圧電霧化装置
【課題】消費電力を低減したにもかかわらず、ホーン先端部での液体霧化の達成を可能とする。
【解決手段】超音波振動子20に対して、駆動するための振動周波数および電圧の少なくとも一方を、ホーン先端部に生じる液滴を霧散するように、所定の規則により変動させて、時間に対して過渡的な振動の加速エネルギーを一時的に付与する振動子駆動回路30を備える。ここで、所定規則による変動には、振動周波数を有する電圧を超音波振動子に連続して供給する間の適切な時期に、例えば圧電体を超音波振動させるための印加電圧を間欠と連続との組み合わせにし、印加電圧を時間と共に増大と減少とを繰り返しさせ、または振動周波数を前記圧電体の共振周波数を通過するように時間と共に変化させることが含まれる。
【解決手段】超音波振動子20に対して、駆動するための振動周波数および電圧の少なくとも一方を、ホーン先端部に生じる液滴を霧散するように、所定の規則により変動させて、時間に対して過渡的な振動の加速エネルギーを一時的に付与する振動子駆動回路30を備える。ここで、所定規則による変動には、振動周波数を有する電圧を超音波振動子に連続して供給する間の適切な時期に、例えば圧電体を超音波振動させるための印加電圧を間欠と連続との組み合わせにし、印加電圧を時間と共に増大と減少とを繰り返しさせ、または振動周波数を前記圧電体の共振周波数を通過するように時間と共に変化させることが含まれる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電体の逆圧電現象による超音波振動を利用し、水、薬剤液等の液体を霧化させるものであって、消費電力を低減したにもかかわらず、ホーン先端部での霧化を達成することができる圧電霧化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の圧電霧化装置には、円板状の圧電セラミックスを金属ホーンに接合することで得られるものがある。この装置は、円板状の圧電セラミックスを固有共振周波数で自励発振させ、その振動により得られる振幅を金属ホーンにより拡大することにより効率よく液体を霧化させるように構成されている。
【0003】
従来の圧電霧化装置として、例えば特開2003−251239号公報に、圧電体と金属ホーンとからなる超音波振動子、液体を収容する液容器、および送風ファンを備え、駆動電力0.1〜5Wで駆動することができる超音波噴霧装置が開示されている。
【0004】
図1は、その超音波噴霧装置10の構成を、側面壁を除いて内部を覗いた模式で示す説明図である。
【0005】
超音波噴霧装置10は、そのハウジング前面の内側で、霧化される液体12のための容器11を下方部に、そしてその液体を霧化する超音波振動子20を上方部に装備する。容器11から超音波振動子20までの表面には平板状部材に挟まれた給水シート13が装着され、吸収シート13が容器11内部の液体12を吸収して超音波振動子20のための開口部14まで毛細管現象で吸い上げられるように構成される。
【0006】
ハウジング内部には超音波振動子20のための振動子駆動回路15、底面内部には装置の駆動電源となる電池16、上面には超音波振動子20の作動をオンまたはオフするスイッチ17、更に、後面内部には送風ファン18が設けられている。ハウジングの背面と前面には、図示を省略されているが、それぞれ送風ファン18のための吸入口と送風口とが設けられている。送風ファン18は、超音波振動子20の先端面となる給水シート13の開口部14で霧化させた霧粒子を揮散させる際、霧粒子が装置周辺に落下して液滴となり、床等を汚さないようにするために設けられている。
【0007】
図2は、図1において、液体噴霧のため超音波を発生する回路の一例を示す説明図である。
【0008】
振動子駆動回路15の出力は、超音波振動子20の共振周波数が固定されるように設定されている。スイッチ17のオンにより電源電池16が振動子駆動回路15に供給され、その出力により超音波振動子20が共振して、先端部分の液体を霧化する。すなわち、振動子駆動回路15の出力は、超音波振動子20が共振して、先端部分の液体を霧化するように設定されている。
【0009】
図3は、図2の振動子駆動回路15が超音波振動子20に印加する電圧波形W1である。すなわち、振動子駆動回路15は、超音波振動子20の固有共振周波数で自励発振するように構成され、超音波振動子20に印加される電圧を図示されるような正弦波に近い連続的な固定電圧で出力する。
【0010】
次に、図4を参照して、図1における超音波振動子20について説明する。
【0011】
図示される超音波振動子20は、円板状の圧電セラミックスを圧電体21として、金属ホーン22に接合することで得られる。金属ホーン22は環状円筒部材と漏斗状部材の広い円形開口部分とを接合して形成される。また、金属ホーン22は、環状円筒部材の一方を圧電体21に接合して、超音波振動子20を形成し、他方の漏斗状部材の狭い部分をホーン先端部として形成する。
【0012】
超音波振動子20は、圧電体21の固有共振周波数で自励発振させられ、その振動により得られる振幅を金属ホーン22により拡大することで、ホーン先端部の漏斗状部材の狭まれた開口先端部で効率よく液体を霧化させる。
【0013】
このような構成を有する、引用した特許文献1では、超音波振動子が駆動電力0.1〜5Wで、かつ金属ホーンの先端面で振幅5〜50μm(peak to peak)となるように駆動される。また、金属ホーンの先端面が扁平形状であり、その短尺方向と長尺方向の長さの比が、1:20〜2:3であり、面積が5〜100mm2であることが提案されている。この条件により、液体の噴霧状況を視覚的に確認できると共に、装置の周辺への液滴の付着を防止できるとしている。
【0014】
しかしながら、近年、更に消費電力を少なくすることとが要求されている。このため、電圧を下げて超音波振動子を駆動した場合、超音波振動子における金属ホーン先端での振幅が減少する。従って、金属ホーンの超音波振動エネルギーが供給される液体の表面張力より小さくなる。この結果、表面張力が非常に大きい液体は、図4で示されるように、金属ホーン22の先端部で液滴23を形成し、液体を霧化しないという問題が生じる。
【0015】
【特許文献1】特開2003−251239号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
解決しようとする課題は、超音波振動を利用しホーンの先端部で液体を霧化する装置で、超音波振動子の駆動による消費電力を低減した場合に、液体の霧化ができなくなる点である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、超音波振動子を構成する圧電体およびホーンを備え、圧電体の逆圧電現象による超音波振動を利用しホーンの先端部で液体を霧化する圧電霧化装置において、消費電力を低減したにもかかわらず、ホーン先端部での液体霧化を達成するため、超音波振動子に対して、駆動するための振動周波数および電圧の少なくとも一方を、ホーン先端部に生じる液滴を霧散するように、所定の規則により変動させて、時間に対して過渡的な振動の加速エネルギーを一時的に付与する振動子駆動回路を備えることを主要な特徴とする。
【0018】
ここで、所定の規則による変動は、振動周波数を有する電圧を超音波振動子に連続して供給する間の適切な時期に、例えば、圧電体を超音波振動させるための印加電圧を間欠と連続との組み合わせにすること、印加電圧を時間と共に増大と減少とを繰り返しさせること、または振動周波数を前記圧電体の共振周波数を通過するように時間と共に変化させることが好ましい。また、これらの組合せでもよい。この適切な時期は、例えば、定期的若しくは所定の条件となったとき、またはこれらを組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の圧電霧化装置は、超音波振動子に対して、駆動するための振動周波数および電圧の少なくとも一方を、所定の規則により変動させて、時間に対し過渡的な振動の加速エネルギーを一時的に付与している。すなわち、圧電体を超音波振動させるための印加電圧を間欠とした場合、金属ホーンの先端部に付着した液滴には、時間に対して過渡的な振動の加速エネルギーが付与されるため、絶対値が低い電圧でも形成された液滴を振り払うことが可能である。また、電圧の増大または減少の際でも、時間に対し過渡的な振動の加速エネルギーが付与されるため、同様な効果が得られる。更に印加する電圧の周波数を超音波振動子の固有共振周波数を通過するように時間と共に可変させるスイープ電圧でも、時間に対し過渡的な振動の加速エネルギーが付与されるため、同様な効果が得られる。すなわち、消費電力を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明による圧電霧化装置について図面を参照して説明する。図示される要素は特徴を模式化しているため各構成部分の相対寸法は参照として提示されるものである。
【0021】
振動源となる超音波振動子の具体的な形状、寸法等は、液体の材質・特性、液体霧化量等に基づいて最小電圧で駆動できるように実験等により決定することができる。しかし、所定の形状、寸法の超音波振動子に対する液体霧化のための印加電圧を低減する最良の形態を、以下に説明する。
【0022】
本発明による圧電霧化装置は、超音波振動子を構成する圧電体およびホーンを備え、圧電体の逆圧電現象による超音波振動を利用しホーンの先端部で液体を霧化するものである。この圧電霧化装置において、消費電力を低減したにもかかわらず、ホーン先端部での液体霧化を達成するという目的を、超音波振動子を駆動するため超音波振動子に供給する振動周波数および電圧の少なくとも一方を、所定の規則により変動させることにより実現した。
【0023】
すなわち、このように、振動周波数または電圧が変動することにより、超音波振動子のホーン先端部に、時間に対して過渡的な振動の加速エネルギーを付与することができる。
【0024】
図4に、本発明の圧電霧化装置で用いられる超音波振動子の実施の一形態が示される。
【0025】
上述したように、図示される超音波振動子20は、円板状の圧電セラミックスを圧電体21として、金属ホーン22に接合することで得られる。金属ホーン22は、環状円筒部材と漏斗状部材とで構成され、環状円筒部材と漏斗状部材の広い面側とが接合されている。超音波振動子20は、金属ホーン22の環状円筒部材側を圧電体21に接合して形成され、圧電体21の固有共振周波数で自励発振させ、その振動により得られる振幅を金属ホーン22により拡大することで、漏斗状部材の狭まれた開口部で効率よく液体を霧化させる。
【0026】
しかし、このような形状では、消費電力を少なくする必要性から駆動電圧を下げて駆動した場合、超音波振動子における金属ホーン先端での振幅が減少する。従って、金属ホーンの超音波振動エネルギーが、供給される液体の表面張力より小さくなる。この結果、表面張力が非常に大きい液体は、図4で示されるように、金属ホーン22の先端部で液滴23を形成し、液体を霧化できない。
【0027】
図5に図4を併せ参照して、駆動電圧が低くても、金属ホーン22の先端部で液体霧化を達成できる振動子駆動回路30について説明する。振動子駆動回路30を除く各構成要素は上記図2と同一であるとする。
【0028】
振動子駆動回路30は、スイッチ17のオンにより電源電池16の供給を受けた際に、超音波振動子20を駆動する振動周波数を有する電圧を出力して超音波振動子20に印加する。均一振動周波数を有する均一電圧が連続する場合と比較して、例えば振動周波数または電圧の変化は、超音波振動子20のホーン先端部に、時間に対して過渡的な振動の加速エネルギーを付与することができる。ホーン先端部に発生するであろう液滴23はこの振動の加速エネルギーにより霧散する。
【0029】
従って、周波数変化または電圧変化の時期は、周波数または電圧の変化の種別に加えて、液体の材質・特性、液体霧化量、超音波振動子の形状・環境状況、および印加電圧などに基づいて、その周期が決定される。この周期は、一定であることが制御の簡便化のうえで好ましいが、他の条件にしたがって設定することでもよい。すなわち、所定の条件となった際、または上記固定周期と所定条件との組合せとしてもよい。
【0030】
上記説明では、圧電体を、好ましい材料として円板状の圧電セラミックスとしたが、単結晶材料、圧電薄膜材料などの圧電性を有する材料であればよく、圧電セラミックスに限定するものではない。また、超音波振動子の形状を図示したが図示された形状に限定されるものではない。金属ホーンは軽量な材質であることが必要だが、金属でなくてもよく、セラミックスなどでもよい。また、振動子駆動回路の駆動電源を、携帯可能なように電池としたが、大型な装置に適用する場合のため、例えば商用電源を用いることもできる。
【実施例1】
【0031】
本発明の実施例1について図6に図7を併せ参照して説明する。
【0032】
図6は、上記図5における振動子駆動回路30を、実施例1の振動子駆動回路31としたものである。
【0033】
振動子駆動回路31は、間欠出力発生部を含み、スイッチ17のオンにより電源電池16の供給を受けた際に、超音波振動子20を駆動する振動周波数を有する電圧を、間欠出力発生部の駆動と停止との繰り返しによる出力する。
【0034】
図7は、振動子駆動回路31から超音波振動子20に印加される電圧波形を、本発明の実施例1として示す波形の説明図である。振動子駆動回路31から出力される電圧波形は、駆動と停止とを3回繰り返す間欠波形W21と、同一電圧を保持する連続波形W22とで形成され、これを繰り返す。間欠波形は少なくとも1回、できれば複数回繰り返すことが効果を向上させるが、消費電力低減のためには、液体材質、環境等の条件、繰返し条件などにより異なるが、できる限り少ない回数での完全霧化が望ましい。
【0035】
超音波振動子20に連続波形W22が長時間継続して印加された場合には、液体は霧化せず液滴を形成する。しかし、適切な時期に、例えば定期的に間欠波形W21が印加された場合には、振動の加速エネルギーにより霧化が継続できる。
【0036】
制御の簡易さから、間欠波形W21と連続波形W22とは同一電圧としたが、例えば、間欠波形W21をより低い電圧で短い周期、またはより高い電圧で長い周期などと変化させてもよい。
【実施例2】
【0037】
本発明の実施例2について図8に図9を併せ参照して説明する。
【0038】
図8は、上記図5における振動子駆動回路30を、実施例2の振動子駆動回路32としたものである。
【0039】
振動子駆動回路32は、増減電圧発生部を含み、スイッチ17のオンにより電源電池16の供給を受けた際に、超音波振動子20を駆動する振動周波数を有する電圧を、増減電圧発生部により高い電圧から低い電圧に逓減している。
【0040】
図9は、振動子駆動回路32から超音波振動子20に印加される電圧波形を、本発明の実施例2として示す波形の説明図である。振動子駆動回路32から出力される電圧波形は、駆動の際に高い電圧を出力し、徐々に低い方に電圧を逓減する逓減波形W31と、同一電圧を保持する連続波形W32とで形成され、これを所定の周期で繰り返す。
【0041】
超音波振動子20に連続波形W32が長時間継続して印加された場合には、液体は霧化せず液滴を形成する。しかし、適切な時期に、例えば定期的に逓減波形W31が印加された場合には、振動の加速エネルギーにより霧化が継続できる。この周期は一定が好ましいが、条件に従って変化させるとしてもよい。
【0042】
上記説明では、逓減波形としたが、駆動時から電圧を逓増し所定電圧に達した際に連続波形W32となる逓増波形を選択しても、両者を併合した増減波形でもよい。
【実施例3】
【0043】
本発明の実施例3について図10に図11を併せ参照して説明する。
【0044】
図10は、上記図5における振動子駆動回路30を、実施例3の振動子駆動回路33としたものである。
【0045】
振動子駆動回路33は、変動周波数発生部を含み、スイッチ17のオンにより電源電池16の供給を受けた際に、超音波振動子20を駆動する電圧の振動周波数を、変動周波数発生部により超音波振動子20の固有共振周波数を通過するように時間と共に可変させるものである。
【0046】
図11は、振動子駆動回路33から超音波振動子20に印加される電圧波形を本発明の実施例3として示す波形の説明図である。振動子駆動回路33から出力される電圧波形は、駆動の際に共振周波数から高い周波数で出力し、徐々に低い方に逓減して超音波振動子20の固有共振周波数を通過して低い周波数にし、そののち、再度共振周波数に戻ってしばらく継続する周波数変動波形W41を繰り返す。電圧が低くても、このような周波数の変化が時間に対して過渡的な振動の加速エネルギーを超音波振動子20に付与するので、この加速エネルギーにより霧化が継続できる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
圧電霧化のため圧電体およびホーンで構成される超音波振動子を駆動する際、超音波振動子に供給する振動周波数および電圧の少なくとも一方を、所定の規則により変動させて液滴の生成を抑制することにより、連続して超音波振動子に供給する電圧を容易に低減できるので、消費電力の低減を必要とする圧電霧化装置に広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】従来の超音波噴霧装置における構成の一例を示す説明図である。(従来例)
【図2】従来の超音波噴霧装置における液体噴霧のため超音波を発生する回路の一例を示す説明図である。(従来例)
【図3】図2の振動子駆動回路が超音波振動子に印加する電圧波形の一例を示す説明図である。(従来例)
【図4】本発明の圧電霧化装置で引用する超音波振動子の一形態を示した説明図である。
【図5】本発明の圧電霧化装置に用いられる超音波振動子駆動回路の実施の基本形態を示した説明図である。(実施の基本形態)
【図6】本発明の圧電霧化装置に用いられる超音波振動子駆動回路の実施の一形態を示した説明図である。(実施例1)
【図7】図6における超音波振動子駆動回路の出力波形の一例を示した説明図である。(実施例1)
【図8】本発明の圧電霧化装置に用いられる超音波振動子駆動回路の実施の一形態を示した説明図である。(実施例2)
【図9】図8における超音波振動子駆動回路の出力波形の一例を示した説明図である。(実施例2)
【図10】本発明の圧電霧化装置に用いられる超音波振動子駆動回路の実施の一形態を示した説明図である。(実施例3)
【図11】図10における超音波振動子駆動回路の出力波形の一例を示した説明図である。(実施例3)
【符号の説明】
【0049】
16 電源電池
17 スイッチ
20 超音波振動子
21 圧電体
22 金属ホーン
31、32、33 振動子駆動回路
W21 間欠波形
W22、W32 連続波形
W31 逓減波形
W41 周波数変動波形
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電体の逆圧電現象による超音波振動を利用し、水、薬剤液等の液体を霧化させるものであって、消費電力を低減したにもかかわらず、ホーン先端部での霧化を達成することができる圧電霧化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の圧電霧化装置には、円板状の圧電セラミックスを金属ホーンに接合することで得られるものがある。この装置は、円板状の圧電セラミックスを固有共振周波数で自励発振させ、その振動により得られる振幅を金属ホーンにより拡大することにより効率よく液体を霧化させるように構成されている。
【0003】
従来の圧電霧化装置として、例えば特開2003−251239号公報に、圧電体と金属ホーンとからなる超音波振動子、液体を収容する液容器、および送風ファンを備え、駆動電力0.1〜5Wで駆動することができる超音波噴霧装置が開示されている。
【0004】
図1は、その超音波噴霧装置10の構成を、側面壁を除いて内部を覗いた模式で示す説明図である。
【0005】
超音波噴霧装置10は、そのハウジング前面の内側で、霧化される液体12のための容器11を下方部に、そしてその液体を霧化する超音波振動子20を上方部に装備する。容器11から超音波振動子20までの表面には平板状部材に挟まれた給水シート13が装着され、吸収シート13が容器11内部の液体12を吸収して超音波振動子20のための開口部14まで毛細管現象で吸い上げられるように構成される。
【0006】
ハウジング内部には超音波振動子20のための振動子駆動回路15、底面内部には装置の駆動電源となる電池16、上面には超音波振動子20の作動をオンまたはオフするスイッチ17、更に、後面内部には送風ファン18が設けられている。ハウジングの背面と前面には、図示を省略されているが、それぞれ送風ファン18のための吸入口と送風口とが設けられている。送風ファン18は、超音波振動子20の先端面となる給水シート13の開口部14で霧化させた霧粒子を揮散させる際、霧粒子が装置周辺に落下して液滴となり、床等を汚さないようにするために設けられている。
【0007】
図2は、図1において、液体噴霧のため超音波を発生する回路の一例を示す説明図である。
【0008】
振動子駆動回路15の出力は、超音波振動子20の共振周波数が固定されるように設定されている。スイッチ17のオンにより電源電池16が振動子駆動回路15に供給され、その出力により超音波振動子20が共振して、先端部分の液体を霧化する。すなわち、振動子駆動回路15の出力は、超音波振動子20が共振して、先端部分の液体を霧化するように設定されている。
【0009】
図3は、図2の振動子駆動回路15が超音波振動子20に印加する電圧波形W1である。すなわち、振動子駆動回路15は、超音波振動子20の固有共振周波数で自励発振するように構成され、超音波振動子20に印加される電圧を図示されるような正弦波に近い連続的な固定電圧で出力する。
【0010】
次に、図4を参照して、図1における超音波振動子20について説明する。
【0011】
図示される超音波振動子20は、円板状の圧電セラミックスを圧電体21として、金属ホーン22に接合することで得られる。金属ホーン22は環状円筒部材と漏斗状部材の広い円形開口部分とを接合して形成される。また、金属ホーン22は、環状円筒部材の一方を圧電体21に接合して、超音波振動子20を形成し、他方の漏斗状部材の狭い部分をホーン先端部として形成する。
【0012】
超音波振動子20は、圧電体21の固有共振周波数で自励発振させられ、その振動により得られる振幅を金属ホーン22により拡大することで、ホーン先端部の漏斗状部材の狭まれた開口先端部で効率よく液体を霧化させる。
【0013】
このような構成を有する、引用した特許文献1では、超音波振動子が駆動電力0.1〜5Wで、かつ金属ホーンの先端面で振幅5〜50μm(peak to peak)となるように駆動される。また、金属ホーンの先端面が扁平形状であり、その短尺方向と長尺方向の長さの比が、1:20〜2:3であり、面積が5〜100mm2であることが提案されている。この条件により、液体の噴霧状況を視覚的に確認できると共に、装置の周辺への液滴の付着を防止できるとしている。
【0014】
しかしながら、近年、更に消費電力を少なくすることとが要求されている。このため、電圧を下げて超音波振動子を駆動した場合、超音波振動子における金属ホーン先端での振幅が減少する。従って、金属ホーンの超音波振動エネルギーが供給される液体の表面張力より小さくなる。この結果、表面張力が非常に大きい液体は、図4で示されるように、金属ホーン22の先端部で液滴23を形成し、液体を霧化しないという問題が生じる。
【0015】
【特許文献1】特開2003−251239号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
解決しようとする課題は、超音波振動を利用しホーンの先端部で液体を霧化する装置で、超音波振動子の駆動による消費電力を低減した場合に、液体の霧化ができなくなる点である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、超音波振動子を構成する圧電体およびホーンを備え、圧電体の逆圧電現象による超音波振動を利用しホーンの先端部で液体を霧化する圧電霧化装置において、消費電力を低減したにもかかわらず、ホーン先端部での液体霧化を達成するため、超音波振動子に対して、駆動するための振動周波数および電圧の少なくとも一方を、ホーン先端部に生じる液滴を霧散するように、所定の規則により変動させて、時間に対して過渡的な振動の加速エネルギーを一時的に付与する振動子駆動回路を備えることを主要な特徴とする。
【0018】
ここで、所定の規則による変動は、振動周波数を有する電圧を超音波振動子に連続して供給する間の適切な時期に、例えば、圧電体を超音波振動させるための印加電圧を間欠と連続との組み合わせにすること、印加電圧を時間と共に増大と減少とを繰り返しさせること、または振動周波数を前記圧電体の共振周波数を通過するように時間と共に変化させることが好ましい。また、これらの組合せでもよい。この適切な時期は、例えば、定期的若しくは所定の条件となったとき、またはこれらを組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の圧電霧化装置は、超音波振動子に対して、駆動するための振動周波数および電圧の少なくとも一方を、所定の規則により変動させて、時間に対し過渡的な振動の加速エネルギーを一時的に付与している。すなわち、圧電体を超音波振動させるための印加電圧を間欠とした場合、金属ホーンの先端部に付着した液滴には、時間に対して過渡的な振動の加速エネルギーが付与されるため、絶対値が低い電圧でも形成された液滴を振り払うことが可能である。また、電圧の増大または減少の際でも、時間に対し過渡的な振動の加速エネルギーが付与されるため、同様な効果が得られる。更に印加する電圧の周波数を超音波振動子の固有共振周波数を通過するように時間と共に可変させるスイープ電圧でも、時間に対し過渡的な振動の加速エネルギーが付与されるため、同様な効果が得られる。すなわち、消費電力を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明による圧電霧化装置について図面を参照して説明する。図示される要素は特徴を模式化しているため各構成部分の相対寸法は参照として提示されるものである。
【0021】
振動源となる超音波振動子の具体的な形状、寸法等は、液体の材質・特性、液体霧化量等に基づいて最小電圧で駆動できるように実験等により決定することができる。しかし、所定の形状、寸法の超音波振動子に対する液体霧化のための印加電圧を低減する最良の形態を、以下に説明する。
【0022】
本発明による圧電霧化装置は、超音波振動子を構成する圧電体およびホーンを備え、圧電体の逆圧電現象による超音波振動を利用しホーンの先端部で液体を霧化するものである。この圧電霧化装置において、消費電力を低減したにもかかわらず、ホーン先端部での液体霧化を達成するという目的を、超音波振動子を駆動するため超音波振動子に供給する振動周波数および電圧の少なくとも一方を、所定の規則により変動させることにより実現した。
【0023】
すなわち、このように、振動周波数または電圧が変動することにより、超音波振動子のホーン先端部に、時間に対して過渡的な振動の加速エネルギーを付与することができる。
【0024】
図4に、本発明の圧電霧化装置で用いられる超音波振動子の実施の一形態が示される。
【0025】
上述したように、図示される超音波振動子20は、円板状の圧電セラミックスを圧電体21として、金属ホーン22に接合することで得られる。金属ホーン22は、環状円筒部材と漏斗状部材とで構成され、環状円筒部材と漏斗状部材の広い面側とが接合されている。超音波振動子20は、金属ホーン22の環状円筒部材側を圧電体21に接合して形成され、圧電体21の固有共振周波数で自励発振させ、その振動により得られる振幅を金属ホーン22により拡大することで、漏斗状部材の狭まれた開口部で効率よく液体を霧化させる。
【0026】
しかし、このような形状では、消費電力を少なくする必要性から駆動電圧を下げて駆動した場合、超音波振動子における金属ホーン先端での振幅が減少する。従って、金属ホーンの超音波振動エネルギーが、供給される液体の表面張力より小さくなる。この結果、表面張力が非常に大きい液体は、図4で示されるように、金属ホーン22の先端部で液滴23を形成し、液体を霧化できない。
【0027】
図5に図4を併せ参照して、駆動電圧が低くても、金属ホーン22の先端部で液体霧化を達成できる振動子駆動回路30について説明する。振動子駆動回路30を除く各構成要素は上記図2と同一であるとする。
【0028】
振動子駆動回路30は、スイッチ17のオンにより電源電池16の供給を受けた際に、超音波振動子20を駆動する振動周波数を有する電圧を出力して超音波振動子20に印加する。均一振動周波数を有する均一電圧が連続する場合と比較して、例えば振動周波数または電圧の変化は、超音波振動子20のホーン先端部に、時間に対して過渡的な振動の加速エネルギーを付与することができる。ホーン先端部に発生するであろう液滴23はこの振動の加速エネルギーにより霧散する。
【0029】
従って、周波数変化または電圧変化の時期は、周波数または電圧の変化の種別に加えて、液体の材質・特性、液体霧化量、超音波振動子の形状・環境状況、および印加電圧などに基づいて、その周期が決定される。この周期は、一定であることが制御の簡便化のうえで好ましいが、他の条件にしたがって設定することでもよい。すなわち、所定の条件となった際、または上記固定周期と所定条件との組合せとしてもよい。
【0030】
上記説明では、圧電体を、好ましい材料として円板状の圧電セラミックスとしたが、単結晶材料、圧電薄膜材料などの圧電性を有する材料であればよく、圧電セラミックスに限定するものではない。また、超音波振動子の形状を図示したが図示された形状に限定されるものではない。金属ホーンは軽量な材質であることが必要だが、金属でなくてもよく、セラミックスなどでもよい。また、振動子駆動回路の駆動電源を、携帯可能なように電池としたが、大型な装置に適用する場合のため、例えば商用電源を用いることもできる。
【実施例1】
【0031】
本発明の実施例1について図6に図7を併せ参照して説明する。
【0032】
図6は、上記図5における振動子駆動回路30を、実施例1の振動子駆動回路31としたものである。
【0033】
振動子駆動回路31は、間欠出力発生部を含み、スイッチ17のオンにより電源電池16の供給を受けた際に、超音波振動子20を駆動する振動周波数を有する電圧を、間欠出力発生部の駆動と停止との繰り返しによる出力する。
【0034】
図7は、振動子駆動回路31から超音波振動子20に印加される電圧波形を、本発明の実施例1として示す波形の説明図である。振動子駆動回路31から出力される電圧波形は、駆動と停止とを3回繰り返す間欠波形W21と、同一電圧を保持する連続波形W22とで形成され、これを繰り返す。間欠波形は少なくとも1回、できれば複数回繰り返すことが効果を向上させるが、消費電力低減のためには、液体材質、環境等の条件、繰返し条件などにより異なるが、できる限り少ない回数での完全霧化が望ましい。
【0035】
超音波振動子20に連続波形W22が長時間継続して印加された場合には、液体は霧化せず液滴を形成する。しかし、適切な時期に、例えば定期的に間欠波形W21が印加された場合には、振動の加速エネルギーにより霧化が継続できる。
【0036】
制御の簡易さから、間欠波形W21と連続波形W22とは同一電圧としたが、例えば、間欠波形W21をより低い電圧で短い周期、またはより高い電圧で長い周期などと変化させてもよい。
【実施例2】
【0037】
本発明の実施例2について図8に図9を併せ参照して説明する。
【0038】
図8は、上記図5における振動子駆動回路30を、実施例2の振動子駆動回路32としたものである。
【0039】
振動子駆動回路32は、増減電圧発生部を含み、スイッチ17のオンにより電源電池16の供給を受けた際に、超音波振動子20を駆動する振動周波数を有する電圧を、増減電圧発生部により高い電圧から低い電圧に逓減している。
【0040】
図9は、振動子駆動回路32から超音波振動子20に印加される電圧波形を、本発明の実施例2として示す波形の説明図である。振動子駆動回路32から出力される電圧波形は、駆動の際に高い電圧を出力し、徐々に低い方に電圧を逓減する逓減波形W31と、同一電圧を保持する連続波形W32とで形成され、これを所定の周期で繰り返す。
【0041】
超音波振動子20に連続波形W32が長時間継続して印加された場合には、液体は霧化せず液滴を形成する。しかし、適切な時期に、例えば定期的に逓減波形W31が印加された場合には、振動の加速エネルギーにより霧化が継続できる。この周期は一定が好ましいが、条件に従って変化させるとしてもよい。
【0042】
上記説明では、逓減波形としたが、駆動時から電圧を逓増し所定電圧に達した際に連続波形W32となる逓増波形を選択しても、両者を併合した増減波形でもよい。
【実施例3】
【0043】
本発明の実施例3について図10に図11を併せ参照して説明する。
【0044】
図10は、上記図5における振動子駆動回路30を、実施例3の振動子駆動回路33としたものである。
【0045】
振動子駆動回路33は、変動周波数発生部を含み、スイッチ17のオンにより電源電池16の供給を受けた際に、超音波振動子20を駆動する電圧の振動周波数を、変動周波数発生部により超音波振動子20の固有共振周波数を通過するように時間と共に可変させるものである。
【0046】
図11は、振動子駆動回路33から超音波振動子20に印加される電圧波形を本発明の実施例3として示す波形の説明図である。振動子駆動回路33から出力される電圧波形は、駆動の際に共振周波数から高い周波数で出力し、徐々に低い方に逓減して超音波振動子20の固有共振周波数を通過して低い周波数にし、そののち、再度共振周波数に戻ってしばらく継続する周波数変動波形W41を繰り返す。電圧が低くても、このような周波数の変化が時間に対して過渡的な振動の加速エネルギーを超音波振動子20に付与するので、この加速エネルギーにより霧化が継続できる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
圧電霧化のため圧電体およびホーンで構成される超音波振動子を駆動する際、超音波振動子に供給する振動周波数および電圧の少なくとも一方を、所定の規則により変動させて液滴の生成を抑制することにより、連続して超音波振動子に供給する電圧を容易に低減できるので、消費電力の低減を必要とする圧電霧化装置に広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】従来の超音波噴霧装置における構成の一例を示す説明図である。(従来例)
【図2】従来の超音波噴霧装置における液体噴霧のため超音波を発生する回路の一例を示す説明図である。(従来例)
【図3】図2の振動子駆動回路が超音波振動子に印加する電圧波形の一例を示す説明図である。(従来例)
【図4】本発明の圧電霧化装置で引用する超音波振動子の一形態を示した説明図である。
【図5】本発明の圧電霧化装置に用いられる超音波振動子駆動回路の実施の基本形態を示した説明図である。(実施の基本形態)
【図6】本発明の圧電霧化装置に用いられる超音波振動子駆動回路の実施の一形態を示した説明図である。(実施例1)
【図7】図6における超音波振動子駆動回路の出力波形の一例を示した説明図である。(実施例1)
【図8】本発明の圧電霧化装置に用いられる超音波振動子駆動回路の実施の一形態を示した説明図である。(実施例2)
【図9】図8における超音波振動子駆動回路の出力波形の一例を示した説明図である。(実施例2)
【図10】本発明の圧電霧化装置に用いられる超音波振動子駆動回路の実施の一形態を示した説明図である。(実施例3)
【図11】図10における超音波振動子駆動回路の出力波形の一例を示した説明図である。(実施例3)
【符号の説明】
【0049】
16 電源電池
17 スイッチ
20 超音波振動子
21 圧電体
22 金属ホーン
31、32、33 振動子駆動回路
W21 間欠波形
W22、W32 連続波形
W31 逓減波形
W41 周波数変動波形
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波振動子を構成する圧電体およびホーンを備え、圧電体の逆圧電現象による超音波振動を利用しホーンの先端部で液体を霧化する圧電霧化装置において、前記超音波振動子に対して、駆動するための振動周波数および電圧の少なくとも一方を、前記ホーン先端部に生じる液滴を霧散するように所定の規則により変動させて、供給する振動子駆動回路を備えることを特徴とする圧電霧化装置。
【請求項2】
請求項1に記載の圧電霧化装置において、前記振動子駆動回路は、振動周波数を有する電圧を前記超音波振動子に連続して供給する間で、適切な時期に、駆動と停止とを繰り返す間欠部分を挿入することを特徴とする圧電霧化装置。
【請求項3】
請求項1に記載の圧電霧化装置において、前記振動子駆動回路は、振動周波数を有する電圧を前記超音波振動子に連続して供給する間で、適切な時期に、増加と減少とを少なくとも一回繰り返す電圧変動部分を挿入することを特徴とする圧電霧化装置。
【請求項4】
請求項1に記載の圧電霧化装置において、前記振動子駆動回路は、振動周波数を有する電圧を前記超音波振動子に連続して供給する間で、適切な時期に、印加する電圧の周波数を前記超音波振動子の固有共振周波数を通過するように時間と共に可変させるスイープ電圧とする周波数変動部分を挿入することを特徴とする圧電霧化装置。
【請求項5】
請求項1に記載の圧電霧化装置において、前記振動子駆動回路は、振動周波数を有する電圧を前記超音波振動子に連続して供給する間で、適切な時期に、
駆動と停止とを繰り返す間欠部分と、増加と減少とを少なくとも一回繰り返す電圧変動部分と、かつ印加する電圧の周波数を前記超音波振動子の固有共振周波数を通過するように時間と共に可変させるスイープ電圧とする周波数変動部分とのうち、二つ以上を組み合わせて、挿入することを特徴とする圧電霧化装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までに記載されるうちの一つの圧電霧化装置において、駆動するための振動周波数および電圧の少なくとも一方を変動させて供給する適切な時期は、定期的若しくは所定の条件となった際、またはこれらの組合せとすることを特徴とする圧電霧化装置。
【請求項1】
超音波振動子を構成する圧電体およびホーンを備え、圧電体の逆圧電現象による超音波振動を利用しホーンの先端部で液体を霧化する圧電霧化装置において、前記超音波振動子に対して、駆動するための振動周波数および電圧の少なくとも一方を、前記ホーン先端部に生じる液滴を霧散するように所定の規則により変動させて、供給する振動子駆動回路を備えることを特徴とする圧電霧化装置。
【請求項2】
請求項1に記載の圧電霧化装置において、前記振動子駆動回路は、振動周波数を有する電圧を前記超音波振動子に連続して供給する間で、適切な時期に、駆動と停止とを繰り返す間欠部分を挿入することを特徴とする圧電霧化装置。
【請求項3】
請求項1に記載の圧電霧化装置において、前記振動子駆動回路は、振動周波数を有する電圧を前記超音波振動子に連続して供給する間で、適切な時期に、増加と減少とを少なくとも一回繰り返す電圧変動部分を挿入することを特徴とする圧電霧化装置。
【請求項4】
請求項1に記載の圧電霧化装置において、前記振動子駆動回路は、振動周波数を有する電圧を前記超音波振動子に連続して供給する間で、適切な時期に、印加する電圧の周波数を前記超音波振動子の固有共振周波数を通過するように時間と共に可変させるスイープ電圧とする周波数変動部分を挿入することを特徴とする圧電霧化装置。
【請求項5】
請求項1に記載の圧電霧化装置において、前記振動子駆動回路は、振動周波数を有する電圧を前記超音波振動子に連続して供給する間で、適切な時期に、
駆動と停止とを繰り返す間欠部分と、増加と減少とを少なくとも一回繰り返す電圧変動部分と、かつ印加する電圧の周波数を前記超音波振動子の固有共振周波数を通過するように時間と共に可変させるスイープ電圧とする周波数変動部分とのうち、二つ以上を組み合わせて、挿入することを特徴とする圧電霧化装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までに記載されるうちの一つの圧電霧化装置において、駆動するための振動周波数および電圧の少なくとも一方を変動させて供給する適切な時期は、定期的若しくは所定の条件となった際、またはこれらの組合せとすることを特徴とする圧電霧化装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−181496(P2006−181496A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−378841(P2004−378841)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【出願人】(505003447)日本エムエムアイテクノロジー株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【出願人】(505003447)日本エムエムアイテクノロジー株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
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