説明

地図表示装置

【課題】所望の地点の詳細な気象情報を地図に重ねて表示することができる地図表示装置を提供する。
【解決手段】所定の縮尺率未満の地図20を押圧すると、押圧された地図領域が拡大表示され、押圧された地図領域の詳細地図50が表示モニタ16の表示画面に表示される。詳細地図50を押圧すると、押圧した地点が表示画面の中央に表示されるように、詳細地図50がスクロールされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気象情報を地図に重ねて表示する地図表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地図画面が所定レベル以上の広域表示になると、地図画面に気象情報を重畳表示するナビゲーション装置が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。このナビゲーション装置では、ディスプレイに表示されたスケールバーが表示され、スケールバーの広域側に触れると、画面上の地図の縮尺率が小さくなり、スケールバーの詳細側に触れると、画面上の地図の縮尺率は大きくなる。
【特許文献1】特開2000−2550号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているような従来のナビゲーション装置では、画面上の地図の所望の地点を選択して拡大表示することはできない。このため、所望の地点の気象情報を詳細に表示できないという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明の地図表示装置は、タッチパネルを設けた表示モニタと、表示モニタに地図を表示する表示制御手段と、気象情報を受信する気象情報受信手段とを備え、表示制御手段は、気象情報受信手段によって取得した気象情報を地図と重ねて表示するとともに、表示モニタに表示された地図が押圧されたとき、地図の縮尺率が所定未満の場合、地図の詳細地図を表示し、地図の縮尺率が所定以上の場合、地図をスクロールすることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の地図表示装置において、表示制御手段は、表示モニタに表示された地図が押圧されたとき、地図の縮尺率が所定未満の場合、押圧された位置に対応する地図領域の詳細地図を表示することを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1に記載の地図表示装置において、表示制御手段は、表示モニタに表示された地図が押圧されたとき、地図の縮尺率が所定未満の場合、押圧された位置を表示モニタの表示画面の中心に表示した地図の詳細地図を表示することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の地図表示装置において、気象情報は、詳細地図に重ねて表示するための詳細気象情報を有することを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の地図表示装置において、表示制御手段は、表示モニタに地図とともにボタンを表示し、ボタンが押圧されると、ボタンに定義した処理を実行する実行手段を備え、表示制御手段は、ボタンが表示されてから所定時間経過するまでに表示モニタの表示画面が押圧されないと、ボタンを消去することを特徴とする。
(6)請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の地図表示装置において、表示モニタに表示される地図の縮尺率の段階的な変更を指示する指示手段を備え、気象情報を地図に重ねて表示する場合の指示手段によって指示できる地図の縮尺率の段階数は、気象情報を地図に重ねて表示しない場合の地図の縮尺率の段階数より少ないことを特徴とする。
(7)請求項7の発明の地図表示装置は、表示モニタと、表示モニタに地図を表示する表示制御手段と、気象情報を受信する気象情報受信手段と、表示モニタに表示される地図の縮尺率の段階的な変更を指示する指示手段とを備え、気象情報受信手段によって取得した気象情報を地図に重ねて表示する場合の指示手段によって指示できる地図の縮尺率の段階数は、気象情報を地図に重ねて表示しない場合の地図の縮尺率の段階数より少ないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、気象情報が重畳表示された地図のうち、所定の縮尺率未満の地図が押圧すると、押圧された地図の詳細地図を表示し、所定の縮尺率以上の地図が押圧されると、押圧された地図をスクロールする。したがって、所望の地点の気象情報を地図に重ねて詳細に表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、本発明の実施形態によるナビゲーション装置1を示す。このナビゲーション装置1は、衛星ラジオ放送による気象情報を受信し、その気象情報を地図に重ねて表示モニタ16に表示することができる。既知の衛星ラジオ放送として、たとえば、シリウスサテライトラジオなどがある。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、タッチパネル19、タッチパネルコントロール部110、衛星ラジオ受信部111、受信メモリ112およびディスクドライブ113を有している。ディスクドライブ113には、地図データが記憶されたDVD−ROM114が装填されている。
【0007】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。この制御回路11がDVD−ROM114に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行うと、その処理結果が推奨経路として表示モニタ16に表示される。また、制御回路11は、地図などを表示するための画像データを生成する。地図に灰色を重ねて描画することによって、地図に灰色をブレンド(配合)し、地図を目立たないように表示することができる。制御回路11には、タイマ11aが内蔵されており、時間を計測することができる。
【0008】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置である。現在地検出装置14は、振動ジャイロ14a、車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)センサ14cなどからなる。振動ジャイロ14aは、車両の進行方向を検出し、車速センサ14bは、車速を検出し、GPSセンサ14cはGPS衛星からのGPS信号を検出する。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定するとともに、地図上に自車位置マークとしてその現在地を表示する。
【0009】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはDVD−ROM114に記憶された地図データに基づいて、適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示などを行うことができる。
【0010】
ディスクドライブ113は、DVD−ROM114から地図データを読み出す。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。地図表示用データおよび経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで7段階の縮尺の地図データを有し、ユーザの要求などにしたがって、表示地図の縮尺を7段階に変更することができる。なお、DVD−ROM114以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0011】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の地図などの各種情報を画面表示としてユーザに提供する。スピーカ17は、各種入力操作をユーザに指示したり、経路誘導したりするための音声を出力する。入力装置18は、ユーザが各種コマンドの設定などするための操作キーを有し、操作パネル上のボタンスイッチやパネル周囲のハードスイッチなどによって実現される。ユーザは、表示モニタ16の表示画面の指示やスピーカ17からの音声指示にしたがって入力装置18を手動で操作することにより、目的地を設定する。また、入力装置18を操作することによって、衛星ラジオ放送を選局することができる。
【0012】
目的地がユーザにより設定されると、ナビゲーション装置1は現在地検出装置14により検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。このようにして求められた経路(以下、推奨経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、ユーザは地図上の推奨経路を画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、推奨経路にしたがって車両が走行できるように、ユーザに対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を経路誘導する。
【0013】
タッチパネル19は、表示モニタ15の表面に積層される透明のタッチスイッチであり、表示モニタ16に表示される画像はタッチパネル19を通して表示される。したがって、表示モニタ16の表示画面を押圧するとタッチパネル19が押圧される。タッチパネル19は、タッチパネル19上の操作位置に応じた信号をタッチパネルコントロール部110に送出し、タッチパネルコントロール部110はタッチパネル19の押圧位置を算出する。
【0014】
表示モニタ16に表示された各種ボタンや表示メニューなどを指などで押圧するとタッチパネル19は押圧され、各種ボタンや表示メニューに定義された処理が実行される。また、表示モニタ16に表示された地図を押圧すると、タッチパネル19は押圧され、地図を拡大表示したり、地図をスクロールしたりする処理が実行される。
【0015】
衛星ラジオ受信部111は、図示しない衛星ラジオ局から人工衛星を介して放送される衛星ラジオ放送を受信し、制御回路11に出力する。受信した衛星ラジオ放送は、スピーカ17より出力される。また、衛星ラジオ受信部111によって受信された衛星ラジオ放送の気象情報は受信メモリ111に記憶される。衛星ラジオ放送の気象情報には、広域地図が表示されたときに表示する気象情報のほかに、詳細地図が表示されたときに表示する詳細な気象情報が含まれている。
【0016】
衛星ラジオ放送の気象情報は、天気図の情報や、ハリケーンなどの嵐の情報、気象レーダによる雨量分布の情報、各観測地点における風向きや風力の情報などを有する。天気図の情報として、たとえば、高気圧や低気圧の位置(緯度・経度)の情報や温暖前線や寒冷前線の位置情報などが含まれる。嵐の情報には、ハリケーンの位置や竜巻の位置の情報などが含まれる。雨量分布の情報には、雨が降っている位置とその位置における雨量の情報などが含まれる。
【0017】
受信メモリ111は、フラッシュメモリやハードディスクなどの書き換え可能な不揮発性記録媒体によって構成され、衛星ラジオ受信部110によって受信された気象情報を記憶する。
【0018】
次に、本発明の実施形態における気象情報を表示した地図の表示処理について、図2〜図9を参照して説明する。図2(a)は、不図示のメニューから気象情報表示を選択すると表示される表示モニタ16の表示画面を説明するための図である。図2(a)に示すように、地図20は16個の地図領域に分割線で分割されている。地図領域を識別できるようにするため、図2(b)に示すように、それぞれの地図領域に符号20a〜20pを付す。
【0019】
図2(a)に示すように、地図領域20a〜20pのうちの衛星ラジオ放送から気象情報を受信した地図領域20a〜20c,20e〜20g,20h〜20k,20o,20pについて、地図に灰色をブレンドして表示する。一方、地図領域20a〜20pのうちの衛星ラジオ放送から気象情報を受信しない地図領域20d,20l,20m,20nについて、地図をそのままの背景色で表示する。
【0020】
図2(a)に示すように、地図20に重ねて気象情報がアイコンや線図などとして表示される。アイコン21aは高気圧を示し、アイコン21bは低気圧を示す。アイコン21cは雹、霰の天気を示し、アイコン21dは竜巻を示す。アイコン21eはハリケーンを示す。また、線図22aは温暖前線を示し、線図22bは寒冷前線を示す。領域23は気象レーダで計測した雨量分布を示す。
【0021】
図2(a)に示すように、地図20には、各種ボタンが重畳的に表示される。天気図ボタン24aは、高気圧および低気圧を示すアイコン21a,21bなどで表される天気図を表示するためのボタンである。嵐ボタン24bは、ハリケーンや竜巻、雹、霰など嵐を表すアイコン21c〜21eを表示するためのボタンである。レーダボタン24cは、気象レーダで計測した雨量分布を表示するためのボタンである。風ボタン24dは、風向きや風力の情報を表示するためのボタンである。
【0022】
ブレンドレベル変更ボタン25a,25bは、地図にブレンドする灰色のブレンド度合いを変更するボタンである。ブレンドレベル変更ボタン25aを押圧すると、灰色のブレンドの度合いが大きくなり、地図が灰色に近づく。一方、ブレンドレベル変更ボタン25bを押圧すると、灰色のブレンドの度合いが小さくなり、地図が地図本来の背景色に近づく。
【0023】
ユーザが地図の縮尺率を認識できるようにするため、1000kmのスケール26aが表示される。
【0024】
地図20が表示されてから5秒間に表示画面が押圧されないと、図3に示すように、地図20に重ねて表示されていたボタン24a〜24d,25a,25bおよびスケール26aは消去される。さらに、3秒間表示画面が押圧されないと、図4に示すように地図20に重ねて表示されていた分割線も消去される。
【0025】
図5(a)に示すように、所定の縮尺率未満の地図20で分割線が表示されているときに地図20を押圧すると、図5(b)に示すように、押圧された地図領域20hの詳細地図50が表示モニタ16の表示画面に表示される。詳細地図50には、地図20には表示されていなかった気象レーダで計測した雨量分布23が詳細な気象情報として表示される。詳細地図50に重ねて、天気図ボタン24a、嵐ボタン24b、レーダボタン24c、風ボタン24d、ブレンドレベル変更ボタン25a,25b、100kmのスケール26bおよび縮尺率変更ボタン27a,27bが表示される。
【0026】
縮尺率変更ボタン27aは、詳細地図50の縮尺率を小さくして、図2の地図20を表示するためのボタンである。縮尺率変更ボタン27bは、詳細地図50の縮尺率よりさらに縮尺率の大きな詳細地図を表示するためのボタンである。この詳細地図の詳細については後述する。
【0027】
図4に示すような分割線が消去された地図20が押圧されると、図2の地図20に表示が戻る。つまり、ボタン24a〜24d,25a,25b、スケール26aおよび分割線が地図20に再び表示される。分割線が消去された地図20が押圧されても詳細地図50は表示されない。
【0028】
詳細地図50が表示されてから表示画面が押圧されずに5秒間経過すると、図6に示すように、詳細地図50から天気図ボタン24a、嵐ボタン24b、レーダボタン24c、風ボタン24d、ブレンドレベル変更ボタン25a,25b、100kmのスケール26bおよび縮尺率変更ボタン27a,27bが消去される。しかし、天気ボタン24aなどが消去された詳細地図50を押圧すると、天気図ボタン24a、嵐ボタン24b、レーダボタン24c、風ボタン24d、ブレンドレベル変更ボタン25a,25b、100kmのスケール26bおよび縮尺率変更ボタン27a,27bが再び表示される。
【0029】
図7は、図5(b)の縮尺率変更ボタン27bが押圧されると表示される詳細地図70を説明するための図である。詳細地図70は、詳細地図50を拡大した地図である。詳細地図70には、気象レーダで計測した雨量分布23と風向きおよび風力28とが詳細な気象情報として表示される。また、詳細地図70には、天気図ボタン24a、嵐ボタン24b、レーダボタン24c、風ボタン24d、ブレンドレベル変更ボタン25a,25b、10kmのスケール26cおよび縮尺率変更ボタン27a,27cが表示される。縮尺率変更ボタン27cは、詳細地図70の縮尺率を小さくして図5(b)の詳細地図50を表示するためのボタンである。
【0030】
詳細地図70が表示されてから表示画面が押圧されずに5秒間経過すると、図8に示すように、詳細地図50から天気図ボタン24a、嵐ボタン24b、レーダボタン24c、風ボタン24d、ブレンドレベル変更ボタン25a,25b、10kmのスケール26cおよび縮尺率変更ボタン27a,27cが消去される。しかし、天気ボタン24aなどが消去された詳細地図70を押圧すると、天気図ボタン24a、嵐ボタン24b、レーダボタン24c、風ボタン24d、ブレンドレベル変更ボタン25a,25b、10kmのスケール26cおよび縮尺率変更ボタン27a,27cが再び表示される。
【0031】
ボタン24a〜24d,25a,25b,27a〜27cやスケール26b,26cが表示されている詳細地図50,70を押圧すると、押圧した地点が表示画面の中央に表示されるように、詳細地図50,70がスクロールされる。たとえば、図9(a)に示すように、詳細地図70の地点71を押圧すると、詳細地図70がスクロールされ、図9(b)に示すように、詳細地図70の押圧された地点71が表示画面の中央に表示される。
【0032】
次に、本発明の実施形態における気象情報を表示した地図の表示処理について図10〜図12のフローチャートを参照して説明する。図10〜図12の処理は、不図示のメニューから気象情報表示が選択されるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。
【0033】
ステップS1001では、衛星ラジオ受信部111によって受信した気象情報に基づいて、気象情報を重畳表示した地図20を表示モニタ16に表示する。ステップS1002では、ボタン24a〜24d,25a,25b、スケール26aおよび分割線を地図20に重ねて表示する。
【0034】
ステップS1003では、タイマ11aをスタートする。ステップS1004では、タッチパネル19から出力される信号およびタッチパネルコントロール部110において算出された押圧位置に基づいて、地図20が押圧されたか否かを判定する。地図20が押圧された場合はステップS1004が肯定判定され、図11のステップS1101へ進む。地図20が押圧されていない場合はステップS1004が否定判定され、ステップS1005へ進む。ステップS1005では、タイマ11aが計測している時間が5秒を経過したか否かを判定する。5秒を経過した場合はステップS1005が肯定判定され、ステップS1006へ進む。5秒を経過していない場合はステップS1005が否定判定され、ステップS1004へ戻る。ステップS1006では、表示モニタ16の表示画面からボタン24a〜24d,25a,25bおよびスケール26aを消去する。ステップS1007では、タイマ11aをリセットする。
【0035】
ステップS1008では、タイマ11aをスタートする。ステップS1009では、地図20が押圧されたか否かを判定する。地図20が押圧された場合はステップS1009が肯定判定され、図11のステップS1101へ進む。地図20が押圧されていない場合はステップS1009が否定判定され、ステップS1010へ進む。ステップS1010では、タイマ11aが計測している時間が3秒を経過したか否かを判定する。3秒を経過した場合はステップS1010が肯定判定され、ステップS1011へ進む。3秒を経過していない場合はステップS1010が否定判定され、ステップS1009に戻る。ステップS1011では、タイマ11aをリセットする。
【0036】
ステップS1012では、地図20に重畳表示されている分割線を消去する。ステップS1013では、地図20が押圧されたか否かを判定する。地図20が押圧された場合はステップS1013が肯定判定され、ステップS1002に戻る。地図20が押圧されていない場合はステップS1013を繰り返す。
【0037】
図11のステップS1101では、詳細な気象情報を重畳表示した詳細地図50を表示モニタ16に表示する。詳細地図50は、押圧された地図領域20hを拡大表示したものである。ステップS1102では、ボタン24a〜24d,25a,25b,27a,27bおよびスケール26bを詳細地図50に重ねて表示する。
【0038】
ステップS1103では、タイマ11aをスタートする。ステップS1104では、詳細地図50が押圧されたか否かを判定する。詳細地図50が押圧された場合はステップS1104が肯定判定され、ステップS1111へ進む。詳細地図50が押圧されていない場合はステップS1104が否定判定され、ステップS1105へ進む。
【0039】
ステップS1105では、縮尺率変更ボタン27aが押圧されたか否かを判定する。以下、縮尺率変更ボタン27aを1000kmボタン27aと呼ぶ。1000kmボタン27aが押圧された場合はステップS1105が肯定判定され、図10のステップS1001に戻る。1000kmボタン27aが押圧されない場合はステップS1105が否定判定され、ステップS1106に進む。
【0040】
ステップS1106では、縮尺率変更ボタン27bが押圧されたか否かを判定する。以下、縮尺率変更ボタン27bを10kmボタン27bと呼ぶ。10kmボタン27bが押圧された場合はステップS1106が肯定判定され、図12のステップS1201へ進む。10kmボタン27bが押圧されない場合はステップS1106が否定判定され、ステップS1107に進む。
【0041】
ステップS1107では、タイマ11aが計測している時間が5秒を経過したか否かを判定する。5秒を経過した場合はステップS1107が肯定判定され、ステップS1108へ進む。5秒を経過していない場合はステップS1107が否定判定され、ステップS1104へ戻る。ステップS1108では、表示モニタ16の表示画面からボタン24a〜24d,25a,25b,27a,27bおよびスケール26bを消去する。ステップS1109では、タイマ11aをリセットする。
【0042】
ステップS1110では、詳細地図50が押圧されたか否かを判定する。詳細地図50が押圧された場合はステップS1110が肯定判定され、ステップS1102に戻る。地図20が押圧されていない場合はステップS1110を繰り返す。
【0043】
ステップS1111では、押圧された地図上の位置が表示画面の中央に表示されるように詳細地図50をスクロールする。ステップS1111では、タイマ11aをリセットする。
【0044】
図12のステップS1201では、詳細な気象情報を重畳表示した詳細地図70を表示モニタ16に表示する。詳細地図70は詳細地図50より縮尺率を大きくし、さらに拡大表示したものである。ステップS1202では、ボタン24a〜24d,25a,25b,27a,27cおよびスケール26cを詳細地図70に重ねて表示する。
【0045】
ステップS1203では、タイマ11aをスタートする。ステップS1204では、詳細地図70が押圧されたか否かを判定する。詳細地図70が押圧された場合はステップS1204が肯定判定され、ステップS1211へ進む。詳細地図70が押圧されていない場合はステップS1204が否定判定され、ステップS1205へ進む。
【0046】
ステップS1205では、1000kmボタン27aが押圧されたか否かを判定する。1000kmボタン27aが押圧された場合はステップS1205が肯定判定され、図10のステップS1001に戻る。1000kmボタン27aが押圧されない場合はステップS1205が否定判定され、ステップS1206に進む。
【0047】
ステップS1206では、縮尺率変更ボタン27cが押圧されたか否かを判定する。以下、縮尺率変更ボタン27cを100kmボタン27bと呼ぶ。100kmボタン27cが押圧された場合はステップS1206が肯定判定され、図11のステップS1101へ進む。100kmボタン27cが押圧されない場合はステップS1206が否定判定され、ステップS1207に進む。
【0048】
ステップS1207では、タイマ11aが計測している時間が5秒を経過したか否かを判定する。5秒を経過した場合はステップS1207が肯定判定され、ステップS1208へ進む。5秒を経過していない場合はステップS1207が否定判定され、ステップS1204へ戻る。ステップS1208では、表示モニタ16の表示画面からボタン24a〜24d,25a,25b,27a,27cおよびスケール26cを消去する。ステップS1209では、タイマ11aをリセットする。
【0049】
ステップS1210では、詳細地図70が押圧されたか否かを判定する。詳細地図70が押圧された場合はステップS1210が肯定判定され、ステップS1202に戻る。地図20が押圧されていない場合はステップS1210を繰り返す。
【0050】
ステップS1211では、押圧された地図上の位置が表示画面の中央に表示されるように詳細地図70をスクロールする。ステップS1211では、タイマ11aをリセットする。
【0051】
以上の本発明の実施の形態によるナビゲーション装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)気象情報が重畳表示された地図20,50,70のうち、所定の縮尺率未満の地図20が押圧されると、押圧された地図領域20hが拡大表示され、所定の縮尺率以上の地図50,70が押圧されると、押圧された地図50,70がスクロールされる。したがって、所望の地点の気象情報を地図に重ねて詳細に表示することができる。
【0052】
(2)所定の縮尺率未満の地図20が押圧されると、押圧された地図領域20hを拡大表示するとともに、気象情報の詳細情報があれば、詳細な気象情報も表示するようにした。したがって、所望の地点の詳細な気象情報を地図に重ねて表示することができる。
【0053】
(3)気象情報が重畳表示された地図20,50,70が表示されてから所定時間経過するまで表示画面が押圧されないと、地図20,50,70に重畳表示されているボタン24a〜24d,25a,25b,27a〜27cを消去するようにした。したがって、ボタン24a〜24d,25a,25b,27a〜27cを操作する必要がないとき、ユーザはボタン24a〜24d,25a,25b,27a〜27cの表示に邪魔されずに気象情報を視認することができる。
【0054】
(4)ナビゲーション装置1によって表示できる地図の縮尺率の段階数を7段階に設定した場合、気象情報を表示するときの地図の縮尺率の段階数を地図20、詳細地図50、詳細地図70の3段階と少なくした。これにより、気象情報を視認する上で無意味な地図の縮尺率の細かい変更を防止できる。たとえば、地図の縮尺率を2倍、または2分の1に変更できても、地図上に表示される気象情報はあまり変わらないので無意味である。また、局所的な気象情報から大局的な気象情報を見ようとするとき、地図の縮尺率の段階数が多いと、地図の縮尺率変更の操作が煩雑になる。したがって、上述したように気象情報を表示するとき地図の縮尺率の段階数を少なくすると便利である。
【0055】
以上の実施の形態を次のように変形することができる。
(1)所定の縮尺率未満の地図20が押圧されると、押圧された地図領域が拡大表示された。しかし、所定の縮尺率未満の地図20が押圧されると、押圧された地図領域に関係なく、押圧された地図上の位置が表示画面の中心に表示されて拡大表示されるようにしてもよい。この場合も、所望の地点の気象情報を地図に重ねて詳細に表示することができる。
【0056】
(2)気象情報のアイコン21a〜21eが押圧されると、そのアイコン21a〜21eに係る気象情報の詳細情報がポップアップ画面で表示されるようにしてもよい。たとえば、アイコン21eを押圧すると、ハリケーンの中心気圧や進行方向、進行速度、平均風速などの情報がポップアップ画面で表示されるようにしてもよい。
【0057】
(3)気象情報を表示するときの地図の縮尺率の段階数は、地図20、詳細地図50、詳細地図70の3段階であったが、ナビゲーション装置1によって表示できる地図の縮尺率の段階数より少なければ、実施形態に限定されない。
【0058】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。たとえば、ナビゲーション機能を持たない地図表示可能な電子情報処理にも本発明は適用できる。
【0059】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本発明の表示制御手段は制御回路11に対応し、気象情報受信手段は衛星ラジオ受信部111に対応する。実行手段は制御回路11に対応し、指示手段は制御回路11、タッチパネル19およびタッチパネルコントロール部110に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素の対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】不図示のメニューから気象情報表示を選択すると表示される表示モニタの表示画面を説明するための図である。
【図3】表示画面が押圧されずに、気象情報を重ねて表示した地図が表示モニタに表示されてから5秒間経過したときに表示される表示画面を説明するための図である。
【図4】図3の表示画面が表示されてから、さらに3秒間経過したときに表示される表示画面を説明するための図である。
【図5】所定の縮尺率未満の地図から詳細地図を表示する操作を説明するための図である。
【図6】表示画面が押圧されずに、気象情報を重ねて表示した詳細地図が表示モニタに表示されてから5秒間経過したときに表示される表示画面を説明するための図である。
【図7】図5の詳細地図よりさらに縮尺率の大きな詳細地図を表示したときの表示画面を説明するための図である。
【図8】表示画面が押圧されずに、気象情報を重ねて表示した図7の詳細地図が表示モニタに表示されてから5秒間経過したときに表示される表示画面を説明するための図である。
【図9】詳細地図をスクロールさせるための操作を説明するための図である。
【図10】本発明の実施形態における気象情報を表示した地図の表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態における気象情報を表示した地図の表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態における気象情報を表示した地図の表示処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
11a タイマ
13 RAM
15 画像メモリ
16 表示モニタ
18 入力装置
19 タッチパネル
110 タッチパネルコントロール部
111 衛星ラジオ受信部
112 受信メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルを設けた表示モニタと、
前記表示モニタに地図を表示する表示制御手段と、
気象情報を受信する気象情報受信手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記気象情報受信手段によって取得した前記気象情報を前記地図と重ねて表示するとともに、前記表示モニタに表示された地図が押圧されたとき、前記地図の縮尺率が所定未満の場合、前記地図の詳細地図を表示し、前記地図の縮尺率が所定以上の場合、前記地図をスクロールすることを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の地図表示装置において、
前記表示制御手段は、前記表示モニタに表示された地図が押圧されたとき、前記地図の縮尺率が所定未満の場合、押圧された位置に対応する地図領域の詳細地図を表示することを特徴とする地図表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の地図表示装置において、
前記表示制御手段は、前記表示モニタに表示された地図が押圧されたとき、前記地図の縮尺率が所定未満の場合、押圧された位置を前記表示モニタの表示画面の中心に表示した前記地図の詳細地図を表示することを特徴とする地図表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の地図表示装置において、
前記気象情報は、詳細地図に重ねて表示するための詳細気象情報を有することを特徴とする地図表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の地図表示装置において、
前記表示制御手段は、前記表示モニタに前記地図とともにボタンを表示し、
前記ボタンが押圧されると、前記ボタンに定義した処理を実行する実行手段を備え、
前記表示制御手段は、前記ボタンが表示されてから所定時間経過するまでに前記表示モニタの表示画面が押圧されないと、前記ボタンを消去することを特徴とする地図表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の地図表示装置において、
前記表示モニタに表示される地図の縮尺率の段階的な変更を指示する指示手段を備え、
気象情報を地図に重ねて表示する場合の前記指示手段によって指示できる地図の縮尺率の段階数は、気象情報を地図に重ねて表示しない場合の地図の縮尺率の段階数より少ないことを特徴とする地図表示装置。
【請求項7】
表示モニタと、
前記表示モニタに地図を表示する表示制御手段と、
気象情報を受信する気象情報受信手段と、
前記表示モニタに表示される地図の縮尺率の段階的な変更を指示する指示手段とを備え、
前記気象情報受信手段によって取得した前記気象情報を地図に重ねて表示する場合の前記指示手段によって指示できる地図の縮尺率の段階数は、気象情報を地図に重ねて表示しない場合の地図の縮尺率の段階数より少ないことを特徴とする地図表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−185614(P2008−185614A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−16468(P2007−16468)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】