説明

在庫管理システム

【課題】在庫管理を容易に行うことができるとともに、在庫商品をリアルタイムに管理する。
【解決手段】商品の入庫、出庫、及び移動時に、該商品に割り当てられた識別情報を検出して送信する検出部10と、検出部10から受信した前記識別情報と前記商品に関する商品関連情報とを関連付けた情報に基づいて前記商品を管理する在庫管理サーバ20とを有することを特徴とする在庫管理システム1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、倉庫内の在庫を管理する在庫管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の在庫管理システムは、倉庫の在庫を、有効性、価格上昇の可能性、再注文までのラグタイム、および消費率の予測性等の要因に基づいて、最適レベルに保持するシステムである。このようなシステムとして、例えばERP(Material Requirement Planning)システムが挙げられる。ERPシステムはデータベースが一元化されており、各サブシステム、会計、購買、在庫、販売、生産が連携されることにより、受注から生産、出荷、売上まで管理できる統合化されたシステムである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、在庫管理システムとしてERPシステムが導入されてはいるものの、製品数が多い場合にその操作が複雑となり、思うように在庫管理を行うことができない場合があった。また、在庫管理を行う際に伝票の入力忘れや入力ミスが発生し、特に、在庫商品の型番変更や設計変更が行われた場合にこのような問題が多発していた。
【0004】
さらに、このような状況の下では、型番変更等により新旧商品の在庫を正確に把握することができないため、在庫をリアルタイムに管理することができず、また、生産計画が乱れてしまい不良在庫が発生する問題もあった。
【0005】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、在庫管理を容易に行うことができるとともに、在庫商品をリアルタイムに管理することができる在庫管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明の在庫管理システムは、商品の入庫、出庫、及び移動時に、該商品に割り当てられた識別情報を検出して送信する検出部と、前記検出部から受信した前記識別情報と前記商品に関する商品関連情報とを関連付けた情報に基づいて前記商品を管理する在庫管理サーバとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
在庫管理を容易に行うことができるとともに、在庫商品をリアルタイムに管理することができる在庫管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施の形態に係る在庫管理システムの機能を示す機能ブロック図である。
【図2】本実施の形態に係る在庫管理システムの動作を説明する図である。
【図3】本実施の形態に係る在庫管理システムのバーコードブックを示す図である。
【図4】本実施の形態に係る在庫管理システムの入庫リストを示す図である。
【図5】本実施の形態に係る在庫管理システムの出庫検索画面を示す図である。
【図6】本実施の形態に係る在庫管理システムの棚卸リストを示す図である。
【図7】本実施の形態に係る在庫管理システムの入庫統計を示す画面である。
【図8】本実施の形態に係る在庫管理システムの棚卸統計を示す画面である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施の形態に係る在庫管理システム1について図を用いて説明する。なお、以下では、本実施の形態の説明で必要な図のみ用いて説明する。このため、本発明はこれらの図に限定されるものではない。
【0010】
図1は、本実施の形態に係る在庫管理システム1の機能を示す機能ブロック図である。在庫管理システム1は、検出部10、在庫管理サーバ20及び出力部30を有する。
【0011】
検出部10は、読取部11及び送信部12を有し、例えばハンディターミナルがこれに相当する。読取部11は、バーコード、二次元バーコード、RFIDタグ又はラベル等から各商品の識別情報を読み取る。送信部12は読み取られた識別情報を在庫管理サーバ20に送信する。
【0012】
在庫管理サーバ20は、受信部21、記憶部22、入力部23、制御部24及び表示部25を有する。受信部21は送信部14で送信された識別情報を受信する。記憶部22は受信部21で受信した識別情報を記憶する。入力部23は、商品の入庫の際にユーザにより、商品名、入庫先の倉庫名、商品の属性、入庫の日付、商品情報、入庫数量、ユーザの氏名等(以下、適宜、「商品関連情報」と称する。)を入力するために用いられ、例えばキーボード等が挙げられる。制御部24は記憶部22に記憶された識別情報と商品関連情報とを関連付けた関連付け情報に基づいて商品を管理する。具体的な管理の内容は後述する。表示部25はユーザが種々の情報を入力するための画面を表示する。
【0013】
出力部30は、制御部24が記憶部22に記憶された識別情報に基づいて作成した入庫リスト、出庫リスト、移動リスト等を制御部24の指示により紙等に出力する。
【0014】
次に、本実施の形態に係る在庫管理システム1の動作について説明する。以下の説明では、入庫管理、出庫管理、在庫の他の倉庫への移動、棚卸し、データ統計及びシステム管理について説明する。
【0015】
入庫管理について図2〜図4を用いて説明する。図2は本実施の形態に係る在庫管理システム1の動作を説明する図である。図3は本実施の形態に係る在庫管理システム1のバーコードブックを示す図である。図4は本実施の形態に係る在庫管理システム1の入庫リストを示す図である。
【0016】
制御部24は、商品を入庫するユーザにより入力された商品関連情報を記憶部22に記憶させ、商品毎にバーコードを割り当てる。そして、制御部24は、図3に示す入庫リスト(バーコードブック)を作成した後、出力部30に入庫リストを出力させる。
【0017】
ユーザは、入庫リストに記載されたバーコードをハンディターミナル(検出部)10でスキャン(検出)しながら入庫する商品及びその個数を確認する。ハンディターミナル10はスキャンした商品毎の識別情報を在庫管理サーバ20に送信する。ユーザは、入庫内容を確認する際、在庫管理サーバ20の表示部25に不図示の入庫検索画面を表示させて入力部23で商品名等の商品関連情報を入力し、表示部25で入庫した商品の情報を認識することにより、入庫した商品がシステムDB22に記憶されていることを確認する。
【0018】
制御部24は、受信した識別情報をシステムDB(記憶部)22に記憶させ、入庫の際に入力された商品関連情報とハンディターミナル10でスキャンされた識別情報とを関連付けた後、関連付け情報をシステムDB22に記憶させる。関連付ける方法としては、例えば、商品毎に一覧表を作成して商品関連情報と識別情報とを対応付けて一元管理する方法が挙げられる。そして、制御部24はシステムDB22に記憶されている在庫情報を更新する。
【0019】
出庫管理について図2及び図5を用いて説明する。図5は本実施の形態に係る在庫管理システムの出庫検索画面を示す図である。
【0020】
制御部24は、商品を出庫するユーザにより入力された商品関連情報をシステムDB22に記憶させ、商品毎にバーコードを割り当てる。そして、制御部24は、不図示の出庫リスト(バーコードブック)を作成した後、出力部30に入庫リストを出力させる。この後は、出庫管理と同様に、制御部24は、ハンディターミナル10でスキャンされた識別情報と商品関連情報とを関連付け、関連付け情報をシステムDB22に保存する。そして、制御部24はシステムDB22に記憶されている在庫情報を更新する。
【0021】
在庫(商品)の他の倉庫への移動について図2を用いて説明する。商品の倉庫間移動においても、入出庫管理と同様に、制御部24移動リスト(バーコードブック)を作成し、ハンディターミナル10でスキャンされた識別情報と商品関連情報とを関連付け、システムDB22に記憶されている在庫情報を更新する。
【0022】
このように、商品の入庫、出庫及び移動等の商品関連情報をシステムDB22に一元管理することにより、倉庫の商品在庫配分を分析し、在庫移動によって倉庫毎の商品在庫配分を最適化し、倉庫の利用効率を高めることができる。
【0023】
棚卸しについて図2及び図6を用いて説明する。図6は本実施の形態に係る在庫管理システム1の棚卸リストを示す図である。制御部24は、システムDB22に記憶されている在庫情報から棚卸しリスト(バーコードブック)を作成し、出力部30により図6に示す棚卸しリストを出力する。ユーザは、出力された棚卸しリストに基づいて倉庫毎に棚卸しを行い、在庫増加又は在庫損失が発生した場合にはデータの修正を行う。制御部24は、修正後のデータをシステムDB22に記憶されている在庫情報に反映させて在庫情報を更新する。
【0024】
データ統計について図7及び図8を用いて説明する。図7は本実施の形態に係る在庫管理システム1の入庫統計を示す画面である。図8は本実施の形態に係る在庫管理システム1の棚卸統計を示す画面である。
【0025】
制御部24は、ユーザの指示により、図7に示す画面から出力される入庫統計、出庫統計、図8に示す画面から出力される棚卸統計、商品統計、在庫増加統計、在庫損失統計、在庫移動統計等の統計を作成し、出力部30によりこれらを出力する。
【0026】
このように、ユーザはこれらの統計により倉庫毎の作業履歴を容易に検索することができる。また、在庫の変動がハンディターミナルからの関連付け情報によりリアルタイムに在庫情報に反映されるため、リアルタイムに商品移動及び在庫を監視することができる。また、手作業で帳票を作成する必要がなく、容易に各種帳票を作成することができる。
【0027】
システム管理について説明する。制御部24は、システムのセキュリティを保証するためにユーザの業務内容に応じてシステムを使用するための権限の設定、システムのユーザにユーザ名とパスワードを設定するユーザ設定、前述のような全商品のバーコードブックを作成して在庫管理に用いるバーコード印刷、操作履歴のシステムDB22への保存等を行う。
【0028】
以上のように、本実施の形態に係る在庫管理システム1は、商品関連情報と商品の識別情報とを関連付けて一元管理することにより、倉庫における商品のすべての動きを記録し、簡単に商品を追跡することができる。また、各商品に対応するバーコードをハンディターミナルにより簡単にスキャンし、スキャンした情報を用いて商品を管理することにより、リアルタイムに、且つ、倉庫のあらゆる場所で商品の在庫、出庫及び移動情報の履歴を管理することができる。このため、煩雑な手作業を減らし、正確且つ迅速に在庫商品を検索することができるとともに、倉庫内の商品の動的なデータを迅速に統計し、各種データの帳票を作成することができる。
【0029】
さらに、簡単で分かりやすいユーザ・インタフェースを実現し、特別な技術を有しないユーザでも簡単に在庫管理システム1を操作することができる。ユーザに応じて異なる権限を設定し、権限の濫用を防止することができる。ユーザが操作した履歴がすべて残されているため、いつでも問合せをすることができる。
【符号の説明】
【0030】
1 在庫管理システム、10 検出部、11 読取部、12 送信部、20 在庫管理サーバ、21 受信部、22 記憶部、23 入力部、24 制御部、25 表示部、30 出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の入庫、出庫、及び移動時に、該商品に割り当てられた識別情報を検出して送信する検出部と、
前記検出部から受信した前記識別情報と前記商品に関する商品関連情報とを関連付けた情報に基づいて前記商品を管理する在庫管理サーバと
を有することを特徴とする在庫管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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