説明

圧電素子と電気装置が重合された圧電式振動抑制装置

【課題】振動が抑制されるべき物体に取り付けられて該物体の振動を抑制するパッシブタイプの圧電式振動抑制に於いて圧電素子の他に必要とされるのはインダクタンスと抵抗を与える電気装置のみであることに着目し、パッシブタイプの圧電式振動抑制をより簡単な構造にて提供する。
【解決手段】パッシブタイプの圧電式振動抑制を圧電素子と電気装置とが重ね合わされて物体上に取り付けられたものとする。圧電素子と電気装置の重合体にはカバー部材が被せられてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電素子により物体の振動を抑制する圧電式振動抑制装置に係る。
【背景技術】
【0002】
圧電材の板やブロックが伸縮力をかけられるとその対向面間に電位差を生じ、また逆にその対向面間に電位差をかけられると伸縮しようとすることを利用して、圧電素子を自動車の車体やトランスミッション等の振動が問題となる物体の表面に接着材等により取り付け、これに一対の電極を付加して該物体の振動を電気的に検出し、或いは該物体の振動を電気的に抑制することが考えられている。そのような技術に関する発明提案は、例えば下記の特許文献1、2、3に記載されている。
【特許文献1】特開平5−133435号公報
【特許文献2】実開平6−32787号公報
【特許文献3】特開平8−159212号公報
【0003】
上記の特許文献1には、物体に入力される振動の加振周波数が変化しても常に物体の振動レベルを低レベルに保ち、また物体への入力振動の加振周波数に対し最も低い振動レベルが得られる固有振動周波数への変更制御を行うべく、物体に圧電素子を取り付け、物体に入力される振動の加振周波数に対し低い振動レベルが得られるような電圧を圧電素子に印加し、圧電素子により物体に内部引張り力または内部圧縮力を与えることで物体の固有振動周波数を変えること、また印加電圧をパラメータとして予め測定しておいた振動レベル特性データに基づき圧電素子への印加電圧を固有振動周波数制御手段により制御することが提案されている。上記の特許文献2には、軽量でトランスミッションの整備の際に邪魔にならない構造にて自動車のトランスミッションに振動低減効果の大なる振動低減装置を設けるべく、エンジンの振動を振動センサにて検出し、エンジンとトランスミッションとの間にあるフライホイールハウジングに圧電素子を固着し、振動センサの検出値に基づきコントローラにより圧電素子を制御することが提案されている。上記の特許文献3には、両電極間に圧電起電力に抗する抵抗を接続した圧電素子を振動が抑制されるべき物体上に取り付け、その上に更にカウンタマスを取り付けることが提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
圧電素子により物体の振動の抑制する圧電式振動抑制装置のうち、圧電素子の両電極間にインダクタンスと抵抗とを直列に接続し、インダクタンスと抵抗とが圧電素子のキャパシタンスと共に構成する回路の共振周波数を抑制されるべき物体の振動の周波数に合わせて物体の振動を抑制するパッシブタイプの圧電式振動抑制装置に於いては、圧電素子の他に必要とされるのは上記のインダクタンスと抵抗を与える電気装置のみである。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑み、パッシブタイプの圧電式振動抑制装置をより簡単な構造にて提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するものとして、本発明は、振動が抑制されるべき物体より受ける振動により電気を発生する圧電素子と、前記圧電素子が発生する電気を処理することにより該圧電素子に前記物体に対する制振作用を行わせる電気装置とを含む圧電式振動抑制装置にして、前記圧電素子と前記電気装置とが重ね合わされて前記物体上に取り付けられていることを特徴とする圧電式振動抑制装置を提案するものである。
【0007】
前記圧電素子と前記電気装置とはその間に断熱手段を挟んで重ね合わされていてよい。この場合、前記断熱手段は断熱材の層であり、前記圧電素子と前記電気装置とは前記断熱材層を介して互いに接合されていてよい。或はまた、前記断熱手段は前記圧電素子と前記電気装置の間に設けられた空隙を含んでいてよく、またこの場合、前記電気装置はその周縁部のみにて前記圧電素子より隔置層を介して支持されていてよい。
【0008】
また、前記圧電素子と前記電気装置とは両者を覆うカバー部材により前記物体上に取り付けられていてよい。その場合、前記電気装置は前記カバー部材により前記圧電素子を迂回して支持されていてよい。また前記圧電素子と前記電気装置の間には空隙が設けられ、該空隙には前記カバー部材により支持された断熱板が配置されていてよい。前記カバー部材の内面には前記圧電素子と前記電気装置との間を導電接続する導電層が設けられていてよい。
【0009】
或はまた、前記電気装置は前記圧電素子と前記物体の間に設けられ、前記圧電素子は前記電気装置に重ならない部分にて前記物体より振動を伝えられるようになっていてもよい。この場合、前記圧電素子は前記電気装置に重ならない部分にて前記物体へ向けて膨出された部分を有し、該膨出部にて前記物体より振動を受けるようになっていてよい。
【発明の効果】
【0010】
上記の如く、振動が抑制されるべき物体より受ける振動により電気を発生する圧電素子と、前記圧電素子が発生する電気を処理することにより該圧電素子に前記物体に対する制振作用を行わせる電気装置とを含む圧電式振動抑制装置に於いて、前記圧電素子と前記電気装置とが重ね合わされて前記物体上に取り付けられれば、互いに重ね合わされた前記圧電素子と前記電気装置とが電気的導通関係に接続されさえすれば予定の制振機能を発揮することができる圧電式振動抑制装置を、機械的構造に於いても電気的構造に於いても最大限にコンパクトなものとすることができる。
【0011】
前記圧電素子と前記電気装置とがその間に断熱手段を挟んで重ね合わされていれば、物体の振動を抑制することに関して前記電気装置に発熱が生じても、それによって圧電素子が加熱されることを防止し、圧電素子の過熱により圧電素子の圧電機能が低下したり、圧電式振動抑制装置の共振周波数に変更をきたしたりすることが回避される。この場合、前記断熱手段が断熱材の層であり、前記圧電素子と前記電気装置とが前記断熱材層を介して互いに接合されていれば、電気装置の側から断熱材層を介して圧電素子を物体に押し付けることにより、電気装置と圧電素子とを一体として物体に組み付けることができる。しかしまた、前記断熱手段が圧電素子と電気装置の間に設けられた空隙を含んでいれば、空隙は高い断熱効果を発揮するので、圧電素子と電気装置の間の隔置寸法を小さくしても高い断熱効果を得ることができる。そのような空隙は前記電気装置がその周縁部のみにて前記圧電素子より隔置層を介して支持されていれば形成される。
【0012】
また、前記圧電素子と前記電気装置とが両者を覆うカバー部材により前記物体上に取り付けられれば、圧電素子と電気装置とを物体に対し所定の態様に取り付けると同時に圧電素子と電気装置を外部からの水や油による汚染から保護する効果を得ることができる。この場合、前記電気装置を前記カバー部材により前記圧電素子を迂回して支持することができる。また電気装置をカバー部材により圧電素子を迂回して支持する場合には、圧電素子と前記電気装置の間に空隙を設け、この空隙にカバー部材により支持された断熱板を配置すれば、小さな空隙によっても高い断熱効果を得ることができる。
【0013】
カバー部材が設けられる場合、該カバー部材の内面に圧電素子と電気装置との間を導電接続する導電層が設けられれば、かかるカバー部材を圧電素子と電気装置の間の電気的導通接続手段の一部として有効に利用することができる。
【0014】
前記電気装置が前記圧電素子と前記物体の間に設けられ、前記圧電素子が前記電気装置に重ならない部分にて前記物体より振動を伝えられるようになっていれば、板状の圧電材とその表面に張設された板状電極からなる圧電素子を電気装置に対する取付け手段として利用して圧電素子と電気装置の重合体を物体上に取り付けることができる。この場合、圧電素子が電気装置に重ならない部分にて物体へ向けて膨出された部分を有し、該膨出部にて物体より振動を受けるようになっていれば、電気装置を上から押える部分にては電気装置の厚みだけ物体表面より隔置されざるをえない圧電素子を、圧電素子が電気装置に重ならない部分にて物体より支持するために、該部分と物体表面との間に介装される接着材の層やその他の介装部材をより薄くすることができ、或はまた電気装置を沈めて載置すべく物体表面に設ける窪みの深さ或は圧電素子の電気装置に重ならない部分を支持するために物体表面に設ける隆起部の高さをより小さくすることができる。尚、電気装置が圧電素子と物体の間に設けられ、圧電素子が電気装置に重ならない部分にて物体より振動を伝えられるようになっている場合にも、また圧電素子が電気装置に重ならない部分にて物体へ向けて膨出された部分を有し、該膨出部にて物体より振動を受けるようになっている場合にも、圧電素子と電気装置の間に断熱層または空隙による断熱手段が施されれば、物体の振動を抑制することに関して電気装置に発熱が生じても、圧電素子を過熱から保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
添付の図1は本発明による圧電式振動抑制装置の最も基本的な構造を一つの実施の形態について示す幾分解図的断面図である。図1に於いて、10は例えば自動車のトランスミッションケースの如き振動が抑制されるべき物体である。12は圧電素子であり、板状の圧電材の層14とそれを挟む一対の板状の電極16および18よりなっている。圧電素子12は電極16の側にて接着材の層20により物体10の表面に取り付けられている。22は圧電素子12が物体より受ける振動により発生する電気を処理することにより圧電素子12に物体10に対する制振作用を行わせる電気装置であり、実質的には圧電素子12の両電極16、18間に接続され、圧電素子のキャパシタンスと共に抑制されるべき物体の振動の周波数に対応する共振周波数を有する共振回路を構成するインダクタンスと抵抗を与えるコイルと抵抗器である。電気装置22は圧電素子12の上に重ね合わされ、図には示されていない接着材層その他の任意の固定手段により圧電素子12に固定され、圧電素子12を介して物体10より支持されている。また、図には示されていないが、当然のことながら、上記の共振回路を構成するため、圧電素子12と電気装置22とは電気的に導通接続されているが、圧電素子12と電気装置22とが重合されているので、そのような電気的導通接続を施すことは極めて容易である。この点は、以下の圧電素子12と電気装置22の間に断熱材の層または空隙による断熱が施されている実施の形態に於いても実質的に同じである。
【0016】
図2は本発明による圧電式振動抑制装置の他の一つの実施の形態を示す図1と同様の幾分解図的断面図である。図2に於いて、図1に示す部分に対応する部分は、図1に於けると同じ符号により示されている。この実施の形態に於いては、圧電素子12と電気装置22とはその間に断熱材の層24を挟んで重ね合わされている。圧電素子12と断熱材層24の間および断熱材層24と電気装置22の間は図には示されていない接着材層その他の任意の固定手段により固定されていてよい。
【0017】
図3は本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す図1と同様の幾分解図的断面図である。図3に於いても、図1に示す部分に対応する部分は、図1に於けると同じ符号により示されている。この実施の形態に於いては、圧電素子12と電気装置22とは両者を覆うカバー部材26により物体10上に取り付けられている。カバー部材26はそのフランジ状の周縁部にて物体10に当接し且図には示されていない接着材層、小ねじ、その他の任意の固定手段により物体10に固定され、圧電素子12と電気装置22とを物体10上に取り付けると同時に、圧電素子12と電気装置22とを外部より密封する機能を果たすものである。尚、図3には接着材層20が示されているが、この場合、カバー部材26が圧電素子12と電気装置22の重合体を物体10上に押し付けるようになっていれば、圧電素子12と電気装置22の相互間の横滑りを阻止する適当な手段を施して、接着材層20は省略されてもよい。
【0018】
図4は本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す図3に類似の幾分解図的断面図である。図4に於いて、図3に示す部分に対応する部分は、図3に於けると同じ符号により示されている。この実施の形態に於いては、図3の構造に加えて、圧電素子12と電気装置22の間に図2に於けると同様の断熱材層24が設けられている。
【0019】
図5は本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す図3および4に類似の幾分解図的断面図である。図5に於いて、図3または4に示す部分に対応する部分は、図3または4に於けると同じ符号により示されている。この実施の形態に於いては、図4の構造に於ける断熱材層24に代えて、電気装置22をその周縁部のみにて圧電素子12より隔置して支持する隔置層28が設けられており、これによって圧電素子12と電気装置22の間にはその周縁部を除く全域に亙って広がる空隙30が形成されている。
【0020】
図6は本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す図5に類似の幾分解図的断面図である。図6に於いて、図5に示す部分に対応する部分は、図5に於けると同じ符号により示されている。この実施の形態に於いては、電気装置22は圧電素子12より引き離された状態にカバー部材26により上方から支持されており、これによって圧電素子12と電気装置22の間にはその全域に亙って空隙30が形成され、電気装置22に対し断熱されている。
【0021】
図7は本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す図6に類似の幾分解図的断面図である。図7に於いて、図6に示す部分に対応する部分は、図6に於けると同じ符号により示されている。この実施の形態に於いては、圧電素子12と電気装置22の間の空隙30を横切って断熱板32がカバー部材26により支持された状態で設けられ、電気装置22に対する空隙30による圧電素子12の断熱の効果が向上されている。
【0022】
図8は本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す図4に類似の幾分解図的断面図である。図8に於いて、図4に示す部分に対応する部分は、図4に於けると同じ符号により示されている。この実施の形態に於いては、カバー部材26の内面には圧電素子12と電気装置22との間を導電接続する導電層34が設けられている。かかる導電層34が設けられれば、圧電素子12の電気装置22とは隔たった側の電極16と電気装置22の間の電気的導通接続をより容易にすることができる。
【0023】
図9は本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す上記各図と同様の幾分解図的断面図である。図9に於いても、上記各図に示す部分に対応する部分は、上記各図に於けると同じ符号により示されている。この実施の形態に於いては、電気装置22は圧電素子12と10物体の間に設けられ、圧電素子12は電気装置22に重ならない周縁部分にて物体10より振動を伝えられるようになっている。この場合、電気装置22はなるべく薄く構成され、体積的に必要ならば平面輪郭が広げられる。図8の場合、圧電素子12はその周縁部にて隔置層36により物体10に取り付けられ且これより支持されている。この構造では、圧電素子12と隔置層36により電気装置22は外に対し密閉されていてよい。
【0024】
図10は本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す図9に類似の幾分解図的断面図である。図10に於いて、図9に示す部分に対応する部分は、図9に於けると同じ符号により示されている。この実施の形態に於いては、圧電素子12は電気装置22に重ならない周縁部分にて物体10へ向けて膨出された膨出部38を有し、該膨出部にて隔置層36により物体10に取り付けられ、物体10より振動を受けるようになっている。尚、この場合、膨出部38では圧電材層14の一部膨出に合わせて電極16も変形されている。
【0025】
図11は本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す図9に類似の幾分解図的断面図である。図11に於いて、図9に示す部分に対応する部分は、図9に於けると同じ符号により示されている。この実施の形態に於いては、図9の構造に断熱層40が追加されている。
【0026】
図12は本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す図9および11に類似の幾分解図的断面図である。図12に於いて、図9または11に示す部分に対応する部分は、図9または11に於けると同じ符号により示されている。この実施の形態に於いては、図9の構造に空隙42による断熱手段が追加されている。
【0027】
図13は本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す図10に類似の幾分解図的断面図である。図13に於いて、図10に示す部分に対応する部分は、図10に於けると同じ符号により示されている。この実施の形態に於いては、図10の構造に断熱層44が追加されている。
【0028】
図14は本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す図10および12に類似の幾分解図的断面図である。図14に於いて、図10または12に示す部分に対応する部分は、図10または12に於けると同じ符号により示されている。この実施の形態に於いては、図9の構造に空隙46による断熱手段が追加されている。
【0029】
図15は図9に示す構造の一部を物体10の側にて変更した図9の実施の形態の変形例を示す同様の幾分解図的断面図である。図15に於いて、図9に示す部分に対応する部分は、図9に於けると同じ符号により示されている。この場合、物体10に圧電素子12の電気装置22に重ならない部分を受ける膨出部48が形成されている。
【0030】
以上に於いては本発明をいくつかの実施の形態について詳細に説明したが、これらの実施の形態について本発明の範囲内にて種々の変更が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による圧電式振動抑制装置の最も基本的な構造を一つの実施の形態について示す幾分解図的断面図。
【図2】本発明による圧電式振動抑制装置の他の一つの実施の形態を示す図1と同様の幾分解図的断面図。
【図3】図3は本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す図1と同様の幾分解図的断面図。
【図4】本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す図2または3に類似の幾分解図的断面図。
【図5】本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す図3および4に類似の幾分解図的断面図。
【図6】本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す図3〜5に類似の幾分解図的断面図。
【図7】本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す図6に類似の幾分解図的断面図。
【図8】本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す図4に類似の幾分解図的断面図。
【図9】本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す上記各図と同様の幾分解図的断面図。
【図10】本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す図9に類似の幾分解図的断面図。
【図11】本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す図9に類似の幾分解図的断面図。
【図12】本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す図9および11に類似の幾分解図的断面図。
【図13】本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す図10に類似の幾分解図的断面図。
【図14】本発明による圧電式振動抑制装置の更に他の一つの実施の形態を示す図10および13に類似の幾分解図的断面図。
【図15】図9に示す構造の一部を物体10の側にて変更した図9の実施の形態の変形例を示す同様の幾分解図的断面図。
【符号の説明】
【0032】
10…物体、12…圧電素子、14…圧電材層、16,18…電極、20…接着材層、22…電気装置、24…断熱材の層、26…カバー部材、28…隔置層、30…空隙、32…断熱板、34…導電層、36…隔置層、38…圧電素子の膨出部、40…断熱材の層、42…空隙、44…断熱材の層、46…空隙、48…物体の隆起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動が抑制されるべき物体より受ける振動により電気を発生する圧電素子と、前記圧電素子が発生する電気を処理することにより該圧電素子に前記物体に対する制振作用を行わせる電気装置とを含む圧電式振動抑制装置にして、前記圧電素子と前記電気装置とが重ね合わされて前記物体上に取り付けられていることを特徴とする圧電式振動抑制装置。
【請求項2】
前記圧電素子と前記電気装置とはその間に断熱手段を挟んで重ね合わされていることを特徴とする請求項1に記載の圧電式振動抑制装置。
【請求項3】
前記断熱手段は断熱材の層であり、前記圧電素子と前記電気装置とは前記断熱材層を介して互いに接合されていることを特徴とする請求項2に記載の圧電式振動抑制装置。
【請求項4】
前記断熱手段は前記圧電素子と前記電気装置の間に設けられた空隙を含んでいることを特徴とする請求項2に記載の圧電式振動抑制装置。
【請求項5】
前記電気装置はその周縁部のみにて前記圧電素子より隔置層を介して支持されていることを特徴とする請求項4に記載の圧電式振動抑制装置。
【請求項6】
前記圧電素子と前記電気装置とは両者を覆うカバー部材により前記物体上に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の圧電式振動抑制装置。
【請求項7】
前記電気装置は前記カバー部材により前記圧電素子を迂回して支持されていることを特徴とする請求項6に記載の圧電式振動抑制装置。
【請求項8】
前記圧電素子と前記電気装置の間には空隙が設けられており、前記されていることを特徴とする請求項6または7に記載の圧電式振動抑制装置。
【請求項9】
前記カバー部材の内面には前記圧電素子と前記電気装置との間を導電接続する導電層が設けられていることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の圧電式振動抑制装置。
【請求項10】
前記電気装置は前記圧電素子と前記物体の間に設けられ、前記圧電素子は前記電気装置に重ならない部分にて前記物体より振動を伝えられるようになっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の圧電式振動抑制装置。
【請求項11】
前記圧電素子は前記電気装置に重ならない部分にて前記物体へ向けて膨出された部分を有し、該膨出部にて前記物体より振動を受けるようになっていることを特徴とする請求項10に記載の圧電式振動抑制装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−29361(P2006−29361A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−204753(P2004−204753)
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】