地中に固化用加圧流体混合物を注入するためのヘッド
【課題】処理される土壌により大きな崩壊効果を得るようにし、電力消費を同一に保ちながら、噴流を出すモニタの浸透能力の観点で可能な最大効率を有するモニタ又は注入ヘッドを提供する
【解決手段】ヘッド10は、流体のための少なくとも1つの上側入口16を有する外側円筒体12と、少なくとも1つの出口側方ノズル11と、螺旋中心線を有する少なくとも1つの螺旋ダクト13とを備えている。ダクトは、上側入口16をノズル11に接続し、ノズルを通って流れる流体に、外側体12の縦軸Zの周りでノズル11に向かう螺旋運動を与える。縦軸Zに垂直な断面平面において見られる場合だけでなく、縦軸Zに平行且つ螺旋中心線に接する断面平面において見られる場合の双方で、螺旋ダクト13は、ノズル11に向かって徐々に先細りであり、先細りの態様でノズルに丸みが与えられているダクトのターミナル長さを含んでいる。
【解決手段】ヘッド10は、流体のための少なくとも1つの上側入口16を有する外側円筒体12と、少なくとも1つの出口側方ノズル11と、螺旋中心線を有する少なくとも1つの螺旋ダクト13とを備えている。ダクトは、上側入口16をノズル11に接続し、ノズルを通って流れる流体に、外側体12の縦軸Zの周りでノズル11に向かう螺旋運動を与える。縦軸Zに垂直な断面平面において見られる場合だけでなく、縦軸Zに平行且つ螺旋中心線に接する断面平面において見られる場合の双方で、螺旋ダクト13は、ノズル11に向かって徐々に先細りであり、先細りの態様でノズルに丸みが与えられているダクトのターミナル長さを含んでいる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固められた土壌部分を形成するために、地中に固化用加圧流体混合物を注入するための高性能ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
「噴流注入工法」として知られているこの技術は、地中に人工の礫岩の柱状構造を形成するために用いられている。これらの技術は、それ自体が結合剤を伴う土壌の粒子の混合物、セメント混合物に基づいている。混合物は、注入ヘッド(一般に「モニタ」と呼ばれる)内に形成された概して小さな半径方向ノズルを介して高圧で注入され、注入ヘッドは筒状ロッドのストリング(string)の下端の近位に固定されており、回転され、表面の方に引っ込められる。ロッドのストリングの下部で、モニタの下に、切削工具が固定されており、採掘段階の間、ロッドから供給される採掘流体を用いて潤滑されており、この場合、ダクトとして働く。
【0003】
結合剤の噴流は分散され、周囲の土壌と混合される。これが、概して筒形状の礫岩の塊を生み出し、硬化したときに、土壌の固化領域を形成する。
【0004】
現在基礎セクタ(foundation sector)で最も一般的に用いられているストリングは、水及びセメントの混合物がそれを通ってモニタのゾーンに供給される大きな断面積を有するダクトを有しており、ここにノズルが存在している。後者は、半径方向を向いた、すなわちモニタの縦軸に対して鉛直な孔の中に収容されている。流体力学の観点では、この配置は、経路に沿う摩擦損失を軽減する。というのは、流体がモニタの端部に到達しない限りは、流体の流速が低いためである。流体が一旦このゾーンに到達すると、流れはノズルの領域で垂直にそれて、流れがそれる領域における強い乱流によって特徴付けられる不規則な自由運動を生み出す。このことは、高い損失水頭を引き起こし、まさにノズルからの出口の近位で、結果として乱流が、流れが秩序だった方法により、すなわち出ている材料の単一粒子の速度ベクトルが各ノズルの主軸に従って指向されながら、ノズルから出るのを妨げる。
【0005】
流体がモニタの内部から外部へ流れる行動は、相当の損失水頭の原因であり、このため、増加した電力消費の観点だけでなく処理材料の柱の減少された直径の観点からも理解される。このため、モニタ内で生み出される損失水頭を制限するように、分野における必要がある。
【0006】
特許文献は、噴流注入セクタのための様々なモニタを開示している。セクタは、その内部にたくさんの溝を備えており、これらの溝は、多重螺旋形状を有するレイアウトにしたがって捻られており、モニタの入口から関連のあるノズルの入口に螺旋運動における流れを案内できる。1つの実施例は、JP−A−2008285811により与えられている。前記構造の正確な寸法取りのための基本パラメータが特定され、効率を最大限にするように噴流の入口及び出口ゾーンが修正されないかぎり、この種の多重螺旋形状は、通常用いられる形態(すなわち乱流の自由運動を生み出すもの)に対して、それ自体が振る舞いにおける最大限の改善を保証しない。
【0007】
特許文献は、流体混合物をそらせるための1以上の屈曲したダクトを有する他のモニタを記述しており、そのモニタは流体混合物を主ダクトから側方ノズルに運び、方向における段階的変化を伴う経路をたどっており、これにより乱流及び集中損失水頭を減少させている。US−5228809は、一定の断面及び不変の曲率を有するダクトを開示している。EP−1396585は、徐々に先細りであって、曲率が可変のダクトを開示している。しかし、ノズルに至る最終入口長さ全体に沿う流体混合物の通路のためのダクトの直径は、2つの反対の要件を釣り合わせるという必要を条件としている。第1に、モニタの外径を(概して相対的に小さく且つ約100mmの大きさのオーダーに)制限する必要がある。第2に、ダクトに可能な最大の曲率半径を与えることが好ましい。言い換えると、これらのシステムは、かなりの長さ及び減少された直径を有し、ノズルの出口の長さに匹敵する、長さを備えている。このため、集中損失が減少されることから引き出される利点は、流体が最終長さ内での非常な高速を採用するという事実によって、制限されている。また、ダクト、屈曲、及び半径の存在は、モニタ全体の構造を複雑にし、組立工程、メンテナンス工程、及び分解工程をさらに一層複雑にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の主要な目的は、より正確に、処理される土壌により大きな崩壊効果を得るようにし、電力消費を同一に保ちながら、噴流を出すモニタの浸透能力の観点で可能な最大効率を有するモニタ又は注入ヘッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これ及び他の目的及び利点は、続く文章からより完全に理解されるであろうが、本発明にしたがって、添付の請求項で説明される特徴を有する注入ヘッド及びモニタにより、得られる。
【0010】
本発明の好ましい実施形態の詳細な説明をする前に、以下の文章は、本発明を達成するために実行され且つ噴流の最大効率の調査に全て基づく基準を、述べている。この点で、エネルギー解析は、モニタ内の運動における流体流れに実行され、損失水頭を解析する。以下は、モニタの構成によって課される条件を考慮して、これらの解析から明らかにされている。条件は、
モニタの軸に主として鉛直又は平行な流れの入口
モニタの軸に対して主として垂直な流れの出口、及び
モニタ内で、ロッドのヘッドからの冷却流体の通過のために自由にされている、中心ダクトの存在、であり、
最大の可能な効率(又は最小の損失水頭)を得るためにモニタ内で流体が取らなければならない経路は、螺旋経路である。これにより、実際、流れの方向を連続的にそらせることができ、螺旋経路を決定するダクトの断面及び水力直径を連続的に変更することもできる。この文脈において、「経路」は、モニタ内の流体の流れに対して垂直であるダクトの断面の中心を特定する点の幾何学的な位置を指している。言い換えると、経路は、以下で詳細に説明されるように、ダクトの中心(螺旋)線に一致している。螺旋経路の全てが、損失を最小化する点で望ましい効果を生み出すことができるわけではないことは、明らかである。つまり、モニタ自体からの通過のために損失水頭を最小化するために、流体が取らねばならない最適の螺旋経路が、以下で説明されるように、損失を最小化する5つの条件によって特定されることが分かっている。
【0011】
図1を参照すると、一般的な螺旋経路の式は、次の成分によって定義される。
x=r(θ)cosθ
y=r(θ)sinθ
z=h(θ),
ここで、r(θ)及びh(θ)は角度θの関数であり、θは、値θ1(モニタの入口)と値θ2(モニタの出口)との間の範囲で変化する。
【0012】
損失を最小化するための第1条件は、螺旋経路の半径rが理想的に一定に保たれることである。あるケースでは、これが、設計上の理由により可能ではない。とはいっても、半径は、モニタの入口と出口との間で線形に変化しなければならない。角度θがゼロ(すなわちθ1=0)である範囲の下限を任意に設定することは、決定される変数が、その代わりに、θ2又は、同様な方法で、モニタHの高さであることを意味している。モニタHの高さは、モニタ自体の入口と出口との間のモニタの軸上における距離であると理解されている。関数h(θ)に関しては、次の関係が、一定のピッチ(図2を参照)を有する螺旋の場合に存在するであろう。
ピッチp=z(θ=2π)=h・2π(ここでhはゼロより大きな一定値)
tgα=h/r
z=h・θ=r・tgα・θ
【0013】
一定のピッチの条件は、ここに示されている実施例では、実際に確認されていないが、モニタの入口(α≒90°)と出口(α≒0°)との間に存在する螺旋経路の角度αにおける変化である。
【0014】
損失を最小化するための第2条件は、次の通りである。モニタの入口と出口との間の螺旋経路の角度αにおける変化を表現する関数は、線形でなければならない。言い換えると、経路に沿う螺旋の角度αにおける変化を表現する関数は、一定の微分係数を有している。
【0015】
入口における角度αは、90°に等しく設定することはできない。というのは、無限大の微分係数が、この角度の値に対応することになるためである。このため、ほとんど鉛直方向に流れをそらせるようにするため、モニタの入口に丸みをつける必要があり、それは、損失を最小化するために厳密に鉛直方向から量Δだけ異なっている(損失を最小化するための第3条件)。例として、小さな集中損失を有する円錐状の入口のための文献から知られている値は、20°に等しい丸み角度(radius angle)Δである。この値は、70°(すなわち90°−20°)に等しいα値を有する流体の入口(経路の始点)における実際の入口に相当している。これは、小さな集中損失水頭を生み出す。螺旋経路αの角度の変化を記述する関数の微分係数がθに対して一定であれば、端部で不自然な条件、すなわち次のタイプを考慮すれば、この関数が線形であるという結果になる。
α=a+b・θ=(π/2−Δ)(1−θ/θ2)
この点で、zとαのタンジェントとの間の関連性を推定する必要がある。増加量dzは、螺旋経路の各点において異なっており、経路自体に沿うαの変動性によっており、θの関数とされているものは、次式によって与えられている。
dz=r・tgα・dθ
その式から積分によって、θの各値に関連するzの値が得られる。
z=∫r・tgα・dθ=−r/b[ln|cosα|−ln|cosa|]
【0016】
最適の経路を特定するための決定的な関係の数は、ダクト内の運動における流体のヘッドの損失を計算するための且つ技術文献を引用するための既知の式から、確立されている。特に、引用は、断面における(又は水力直径の平方における)変化と、急な横断面の変化に対する集中損失の対応する係数との間に存在する関係に対して、なされている。
【0017】
モニタの入口と出口との間に存在する、断面における(又は水力直径の平方における)変化があるので、モニタの入口と出口との間で、断面における減少を示す関数S(又は水力直径の平方における減少を示す関数D)が、線形でなければならない、すなわち一定の微分係数を持っている(損失を最小化するための第4条件)ということが観察される。
【0018】
更なる観察は、ダクトを収束させることにおける損失水頭の研究から由来している。推力直径がモニタの入口と出口との間で知られているならば、経路の線形の発展は、このように設計された収束するダクトの半角の開口の値に依存して、大変短い経路(図3におけるL1)又は大変長い経路(図3におけるL2)を得ることが可能であることを示している。大変短い経路は、急激な横断面の変化のため、より大きな集中損失を引き起こしている。大変長い経路は、その代わりに壁との摩擦によってより大きな摩擦損失を引き起こすが、適度な程度の角度δのため集中損失が小さい。
【0019】
損失水頭を実質的に小さくするために、ダクトが先細りにされる最適の半角δが5°と15°との間に含まれたままでなければならないことが、技術文献から分かる。このため、長さLの値を変化させることができる範囲を定義することができ、この範囲は、実質的に最適化された経路を提供する(損失水頭を最小化するための第5条件)。
【0020】
モニタを設計するときに、最初の選択は、できるだけ集中損失を生み出すことなく可能な最小の経路を実現するために、最大限容認される先細りの角度δ(すなわち15°)の値に関連する。帰納的に、選択の実現可能性は確認されるだろう。というのは、螺旋面(helicoid)の連続的ピッチの間のダクトの通過断面の間の交差点を確認することができ、最小の厚さよりも小さい螺旋面の連続的ピッチの間のダクトの通過断面の間の厚さを検出することもでき、その値は、モニタ内の運動における流体の作動圧力の関数である。このため、反復するタイプのプロセスに依存する必要がある。これは、設計要件に対応する最大値δを特定する。
【0021】
上述の5つの条件は、モニタ内の損失水頭を最小化する螺旋面の式を分析的に決定するのに適切である。螺旋面の経路の分析的な決定は、ダクトの「構造」によって理解されており、経路の通過断面の面積の対応する値の逐一の適用であると理解されており、螺旋面の経路の全ての点でそれに対して垂直に指向される断面を意味している。
【0022】
このため、(上記理解における)最適の経路のための式は、次の関係によって定義される。
【0023】
【数1】
【0024】
入口横断面S1、水力直径D1、及び半径r(これらは、実際、引用構造の変数に対応する)が知られているならば、パラメータΔ及びδのための値を設定する必要がある。特に、角度δの選択は、最初の計算の終わりに検証され、反復するプロセスを必要としても良い。これらの条件が一旦定義されたならば、水力直径D2の関数として見当たらない変数を推定することが可能である。水力直径D2は、実際、ノズルの実際の直径に一致するであろう。実際、D2の固定は、式(9)を用いて、螺旋の長さLの値を決定することに等しい。θ2の値は、再度式(9)により、定積分の解明から得られる。式(1)、(2)、及び(3)から螺旋の経路を再現することができる。
【0025】
したがって、概要において、
通過断面の面積は、線形に、又は一定の傾きを伴って、減少する。
通過断面の水力直径の平方は、線形に、又は一定の傾きを伴って、減少する。
入口D1及び出口D2での水力直径が知られているならば、経路の長さは定義される。
経路を画定する螺旋の半径は、好ましくは一定である。これが設計上の理由で不可能であれば、半径は、モニタの入口と出口との間で線形に変化する必要がある。
経路を画定する螺旋の勾配αの変化が線形である、又はθに対してαの変化を表現する関数が一定の傾きを持たねばならない。モニタの入口は、鉛直方向に対して(5°と30°との間の、例えば20°の)ある量Δによって、流入する流れがそらされる一定の断面の範囲を備えている。
経路を画定する螺旋のピッチは、モニタの入口と出口との間で減少している。
ダクトは、モニタの主に軸方向でモニタの入口に到達する流れと、モニタの主に半径方向でノズルの入口から去る流れとの双方を曲げており、ここで曲げることは、断面又は方向において急激な変化無しに案内することを意味すると理解されている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の好ましいが非限定的な実施形態が、これより添付の図面を参照して説明される。
【図1】図1は、螺旋の幾何学的形態を示す説明図である。
【図1A】図1Aは、螺旋の幾何学的形態を示す説明図である。
【図2】図2は、螺旋の幾何学的形態を示す説明図である。
【図3】図3は、2つの収束するダクトの模式図である。
【図4】図4は、本発明に係る注入ヘッド又はモニタの実施形態の、部分的に切り取られた形態における、模式斜視図である。
【図5】図5は、図4に示されるモニタの、わずかに拡大された縮尺での、基本構想図である。
【図6】図6は、図4に示されるモニタに組み込まれた螺旋体の軸断面図である。
【図7】図7は、図6のVII−VII線に沿う横断面図である。
【図8】図8は、図6に示される構成要素の透視図である。
【図9】図9は、図6に示される詳細の、拡大された縮尺での、図である。
【図10A】図10Aは、図6及び8に示される螺旋体に適用される同一の構成要素の、異なる角度からの、透視図である。
【図10B】図10Bは、図6及び8に示される螺旋体に適用される同一の構成要素の、異なる角度からの、透視図である。
【図10C】図10Cは、図6及び8に示される螺旋体に適用される同一の構成要素の、異なる角度からの、透視図である。
【図11】図11は、モニタ内の螺旋ダクトの一実施例の平面展開図である。
【図12】図12は、モニタ内の螺旋ダクトの一実施例の平面展開図である。
【図13】図13は、モニタ内に位置する螺旋体の異なる実施形態の透視図である。
【図14】図14は、モニタ内に位置する螺旋体の異なる実施形態の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
さて、図4及び5を参照すると、注入ヘッド又はモニタは、全体として10で指定されている。モニタは、円筒状の筒形態のブッシング又は外側スリーブ12を備えており、ブッシング又は外側スリーブ12は外側円筒面15a及び内側円筒面15bを有している。モニタは、周囲の土壌を粉砕してそれを固化するために1以上の側方ノズル11を通じて、固化用流体混合物の、典型的にはコンクリート混合物の加圧噴流を送達するために用いられている。モニタの上端は、鉛直にモニタを移動させ且つ中心縦軸zの周りでモニタを回転させるように、それ自体既知の方法で、(図示せぬ)筒状ロッドのストリングに接続されている。本明細書及び請求項において、位置又は方向を示す用語及び表現、例えば、「縦方向」、「横」、「半径」、「上」、及び「下」は、中心軸zを基準として、及び軸zが原則的に鉛直である使用の状態を基準として、理解される。
【0028】
モニタの最上部は入口16を備えており、入口16を通って、側方注入ノズルに送達される固化用加圧混合物が導入される。側方ノズル11は、図4及び5に示される実施例では2つあるが、実質的に水平面内で指向されている。すなわち、モニタの縦軸Zに対して垂直である。側方ノズル11は、軸Zを通過しない方向でそれぞれが出している噴流を導くようになっている。ノズル11は、モニタの下端の近位に位置しており、各螺旋ダクト13により上側入口16に流体連通して接続されている。ダクト13は、入口16内に位置する流体に正接の要素を与えており、正接の要素はモニタの中心縦軸zの周りで流れを回転させる。言い換えると、流体に与えられる運動は、螺旋型である。流体の運動は、スリーブ12の内側円筒面15bによって案内され且つ横方向に制限される。各ダクト13の螺旋形状は、一対の対向螺旋表面、上側螺旋表面14a及び下側螺旋表面14bによって画定されており、両方とも螺旋剛体17(図8)によって形成されている。螺旋体17は好ましくは金属であり、スリーブ12の空洞又は内側円筒面15bの中で、少なくとも仮固定されている。好ましい実施形態では、螺旋表面14a、14bは、「溝のある」螺旋面であり、直線の螺旋運動によって生成される。符号19は、中心の筒状コアを指しており、螺旋体17によって形成されており、外側円筒面20及び軸中心空洞21を備えている。軸中心空洞21は、モニタの下側に据え付けられた(図示せぬ)採掘先端のための潤滑流体の通過を許容するために採用されている。この実施形態において、ダクト13の横断面は長方形であり、最上部では螺旋表面14aによって、最下部では螺旋表面14bによって、外部的には円筒表面15bによって、及び内部的には円筒表面20によって区切られている。しかし、本発明は、長方形の断面を有するダクトに限定することを意図するものではなく、異なる断面の、例えば、円形断面又は径が変化する(radius differently)断面の、ダクトが可能である。螺旋体17は、図6、7及び8に別々に示されているが、好ましくは工作機械により固体から機械加工され、螺旋溝を得るようになっている。螺旋溝は、スリーブ12の内面と一緒に、モニタのダクトを画定している。
【0029】
ここで記述され且つ示される全ての異なる実施形態において、螺旋ダクト13は各ノズル11に向けて次第に先細りであり、螺旋中心線m(図11及び12)を有するダクトのターミナル長さ(terminal length)を含んでいる。ターミナル長さは、先細りの方法で、次の場合に、ノズルに向かって丸められている。この長さが縦軸Zに平行な(図1及び1AにおいてPにより模式的に示される)断面平面内で観察され且つ螺旋中心線mに接する場合、同様に、ターミナル長さが軸Zに対して水平又は垂直な断面平面内で観察される場合。
【0030】
ダクト13の螺旋形状のため、モニタ内に位置する流体は、軌跡内の突現の変化にさらされることなく、一定の螺旋経路に追従する。これにより、エネルギーの散逸を伴う、乱流又は運動の不規則な要素の発生を最小化する。ダクトに沿って、流体の通過のために用いられる断面の面積は、線形に、又は一定の傾きを伴って、減少する。より詳しくは、上述したように、通過断面の水力直径の平方は、線形に、すなわち一定の傾きを伴ってノズル11のゾーンの範囲まで、減少する。ダクト13の経路を画定する螺旋の半径は、実質的に一定のままである。しかし、同一の螺旋の勾配αは、ノズルの方向で線形に減少する。言い換えると、経路を画定する螺旋のピッチは、放出ノズルに向かって線形に減少する。
【0031】
本明細書の導入部分で説明した従来のモニタと比較して、本発明に係るモニタのより大きな断面は、同等の流速及び圧力の場合に、螺旋幾何学によって与えられる、明らかにより小さな損失水頭又は可能な最小の損失を、伴う。知られているように、非圧縮流体における摩擦損失は、ダクトの横寸法の5乗に反比例する。このため、従来のモニタのエネルギーよりも大きなエネルギーの噴流が、モニタのノズルに到達する。この結果、噴流注入工法の作用は、より効果的となる。というのは、同一の電力が使用される場合に、より大きな寸法を有する固化土壌の柱が得られるためである。
【0032】
性能の観点から最大の利点を得るために、ノズルは、モニタの外側円筒面に対する接線又は割線にしたがって指向され、且つ、図5に模式的に示されるような、流体が進む方向に合致する方向に指向されている。1以上の水平面(又はモニタの縦軸に対して垂直な平面)に対する、ノズルの数、類型(typology)、及び勾配は、要求に応じて変動しうる。図5に示される実施形態では、ノズル11を去る流体の噴流は、2つの平行な直線に沿って反対方向に指向されている。
【0033】
出口ノズルまで全ての流体を一緒に流すように保つモニタの能力は、末端部における乱流を減少させる。この要因は、広がった摩擦損失の正味の減少を伴う場合、従来のモニタと比べてモニタの性能における増大に、及び水力効率の最大化に、寄与する。
【0034】
各側方ノズル11は、耐摩耗性の材料で作られ且つ内部漏斗形状通路を有する、挿入物18を備えている。
【0035】
図4に示される実施例における長方形のような多角形断面を有する螺旋ダクト13の場合、ノズルの近位におけるターミナル長さは、一般的に円形断面を有しているが、図10A−Cに別々に示される導流板25(図6、7及び8)を含んでいる。導流板25は、局限された損失水頭を避けるために、多角形断面から円形断面への段階的な経路を提供している。要素25は、多角形の入口開口部及び円形の出口を作り出している。これらの要素25は、この長さにおける流体の速度が高いので、ノズルの挿入物18のような耐摩耗性の材料で作られるのが好都合である。しかし、このために、浸食の作用はより明白である。図8に示される実施例では、導流板25は溶接によって構造物15bに固定されている。代案として、モニタは、全体として、精密鋳造、放電加工工程、又は同様の工程を用いることによって得られる。このため、要素25は、螺旋表面を有する単一のピースに形成できる。半角δは、また、丸みをつける要素25の入口位置における5°と15°との間にある。
【0036】
符号24は、螺旋ダクトとノズルの出口との間の漏れを避けるシール要素を示している。確かに、高圧のため、注入噴流は、単純な衝撃又は単純な機械的適合があるならば、ダクト内に制限され続けないであろう。このことも、内部螺旋体17がスリーブ12内に挿入されるときに、内部螺旋体17の間に発生する。この場合、シール要素は、2つの螺旋表面(上側表面14a及び下側表面14b)を結合する円筒端14cの間に挿入されない。また、注入材料の流れは、上側コイルピッチから下側コイルピッチまで漏れうる(しかし、このことは、モニタが完全に満たされておらず且つ適度に加圧されていない場合、最初の噴出ステップ間だけ発生する)。しかし、この高級な組立形態では、内部螺旋体17とスリーブ12の内部空洞15bとの間のシールがあることを保証することが必要である。このため、少なくとも1つの詰め物26は、ノズルの上及び下に挿入されており、ダクト内に流体が密閉されることを保証している。これらの詰め物がない場合、注入材料は、漏れたり逃れることができ、表面15bを磨いて、噴流の最終的な浸食能力に関連する、液体及び圧力損失及び非効率に関する問題を生じる。
【0037】
更に、図7からより明らかに分かるように、挿入物18の厚みは、耐摩耗性且つ代替可能な材料で同様に実現されるものであるが、半径方向で最も外側のダクト13の側面を、挿入物18内に生成された先細り経路の入口に対して、丸みをつけることが得策であることを、意味している。言い換えると、スリーブ12の内側円筒面15bを、挿入物18の入口に対して、丸みをつけることが必要である。導流板25は、流体の流れを次第に周辺に広がるように、表面15bに隣接し、わずかにより中心ゾーンに向けて、実質的にノズルの軸を通過する弦の方向で、そらすことができる。導流板25は、スリーブ12の表面15bに接触できる外側円筒面25bと、流れをそらすように働く弓形の内面25bとを備えている。導流板25は徐々に厚さにおいて増大し、弓形内面25aが、ダクト13内のより上流に配置されている薄い端部25cから始まり、挿入物18の入口でより下流に配置されている厚い端部25dで終わるようになっている。導流板の端部は、表面15bに溶接するための傾斜25eを与えることができる。導流板25は、便宜上、耐摩耗性材料、例えば、ウィディア(Widia)又は炭化タングステン、又は焼結材料、又はその他の材料で作られている。
【0038】
図11及び12は、螺旋ダクト13の2つの実施例の鉛直断面の、鉛直面における、展開図である。mは、螺旋ダクト13の中心線を示している。横座標は、水平面内で測定された角度値ゼロから進む角度の値を描いている。角度値ゼロは、モニタの中心軸Z及び螺旋ダクト13が挿入物18内で終わる下限を通過する鉛直面を指している。
【0039】
本発明は、ここで記述され且つ示されている実施形態に限定されないことが理解されよう。この実施形態は、モニタの典型的な実施形態とみなされうる。むしろ、本発明は、構造の部分及び細部の形態及び配置に関して、修正されうるものである。例えば、同一高さ又は異なる高さに位置する各螺旋ダクトのターミナル長さ内に、1以上のノズルがあってもよい。また、二重の流体噴流(例えば、空気−グラウト材、又は水−グラウト材)を用いた利用のために、従来のモニタを用いて現在行われているように、準備(provision)は、ノズルの出口部に空気(又は水)を供給するために適した外部空間で作られている。また、これらの専用のダクトは、ツールから外側に情報の通過(データ伝送)を意図した器具又はケーブルをその中に入れるための挿入物のために、あるいはその逆に、用いられても良い。最終的に、三重の流体噴出注入処理を実行するために、2以上のこの種のモニタ(一重流体のモニタ及び二重流体のモニタ)を形成することが可能である。
【0040】
螺旋ダクトの形態に関して、既に述べたように、これは設計条件に依存し、これらの技術は製造されるモニタの数に多かれ少なかれ便宜的に依存している。これにより記述された形態から離れることが可能であり、鋳造又は放電加工によって得られる形態に、限られた数のピースのために、主として多角形の横断面を用いたピース(piece)に実現されており、モニタの入口及び出口に十分に丸みをつける場合、ダクトは理論的に最適な形態にずっと近い形態で実現されうる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、固められた土壌部分を形成するために、地中に固化用加圧流体混合物を注入するための高性能ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
「噴流注入工法」として知られているこの技術は、地中に人工の礫岩の柱状構造を形成するために用いられている。これらの技術は、それ自体が結合剤を伴う土壌の粒子の混合物、セメント混合物に基づいている。混合物は、注入ヘッド(一般に「モニタ」と呼ばれる)内に形成された概して小さな半径方向ノズルを介して高圧で注入され、注入ヘッドは筒状ロッドのストリング(string)の下端の近位に固定されており、回転され、表面の方に引っ込められる。ロッドのストリングの下部で、モニタの下に、切削工具が固定されており、採掘段階の間、ロッドから供給される採掘流体を用いて潤滑されており、この場合、ダクトとして働く。
【0003】
結合剤の噴流は分散され、周囲の土壌と混合される。これが、概して筒形状の礫岩の塊を生み出し、硬化したときに、土壌の固化領域を形成する。
【0004】
現在基礎セクタ(foundation sector)で最も一般的に用いられているストリングは、水及びセメントの混合物がそれを通ってモニタのゾーンに供給される大きな断面積を有するダクトを有しており、ここにノズルが存在している。後者は、半径方向を向いた、すなわちモニタの縦軸に対して鉛直な孔の中に収容されている。流体力学の観点では、この配置は、経路に沿う摩擦損失を軽減する。というのは、流体がモニタの端部に到達しない限りは、流体の流速が低いためである。流体が一旦このゾーンに到達すると、流れはノズルの領域で垂直にそれて、流れがそれる領域における強い乱流によって特徴付けられる不規則な自由運動を生み出す。このことは、高い損失水頭を引き起こし、まさにノズルからの出口の近位で、結果として乱流が、流れが秩序だった方法により、すなわち出ている材料の単一粒子の速度ベクトルが各ノズルの主軸に従って指向されながら、ノズルから出るのを妨げる。
【0005】
流体がモニタの内部から外部へ流れる行動は、相当の損失水頭の原因であり、このため、増加した電力消費の観点だけでなく処理材料の柱の減少された直径の観点からも理解される。このため、モニタ内で生み出される損失水頭を制限するように、分野における必要がある。
【0006】
特許文献は、噴流注入セクタのための様々なモニタを開示している。セクタは、その内部にたくさんの溝を備えており、これらの溝は、多重螺旋形状を有するレイアウトにしたがって捻られており、モニタの入口から関連のあるノズルの入口に螺旋運動における流れを案内できる。1つの実施例は、JP−A−2008285811により与えられている。前記構造の正確な寸法取りのための基本パラメータが特定され、効率を最大限にするように噴流の入口及び出口ゾーンが修正されないかぎり、この種の多重螺旋形状は、通常用いられる形態(すなわち乱流の自由運動を生み出すもの)に対して、それ自体が振る舞いにおける最大限の改善を保証しない。
【0007】
特許文献は、流体混合物をそらせるための1以上の屈曲したダクトを有する他のモニタを記述しており、そのモニタは流体混合物を主ダクトから側方ノズルに運び、方向における段階的変化を伴う経路をたどっており、これにより乱流及び集中損失水頭を減少させている。US−5228809は、一定の断面及び不変の曲率を有するダクトを開示している。EP−1396585は、徐々に先細りであって、曲率が可変のダクトを開示している。しかし、ノズルに至る最終入口長さ全体に沿う流体混合物の通路のためのダクトの直径は、2つの反対の要件を釣り合わせるという必要を条件としている。第1に、モニタの外径を(概して相対的に小さく且つ約100mmの大きさのオーダーに)制限する必要がある。第2に、ダクトに可能な最大の曲率半径を与えることが好ましい。言い換えると、これらのシステムは、かなりの長さ及び減少された直径を有し、ノズルの出口の長さに匹敵する、長さを備えている。このため、集中損失が減少されることから引き出される利点は、流体が最終長さ内での非常な高速を採用するという事実によって、制限されている。また、ダクト、屈曲、及び半径の存在は、モニタ全体の構造を複雑にし、組立工程、メンテナンス工程、及び分解工程をさらに一層複雑にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の主要な目的は、より正確に、処理される土壌により大きな崩壊効果を得るようにし、電力消費を同一に保ちながら、噴流を出すモニタの浸透能力の観点で可能な最大効率を有するモニタ又は注入ヘッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これ及び他の目的及び利点は、続く文章からより完全に理解されるであろうが、本発明にしたがって、添付の請求項で説明される特徴を有する注入ヘッド及びモニタにより、得られる。
【0010】
本発明の好ましい実施形態の詳細な説明をする前に、以下の文章は、本発明を達成するために実行され且つ噴流の最大効率の調査に全て基づく基準を、述べている。この点で、エネルギー解析は、モニタ内の運動における流体流れに実行され、損失水頭を解析する。以下は、モニタの構成によって課される条件を考慮して、これらの解析から明らかにされている。条件は、
モニタの軸に主として鉛直又は平行な流れの入口
モニタの軸に対して主として垂直な流れの出口、及び
モニタ内で、ロッドのヘッドからの冷却流体の通過のために自由にされている、中心ダクトの存在、であり、
最大の可能な効率(又は最小の損失水頭)を得るためにモニタ内で流体が取らなければならない経路は、螺旋経路である。これにより、実際、流れの方向を連続的にそらせることができ、螺旋経路を決定するダクトの断面及び水力直径を連続的に変更することもできる。この文脈において、「経路」は、モニタ内の流体の流れに対して垂直であるダクトの断面の中心を特定する点の幾何学的な位置を指している。言い換えると、経路は、以下で詳細に説明されるように、ダクトの中心(螺旋)線に一致している。螺旋経路の全てが、損失を最小化する点で望ましい効果を生み出すことができるわけではないことは、明らかである。つまり、モニタ自体からの通過のために損失水頭を最小化するために、流体が取らねばならない最適の螺旋経路が、以下で説明されるように、損失を最小化する5つの条件によって特定されることが分かっている。
【0011】
図1を参照すると、一般的な螺旋経路の式は、次の成分によって定義される。
x=r(θ)cosθ
y=r(θ)sinθ
z=h(θ),
ここで、r(θ)及びh(θ)は角度θの関数であり、θは、値θ1(モニタの入口)と値θ2(モニタの出口)との間の範囲で変化する。
【0012】
損失を最小化するための第1条件は、螺旋経路の半径rが理想的に一定に保たれることである。あるケースでは、これが、設計上の理由により可能ではない。とはいっても、半径は、モニタの入口と出口との間で線形に変化しなければならない。角度θがゼロ(すなわちθ1=0)である範囲の下限を任意に設定することは、決定される変数が、その代わりに、θ2又は、同様な方法で、モニタHの高さであることを意味している。モニタHの高さは、モニタ自体の入口と出口との間のモニタの軸上における距離であると理解されている。関数h(θ)に関しては、次の関係が、一定のピッチ(図2を参照)を有する螺旋の場合に存在するであろう。
ピッチp=z(θ=2π)=h・2π(ここでhはゼロより大きな一定値)
tgα=h/r
z=h・θ=r・tgα・θ
【0013】
一定のピッチの条件は、ここに示されている実施例では、実際に確認されていないが、モニタの入口(α≒90°)と出口(α≒0°)との間に存在する螺旋経路の角度αにおける変化である。
【0014】
損失を最小化するための第2条件は、次の通りである。モニタの入口と出口との間の螺旋経路の角度αにおける変化を表現する関数は、線形でなければならない。言い換えると、経路に沿う螺旋の角度αにおける変化を表現する関数は、一定の微分係数を有している。
【0015】
入口における角度αは、90°に等しく設定することはできない。というのは、無限大の微分係数が、この角度の値に対応することになるためである。このため、ほとんど鉛直方向に流れをそらせるようにするため、モニタの入口に丸みをつける必要があり、それは、損失を最小化するために厳密に鉛直方向から量Δだけ異なっている(損失を最小化するための第3条件)。例として、小さな集中損失を有する円錐状の入口のための文献から知られている値は、20°に等しい丸み角度(radius angle)Δである。この値は、70°(すなわち90°−20°)に等しいα値を有する流体の入口(経路の始点)における実際の入口に相当している。これは、小さな集中損失水頭を生み出す。螺旋経路αの角度の変化を記述する関数の微分係数がθに対して一定であれば、端部で不自然な条件、すなわち次のタイプを考慮すれば、この関数が線形であるという結果になる。
α=a+b・θ=(π/2−Δ)(1−θ/θ2)
この点で、zとαのタンジェントとの間の関連性を推定する必要がある。増加量dzは、螺旋経路の各点において異なっており、経路自体に沿うαの変動性によっており、θの関数とされているものは、次式によって与えられている。
dz=r・tgα・dθ
その式から積分によって、θの各値に関連するzの値が得られる。
z=∫r・tgα・dθ=−r/b[ln|cosα|−ln|cosa|]
【0016】
最適の経路を特定するための決定的な関係の数は、ダクト内の運動における流体のヘッドの損失を計算するための且つ技術文献を引用するための既知の式から、確立されている。特に、引用は、断面における(又は水力直径の平方における)変化と、急な横断面の変化に対する集中損失の対応する係数との間に存在する関係に対して、なされている。
【0017】
モニタの入口と出口との間に存在する、断面における(又は水力直径の平方における)変化があるので、モニタの入口と出口との間で、断面における減少を示す関数S(又は水力直径の平方における減少を示す関数D)が、線形でなければならない、すなわち一定の微分係数を持っている(損失を最小化するための第4条件)ということが観察される。
【0018】
更なる観察は、ダクトを収束させることにおける損失水頭の研究から由来している。推力直径がモニタの入口と出口との間で知られているならば、経路の線形の発展は、このように設計された収束するダクトの半角の開口の値に依存して、大変短い経路(図3におけるL1)又は大変長い経路(図3におけるL2)を得ることが可能であることを示している。大変短い経路は、急激な横断面の変化のため、より大きな集中損失を引き起こしている。大変長い経路は、その代わりに壁との摩擦によってより大きな摩擦損失を引き起こすが、適度な程度の角度δのため集中損失が小さい。
【0019】
損失水頭を実質的に小さくするために、ダクトが先細りにされる最適の半角δが5°と15°との間に含まれたままでなければならないことが、技術文献から分かる。このため、長さLの値を変化させることができる範囲を定義することができ、この範囲は、実質的に最適化された経路を提供する(損失水頭を最小化するための第5条件)。
【0020】
モニタを設計するときに、最初の選択は、できるだけ集中損失を生み出すことなく可能な最小の経路を実現するために、最大限容認される先細りの角度δ(すなわち15°)の値に関連する。帰納的に、選択の実現可能性は確認されるだろう。というのは、螺旋面(helicoid)の連続的ピッチの間のダクトの通過断面の間の交差点を確認することができ、最小の厚さよりも小さい螺旋面の連続的ピッチの間のダクトの通過断面の間の厚さを検出することもでき、その値は、モニタ内の運動における流体の作動圧力の関数である。このため、反復するタイプのプロセスに依存する必要がある。これは、設計要件に対応する最大値δを特定する。
【0021】
上述の5つの条件は、モニタ内の損失水頭を最小化する螺旋面の式を分析的に決定するのに適切である。螺旋面の経路の分析的な決定は、ダクトの「構造」によって理解されており、経路の通過断面の面積の対応する値の逐一の適用であると理解されており、螺旋面の経路の全ての点でそれに対して垂直に指向される断面を意味している。
【0022】
このため、(上記理解における)最適の経路のための式は、次の関係によって定義される。
【0023】
【数1】
【0024】
入口横断面S1、水力直径D1、及び半径r(これらは、実際、引用構造の変数に対応する)が知られているならば、パラメータΔ及びδのための値を設定する必要がある。特に、角度δの選択は、最初の計算の終わりに検証され、反復するプロセスを必要としても良い。これらの条件が一旦定義されたならば、水力直径D2の関数として見当たらない変数を推定することが可能である。水力直径D2は、実際、ノズルの実際の直径に一致するであろう。実際、D2の固定は、式(9)を用いて、螺旋の長さLの値を決定することに等しい。θ2の値は、再度式(9)により、定積分の解明から得られる。式(1)、(2)、及び(3)から螺旋の経路を再現することができる。
【0025】
したがって、概要において、
通過断面の面積は、線形に、又は一定の傾きを伴って、減少する。
通過断面の水力直径の平方は、線形に、又は一定の傾きを伴って、減少する。
入口D1及び出口D2での水力直径が知られているならば、経路の長さは定義される。
経路を画定する螺旋の半径は、好ましくは一定である。これが設計上の理由で不可能であれば、半径は、モニタの入口と出口との間で線形に変化する必要がある。
経路を画定する螺旋の勾配αの変化が線形である、又はθに対してαの変化を表現する関数が一定の傾きを持たねばならない。モニタの入口は、鉛直方向に対して(5°と30°との間の、例えば20°の)ある量Δによって、流入する流れがそらされる一定の断面の範囲を備えている。
経路を画定する螺旋のピッチは、モニタの入口と出口との間で減少している。
ダクトは、モニタの主に軸方向でモニタの入口に到達する流れと、モニタの主に半径方向でノズルの入口から去る流れとの双方を曲げており、ここで曲げることは、断面又は方向において急激な変化無しに案内することを意味すると理解されている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の好ましいが非限定的な実施形態が、これより添付の図面を参照して説明される。
【図1】図1は、螺旋の幾何学的形態を示す説明図である。
【図1A】図1Aは、螺旋の幾何学的形態を示す説明図である。
【図2】図2は、螺旋の幾何学的形態を示す説明図である。
【図3】図3は、2つの収束するダクトの模式図である。
【図4】図4は、本発明に係る注入ヘッド又はモニタの実施形態の、部分的に切り取られた形態における、模式斜視図である。
【図5】図5は、図4に示されるモニタの、わずかに拡大された縮尺での、基本構想図である。
【図6】図6は、図4に示されるモニタに組み込まれた螺旋体の軸断面図である。
【図7】図7は、図6のVII−VII線に沿う横断面図である。
【図8】図8は、図6に示される構成要素の透視図である。
【図9】図9は、図6に示される詳細の、拡大された縮尺での、図である。
【図10A】図10Aは、図6及び8に示される螺旋体に適用される同一の構成要素の、異なる角度からの、透視図である。
【図10B】図10Bは、図6及び8に示される螺旋体に適用される同一の構成要素の、異なる角度からの、透視図である。
【図10C】図10Cは、図6及び8に示される螺旋体に適用される同一の構成要素の、異なる角度からの、透視図である。
【図11】図11は、モニタ内の螺旋ダクトの一実施例の平面展開図である。
【図12】図12は、モニタ内の螺旋ダクトの一実施例の平面展開図である。
【図13】図13は、モニタ内に位置する螺旋体の異なる実施形態の透視図である。
【図14】図14は、モニタ内に位置する螺旋体の異なる実施形態の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
さて、図4及び5を参照すると、注入ヘッド又はモニタは、全体として10で指定されている。モニタは、円筒状の筒形態のブッシング又は外側スリーブ12を備えており、ブッシング又は外側スリーブ12は外側円筒面15a及び内側円筒面15bを有している。モニタは、周囲の土壌を粉砕してそれを固化するために1以上の側方ノズル11を通じて、固化用流体混合物の、典型的にはコンクリート混合物の加圧噴流を送達するために用いられている。モニタの上端は、鉛直にモニタを移動させ且つ中心縦軸zの周りでモニタを回転させるように、それ自体既知の方法で、(図示せぬ)筒状ロッドのストリングに接続されている。本明細書及び請求項において、位置又は方向を示す用語及び表現、例えば、「縦方向」、「横」、「半径」、「上」、及び「下」は、中心軸zを基準として、及び軸zが原則的に鉛直である使用の状態を基準として、理解される。
【0028】
モニタの最上部は入口16を備えており、入口16を通って、側方注入ノズルに送達される固化用加圧混合物が導入される。側方ノズル11は、図4及び5に示される実施例では2つあるが、実質的に水平面内で指向されている。すなわち、モニタの縦軸Zに対して垂直である。側方ノズル11は、軸Zを通過しない方向でそれぞれが出している噴流を導くようになっている。ノズル11は、モニタの下端の近位に位置しており、各螺旋ダクト13により上側入口16に流体連通して接続されている。ダクト13は、入口16内に位置する流体に正接の要素を与えており、正接の要素はモニタの中心縦軸zの周りで流れを回転させる。言い換えると、流体に与えられる運動は、螺旋型である。流体の運動は、スリーブ12の内側円筒面15bによって案内され且つ横方向に制限される。各ダクト13の螺旋形状は、一対の対向螺旋表面、上側螺旋表面14a及び下側螺旋表面14bによって画定されており、両方とも螺旋剛体17(図8)によって形成されている。螺旋体17は好ましくは金属であり、スリーブ12の空洞又は内側円筒面15bの中で、少なくとも仮固定されている。好ましい実施形態では、螺旋表面14a、14bは、「溝のある」螺旋面であり、直線の螺旋運動によって生成される。符号19は、中心の筒状コアを指しており、螺旋体17によって形成されており、外側円筒面20及び軸中心空洞21を備えている。軸中心空洞21は、モニタの下側に据え付けられた(図示せぬ)採掘先端のための潤滑流体の通過を許容するために採用されている。この実施形態において、ダクト13の横断面は長方形であり、最上部では螺旋表面14aによって、最下部では螺旋表面14bによって、外部的には円筒表面15bによって、及び内部的には円筒表面20によって区切られている。しかし、本発明は、長方形の断面を有するダクトに限定することを意図するものではなく、異なる断面の、例えば、円形断面又は径が変化する(radius differently)断面の、ダクトが可能である。螺旋体17は、図6、7及び8に別々に示されているが、好ましくは工作機械により固体から機械加工され、螺旋溝を得るようになっている。螺旋溝は、スリーブ12の内面と一緒に、モニタのダクトを画定している。
【0029】
ここで記述され且つ示される全ての異なる実施形態において、螺旋ダクト13は各ノズル11に向けて次第に先細りであり、螺旋中心線m(図11及び12)を有するダクトのターミナル長さ(terminal length)を含んでいる。ターミナル長さは、先細りの方法で、次の場合に、ノズルに向かって丸められている。この長さが縦軸Zに平行な(図1及び1AにおいてPにより模式的に示される)断面平面内で観察され且つ螺旋中心線mに接する場合、同様に、ターミナル長さが軸Zに対して水平又は垂直な断面平面内で観察される場合。
【0030】
ダクト13の螺旋形状のため、モニタ内に位置する流体は、軌跡内の突現の変化にさらされることなく、一定の螺旋経路に追従する。これにより、エネルギーの散逸を伴う、乱流又は運動の不規則な要素の発生を最小化する。ダクトに沿って、流体の通過のために用いられる断面の面積は、線形に、又は一定の傾きを伴って、減少する。より詳しくは、上述したように、通過断面の水力直径の平方は、線形に、すなわち一定の傾きを伴ってノズル11のゾーンの範囲まで、減少する。ダクト13の経路を画定する螺旋の半径は、実質的に一定のままである。しかし、同一の螺旋の勾配αは、ノズルの方向で線形に減少する。言い換えると、経路を画定する螺旋のピッチは、放出ノズルに向かって線形に減少する。
【0031】
本明細書の導入部分で説明した従来のモニタと比較して、本発明に係るモニタのより大きな断面は、同等の流速及び圧力の場合に、螺旋幾何学によって与えられる、明らかにより小さな損失水頭又は可能な最小の損失を、伴う。知られているように、非圧縮流体における摩擦損失は、ダクトの横寸法の5乗に反比例する。このため、従来のモニタのエネルギーよりも大きなエネルギーの噴流が、モニタのノズルに到達する。この結果、噴流注入工法の作用は、より効果的となる。というのは、同一の電力が使用される場合に、より大きな寸法を有する固化土壌の柱が得られるためである。
【0032】
性能の観点から最大の利点を得るために、ノズルは、モニタの外側円筒面に対する接線又は割線にしたがって指向され、且つ、図5に模式的に示されるような、流体が進む方向に合致する方向に指向されている。1以上の水平面(又はモニタの縦軸に対して垂直な平面)に対する、ノズルの数、類型(typology)、及び勾配は、要求に応じて変動しうる。図5に示される実施形態では、ノズル11を去る流体の噴流は、2つの平行な直線に沿って反対方向に指向されている。
【0033】
出口ノズルまで全ての流体を一緒に流すように保つモニタの能力は、末端部における乱流を減少させる。この要因は、広がった摩擦損失の正味の減少を伴う場合、従来のモニタと比べてモニタの性能における増大に、及び水力効率の最大化に、寄与する。
【0034】
各側方ノズル11は、耐摩耗性の材料で作られ且つ内部漏斗形状通路を有する、挿入物18を備えている。
【0035】
図4に示される実施例における長方形のような多角形断面を有する螺旋ダクト13の場合、ノズルの近位におけるターミナル長さは、一般的に円形断面を有しているが、図10A−Cに別々に示される導流板25(図6、7及び8)を含んでいる。導流板25は、局限された損失水頭を避けるために、多角形断面から円形断面への段階的な経路を提供している。要素25は、多角形の入口開口部及び円形の出口を作り出している。これらの要素25は、この長さにおける流体の速度が高いので、ノズルの挿入物18のような耐摩耗性の材料で作られるのが好都合である。しかし、このために、浸食の作用はより明白である。図8に示される実施例では、導流板25は溶接によって構造物15bに固定されている。代案として、モニタは、全体として、精密鋳造、放電加工工程、又は同様の工程を用いることによって得られる。このため、要素25は、螺旋表面を有する単一のピースに形成できる。半角δは、また、丸みをつける要素25の入口位置における5°と15°との間にある。
【0036】
符号24は、螺旋ダクトとノズルの出口との間の漏れを避けるシール要素を示している。確かに、高圧のため、注入噴流は、単純な衝撃又は単純な機械的適合があるならば、ダクト内に制限され続けないであろう。このことも、内部螺旋体17がスリーブ12内に挿入されるときに、内部螺旋体17の間に発生する。この場合、シール要素は、2つの螺旋表面(上側表面14a及び下側表面14b)を結合する円筒端14cの間に挿入されない。また、注入材料の流れは、上側コイルピッチから下側コイルピッチまで漏れうる(しかし、このことは、モニタが完全に満たされておらず且つ適度に加圧されていない場合、最初の噴出ステップ間だけ発生する)。しかし、この高級な組立形態では、内部螺旋体17とスリーブ12の内部空洞15bとの間のシールがあることを保証することが必要である。このため、少なくとも1つの詰め物26は、ノズルの上及び下に挿入されており、ダクト内に流体が密閉されることを保証している。これらの詰め物がない場合、注入材料は、漏れたり逃れることができ、表面15bを磨いて、噴流の最終的な浸食能力に関連する、液体及び圧力損失及び非効率に関する問題を生じる。
【0037】
更に、図7からより明らかに分かるように、挿入物18の厚みは、耐摩耗性且つ代替可能な材料で同様に実現されるものであるが、半径方向で最も外側のダクト13の側面を、挿入物18内に生成された先細り経路の入口に対して、丸みをつけることが得策であることを、意味している。言い換えると、スリーブ12の内側円筒面15bを、挿入物18の入口に対して、丸みをつけることが必要である。導流板25は、流体の流れを次第に周辺に広がるように、表面15bに隣接し、わずかにより中心ゾーンに向けて、実質的にノズルの軸を通過する弦の方向で、そらすことができる。導流板25は、スリーブ12の表面15bに接触できる外側円筒面25bと、流れをそらすように働く弓形の内面25bとを備えている。導流板25は徐々に厚さにおいて増大し、弓形内面25aが、ダクト13内のより上流に配置されている薄い端部25cから始まり、挿入物18の入口でより下流に配置されている厚い端部25dで終わるようになっている。導流板の端部は、表面15bに溶接するための傾斜25eを与えることができる。導流板25は、便宜上、耐摩耗性材料、例えば、ウィディア(Widia)又は炭化タングステン、又は焼結材料、又はその他の材料で作られている。
【0038】
図11及び12は、螺旋ダクト13の2つの実施例の鉛直断面の、鉛直面における、展開図である。mは、螺旋ダクト13の中心線を示している。横座標は、水平面内で測定された角度値ゼロから進む角度の値を描いている。角度値ゼロは、モニタの中心軸Z及び螺旋ダクト13が挿入物18内で終わる下限を通過する鉛直面を指している。
【0039】
本発明は、ここで記述され且つ示されている実施形態に限定されないことが理解されよう。この実施形態は、モニタの典型的な実施形態とみなされうる。むしろ、本発明は、構造の部分及び細部の形態及び配置に関して、修正されうるものである。例えば、同一高さ又は異なる高さに位置する各螺旋ダクトのターミナル長さ内に、1以上のノズルがあってもよい。また、二重の流体噴流(例えば、空気−グラウト材、又は水−グラウト材)を用いた利用のために、従来のモニタを用いて現在行われているように、準備(provision)は、ノズルの出口部に空気(又は水)を供給するために適した外部空間で作られている。また、これらの専用のダクトは、ツールから外側に情報の通過(データ伝送)を意図した器具又はケーブルをその中に入れるための挿入物のために、あるいはその逆に、用いられても良い。最終的に、三重の流体噴出注入処理を実行するために、2以上のこの種のモニタ(一重流体のモニタ及び二重流体のモニタ)を形成することが可能である。
【0040】
螺旋ダクトの形態に関して、既に述べたように、これは設計条件に依存し、これらの技術は製造されるモニタの数に多かれ少なかれ便宜的に依存している。これにより記述された形態から離れることが可能であり、鋳造又は放電加工によって得られる形態に、限られた数のピースのために、主として多角形の横断面を用いたピース(piece)に実現されており、モニタの入口及び出口に十分に丸みをつける場合、ダクトは理論的に最適な形態にずっと近い形態で実現されうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固化土壌部分を形成するために地中に固化用加圧流体混合物を注入するためのヘッド(10)であって、
中心の縦軸(Z)を画定する外側円筒体(12)と、
ヘッドの上方に取付可能な筒状ロッドのストリングから流体を受け取るための少なくとも1つの上側入口(16)と、
縦軸(Z)に対して実質的に垂直な平面内に位置する少なくとも1つの出口側方ノズル(11)と、
螺旋中心線(m)を画定し、ノズルを通過する流体に、ノズル(11)に向かう縦軸(Z)の周りの螺旋運動を与えるように、上側入口(16)をノズル(11)に接続する、少なくとも1つの螺旋ダクト(13)と、を備えているヘッドにおいて、
縦軸(Z)に垂直な断面平面において見られる場合だけでなく、縦軸(Z)に平行且つ螺旋中心線に接する断面平面(P)において見られる場合の双方で、螺旋ダクト(13)は、ノズル(11)に向かって徐々に先細りであり、先細りの態様でノズルに丸みが与えられているダクトのターミナル長さを含んでいる、ことを特徴とするヘッド。
【請求項2】
丸みが与えられるゾーンで、縦軸(Z)が、ダクト(13)の中心螺旋線(m)に接する直線と30°を越えない鋭角を成す態様で、螺旋ダクト(13)は、上側入口(16)に向かって丸みを与えられている、ことを特徴とする請求項1に記載の注入ヘッド。
【請求項3】
a)螺旋の半径は、入口(16)から出口ノズル(11)に向かって、実質的に一定又は線形に増大又は線形に減少し、
b)螺旋ピッチ又は螺旋角度(α)は、入口(16)から出口ノズル(11)に向かって、常に減少し、
c)中心線(m)に垂直なダクト(13)の断面の面積は、入口(16)から出口ノズル(11)に向かって、線形に減少する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の注入ヘッド。
【請求項4】
入口(16)での螺旋角度(α)は、約60°と約90°との間であり、好ましくは約70°である、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の注入ヘッド。
【請求項5】
それにより螺旋ダクト(13)が先細りにされる半角(δ)は、約5°と約15°との間に含まれている、ことを特徴とする前記請求項のいずれか1つに記載の注入ヘッド。
【請求項6】
内部に又は縦軸(Z)の方に、流体の通過のために軸中心空洞(21)を有する中心の筒状コア(19)の円筒表面(20)によって、及び
外部に又は周辺に、上側螺旋表面(14a)及び下側螺旋表面(14b)である一対の対向する螺旋表面を与える少なくとも1つの螺旋溝を形成する剛体(17)がその中に固定されている外側体(12)の内側円筒表面(15b)によって、
少なくとも1つの螺旋ダクト(13)は区切られている、ことを特徴とする前記請求項のいずれか1つに記載の注入ヘッド。
【請求項7】
螺旋ダクト(13)は、多角形形状の、特に四角形の横断面を有しており、
関連するノズル(11)は、円形の断面を有しており、
前記ターミナル長さにおいて、螺旋ダクト(13)は、少なくとも1つの導流板(25)、ノズル(11)の形状に適合する円形出口、及び多角形断面から円形断面へ徐々に通過する中間長さによって、ノズル(11)に向かって丸みが与えられており、
導流板は、丸みが与えられている箇所においてダクト(13)の断面形状に適合する形状を有する多角形入口を画定している、ことを特徴とする前記請求項のいずれか1つに記載の注入ヘッド。
【請求項8】
螺旋ダクト(13)内で、ノズル(11)の直上流に、
ダクトの内部に面しており、且つ弓形表面(25a)を有する導流板(25)が、固定又は形成されており、
弓形表面(25a)は、ダクト(13)の周囲の外側表面(15b)に隣接している周囲のゾーンから、より中心のゾーンに向かう、流体の流れを、次第にそらせるのに適しており、
そこで、より下流に位置する弓形表面(25a)の端部が、ノズル(11)の入口に一様に丸みが与えられている、ことを特徴とする請求項7に記載の注入ヘッド。
【請求項9】
導流板(25)は、耐摩耗性材料、例えばウィディア又は炭化タングステン、又は焼結材料で作られている、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の注入ヘッド。
【請求項10】
各ダクト(13)の螺旋形状は、一対の対向する螺旋表面によって画定されており、一対の螺旋表面は、上側螺旋表面(14a)及び下側螺旋表面(14b)を含んでおり、両方共、外側円筒体(12)を構成するスリーブの内側円筒空洞(15b)の中に固定された螺旋剛体(17)によって形成されている、ことを特徴とする前記請求項のいずれか1つに記載の注入ヘッド。
【請求項11】
内側螺旋体(17)とスリーブ(12)の内側表面(15b)との間に配置されるシール手段(26)を備える、ことを特徴とする請求項10に記載の注入ヘッド。
【請求項12】
導流板(25)は、螺旋ダクト(13)内に固定されている剛体弓形要素を備えており、スリーブ(12)の内側円筒表面(15b)に接触する外側円筒表面(25b)を有しており、
弓形内側表面(25a)が、ダクト(13)内のより上流に配置されている薄い端部(25c)から始まり、ノズル(11)の入口でより下流に配置される厚い端部(25d)で終わるような方法で、導流板は徐々に厚さにおいて増大している、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の注入ヘッド。
【請求項1】
固化土壌部分を形成するために地中に固化用加圧流体混合物を注入するためのヘッド(10)であって、
中心の縦軸(Z)を画定する外側円筒体(12)と、
ヘッドの上方に取付可能な筒状ロッドのストリングから流体を受け取るための少なくとも1つの上側入口(16)と、
縦軸(Z)に対して実質的に垂直な平面内に位置する少なくとも1つの出口側方ノズル(11)と、
螺旋中心線(m)を画定し、ノズルを通過する流体に、ノズル(11)に向かう縦軸(Z)の周りの螺旋運動を与えるように、上側入口(16)をノズル(11)に接続する、少なくとも1つの螺旋ダクト(13)と、を備えているヘッドにおいて、
縦軸(Z)に垂直な断面平面において見られる場合だけでなく、縦軸(Z)に平行且つ螺旋中心線に接する断面平面(P)において見られる場合の双方で、螺旋ダクト(13)は、ノズル(11)に向かって徐々に先細りであり、先細りの態様でノズルに丸みが与えられているダクトのターミナル長さを含んでいる、ことを特徴とするヘッド。
【請求項2】
丸みが与えられるゾーンで、縦軸(Z)が、ダクト(13)の中心螺旋線(m)に接する直線と30°を越えない鋭角を成す態様で、螺旋ダクト(13)は、上側入口(16)に向かって丸みを与えられている、ことを特徴とする請求項1に記載の注入ヘッド。
【請求項3】
a)螺旋の半径は、入口(16)から出口ノズル(11)に向かって、実質的に一定又は線形に増大又は線形に減少し、
b)螺旋ピッチ又は螺旋角度(α)は、入口(16)から出口ノズル(11)に向かって、常に減少し、
c)中心線(m)に垂直なダクト(13)の断面の面積は、入口(16)から出口ノズル(11)に向かって、線形に減少する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の注入ヘッド。
【請求項4】
入口(16)での螺旋角度(α)は、約60°と約90°との間であり、好ましくは約70°である、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の注入ヘッド。
【請求項5】
それにより螺旋ダクト(13)が先細りにされる半角(δ)は、約5°と約15°との間に含まれている、ことを特徴とする前記請求項のいずれか1つに記載の注入ヘッド。
【請求項6】
内部に又は縦軸(Z)の方に、流体の通過のために軸中心空洞(21)を有する中心の筒状コア(19)の円筒表面(20)によって、及び
外部に又は周辺に、上側螺旋表面(14a)及び下側螺旋表面(14b)である一対の対向する螺旋表面を与える少なくとも1つの螺旋溝を形成する剛体(17)がその中に固定されている外側体(12)の内側円筒表面(15b)によって、
少なくとも1つの螺旋ダクト(13)は区切られている、ことを特徴とする前記請求項のいずれか1つに記載の注入ヘッド。
【請求項7】
螺旋ダクト(13)は、多角形形状の、特に四角形の横断面を有しており、
関連するノズル(11)は、円形の断面を有しており、
前記ターミナル長さにおいて、螺旋ダクト(13)は、少なくとも1つの導流板(25)、ノズル(11)の形状に適合する円形出口、及び多角形断面から円形断面へ徐々に通過する中間長さによって、ノズル(11)に向かって丸みが与えられており、
導流板は、丸みが与えられている箇所においてダクト(13)の断面形状に適合する形状を有する多角形入口を画定している、ことを特徴とする前記請求項のいずれか1つに記載の注入ヘッド。
【請求項8】
螺旋ダクト(13)内で、ノズル(11)の直上流に、
ダクトの内部に面しており、且つ弓形表面(25a)を有する導流板(25)が、固定又は形成されており、
弓形表面(25a)は、ダクト(13)の周囲の外側表面(15b)に隣接している周囲のゾーンから、より中心のゾーンに向かう、流体の流れを、次第にそらせるのに適しており、
そこで、より下流に位置する弓形表面(25a)の端部が、ノズル(11)の入口に一様に丸みが与えられている、ことを特徴とする請求項7に記載の注入ヘッド。
【請求項9】
導流板(25)は、耐摩耗性材料、例えばウィディア又は炭化タングステン、又は焼結材料で作られている、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の注入ヘッド。
【請求項10】
各ダクト(13)の螺旋形状は、一対の対向する螺旋表面によって画定されており、一対の螺旋表面は、上側螺旋表面(14a)及び下側螺旋表面(14b)を含んでおり、両方共、外側円筒体(12)を構成するスリーブの内側円筒空洞(15b)の中に固定された螺旋剛体(17)によって形成されている、ことを特徴とする前記請求項のいずれか1つに記載の注入ヘッド。
【請求項11】
内側螺旋体(17)とスリーブ(12)の内側表面(15b)との間に配置されるシール手段(26)を備える、ことを特徴とする請求項10に記載の注入ヘッド。
【請求項12】
導流板(25)は、螺旋ダクト(13)内に固定されている剛体弓形要素を備えており、スリーブ(12)の内側円筒表面(15b)に接触する外側円筒表面(25b)を有しており、
弓形内側表面(25a)が、ダクト(13)内のより上流に配置されている薄い端部(25c)から始まり、ノズル(11)の入口でより下流に配置される厚い端部(25d)で終わるような方法で、導流板は徐々に厚さにおいて増大している、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の注入ヘッド。
【図1】
【図1A】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図1A】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−72643(P2012−72643A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−153807(P2011−153807)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(591123920)トレビ・ソシエタ・ペル・アチオニ (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153807(P2011−153807)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(591123920)トレビ・ソシエタ・ペル・アチオニ (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]