説明

地盤の静止土圧係数の計測方法及び計測装置

【課題】地盤の静止土圧係数及びその基礎となる鉛直方向及び水平方向の応力を原位置で正確に計測可能とする地盤の静止土圧係数の計測方法及び計測装置を提供する。
【解決手段】地盤に掘削した試験孔の計測対象深度の孔壁に、プローブを通して水平方向に載荷圧力を徐々に増大させながら、載荷圧力と発生する間隙水圧の変化を同時に計測して、間隙水圧が最大に落ち着いた時点の間隙水圧の値を、静止土圧係数の基礎データとなる鉛直方向の全応力とし、さらに、この時点での載荷圧力から静止土圧係数の基礎データとなる水平方向の全応力を求め、これら鉛直方向応力と水平方向応力に基づいて静止土圧係数を求めることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボーリング孔を利用して、原位置における地盤の静止土圧係数、その基礎データとなる鉛直方向応力及び水平方向応力を計測する方法及び計測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ボーリング孔で地盤の鉛直方向及び水平方向応力を同時に計測して静止土圧係数Kを計測する方法はなかった。
従来、この静止土圧係数を求める基礎データとなる水平方向応力については、ボーリング孔を利用した孔内水平載荷試験から求められているが、鉛直方向応力については別の手段で求め、これらを組み合わせて静止土圧係数Kを求めている。
【0003】
静止土圧係数Kを計測する孔内水平載荷試験は、ボーリング装置によって所定の深さまで試験孔を掘削し、その後、載荷試験装置のプローブをボーリング孔の所定深さまで下ろし、プローブに水を送り込んで膨らませて孔壁を押圧し、孔壁への押圧との変位の関係を求める方法(プレボーリング法)と、掘削装置を組み込んだプローブをボーリングしながら所定深さにセットして、同様の押圧と変位の関係を求める方法(セルフボーリング法)がある。
しかし、いずれも水平方向応力の計測は可能であるが、鉛直方向応力の同時計測は出来ない。
【0004】
従来の手法で水平載荷試験機による孔壁圧力と孔壁変位の計測精度を向上させても、実際には掘削された試験孔の孔壁に乱れがあり、孔壁への押圧との変位の関係が正確に反映されないという問題があった。特に、プレボーリング法では、地盤の静止土圧状態を特定することが困難である。なお、このような水平載荷試験機としては、たとえば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−128930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、地盤の静止土圧係数及びその基礎となる鉛直方向及び水平方向の応力を原位置で正確に計測可能とする地盤の静止土圧係数の計測方法及び計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、地盤に掘削した試験孔の計測対象深度の孔壁に、プローブを通して水平方向に載荷圧力を徐々に増大させながら、載荷圧力と発生する間隙水圧の変化を同時に計測して、間隙水圧が最大に落ち着いた時点の間隙水圧の値を、静止土圧係数の基礎データとなる鉛直方向の全応力とすることを特徴とする。
なお、この鉛直方向の全応力(σ)から計測深度の静水圧(u)を引いた値を、計測深度の有効鉛直方向応力(σ′)とする。
【0008】
また、他の発明は、地盤に掘削した試験孔の計測対象深度の孔壁に、プローブを通して
水平方向に載荷圧力を徐々に増大させながら、載荷圧力と発生する間隙水圧の変化を同時に計測して、間隙水圧が最大に落ち着いた時点計測での載荷圧力から静止土圧係数の基礎データとなる水平方向の全応力を求めることを特徴とする。
プローブ内の液圧から載荷前のプローブ内の液圧を引いた液圧がプローブの内側から孔壁に向けて押し付ける圧力であり、この圧力から更にプローブを押し広げるのに必要な抵抗力を引いた圧力が孔壁地盤に伝わる載荷圧力であり、この載荷圧力を水平方向応力(σ)とする。
プローブがゴムで構成される場合、プローブを押し広げるのに必要な抵抗力はプローブを構成するゴムの張力である。
なお、この間隙水圧が最大に落ち着いた時点での水平方向応力を一定にしたまま、間隙水圧の消散を待って、静水圧状態に落ち着いた時の水平方向応力を有効水平方向応力(σ′)とする。
【0009】
更に、上記方法によって計測された静止土圧状態の有効鉛直方向応力(σ′)と有効水平方向応力(σ′)を用いて、静止土圧係数Kを求めることを特徴とする。
なお、地下水位以浅では鉛直方向の全応力(σ)と水平方向応力(σ)から静止土圧係数Kを求めることになる。
【0010】
また、本発明の地盤の静止土圧係数の計測装置は、ボーリング孔の計測対象深度の孔壁に水平方向に載荷する載荷手段と、水平方向載荷圧を徐々に変化させることが可能な圧力供給手段と、載荷手段に設けられ載荷される孔壁地盤の間隙水圧を計測可能な間隙水圧計と、前記載荷手段による水平方向載荷圧を徐々に増大させて間隙水圧の変化を計測し、間隙水圧が最大に落ち着いた時点の間隙水圧の値を求める解析手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明者は、試験孔の孔壁への水平載荷の途中で、間隙水圧がそれ以上増加せず一定になる部分を見出した。間隙水圧が一定になるのは、過剰間隙水圧が鉛直方向応力以上とはならないためで、この時点の間隙水圧が、原位置における鉛直方向の全応力(σ)に他ならない。また、この時点の全応力(σ)から静水圧(u)を差し引いたものが有効鉛直方向応力(σ′)であり、この有効鉛直方向応力(σ′)と先の有効水平方向応力(σ′)から、静止土圧係数K=σ′/σ′を求めることができる。
なお、地下水位以浅では鉛直方向の全応力(σ)と水平方向応力(σ)から静止土圧係数Kを求めることになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は本発明の地盤の静止土圧係数の計測方法の原理を説明する図である。
【図2】図2(A)は水平方向載荷圧の時間変化を示す図、(B)は水平方向載荷圧と間隙水圧の時間変化を示す図、(C)は水平方向載荷圧と変位との時間変化の関係を示す載荷曲線である。(D)は過剰間隙水圧Δu及び全応力σと静水圧uなどの関係を示した図である。
【図3】図3(A)は本発明の実施例に係る静止土圧係数の計測装置の概略図、(B)は(A)のプローブを多重セル構成とした例を示す図、(C)はプローブの先端に円錐形コーンを取り付けてボーリングを不要とする押し込み方式とした計測装置の概略図、(D)は(C)の装置に複数のプローブを設けた構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の地盤の静止土圧係数計測方法を示す概念図である。
すなわち、図1(A)に示すように、ボーリング孔10はボーリングによる乱れ及び応
力開放によって孔壁地盤11は緩み、点線で記載したように主働土圧側に移行している(σ)。
この状態から、図1(B)に示すように、緩んだ孔壁地盤11(σ状態)を水平方向押し戻し圧(P)によって、静止土圧状態(σ状態)に押し戻す。このときの水平方向戻し圧Pと鉛直方向応力(σ)が分かれば、静止土圧係数を求めることができる。この押し戻した時点での鉛直方向応力σ及び水平方向応力σを計測するために、本発明は、間隙水圧を測定する。
【0014】
図1(A)、(B)は、地下水位以浅で、地下水位が作用していない場合を想定したものであるが、地下水位以下の地盤では、図1(C)に示すように、有効鉛直応力σ′と有効水平応力σ′から、静止土圧係数を求める。有効水平応力σ′は、水平方向載荷圧Pから、たとえばプローブのゴム張力Pを補正することにより求めることができる。
【0015】
図3(A)は、本発明の実施例に係る地盤の静止土圧計測装置の模式図である。
すなわち、この静止土圧計測装置100は基本的な構成は公知の孔内水平載荷試験機(プレッシャメータ)と同様に、ボーリング孔10内に挿入されると共に圧力媒体としての水3などの液体が満たされたプローブ101と、プローブ101内の圧力を調整する変動させる圧力調整装置105とを備えている。本発明では、プローブ101に設けられた間隙水圧計106と、プローブ101による水平方向載荷圧力を徐々に増大させて間隙水圧の変化を計測し、間隙水圧が最大に落ち着いた時点の間隙水圧の値を求める制御手段であるコンピュータ110と、を備えている。プローブ101自体は、ゴム状弾性材によって袋状に形成されたもので、圧力調整装置105から供給される液体圧である水圧によって胴部が膨らみ、内部の液圧によって孔壁11に水平荷重を載荷するようになっている。
【0016】
圧力調整装置105は、プローブ101内の圧力を調整できる構成であれば、その構成は特に限定されない。プローブ101内の水圧は、特に図示していないが、プローブ101に設けられた圧力センサによって検出され、圧力調整装置105にフィードバックされ、圧力が目標値に制御される。間隙水圧計106は、載荷した孔壁11からの水圧を検出するものであればよい。この例では、水圧を電気情報に変換する圧力センサが用いられる。
【0017】
次に、この計測装置100による計測手順を通じて、本発明の地盤の静止土圧係数の計測方法について説明する。
この実施例では、予め、ボーリング装置によって試験孔としてのボーリング孔10が掘削され、掘削時の泥水がボーリング孔内に滞留している状態とする。計測深度Zは地盤の水位Zよりも深く、計測深度Zでは静水圧Pwが加わっているものとする(図1(C)参照)。
この状態で、プローブ101をボーリング孔10の計測深度Zまで下ろし、間隙水圧計106によってボーリング孔10内の泥水圧を検出する。
そして、プローブ101を通して水平方向に載荷圧力を徐々に増大させながら、載荷圧力と発生する間隙水圧uの変化を同時に計測する。間隙水圧計106からのデータが逐次コンピュータ110に送信され、水平載荷圧Pと間隙水圧uの値が読み込まれ、画面上に出力表示される。
【0018】
載荷圧力Pは単調増加させるもので、この載荷圧力のパターンは、たとえば、載荷パターンがプログラムによってコンピュータに予め読み込まれており、コンピュータのプログラムにしたがって圧力調整部による圧力の制御がなされる。コンピュータ110は、特に図示しないが、演算処理を行うCPUと、プログラムやデータを格納しておくメモリとを有し、計測を開始すると、CPUが計測プログラムを読み出して、これらの一連の処理を実行する。
【0019】
図2は、孔壁に載荷する水平方向載荷圧Pを徐々に増加させた際の、時間tと水平方向載荷圧P(図2(A))、時間tと間隙水圧u(図2(B)、(D))、載荷圧Pと変位r(図2(C))の関係を示している。
図2(A)に示すように、水平方向載荷圧Pを単調載荷で徐々に増加させていくと、図2(B)に示すように、最初の間隙水圧(u)はボーリング孔内の泥水圧(Pdw)を示すが、プローブ101が孔壁11に着いてからは増大していき、ある時点で間隙水圧は最大値umaxに落ち着いて一定となる。この間隙水圧uが最大に落ち着いた時点の値umaxを、静止土圧係数の基礎データとなる鉛直方向の全応力σとする。一定に落ち着くのは、間隙水圧umaxが鉛直方向応力σと釣り合った状態を意味し、鉛直方向の全応力σに他ならない。この鉛直方向の全応力σから計測深度の静水圧(Pw)を引くことで有効鉛直方向応力σ′が求まる。
【0020】
また、間隙水圧uがほぼ一定に落ち着いた時点で、水の供給を停止して載荷圧Pを保持し、その載荷圧Pを読み取る。水平方向載荷圧Pに、プローブ101の抵抗力、この実施例ではプローブ101のゴム張力(P)を補正して、有効水平方向応力σ′が求まる。すなわち、プローブ101内の水圧(Pw1)から載荷前のプローブ101内の水圧(Pw2)を引いた水圧がプローブ101の内側から孔壁11に向けて押し付ける圧力であり、この圧力から更にプローブ101を押し広げるのに必要な抵抗力Pを引いた圧力が孔壁地盤に伝わる載荷圧力で、この載荷圧力が水平方向応力(σ)となる。もっとも、プローブ101はゴムチューブには限定されず、たとえばピストンのような構成であってもよく、抵抗力が無視できる場合は抵抗力の補正は不要である。
【0021】
まとめると、有効鉛直方向応力σ′は、一定となった間隙水圧の最大値(umax)からその深度での静水圧であるPwを引いた値である。
一方、水平方向応力σ′は間隙水圧が最大に落ち着いた時点でのプローブ内の水圧Pwからプローブを計測深度に下ろした際のプローブ内の水圧Pw2 を引き、更にプローブ101のゴム材を押し広げるのに要する抵抗力(ゴム張力)Pを引いた値である。
【0022】
このようにして、間隙水圧が一定(umax)となった時点の、有効鉛直方向応力σ′と、有効水平方向応力σ′を求めることにより、静止土圧係数Kが演算される。
これらの一連の手順は、コンピュータ110によって演算処理することで、自動的に数値を出力することが可能である。
【0023】
図2(D)は、孔壁に水平方向荷重Pを加えた場合の鉛直方向の全応力σ1及び過剰間隙水圧Δuと有効鉛直方向応力σ′などの関係を示している。
【0024】
次の数1、数2は、静止土圧係数Kを求めるための演算式を整理したものである。
【0025】
【数1】

【0026】
【数2】

【0027】
ここで、
w1:間隙水圧が最大に落ち着いた時点でのプローブ内の水圧。
w2:プローブを計測深度に下ろした際のプローブ内の水圧。
P:(Pw1−Pw2)で求める。
:プローブゴムを押し広げるのに要するゴム張力で、事前に増加半径とゴム張力の関係を検定しておく。(キャリブレーション)
Z:計測深度
:自然水位 (事前に計測)
Pw:(Z−Z)で求める。
σ:umax時の鉛直方向の全応力である。
σ′:有効鉛直方向応力で、σ−Pwより求める。
σ′:地下水位以深での有効水平方向応力で、umax時のプローブ内の圧力Pからゴム張力Pを引いた値である。
【0028】
図2(D)は孔壁に水平方向荷重Pを加えることで、鉛直方向の全応力σ1及び過剰間隙水圧と有効鉛直方向応力σ′などの関係を示している。
【0029】
図2(C)は、水平方向載荷圧力(P)と、変位(r)を時間(t)に対応させて記載したグラフである。通常のプレボーリング法と比較すると、本計測法では途中で載荷圧(P)を一定にすることで、緩んだ孔壁変位を押し戻して、静止土圧状態に近づけてから載荷圧力変位(P〜r)曲線を計測することができる。
通常のプレボーリング法では、この初期の載荷圧力変位(P〜r)曲線があいまいに描かれることになり、セルフボーリングのような載荷圧力変位(P〜r)曲線が描けず、静止土圧状態は明確にできない。
【0030】
なお、この実施例では、プローブ100を一本としているが、図3(B)に示すように、プローブ200を複数のセル201,202,203で構成した多重セルを使用してもよい。
【0031】
この例では、中間セル201の上下に上部載荷セル202と下部載荷セル203が設けられ、この中間載荷セル201に間隙水圧計106が設けられる。
そして、初期土圧を計測する際には、中間載荷セル201によって荷重を載荷する際に、上下の上部載荷セル202と、下部載荷セル202でも孔壁を押さえ、間隙水圧が逃げないようにする。上部、下部載荷セル202,203による載荷圧力は、中間載荷セル201の載荷圧力と同じでもよい。
【0032】
なお、上記実施例では、ボーリング孔を利用する計測装置について説明したが、図3(C)に示すように、ボーリング孔を利用せず、直接試験孔を掘削するような計測装置としてもよい。
この例の計測装置300は、先端部に円錐状に尖ったコーン形状の掘削部310を備えた構成で、この掘削部310と、間隙水圧計106が設けられたプローブ101とを一本
型としたものである。掘削部310を地盤内に圧入して試験孔を形成しながら試験孔内にプローブ101を挿入することで、同様の計測が可能である。この場合はボーリングが不要となる。なお、320は掘削部310を支持する内ロッド、330はプローブを支持する外ロッドである。
また、図3(D)に示すように、同様なプローブ101を深度方向に複数つければ、複数深度の同時計測が可能となる。
【符号の説明】
【0033】
3 水
10 ボーリング孔(試験孔)
11 孔壁地盤
100 土圧係数計測装置
101 プローブ
105 圧力調整部
106 間隙水圧計
110 コンピュータ
200 プローブ
201 中間セル(土圧計測セル)
202 上部載荷セル
202 下部載荷セル
静止土圧係数
P プローブ内の水平方向圧力
Pw 地盤の静水圧
max 間隙水圧最大値
σ 鉛直方向応力
σ 水平方向応力
σ′ 有効鉛直方向応力
σ′ 有効水平方向応力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤に掘削した試験孔の計測対象深度の孔壁に、プローブを通して水平方向に載荷圧力を徐々に増大させながら、載荷圧力と発生する間隙水圧の変化を同時に計測して、間隙水圧が最大に落ち着いた時点の間隙水圧の値を、静止土圧係数の基礎データとなる鉛直方向の全応力とすることを特徴とする地盤の静止土圧係数の計測方法。
【請求項2】
鉛直方向の全応力(σ)から計測深度の静水圧(u)を引いた値を、計測深度の有効鉛直方向応力(σ′)とする請求項1に記載の地盤の静止土圧係数の計測方法。
【請求項3】
地盤に掘削した試験孔の計測対象深度の孔壁に、プローブを通して水平方向に載荷圧力を徐々に増大させながら、載荷圧力と発生する間隙水圧の変化を同時に計測して、間隙水圧が最大に落ち着いた時点計測での載荷圧力に基づいて静止土圧係数の基礎データとなる水平方向の全応力を求めることを特徴とする地盤の静止土圧係数の計測方法。
【請求項4】
プローブ内の液圧から載荷前のプローブ内の液圧を引いた液圧がプローブの内側から孔壁に向けて押し付ける圧力であり、この圧力から更にプローブを押し広げるのに必要な抵抗力を引いた圧力が孔壁地盤に伝わる載荷圧力で、この載荷圧力を水平方向応力(σ)とする請求項3に記載の地盤の静止土圧係数の計測方法。
【請求項5】
プローブがゴムで構成される場合、プローブを押し広げるのに必要な抵抗力はプローブを構成するゴムの張力である請求項4に記載の地盤の静止土圧係数の計測方法。
【請求項6】
間隙水圧が最大に落ち着いた時点での水平方向応力を一定にしたまま、間隙水圧の消散を待って、静水圧状態に落ち着いた時の水平方向応力を有効水平方向応力(σ′)とする請求項3に記載の地盤の静止土圧係数の計測方法。
【請求項7】
計測深度が地下水位以浅では、請求項1に記載の方法により計測された鉛直方向の全応力(σ)と、請求項3に記載の計測方法により計測された水平方向応力(σ)から静止土圧係数Kを求める地盤の静止土圧係数の計測方法。
【請求項8】
計測深度が地下水位以下では、請求項2に記載の方法により計測された静止土圧状態の有効鉛直方向応力(σ′)と、請求項6に記載の方法により計測された有効水平方向応力(σ′)を用いて、静止土圧係数Kを求めることを特徴とする地盤の静止土圧係数の計測方法。
【請求項9】
試験孔の計測対象深度の孔壁に水平方向に載荷する載荷手段と、水平方向載荷圧を徐々に変化させることが可能な圧力供給手段と、載荷手段に設けられ載荷される孔壁地盤の間隙水圧を計測可能な間隙水圧計と、前記載荷手段による水平方向載荷圧を徐々に増大させて間隙水圧の変化を計測し、間隙水圧が最大に落ち着いた時点の間隙水圧の値を求める解析手段と、を備えたことを特徴とする地盤の静止土圧係数の計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−196352(P2010−196352A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−42204(P2009−42204)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(501284044)株式会社マスダ技建 (2)
【Fターム(参考)】