説明

地域密着型情報送信システム

【課題】火災情報や大雨等の災害情報等、地域密着型の情報を受信者の登録した基準位置データと照合して情報受信希望対象者を抽出し、該当対象者にのみ地域密着情報を電子メールで送信するシステムを提供する。
【解決手段】上記課題は情報受信の希望者(以下情報受信希望者)に本人の基準となる位置データを住所または郵便番号にて登録させ、それを緯度経度に換算した基準位置データとして保有するとともに、情報受信希望者者が送信を希望する地域範囲をその基準位置からの距離(情報要求距離)を半径で登録させることにより、火災等災害発生地域との距離を計算し、その距離が情報要求距離内に該当する情報受信希望者を情報受信希望対象者として抽出し、その抽出された該当者にのみ災害情報等を電子メールで送信することで解決することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地域密着型の情報を特定の対象者に送信するシステムであって、更に詳細には、情報受信希望者の登録した基準位置データと照合して特定の情報受信希望者を抽出すると共に、火災情報や大雨等の災害情報等の地域密着型の情報を、抽出した情報受信希望者に電子メールで送信するシステムを提供するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より火災情報や大雨洪水避難情報等地域の災害情報はテレビやラジオ、ホームページ、電子メール等で広く市民に伝達できるシステムは存在しおり、主に情報発信者は消防署(広域消防組合等も含む)や地方自治体であるが故に、情報そのものが既に「地域密着型情報」であると言う認識であった。
【0003】
また、送信手段として電子メールを使った場合は事前に電子メールアドレスを登録することによってその希望者だけに送信されると言うものであり、普及が目覚しい携帯電話等を受信装置として利用した場合は、いつでもどこに居ても情報を受信できると言う手軽さがメリットでもあった。
【0004】
さらに電子メールは文字を使った情報伝達であるがために、聴覚障害者にとっては情報を把握し易く、災害情報のバリアフリーとして広く使われ始めている。
【0005】
例えば火災情報を例に挙げると、火災が発生すると消防関係部署(以下消防署)はその発生地域である町丁目と災害の種別(家屋火災、車両火災、事故、事件等)、そして発生時刻を主な情報として電子メールで登録者に即座に一斉同報送信することにより、タイムリーに火災情報を住民希望者に提供すると言う利便性は確かにあった。
【0006】
また火災情報や大雨情報などはサイレンや拡声装置等の音響装置を使って住民に広く指示連絡が届くようになっているが、その方法では聴覚障害者は情報をキャッチすることが不可能であり、携帯電話等の電子メールを使って文字情報として住民個々に直接連絡することにより情報バリアフリーとして一部で使用されてきている。
【0007】
しかし、如何に情報発信者が消防署や地方自治体であっても、その部署で発生する全ての火災等災害情報が個々の住民にとっては決して「地域密着」とは言えず、十数キロ離れた場所の火災情報まで送信されて来ることもあり、ましてや災害情報であると言うことから夜間就寝中でも構わずに送信されて来るとなると些か「迷惑」と思われ、一旦受信希望しながらも後日受信を希望しなくなると言う欠点もあり、最近その欠点が顕著に現れてきている。
【0008】
特に救急サイレン等が聞こえない聴覚障害者においては、聴覚障害のない人に比べて文字情報としての電子メールへの依存度が高いだけに同一自治体や消防署が発信する火災情報と雖も相当離れた地域の火災まで深夜就寝中に送信されて来たのでは、とても「信頼できる情報」「当てになる情報」とは言い難いものであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明の目的は、受信希望者に本人が居住する地域の郵便番号等を基準地域情報として登録させ、さらに情報提供を希望する地域範囲(情報取得希望地域)を距離で指定させることにより、その受信希望者が配信を希望している地域を把握し、情報災害発生地域(情報発生地域)と個々の受信者希望者の基準地域情報との距離を計算し、その距離が、配信を希望している範囲内に該当する受信希望者のみを情報要求者とて抽出し、その情報要求者にのみ情報を電子メールで送信することによって、より一層狭い地域に密着した情報だけを安心して受信できる電子メールを利用した地域密着型情報発信システムを提供するものである。
【0010】
また、情報提供を希望する地域範囲を示す距離を、例えば昼間/夜間等の複数の時間帯別に登録させることにより、その情報取得希望地域を昼間/夜間等時間帯で異なる範囲にすることに、昼間はより広い範囲の情報を、夜間はより狭い範囲の情報のみを受信希望者は受信することが可能となり、深夜就寝中に遠方での火災情報等を受信することもなくなり、聴覚障害者を含めた住民が安心して受信希望者として登録できる地域密着型の電子メール送信方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る地域密着型情報送信システムにおいては、上記課題を解決するために、
コンピュータや携帯情報端末が接続されたネットワーク上に、
(1) 情報受信希望者の電子メールアドレスと、情報受信希望者の位置データを緯度経度データとして表した基準位置データと、情報を要求する範囲を半径で表した情報要求距離データとを収納した情報受信希望者データベースと、
(2) 情報の発生位置を緯度経度データとして表した情報発生位置データを含む地域情報データと、
(3) 基準位置データと情報発生位置データとから2地点間の距離を計算する距離計算手段と、
(4) 特定の情報受信希望者を抽出するための送信者抽出手段と、
(5) 特定の情報受信希望者へ送信する電子メールメッセージを生成するメッセージ生成手段と、
(6) 特定の情報受信希望者の電子メールアドレスに電子メールメッセージを電子メールで送信する電子メール送信手段とを備え、
特定の情報受信希望者を抽出するための送信者抽出手段が、距離計算手段により計算した2地点間の距離が情報要求距離データよりも小さい条件を満たす情報受信希望者を抽出するような構成としている。
【0012】
このような構成とすることにより、災害等の情報発生場所を示す情報発生位置データと情報受信希望者の基準位置データ及び情報を要求する範囲を半径で示した情報要求距離データとを照合することにより、情報受信希望者を情報受信希望者データベースから抽出し、その該当者だけに情報を電子メールで送信することが可能となる。
【0013】
また、情報受信希望者の位置データを緯度経度データとして表した基準位置データの代わりに、情報受信希望者の住所または郵便番号データが情報受信希望者データベースに収納されており、更に情報の発生位置を緯度経度データとして表した情報発生位置データの代わりに、情報の発生位置を表す住所または郵便番号データが入力される場合には、
コンピュータや携帯情報端末が接続されたネットワーク上に、
(1) 情報受信希望者の電子メールアドレスと、情報受信希望者の住所または郵便番号データと、情報を要求する範囲を半径で表した情報要求距離データとを収納した情報受信希望者データベースと、
(2) 情報の発生位置を表す住所または郵便番号データを含む地域情報データと、
(3) 住所または郵便番号データと緯度経度データを関係づけた緯度経度データベースと、
(3) 情報受信希望者の住所または郵便番号データに基づき緯度経度データベースを参照して得られる緯度経度データとして表した基準位置データと、情報の発生位置を表す住所または郵便番号データに基づき緯度経度データベースを参照して得られる緯度経度データとして表した情報発生位置データとから2地点間の距離を計算する距離計算手段と、
(4) 特定の情報受信希望者を抽出するための送信者抽出手段と、
(5) 特定の情報受信希望者へ送信する電子メールメッセージを生成するメッセージ生成手段と、
(6) 特定の情報受信希望者の電子メールアドレスに当該電子メールメッセージを電子メールで送信する電子メール送信手段とを備え、
特定の情報受信希望者を抽出するための送信者抽出手段が、距離計算手段により計算した2地点間の距離が情報要求距離データよりも小さい条件を満たす情報受信希望者を抽出するような構成としている。
【0014】
このような構成とすることによっても、災害等の情報発生場所を示す情報発生位置データと情報受信希望者の基準位置データ及び情報を要求する範囲を半径で示した情報要求距離データとを照合することにより、情報受信希望者を情報受信希望者データベースから抽出し、その該当者だけに情報を電子メールで送信することが可能となる。
【0015】
また、本発明においては、情報受信希望者データベースに昼間/夜間の区別等情報発生の時間帯による情報要求距離データを複数設定することにより、情報送信の時間帯毎に異なる範囲の情報を情報受信希望者は受取ることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
以上、本発明によれば、住民等の情報受信希望者は自己の居住する位置データとして緯度経度データとして表した基準位置データを登録するか、または自己の居住する基準位置データとして住所や郵便番号等を登録することにより、直接的に登録された緯度経度データとして表した基準位置データ、またはその住所や郵便番号等の情報より求められる緯度経度データとして表した基準位置データと、情報発生位置データから求められる2点間距離を計算し、情報受信希望者が登録した情報要求距離データと比較することにより、情報要求距離データを半径とする範囲内の情報だけを受信することが可能となる。
【0017】
また、情報受信希望者が時間帯別に情報要求距離データを複数登録できるようにすることで、昼間/夜間等情報発生時間帯別に異なる範囲の情報を取得できることが可能となり、夜間は同一町内等より狭い範囲だけの情報に限定できることにより安心して受信登録することが可能となる。
【0018】
さらに基準位置データとして本人が居住する地域以外に親兄弟や知人等の居住地域を登録したり、該当自治体の住民以外でも登録可能とすることにより、例えば本人にとって重要な関係にある人の近辺に関する災害情報を取得することも可能となり、いざと言う時に駆けつけるための情報源として利用することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施の形態について図面により説明する。
【0020】
ここに示す第一の実施例は、情報受信希望者の基準位置データとして、情報受信希望者の住所または郵便番号データが情報受信希望者データベースに収納されており、更に情報発生位置データとして、情報の発生位置を表す住所または郵便番号データが入力される場合の実施例を示したものである。
【0021】
図1は第一の実施例の全体を示す構成図である。
【0022】
図1に沿ってデータ処理装置(100)を説明する。
【0023】
データ処理装置(100)では情報受信希望者データベース(110)と緯度経度データベース(120)の2つのデータベースを備えており、2地点の緯度経度情報から2地点間距離を計算する距離計算手段(130)を更に備えており、情報発生位置と情報受信希望者の基準位置間の距離が、情報受信希望者が希望する情報要求距離以下となる情報受信希望者の電子メールアドレスを情報受信希望者データベース(110)から抽出する送信者抽出手段(140)を備えている。
【0024】
メール装置(200)は送信する電子メールメッセージを生成するメッセージ生成手段(210)と指示された電子メールアドレスに所定の電子メールを送信する電子メール送信手段(220)とを備えており、送信者抽出手段(140)により抽出された電子メールアドレスに対して電子メールを送信することができる。
【0025】
また、地域情報データ(230)は情報入力装置(300)から入力されたデータであるが、これをインターネット等で接続された外部情報入力装置(310)で入力することも可能である。
【0026】
図1に示すように本実施例では、火災情報(発生時刻、発生場所、具体的内容等)等の情報入力装置(300)または外部情報入力装置(310)から入力された地域情報データ(230)は、その中に緯度経度情報を含まないので図4、図5に示すように住所や郵便番号から緯度経度データベース(120)を参照することにより緯度経度データとして取り込まれる。
【0027】
また、情報受信希望者データベース(110)の生成方法はいくとおりも考えられる。例えばインターネットを使ってWEBサイトで登録させるのも一例であるが、その登録方法は本発明が関与するものではないが、住民は一般的に居住地等の位置を緯度経度として把握している場合は少なく、そう言う住民のために郵便番号を入力させることで、上述した地域情報データ(230)の場合と同様に緯度経度データベース(120)を参照することにより自動的に緯度経度データとして取り込むことができる。このようにして生成された情報受信希望者データベース(110)のテーブル構造の一例を図2に示す。ここでは情報受信希望者の基準位置を示す緯度経度データを度・時・分・秒・ミリ秒の書式で記述しているが、その書式は計算に便利なラジアンでも良くデータ形式そのものは問わない。
【0028】
また図3は情報受信希望者データベース(110)で時間帯区分を昼間/夜間の2つに区分した場合のテーブル構造を示しているが、これは単に図2で示すテーブル構造の情報要求距離を昼間/夜間の2種類持たせたものである。
【0029】
従って時間帯区分を例えば午前・午後・夜間の3区分にする場合は、この情報要求距離を3種類にすれば良く、その場合でも受信希望者が時間帯区分に分けて登録することを希望しない場合は、情報要求距離の値を同じ値にすれば良い。
【0030】
また情報受信希望者が希望する情報提供範囲を示す情報要求距離データはキロメートルで記載されており、基準位置から情報要求距離データとして表された距離を半径とする範囲内に発生した地域情報データの送信を希望していることを示しているが、この距離データの書式そのものは問わない。情報受信希望者が郵便番号で基準位置を登録しこの距離の値をゼロにセットした場合は、同一郵便番号区分内の情報だけが対象となるように設定される。
【0031】
個々の情報受信希望者の基準位置と情報発生位置との距離は、2地点間の距離を計算する距離計算手段(130)により計算することができる。
【0032】
地域情報データ(230)の緯度経度データで与えられる情報発生位置と情報受信希望者データベース(110)に取り込まれた情報受信希望者の基準位置との距離を距離計算手段(130)により計算し、その2地点間の距離が情報受信希望者の情報要求距離データ以下(もしくは未満)となる条件を満たす情報受信希望者のメールアドレスが送信者抽出手段(140)によって抽出され、その抽出されたメールアドレス宛てにメッセージ生成手段(210)により生成された電子メールメッセージを、電子メール送信手段(220)を介してインターネット上に送信される。
【0033】
緯度経度データベース(120)のテーブル構造例を図4に示すが、これは住所と郵便番号及びその代表位置を示す緯度経度データとを関係付けたデータベースである。つまりこの緯度経度データベース(120)を使用することにより住所(町丁目)から緯度経度データを取得したり、郵便番号から緯度経度データを取得することが可能であるため、情報受信希望者は情報受信希望者データベース(110)への登録時に緯度経度データを直接登録する必要はなく、生活に密着した町丁目(住所)または郵便番号を登録するだけで緯度経度データを登録できることになる。(図4、5参照)
緯度経度データベース(120)の使用例を図5に示す。図5は火災情報を例に情報発生位置を示すデータであるが、情報発生初期には発生場所の郵便番号、緯度、経度は判っていないのが通常である。このデータの発生場所データである住所データを基に、図4に示す緯度経度データベース(120)を参照することにより、郵便番号と緯度経度データを取得することができる。
【0034】
このようにして取得した情報発生位置の緯度経度データと情報受信希望者データベース(110)に登録されている基準位置の緯度経度データから情報受信希望者の基準位置と情報発生位置との距離を個々に計算することが可能となり、その距離が情報受信希望者の指定した情報要求距離以下(もしくは未満)の条件を満たす時、その受信希望者は送信対象者となる。
【0035】
情報受信希望者の基準位置と情報発生位置との距離の計算方法を図7と図8に示すが、いずれも簡易な計算方法でありここではここで示した計算方法に限定するものではなく、これ以外の計算式に基いて計算することも可能であり、1Km単位で、しかも同一自治体内での計算の場合には図7と図8の計算方法でも特に支障はない。
【0036】
情報受信希望者データベース(110)から特定の情報受信希望者を抽出するためのフローチャートを図9に示す。この図9は情報受信希望者データベース(110)に情報要求距離データが一種類しかない図2のような場合を想定しているが、図3で示すような情報要求距離データが昼間/夜間等複数ある場合は距離計算手段において発生時間帯毎に有効な情報要求距離データの値を利用すれば良い。
【0037】
例えば、時間帯を2区分に分ける場合は昼間時間帯を午前8時から19時までとし、それ以外を夜間時間帯とするなどの方法が考えられる。
【0038】
また時間帯を3区分に分ける場合は午前8時以降12時までを午前時間帯、12時以降19時までを午後時間帯、それ以外を夜間時間帯とするなどの方法が考えられる。
【0039】
図10には、図1で示される本発明の基本的な概念における通常のデータ処理の流れを示す。地域情報データが入力された場合、住所、郵便番号データより緯度経度データを求め、これを情報発生位置データとし、これと情報受信希望者が登録した基準位置データ(住所、郵便番号データより緯度経度データとして表したもの)とに基いて両者の距離を各情報受信希望者毎に計算し、その距離が情報受信希望者が登録した情報要求距離(半径距離で示される)内に入っているか否かを判定し、入っていれば、その情報受信希望者を特定の情報受信希望者(送信対象者)として抽出し、その特定の情報受信希望者(送信対象者)に地域情報データにより生成された電子メールメッセージを電子メールとして送信する手順を示している。
【0040】
図11は情報受信希望者データベース(110)にデータを登録する際の、緯度経度データの処理手順を示したものである。
【0041】
情報受信希望者として登録する際に、基準位置データとして緯度経度データではなく、住所または郵便番号が入力されるため、住所または郵便番号データに基き緯度経度データベースを参照し、その基準位置の緯度経度データを情報受信希望者データベース(110)に書き加える。
【0042】
通常、郵便番号は町丁目などの区分で決定されているので、その町丁目のほぼ中心位置の緯度経度をその代表位置として緯度経度データベースに登録しておけば良い。
【0043】
図12を使って時間帯毎に指定する情報要求距離が異なる場合の地域的な広がりと送信される情報の違いを説明する。通常、昼間時間帯では広い範囲(長い情報要求距離)を指定し夜間時間帯では狭い地域(短い情報要求距離)を指定すると想定されるので図12では火災情報等を例にとって消防署等の管轄地域を消防エリア(500)として記し、それに対して情報受信希望者の基準位置(510)とそれを中心にして情報要求距離で示される昼間時間帯地域(520)と夜間時間帯地域(530)との位置関係、及び災害発生の位置3箇所A(550)、B(560)、C(570)との位置関係を示している。
【0044】
災害発生が災害発生場所A(550)である場合は、昼間時間帯地域(520)夜間時間帯地域(530)のいずれにも該当しないため、基準位置(510)で示される情報受信希望者には昼間/夜間のいずれの時間帯に関係なく一切送信されない。
【0045】
また、災害発生が災害発生場所B(560)である場合は、昼間時間帯地域(520)には該当するが夜間時間帯地域(530)には該当しないため、発生時刻が昼間時間帯の場合は基準位置(510)で示される情報受信希望者には送信されるが、夜間時間帯ならば送信されない。
【0046】
さらに災害発生が災害発生場所C(560)である場合は、昼間時間帯地域(520)及び夜間時間帯地域(530)のいずれにも該当するため、発生時刻が昼間/夜間のいずれの時間帯にも関係なく基準位置(510)で示される情報受信希望者には必ず送信される。
【0047】
尚、基準位置(510)は情報受信希望者の居住位置であっても良いがそれは特に本発明において必須事項ではなく、単に情報受信希望者が指定した基準位置であれば良い。
【0048】
以上に示すように、本発明を利用することにより、より狭い特定地域の情報だけを限定的に受信できるため、火災情報等の災害情報や空き巣、不審者出没情報等の防犯情報など、同一町内や近隣町内と言った地域密着情報だけを安心して受信することが可能となる。
【0049】
図13は第二の実施例を示したものであり、この場合情報受信希望者の基準位置データとして、情報受信希望者の住所または郵便番号の代わりに緯度経度データで表した基準位置データが情報受信希望者データベースに予め収納されており、更に情報の発生位置を表す住所または郵便番号データの代わりに緯度経度データで表した情報発生位置データが入力される場合の実施例を示したものである。
【0050】
情報受信希望者として登録を受ける住民や情報入力装置等を使用して地域情報データを入力する担当者は、一般的に居住地等の位置を緯度経度として把握している場合は少なく、情報受信希望者の基準位置データや情報発生位置データとして緯度経度データとして表されたデータを直接入力することは困難を伴う。
【0051】
しかし、本発明に係るシステム外の構成要素である情報入力装置や情報受信希望者登録入力装置に、緯度経度データベースを備え、住所または郵便番号データに基いて緯度経度データベースを参照することによって、入力段階において情報受信希望者の基準位置データや情報発生位置データを緯度経度データとして表されたデータを準備することができる。
【0052】
このような実施例においては、データ処理装置(100)内に緯度経度データベース(120)を備えている必要はない。また、一連のデータ処理においても、住所または郵便番号データに基いて緯度経度データベースを参照することにより、緯度経度データとして表した情報受信希望者の基準位置データや情報発生位置データを取得するプロセスも必要なくなる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
ここで提供する電子メールを利用した地域密着型情報送信システムは、消防署、警察署、地方自治体等の公共団体が住民サービスの一環として行う情報提供に活用することが期待されている。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に関わる第一の実施例の概念図
【図2】情報受信希望者データベース(110)のテーブル構造例(情報要求距離項目が1つの場合)
【図3】情報受信希望者データベース(110)のテーブル構造例(情報要求距離項目が時間帯別に2つある場合)
【図4】緯度経度データベース(120)のテーブル構造例
【図5】情報発生位置データのデータ例
【図6】送信される電子メールメッセージの例
【図7】緯度経度で示される2点間の距離計算例(その1)
【図8】緯度経度で示される2点間の距離計算例(その2)
【図9】送信者リストを抽出するステップのフローチャート例
【図10】図1で示される本発明の基本的な概念を示すフローチャートの一例
【図11】情報受信希望者データベースに情報受信希望者を登録する際の基準位置データ決定に関するフローチャートの一例
【図12】消防署の管轄範囲と情報受信希望者の基準位置/時間帯別情報要求距離/情報発生位置と送信対象者との関係図
【図13】本発明に関わる第二の実施例の概念図
【符号の説明】
【0055】
100:データ処理装置
110:情報受信希望者データベース
120:緯度経度データベース
130:距離計算手段
140:送信者抽出手段
200:メール装置
210:メッセージ生成手段
220:電子メール送信手段
230:地域情報データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子メールを利用した地域密着型情報送信システムであって、コンピュータや携帯情報端末が接続されたネットワーク上に、
(1) 情報受信希望者の電子メールアドレスと、情報受信希望者の位置データを緯度経度データとして表した基準位置データと、情報を要求する範囲を半径で表した情報要求距離データとを収納した情報受信希望者データベースと、
(2) 情報の発生位置を緯度経度データとして表した情報発生位置データを含む地域情報データと、
(3) 当該基準位置データと当該情報発生位置データとから2地点間の距離を計算する距離計算手段と、
(4) 特定の情報受信希望者を抽出するための送信者抽出手段と、
(5) 当該特定の情報受信希望者へ送信する電子メールメッセージを生成するメッセージ生成手段と、
(6) 当該特定の情報受信希望者の電子メールアドレスに当該電子メールメッセージを電子メールで送信する電子メール送信手段とを備え、
前記特定の情報受信希望者を抽出するための送信者抽出手段が、前記距離計算手段により計算した2地点間の距離が前記情報要求距離データよりも小さい条件を満たす情報受信希望者を抽出することを特徴とした地域密着型情報送信システム。
【請求項2】
電子メールを利用した地域密着型情報送信システムであって、コンピュータや携帯情報端末が接続されたネットワーク上に、
(1) 情報受信希望者の電子メールアドレスと、情報受信希望者の住所または郵便番号データと、情報を要求する範囲を半径で表した情報要求距離データとを収納した情報受信希望者データベースと、
(2) 情報の発生位置を表す住所または郵便番号データを含む地域情報データと、
(3) 住所または郵便番号データと緯度経度データを関係づけた緯度経度データベースと、
(3) 前記情報受信希望者の住所または郵便番号データに基づき緯度経度データベースを参照して得られる緯度経度データとして表した基準位置データと、前記情報の発生位置を表す住所または郵便番号データに基づき緯度経度データベースを参照して得られる緯度経度データとして表した情報発生位置データとから2地点間の距離を計算する距離計算手段と、
(4) 特定の情報受信希望者を抽出するための送信者抽出手段と、
(5) 当該特定の情報受信希望者へ送信する電子メールメッセージを生成するメッセージ生成手段と、
(6) 当該特定の情報受信希望者の電子メールアドレスに当該電子メールメッセージを電子メールで送信する電子メール送信手段とを備え、
前記特定の情報受信希望者を抽出するための送信者抽出手段が、前記距離計算手段により計算した2地点間の距離が前記情報要求距離データよりも小さい条件を満たす情報受信希望者を抽出することを特徴とした地域密着型情報送信システム。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載の電子メールを利用した地域密着型情報送信システムにおいて、前記情報受信希望者データベースの情報要求距離データが時間帯別に複数設定可能であることを特徴とした地域密着型情報送信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−59051(P2006−59051A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−239110(P2004−239110)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(501163532)株式会社ティアイエス (2)
【Fターム(参考)】