説明

地盤情報転送装置および地盤情報転送プログラム

【課題】どの位置での調査データなのかを、転送先のセンター装置で正確に把握できる地盤情報転送装置および地盤情報転送プログラムを提供する。
【解決手段】調査データを地盤調査機13から取得すると共に、調査地の位置を示すGPSデータをGPS受信機31から取得する調査機データ受信手段41およびGPSデータ受信手段42と、これらの調査データおよび位置データを書替え不能にするデータ変更禁止手段48と、書替え不能な調査データおよび位置データから、暗号化されたディジタル署名を生成し、このディジタル署名付きの調査データおよび位置データを、当該ディジタル署名の検証が可能なセンター装置21に転送する調査情報送信手段45と、を携帯端末11に配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末からセンター装置に地盤情報を転送することができる地盤情報転送装置と、地盤情報の転送をコンピュータに実行させる地盤情報転送プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
宅地などの地盤を調査する上で、スウェーデン式サウンディング試験に基づく地盤調査機による調査方法が従来から知られている。例えば特許文献1に知られる地盤保証システムでは、性能評価を行なう必要のある地盤に地盤技術者が出向き、その場で端末のオペレーティングシステムを立ち上げて、地盤調査機によって得られた調査データなどの地盤情報を手で入力する。そして、当該地盤情報を含む地盤性能評価表のデータを、端末からネットワークを経由してホストコンピュータに送信することで、地盤性能評価表のデータベースを構築するようになっている。
【特許文献1】特開2001−279652号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述した地盤保証システムでは、端末と地盤調査機とによる地盤情報転送装置として考えた場合、地盤技術者の手入力によって、調査データを含む地盤情報を端末に取り込むようになっているため、当該地盤情報がその場で簡単に改ざんされる虞れがあり、最終的な地盤保証の信頼度が著しく低下する。
【0004】
こうした問題に対し、地盤調査機と端末であるパーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)とを電気的に接続し、地盤調査機から出力される調査データを、パソコンに挿入接続された既存の各種メモリカードに記憶させると共に、他に現場の状況を撮影した画像データを、デジタルカメラなどの撮影手段からパソコンに取り込み、これらの調査データおよび画像データと、地盤技術者が調査地の観察記録を手入力した観察データとを、パソコンからホストコンピュータにそのまま転送することが考えられる。
【0005】
しかし、地盤技術者による調査データの不正な改ざん入力を、パソコン側でいかに防止するような構成を採用したとしても、端末から転送先であるホストコンピュータに転送される調査データそのものが、途中で解読され改ざんされる虞れがあり、根本的な地盤保証の信頼性低下を改善できない。また、調査データには地盤調査機の現在位置を特定する情報が含まれていないので、ホストコンピュータ側では、どの位置での調査データなのかを正確に把握することは不可能であった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、その目的は、どの位置での調査データなのかを、転送先のセンター装置で正確に把握できる地盤情報転送装置および地盤情報転送プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1における地盤情報転送装置は、調査地の地盤状況を示す調査データを地盤調査機から取得すると共に、前記調査地の位置を示す第1の位置データを第1の位置検出手段から取得する第1のデータ取得手段と、前記第1のデータ取得手段で得た前記調査データおよび前記第1の位置データを書替え不能にする第1のデータ変更禁止手段と、前記書替え不能な前記調査データおよび前記第1の位置データから、暗号化されたディジタル署名を生成し、このディジタル署名付きの前記調査データおよび前記第1の位置データを、当該ディジタル署名の検証が可能なセンター装置に転送する第1のデータ転送手段と、を前記センター装置と通信可能な端末に配設したものである。
【0008】
また、本発明の請求項2における地盤情報転送装置は、前記請求項1の端末が、地盤工事の状況を示す施工データを工事機から取得すると共に、前記地盤工事の位置を示す第2の位置データを第2の位置検出手段から取得する第2のデータ取得手段と、前記第2のデータ取得手段で得た前記施工データおよび前記第2の位置データを書替え不能にする第2のデータ変更禁止手段と、前記書替え不能な前記施工データおよび前記第2の位置データから、暗号化されたディジタル署名を生成し、このディジタル署名付きの前記施工データおよび前記第2の位置データを、当該ディジタル署名の検証が可能な前記センター装置に転送する第2のデータ転送手段と、をさらに備えている。
【0009】
本発明の請求項3における地盤情報転送プログラムは、調査地の地盤状況を示す調査データを地盤調査機から端末に取得させると共に、前記調査地の位置を示す位置データを位置検出手段から前記端末に取得させるデータ取得手順と、データ取得手順で得た前記調査データおよび前記位置データを書替え不能にするデータ変更禁止手順と、前記書替え不能な前記調査データおよび前記位置データから、暗号化されたディジタル署名を生成し、このディジタル署名付きの前記調査データおよび前記位置データを、当該ディジタル署名の検証が可能なセンター装置に転送するデータ転送手順と、をコンピュータに実行させるためのものである。
【0010】
本発明の請求項4における地盤情報転送プログラムは、地盤工事の状況を示す施工データを工事機から前記端末に取得させると共に、前記地盤工事の位置を示す第2の位置データを第2の位置検出手段から前記端末に取得させる第2のデータ取得手順と、前記第2のデータ取得手順で得た前記施工データおよび前記第2の位置データを書替え不能にする第2のデータ変更禁止手順と、前記書替え不能な前記施工データおよび前記第2の位置データから、暗号化されたディジタル署名を生成し、このディジタル署名付きの前記施工データおよび前記第2の位置データを、当該ディジタル署名の検証が可能な前記センター装置に転送する第2のデータ転送手順と、を前記コンピュータにさらに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1における地盤情報転送装置および請求項3における地盤情報転送プログラムでは、端末に取り込んだ調査データおよび第1の位置データの書換えを不能にして、そのままの状態で端末からセンター装置に調査データおよび第1の位置データを転送するので、これらの調査データおよび第1の位置データを、地盤調査者などが現場で一切改ざんすることはできなくなる。しかもセンター装置には、暗号化されたディジタル署名付きの調査データおよび第1の位置データが送出されるので、このディジタル署名を復号化して、共に送られてきた調査データおよび第1の位置データとの比較を行なうことで、調査データおよび第1の位置データが途中で改ざんされたか否かを、センター装置で検証することができる。したがって、センター装置は不正改ざんされていない調査データおよび第1の位置データだけを選択して取り込むことができ、どの位置での調査データなのかを正確に把握できる。
【0012】
請求項2における地盤情報転送装置および請求項4における地盤情報転送プログラムでは、端末に取り込んだ施工データおよび第2の位置データの書換えを不能にして、そのままの状態で端末からセンター装置に施工データおよび第2の位置データを転送するので、これらの施工データおよび第2の位置データを、地盤調査者などが現場で一切改ざんすることはできなくなる。しかもセンター装置には、暗号化されたディジタル署名付きの施工データおよび第2の位置データが送出されるので、このディジタル署名を復号化して、共に送られてきた施工データおよび第2の位置データとの比較を行なうことで、施工データおよび第2の位置データが途中で改ざんされたか否かを、センター装置で検証することができる。したがって、センター装置は不正改ざんされていない施工データおよび第2の位置データだけを選択して取り込むことができ、どの位置での施工データなのかを正確に把握できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面に基づき、本発明における好ましい地盤情報転送装置と、この地盤情報転送装置を備えた地盤保証システムの一実施例を詳細に説明する。
【0014】
図1は、地盤保証システム全体のデータの流れを示す概略構成図である。同図において、1は地盤の元請業者Aである地盤調査会社や地盤補強会社の例えば社屋内に設置される管理端末であり、これは操作部2,表示部3,および演算処理機能を備えた本体4を備えた周知のパソコンにより構成される。また5は、地盤保証会社Bの例えば社屋内に設置される別な管理端末であり、これも操作部6,表示部7,および演算処理機能を備えた本体8を備えた周知のパソコンにより構成される。なお、管理端末1,5の数量や構成については、図1に限定されるものではなく、例えば複数の管理端末1または管理端末5が、それぞれ社屋内でLANにより相互に接続される形態であってもよい。
【0015】
11,12は、前記元請業者Aの支店や営業店、または元請業者Aが外注で依頼した下請業者Cにより管理保有される携帯端末であり、これらは何れも通信機能と情報管理機能を兼用するスマートフォンであることが好ましい。また下請業者Cは、地盤調査を行なうのに必要な地盤調査機13と、地盤補強工事を行なうのに必要な地盤補強工事機14をそれぞれ備えている。地盤調査機13は、いわゆる戸建住宅向けの地盤調査用に広く普及しているスウェーデン式サウンディング試験機が用いられており、そのシリアルポートの出力端子には、データ通信機能を有する通信モジュール15が接続される。これにより、地盤調査機13からの試験結果が、調査データとして通信モジュール15から携帯端末11に無線で転送されるようになっている。
【0016】
また地盤補強工事機14は、詳細には図示しないが、例えば攪拌器付きのコラムを回転させて地盤を掘削し、掘削された穴内に地盤改良剤であるセメントミルクを注入しながら混合攪拌して、このセメントミルクを固化させるもので、これにより所望の長さ(深度)と注入量(流量)を有する杭が地盤内に形成される。さらに、地盤補強工事機14の出力端子にはデータ収集機能を有する地盤改良工事管理装置(ジオ・モニター)16が接続されており、地盤補強工事機14による工事結果が施工データとして携帯端末12に送出される。
【0017】
地盤補強工事機14は周知のように、地盤補強の各工法に合せて種々の特徴を有する機器が存在する。したがって、実際の施工に際しては、調査結果に基づく最適な工法に合せた地盤補強工事機14を、現場に搬送すればよい。
【0018】
なお、上述した地盤調査機13,地盤補強工事機14,地盤改良工事管理装置15の各機能は、特開2002−129544号公報などに詳しく記述されているので、ここでは必要最小限の説明に止めることにする。また、端末としての携帯端末11,12を、調査用と施工用のそれぞれにではなく、一台で構成しても構わない。
【0019】
21は、前記管理端末1,5と、携帯端末11,12との間で、例えばインターネットなどの通信手段を経由して各種データ(情報)の送受信を可能にするセンター装置である。このセンター装置21は、前記各種データの正当性を保証するための署名検証機能を備えた認証サーバ22と、当該認証サーバ22に記憶された認証済の各種データを取得し、必要に応じてインターネットのWeb上に公開するWebサーバ23とを組み合わせて構成される。センター装置21の詳細な機能については、後ほど順に説明するが、センター装置21には、複数の元請業者Aの管理端末1と、複数の保証会社Bの管理端末5と、複数の下請業者Cの携帯端末11,12がそれぞれ接続される。
【0020】
ここで、図1に基づいて、元請業者A,保証会社B,下請業者C,およびセンター装置21間におけるデータのやり取りを説明する。先ず、ステップ(1)では、地盤調査や地盤補強工事を請負う元請業者Aと、実際に地盤の調査や補強の施工を行なう下請業者Cとの間で、調査や施工に関係するスケジュールの調整および管理が行なわれる。具体的には、先ず元請業者Aの管理端末1を利用して、例えばどの日時に、どの場所で、どのような手順で、地盤の調査や補強工事を行なうのかという予定を指示する調査および施工に関する予定データを、センター装置21に転送する。この予定データはセンター装置21によって元請業者A毎に区別され、図示しない記憶手段のスケジュール情報に記憶登録されると共に、次の調査や施工の予定が、予めその元請業者Aと関連付けられた一乃至複数の下請業者Cの各携帯端末11,12に送信される。これを受けて各携帯端末11,12からは、予定通り次の調査や施工が行なわれるか否かの回答(応答)がセンター装置21に送信され、その回答結果により、どの下請業者Cが調査や施工を行なうのかをセンター装置21で決定して、その決定した情報を記憶手段に記憶した前記スケジュール情報に付加する。こうした元請業者A毎のスケジュール情報は、Webサーバ23を通じて管理端末1や各携帯端末11,12で閲覧することができる。
【0021】
上記ステップ(1)で、調査や施工に関係するスケジュールの調整および管理がセンター装置21で行なわれると、次に下請業者Cは、携帯端末11を保有する地盤技術者を現場に派遣して、地盤調査機13による地盤の調査を行なう。ここではステップ(2)にあるように、地盤調査機13からの調査データの他に、後述するGPS(全地球測位システム)受信機31で取得した調査位置を特定するGPSデータと、地盤技術者が調査地の観察記録を携帯端末11から手入力した観察データと、携帯端末11に備えた撮影手段から出力される調査地を撮影した画像データが、それぞれ携帯端末11からセンター装置21に調査情報としてアップロードされる。これらの各データは認証サーバ22による認証を受けた後、認証済の各データだけが当該認証サーバ22に保存される。また、認証サーバ22に保存された認証済の調査データ,GPSデータ,観察データおよび画像データは、元請業者Aの管理端末1や、保険会社Bの管理端末5によって、必要に応じてインターネット上で、これらの各データの送信とほぼ同時刻にダウンロードできるようになっている。
【0022】
元請業者Aは、ステップ(2)でダウンロードした各データに基づいて、地盤補強工事を行なう上で必要な図面などの設計データを、センター装置21にアップロードする。この設計データは認証サーバ22により認証を受けても、また認証を受けなくてもよいが、センター装置21に保存される。そして次のステップ(3)では、この設計データを含めて、前記調査データとGPSデータからなる設計情報を、必要に応じてインターネット上で、元請業者Aの管理端末1や、保険会社Bの管理端末5や、下請業者Cの携帯端末12が、元請業者Aによる設計データの送信とほぼ同時刻にダウンロードできるようになっている。
【0023】
前記ステップ(3)の手順で、下請業者Cが地盤工事を行なうべき箇所の設計データや、調査データや、GPSデータを携帯端末12から取得し、それらの各データを携帯端末12に記憶保存すると、次に下請業者Cは、携帯端末12を保有する地盤施工者を現場に派遣して、地盤補強工事機14による地盤の補強工事を行なう。ここでは、ステップ(3)の手順で携帯端末12に記憶保存された各データを読み出し、GPSデータに対応した所定の位置で、設計データや調査データに対応した所定の工法で、地盤の補強工事は行なわれる。このとき、ステップ(4)にあるように、地盤補強工事機14からどのような施工が行なわれたのかを示す施工データが、地盤改良工事管理装置16から携帯端末12に送出され、この施工データの他に、後述するGPS受信機61で取得した施工位置を特定するGPSデータと、携帯端末11に備えた撮影手段から出力される施工地の状況を撮影した画像データが、それぞれ携帯端末12からセンター装置21に施工情報としてアップロードされる。これらの各データは認証サーバ22による認証を受けた後、認証済の各データだけが当該認証サーバ22に保存される。また、認証サーバ22に保存された認証済の施工データ,GPSデータおよび画像データは、元請業者Aの管理端末1や、保険会社Bの管理端末5によって、必要に応じてインターネット上で、これらの各データの送信とほぼ同時刻にダウンロードできるようになっている。
【0024】
以上の各ステップ(1)〜(4)の手順により、同一の現場で、地盤調査に関わる調査情報と、調査情報に基づき作成された設計情報と、地盤補強工事に関わる施工情報とを、保証会社Bの管理端末5でそれぞれダウンロードすることができる。また、センター装置21は次のステップ(5)において、保証会社Bの管理端末5からの発行指示に基づき、これらの各情報に含まれる各データを貼り付けた電子媒体形式の報告書を自動的に作成すると共に、上述した調査情報,設計情報および施工情報の各データに含まれる種々の数値が、設定した適正な範囲に入っていれば、当該現場の地盤を保証する旨の保証書を自動的に作成する。保証会社Bで発行したこれらの電子報告書や保証書は、何れもセンター装置21から管理端末5にダウンロードされると共に、電子報告書や保証書はセンター装置21の認証サーバ22に保存される。そして、元請業者Aの管理端末1は、必要に応じてインターネット上で、認証済の電子報告書や保証書をダウンロードできる。
【0025】
つまりここでは、認証サーバ22に記憶保存された調査情報や施工情報に基づき、センター装置21を経由して保証会社Bが元請業者Aに向けて第三者による正しいエビデンス(根拠)を有する電子報告書と保証書を発行することになる。また、元請業者Aの管理端末1や、保険会社Bの管理端末5は、インターネットのWeb上で必要な調査データや施工データを抽出し、これを表示部3,7で表示できるので、こうした調査データや施工データの二次的な利用を効果的に行なうことができる。
【0026】
図2は、前記図1に示すシステムの中で、特に地盤の調査情報を転送する上で必要な地盤情報転送装置30の構成を、より詳細に示したものである。同図において、地盤調査機13は、地盤の強度に関係する調査データを携帯端末11に無線で転送する通信モジュール15を備えており、この通信モジュール15には、地盤調査機13の位置ひいては地盤の調査位置を検出するGPS受信機15Aが組み込まれている。また、31は後述する撮影装置35による撮影の位置を検出する別なGPS受信機である。これらのGPS受信機15A,31は、何れも周知のように人工衛星からの電波を受信して、現在位置を位置データすなわちGPSデータとして送出する位置検出手段として設けられている。なお、位置検出手段としては、GPS受信機15A,31以外のものを利用してもよく、また携帯端末11にGPS受信機15A,31が一体的に組み込まれたものであってもよい。32は、本実施例におけるGPS受信機31と携帯端末11とを接続可能にするアダプタである。
【0027】
携帯端末11は、複数の押釦式キーからなる操作部33と、液晶表示器からなる表示部34と、静止画若しくは動画の画像データを出力する撮影装置35とを装置本体36に備えて構成され、操作部33からのキー操作により、調査地の観察記録である観察データを入力できるようになっている。そして、この観察データと、通信モジュール15からの調査データと、前記GPS受信機15A,31からのGPSデータと、撮影装置35からの画像データが、内部で暗号化処理されて認証サーバ22に転送される。このとき、各データはHTTP/HTTPS,FTPを代表するTCP/IPなどの通信プロトコルで転送されるのが好ましい。またWebサーバ23は、前述のように認証サーバ22を参照して、この認証サーバ22に記憶保存された認証済の観察データ,調査データ,GPSデータ,画像データを取得する。
【0028】
図3は、地盤情報転送装置30の機能的な構成を示したものである。同図において、地盤調査機13の各部を制御するCPUには出力ポートであるシリアルポート37が設けられ、前述した通信モジュール15は、このシリアルポート37に接続される。当該通信モジュール15には、シリアルポート37から出力されるGPSデータや調査データを、無線で転送する調査機データ送信手段39を備えている。
【0029】
一方、携帯端末11は、装置本体35のコンピュータに組み込まれたプログラムのソフトウェア上の機能として、調査機データ受信手段41と、GPSデータ受信手段42と、画像データ取込手段43と、観察データ生成手段44と、調査情報送信手段45を備えている。
【0030】
調査機データ受信手段41は、通信モジュール15の調査機データ送信手段39から転送されたGPSデータや調査データを受信し、これを装置本体35の記憶手段46に調査地毎に蓄積保存させるものである。GPSデータ受信手段42は、調査機データ送信手段39が調査データを受信した時刻におけるGPSデータをGPS受信機31から受信し、これを同時刻に受信した画像データと関連付けて、前記記憶手段46に蓄積保存させるものである。画像データ受信手段43は、撮影装置35により撮影された調査地の画像データを取り込み、これを同じ調査地の調査データと関連付けて、前記記憶手段46に蓄積保存させるものである。観察データ受信手段44は、操作部33からのキー操作により入力された観察データを、所望の形式に変換作成し、これを同じ調査地の調査データと関連付けて、前記記憶手段46に蓄積保存させるものである。
【0031】
調査情報送信手段45は、上記調査データ,画像データ,観察データの何れかを操作部33で選択することにより、関連付けされた同じ調査地の全てのデータ(調査データ,画像データ,観察データ,GPSデータ)を、調査情報としてセンター装置21に送出するものである。調査情報送信手段45には、センター装置21が記憶する検証鍵に対応する署名鍵を有する暗号化手段47が組み込まれており、この暗号化手段47は、署名対象となる調査情報からハッシュ関数を使ってダイジェストを生成し、このダイジェストを署名鍵で暗号化して得たディジタル署名と元の調査情報とを、センター装置21に送出する機能を有する。また、携帯端末11での不正な改ざんを防止する目的で、本実施例の調査データ,画像データおよびGPSデータは、操作部33を含めて外部から一切手を加えられないように、データの書替えを不能にするデータ変更禁止手段48を、ソフトウェア上の機能として備えている。
【0032】
センター装置21は、受信した調査情報からハッシュ関数を使って第1のダイジェストを生成する一方で、受信したディジタル署名を検証鍵によって第2のダイジェストに復号し、第1のダイジェストと第2のダイジェストが完全に一致していれば、調査情報の完全性と作成者である調査技術者の認証が得られたものとして、受信した元の調査情報を認証済の調査情報として認証サーバ22のデータベース51に記憶保存する復号化手段52を備えている。逆に復号化手段52は、第1のダイジェストと第2のダイジェストが完全に一致していなければ、受信した調査情報に何らかの手が加えられたものとして、当該調査情報をデータベース51に記憶保存させない。こうした暗号化手段47と復号化手段52とによる調査情報の署名および検証と、前述のデータ変更禁止手段48を備えることにより、地盤調査機13により得られた調査データや、それに対応する位置を示すGPSデータおよび画像データは、外部から一切改ざんされていないものだけがセンター装置21に取り込まれ、どの位置での調査データなのかを、転送先であるセンター装置21で正確に把握できる。
【0033】
図4は、前記図1に示すシステムの中で、特に地盤の施工情報を転送する上で必要な地盤情報転送装置60の構成を、より詳細に示したものである。同図において、地盤補強工事機14に備えた地盤改良工事管理装置16は、携帯端末12との間で無線による送受信を可能にする通信モジュールを内蔵している。また、61は施工位置を検出する位置検出手段としてのGPS受信機であり、これは前記GPS受信機15A,31と同様に、人工衛星からの電波を受信して、現在位置を位置データすなわちGPSデータとして送出するものである。なお、位置検出手段としては、GPS受信機61以外のものを利用してもよく、また携帯端末12にGPS受信機61が一体的に組み込まれたものであってもよい。62は、本実施例におけるGPS受信機61と携帯端末12とを接続可能にするアダプタである。
【0034】
携帯端末12は、複数の押釦式キーからなる操作部63と、液晶表示器からなる表示部64と、静止画若しくは動画の画像データを出力する撮影装置65とを装置本体66に備えて構成され、認証サーバ22から取得される前記設計データ,調査データおよびGPSデータからなる認証済の設計情報を、インターネット上でWebサーバ23からダウンロードして、これを地盤改良工事管理装置16に転送し表示させる機能を備えている。また、この携帯端末12では、前記地盤改良工事管理装置16から無線でアップロードされる施工データと、GPS受信機61からのGPSデータと、撮影装置65からの画像データが、内部で暗号化処理されて認証サーバ22に転送されるようになっている。このとき、各データはHTTP/HTTPS,FTPを代表するTCP/IPなどの通信プロトコルで転送されるのが好ましい。
【0035】
本実施例では、調査現場や施工現場から、メールに各種データを添付してセンター装置21に送信を行なっているが、これは地盤調査機13や地盤補強工事機15が設置された現場と、管理端末1が設置された社内との間の分業化を図り、現場にいる地盤技術者や地盤施工者の負担を軽減して、作業効率を向上させることを目的としている。すなわち、社内の担当者にある程度の知識があれば、例えば地盤調査の終了後に、センター装置21から管理端末1に地盤情報をダウンロードして、地盤調査報告書の作成が可能になる。また、メール送信時に各種データを消去せず、携帯端末11,12にデータ保存するように構成すれば、万一センター装置21にメールが届かない場合であっても、帰社後に携帯端末11,12から各種データを取り出して、作業を行なうことが可能になる。
【0036】
図5は、地盤情報転送装置60の機能的な構成を示したものである。同図において、携帯端末12は、装置本体65のコンピュータに組み込まれたプログラムのソフトウェア上の機能として、施工データ受信手段71と、GPSデータ受信手段72と、画像データ取込手段73と、施工情報送信手段75を備えている。
【0037】
施工データ受信手段71は、地盤改良管理装置16から転送される地盤補強工事機14の施工データを受信し、これを装置本体65の記憶手段76に施工地毎に蓄積保存させるものである。GPSデータ受信手段72は、施工データ受信手段71が施工データを受信した時刻におけるGPSデータをGPS受信機61から受信し、これを同時刻に受信した施工データと関連付けて、前記記憶手段76に蓄積保存させるものである。画像データ受信手段73は、撮影装置65により撮影された施工地の画像データを取り込み、これを同じ施工地の施工データと関連付けて、前記記憶手段76に蓄積保存させるものである。
【0038】
施工情報送信手段75は、上記施工データまたは画像データを操作部33で選択することにより、関連付けされた同じ施工地の全てのデータ(施工データ,画像データ,GPSデータ)を、施工情報としてセンター装置21に送出するものである。施工情報送信手段75には、センター装置21が記憶する検証鍵に対応する署名鍵を有する暗号化手段77が組み込まれており、この暗号化手段77は、署名対象となる施工情報からハッシュ関数を使ってダイジェストを生成し、このダイジェストを署名鍵で暗号化して得たディジタル署名と元の施工情報とを、センター装置21に送出する機能を有する。また、携帯端末12での不正な改ざんを防止する目的で、本実施例の施工データ,画像データおよびGPSデータは、操作部63を含めて外部から一切手を加えられないように、データの書替えを不能にするデータ変更禁止手段78を、ソフトウェア上の機能として備えている。
【0039】
センター装置21は、受信した施工情報からハッシュ関数を使って第1のダイジェストを生成する一方で、受信したディジタル署名を検証鍵によって第2のダイジェストに復号し、第1のダイジェストと第2のダイジェストが完全に一致していれば、施工情報の完全性と作成者である施工技術者の認証が得られたものとして、受信した元の施工情報を認証済の施工情報として認証サーバ22のデータベース51に記憶保存する復号化手段82を備えている。逆に復号化手段82は、第1のダイジェストと第2のダイジェストが完全に一致していなければ、受信した施工情報に何らかの手が加えられたものとして、当該施工情報をデータベース51に記憶保存させない。こうした暗号化手段77と復号化手段82とによる施工情報の署名および検証と、前述のデータ変更禁止手段78を備えることにより、地盤補強工事機14により得られた施工データや、それに対応する位置を示すGPSデータおよび画像データは、外部から一切改ざんされていないものだけがセンター装置21に取り込まれ、どの位置での施工データなのかを、転送先であるセンター装置21で正確に把握できる。
【0040】
その他、好ましくは、元請業者Aの管理端末1で作成される設計データを含んだ地盤調査報告書や、保証会社Bの管理端末5で自動的に作成される電子報告書も、管理端末1,5に備えた暗号化手段と、センター装置21に備えた復号化手段によって、センター装置21への送信時にデータ改ざんの有無がチェックされる。例えば、元請業者Aの管理端末1は、センター装置21からダウンロードした調査情報に基づき、この調査情報に含まれる各種データを適宜添付した地盤調査報告書を作成し、これを図示しない送信手段によりセンター装置21に送信する。このとき、管理端末1の送信手段に備えた暗号化手段が、地盤調査報告書からハッシュ関数を使ってダイジェストを生成し、このダイジェストを署名鍵で暗号化して得たディジタル署名と元の地盤調査報告書とを、センター装置21に送出する。センター装置21に備えた復号化手段は、受信した地盤調査報告書からハッシュ関数を使って第1のダイジェストを生成する一方で、受信したディジタル署名を検証鍵によって第2のダイジェストに復号し、第1のダイジェストと第2のダイジェストが完全に一致していれば、地盤調査報告書の完全性と作成者の認証が得られたもの判断して、受信した元の地盤調査報告書を認証サーバ22のデータベース51に記憶保存する。
【0041】
保証会社Bの管理端末5から報告書の発行を指示すると、センター装置21は予め記憶した調査情報や施工情報に基づき、この施工情報に含まれる各種データを適宜添付した電子報告書を作成し、これを発行指示のあった管理端末5に送信する。
【0042】
ここでより好ましくは、センター装置21は、認証サーバ22で検証が行なわれた認証済の各種データにおいて、変更を許可するデータ(例えば、観察データ)と、変更を許可しないデータ(例えば、調査データ,GPSデータ,施工データ,画像データ)とを判別できるように、例えばフラグを付加してデータベース51に記憶保存する。そして、センター装置21の復号化手段によって地盤調査報告書の認証が得られると、次にこの認証済の地盤調査報告書に添付される各種データの中から、センター装置21からダウンロードした調査情報や施工情報に含まれており、且つ変更を許可しないデータを抽出し、この抽出したデータと同じ変更を許可しないデータが、データベース51に存在するか否かをセンター装置21で判断する。ここで、抽出した全てのデータについて、同一の変更を許可しないデータが、データベース51に存在すれば、地盤調査報告書の作成時に不正な変更が行なわれていないものと判断して、当該地盤調査報告書を認証サーバ22のデータベース51に記憶保存すればよい。
【0043】
こうすると、地盤の調査から最終的な電子報告書の作成に至るまで、変更を許可しないデータに対する不正な変更や改ざんは一切不可能になり、極めて信頼性の高い地盤保証システムを構築することができる。また、従来は元請業者Aが提供する各種データのエビデンス不足のため、元請業者Aや下請業者Cが調査および施工した地盤に対する保険の引受けを、保証会社Bが躊躇するケースが多く存在したが、本実施例における地盤保証システムでは、センター装置21で管理された調査データや施工データなどに、外部で不正な変更や改ざんを加えることが一切できなくなるため、保証会社Bではセンター装置21に記憶保存された信頼性の高い電子報告書をダウンロードすることで、確実な保険の引受けを可能にできる。
【0044】
以上のように本実施例では、調査地の地盤状況を示す調査データを地盤調査機13から取得すると共に、この調査地の位置を示す第1の位置データとしてのGPSデータを第1の位置検出手段であるGPS受信機31から取得する第1のデータ取得手段としての調査機データ受信手段41およびGPSデータ受信手段42と、これらの調査機データ受信手段41およびGPSデータ受信手段42で得た調査データおよび第1の位置データを、外部から一切手が加えられないように書替え不能にする第1のデータ変更禁止手段としてのデータ変更禁止手段48と、書替え不能な調査データおよび第1の位置データから、暗号化されたディジタル署名を生成し、このディジタル署名付きの調査データおよび第1の位置データを、当該ディジタル署名の検証が可能なセンター装置21に転送する第1のデータ転送手段としての調査情報送信手段45と、をセンター装置21と通信可能な端末である携帯端末11に配設している。
【0045】
このようにすると、データ変更禁止手段48は、携帯端末11に取り込んだ調査データおよび第1の位置データの書換えを不能にして、そのままの状態で携帯端末11からセンター装置21に調査データおよび第1の位置データを転送するので、これらの調査データおよび第1の位置データを、地盤調査者などが現場で一切改ざんすることはできなくなる。しかもセンター装置21には、暗号化されたディジタル署名付きの調査データおよび第1の位置データが送出されるので、このディジタル署名を復号化して、共に送られてきた調査データおよび第1の位置データとの比較を行なうことで、調査データおよび第1の位置データが途中で改ざんされたか否かを、センター装置21で検証することができる。したがって、センター装置21は不正改ざんされていない調査データおよび第1の位置データだけを選択して取り込むことができ、どの位置での調査データなのかを正確に把握できる。
【0046】
また、こうした作用効果は、調査地の地盤状況を示す調査データを地盤調査機13から端末に取得させると共に、この調査地の位置を示す第1の位置データとしてのGPSデータを第1の位置検出手段であるGPS受信機31から前記端末に取得させる第1のデータ取得手順と、この第1のデータ取得手順で得た調査データおよび位置データを書替え不能にする第1のデータ変更禁止手順と、書替え不能な調査データおよび第1の位置データから、暗号化されたディジタル署名を生成し、このディジタル署名付きの調査データおよび第1の位置データを、当該ディジタル署名の検証が可能なセンター装置21に転送する第1のデータ転送手順と、を携帯端末11に組み込んだコンピュータに実行させるための地盤情報転送プログラムであっても発揮される。
【0047】
さらに本実施例では、地盤工事の状況を示す施工データを、工事機である地盤補強工事機14から取得すると共に、地盤工事の位置を示す第2の位置データを、第2の位置検出手段に相当するGPS受信機61から取得する第2のデータ取得手段としての施工データ受信手段71およびGPSデータ受信手段72と、これらの施工データ受信手段71およびGPSデータ受信手段72で得た前記施工データおよび前記第2の位置データを書替え不能にする第2のデータ変更禁止手段としてのデータ変更禁止手段78と、書替え不能な前記施工データおよび第2の位置データから、暗号化されたディジタル署名を生成し、このディジタル署名付きの施工データおよび第2の位置データを、当該ディジタル署名の検証が可能なセンター装置21に転送する第2のデータ転送手段と施工情報送信手段75と、を携帯端末11と共に端末を構成する携帯端末12がさらに備えている。
【0048】
このようにすると、データ変更禁止手段78は、携帯端末12に取り込んだ施工データおよび第2の位置データの書換えを不能にして、そのままの状態で携帯端末12からセンター装置21に施工データおよび第2の位置データを転送するので、これらの施工データおよび第2の位置データを、地盤調査者などが現場で一切改ざんすることはできなくなる。しかもセンター装置21には、暗号化されたディジタル署名付きの施工データおよび第2の位置データが送出されるので、このディジタル署名を復号化して、共に送られてきた施工データおよび第2の位置データとの比較を行なうことで、施工データおよび第2の位置データが途中で改ざんされたか否かを、センター装置21で検証することができる。したがって、センター装置21は不正改ざんされていない施工データおよび第2の位置データだけを選択して取り込むことができ、どの位置での施工データなのかを正確に把握できる。
【0049】
また、こうした作用効果は、地盤工事の状況を示す施工データを地盤補強工事機14から端末である携帯端末12に取得させると共に、地盤工事の位置を示す第2の位置データをGPS受信機61から携帯端末12に取得させる第2のデータ取得手順と、この第2のデータ取得手順で得た施工データおよび前記第2の位置データを書替え不能にする第2のデータ変更禁止手順と、書替え不能な施工データおよび第2の位置データから、暗号化されたディジタル署名を生成し、このディジタル署名付きの施工データおよび第2の位置データを、ディジタル署名の検証が可能なセンター装置21に転送する第2のデータ転送手順と、を携帯端末12に組み込んだコンピュータにさらに実行させることでも実現する。
【0050】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実施が可能である。センター装置21は、実施例で示すような認証サーバ22とWebサーバ23による構成に限定されず、システムの規模に応じて適宜変形すればよい。また、ここでは通信手段としてインターネットを例示しているが、将来普及が見込まれるあらゆる通信手段を想定することができる。さらに、端末としての携帯端末11,12は一乃至複数台とすることができる。従って、1台の端末ならば、図3および図5に示す携帯電話11,12の構成を共通化して、一纏めにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明における好ましい地盤保証システムに関し、各部間のデータの流れを模式的に示す概略構成図である。
【図2】同上、地盤の調査情報を転送する上で必要な地盤情報転送装置の構成を、より詳細に示した概略構成図である。
【図3】同上、地盤情報転送装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図4】同上、地盤の施工情報を転送する上で必要な地盤情報転送装置の構成を、より詳細に示した概略構成図である。
【図5】同上、地盤情報転送装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0052】
11,12 携帯端末(端末)
13 地盤調査機
14 地盤補強工事機(工事機)
21 センター装置
31 GPS受信機(第1の位置検出手段)
41 調査機データ受信手段(第1のデータ取得手段)
42 GPSデータ受信手段(第1のデータ取得手段)
45 調査情報送信手段(第1のデータ転送手段)
48 データ変更禁止手段(第1のデータ変更禁止手段)
61 GPS受信機(第2の位置検出手段)
71 施工データ受信手段(第2のデータ取得手段)
72 GPSデータ受信手段(第2のデータ取得手段)
75 施工情報送信手段(第2のデータ転送手段)
78 データ変更禁止手段(第2のデータ変更禁止手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調査地の地盤状況を示す調査データを地盤調査機から取得すると共に、前記調査地の位置を示す第1の位置データを第1の位置検出手段から取得する第1のデータ取得手段と、
前記第1のデータ取得手段で得た前記調査データおよび前記第1の位置データを書替え不能にする第1のデータ変更禁止手段と、
前記書替え不能な前記調査データおよび前記第1の位置データから、暗号化されたディジタル署名を生成し、このディジタル署名付きの前記調査データおよび前記第1の位置データを、当該ディジタル署名の検証が可能なセンター装置に転送する第1のデータ転送手段と、
を前記センター装置と通信可能な端末に配設したことを特徴とする地盤情報転送装置。
【請求項2】
前記端末は、
地盤工事の状況を示す施工データを工事機から取得すると共に、前記地盤工事の位置を示す第2の位置データを第2の位置検出手段から取得する第2のデータ取得手段と、
前記第2のデータ取得手段で得た前記施工データおよび前記第2の位置データを書替え不能にする第2のデータ変更禁止手段と、
前記書替え不能な前記施工データおよび前記第2の位置データから、暗号化されたディジタル署名を生成し、このディジタル署名付きの前記施工データおよび前記第2の位置データを、当該ディジタル署名の検証が可能な前記センター装置に転送する第2のデータ転送手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の地盤情報転送装置。
【請求項3】
調査地の地盤状況を示す調査データを地盤調査機から端末に取得させると共に、前記調査地の位置を示す第1の位置データを第1の位置検出手段から前記端末に取得させる第1のデータ取得手順と、
前記第1のデータ取得手順で得た前記調査データおよび前記第1の位置データを書替え不能にする第1のデータ変更禁止手順と、
前記書替え不能な前記調査データおよび前記第1の位置データから、暗号化されたディジタル署名を生成し、このディジタル署名付きの前記調査データおよび前記第1の位置データを、当該ディジタル署名の検証が可能なセンター装置に転送する第1のデータ転送手順と、
をコンピュータに実行させるための地盤情報転送プログラム。
【請求項4】
地盤工事の状況を示す施工データを工事機から前記端末に取得させると共に、前記地盤工事の位置を示す第2の位置データを第2の位置検出手段から前記端末に取得させる第2のデータ取得手順と、
前記第2のデータ取得手順で得た前記施工データおよび前記第2の位置データを書替え不能にする第2のデータ変更禁止手順と、
前記書替え不能な前記施工データおよび前記第2の位置データから、暗号化されたディジタル署名を生成し、このディジタル署名付きの前記施工データおよび前記第2の位置データを、当該ディジタル署名の検証が可能な前記センター装置に転送する第2のデータ転送手順と、
を前記コンピュータにさらに実行させるための請求項3記載の地盤情報転送プログラム。

【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図1】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−151610(P2009−151610A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−329730(P2007−329730)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(500489059)株式会社アライブ (2)
【出願人】(705000293)サムシングホールディングス株式会社 (4)
【Fターム(参考)】