説明

圧電式加速度センサ

【課題】 製造が容易で、量産性に優れ、出力感度に優れた高感度な圧電式加速度センサを提供することにある。
【解決手段】 矩形状の電気機械変換素子12と電気機械変換素子12を支持するU字型支持部材16と、電気機械変換素子12及びU字型支持部材16を搭載するケース17から構成される圧電式加速度センサ11であって、U字型支持部材16はU字型支持部材ベース部16bを有し、U字型支持部材ベース部16bは電気機械変換素子12を取付けて支持することによって、電気機械変換素子12とU字型支持部材16が電気的に直接接続されるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動を検知するために用いられる圧電式加速度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
加速度を検出する方法については、従来から様々な方式の提案がなされ実用化されている。その中でも、圧電振動子の撓みを利用したベンディング型圧電式加速度センサは、構造が簡単で低コスト化に優れるため、広く採用されている。例えば、特許文献1では、ハウジングに固定された縁の端部と、空洞部内を自由に延びている片持ち梁部分とを有する圧電セラミックの梁を備えた片持ち梁型の圧電セラミック式加速度計が開示されている。また特許文献2では、段差のついた基板上にセラミック矩形板を固定して両持ち梁構造を構成し、更にスルーホールを基板に設けることで小型化を図ったSMD型加速度センサに関して開示されている。
【0003】
従来のベンディング型圧電式加速度センサの原理を説明する。図6は、従来のベンディング型圧電式加速度センサの概略を示す正面断面図で、図6(a)は点固定の場合を示す図、図6(b)は平面固定の場合を示す図である。圧電セラミック板83は、チタン酸ジルコン酸鉛(以下、PZTと記す)等の圧電材料により成り、圧電セラミック板83の上面と下面に銀ペースト等を塗布することにより上電極84と下電極85を形成する。上電極84と下電極85を用いて図中矢印の方向に一様に分極処理を施して圧電振動子である電気機械変換素子82を構成し、2つの点で固定する支持部材86、または平面で固定する支持部材87に設置されている。加速度が電気機械変換素子82に与えられたとき、電気機械変換素子82には加速度に比例する慣性力が働き、歪みが生じる。その結果、電気機械変換素子82表面の上電極84および下電極85に、図中に示すような逆符号の電荷および電圧が生じ、この電荷および電圧を検出することにより加速度を求めることができる。
【0004】
近年、DVD/BDレコーダやテレビ、携帯機器などの電子機器に搭載される電子部品の数はますます増加し精密さを増している。それにつれて、それら電子機器の信頼性に対する要求は高まる一方である。そのなかで、電子機器に対して発生する衝撃や電子機器自身が発する振動を検知するために、加速度センサを搭載することが求められている。このような電子機器の振動検知に用いられるような小型の加速度センサに対しては、小型、低価格でありながら加速度センサ単体で高い出力感度が得られることが求められている。
【0005】
図7は、従来の圧電式加速度センサの概略図で、図7(a)はケースの蓋を省略した平面図、図7(b)は図7(a)のA−A線に於ける正面断面図である。ここで、図7においては、図7(a)のケースの蓋98は省略している。従来の圧電式加速度センサ91は、主に加速度検知素子となる圧電振動子として圧電セラミック板93に上電極94と下電極95を形成した電気機械変換素子92と、増幅回路等の搭載や電気機械変換素子92と信号出力ケーブル100間の電気的な接続をする導通パターン形成のための矩形型支持部材96と、電気機械変換素子92と矩形型支持部材96を固定搭載するケース97と、ケースの蓋98から成る。電気機械変換素子92と矩形型支持部材96は導電線材99a及び導電線材99bによって電気的に接続され、矩形型支持部材96からは信号出力用の信号出力ケーブル100に電気的に接続され、圧電式加速度センサ91の検出信号が出力される。また、ケース97は電気機械変換素子92を両持ち梁構造で固定し、かつ電気機械変換素子92が中央部で撓むことを妨げないように、ケース中央部にケース溝97aが設けられている。
【0006】
しかし、このような構成では、電気機械変換素子92と矩形型支持部材96を導電線材99a及び導電線材99bにより半田等で接続する必要があり、工程の増加や、半田量、半田時間による出力感度のばらつきの原因につながること、ケース97に搭載し全ての部材を接着しないと圧電式加速度センサ91として検査をすることができないことなどの問題が生じる。
【0007】
また、両持ち梁構造や片持ち梁構造によって電気機械変換素子を支持する場合、電気機械変換素子の変位量からの推定値と比較して出力感度が得られないことが知られている。原因としては、図6(a)に示すように電気機械変換素子82が支持部と点で固定されず、実際には図6(b)に示すように2つの平面固定している支持部材87により平面で固定されているために、電気機械変換素子82の中央部と支持部材87での固定部に変曲点が現れ、その結果、電気機械変換素子82の中央部と支持部材87近傍とで逆符号の電荷が発生し、多くの電荷が相殺されてしまい感度低下することがあった。
【0008】
その解決策として、特許文献3において、圧電体の長さ方向において中央領域を挟んだ両側の外側領域が中央領域とは厚み方向において逆方向に分極処理され、加速度による発生した電荷に基づく電圧をより効果的に取り出すことができる加速度センサが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特表平5−505236号公報
【特許文献2】特開平9−26431号公報
【特許文献3】特開2000−121661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、従来の圧電式加速度センサは、動作確認検査が容易に行えない構成である問題や、電気機械変換素子の支持部材での固定部の変曲点近傍では、双方の分極が相殺されてしまい十分に分極が行われない部分が現れ、電気機械変換素子に生じた歪みを十分に電荷に変換することができない問題があった。また、電荷の相殺が起こらないように、電気機械変換素子内で分極時に変曲点での分極方向を反転させる特許文献3のような方法では、製造が複雑になり量産性に欠けるなどの問題が発生していた。
【0011】
そこで本発明の目的は、製造が容易で、量産性に優れ、出力感度に優れた圧電式加速度センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明は、圧電式加速度センサに於ける支持部材ベース部に、電気機械変換素子、圧電ユニモルフまたは圧電バイモルフからなる圧電振動子の一部が支持され、支持部材と電気的に接続された圧電式加速度センサを構成したものである。
【0013】
すなわち、本発明によれば、矩形状の圧電振動子と前記圧電振動子を支持する支持部材と、前記圧電振動子及び前記支持部材を搭載するケースを備える圧電式加速度センサであって、前記支持部材は支持部材ベース部を有し、前記支持部材ベース部は前記圧電振動子を取付けて支持することによって、前記圧電振動子と前記支持部材が電気的に接続されることを特徴とした圧電式加速度センサが得られる。
【0014】
また、本発明によれば、前記圧電振動子は、圧電セラミック板の一対の主面に電極が一様に形成され、厚み方向に一様に分極処理が施された電気機械変換素子であることを特徴とする上記の圧電式加速度センサが得られる。
【0015】
また、本発明によれば、前記圧電振動子は、矩形状で導電経路を有する板状弾性材に長さ方向に対称となるように前記電気機械変換素子を取付けることで得られる圧電ユニモルフまたは圧電バイモルフであることを特徴とする上記の圧電式加速度センサが得られる。
【0016】
また、本発明によれば、前記支持部材ベース部は、前記板状弾性材を取付けて支持することを特徴とする上記の圧電式加速度センサが得られる。
【0017】
また、本発明によれば、前記支持部材ベース部の長さL1と前記圧電振動子の幅W2との間にL1>W2の関係を有することを特徴とする上記の圧電式加速度センサが得られる。
【0018】
また、本発明によれば、前記圧電振動子の長さL2と前記板状弾性材の長さL3及び前記支持部材ベース部の幅W1の間に(L3−L2)/2>W1の関係を有することを特徴とする上記の圧電式加速度センサが得られる。
【0019】
また、本発明によれば、前記支持部材ベース部は、前記圧電振動子を両持ち梁構造で支持していることを特徴とする上記の圧電式加速度センサが得られる。
【0020】
また、本発明によれば、前記支持部材ベース部は、前記圧電振動子を片持ち梁構造で支持していることを特徴とする上記の圧電式加速度センサが得られる。
【0021】
また、本発明によれば、前記支持部材ベース部は、前記圧電振動子を中央支持構造で支持していることを特徴とする上記の圧電式加速度センサが得られる。
【発明の効果】
【0022】
本発明における圧電式加速度センサの場合、圧電振動子である電気機械変換素子が、支持部材に両持ち梁、片持ち梁、中央固定のいずれかの構造で支持され、かつ支持部である支持部材ベース部とパターン等によって電気的に直接接続されている。そのため、圧電振動子と支持部材を接続している導電線材を削減することができ、出力感度のばらつきの低減や工数の削減に繋げることができる。また、支持部材に圧電振動子を接着等の固定手段を用いて取付け、電気的に接続することによって、ケースに搭載せずに動作確認検査を行うことができる。従って、本発明により量産性に優れた圧電式加速度センサを提供することが出来る。
【0023】
さらに、本発明における圧電式加速度センサの場合、板状弾性材と板状弾性材に比べ十分小さい電気機械変換素子で構成される圧電ユニモルフまたは圧電バイモルフを検出素子として用いることで、圧電ユニモルフまたは圧電バイモルフの電気機械変換素子が支持部材ベース部と直接支持されず、変曲点が電気機械変換素子部分ではなく板状弾性材部分に現れるようにすることが可能になる。その結果、従来のように単純で一様な電極および分極方向を持った電気機械変換素子を用いても、電荷の相殺による感度低下が起こらない。従って、本発明により、出力感度に優れ、製造が容易である加速度センサを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係わる両持ち梁構造の圧電式加速度センサの概略図で、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のA−A線に於ける正面断面図である。
【図2】本発明に係わる片持ち梁構造の圧電式加速度センサの概略図で、図2(a)は平面図、図2(b)は図2(a)のA−A線に於ける正面断面図である。
【図3】本発明に係わる中央支持構造の圧電式加速度センサの概略図で、図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)のA−A線に於ける正面断面図である。
【図4】本発明に係わる圧電ユニモルフを用いた圧電式加速度センサの概略図で、図4(a)は平面図、図4(b)は図4(a)のA−A線に於ける正面断面図である。
【図5】本発明に係わる圧電式加速度センサに用いられる圧電ユニモルフの概略を示す正面断面図で、図5(a)は静止時を示す図、図5(b)は動作時を示す図である。
【図6】従来のベンディング型圧電式加速度センサの概略を示す正面断面図で、図6(a)は点固定の場合を示す図、図6(b)は平面固定の場合を示す図である。
【図7】従来の圧電式加速度センサの概略図で、図7(a)は平面図、図7(b)は図7(a)のA−A線に於ける正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の圧電式加速度センサは、支持部材と圧電振動子が電気的に接続して構成されている。支持部材は、U字型、L字型、T字型、I字型等の形状で圧電振動子を支持する支持部材ベース部を有することが好ましいが、これらの形状に限定されず、圧電振動子を支持する形状の支持部材ベース部を有する構造であれば良い。
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、本発明に係わる両持ち梁構造の圧電式加速度センサの概略図で、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のAーA線に於ける正面断面図である。ここで、図1(a)において、ケースの蓋18は省略している。本実施の形態の圧電式加速度センサ11は、主に圧電振動子である電気機械変換素子12と、電気機械変換素子12を支持しているU字型支持部材16と、更にU字型支持部材16を固定搭載するケース17と、ケースの蓋18からなる。
【0028】
電気機械変換素子12は、矩形状の圧電セラミック板13の一対の主面に上電極14と下電極15が一様に形成された、加速度検知素子となる圧電振動子である。電気機械変換素子12は厚み方向に一様に分極処理が施されている。U字型支持部材16は、四角形の一辺の中央部を切り欠いて形成され、U字の先端部分がU字型支持部材ベース部16bとなり、残りの領域をU字型支持部材矩形部16aとする。電気機械変換素子12は、U字型支持部材ベース部16bに両持ち梁構造で支持されている。電気機械変換素子12の上電極14とU字型支持部材矩形部16aは、リード線等の導電線材19で半田等により電気的に接続されている。また、U字型支持部材ベース部16bには、電気機械変換素子12の下電極15と電気的に接続するための端子が形成されており、導電接着剤等で接着固定されている。U字型支持部材ベース部16bの端子部分からはU字型支持部材矩形部16aへ導電経路であるパターン等が形成され、U字型支持部材矩形部16aからは、信号出力用の信号出力ケーブル20によって圧電式加速度センサ11の検出信号が出力される。U字型支持部材矩形部16aには、用途に応じて、増幅回路等の搭載も可能である。さらに、ケース17に電気機械変換素子12が接着固定されたU字型支持部材16を、熱硬化性エポキシ樹脂等で接着し、ケースの蓋18を圧入等でケース17と固定して圧電式加速度センサ11を作製する。
【0029】
圧電式加速度センサ11に、垂直方向に加速度が加えられると、電気機械変換素子12の中心部が撓み、上電極14と下電極15の間に加速度に比例した電圧が発生し、その電圧は導電線材19およびU字型支持部材ベース部16b上の端子を介してU字型支持部材16に入力され、圧電式加速度センサ11の出力信号は、信号出力ケーブル20を通して外部に出力される。図1における、支持部材ベース部の長さL1、支持部材ベース部の幅W1、圧電振動子の長さL2、圧電振動子の幅W2の説明は後述する。
【0030】
本発明における実施の形態1により、U字型支持部材を用いてU字型支持部材ベース部と電気機械変換素子を直接接続することで、電気機械変換素子と支持部材を電気的に接続している導電線材が1本不要になり、工程の削減を図ることが出来るとともに出力感度のばらつきの低減も図れる。また、U字型支持部材の一部であるU字型支持部材ベース部に、圧電振動子を接続しているので、中央部の撓みに対応するケース中央部のケース溝を必要とせず、ケースの小型化が実現できる。さらに、U字型支持部材と電気機械変換素子を接着、接続するだけで、圧電式加速度センサの動作確認検査をすることができ、品質の向上を図ることができる。
【0031】
(実施の形態2)
図2は、本発明に係わる片持ち梁構造の圧電式加速度センサの概略図で、図2(a)は平面図、図2(b)は図2(a)のA−A線に於ける正面断面図である。実施の形態1と同じ部材は、同じ符号とした。ここで、図2(a)において、ケースの蓋18は省略している。本実施の形態の圧電式加速度センサ31は、主に圧電振動子である電気機械変換素子12と、電気機械変換素子12を支持しているL字型支持部材36と、更にL字型支持部材36を固定搭載するケース17と、ケースの蓋18からなる。
【0032】
電気機械変換素子12は、矩形状の圧電セラミック板13の一対の主面に上電極14と下電極15が一様に形成された、加速度検知素子となる圧電振動子である。電気機械変換素子12は厚み方向に一様に分極処理が施されている。L字型支持部材36は、四角形の一辺の片端部を切り欠いて形成され、L字の先端部分がL字型支持部材ベース部36bとなり、残りの領域をL字型支持部材矩形部36aとする。電気機械変換素子12は、L字型支持部材ベース部36bに接着され、片持ち梁構造に支持されている。電気機械変換素子12の上電極14とL字型支持部材矩形部36aは、リード線等の導電線材19で半田等により電気的に接続されている。また、L字型支持部材ベース部36bには、電気機械変換素子12の下電極15と電気的に接続されるための端子が形成されており、導電接着剤等で接着固定されている。L字型支持部材ベース部36bの端子部分からはL字型支持部材矩形部36aへ導電経路であるパターン等が形成され、L字型支持部材矩形部16aからは、信号出力用の信号出力ケーブル20によって圧電式加速度センサ31の検出信号が出力される。L字型支持部材矩形部36aには、用途に応じて、増幅回路等の搭載も可能である。さらに、ケース17に電気機械変換素子12が接着固定されたL字型支持部材36を、熱硬化性エポキシ樹脂等で接着し、ケースの蓋18を圧入等でケース17と固定して圧電式加速度センサ31を作製する。
【0033】
圧電式加速度センサ31に、垂直方向に加速度が加えられると、電気機械変換素子12の片端部が撓み、上電極14と下電極15の間に加速度に比例した電圧が発生し、その電圧を導電線材19およびL字型支持部材ベース部36b上の端子を介してL字型支持部材36に入力され、圧電式加速度センサ31の出力信号は、信号出力ケーブル20を通して外部に出力される。本実施の形態は、片持ち梁構造のため、実施の形態1の両持ち梁構造と比較して感度を向上させることが可能となる。図2における、支持部材ベース部の長さL1、支持部材ベース部の幅W1、圧電振動子の長さL2、圧電振動子の幅W2の説明は後述する。
【0034】
本発明における実施の形態2により、L字型支持部材を用いてL字型支持部材ベース部と電気機械変換素子を直接接続することで、電気機械変換素子と支持部材を電気的に接続している導電線材が1本不要になり、工程の削減を図ることが出来るとともに出力感度のばらつきの低減も図れる。また、L字型支持部材の一部であるL字型支持部材ベース部に、電気機械変換素子を接続しているので、片端部の撓みに対応するケース溝を必要とせず、ケースの小型化が実現できる。さらに、L字型支持部材と電気機械変換素子を接着、接続するだけで、圧電式加速度センサの動作確認検査をすることができ、品質の向上を図ることができる。
【0035】
(実施の形態3)
図3は、本発明に係わる中央支持構造の圧電式加速度センサの概略図で、図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)のA−A線に於ける正面断面図である。実施の形態1と同じ部材は、同じ符号とした。ここで、図3(a)において、ケースの蓋18は省略している。本実施の形態の圧電式加速度センサ41は、主に圧電振動子である電気機械変換素子12と、電気機械変換素子12を支持しているT字型支持部材46と、更にT字型支持部材46を固定搭載するケース17と、ケースの蓋18からなる。
【0036】
電気機械変換素子12は、矩形状の圧電セラミック板13の一対の主面に上電極14と下電極15が一様に形成された、加速度検知素子となる圧電振動子である。電気機械変換素子12は厚み方向に一様に分極処理が施されている。T字型支持部材46は、四角形の一辺の両端部を切り欠いて形成され、T字の先端部分がT字型支持部材ベース部46bとなり、残りの領域をT字型支持部材矩形部46aとする。電気機械変換素子12は、T字型支持部材ベース部46bに接着され、中央支持構造に支持されている。電気機械変換素子12の上電極14とT字型支持部材矩形部46aは、リード線等の導電線材19で半田等により電気的に接続されている。また、T字型支持部材ベース部46bには、電気機械変換素子12の下電極15と電気的に接続するための端子が形成されており、導電接着剤等で接着固定されている。T字型支持部材ベース部46bの端子部分からはT字型支持部材矩形部46aへ導電経路であるパターン等が形成され、T字型支持部材矩形部46aからは、信号出力用の信号出力ケーブル20によって圧電式加速度センサ41の検出信号が出力される。T字型支持部材矩形部には、用途に応じて、増幅回路等の搭載も可能である。さらに、ケース17に電気機械変換素子12が接着固定されたT字型支持部材46を、熱硬化性エポキシ樹脂等で接着し、ケースの蓋18を圧入等でケース17と固定して圧電式加速度センサ41を作製する。
【0037】
圧電式加速度センサ41に、垂直方向に加速度を加えられると、電気機械変換素子12の両端部が撓み、上電極14と下電極15の間に、加速度に比例した電圧が発生し、その電圧を導電線材19およびT字型支持部材ベース部46b上の端子を介してT字型支持部材に入力され、圧電式加速度センサ41の出力信号は、信号出力ケーブル20を通して外部に出力される。図3における、支持部材ベース部の長さL1、支持部材ベース部の幅W1、圧電振動子の長さL2、圧電振動子の幅W2の説明は後述する。
【0038】
本発明における実施の形態3により、T字型支持部材を用いてT字型支持部材ベース部と電気機械変換素子を直接接続することで、電気機械変換素子と支持部材を電気的に接続している導電線材が1本不要になり、工程の削減を図ることが出来るとともに出力感度のばらつきの低減も図れる。また、T字型支持部材の一部であるT字型支持部材ベース部に、電気機械変換素子を接続しているので、両端部の撓みに対応するケース溝を必要とせず、ケースの小型化が実現できる。さらに、T字型支持部材と電気機械変換素子を接着、接続するだけで、圧電式加速度センサの動作確認検査をすることができ、品質向上に大いに貢献できる。なお、中央支持構造での支持部材は、T字型支持部材の他にI字型支持部材も使用可能である。
【0039】
実施の形態1〜3の圧電式加速度センサの電気機械変換素子を、板状弾性材に接着し圧電ユニモルフまたは圧電バイモルフに置き換えた構造にすることも可能である。このとき、板状弾性材の材料、厚さ寸法等を変化させることによって、出力感度、使用周波数帯、耐衝撃力などの仕様を、選択することができる。
【0040】
また、本発明の支持部材は、1組に限られるわけではなく、電気機械変換素子を、上下面で挟むように支持できる形状のベース部を有する支持部材2組でも良い。
【0041】
(実施の形態4)
図4は、本発明に係わる圧電ユニモルフを用いた圧電式加速度センサの概略図で、図4(a)は平面図、図4(b)は図4(a)のA−A線に於ける正面断面図である。ここで、図4においては、図4(a)のケースの蓋58は省略している。本実施の形態の圧電式加速度センサ51は、主に圧電ユニモルフ52と、圧電ユニモルフ52を支持しているU字型支持部材56と、更にU字型支持部材56を固定搭載するケース57と、ケースの蓋58からなる。
【0042】
本実施の形態では、圧電振動子として、矩形状の圧電セラミック板53と上電極54と下電極55からなる電気機械変換素子を、板状弾性材61の片面に長さ方向に対象となるように接着した圧電ユニモルフ52を使用した。板状弾性材61は、金属、セラミック、カーボン、樹脂等の弾性材料からなり、金属以外の材質の場合は、板状弾性材の表面に導電経路を有する構造とする必要がある。
【0043】
U字型支持部材56は、四角形の一辺の中央部を切り欠いて形成されてなり、U字の先端部分がU字型支持部材ベース部56bとなり、残りの領域をU字型支持部材矩形部56aとする。圧電ユニモルフ52の板状弾性材61は、U字型支持部材ベース部56bに接着され、両持ち梁構造で支持されている。圧電ユニモルフ52の上電極54とU字型支持部材矩形部56aは、リード線等の導電線材59で半田等により電気的に接続されている。また、U字型支持部材ベース部56bには、板状弾性材61の両端部と電気的に接続するための端子が形成されており、導電接着剤等により接着固定されている。U字型支持部材ベース部56bの端子部分からはU字型支持部材へ導電経路が形成され、U字型支持部材矩形部56aからは、信号出力用の信号出力ケーブル60によって圧電式加速度センサ51の検出信号が出力される。U字型支持部材矩形部56aには、用途に応じて、増幅回路等の搭載も可能である。さらに、ケース57に、圧電ユニモルフ52が接着固定されたU字型支持部材56を、熱硬化性エポキシ樹脂等で接着し、ケースの蓋58を圧入等でケース57と固定して圧電式加速度センサ51を作製する。
【0044】
図5は、本発明に関わる圧電式加速度センサに用いられる圧電ユニモルフの概略を示す正面断面図で、図5(a)は静止時を示す図、図5(b)は動作時を示す図である。図5(a)を用いて、本発明の圧電ユニモルフ72の原理を説明する。ここで、図5(a)の矩形状の圧電セラミック板73は、PZT等の圧電体の上面に銀ペースト等により上電極74と下電極75を形成し、図中矢印の方向に一様に分極処理を施している。下電極75に金属板等の導電経路を有する板状弾性材77を長さ方向対象に、熱硬化性エポキシ樹脂等で接着し、圧電ユニモルフ72を構成し、2つの支持部材76に設置されている。加速度が圧電ユニモルフ72に与えられたとき、圧電ユニモルフ72には加速度に比例する慣性力が働き、ひずみを生ずる。その結果、図5(b)に示す圧電ユニモルフ72表面の上電極74及び下面の板状弾性材77に逆符号の電荷及び電圧が生じ、この電荷及び電圧を検出することにより加速度を求めることができる。
【0045】
図4に示すように、圧電式加速度センサ51に、垂直方向に加速度を加えられると、圧電ユニモルフ52の中央部がたわみ上電極54と板状弾性材61の間に、加速度に比例した電圧が発生し、その電圧を導電線材59およびU字型支持部材ベース部56bの端子を介して、U字型支持部材矩形部に入力され、圧電式加速度センサ51の出力信号は、信号出力ケーブル60を通して外部に出力される。
【0046】
本発明における実施の形態4により、U字型支持部材を用いてU字型支持部材ベース部と圧電振動子を直接接続することで、圧電ユニモルフと支持部材を電気的に接続している導電線材が1本不要になり、工程の削減を図る事ができるとともに出力感度のばらつきの低減も図れる。また、U字型支持部材の一部であるU字型支持部材ベース部に、圧電ユニモルフの板状弾性材を接続しているので、中央部の撓みに対応するケースの溝を必要とせず、ケースの小型化が実現できる。その上、支持部材と圧電振動子を接続するだけで圧電式加速度センサの動作確認検査をすることができ、品質の向上を図ることができる。
【0047】
さらに、圧電ユニモルフの電気機械変換素子がU字型支持部材ベース部と直接支持されず、変曲点が電気機械変換素子部分ではなく板状弾性材部分に現れるようにすることが可能になる。その結果、従来のように単純で一様な電極および分極方向を持った電気機械変換素子を用いても、電荷の相殺による感度低下が起こらず、出力感度が大きく、低コストである加速度センサが実現できる。
【0048】
本実施の形態4では、圧電ユニモルフを用いた場合を説明したが、圧電バイモルフを用いても同様に行うこともできる。また、今回は、両持ち梁構造で説明したが、L字型支持部材を用いて、片持ち梁構造で行うこともできる。
【0049】
実施の形態1〜4において、図1〜4に示す圧電式加速度センサの支持部材ベース部の長さL1と圧電振動子の幅W2は、L1>W2の関係が成り立ち、かつ支持部材矩形部に接触しないように構成するのが好ましい。この構成により、圧電振動子が加速度によって撓んだ時に、圧電振動子を支持部材ベース部が均一にかつ確実に支持できる関係を表している。なお、実施の形態1〜3においては、圧電振動子として電気機械変換素子を使用し、実施の形態4においては圧電振動子として圧電ユニモルフを使用している。また、支持部材ベース部の長さは、電気機械変換素子の幅に比べて長すぎる場合、小型化の妨げになるのはもちろんのこと、電気機械変換素子の振動に対する支持部材ベース部の剛性を十分確保することができなくなり、支持部材ベース部で不要振動が発生する原因となるため、設計時はその点を考慮する必要がある。
【0050】
また、圧電式加速度センサの支持部材ベース部の幅W1と電気機械変換素子の長さL2と板状弾性材の長さL3は、(L3−L2)/2>W1の関係とするのが好ましい。(L3−L2)/2とW1の差は、支持部材ベース部の固定点と電気機械変換素子の間隔を表し、この間隔が小さすぎると、電気機械変換素子が変曲点の影響を受け、感度が低下する。一方、支持部材ベース部の固定点と電気機械変換素子の間隔が大きすぎると、電気機械変換素子の寸法が小さくなり加速度による振動が板状弾性材に吸収されることによる出力感度の低下を招く。
【0051】
上述した実施の形態において、本発明の圧電式加速度センサは、U字型支持部材を用いた場合は両持ち梁構造、L字型支持部材を用いた場合は片持ち梁構造、T字型支持部材およびI字型支持部材を用いた場合には中央支持構造を有することになる。また、I字型支持部材は片持ち梁支持構造とすることも可能である。これらの支持方法ついては、出力感度、使用周波数帯、耐衝撃力などの仕様を元に選択することが出来る。支持部材の材質についても、出力感度、使用周波数帯、耐衝撃力などの仕様を元に選択するのが好ましい。また、ケースの材料については、基本的には想定される加速度に対して変形が起こらないような剛性を持つ金属や樹脂から選択するのが好ましい。
【0052】
また、本発明の板状弾性材は板材を有する構造の圧電ユニモルフまたは圧電バイモルフに限られるわけではなく、また、矩形状の板材に限られるわけでなく、電気機械変換素子を板材で支持する構造として構成してあれば良い。
【0053】
更に、支持部材矩形部は、増幅器等を搭載しない場合には必ずしも必要ではなく、支持部材ベース部に、圧電振動子と信号出力ケーブルを電気的に接続するための導電パターンを形成することで、更なる小型化が可能となる。
【実施例】
【0054】
(実施例1)
本発明の実施の形態1の圧電式加速度センサについて、具体的な一実施例により説明する。
【0055】
図1に示すように、電気機械変換素子12として、材質PZTによる主面長さL2が6.0mm、幅W2が2.0mm、厚さが0.3mmの圧電セラミック板13を準備した。この電気機械変換素子12には、一対の主面に銀ペーストにて上電極14および下電極15を一様に形成し、分極処理を施している。更に、図1に示すように、6.0mm×3.0mmの矩形状のU字型支持部材矩形部16aの一辺の両端に、2.5mm×0.5mmのU字型支持部材ベース部16bを一体としてU字型に設けられた厚さ0.5mm、アルミナを材料とするU字型支持部材16を準備した。U字型支持部材矩形部16aには、信号を出力するための1芯同軸ケーブルの信号出力ケーブル20と、電気機械変換素子12と信号出力ケーブル20とを電気的に接続するための導電パターンを形成した。次に、U字型支持部材ベース部16bに設けられている端子と電気機械変換素子12を電気的に接続できるように導電接着剤で両持ち梁構造に接着した。この構造で電気機械変換素子12を支持した場合、共振周波数は約65kHzとなった。更に、電気機械変換素子12の上電極14とU字型支持部材矩形部16aを導電線材19で半田を用いて接続した。最後に、SUS304を材料としたケース17及びケースの蓋18(図1(a)では省略されている)を作製し、ケース17に電気機械変換素子12を接着固定してあるU字型支持部材16を、熱硬化性エポキシ樹脂で接着し、ケースの蓋18を圧入でケース17と固定して圧電式加速度センサ11を作製した。
【0056】
実施例1の圧電式加速度センサの支持部材ベース部の長さL1と圧電振動子の幅W2(実施例1では電気機械変換素子の幅)を比べると、L1=2.5mm、W2=2.0mmであり、L1>W2の関係が成り立っている。
【0057】
(実施例2)
次に、本発明の実施の形態4の圧電式加速度センサについて、具体的な一実施例により説明する。
【0058】
図4に示すように、圧電振動子として、材質PZTによる主面長さL2が4.5mm、幅W2が2.0mm、厚さが0.3mmの圧電セラミック板53に上電極54と下電極55を形成した電気機械変換素子を、主面長さL3が6.0mm、幅W2が2.0mm、厚さ0.1mmのリン青銅を材料とする板状弾性材61の片面に長さ方向に対象となるように熱硬化性エポキシ樹脂で接着した圧電ユニモルフ52を準備した。更に、図4に示すように、6.0mm×3.0mmの矩形状のU字型支持部材矩形部56aの一辺の両端に、2.5mm×0.5mmのU字型支持部材ベース部56bを一体としてU字型に設けられた厚さ0.5mm、アルミナを材料とするU字型支持部材を準備した。U字型支持部材矩形部56aには、信号を出力するための1芯同軸ケーブルの信号出力ケーブル20と、電気機械変換素子と信号出力ケーブル20とを電気的に接続するための導電パターンを形成した。次に、圧電ユニモルフ52の板状弾性材61の両端とU字型支持部材ベース部56bの端子とを電気的に接続できるように導電接着剤で両持ち梁構造に接着した。この構造で圧電ユニモルフ52を支持した場合、共振周波数は約55kHzとなった。更に、圧電ユニモルフ52の上電極54とU字型支持部材矩形部56aを導電線材59で半田を用いて接続した。最後に、SUS304を材料としたケース57及びケースの蓋58(図4(a)では省略されている)を作製し、ケース57に圧電ユニモルフ52を接着固定してあるU字型支持部材56を、熱硬化性エポキシ樹脂で接着し、ケースの蓋58を圧入でケース57と固定して圧電式加速度センサ51を作製した。
【0059】
実施例2の圧電式加速度センサの支持部材ベース部の長さL1と電気機械変換素子の幅W2を比べると、L1=2.5mm、W2=2.0mmであり、L1>W2の関係が成り立っている。また、圧電式加速度センサの支持部材ベース部の幅W1と電気機械変換素子の長さL2と板状弾性材の長さL3を比べると、W1=0.5mm、L2=4.5mm、L3=6.0mmであり、(L3−L2)/2>W1の関係が成り立っている。
【0060】
比較例として、図7に示すように、従来の構造の圧電式加速度センサも同様にして作製した。電気機械変換素子として、材質PZTによる主面長さ6.0mm、幅が2.0mm、厚さが0.3mmの圧電セラミック板93を準備した。この電気機械変換素子92は、一対の主面に銀ペーストにて上電極94及び下電極95が一様に形成されている。更に矩形型支持部材96として、6.0mm×2.5mmで厚さ0.5mm、アルミナを材料とする矩形型支持部材96を準備した。矩形型支持部材96には、信号を出力するための1芯同軸ケーブルの信号出力ケーブル100と、電気機械変換素子92と信号出力ケーブル100とを電気的に接続するための導電パターンを形成した。また、ケース97に電気機械変換素子92が振動し中央部で撓むことを妨げないように、ケース97の中央部にケース溝97aを設けて、ケース97と接着剤で両持ち梁構造に接着した。この構造で電気機械変換素子92を支持した場合、共振周波数は約65kHzとなった。更に、電気機械変換素子92の上電極94と矩形型支持部材96を接続するための導電線材99aと、電気機械変換素子92の下電極95と矩形型支持部材96を接続するための導電線材99b、信号を出力するための1芯同軸ケーブルの信号出力ケーブル20を矩形型支持部材に半田を用いて接続した。最後に、SUS304を材料としたケース97及びケースの蓋98(図7(a)では省略されている)を作製し、ケース97に矩形型支持部材96を、熱硬化性エポキシ樹脂で接着し、ケースの蓋98を圧入でケース97と固定して圧電式加速度センサ91を作製した。
【0061】
実施例1、2、比較例の圧電式加速度センサの出力感度特性を評価した。それぞれ作製した圧電式加速度センサ11、圧電式加速度センサ51、圧電式加速度センサ91を、加振器に両面テープで固定して、加振器に信号発生器からの信号を入力することにより規定の加速度を発生させて、その時のそれぞれの圧電式加速度センサの出力を測定し、比較した。
【0062】
表1に、本発明の実施例1、実施例2、比較例の圧電式加速度センサを比較して示す。
【0063】
【表1】

【0064】
表1から分かるとおり、本発明の実施例1の発明における圧電式加速度センサでは、従来の構造と比較して同等の出力感度が得られる上にバラツキの原因となる導通線材の数を削減できる。また、支持部材矩形部寸法は、増幅回路等の搭載をしない用途では小さく設計することが可能となり、更なる小型化が見込まれる。
【0065】
更に表1から分かるとおり、本発明の実施例2の圧電式加速度センサでは、従来の構造と比較して同等の寸法を維持しながら約10倍と大幅に出力感度を向上させることができた。
【0066】
以上、この発明は、これらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なしえるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
【0067】
本発明では、製造が容易で、量産性に優れ、出力感度に優れた加速度センサを実現することが可能であり、各種電子機器に係わる振動や衝撃の検知に利用する事ができる。
【符号の説明】
【0068】
11、31、41、51、91 圧電式加速度センサ
12、82、92 電気機械変換素子
13、53、73、83、93 圧電セラミック板
14、54、74、84、94 上電極
15、55、75、85、95 下電極
16、56 U字型支持部材
16a、56a U字型支持部材矩形部
16b、56b U字型支持部材ベース部
17、57、97 ケース
18、58、98 ケースの蓋
19、59、99a、99b 導電線材
20、60、100 信号出力ケーブル
36 L字型支持部材
36a L字型支持部材矩形部
36b L字型支持部材ベース部
46 T字型支持部材
46a T字型支持部材矩形部
46b T字型支持部材ベース部
52、72 圧電ユニモルフ
61、77 板状弾性材
76、86、87 支持部材
96 矩形型支持部材
97a ケース溝
L1 支持部材ベース部の長さ
W1 支持部材ベース部の幅
L2 圧電振動子の長さ
W2 圧電振動子の幅
L3 板状弾性材の長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の圧電振動子と前記圧電振動子を支持する支持部材と、前記圧電振動子及び前記支持部材を搭載するケースを備える圧電式加速度センサであって、前記支持部材は支持部材ベース部を有し、前記支持部材ベース部は前記圧電振動子を取付けて支持することによって、前記圧電振動子と前記支持部材が電気的に接続されることを特徴とした圧電式加速度センサ。
【請求項2】
前記圧電振動子は、圧電セラミック板の一対の主面に電極が一様に形成され、厚み方向に一様に分極処理が施された電気機械変換素子であることを特徴とする請求項1に記載の圧電式加速度センサ。
【請求項3】
前記圧電振動子は、矩形状で導電経路を有する板状弾性材に長さ方向に対称となるように前記電気機械変換素子を取付けることで得られる圧電ユニモルフまたは圧電バイモルフであることを特徴とする請求項1に記載の圧電式加速度センサ。
【請求項4】
前記支持部材ベース部は、前記板状弾性材を取付けて支持することを特徴とする請求項3に記載の圧電式加速度センサ。
【請求項5】
前記支持部材ベース部の長さL1と前記圧電振動子の幅W2との間にL1>W2の関係を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の圧電式加速度センサ。
【請求項6】
前記圧電振動子の長さL2と前記板状弾性材の長さL3及び前記支持部材ベース部の幅W1の間に(L3−L2)/2>W1の関係を有することを特徴とする請求項4に記載の圧電式加速度センサ。
【請求項7】
前記支持部材ベース部は、前記圧電振動子を両持ち梁構造で支持していることを特徴とする請求項1〜6に記載の圧電式加速度センサ。
【請求項8】
前記支持部材ベース部は、前記圧電振動子を片持ち梁構造で支持していることを特徴とする請求項1〜6に記載の圧電式加速度センサ。
【請求項9】
前記支持部材ベース部は、前記圧電振動子を中央支持構造で支持していることを特徴とする請求項1〜6に記載の圧電式加速度センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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