー10と第二ヒートシールジョー12を有するヒートシールダイの実施態様を示す。第一ヒートシールジョー10と第二ヒートシールジョー12は、伝熱性材料、例スチールを有していても良い。ヒートシールジョー10,12の望ましい材料はダイの作動温度、ダイから受ける圧縮力、および他の状況を考慮して変えてもよい。さらに、ヒートシールジョー10,12は、ヒートシール作業中に、包装材料がヒートシールジョー10、12から開放されるのを改良するためにコーティングを有していても良い。
【0017】
第一ヒートシールジョー10と第二ヒートシールジョー12は、このジョーの中を長手方向に延びる導管22を有していても良い。この導管22は熱源に連結されている。例えば、電熱要素がこの導管22内に挿入される。代わりにこの導管22は、蒸気源のような伝熱流体源に連結されている。蒸気その他の伝熱流体は導管22の中を循環し、ポリマーフィルムをヒートシールするのに適した温度まで第一ヒートシールジョー10と第二ヒートシールジョー12を加熱する。ある実施態様においては、ヒートシールジョー10、12の両方が加熱される。
【0018】
第一ヒートシールジョー10は、第一ヒートシール面15を有しており、これは第一ヒートシール面15の長手方向に延びる一連の凸部14により一部が形成されている。第二ヒートシールジョー12は第二ヒートシール面17を有しており、これは第二ヒートシール面17の長手方向に延びる一連の別体の柔軟な圧縮性部材18により一部形成されている。ここで使われている「ヒートシール面」、または「ヒートシールをする面」なる用語は、ヒートシールダイのジョーの面に関して使われている時は、包装材料に熱及び/又は圧力を加えるダイの面で、この面において、ダイが包装材料に接しこの材料にヒートシール部を生じる面を言う。
【0019】
ある実施態様においては、柔軟な圧縮性部材18は、図示のように溝16の中に保持されている。圧縮性部材18は摩擦によりこの位置に保持されている。代わりにこの圧縮性部材18は、溝16内に接着剤またはその他の固定具により取り付けられていてもよい。溝16と柔軟な圧縮性部材18は、第一ヒートシールジョー10と第二ヒートシールジョー12が共にクランプされた時に、第一ヒートシールジョー10の凸部14を受け合わさるように位置付けされている。
【0020】
切断溝20は、切断ブレードを受容するためにヒートシールジョー10,12に設けられている。切断ブレード20は、切断溝20を通り、ヒートシール部を形成中又は形成直後に、包装材料を切断する。切断ブレードは、ヒートシールダイのジョー10、12の運動を制御するのと同じか異なるアクチュエータにより制御される。
【0021】
柔軟な圧縮性部材18は、ヒートシールダイの動作温度において使用に適した柔軟に圧縮できる材料を有している。柔軟に圧縮できる材料18は、色々な圧縮性材料から作ってもよいが、シリコンラバーと高温ポリウレタンが柔軟圧縮性部材18の例示の材料である。特に、柔軟な圧縮性部材18は、長さ方向に一様な直径を有する引き抜きシリコンラバーのロープとして形成されていてもよい。このロープは所望長さの個々の部材に切断され、個々の部材は図示のように溝16に設置される。従って、柔軟な圧縮性部材18は実質的に円筒状の形をしている。
【0022】
図3に示されるように、複数の凸部14の各々は、第二ヒートシールジョー12の複数溝16の一つに延びるように形成され、これにより、第一ヒートシールジョー10と第二ヒートシールジョー12が圧縮された時、溝16に対応する柔軟な圧縮性部材18を圧縮する。さらに、柔軟な圧縮性部材18は第一ヒートシールジョー10と第二ヒートシールジョーが共にクランプされた時に圧縮する。そうすることで、柔軟な圧縮性部材18は、凸部14が溝16内に受容されたとき凸部14の面に緊密に倣う。凸部14が溝16内に移動する距離は、ヒートシールジョー10、12に加わるクランプ力の大きさと柔軟な圧縮部材18の圧縮性に依存している。ヒートシールジョー10、12がその開位置に戻された時、柔軟な圧縮性部材18は、図2に示されているような無変形の原形に戻る。
【0023】
或る実施態様では、柔軟な圧縮性部材18は、オプションである高圧縮ヒートシール機能を持たせるために、溝16から取外せる。図6に示されているように、溝16は、柔軟な圧縮性部材18が取外され、ヒートシールジョー10、12が噛み合わされたときに凸部14の全体を収容できる大きさに形成されているのがよい。この特徴により、必要ならばヒートシールダイを交換する必要なく高い圧力がポリマーフィルムに加えられる。従って、このヒートシールダイは、柔軟な圧縮性部材18を伴い又は伴わなくてもヒートシール部を形成することができる。
【0024】
ある実施態様においては、ヒートシールダイは、柔軟な圧縮性部材が溝にあるときには、凸部の第一面がヒートシール形成のために使われ、柔軟な圧縮性部材が取外されたときは、凸部の第二面が使われる。図7と8に示されているように、第一ヒートシールジョー50は複数の凸部66を有している。少なくとも一つの凸部66が尖頭60と一対の平面62とを有している。凸部66のこの対の平面62は、それらの間に角度αを形成する。第二ヒートシールジョー52は、複数の溝58を有している。少なくとも一つの溝58が柔軟な圧縮性部材56を有している。第二ヒートシールジョー52は溝58に隣接して位置する一つ又はそれ以上の凸部67を有している。例えば、少なくとも一つの溝58が溝58の両側にある二つの凸部67を有している。各凸部67は、平坦面64を有している。隣接する凸部67の平坦面64はその間に角度βを形成する。角度αとβは同じかほぼ同じである。例えば、角度αとβは約45度と約90度の間又は約60度である。
【0025】
第一のヒートシールモードでは、図7に示されるように、ヒートシール作用部54が凸部66の尖頭60と圧縮性部材56との間に形成される。第二ヒートシールモードでは、図8に示されるように、ヒートシール作用部68は、第一ジョー50の尖頭60が第二ジョー52の溝58内に進入する時に、第一ジョー50の平坦面62と第二ジョー52の平坦面64との間に形成される。
【0026】
上の実施態様においては、柔軟な圧縮性部材は溝の壁を通して加熱され、熱は圧縮性部材に伝えられることが判る。それゆえ、熱は圧縮性部材の周りの約180度から圧縮性部材に伝えられる。ある実施態様では、圧縮性部材の形に一致する溝の形を取ることで熱伝達が促進される。例えば、図9と10に示されるように、ヒートシールダイは第一ジョー70と一つ又はそれ以上の圧縮性部材を容れる一つ又はそれ以上の溝74を有している。溝74は、円筒形の圧縮性部材の形に緊密に一致する円筒状側壁を有している。圧縮性部材は、第二ヒートシールモードでの動作を可能にするために溝から取り除ける。図10に示されるように、第一ジョー70の尖頭76は第二ジョー72の溝74の中に入り込んで、ヒートシール部が第一ジョー70の平坦面78と第二ジョー72の平坦面80との間で形成されるようにされる。
【0027】
ある実施態様では、ヒートシールダイは二部分のヒートシール部を形成し、その第一部分は圧縮性作用部により形成され、その第二部分は、非圧縮性作用部により形成される。例えば、包装内に入れられた製品に接するヒートシール部分は圧縮性作用部により形成され、製品から離れているヒートシール部分は非圧縮性の作用部により形成される。例えば図11と12に示されるように、第一ヒートシールジョー82はヒートシールジョー82の手元側面に凸部90を有し、ヒートシールジョー82の反対側面に複数の平坦面92を有している。第二ヒートシールジョー84は、ヒートシールジョー82と84が閉じた位置に移動したときヒートシールジョー82の平坦面94との非圧縮性ヒートシール形成作用部98を形成するような複数の平坦面96を有している。ヒートシールジョー84はさらに圧縮性部材88を容れる溝86を有している。この溝86は、第一ジョー82の凸部90と整合しており、圧縮性ヒートシール形成作用部100が凸部90の尖頭92と圧縮性部材88との間に形成されるようになっている。
【0028】
ヒートシールダイはさらにここに図示又は説明されていないその他の部材を有していても良い。例えば、ヒートシールダイは開位置と閉位置との間でヒートシールダイのジョーを動かせるアクチュエータ、ジョーから受ける圧縮力を検出又は計測するセンサー、ジョーの異なる面の温度を制御するための加熱及び/又は冷却要素及びヒートシールダイのジョーの間で、包装材料の供給レートを制御する又は整合させるための供給ローラーその他の供給装置などを有していてもよい。この様な機構は当業者には知られているので、ここでこれ以上の説明はしない。
シールされた包装の製造
【0029】
その他の態様では、この出願はこの改良されたヒートシールダイを使用してシールされた包装を作る方法を与える。図4に示されているように、ヒートシールできる二層のヒートシール可能なポリマーフィルム24、26が第一ヒートシールジョー10と第二ヒートシールジョー12との間でヒートシールダイを通って供給される。図には二つの別々のポリマーフィルム層が示されているが、ある実施態様では、層24、26は一緒にラミネートされた二つ又はそれ以上のフィルム層を含む。いずれにしてもフィルム層24に面するフィルム層26の表面は、フィルム層26に面するフィルム層24の面にヒートシールできる。そのようにして、二つの層が互いに圧縮され熱が加えられると、図5に示されるように、層24、26は、これらの層24、26に熱と圧力が加えられた箇所においてヒートシールされる。
【0030】
層24、26がヒートシールされると、オプションとして、先行する包装の後端シール部と後続の包装の前端シール部との間で隣り合う包装を分離するために、隣り合う包装は切断溝20を通して切断刃を入れて切り離される。ヒートシールジョー10、12は、次に図4の位置に戻され、フィーダーが層24、26を所定の距離だけ進める。ヒートシールジョー10、12は次いで再び作動されて新しいヒートシール部を形成するためクランプされる。シールが形成された後ヒートシールジョーが閉位置から、フィーダーが包装材料を送る開位置へ運動し、再び閉位置へ戻りヒートシールが形成される運動の期間が一サイクルを成す。
【0031】
圧縮性部材16を図示のような形で使用することが、漏れ事故の少ない密封シールが包装フィルムに信頼性を持って形成されるのに有利であることがわかった。これは特に複数レーンの充填、シールシステムを使用して特に、柔軟性部分を制御してソースを包装をするときに有益である。従来のヒートシールダイにおいては、包装のヒートシール領域に捉えられた固形粒子はヒートシールジョーのヒートシール面が層24、26に十分な圧力を加えて密封シールを形成するのを妨げることがある。柔軟な圧縮性部材18は、ヒートシール領域に捉えられた固形粒子の回りを倣って圧縮し、粒子の回りにヒートシールを形成させる。
【0032】
先に述べたように、層24,26の夫々は一つ又はそれ以上のフィルム層を有していても良い。層24、26の包装に内容物に面する表面はヒートシールできる材料を有している。従って、ポリオレフィン、ポリアミド及びその他の熱可塑性プラスチックポリマーを含むがこれに限定されない色々なポリマー材料が、層24、26のために使用できる。加えて、層24、26は、ポリエチレンテレフタレート(PET)及び/又は金属フィルムのように、包装に対して改良されたバリアー特性を与えるヒートシール可能な層にラミネートされた追加のフィルム層を有していても良い。ある実施態様においては、改良されたバリアー特性のために一つ又はそれ以上の層24、26がフォイル層を有している。
【0033】
幾つかの実施態様において、第一ヒートシールジョー10の第一ヒートシール面は、複数の凸部14を有している。複数の凸部14の夫々は複数の溝16の一つに入り込むように延出され、それにより、第一ヒートシールジョー10と第二ヒートシールジョー12が互いに押し合うとき、この溝に対応する柔軟な圧縮性部材18を圧縮する。或る実施態様においては、方法はさらに第一ヒートシールジョー10と第二ヒートシールジョー12を圧縮状態に保ちヒートシール部を形成するステップを含んでいる。
【0034】
ある実施態様においては、ヒートシールダイは、形成、充填、包装プロセスのインラインの一部として使用される。有利なのは、柔軟な圧縮性部材18を持つヒートシールダイは、密封シールをこのようなインラインプロセスにおける使用に適するレートで信頼性を持って形成できる。
【0035】
上の既述はこの発明の好ましい実施態様にのみに関連していること及び以下の請求項に規定されたこの発明とその均等物の一般的な精神と範囲を外れることなく数々の変更と修正ができることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のヒートシール面を有する第一ヒートシールジョーと、
少なくとも一つの溝と少なくとも一つのこの溝に容れられた少なくとも一つの柔軟な圧縮性部材であって、この少なくとも一つの柔軟な圧縮性部材は第二のヒートシール面の少なくとも一部を形成している圧縮性部材とを有するヒートシールダイであって、
該ヒートシールダイは、該第一のヒートシール面と該第二のヒートシール面との間に圧縮されている包装の箇所において該包装にヒートシール部を形成するように構成されているヒートシールダイ。
【請求項2】
該ヒートシールダイが複数の柔軟な圧縮性部材を有する請求項1に記載されたヒートシールダイ。
【請求項3】
該第一ヒートシールジョーの第一ヒートシール面が複数の凸部を有している請求項1に記載されたヒートシールダイ。
【請求項4】
該複数の凸部の一つが該少なくとも一つの溝内に延出しており、それにより該第一ヒートシールジョーと第二ヒートシールジョーが互いに圧縮されたとき該少なくとも一つの柔軟な圧縮性部材を圧縮する請求項3に記載されたヒートシールダイ。
【請求項5】
該少なくとも一つの柔軟な圧縮性部材がシリコンラバー又は高温ポリウレタンを有する請求項1に記載されたヒートシールダイ。
【請求項6】
該少なくとも一つの柔軟な圧縮性部材が、長手方向に一様な直径を有する実質的に円筒状である請求項1に記載されたヒートシールダイ。
【請求項7】
該少なくとも一つの柔軟な圧縮性部材が第二ヒートシールジョーから取外し可能であり、該ヒートシールダイの中に該少なくとも一つの柔軟な圧縮性部材が存在しないときにも該ヒートシールダイがヒートシール部を形成するように作用できる請求項1に記載されたヒートシールダイ。
【請求項8】
該ヒートシールダイは二部分のヒートシール部を形成するように構成され、該ヒートシール部の第一部分は圧縮可能なヒートシール形成作用部内に形成され、第二部分が非圧縮性ヒートシール形成作用部に形成される請求項1に記載されたヒートシールダイ。
【請求項9】
複数の凸部を有する第一ヒートシールジョーで、該凸部が第一ヒートシール面の少なくとも一部を形成する第一ヒートシールジョーと、
複数の溝を有する第二ヒートシールジョーで、該ヒートシールダイが第一ヒートシールジョーと第二ヒートシールジョーを互いに圧縮するとき該複数の溝の夫々が該第一ヒートシールジョーの複数の凸部の一つを受ける第二ヒートシールジョーと、
該第二ヒートシールジョーに対して、その各々が第二ヒートシールジョーの複数の溝の一つに取外し可能に取付けられた複数の柔軟な圧縮性部材とを有するヒートシールダイであって、該複数の柔軟な圧縮性部材の夫々が、第一ヒートシールジョーの凸部の一つに圧縮されたとき、柔軟に変形するように構成されており、該複数の柔軟な圧縮性部材が、第二ヒートシールジョーの溝内に配置されたとき、第二ヒートシール面の少なくとも一部を形成するヒートシールダイ。
【請求項10】
該複数の柔軟な圧縮性部材はシリコンラバーを有する請求項9に記載されたヒートシールダイ。
【請求項11】
該複数の柔軟な圧縮性部材の夫々がその長さ方向に一様な直径を有する実質的な円筒状である請求項9に記載されたヒートシールダイ。
【請求項12】
該複数の柔軟な圧縮性部材は第二ヒートシールジョーから取外し可能であり、該ヒートシールダイは該ヒートシールダイの中に該複数の柔軟な圧縮性部材が存在しないときに該ヒートシールダイがヒートシール部を形成するように作用できる請求項9に記載されたヒートシールダイ。
【請求項13】
ヒートシール可能な第一と第二の層を有する包装をヒートシールする方法が、
第一ヒートシール面を有する第一ヒートシールジョーと、溝と柔軟な圧縮性部材で、該圧縮性部材は該溝内に容れられるとともに第二ヒートシール面の少なくとも一部を形成する柔軟な圧縮性部材とを有する第二ヒートシールジョーを有するヒートシールダイを準備することと、
該ヒートシール可能な第一と第二の層を第一ヒートシールジョーと第二ヒートシールジョーとの間に供給することと、
第一ヒートシールジョーと第二ヒートシールジョーとを該ヒートシール可能な第一と第二の層との周りで圧縮して、該複数の柔軟な圧縮性部材を変形させ該ヒートシール可能な第一と第二の層との間にヒートシール部を形成することとを有するヒートシール方法。
【請求項14】
該第一ヒートシールジョーの第一ヒートシール面は複数の凸部を有する請求項13に記載されたヒートシール方法。
【請求項15】
該第二ヒートシールジョーは複数の柔軟な圧縮性部材と複数の溝とを有しており、複数の柔軟な圧縮性部材の各々が該複数の一つに配置され、該複数の凸部の各々は該複数の溝の一つの中に延出して、該第一ヒートシールジョーと第二ヒートシールジョーが共に圧縮されたときに、該溝に対応する柔軟な圧縮性部材を圧縮する請求項14に記載されたヒートシール方法。
【請求項16】
該柔軟な圧縮性部材はシリコンラバー又は高温ポリウレタンを有する請求項13に記載されたヒートシール方法。
【請求項17】
該柔軟な圧縮性部材は、その長さ方向に一様な直径を有する実質的に円筒状である請求項13に記載されたヒートシール方法。
【請求項18】
該包装がさらにフォイル層を有する請求項13に記載されたヒートシール方法。
【請求項19】
該柔軟な圧縮性部材は、該第二ヒートシールジョーから取外し可能であり、該ヒートシールダイは、該ヒートシールダイの中に該圧縮性部材が存在しないときにヒートシール部を形成するように作用できる請求項13に記載されたヒートシール方法。
【請求項20】
該ヒートシールダイは、二部分ヒートシール部を形成するように構成されており、第一部分は圧縮可能なヒートシール形成作用部内で形成され、第二部分は非圧縮性ヒートシール形成作用部において形成される請求項13に記載されたヒートシール方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2012−532075(P2012−532075A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519580(P2012−519580)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/040601
【国際公開番号】WO2011/002885
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(503152107)プリントパック イリノイ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】