説明

地中管埋設装置

【課題】上水管,ガス管,電気配管等を短時間で良好に地中に埋設できる簡易な地中管埋設装置を提供する。
【解決手段】複数の横引き管24により発信坑2から受信坑7に向かい地中に横孔を形成でき、受信坑7側から埋設管を横引き管24に連結して、横引き管24を発信坑2側へ引き戻すことにより、発信坑2側へ埋設管を引き込むことができ、このような装置は、手動ポンプ23により作動されるジャッキ19を備え、ジャッキ19により横引き管24を受信坑7方向あるいは発信坑2方向に移動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に配管を良好に埋設できる埋設装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、配管埋設作業における溝および穴掘り行程において、手作業によらず掘削できる掘削装置として、例えば特許文献1に開示されているようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−168926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されているような掘削装置を用いれば、手作業によらず安全かつ迅速に溝等を掘削して地中管埋設作業を行うことができるが、掘削装置は大型のものであり、高価であり、現場に搬入して使用するのにコストがかかりすぎるという問題点があった。
なお、例えば家の玄関近くに水道メーターを設け、水道本管からその水道メーターまでポリホースで繋ぐ作業時に、階段やコンクリート床面などが存在する場合には、それらを壊してポリホースを埋設せねばならず、ポリホースを埋設した後に、壊した階段やコンクリート床面などを元の状態に補修せねばならず、作業工数および工事費用がかかり過ぎるという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、安価な装置により既存の階段やコンクリート床などを壊すことなく良好に地中に配管を埋設することのできる地中管埋設装置の提供を目的とし、この目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明は、発信坑から受信坑に向かい地中に横孔を形成できるとともに、前記受信坑側から前記横孔を通し前記発信坑へ埋設管を引き込むことのできる装置であって、該装置は、前記発信坑内に配設されるジャッキと、該ジャッキに作動圧を供給する手動のポンプと、前記ジャッキにより前記横孔を形成しつつ地中に押し出される複数本の着脱可能な横引き管と、該横引き管の先端に着脱可能に取り付けられた先端矢ジリを備え、前記受信坑側において、前記先端矢ジリを取り外して前記埋設管を横引き管の先端に取り付け、前記ジャッキを介し前記横引き管を前記発信坑側へ逆進できるように構成したことを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の地中管埋設装置では、手動のポンプを操作してジャッキを作動させ、このジャッキにより地中に横引き管を押し出すことができ、横引き管を次々と繋ぎ合わせて良好に地中に複数本の横引き管を打ち込んで、発信坑から受信坑に向かって複数本の横引き管を通すことができ、横引き管の先端の先端矢ジリが受信坑に到達した状態で、先端の矢ジリを取り外して埋設管を横引き管の先端に代わりに取り付け、次にジャッキを介し横引き管を発信坑側へ逆進させることで、横引き管により形成した横孔内に受信坑から発信坑に向かって埋設管を引き込むことができ、これにより、良好に埋設管を地中に埋設することができ、大型の設備等を要することなく簡易な装置で埋設作業を極めて短時間で実現することができる。
【0007】
また、本発明の地中管埋設装置において、前記ジャッキの受信坑に向かう角度を調節するために該ジャッキを挿着することのできる鞘管が前記発信坑内に配設され、該鞘管には、該鞘管を上下方向に揺動可能に支点が設けられているとともに、設定した角度に該鞘管を固定できる角度ロックネジが設けられている構成とすることもできる。
こうすれば、ジャッキが挿着される鞘管の角度を調整して、ジャッキにより地中へ横引き管を押し出す方向を確実に受信坑に向かわせることができる。
【0008】
また、本発明の地中管埋設装置において、前記横引き管の外周に目盛りを付設した構成とすることもできる。
こうすれば、横引き管がジャッキにより発信坑からどの程度地中内に打ち込まれたかを横引き管の目盛りを見ることで良好に確認することができ、例えば先端矢ジリが地中に埋設されている既存の配管や配線あるいは石等に当たった状態を手動ポンプの手動操作時に手ごたえで感じ取った時に、目盛りで先端矢ジリの位置を確認して、その部分を掘り起こす等して先端矢ジリが地中内の何に当たったかを確認することができ、既存の配管等を破損してしまうような事故を良好に回避できるものとなる。
【0009】
また、本発明の地中管埋設装置において、前記先端矢ジリ内に電波発信器を設けた構成とすることもできる。
こうすれば、電波発信器から発信される電波を地上の受信器で受信することにより、先端矢ジリが地中のどの位置にあるのかを良好に知ることができ、例えば塀や壁等の奥の見えない場所に先端矢ジリが到達しているような場合に、先端矢ジリの位置を確認して、その場所に受信坑を掘り、先端矢ジリを取り出すこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】水道本管が設けられた発信坑から、水道メーターが設けられた受信坑に向かって給水パイプを埋設して接続した状態の概略構成図である。
【図2】水道本管に取り付けた取り付け金具に対し給水パイプのジョイント金具を接続する前の分解構成図である。
【図3】図2の斜視構成図である。
【図4】簡易な装置により発信坑側から複数の横引き管を受信坑側に押し込んで横孔を形成している状態の概略構成図である。
【図5】複数の横引き管の分解構成図である。
【図6】横引き管の拡大構成図である。
【図7】先端矢ジリの拡大構成図である。
【図8】図4における発信坑内に配置された装置の拡大概略構成図である。
【図9】受信坑側から給水パイプを横引き管に繋ぎ、横引き管を発信坑側へ引き戻す状態の概略構成図である。
【図10】給水パイプを横引き管に繋ぐ構造の一例を示す拡大分解構成図である。
【図11】図9における発信坑内の装置の拡大配置構成図である。
【図12】手動ポンプを水タンクに一体化させた構造の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、道路1などに設けられた発信坑2内に配管されている水道本管3から、家の玄関先等に水道メーター5を埋設するために掘られた縦方向の受信坑7に亘り、水道本管3と水道メーター5を接続する可撓性の給水パイプ6を地中に埋設した状態の概略構成図である。
なお、図中10は、既に仕上げられたコンクリート等の仕上げ床面であり、また図中11は、階段である。
【0012】
前記発信坑2内に配管されている水道本管3には、図2および図3に示すように、取り出し金具8が取り付けられて、この取り出し金具8に給水パイプ6の先端のジョイント金具9が接続されるものである。
【0013】
取り出し金具8は、本体8aの側面に止水栓部8bが設けられ、反対側に突出して接続突管部8cが形成されている。また、本体8aの上面には閉塞栓部8dが設けられている。
また、本体8aの下端には上フランジ部8eが形成されており、この上フランジ部8eを水道本管3の上面に跨がせて取り付け、水道本管3の下側から上フランジ部8eに対し下フランジ部8fを嵌め込んで、上フランジ部8eと下フランジ部8fをボルト12およびナット13で締め付けて、水道本管3の所定位置に取り出し金具8を固定することができ、この状態で閉塞栓部8dを取り外して、閉塞栓部8dの位置から下方に向かって水道本管3に孔を開けて、水道本管3内の水を本体8aに導入可能とするこができ、その後に閉塞栓部8dを締め込んで封鎖する。
【0014】
また、接続突管部8cの外周には雄ネジが形成されており、この雄ネジを形成した接続突管部8cに対し給水パイプ6の先端のジョイント金具9のナット部9aを螺合させて給水パイプ6を繋ぎ、給水パイプ6の他端を水道メーター5に繋いだ状態で、止水栓部8bを開けることで、水道本管3内の水が給水パイプ6を通り水道メーター5側へ流れることとなる。
【0015】
本例では、給水パイプ6を発信坑2から水道メーター5が設置される受信坑7に向かって地中に埋設するために、図4に示すような装置を用いて、先ず発信坑2側から受信坑7側に向かって複数本の横引き管24,24,24を押し出して、複数の横引き管24,24,24により横孔を形成する。
【0016】
横孔を形成するための装置は、図8に拡大概略図で示すような構成となっており、発信坑2の底面にはベース板15を敷設しておき、このベース板15上に支持台16を固設し、この支持台16に支点17を介して上下方向に揺動するように、円筒状の鞘管18を発信坑2内に横方向に前記受信坑7に向かって配設する。支点17を介して図8の鞘管18の右端側を上下方向に調整して、略水平状に受信坑7に向かって横孔が形成されるように設定する。鞘管18の角度を設定した後に角度ロックネジ26を調整して鞘管18の角度を固定させることができる。
【0017】
この鞘管18内にはジャッキ19を挿着させることができ、ジャッキ19は、左端に受け部19cを備えた本体部19aと、この本体部19a内に摺動可能に連結されたピストン部19bを備えており、一般的なジャッキ19で構成されている。このジャッキ19の受け部19cが当接するように、発信坑2の左側面には鉄板14を縦方向に配置させておく。
【0018】
このジャッキ19の本体部19aにはホース20が接続され、ホース20の他端は手動ポンプ23に連結されている。手動ポンプ23は自転車の空気入れのような構造の簡易な市販のものを使用することができ、手押し式であっても、また足踏み式であっても良い。
この手動ポンプ23にはホース22が接続されており、ホース22は水を入れた水タンク21内に浸漬させておくことができる。
【0019】
このような簡易な装置において、手動ポンプ23を手動で操作することで、水タンク21内の水がホース22を通り手動ポンプ23内に導かれ、さらに手動ポンプ23を押すことで手動ポンプ23内の水がホース20を通りジャッキ19の本体部19a内に導入されて、この導入された水圧により本体部19aからピストン部19bが所定寸法だけ突出されてゆく。手動ポンプ23を連続して操作することにより徐々にピストン部19bの突出寸法を増大させてゆくことができる。
【0020】
このピストン部19bが押し出されることにより、受信坑7に向かって地中に押し出される横引き管24は、図5のように複数本直列状に連結されるものであり、先端には地中を良好に前進できるように円錐状に尖った先端矢ジリ25が取り付けられる。
なお、各横引き管24は、図6のように、太管部24aの先端に小径の差込み管部24bが一体形成されており、太管部24a側の内側に連結バー24dが固定されたものであり、差込み管部24bの先端側には、この連結バー24dに着脱される鉤状の連結鉤溝24cが形成されている。
【0021】
従って、先端に先端矢ジリ25を取り付けた1本目の横引き管24をジャッキ19のピストン部19bを押し出して地中に押し込み、ピストン部19bを本体部19a側へ戻した状態で、押し込んだ1本目の横引き管24に対し、2本目の横引き管24を連結させてゆくことができ、次々に2本目,3本目と横引き管24,24を連結させて、それぞれジャッキ19のピストン部19bを突出させて地中に押し出すことで、先端の先端矢ジリ25は受信坑7に向かって徐々に進むこととなる。
【0022】
なお、先端矢ジリ25は図7に拡大して示すような構造となっており、円錐形状の矢ジリ部25aから3本の係合片25b,25b,25bが設けられており、この3本の係合片25b,25b,25bを横引き管24の差込み管部24b内に差し込んで弾着させ、先端矢ジリ25を着脱可能に横引き管24に取り付けできるものである。なお、先端矢ジリ25は、このような形のものでなくても着脱し易いものであれば良い。
【0023】
なお、先端矢ジリ25の矢ジリ部25aの先端部分内には電波発信器Pを内装させておくことができ、電波発信器Pから発信される電波を地上の受信器で受信することにより、先端矢ジリ25が地中のどの位置にあるのかを良好に確認できるものである。
例えば図4のように、複数の横引き管24を受信坑7に向かって押し出し、先端矢ジリ25が階段11或いは仕上げ床面10の下方に到達していることなどを良好に確認できるものであり、地上に階段11や囲い壁等が存在しても良好に受信坑7に先端矢ジリ25を到達させることができる。また、地中の石等に先端矢ジリ25が当たって進行方向がずれた場合等に、先端矢ジリ25の位置を確認して横孔の方向を補正することも可能となる。さらに、塀等の奥の見えない場所に先端矢ジリ25が到達しているような場合に、先端矢ジリ25の位置を確認して、その場所に受信坑7を掘り、先端矢ジリ25取り出すこともできる。
【0024】
図4のように、先端矢ジリ25が受信坑7に到達した状態では、先端矢ジリ25を横引き管24から抜き取って取り外し、代わりに図9に示すように、受信坑7内に給水パイプ6を入れて、給水パイプ6のジョイント金具9を横引き管24に取り付けることができるものである。
【0025】
なお、この取り付け構造の一例として、図10に示すように、1本目の横引き管24の先端側に支持バー30を固定させておき、この支持バー30に、対向する弾性把持片31a,31bを有する把持金具31を設けておき、給水パイプ6のジョイント金具9側には、ジョイント金具9のナット部9aに螺合される雄ネジ部32aと、棒部32bと、球部32cを有する着脱金具32を取り付けておき、この着脱金具32の球部32cを把持金具31の弾性把持片31a,31b間に形成された開口31c内に押し込んで、給水パイプ6のジョイント金具9を横引き管24に着脱可能に取り付けることができる。
この状態でジャッキ19を逆進させて、複数の横引き管24を発信坑2側へ向かって逆進移動させてゆくことができ、この横引き管24の発信坑2側への逆進移動に伴って給水パイプ6を横引き管24により形成された横孔内を通し発信坑2へ引き込むことができる。
【0026】
このジャッキ19を逆進させる場合は、図11の拡大図で示すように、ピストン部19bを本体部19a内に押し込んだ状態として、鞘管18の先端側に縦方向に2本以上のロック用鉄筋27を立設させ、このロック用鉄筋27によりピストン部19bの鞘管18からの突出を防いでピストン部19b側を固定させることができ、ピストン部19b側が固定状態となるため、手動ポンプ23を手動で操作することにより逆にジャッキ19の本体部19aが図示左方向に移動されて行くこととなり、この本体部19a側にワイヤー等を用い横引き管24の先端を連結させれば、本体部19aの左側への移動に伴って徐々に横引き管24を発信坑2側へ移動させてゆくことができ、これに伴い受信坑7側から給水パイプ6を横孔を通し発信坑2側に引き込むことができるものである。
【0027】
給水パイプ6のジョイント金具9が発信坑2内に到達した状態で、給水パイプ6のジョイント金具9から着脱金具32を取り外し、図2および図3に示すように、給水パイプ6のジョイント金具9を取り出し金具8の接続突管部8cに螺合させて接続する。これにより給水パイプ6を介して水道本管3と水道メーター5が連通された状態となる。
【0028】
本例では、簡易な装置を手動で作動させて良好に複数の横引き管24,24,24を地中に押し出し、複数の横引き管24,24,24により地中に横孔を良好に形成させることができ、この横孔を利用して水道メーター5側の受信坑7から発信坑2側に向かって給水パイプ6を引き込むことができ、給水パイプ6を地中に埋設するために溝掘作業等を行う必要がなく、また、大型の装置を用いることもなく、簡易な装置により良好に給水パイプ6を短時間で埋設することができるものとなる。しかも、階段11或いは仕上げ床面10、その他、塀などが地上に存在しても、これらを壊すことなく良好に給水パイプ6を埋設できるため、従来のように給水パイプ6の埋設後に階段11や仕上げ床面10を元の状態に補修し直す作業が不要となり、作業コストも低減させることができる。
【0029】
なお、手動ポンプ23は水タンク21と一体化させて、例えば図12に外観図で示すような構造に形成することができる。
図12では、水タンク21の上面の台ベース上に支点23bが立設され、この支点23bを支点として略水平方向に手動ポンプの操作レバー23aが伸びており、この手動ポンプの操作レバー23aを上下動させることで手動ポンプ23を作動させて、水タンク21内の水を手動ポンプ23で吸い上げてホース20を介してジャッキ19に作動水圧を供給することができるものである。
【0030】
このように水タンク21と手動ポンプ23を一体化させてコンパクトな装置とすることができ、手動ポンプの操作レバー23aを上下動させて操作することで、ジャッキ19を介して地中に打ち込まれる横引き管24の先端の先端矢ジリ25が、地中内に存在する配管や石等に当たると、操作レバー23aの操作感が重くなり、操作時の手の感触で、先端矢ジリ25が地中の何かに当たったことを感じ取ることができる。
なお、手動ポンプの操作レバー23aを操作する感触で、先端矢ジリ25が硬い粘土層に到達した状態とか、砂の層に到達した状態をも知ることができるものである。
【0031】
なお、先端矢ジリ25が地中の何かに当たったような場合に、横引き管24には目盛り24eがその外周に付設されているため、目盛り24eを読み取ることで、発信坑2から先端矢ジリ25までの距離を良好に知ることができ、先端矢ジリ25の位置に小さな縦孔を掘って先端矢ジリ25が何に当たっているかを確認することができ、例えばガス管等の既設の配管を無理に破壊してしまうような事態を回避することができるものとなる。
【0032】
なお、本例では、発信坑2に鉄板14を立設させて、この鉄板14にジャッキ19の受け部19cを当接させるように構成したが、鉄板14に代えて木板を立設させても良く、さらには発信坑2の坑壁が硬い場合には、鉄板14や木板を何ら用いることなく、直接坑壁にジャッキ19の受け部19cを当接させて作業することもできるものである。
なお、ジャッキ19の受け部19cは、広い面積で鉄板14或いは木板或いは発信坑の壁に当接できるように、本体部19aに対し自由に首振りできるように構成しておくことができる。
なお、本体部19aに対し1個所の支点で受け部19cが連結された構造とすることで、本体部19aに対し受け部19cが首振り可能となる。
【0033】
なお、本例では、発信坑2から受信坑7へ向かう角度を調整するために鞘管18を設け、この鞘管18内にジャッキ19を挿着したものを例示しているが、鞘管18を設けることなく、ジャッキ19を発信坑2内に底から浮かせた状態で配置させて用いることもでき、この場合はジャッキ19のピストン部19bの進む方向を目測により設定することとなる。
【0034】
なお、実施例では、ジャッキ19の本体部19a側にホース20を繋ぎ、ホース20を介してジャッキの本体部19a内に水圧を加えてピストン部19bを押し出す構造のジャッキ19としているが、図示しない別のホースを介してピストン部19b側に水圧を供給できるようにした復進式のジャッキ19を採用することもでき、この復進式のジャッキ19を採用した場合には、ジャッキ19を逆進させる際にはピストン部19b側へ切り替えて、ピストン部19b側に水圧を供給して本体部19aを図示左側へ押し出してゆくように構成することができる。
【0035】
なお、横引き管24を発信坑2側へ逆進させる際に、ジャッキ19の本体部19aと横引き管24の連結バー24d或いは連結鉤溝24cとを図示しないワイヤー等を用いて連結させることで、ジャッキ19を逆進させると、横引き管24を発信坑2側へ良好に引き戻すことができるものとなる。
【0036】
なお、さらには横引き管24を発信坑2側へ引き戻す際に、ワイヤー等を用いれば、ジャッキ19を逆進させることなく、ピストン部19bを本体部19aから押し出すことによっても横引き管24を発信坑2内に引き戻すことができる。
即ち、横引き管24の連結バー24d或いは連結鉤溝24cにワイヤーの先端を結び付けて固定し、そのワイヤーを発信坑2側に配置されているジャッキ19の受け部19c或いは本体部19aに設けた滑車に巻回させ、さらにワイヤーの他端をピストン部19bの先端側に固定させることにより、ピストン部19bが本体部19aから突出されてゆくと、これに伴いワイヤーを介して横引き管24を発信坑2側へ引き戻すことができる。なお、この場合は、ピストン部19bは横引き管24の位置からずらした位置にして作動させる必要がある。
【0037】
なお、本例では、上水管の埋設を例に挙げて説明しているが、ガス管或いは電気配線の工事においても、同様な簡易な装置を用いて、地中に良好に短時間でガス管或いは電気配線を埋設することができるものである。
【符号の説明】
【0038】
1 道路
2 発信坑
3 水道本管
4 家
5 水道メーター
6 給水パイプ(埋設管)
7 受信坑
8 取り出し金具
8a 本体
8c 接続突管部
9 ジョイント金具
9a ナット部
10 仕上げ床面
11 階段
14 鉄板
17 支点
18 鞘管
19 ジャッキ
19a 本体部
19b ピストン部
20,22 ホース
21 水タンク
23 手動ポンプ
23a 手動ポンプの操作レバー
24 横引き管
24a 太管部
24b 差込み管部
24c 連結鉤溝
24d 連結バー
24e 目盛り
25 先端矢ジリ
25a 矢ジリ部
25b 係合片
26 角度ロックネジ
27 ロック用鉄筋
31 把持金具
31a,31b 弾性把持片
32 着脱金具
32a 雄ネジ部
32c 球部
P 電波発信器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信坑から受信坑に向かい地中に横孔を形成できるとともに、前記受信坑側から前記横孔を通し前記発信坑へ埋設管を引き込むことのできる装置であって、
該装置は、前記発信坑内に配設されるジャッキと、該ジャッキに作動圧を供給する手動のポンプと、前記ジャッキにより前記横孔を形成しつつ地中に押し出される複数本の着脱可能な横引き管と、該横引き管の先端に着脱可能に取り付けられた先端矢ジリを備え、
前記受信坑側において、前記先端矢ジリを取り外して前記埋設管を横引き管の先端に取り付け、前記ジャッキを介し前記横引き管を前記発信坑側へ逆進できるように構成した
ことを特徴とする地中管埋設装置。
【請求項2】
前記ジャッキの受信坑に向かう角度を調節するために該ジャッキを挿着することのできる鞘管が前記発信坑内に配設され、該鞘管には、該鞘管を上下方向に揺動可能に支点が設けられているとともに、設定した角度に該鞘管を固定できる角度ロックネジが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の地中管埋設装置。
【請求項3】
前記横引き管の外周に目盛りを付設したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の地中管埋設装置。
【請求項4】
前記先端矢ジリ内に電波発信器を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3に記載の地中管埋設装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−32865(P2011−32865A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257360(P2010−257360)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3149475号
【原出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(598154752)
【出願人】(509017767)
【出願人】(509017778)
【Fターム(参考)】