説明

地中構造物、地中構造物の構築方法

【課題】地中構造物に大きな浮力が作用する場合であっても、この浮力に抵抗できるようにする。
【解決手段】地中構造物本体10の外周面に、地中構造物本体10と一体となるように帯状に突出する突出部30を形成する。突出部30は、地中連続壁20の外周に沿ってシールド孔を掘削し、このシールド孔の地中連続壁20側を撤去し、また、地中連続壁20のシールド孔に相当する位置を撤去し、この撤去した部分を通して地中構造物本体10と一体となるように、シールド孔内に鉄筋コンクリート構造物を構築することにより形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大きな浮力が作用しても、この浮力に抵抗し、浮き上がりを抑制しうる地中構造物及びその構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、地中構造物を構築する場合には、地中構造物の周囲を取り囲むように地中壁を構築し、この地中壁と一体となるように地中構造物を構築する方法が用いられている。
このような地中構造物には、地下水などにより浮力が作用する。そこで、浮力に抵抗できるよう、地中構造物の自重を大きくする方法、地中壁に拡底部を形成し、拡底部の支圧力により抵抗する方法(例えば、特許文献1参照)、永久アンカーにより地盤に固定する方法(例えば、特許文献2参照)などが用いられている。
【特許文献1】特開2000―178966号公報
【特許文献2】特開平9―328771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、大深度かつ大断面の地下構造物が計画されている。このような大深度の地中構造物では、地中構造物の地下水位より低い部分の体積が大きくなるため、地中構造物に作用する浮力も大きくなる。このような場合、上記の方法では浮力に十分に抵抗することができない虞がある。
【0004】
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、大深度、大断面の地中構造物のように、地中構造物に大きな浮力が作用する場合であっても、この浮力に抵抗できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の地中構造物は、地中構造物本体と、当該地中構造物本体と一体に構築された地中壁と、前記地中壁の表面に水平方向に帯状に延びるように形成され、前記地中壁の表面から外側に向かって突出する突出部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の地中構造物の構築方法は、地中構造物本体と、当該地中構造物本体と一体に構築された地中壁と、前記地中壁の表面に水平方向に帯状に延びるように形成され、前記地中壁の表面から外側に向かって突出する突出部と、を備えた地中構造物の構築方法であって、前記地中壁を構築する地中壁構築ステップと、地盤の前記突出部に相当する深さ位置に前記地中壁の外周に沿うようにトンネルを削孔するトンネル削孔ステップと、前記地中壁の内側に当該地中壁と一体に前記地中構造物本体を構築するとともに、当該地中構造物本体と一体となるように前記トンネル内にコンクリート構造物を構築することにより前記突出部を構築する突出部構築ステップと、を備えることを特徴とする。
【0007】
上記の地中構造物の構築方法において、前記突出部構築ステップでは、前記トンネル内部と前記地中壁の内側とを連通させ、前記連通した部分を通じて前記地中構造物本体と、前記コンクリート構造物とを一体に構築してもよい。
【0008】
また、前記地中壁構築ステップでは、前記地中壁の前記トンネルに相当する高さの内側及び外側の表面近傍に開口を有する波形パネルを埋設するとともに、両端に継手金物が接続された接続鉄筋を前記継手金物が夫々前記表裏面に埋設された波形パネルの前記開口に当たる配置されるように埋設しておき、前記突出部構築ステップでは、前記トンネルの前記地中壁側の部分を撤去して、前記地中壁に埋設された外側の前記波形パネルを露出させ、前記トンネル内側から前記外側の波形パネルの開口を通じて前記継手金物に鉄筋を継手し、前記鉄筋が埋設されるように前記トンネル内にコンクリートを打設して、前記突出部を構築し、また、前記内側の波形パネルを露出させ、前記地中壁の内側から前記内側の波形パネルの開口を通じて前記継手金物に鉄筋を継手し、前記鉄筋が埋設されるようにコンクリートを打設して前記地中構造物本体を構築してもよい。
また、前記突出部構築ステップの前に、前記トンネルの周囲の前記地中壁側の地盤を地盤改良する地盤改良ステップを備えてもよい。
なお、上記の地盤改良とは、地盤に止水性及び掘削安定性を期待できるようにすることを意味する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、トンネルを利用して地中構造物の外周に突出部を構築するため、トンネルの断面を大きくすることにより突出部の鉛直投影面積を大きくすることができる。これにより、突出部が周囲の地盤より大きな支圧力を受けることができるため、地中構造物に大きな浮力が作用しても、これに抵抗することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の地中構造物の一実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態の地中構造物1の構成を示し、(A)は平面図、(B)は(A)におけるA−A´断面図である。本実施形態の地中構造物1は、その深さが50mを超える大深度地中構造物であり、図1に示すように、地中に平面視矩形状に形成された地中連続壁20と、地中連続壁20の下部に沿って外側に向かって突出する突出部30と、地中連続壁20の内部に構築された地中構造物本体10とにより構成される。
【0011】
地中構造物本体10は、例えば、建物の地下部分などであり、鉄筋コンクリート造の基礎部11と側壁部12とを含んで構成される。地中構造物本体10は、側壁部12が地中連続壁20と一体になるように構築されおり、また、基礎部11が突出部30と一体となるように構築されている。
【0012】
突出部30は鉄筋コンクリート造の構造物であり、地中構造物本体10の基礎部11に相当する高さから水平方向に帯状に延び、外側に向かって突出するように構築されている。突出部30は、後述するようにシールドマシンにより地中連続壁20の外周に沿って水平にシールド孔を削孔し、このシールド孔の地中構造物本体10側の部分及び地中連続壁20の一部を撤去し、シールド孔の内部に地中構造物本体10と一体になるようにコンクリートを打設して構築されている。このため、突出部30の地中連続壁20からの突出幅は、シールドマシンにより削孔した孔の直径と略等しくなる。シールドマシンとしては、例えば10mを超える大径の孔を削孔可能なものがあり、突出部30の突出幅は10m以上とすることが可能である。
地中連続壁20の角隅部には、後述するためのシールドマシンが発進するための立孔40が構築され、この立孔40は埋め戻されている。
【0013】
なお、突出部30の突出幅は、その鉛直投影面積の合計と、地盤の長期耐力(100t/m〜300t/m)との積が、地中構造物1に作用する浮力以上となるように決定するとよい。
【0014】
地中連続壁20は、平面視において地中構造物本体10の外周に沿うように構築されており、その下端が地中構造物本体10よりも深い位置まで到達している。
【0015】
このような地中構造物1には、地盤内の地下水などにより浮力が作用する。特に、本実施形態のような大深度の地中構造物1では、地下水位よりも低い部分の体積が大きいため、大きな浮力が作用する。これに対して、本実施形態の地中構造物1では、外側に向かって突出する突出部30を備え、この突出部30の地中構造物1に浮力が作用した際に上部に地盤から支圧力を受けることとなるため、浮力に対して抵抗することができる。
【0016】
以下、本実施形態の地中構造物1の構築方法を図2〜図16を参照しながら説明する。なお、図2〜図9の各図において、(A)は平面図、(B)は(A)におけるA―A´断面図である。また、図10〜図16は、地中構造物本体10と突出部30との接合部の拡大断面図である。
【0017】
まず、図2に示すように、地盤2の突出部30の角隅部に相当する各位置に、下端が突出部30よりも深い位置まで到達するような立孔40を構築する。
【0018】
次に、各立孔40内にシールドマシン(不図示)を配置し、図3に示すように、各シールドマシンを隣接する立孔40に向かって水平方向に掘進させながら、掘削した孔の内周面に、順次、セグメント51を取り付けて行く。これにより、同図に示すように、各立孔40を結ぶようにシールド孔50が構築されることとなる。
【0019】
次に、図4及び図10に示すように、平面視矩形状に構築されたシールド孔50の内側に沿って、下端がシールド孔50よりも深い位置まで到達するような地中連続壁20を構築する。
【0020】
次に、図5及び図11に示すように、地中連続壁20により囲まれた部分の地盤2を、下端がシールド孔50の下部に相当する深さ位置に到達するまで掘削する。
次に、図6及び図12に示すように、シールド孔50の周辺の地中連続壁20側の地盤2にセメントペーストなどを注入し、止水性及び掘削安定性を有する改良地盤70を形成する。なお、セメントペーストは、例えば、地中連続壁20に注入管を貫通させ、この注入管を通して注入すればよい。
【0021】
次に、図7及び図13に示すように、地中連続壁20の内部60側から、地中連続壁20のシールド孔50に相当する高さの部分を掘削し、また、シールド孔50の地中連続壁20側のセグメント51を撤去し、さらに、地中連続壁20とシールド孔50との間の地盤を掘削することで、シールド孔50の内部と地中連続壁20の内部60とを連通させる。この際、シールド孔50の地中連続壁20側の地盤2を改良地盤70とすることにより、シールド孔50のセグメント51や地中連続壁20の一部を撤去しても、上記掘削した部分において地盤2が崩壊したり、地下水がシールド孔50や地中連続壁20の内部に流れ込んだりすることを防止できる。
【0022】
次に、図14に示すように、この地中連続壁20の内部60側から、地中構造物本体10の基礎部11を構成する鉄筋13を、その端部がシールド孔50の内部に到達するように配筋する。そして、図15に示すように、シールド孔50内に突出部30を構成するコンクリート31を打設するとともに、このコンクリート31と一体に地中構造物本体10の基礎部11を構成するコンクリート14を打設する。上記打設したコンクリート14、31が硬化することにより、図8に示すように、地中構造物本体10の基礎部11と一体に、地中連続壁20から外側に向かって突出するように水平方向に帯状に延びる突出部30が構築される。
【0023】
次に、図9及び図16に示すように、地中連続壁20の内側に、地中連続壁20と一体となるように地中構造物本体10の側壁部12を構築する。そして、通常の地中構造物を構築する場合と同様に、地中連続壁20の内部に、基礎部11及び側壁部12と一体に、地中構造物本体10の残りの部分を構築することにより本実施形態の地中構造物1の構築作業が完了する。そして、地中構造物1の構築完了後、立孔40を埋め戻す。
【0024】
以上説明したように、本実施形態によれば、シールド孔50の内部空間を利用して突出部30を地中構造物本体10と一体に構築することにより、地中構造物本体10の外周に帯状に鉛直投影面積の大きな突出部30を形成することができる。これにより、この突出部30が周囲の地盤より支圧力を受けるため、大深度の地中構造物1に作用する大きな浮力に対しても抵抗することができる。
【0025】
なお、本実施形態では、シールド孔50と地中連続壁20の内部とを連通するように地中連続壁20及びシールド孔50の一部を撤去し、この連通した部分を通じて突出部30と地中構造物本体10の基礎部11を一体に構築したが、必ずしも、地中連続壁に開口を設ける必要はない。
【0026】
図17〜図19は、地中連続壁に開口を設けることなく、突出部30を地中構造物本体10の基礎部と一体に構築する方法を説明するための図であって、地中構造物本体10と突出部30との接合部の拡大断面図である。かかる場合には、図17に示すように、地中連続壁120を構築する際に、地中連続壁120の突出部30に相当する高さの表裏面に、図20に示すような、表面に孔121Aが形成された波形状の鋼製のパネル121を埋設しておく。また、図17に示すように、これら鋼製パネル121の間に、両端に継手金物122が接続された接続鉄筋123を、両端の継手金物122が夫々、鋼製パネル121の孔121Aに相当する位置に配置されるように埋設しておく。
【0027】
次に、図18に示すように、シールド孔50の周辺の地中連続壁20側の地盤2にセメントペーストなどを注入することにより、止水性及び掘削安定性を有する改良地盤70を形成する。そして、シールド孔50内から地盤を掘削し、シールド孔50側の地中連続壁20の鋼製パネル121が露出させる。また、地中連続壁20の内部の地盤を掘削する際に、地中連続壁20の内側の鋼製パネル121を露出させておく。そして、シールド孔50側から鋼製パネル121の孔121Aを通して、継手金物122に突出部30を構成する鉄筋113を挿入して継手金物122により接続鉄筋123に継手し、また、地中連続壁20の内部から鋼製パネル121の孔121Aを通して、基礎部111を構成する鉄筋113を挿入して継手金物122により接続鉄筋123に継手する。
【0028】
次に、図19に示すように、シールド孔50の内部にコンクリート31を打設し、また、地中連続壁20の内部60において、地中構造物本体10の基礎部111を構成するコンクリート114を打設する。上記打設したコンクリート31、114が硬化することにより、接続鉄筋123を介して、地中構造物本体10の基礎部111を構成する鉄筋113と突出部30を構成する鉄筋113とが接続され、また、鋼製パネル121の表面に凹凸が形成されていることにより、地中連続壁20を介して、基礎部111を構成するコンクリート114と突出部30を構成するコンクリート31の間で応力が伝達されることとなり、これにより、地中構造物本体10の基礎部111に構造的に接続されることとなる。このように、上記の構成によれば、地中連続壁120に開口を設けることなく、鋼製パネル121及び接続鉄筋123を介して、地中構造物本体10の基礎部111と一体に突出部30を構築できる。
【0029】
なお、上記の各実施形態では、地中構造物本体10の基礎部11に相当する高さに突出部30を設ける構成としたが、これに限らず、他の高さに設ける構成としてもよいし、複数の突出部を設ける構成としてもよい。
【0030】
また、上記の各実施形態では、鉛直断面が円形のシールド孔を削孔するものとしたが、これに限らず矩形状などとしてもよくシールド孔の形状は問わない。
【0031】
また、上記の各実施形態では、シールドマシンによりシールド孔を形成し、このシールド孔を利用して突出部を構築するものとしたが、これに限らず、推進工法、パイプルーフ工法などの非開削工法などによりトンネルを形成し、このトンネル孔を利用して突出部を構築してもよい。
また、本実施形態では、地中連続壁を地中構造物本体の外周を取り囲むように構築したが、これに限らず、地中構造物の外周の一部と一体に構築されている構成としてもよい。地中連続壁の外周全周に亘って突出部を設けることとしたが、これに限らず、地中連続壁の外周の一部にのみ設けることとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本実施形態の地中構造物の構成を示し、(A)は平面図、(B)は(A)におけるA−A´断面図である。
【図2】本実施形態の地中構造物の構築方法を説明するための図(その1)であり、(A)は平面図、(B)は(A)におけるA―A´断面図である。
【図3】本実施形態の地中構造物の構築方法を説明するための図(その2)であり、(A)は平面図、(B)は(A)におけるA―A´断面図である。
【図4】本実施形態の地中構造物の構築方法を説明するための図(その3)であり、(A)は平面図、(B)は(A)におけるA―A´断面図である。
【図5】本実施形態の地中構造物の構築方法を説明するための図(その4)であり、(A)は平面図、(B)は(A)におけるA―A´断面図である。
【図6】本実施形態の地中構造物の構築方法を説明するための図(その5)であり、(A)は平面図、(B)は(A)におけるA―A´断面図である。
【図7】本実施形態の地中構造物の構築方法を説明するための図(その6)であり、(A)は平面図、(B)は(A)におけるA―A´断面図である。
【図8】本実施形態の地中構造物の構築方法を説明するための図(その7)であり、(A)は平面図、(B)は(A)におけるA―A´断面図である。
【図9】本実施形態の地中構造物の構築方法を説明するための図(その8)であり、(A)は平面図、(B)は(A)におけるA―A´断面図である。
【図10】本実施形態の地中構造物の構築方法を説明するための図(その9)であり、地中構造物本体と突出部との接合部の拡大断面図である。
【図11】本実施形態の地中構造物の構築方法を説明するための図(その10)であり、地中構造物本体と突出部との接合部の拡大断面図である。
【図12】本実施形態の地中構造物の構築方法を説明するための図(その11)であり、地中構造物本体と突出部との接合部の拡大断面図である。
【図13】本実施形態の地中構造物の構築方法を説明するための図(その12)であり、地中構造物本体と突出部との接合部の拡大断面図である。
【図14】本実施形態の地中構造物の構築方法を説明するための図(その13)であり、地中構造物本体と突出部との接合部の拡大断面図である。
【図15】本実施形態の地中構造物の構築方法を説明するための図(その14)であり、地中構造物本体と突出部との接合部の拡大断面図である。
【図16】本実施形態の地中構造物の構築方法を説明するための図(その15)であり、地中構造物本体と突出部との接合部の拡大断面図である。
【図17】地中連続壁に開口を設けずに、突出部を地中構造物本体の基礎部と一体に構築する方法を説明するための図(その1)であり、地中構造物本体と突出部との接合部の拡大断面図である。
【図18】地中連続壁に開口を設けずに、突出部を地中構造物本体の基礎部と一体に構築する方法を説明するための図(その2)であり、地中構造物本体と突出部との接合部の拡大断面図である。
【図19】地中連続壁に開口を設けずに、突出部を地中構造物本体の基礎部と一体に構築する方法を説明するための図(その3)であり、地中構造物本体と突出部との接合部の拡大断面図である。
【図20】鋼製パネルを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0033】
1 地中構造物 2 地盤
10 地中構造物本体 11、111 基礎部
12 側壁部 13、113 鉄筋
14、114 コンクリート 20、120 地中連続壁
30 突出部 31 コンクリート
40 立孔 50 シールド孔
51 セグメント 60 地中連続壁の内部
70 改良地盤 121 鋼製パネル
121A 孔 122 継手金物
123 接続鉄筋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中構造物本体と、当該地中構造物本体と一体に構築された地中壁と、前記地中壁の表面に水平方向に帯状に延びるように形成され、前記地中壁の表面から外側に向かって突出する突出部と、を備えることを特徴とする地中構造物。
【請求項2】
地中構造物本体と、当該地中構造物本体と一体に構築された地中壁と、前記地中壁の表面に水平方向に帯状に延びるように形成され、前記地中壁の表面から外側に向かって突出する突出部と、を備えた地中構造物の構築方法であって、
前記地中壁を構築する地中壁構築ステップと、
地盤の前記突出部に相当する深さ位置に前記地中壁の外周に沿うようにトンネルを削孔するトンネル削孔ステップと、
前記地中壁の内側に当該地中壁と一体に前記地中構造物本体を構築するとともに、当該地中構造物本体と一体となるように前記トンネル内にコンクリート構造物を構築することにより前記突出部を構築する突出部構築ステップと、を備えることを特徴とする地中構造物の構築方法。
【請求項3】
請求項2記載の地中構造物の構築方法であって、
前記突出部構築ステップでは、
前記トンネル内部と前記地中壁の内側とを連通させ、
前記連通した部分を通じて前記地中構造物本体と、前記コンクリート構造物とを一体に構築することを特徴とする地中構造物の構築方法。
【請求項4】
請求項2記載の地中構造物の構築方法であって、
前記地中壁構築ステップでは、
前記地中壁の前記トンネルに相当する高さの内側及び外側の表面近傍に開口を有する波形パネルを埋設するとともに、両端に継手金物が接続された接続鉄筋を前記継手金物が夫々前記表裏面に埋設された波形パネルの前記開口に当たる配置されるように埋設しておき、
前記突出部構築ステップでは、
前記トンネルの前記地中壁側の部分を撤去して、前記地中壁に埋設された外側の前記波形パネルを露出させ、前記トンネル内側から前記外側の波形パネルの開口を通じて前記継手金物に鉄筋を継手し、前記鉄筋が埋設されるように前記トンネル内にコンクリートを打設して、前記突出部を構築し、
また、前記内側の波形パネルを露出させ、前記地中壁の内側から前記内側の波形パネルの開口を通じて前記継手金物に鉄筋を継手し、前記鉄筋が埋設されるようにコンクリートを打設して前記地中構造物本体を構築することを特徴とする地中構造物の構築方法。
【請求項5】
請求項2から4のうち何れか1項に記載の地中構造物の構築方法であって、
前記突出部構築ステップの前に、
少なくとも前記トンネルの周囲の前記地中壁側の地盤を地盤改良する地盤改良ステップを備えることを特徴とする地中構造物の構築方法。

【図2】
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【図3】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−59621(P2010−59621A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−223894(P2008−223894)
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】