説明

地図プラットフォームを活用した画像ベースウェブサービス提供システム

【課題】地図のプラットフォームを活用することにより、画像ベースのウェブサービスの開発や保守などの負担を軽減する。
【解決手段】サービス提供手段であるサーバ22は、画像ベースウェブサービスの種類に応じて、地図データに代る表示用データと所定の位置対応情報とを所定のデータ記憶手段25内に記憶させ、その用意した表示用データ及び位置対応情報を指定して地図プラットフォーム10の各手段12〜14を所定形式の情報授受で呼び出すことにより、表示手段12には、画像ベースウェブサービスの種類に応じた画像を表示させ、対応手段13には、画像上の位置に対応した位置対応情報を入力受付又は表示させ、計算手段14には、前記位置対応情報の間の距離又は経路を計算して前記画像に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像ベースのウェブサービスを実現する技術の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットのウェブサイトを用いた様々な情報サービスが普及し、画像を用いたものや、公衆への情報発信だけでなくユーザ間の情報流通やユーザからの情報収集を行うものなど、多様なウェブサービスが登場している。その一例として、マウスカーソルなどで画像上の位置を指定し、その位置に関するコメントなどの情報をユーザに入力させる提案も存在する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−329036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来では、ウェブサービスごとに、画像の表示、情報の入力の受付、保存、表示、各種計算処理などを、その都度個別に開発し、運用開始後の保守や改修なども個別に行っていたため、各種インタフェースには統一性が無いうえ、開発や保守などの労力、期間、コストなども個別に発生しており、大きな負担となっていた。
【0005】
本発明は、上記のような課題をふまえたもので、その目的は、地図のプラットフォームを活用することにより、画像ベースのウェブサービスの開発や保守などの負担を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的をふまえ、本発明の一態様は、通信ネットワーク経由でアクセスしてくるクライアント端末からの操作に応じてその端末に画像を含むウェブページを表示することで画像ベースウェブサービスを提供する画像ベースウェブサービス提供システムにおいて、平面上に位置する対象物を表す地図データに基づいて、画像を表示する表示手段と、前記画像上の位置に対応した位置対応情報を入力受付又は表示する対応手段と、前記画像上の位置間の距離又は経路を計算して前記画像に表示する計算手段と、を備え地図表示サービスを提供する地図プラットフォームと、前記地図プラットフォームを利用して前記地図表示サービス以外の所定の画像ベースウェブサービスを提供するサービス提供手段と、を有し、前記サービス提供手段は、前記画像ベースウェブサービスの種類に応じて、所定の前記地図データに代る表示用データを記憶していると共に所定の位置対応情報を記憶するデータ記憶手段を有し、そのデータ記憶手段を指定して前記地図プラットフォームの前記各手段を所定形式の情報授受で呼び出すことにより、前記表示手段には、前記画像ベースウェブサービスの種類に応じた画像を表示させ、前記対応手段には、前記画像上の位置に対応した位置対応情報を入力受付又は表示させ、前記計算手段には、前記位置対応情報の間の距離又は経路を計算して前記画像に表示させることを特徴とする。
【0007】
本発明の他の態様は、上記態様を方法として把握したもので、平面上に位置する対象物を表す地図データに基づいて、画像を表示する表示手段と、前記画像上の位置に対応した位置対応情報を入力受付又は表示する対応手段と、前記画像上の位置間の距離又は経路を計算して前記画像に表示する計算手段と、を備え地図表示サービスを提供する地図プラットフォームと、前記地図プラットフォームを利用して前記地図表示サービス以外の所定の画像ベースウェブサービスを提供するサービス提供手段と、をそれぞれコンピュータで実現し通信ネットワーク経由でアクセスしてくるクライアント端末からの操作に応じてその端末に画像を含むウェブページを表示することで画像ベースウェブサービスを提供する画像ベースウェブサービス提供システム、を用いる画像ベースウェブサービス提供方法において、前記サービス提供手段を実現するコンピュータが、前記画像ベースウェブサービスの種類に応じて、所定の前記地図データに代る表示用データを記憶していると共に所定の位置対応情報を記憶する所定のデータ記憶手段を指定して前記地図プラットフォームの前記各手段を所定形式の情報授受で呼び出すことにより、前記表示手段に、前記画像ベースウェブサービスの種類に応じた画像を表示させ、前記対応手段に、前記画像上の位置に対応した位置対応情報を入力受付又は表示させ、前記計算手段に、前記位置対応情報の間の距離又は経路を計算して前記画像に表示させることを特徴とする。
【0008】
このように、スクロールや縮尺変更などの表示、場所に応じた情報の入力受付や表示、経路探索などを画像である地図について行うプラットフォームを活用することにより、地図以外の例えば商品などの画像上で位置を指定して意見を入力するアンケートなど、画像ベースの各種ウェブサービスの開発、保守などの負担が大幅に軽減できる。
【0009】
本発明の他の態様は、上記いずれかの態様において、前記所定形式の情報授受は、アプリケーション・プログラム・インタフェースであることを特徴とする。
【0010】
このように、地図プラットフォームの呼び出しをAPI(アプリケーション・プログラム・インタフェース)で行うことにより、個々の画像ベースウェブサービスの開発者は、画像表示やそれに関連する一般的共通機能を、ミドルウェアのように規約に従って呼び出すだけで、自ら具体的プログラミングすることなく個々の画像ベースウェブサービスを容易に実現でき、さらに、そのインタフェースから先の部分については地図プラットフォームとしての保守や改修で足りるのでその負担も大幅に軽減される。
【0011】
本発明の他の態様は、上記いずれかの態様において、前記画像ベースウェブサービスは、対象物についてその画像を含む情報を表示し、ユーザから前記画像上の位置の指定とその位置に対応する情報の入力を受け付ける、対象物情報サービスであることを特徴とする。
【0012】
このように、対象物、例えば動産等の物品、建築物、ウェブページ、半導体集積回路レイアウトなどについて、その画像などを表示し、画像上の位置を指定してコメントなどを入力可能とするようなサービスは、地図表示とは本来全く異質であり従来は全く別個独立に開発や保守等の負荷を余儀無くされていたところ、本発明の上記態様によれば、地図プラットフォームを活用することにより、少ない負荷で容易に実装し運用を続けることが可能となる。
【0013】
なお、上記の各態様における装置や方法といったカテゴリの別は説明上の例示であり、本発明は上記の態様ごとに、明記していない他のカテゴリ(例えば、方法やコンピュータプログラム)も含むものであり、また、以下に説明するさらに具体的な各態様も含むものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、地図のプラットフォームを活用することにより、画像ベースのウェブサービスの開発や保守などの負担を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す図。
【図2】本発明の実施形態における全体的な処理手順を示すフローチャート。
【図3】本発明の実施形態における商品情報サービスに関する表示例を示す図。
【図4】本発明の実施形態において、商品情報サービスで用いる位置対応情報を例示する概念図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」と呼ぶ)について、図に沿って説明する。なお、背景技術や課題などで既に述べた内容と共通の前提事項については適宜省略する。
【0017】
〔1.構成〕
本実施形態は、図1に構成図を示すが、通信ネットワークN経由でアクセスしてくるクライアント端末T(T1,T2,T3…)からの操作に応じてその端末に画像を含むウェブページを表示することで画像ベースウェブサービスを提供する画像ベースウェブサービス提供システム(以下「本システム」とも呼ぶ)1に関するものである。「画像ベースウェブサービス」は、少なくとも、画像の表示と、画像上の位置に対応付けられる情報の入出力と、を含むウェブ上のサービスであり、さらに、画像上の位置に関する距離や経路の計算や表示を含む態様でもよい。
【0018】
本システム1は、地図プラットフォーム10と、それぞれサービス提供手段である複数のサーバ(サーバ装置)22,23,24を有し、地図プラットフォーム10も、一又は二以上のサーバ装置で実現してよい。そして、各装置は、図示はしないが一般的なコンピュータの構成として、少なくとも、CPUなどの演算制御部と、外部記憶装置(HDD等)や主メモリ等の記憶装置と、インターネット等の通信ネットワークとの通信手段(LANアダプタなど)と、を有する。また、サービスを利用するユーザが用いる端末T(T1,T2など)は、パーソナルコンピュータや携帯電話端末装置などで、上記のようなコンピュータの構成に加え、操作キーやマウス、液晶表示装置などの入出力装置を備える。
【0019】
各装置では、その記憶装置に予め記憶(インストール)した図示しない所定のコンピュータ・プログラムが演算制御部を制御することで、図1に示す各手段(11,12,13など)などの要素を実現する。これら各要素のうち、情報の記憶手段は、前記記憶装置を用いて、リレーショナル型等の各種データベース(「DB」とも表し、DBMS:データベースマネジメントシステムを備える場合を含むものとする)やファイル、配列等の変数、システム設定値など任意の形式で実現する。
【0020】
地図プラットフォーム10は、ウェブサービスとしての地図表示及びその関連機能(「地図表示サービス」と総称することとする)を提供するためのハードウェア及びソフトウェアで、特に、平面上に位置する対象物を表す地図データを予め記憶している地図データ記憶手段11と、表示手段12と、対応手段13と、計算手段14と、を有し、アクセスしてくる端末Tに、後述のような機能で地図の表示とそれに関連する情報処理のサービスを提供し、また、それぞれサービス提供手段である各サービスのサーバ22,23,24は、地図プラットフォーム10を利用して前記地図表示サービスとは異なる所定の画像ベースウェブサービスを提供する。
【0021】
また、記憶手段以外の他の各手段は、後述する情報処理機能を実現・実行する処理手段である。なお、各手段は、説明便宜上の機能のまとまりであり、複数の手段を単一のサーバ装置で実現したり、一つの手段を複数のサーバ装置で構成するなど、実際の実現態様は自由である。例えば、地図プラットフォーム10は、一以上のサーバ装置を専有して実現することは必須ではなく、サーバ装置上の一つのプログラムプロセスでもよいし、いくつかのサーバ装置に分散したプログラムプロセス群などでもよい。
【0022】
〔2.作用〕
上記のような本システムの動作手順を、図2のフローチャートを参照して説明する。以下の説明では、地図プラットフォーム10が地図表示サービスを提供するほかに、サーバ22が、地図表示サービスとは異なる画像ベースウェブサービスの一例として、対象物についてその画像を含む情報を表示し、ユーザから前記画像上の位置の指定とその位置に対応する情報の入力を受け付けるサービスを提供するものとし、このようなサービスを「対象物情報サービス」と呼ぶこととする。そのなかでもここでは、対象物は携帯電話端末装置のような物品である商品を対象とし、このような商品の情報提供とアンケートを行うサービス(以下「商品情報サービス」と呼ぶこととする)を地図プラットフォーム10の活用により提供する場合を例にとる。
【0023】
〔2−1.地図表示サービスの提供〕
まず、本システム1において、地図プラットフォーム10は基本的に、地図用インタフェース18を介して地図データ記憶手段11にアクセスすることにより、地図表示サービスを提供する。ある端末T1から受信したアクセスについて(図2:ステップS09)、アクセス先サービス、すなわち地図表示サービスに対するものであるか、他のいずれの画像ベースウェブサービス(商品情報サービスなど)に対するものであるかは、例えば、アクセス先のウェブページのURLがどのドメイン名であるかで識別できる(ステップS10)。
【0024】
地図表示サービスの場合(ステップS10:「地図」)、地図プラットフォーム10の表示手段12は、地図表示の操作などに対しては(ステップS11)、地図データ記憶手段11に記憶されている地図データに基づいて、端末T1からのページ要求や操作データなどに応じ、地図表示の範囲や縮尺などの指定に基づいて、画像である地図を表示する(ステップS21)。
【0025】
また、地図表示サービスの場合、対応手段13は、位置対応情報に関する操作などに応じ(ステップS12)画像として表示している地図上の場所に対応した情報である位置対応情報(地名や建物名、ランドマーク、ユーザ定義スポット、お店や商品の情報など)を入力受付したり表示する(ステップS31)。また、地図表示サービスの場合、計算手段14は、距離計測や経路探索の要求操作などに応じ(ステップS13)画像として表示している地図上の場所間の距離や経路などを計算し、画像である地図に表示する(ステップS41)。
【0026】
〔2−2.他のサービスの提供〕
また、サービス提供手段であるサーバ装置22は、提供する画像ベースウェブサービスの種類すなわち商品情報サービスに応じて、所定のデータ記憶手段25内に、前記地図データに代る表示用データ(例えば商品画像)を予め記憶していると共に、所定の位置対応情報(例えば、ユーザが商品画像から対象の位置を指定するとともに、その位置に対応して入力した評価選択肢やコメント文字列など)を記憶する。
【0027】
そして、例えば端末T2からのアクセスが(ステップS09)商品情報サービスに関するものであった場合(ステップS10:「商品」)、サーバ装置22は、商品情報サービスに応じて端末T2から送信されてくるページリクエストや操作要求などに応じ(ステップS52,S53,S54)、データ記憶手段25を指定して地図プラットフォーム10の各手段12,13,14を所定形式の情報授受で呼び出すことにより(ステップS62,S63,S64)その機能を後述のように利用する(ステップS72,S73,S74)。ここで、前記「所定形式の情報授受」は、具体的な種類は自由であるが、本実施形態では他サービス用インタフェース20(図1)と呼び、具体的にはAPI(アプリケーション・プログラム・インタフェース)であることが望ましい。
【0028】
より具体的には、まず、サーバ装置22は、例えば端末T2から、商品情報サービスに応じた商品の画像表示をすることとなる画面遷移操作等があれば(ステップS52)、データ記憶手段25(この場合は特に、データ記憶手段25内に予め記憶されている表示用データである図示しない商品画像ファイルなど)を指定して地図プラットフォーム10の表示手段12を他サービス用インタフェース20で呼び出すことにより(ステップS62)、表示手段12に、商品情報サービスに応じた商品画像を表示させる(ステップS72)。図3は、このような商品画像をウィンドウWに表示する例であり、実際の用途や仕様などに応じ、表示縮尺の変更やスクロールなどの機能を付加してよい。
【0029】
同様に、サーバ装置22は、例えば端末T2から、商品情報サービスに応じた感想に関する操作など位置対応情報を処理することとなる操作があれば(ステップS53)、データ記憶手段25を指定して地図プラットフォーム10の対応手段13を他サービス用インタフェース20で呼び出すことにより(ステップS63)、対応手段13には、前記商品画像上の位置(すなわち、商品の部分)に対応する感想等を位置対応情報として入力受付又は表示させる(ステップS73)。
【0030】
位置対応情報のうちユーザが入力するものの例としては、図3に示すように、表示ウィンドウWの商品画像上で商品の気に留った箇所をマウスカーソルG1などで指してマウスボタン操作などで指定すると、コメント入力欄G2を表示してコメント文字列の入力を受け付け、それをデータ記憶手段25に記憶させて、所定の担当者や本人、他のユーザなどに表示する例が挙げられる。図4は、このようにユーザが入力した位置対応情報の例で、「位置座標」は、表示ウィンドウ左上隅を(図3)原点(0,0)として、マウスカーソルG1で指定された箇所の画面座標を表すものである。
【0031】
この位置座標を用いれば、情報を利用する担当者などが、画像全体を縦横に区切ったセクションを指定し、位置座標がそのセクションに含まれる各コメント文字列を画面表示や統計計算などの対象とするなど、位置対応情報の有効活用が可能となる。また、予めデータ記憶手段25に記憶されている位置対応情報として、商品画像の箇所ごとに対応する説明や拡大図などを表示してもよい。
【0032】
また、サーバ装置22は、例えば端末T2から、商品情報サービスに応じた実寸表示などの要求操作があれば(ステップS54)、データ記憶手段25に記憶されている位置対応情報を指定して地図プラットフォーム10の計算手段14を他サービス用インタフェース20で呼び出すことにより(ステップS64)、計算手段14には、前記位置対応情報の間の実寸寸法を計算して前記画像に表示させる(ステップS74)。
【0033】
その例として、図3に示すように、マウスカーソルG1などで両端を指定した部分G3の実寸を計算し画面表示(G4)するなどが考えられる。この場合、例えば、両端を所定の前記位置対応情報として少なくとも一時的に指定した上、マウスの右クリック操作やメニュー操作などで実寸表示機能を選択する。
【0034】
〔3.効果〕
以上のように、本実施形態では、スクロールや縮尺変更などの表示、場所に応じた情報の入力受付や表示、経路探索などを画像である地図について行うプラットフォーム10を活用することにより、地図以外の例えば商品などの画像上で位置を指定して意見を入力するアンケートなど、画像ベースの各種ウェブサービスの開発、保守などの負担が大幅に軽減できる。
【0035】
また、本実施形態では、上記のように、地図プラットフォームの呼び出しをAPI(アプリケーション・プログラム・インタフェース)で行うことにより、個々の画像ベースウェブサービスの開発者は、画像表示やそれに関連する一般的共通機能を、ミドルウェアのように規約に従って呼び出すだけで、自ら具体的プログラミングすることなく個々の画像ベースウェブサービスを容易に実現でき、さらに、そのインタフェースから先の部分については地図プラットフォーム10としての保守や改修で足りるのでその負担も大幅に軽減される。
【0036】
また、物品などの対象物について、その画像などを表示し、画像上の位置を指定してコメントなどを入力可能とするようなサービスは、地図表示とは本来全く異質であり、従来は全く別個独立に開発や保守等の負荷を余儀無くされていたところ、本実施形態では、上記のように、地図プラットフォームを活用することにより、少ない負荷で容易に実装し運用を続けることが可能となる。
【0037】
〔4.他の実施形態〕
なお、上記実施形態は例示に過ぎず、本発明は、以下に例示するものやそれ以外の他の実施態様も含むものである。例えば、本発明において、各手段などの要素は、コンピュータの演算制御部に限らず、ワイヤードロジック等に基づく電子回路で実現してもよい。また、各構成図、データの図、フローチャートの図などは例示に過ぎず、各要素の有無、その順序や具体的内容などは、本発明の範囲で適宜変更可能である。
【0038】
例えば、地図表示サービスとは異なる画像ベースウェブサービスとして、上記実施形態では商品情報サービスを例示し(図3)、アンケートなどリサーチ目的での利用を例示したが、それに限らず、ショッピングやオークションなど電子商取引の場面において、商品画像の位置を指定してその部分の状態や仕様などについて、売主が記述したり、買主が質問し売主が回答するなど、質疑応答に利用することも可能である。
【0039】
さらに、上記のような商品情報サービスに限らず、建築図面、ウェブページデザイン案、半導体集積回路レイアウト図などを画像表示し、各部分の説明などを位置対応情報として処理したり、各種配線や配管などの最適経路、動線、指定部分の寸法などを計算手段で処理してもよい。このように最適経路などを計算する場合は、地図表示サービスで計算手段14が経路探索などで用いるダイクストラ法等の経路探索アルゴリズムに関するプログラムのルーチンやモジュールなどを活用することとなる。
【符号の説明】
【0040】
T(T1,T2,T3,T4) 端末
N 通信ネットワーク
1 画像ベースウェブサービス提供システム
10 地図プラットフォーム
11 地図データ記憶手段
12 表示手段
13 対応手段
14 計算手段
18 地図用インタフェース
20 他サービス用インタフェース
22,23,24 サーバ装置
25,26,27 データ記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワーク経由でアクセスしてくるクライアント端末からの操作に応じてその端末に画像を含むウェブページを表示することで画像ベースウェブサービスを提供する画像ベースウェブサービス提供システムにおいて、
平面上に位置する対象物を表す地図データに基づいて、画像を表示する表示手段と、前記画像上の位置に対応した位置対応情報を入力受付又は表示する対応手段と、前記画像上の位置間の距離又は経路を計算して前記画像に表示する計算手段と、を備え地図表示サービスを提供する地図プラットフォームと、
前記地図プラットフォームを利用して前記地図表示サービス以外の所定の画像ベースウェブサービスを提供するサービス提供手段と、
を有し、
前記サービス提供手段は、
前記画像ベースウェブサービスの種類に応じて、所定の前記地図データに代る表示用データを記憶していると共に所定の位置対応情報を記憶するデータ記憶手段を有し、そのデータ記憶手段を指定して前記地図プラットフォームの前記各手段を所定形式の情報授受で呼び出すことにより、
前記表示手段には、前記画像ベースウェブサービスの種類に応じた画像を表示させ、
前記対応手段には、前記画像上の位置に対応した位置対応情報を入力受付又は表示させ、
前記計算手段には、前記位置対応情報の間の距離又は経路を計算して前記画像に表示させる
ことを特徴とする画像ベースウェブサービス提供システム。
【請求項2】
前記所定形式の情報授受は、アプリケーション・プログラム・インタフェースであることを特徴とする請求項1記載の画像ベースウェブサービス提供システム。
【請求項3】
前記画像ベースウェブサービスは、対象物についてその画像を含む情報を表示し、ユーザから前記画像上の位置の指定とその位置に対応する情報の入力を受け付ける、商品情報サービスであることを特徴とする請求項1又は2記載の画像ベースウェブサービス提供システム。
【請求項4】
平面上に位置する対象物を表す地図データに基づいて、画像を表示する表示手段と、前記画像上の位置に対応した位置対応情報を入力受付又は表示する対応手段と、前記画像上の位置間の距離又は経路を計算して前記画像に表示する計算手段と、を備え地図表示サービスを提供する地図プラットフォームと、
前記地図プラットフォームを利用して前記地図表示サービス以外の所定の画像ベースウェブサービスを提供するサービス提供手段と、
をそれぞれコンピュータで実現し通信ネットワーク経由でアクセスしてくるクライアント端末からの操作に応じてその端末に画像を含むウェブページを表示することで画像ベースウェブサービスを提供する画像ベースウェブサービス提供システム、を用いる画像ベースウェブサービス提供方法において、
前記サービス提供手段を実現するコンピュータが、
前記画像ベースウェブサービスの種類に応じて、所定の前記地図データに代る表示用データを記憶していると共に所定の位置対応情報を記憶する所定のデータ記憶手段を指定して前記地図プラットフォームの前記各手段を所定形式の情報授受で呼び出すことにより、
前記表示手段に、前記画像ベースウェブサービスの種類に応じた画像を表示させ、
前記対応手段に、前記画像上の位置に対応した位置対応情報を入力受付又は表示させ、
前記計算手段に、前記位置対応情報の間の距離又は経路を計算して前記画像に表示させる
ことを特徴とする画像ベースウェブサービス提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−3039(P2011−3039A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145923(P2009−145923)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】