説明

地域情報提供装置および地域情報提供プログラム

【課題】本発明は、ユーザが現在いる地域に関連した情報を、ユーザに対してタイムリーに提供できるようにする新たな地域情報提供技術の確立を目的とする。
【解決手段】ユーザの読取要求に応答して、ユーザの購入した商品に添付されたシールに記録されるコード情報を読み取ることで、その商品の販売地域を示すコード情報を読み取ると、地域に関連した情報を配信する地域情報配信サーバに対して、その読み取ったコード情報を指定して地域情報の配信を要求することで、その地域情報配信サーバから、ダイジェスト映像などで構成される商品の購入地域に応じた地域情報を取得して、その取得した地域情報をユーザに提示するように処理する。この構成に従って、自動販売機などで販売されるビールなどの飲料容器などの商品を使って、ユーザが現在いる地域に関連した情報を、ユーザに対してタイムリーに提供することができるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに対して地域に関連した情報を提供する地域情報提供装置と、その地域情報提供装置の実現に用いられる地域情報提供プログラムとに関し、特に、ユーザの必要とする地域に関連した情報をタイムリーに提供できるようにする地域情報提供装置と、その地域情報提供装置の実現に用いられる地域情報提供プログラムとに関する。
【背景技術】
【0002】
ありとあらゆる場所で、自動販売機を使って、水、ジュース、コーヒーなどが販売されている。
【0003】
これから、この販売形態を利用して広告を表示することが行われている。自動販売機に広告を表示したり、自動販売機で使う紙コップに広告を表示することが行われているのである。
【0004】
その他に、自動販売機に関連する技術としては、例えば、下記の非特許文献1に記載されるように、電子マネーと自動販売機とを関連させた各種サービスが提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】宮田泰彦,特手義信,武田久孝,“自動販売機のIT適用技術”,富士時報, Vol.78, No.3, pp.190-193, 2005.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
情報提供者やユーザの要請により、ユーザに対して、そのユーザのいる地域に関連した情報を提供することが望まれている。
【0007】
これを実現する一つの方法として、水、ジュース、コーヒーなどの販売に際して、自動販売機や紙コップに地域に関連した情報を表示することが行われている。
【0008】
しかしながら、このような従来技術では、ユーザは自動販売機の付近において情報を取得するしかなく、したがって、情報の取得に際して、ユーザの自由度が大きく制限されるという問題がある。
【0009】
また、このような従来技術において、紙コップなどの紙媒体を用いた広告印刷では、コストがかかるという問題がある。
【0010】
さらに、このような従来技術では、提供する情報が固定的になってしまい、タイムリーに広告を変化させることができないという問題もある。
【0011】
しかも、このような従来技術では、商品の購入履歴に応じて、ユーザに提供する広告の内容を可変にするというようなことも実現できないという問題もある。
【0012】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、ユーザが現在いる地域に関連した情報を、ユーザに対してタイムリーに提供できるようにするとともに、この提供にあたって、ユーザの必要とする地域に関連した情報を提供できるようにする新たな地域情報提供技術の実現を目的とするものであり、例えば、自動販売機で販売されるビール、ジュース、コーヒーなどの缶、瓶、ペットボトルなどの飲料容器から、ユーザが自由に自分の必要とする地域に関連した情報をタイムリーに取得できるようにする新たな地域情報提供技術の実現を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的を達成するために、本発明の地域情報提供装置は、ユーザに対して地域に関連した情報を提供するために、(1)ユーザの読取要求に応答して、ユーザの購入した商品に貼付されたシールに記録されるコード情報を読み取ることで、その商品の販売地域を示すコード情報を読み取る読取手段と、(2)地域に関連した情報を配信する地域情報配信サーバに対して、読取手段の読み取ったコード情報を指定して地域情報の配信を要求することで、その地域情報配信サーバから、商品の購入地域に応じた地域情報を取得する取得手段と、(3)取得手段の取得した地域情報をユーザに提示する提示手段とを備えるように構成する。
【0014】
この構成を採るときに、読取手段は、商品の販売地域を示すコード情報に加えて、その商品の種別を示すコード情報を読み取ることがあり、この場合には、取得手段は、地域情報配信サーバに対して、読取手段の読み取った商品の販売地域を示すコード情報と読取手段の読み取ったその商品の種別を示すコード情報とを指定して地域情報の配信を要求することで、地域情報配信サーバから、商品購入地域および商品種別に応じた地域情報を取得することがある。
【0015】
このとき、取得手段は、地域情報配信サーバに対して、読取手段の読み取ったコード情報を指定して地域情報の配信を要求する際に、商品購入履歴に応じた地域情報の配信を要求することで、地域情報配信サーバから、商品購入地域および商品購入履歴に応じた地域情報を取得することがある。
【0016】
また、このとき、読取手段がこれまでに読み取った商品種別を示すコード情報の履歴情報を記憶する記憶手段を備える場合には、取得手段は、地域情報配信サーバに対して、記憶手段の記憶する履歴情報についても指定して地域情報の配信を要求することで、地域情報配信サーバから、商品購入地域および商品購入履歴に応じた地域情報を取得することがある。
【0017】
以上の各処理手段はコンピュータプログラムでも実現できるものであり、このコンピュータプログラムは、適当なコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供されたり、ネットワークを解して提供され、本発明を実施する際にインストールされてCPUなどの制御手段上で動作することにより本発明を実現することになる。
【0018】
このように構成される本発明の地域情報提供装置は、ユーザの読取要求に応答して、ユーザの購入した商品に貼付されたシールに記録されるコード情報を読み取ることで、その商品の販売地域を示すコード情報を読み取ると、地域情報配信サーバに対して、その読み取ったコード情報を指定して地域情報の配信を要求することで、地域情報配信サーバから、ダイジェスト映像などで構成される商品の購入地域に応じた地域情報を取得して、その取得した地域情報をユーザに提示するように処理する。
【0019】
この構成に従って、本発明の地域情報提供装置によれば、自動販売機などで販売されるビール、ジュース、コーヒーなどの缶、瓶、ペットボトルなどの飲料容器などの商品を使って、ユーザが現在いる地域に関連した情報を、ユーザに対してタイムリーに提供することができるようになる。
【0020】
この構成を採るときに、本発明の地域情報提供装置は、商品の販売地域を示すコード情報に加えて、その商品の種別を示すコード情報を読み取って、地域情報配信サーバに対して、その読み取った商品の販売地域を示すコード情報とその読み取った商品の種別を示すコード情報とを指定して地域情報の配信を要求することで、地域情報配信サーバから、商品購入地域および商品種別に応じた地域情報を取得するように処理することがある。
【0021】
この構成に従って、本発明の地域情報提供装置によれば、商品の購入地域とその商品の種別とに応じた地域情報を取得して、その取得した地域情報をユーザに提示することができるようになることで、商品購入履歴を介して知ることのできるユーザの必要とする地域に関連した情報を提供することができるようになる。
【0022】
このとき、本発明の地域情報提供装置は、地域情報配信サーバに対して、読み取ったコード情報を指定して地域情報の配信を要求する際に、商品購入履歴に応じた地域情報の配信を要求することで、地域情報配信サーバから、商品購入地域および商品購入履歴に応じた地域情報を取得することがある。あるいは、これまでに読み取った商品種別を示すコード情報の履歴情報を記憶する記憶手段を備えるようにして、地域情報配信サーバに対して、記憶手段の記憶する履歴情報についても指定して地域情報の配信を要求することで、地域情報配信サーバから、商品購入地域および商品購入履歴に応じた地域情報を取得することがある。
【0023】
この構成に従って、本発明の地域情報提供装置によれば、商品の購入地域とこれまでのユーザの商品の購入履歴とに応じた地域情報を取得して、その取得した地域情報をユーザに提示することができるようになることで、商品購入履歴を介して知ることのできるユーザの必要とする地域に関連した情報を提供することができるようになる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ユーザは、現在いる地域に関連した自分の必要とする情報をタイムリーに取得することができるようになる。
【0025】
しかも、本発明によれば、ユーザは、自動販売機で販売される商品から、現在いる地域に関連した自分の必要とする情報をタイムリーに取得することができるようになることから、その情報を簡単に取得することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明により構成される地域情報提供システムのシステム構成図である。
【図2】飲料容器情報システムのシステム構成図である。
【図3】飲料容器情報システムのハードウェア構成図である。
【図4】地域情報記憶部のデータ構造の説明図である。
【図5】シールに印刷されるコードの説明図である。
【図6】シールに印刷されるコードの説明図である。
【図7】カメラ付携帯電話の装置構成図である。
【図8】カメラ付携帯電話のハードウェア構成図である。
【図9】カメラ付携帯電話の実行するフローチャートである。
【図10】飲料容器情報システムの実行するフローチャートである。
【図11】本発明により構成される地域情報提供システムの他のシステム構成図である。
【図12】本発明の適用例の説明図である。
【図13】商品の購入履歴を考慮した地域情報の配信方法の説明図である。
【図14】商品の購入履歴を考慮した地域情報の配信方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、実施の形態に従って本発明を詳細に説明する。
【0028】
図1に、本発明により構成される地域情報配信システムのシステム構成の一例を図示する。
【0029】
この図に示す本発明により構成される地域情報配信システムは、自動販売機で販売される飲料容器を購入したユーザに対して、その購入した地域についての情報(地域情報)を配信することを実現するものであり、このことを実現するために、本発明を具備するカメラ付携帯電話1と、本発明を具備するカメラ付携帯電話1に対して地域情報を配信するための処理を行う飲料容器情報システム2とを備える。
【0030】
図1では、地域Aに自動販売機3-1が設置され、地域Bに自動販売機3-2が設置され、地域Cに自動販売機3-3が設置され、地域Dに自動販売機3-4が設置されることを想定しており、飲料容器情報システム2は、これらの地域A〜Dで販売されるビール、ジュース、コーヒーなどの缶、瓶、ペットボトルなどの飲料容器に対して、その飲料容器の販売される地域を示すコード情報とその飲料容器の商品種別を示すコード情報とを記録したシール4を貼付することで、そのシール4を発布する処理を実行する。
【0031】
これを受けて、飲料容器を購入したユーザは、カメラ付携帯電話1を使って、購入した飲料容器に貼付されているシール4を撮影し、カメラ付携帯電話1は、この撮影が行われると、シール4に記録されているコード情報を読み取り、飲料容器情報システム2に対して、その読み取ったコード情報を指定して地域情報の配信を要求することで(地域を示すコード情報のみを指定することもある)、飲料容器情報システム2から、その販売された地域についての地域情報を取得してユーザに配信したり、その飲料容器の商品種別に合ったその飲料容器の販売された地域についての地域情報を取得してユーザに配信することを実行する。
【0032】
これにより、ユーザは、例えば、地域Aにいるときに、その地域Aのスーパーや商店のタイムサービス、草花の状況、天気、交通情報、不審者情報などの情報を取得することができるようになる。
【0033】
〔1〕飲料容器情報システム2のシステム構成
次に、飲料容器情報システム2のシステム構成について説明する。
【0034】
図2に、飲料容器情報システム2のシステム構成の一例を図示する。
【0035】
この図に示すように、飲料容器情報システム2は、地域情報記憶部20と、地域情報更新部21と、地域情報配信要求受信部22と、地域情報配信部23と、商品名・商品コード変換表24と、コード付与部25と、シール生成部26と、シール発布部27とを備える。
【0036】
ここで、図3に示すように、飲料容器情報システム2は、ハードウェア構成的には、CPU1000αと、バス2000αと、バス2000αを介してCPU1000αに接続されるプログラムメモリ3000αと、バス2000αを介してCPU1000αに接続されるデータメモリ4000αと、バス2000αを介してCPU1000αに接続される通信インタフェース5000αとから構成される。
【0037】
この構成を採るときに、図2に示す地域情報更新部21、地域情報配信要求受信部22、地域情報配信部23、コード付与部25、シール生成部26およびシール発布部27についてはプログラムメモリ3000αに記憶される。また、図2に示す地域情報記憶部20および商品名・商品コード変換表24についてはデータメモリ4000αに記憶される。
【0038】
また、通信インタフェース5000αは、CPU1000αの制御の下、インターネット上のサーバおよびインターネットサイトとの間で、通信ネットワークにより規定される通信プロトコルに従い通信を行う。通信プロトコルとしては、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol) が使用される。
【0039】
なお、後述することから分かるように、地域情報記憶部20、地域情報更新部21、地域情報配信要求受信部22および地域情報配信部23により地域情報配信システムが構成され、一方、商品名・商品コード変換表24、コード付与部25、シール生成部26およびシール発布部27によりシール発布システムが構成されることになるが、この2つのシステムは、図2に示すように1つのシステムとして運用されることもあるが、別々のシステムとして運用されることもある。
【0040】
次に、飲料容器情報システム2を構成する各処理部について説明する。
【0041】
〔イ〕地域情報記憶部20のデータ構造
地域情報記憶部20は、図4に示すように、各地域(各地域コード)ごとに、その地域で販売される各飲料容器の商品種別(商品コード)に対応付けて、ユーザに対してどのような地域情報(テキスト情報のこともあるして、音声付きの映像情報のこともある)を配信するのかということを管理する。
【0042】
例えば、地域コードが“01”の地域Aで販売される商品コードが“15”のビールの飲料容器が処理対象となる場合には、その地域Aの酒を販売するスーパーや商店が行うタイムサービスについての地域情報を配信するということを管理するのである。
【0043】
〔ロ〕地域情報更新部21の処理
地域情報更新部21は、地域情報の管理者から入力される更新地域情報に従って、地域情報記憶部20の記憶する地域情報を更新することで、地域情報記憶部20が最新の地域情報を管理するように処理する。
【0044】
この地域情報更新部21が用意されることで、地域情報記憶部20は、タイムリーな地域情報を管理することができるようになる。
【0045】
〔ハ〕地域情報配信要求受信部22の処理
地域情報配信要求受信部22は、カメラ付携帯電話1が地域コードおよび商品コードを指定して地域情報配信要求を発行するときに、その地域情報配信要求を受信する。
【0046】
〔ニ〕地域情報配信部23の処理
地域情報配信部23は、地域情報配信要求受信部22の受信した地域コードおよび商品コードをキーにして地域情報記憶部20を参照することで、地域情報記憶部20から、カメラ付携帯電話1に配信する地域情報を読み出して、それをカメラ付携帯電話1に配信する。
【0047】
〔ホ〕商品名・商品コード変換表24のデータ構造
商品名・商品コード変換表24は、商品名とその商品に割り当てられる商品コードとの対応関係を管理する。
【0048】
〔ヘ〕コード付与部25の処理
コード付与部25は、シール4の発布者が地域名および商品名を指定してシール4の発布要求を発行するときに、地域情報記憶部20の記憶データを参照することでその指定された地域名に対応付けられる地域コードを特定するとともに、商品名・商品コード変換表24の対応関係データを参照することでその指定された商品名に対応付けられる商品コードを特定することで、シール4に対して、その指定された地域名および商品名に対応するコードを付与する。
【0049】
図5に、シール4に印刷されるコード5αの一例を図示する。ここでは、QRコードで構成されるコード5αを示している。このコード5αには、コード付与部25により、地域情報の関連するアドレスなどを電子情報として埋め込んでおく。例えば、A県B市C町の地域情報を格納するインターネット上のアドレスが、http://www.xxxx/A/B/C/であるときに、そのアドレスを電子情報としてコード5αに組み込んでおけばよい。
【0050】
また、図6に示すコード5βのように、電子透かし技術を使って、写真などの静止画情報にコードを埋め込むようにしてもよい。ここで、電子透かしについては、例えば、下記の参考文献1に記載されるように公知の技術となっている。
【0051】
参考文献1:特願2005-517550 (WO2005/074249), 中村高雄,片山淳,山室雅司,「 電子透かし埋め込み装置、電子透かし検出装置、及びそれらの方法、並 びにプログラム」
〔ト〕シール生成部26の処理
シール生成部26は、コード付与部25により付与されたコードについて記録する図5および図6に示すようなシール4を生成する。
【0052】
〔チ〕シール発布部27の処理
シール発布部27は、シール生成部26の生成したシール4を該当する地域に配達される飲料容器に貼付することで、そのシール4を発布する。
【0053】
〔2〕カメラ付携帯電話1の装置構成
次に、カメラ付携帯電話1の装置構成について説明する。
【0054】
図7に、カメラ付携帯電話1の装置構成の一例を図示する。
【0055】
この図に示すように、カメラ付携帯電話1は、カメラ10と、読取画像記憶部11と、コード識別部12と、地域情報配信要求部13と、地域情報受信部14と、地域情報記憶部15と、表示制御部16と、ディスプレイ17とを備える。
【0056】
ここで、図8に示すように、飲料容器情報システム2は、ハードウェア構成的には、CPU1000βと、バス2000βと、バス2000βを介してCPU1000βに接続されるプログラムメモリ3000βと、バス2000βを介してCPU1000βに接続されるデータメモリ4000βと、バス2000βを介してCPU1000βに接続される通信インタフェース5000βとから構成される。
【0057】
この構成を採るときに、図7に示すコード識別部12、地域情報配信要求部13、地域情報受信部14および表示制御部16についてはプログラムメモリ3000βに記憶される。また、図7に示す読取画像記憶部11および地域情報記憶部15についてはデータメモリ4000βに記憶される。
【0058】
また、通信インタフェース5000βは、CPU1000βの制御の下、インターネット上のサーバおよびインターネットサイトとの間で、通信ネットワークにより規定される通信プロトコルに従い通信を行う。通信プロトコルとしては、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol) が使用される。
【0059】
次に、カメラ付携帯電話1を構成する各処理部について説明する。
【0060】
〔イ〕カメラ10の処理
カメラ10は、飲料容器に貼付されたシール4の画像を読み取って読取画像記憶部11に格納する。
【0061】
〔ロ〕コード識別部12の処理
コード識別部12は、読取画像記憶部11に格納されるシール4の画像を処理対象として、シール4に記録される地域コードおよび商品コードを識別する。
【0062】
〔ハ〕地域情報配信要求部13の処理
地域情報配信要求部13は、コード識別部12の識別した地域コードおよび商品コードを指定して、飲料容器情報システム2に対して地域情報の配信を要求する。
【0063】
〔ニ〕地域情報受信部14の処理
地域情報受信部14は、地域情報配信要求部13の配信要求に応答して飲料容器情報システム2から配信されてくる地域情報を受信して、地域情報記憶部15に格納する。
【0064】
〔ホ〕表示制御部16の処理
表示制御部16は、地域情報記憶部15に格納される地域情報をディスプレイ17に表示することで、飲料容器情報システム2から配信されてきた地域情報をディスプレイ17に表示する。
【0065】
〔3〕カメラ付携帯電話1および飲料容器情報システム2の実行する処理
図9に、図7のように構成される本発明を具備するカメラ付携帯電話1の実行するフローチャートを図示し、図10に、図2のように構成される飲料容器情報システム2の実行するフローチャートを図示する。
【0066】
次に、これらのフローチャートに従って、本発明の実行する処理について詳細に説明する。
【0067】
本発明を具備するカメラ付携帯電話1は、飲料容器を購入したユーザによりその飲料容器に貼付されているシール4の読取要求があることで、その飲料容器の販売地域についての地域情報の配信要求があると、図9のフローチャートに示すように、まず最初に、ステップS100で、その飲料容器に貼付されているシール4の画像を読み取る。
【0068】
続いて、ステップS101で、その読み取ったシール4の画像を処理対象として、そのシール4に記録されている地域コードおよび商品コードを識別する。
【0069】
続いて、ステップS102で、その識別した地域コードおよび商品コードを指定して、飲料容器情報システム2に対して地域情報の配信を要求する。
【0070】
この地域情報の配信要求を受け取ると、飲料容器情報システム2は、図10のフローチャートに示すように、まず最初に、ステップS200で、カメラ付携帯電話1から送られてきた地域情報の配信要求を受信し、続くステップS201で、その受信した地域情報の配信要求で指定される地域コードおよび商品コードを抽出する。続いて、ステップS202で、地域情報記憶部20から、その抽出した地域コードおよび商品コードに対応付けられる地域情報を読み出し、続くステップS203で、その読み出した地域情報を、地域情報配信要求元のカメラ付携帯電話1に配信する。
【0071】
これから、本発明を具備するカメラ付携帯電話1は、ステップS102で、飲料容器情報システム2に対して地域情報の配信を要求すると、続くステップS103で、飲料容器情報システム2から地域情報が配信されてくるのを待つ。
【0072】
そして、ステップS103で、飲料容器情報システム2から地域情報が配信されてきたことを検出すると、ステップS104に進んで、配信されてきた地域情報を受信し、続くステップS105で、その受信した地域情報をディスプレイ17に表示して、処理を終了する。
【0073】
このようにして、本発明によれば、ユーザは、自動販売機3-iで販売されるビール、ジュース、コーヒーなどの缶、瓶、ペットボトルなどの飲料容器のシール4を撮影して、そのシール4に埋め込まれたアドレスなどの情報を入手し、それに基づいて、飲料容器情報システム2から、その購入を行った地域についての情報をタイムリーに取得することができるようになる。
【0074】
しかも、このとき、本発明を具備するカメラ付携帯電話1は、地域コードの他に商品コードを指定して飲料容器情報システム2に対して地域情報の配信を要求するので、ユーザは、購入した飲料容器に合った地域についての情報をタイムリーに取得することができるようになる。
【0075】
例えば、飲料容器情報システム2は、夕刻にビールを購入するユーザに対して、胃腸薬の広告を配信することもできるし、その胃腸薬を購入できる近くの薬局の情報を配信することもできる。また、ビールを購入するユーザに対して、近くにある居酒屋の情報を配信することもできる。
【0076】
ここで、購入した商品とは関係のない地域情報を配信するようにしてもよい。例えば、NPOなどのような地域に根ざした活動をPRしてもよい。いつ、どこで、どのような活動がなされているかをPRできれば、NPO団体にとっても利便性が高い。
【0077】
この地域情報の配信にあたって、図6に示すような電子透かしの技術を使ってコード5が記録されている場合には、それをカメラ付携帯電話1で読み込むことになるが、それについては下記の参考文献2に開示されている技術を利用すればよい。
【0078】
参考文献2:中村高雄,片山淳,山室雅司,曽根原登,“カメラ付携帯電話機を用い たアナログ画像からの高速電子透かし検出方式”,電子情報通信学会論 文誌D Vol.J87-D2, No.12, pp.2145-2155.
〔4〕その他の構成
以上に説明した実施形態例では、ユーザが操作する本発明を具備する装置として、カメラ付携帯電話1を用いるという構成を採ったが、図11に示すように、カメラが付帯されるパーソナルコンピュータ6を用いることでも実現可能である。また、ユーザの積極的な操作を要求しない、カメラが付帯されているテレビや電子写真立てなどのような装置を用いることでも実現可能である。
【0079】
ここで、カメラが付帯されているテレビや電子写真立てを用いる場合には、図12に示すように、購入した飲料容器をカメラの前面に置くことだけで地域情報を視聴することができるようになる。
【0080】
また、以上に説明した実施形態例では、自動販売機により販売される飲料容器を利用することで説明したが、自動販売機により販売される飲料容器以外の商品を利用することでも実現可能であるし、自動販売機により販売される商品を利用するのではなくて、対面販売により販売される商品を利用することでも実現可能である。
【0081】
また、以上に説明した実施形態例では、本発明を具備するユーザ側装置(図1の場合にはカメラ付携帯電話1)が地域情報配信システム(図1の場合には飲料容器情報システム2)に対して地域コードおよび商品コードを指定して地域情報の配信を要求する場合に、商品コードとして、ユーザが今回購入した商品の商品コードのみを指定するという構成を採ったが、図13に示すように、ユーザ側装置が商品の購入履歴(今回購入の商品も含む所定の期間に購入した商品の履歴)を記録するようにして、その商品購入履歴の商品コードを指定して地域情報の配信を要求し、これを受けて、地域情報配信システムがその商品購入履歴を評価することで、配信する地域情報を決定するという構成を採ってもよい。
【0082】
この場合、図14に示すように、ユーザ側装置が商品購入履歴を記録するのではなくて、地域情報配信システムの方で、これまでの配信要求に基づいて各ユーザ側装置ごとに商品購入履歴を記録するようにして、ユーザ側装置は、地域コードと今回購入の商品コードとを指定して地域情報の配信を要求する場合に、地域情報配信システムに対して、商品の購入履歴を考慮した地域情報の配信を要求し、これを受けて、地域情報配信システムがそのユーザ側装置の商品購入履歴を読み出して、その読み出した商品購入履歴を評価することで、配信する地域情報を決定するという構成を採ることも可能である。
【0083】
例えば、カメラ付携帯電話1の電子マネーを利用すれば、決裁の関係上、商品の購入履歴が記録されているので、それを利用することで、このような商品の購入履歴を考慮した地域情報の配信を実現することができる。
【0084】
商品の購入履歴を考慮した地域情報を配信すれば、それを考慮しない場合に比べて、よりユーザの必要とする地域情報を配信することができるようになる。
【0085】
例えば、今回はジュースを購入したものの、これまでは主にビールを購入している場合には、ジュースに関連した地域情報を配信するのではなくて、ビールに関連した地域情報(近くにある酒を販売するスーパーの宣伝とか、近くにあるビアホールの宣伝というような地域情報)を配信することができるようになることで、よりユーザの必要とする地域情報を配信することができるようになる。
【0086】
また、今回はジュースを購入したものの、子供用の衣料品を購入することが多い場合には、飲料に関連した地域情報を配信するのではなくて、近くにある子供用の衣料品を販売しているスーパーの宣伝を配信するというように、子供用の衣料品に関連した地域情報を配信することができるようになることで、よりユーザの必要とする地域情報を配信することができるようになる。
【0087】
また、ビールを購入した後に、おつまみ類を購入する傾向がある場合には、ビールを購入したときに、ビールに関連した地域情報を配信するのではなくて、おつまみ類を販売している近くのコンビニについての情報を配信することができるようになることで、よりユーザの必要とする地域情報を配信することができるようになる。
【0088】
飲料容器情報システム2などのような地域情報配信システムは、音声や音楽コンテンツを持つ映像で構成される地域情報を配信することもあるが、この場合、ユーザがその映像で構成される地域情報を短時間で理解できるようにするために、その映像をダイジェスト化するダイジェスト生成部を備えるようにして、そのダイジェスト生成部が生成したダイジェスト映像を配信するようにしてもよい。
【0089】
ダイジェスト生成方法としては、例えば、『特許第3803311 号,日高浩太,水野理,中嶌信弥,「音声処理方法及びその方法を使用した装置及びそのプログラム」』には、音声の強調状態に着目して、映像および音声コンテンツを短時間に視聴できる手法が提案されているので、それを利用してダイジェスト映像を生成することが可能である。
【0090】
また、『入江豪,日高浩太,宮下直也,佐藤 隆,谷口行信,「個人撮影映像を対象とした映像速覧のための“笑い”シーン検出法」,映像情報メディア学会誌, vol.62, no.2, pp.227-233, 2008. 』には、音声の笑い声に着目して、映像を短時間化する手法が提案されているので、それを利用してダイジェスト映像を生成することが可能である。
【0091】
また、『特開2006-244074 ,鳥井陽介,紺谷精一,森本正志,「動物体アップフレーム検出方法及びプログラム及びプログラムを格納した記憶媒体及び動物体アップショット検出方法及び動物体アップフレームあるいはショット検出方法及びプログラム及びプログラムを格納した記憶媒体」』には、動物体が大きく写っている映像区間を作成することができ、ダイジェスト的な映像区間閲覧のためのインデックスを利用者に提供する手法が提案されているので、それを利用してダイジェスト映像を生成することが可能である。
【0092】
また、『特許第2839132 号,谷口行信,外村佳伸,「映像カット点検出方法及び装置」』には、カット点検出の手法が提案されており、『特許第3408117 号,谷口行信,阿久津明人,外村佳伸,「カメラ操作推定方法およびカメラ操作推定プログラムを記録した記録媒体」』には、カメラワーク検出に関する手法が提案されているので、それらを利用してダイジェスト映像を生成することが可能である。
【0093】
また、『特許第3325823 号,谷口行信, 阿久津明人, 外村佳伸, 佐藤隆,「映像静止画表示方法及び装置並びに映像静止画表示プログラム格納記録媒体」』には、映像からパノラマ画像を合成する手法が提案されているので、それを利用してダイジェスト映像を生成することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は画像を撮影することが可能なカメラなどを備える装置に適用できるものであり、本発明を適用することで、ユーザは、現在いる地域に関連した自分の必要とする情報をタイムリーに取得することができるようになる。
【符号の説明】
【0095】
1 カメラ付携帯電話
2 飲料容器情報システム
3 自動販売機
4 シール
5 コード
6 パーソナルコンピュータ
10 カメラ
11 読取画像記憶部
12 コード識別部
13 地域情報配信要求部
14 地域情報受信部
15 地域情報記憶部
16 表示制御部
17 ディスプレイ
20 地域情報記憶部
21 地域情報更新部
22 地域情報配信要求受信部
23 地域情報配信部
24 商品名・商品コード変換表
25 コード付与部
26 シール生成部
27 シール発布部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに対して地域に関連した情報を提供する地域情報提供装置であって、
ユーザの読取要求に応答して、ユーザの購入した商品に貼付されたシールに記録されるコード情報を読み取ることで、その商品の販売地域を示すコード情報を読み取る読取手段と、
地域に関連した情報を配信する地域情報配信サーバに対して、前記読取手段の読み取ったコード情報を指定して地域情報の配信を要求することで、その地域情報配信サーバから、商品の購入地域に応じた地域情報を取得する取得手段と、
前記取得手段の取得した地域情報をユーザに提示する提示手段とを備えることを、
特徴とする地域情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の地域情報提供装置において、
前記読取手段は、商品の販売地域を示すコード情報に加えて、その商品の種別を示すコード情報を読み取り、
前記取得手段は、前記地域情報配信サーバに対して、前記読取手段の読み取った商品の販売地域を示すコード情報と前記読取手段の読み取ったその商品の種別を示すコード情報とを指定して地域情報の配信を要求することで、前記地域情報配信サーバから、商品購入地域および商品種別に応じた地域情報を取得することを、
特徴とする地域情報提供装置。
【請求項3】
請求項2に記載の地域情報提供装置において、
前記取得手段は、前記地域情報配信サーバに対して、前記読取手段の読み取ったコード情報を指定して地域情報の配信を要求する際に、商品購入履歴に応じた地域情報の配信を要求することで、前記地域情報配信サーバから、商品購入地域および商品購入履歴に応じた地域情報を取得することを、
特徴とする地域情報提供装置。
【請求項4】
請求項2に記載の地域情報提供装置において、
前記読取手段がこれまでに読み取った商品種別を示すコード情報の履歴情報を記憶する記憶手段を備え、
前記取得手段は、前記地域情報配信サーバに対して、前記記憶手段の記憶する履歴情報についても指定して地域情報の配信を要求することで、前記地域情報配信サーバから、商品購入地域および商品購入履歴に応じた地域情報を取得することを、
特徴とする地域情報提供装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の地域情報提供装置において、
前記取得手段は、前記地域情報配信サーバから、ダイジェスト映像で構成される地域情報を取得することを、
特徴とする地域情報提供装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の地域情報提供装置を構成する手段としてコンピュータを機能させるための地域情報提供プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−250517(P2010−250517A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−98559(P2009−98559)
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】