説明

地盤改良機の施工管理システム

【課題】常時車体の上下位置を計測できることで、敷地内の凹凸傾斜による施工機の上下位置も容易に確認でき、最終底盤時の施工機前の浮き上がりによる杭長嘘表示も確実に無くすることができる地盤改良機の施工管理システムを提供する。
【解決手段】回転式レーザレベル計18を敷地内に設置し、地盤改良機17には受光素子による受光盤19を常時垂直になるようにぶら下げ、受光盤19の受光素子で回転式レーザレベル計18からのレーザ光を検知し、受光素子の出力をマイコンに送り、基準点からどの程度地盤改良機車体が上下しているかを計測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宅盤の地盤改良機に関し、詳しくは、スイベル装置から掘削ロッドを介して掘削した穴に地盤改良剤を注入する地盤改良機で、機械の高さ方向の位置を、敷地基準点から常時把握出来る地盤改良機の施工管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
地盤改良機には種々のタイプのものがあるが、一例として、図7に示すように、ベースマシン1に設けた起倒シリンダ3で、下端をベースマシン1側のスイングフレーム2で軸支したリーダガイド6を傾倒自在に支承し、かつ、このリーダガイド6で上下シリンダ7を介在させてリーダ8を上下動可能に立設している。
【0003】
そしてリーダ8に沿ってスイベル装置15を昇降可能に設け、下部に昇降可能に設けた回転駆動装置4に中空の掘削ロッド5を回転かつ上下動自在に係合させる。図中9aはかかるスイベル装置15の昇降を行うフィード装置上部、9bは同フィード装置下部である。
【0004】
中空の掘削ロッド5の下端には掘削爪10を設けた下部先端掘進翼11を有する掘削ヘッド12が設けられ、その上には攪拌翼16を取り付ける。
【0005】
図中13はアウトリガー、14aはカウンターウェイト、14bは洗浄装置である。
【0006】
下記特許文献にもあるように、リーダ8に沿ってスイベル装置15は上下動し、このスイベル装置15が掘削ロッド5に接続されている。
【0007】
駆動装置4は中空の掘削ロッド5を回転させ、掘削ロッド5の下端の掘削ヘッド12にて掘削作業を行うとともに、バッチャプラントから注入ホースを介して圧送される地盤改良剤を掘削ロッド5の上端に設けたスイベル装置15から掘削ロッド5内に注入し、掘削ヘッド12の先端から掘削した穴内に地盤改良剤を注入しながら撹拌し、地盤改良剤を硬化させて地盤の改良作業を行う。
【特許文献1】特開2009−203659号
【0008】
なお、前記のような地盤改良機ではないが、建設機械をベースマシンとして構成された地盤改良機械であって、ベースマシンのブームの先端に装着されたヘッドケーシングと、このヘッドケーシングに昇降可能に案内支持されているとともに昇降駆動機構にて昇降駆動されることで地中に貫入されるようになっていて、且つエンドレスなチェーンに装着された撹拌翼が上下方向に周回駆動される撹拌混合ヘッドとからなるもので、ブームの変位データとヘッドケーシングに対する撹拌混合ヘッドの昇降ストロークデータとに基づいて撹拌混合ヘッドの貫入深度を管理する貫入深度管理手段を備えているものが下記特許文献に記載されている。
【特許文献2】特開2004−225368号
【0009】
この特許文献2は、具体的には、ブームの角度を検出するブーム角度検出手段と、ヘッドケーシングに対する撹拌混合ヘッドの昇降ストロークを検出するストローク検出手段とを備えていて、貫入深度管理手段は、上記ブーム角度検出手段およびストローク検出手段の検出出力に基づいて撹拌混合ヘッドの貫入深度を演算、算出した上で、その算出した貫入深度を表示手段に表示するようになっている。
【0010】
特許文献2によれば、貫入深度管理手段があることによって貫入深度の定量的な管理が可能となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記のような地盤改良機で宅盤用のものでは、現状杭長のゼロ点位置「基準点」を設定するのに、適当で任意に設定していた。
【0012】
さらに、敷地内のGL地盤高さも盛り土前に改良を行うことも多く、不適格に行われている。
【0013】
また、改良施工時に於いても、杭底盤で車体が浮く状態では架空「嘘」の杭長表示が発生。これらの誤差は地盤改良工事に有ってはならない事であり、後日の不同沈下の要因となるので調査データと改良設計指針に有った整合性の取れた地盤改良の施工方法が必要になってきた。
【0014】
なお、前記特許文献2のものは、ブームを有するベースマシンであり、貫入深度管理手段はブームの変位データとヘッドケーシングに対する撹拌混合ヘッドの昇降ストロークデータとに基づいて撹拌混合ヘッドの貫入深度を管理するもので、前記のようなリーダに沿って昇降可能に設けた回転駆動装置で中空の掘削ロッドを回転させ、掘削ロッドの下端の掘削ヘッドにて掘削作業を行うものには適さない。
【0015】
本発明の目的は前記不都合を解消し、常時車体の上下位置を計測できることで、敷地内の凹凸傾斜による施工機の上下位置も容易に確認でき、最終底盤時の施工機前の浮き上がりによる杭長嘘表示も確実に無くすることができる地盤改良機の施工管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1記載の本発明は前記目的を達成するため、回転式レーザレベル計を敷地内に設置し、地盤改良機には受光素子による受光盤を常時垂直になるようにぶら下げ、受光盤の受光素子で回転式レーザレベル計からのレーザ光を検知し、受光素子の出力をマイコンに送り、基準点からどの程度地盤改良機車体が上下しているかを計測することを要旨とするものである。
【0017】
請求項1記載の本発明によれば、回転式レーザレベル計からのレーザ光が受光盤の受光素子にあたると、当該受光素子の電圧比率が変わり、そのことをマイコンが検知して、受光位置を確認する。これにより、地盤改良機で機械の高さ方向の位置を、敷地基準点から常時把握出来る。
【0018】
調査データはBM「ベンチマーク」が基準に測定されており、前記のように地盤改良機で機械の高さ方向の位置を、敷地基準点から常時把握出来るので、BM基準での施工が可能となる。
【0019】
また、施工機運転室内でBM基準の深度表示が常時可能となるようにすれば、敷地内の凹凸傾斜による施工機の上下位置も管理装置の表示にて安易に確認できることと、最終底盤時の施工機前の浮き上がりによる杭長嘘表示も無くなる。
【0020】
さらに、常時攪拌ビット先端下部の位置が施工管理装置に表示される為に、杭頭部の杭頭高さ整形がスラリー状態の柔らかい裡に出来る為、杭高さ・規定円筒径・杭芯位置の補正が安易に可能となる。
【0021】
請求項2記載の本発明は、受光素子は複数を縦に並べ、各受光素子毎にマイコンで管理し、どの位置の受光素子にレーザが当たっているかを把握することを要旨とするものである。
【0022】
請求項2記載の本発明によれば、受光素子は通常24mmしかなく、これを複数を縦に並べることで、0〜500mmのスパンにすることが可能となる。また、このように並べた場合、どの受光素子にレーザが当たっているかを単純に確認できないので、各受光素子毎にマイコンで管理し、どの位置の受光素子にレーザが当たっているかを把握することができる。
【0023】
請求項3記載の本発明は、受光素子の出力を受けたマイコンはシリアル信号で地盤改良機の運転席内に設置した施工管理装置に出力し、施工管理装置に地盤改良機の高さ変化を補正した攪拌ビット先端下部の位置、表示杭下部の底盤深さ及び上部の杭頭高さを表示することを要旨とするものである。
【0024】
請求項3記載の本発明によれば、地盤調査データと基礎設計並びに施工データの整合性が的確に確認されることで信頼性の高い地盤改良が可能となる。
【発明の効果】
【0025】
以上述べたように本発明の地盤改良機の施工管理システムは、常時車体の上下位置を計測できることで、敷地内の凹凸傾斜による施工機の上下位置も容易に確認でき、最終底盤時の施工機前の浮き上がりによる杭長嘘表示も確実に無くすることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の地盤改良機の施工管理システムの1実施形態を示す側面図、図2は同上掘削途中を示す側面図で、図中17は宅盤用の地盤改良機、18はこの地盤改良機17で施工する敷地内に設置する回転式レーザレベル計である。
【0027】
地盤改良機17は図7で説明したように、ベースマシン1に設けた起倒シリンダ3で、下端をベースマシン1側のスイングフレーム2で軸支したリーダガイド6を傾倒自在に支承し、かつ、このリーダガイド6で上下シリンダを介在させてリーダ8を上下動可能に立設している。
【0028】
そしてリーダ8に沿ってスイベル装置15を昇降可能に設け、リーダ8の下部に回転駆動装置4を昇降可能に設け、この回転駆動装置4に中空の掘削ロッド5を回転かつ上下動自在に係合させる。中空の掘削ロッド5の下端には掘削爪10を設けた下部先端掘進翼11を有する掘削ヘッド12が設けられ、その上には攪拌翼16を取り付けている。
【0029】
図6は掘削ヘッド12の詳細を示すもので、回転軸の先端には三角縦板状の杭芯セットプレート25を突設し、その上にミルク吐出口26が形成され、前記掘進翼11はこのミルク吐出口26の位置から左右に伸びる。
【0030】
前記掘削爪10を設けた掘進翼11の上には供廻り防止翼27を回転軸にフリーに設けた。
【0031】
図2に示すように、リーダ8に沿って昇降可能に設けた回転駆動装置4で中空の掘削ロッド5を回転させ、掘削ロッド5の下端の掘削ヘッド12にて掘削作業を行うとともに、バッチャプラントから注入ホースを介して圧送される地盤改良剤を掘削ロッド5の上端に設けたスイベル装置15から掘削ロッド5内に注入し、掘削ヘッド12の先端から掘削した穴内に地盤改良剤を注入しながら撹拌し、地盤改良剤を硬化させて地盤の改良作業を行う。
【0032】
前記回転駆動装置4は内部に掘削ロッド5のチャック機構があり、掘削ロッド5を上下につかみ替えることができる。改良長が長い場合にロッドを長くして改良長を長くする。
【0033】
前記敷地内に設置する回転式レーザレベル計18は、本体18aに内蔵されたレーザ発光部からのレーザ光Aを鉛直線を中心に回転させ、レーザ光Aにより指標点または水平基準面を形成するものである。
【0034】
前記回転式レーザレベル計18から射出されるレーザA光には、不可視レーザ光、可視レーザ光があるが、可視レーザ光を用いた場合はレーザ光を目視確認できるという利点がある。図中18bは三脚である。
【0035】
このように回転式レーザレベル計18を敷地内に設置し、地盤改良機17には受光素子20による縦長の受光盤19を常時垂直になるようにぶら下げた。
【0036】
受光素子20は、半導体位置検出素子(PSD:Position Sensitive Detector)で、スポット光の位置センサーである。基本的にはフォトダイオードのように1つの接合面を持つPIN構造となっている。その半導体面上に光のスポットを与えると荷電が発生し、発生した電荷は両端の電極に到達する。到達した電荷の量は、スポット光の位置から電極までの距離に反比例する。電極から取り出した電流を計算することで、スポット光の位置に比例したデータとして使用することができる。
【0037】
受光素子は通常24mmしかなく、一方、回転式レーザレベル計18からのレーザAを受けるための受光盤19の縦のスパンは0〜500mmが必要とされるので、図4、図5に示すように本発明は受光素子20を複数を縦に並べてこの必要スパンを確保した。
【0038】
各受光素子20毎にマイコン21で管理し、どの位置の受光素子20にレーザが当たっているかを把握するが、図5に示すように、各受光素子20の電流―電圧変換値をマイコン21に導入し、マイコン21のADコンバータから取り入れて、各マイコン21が処理して求めた高さ位置データを施工管理装置22にRS232C準拠シリアルで通信する。
【0039】
施工管理装置22は、は地盤改良機15の運転席内に設置され、エンコーダーや近接サンサー、傾斜センサー、圧力センサー、流量計、高さレベルセンサー、傾斜計等の各種センサーからデータの入力を受け、演算をおこなう制御部と制御部からの演算結果を表示する表示部とからなり、前記高さ位置データを元に基準点からどの位上下しているのかを計算し、補正制御を行う。
【0040】
施工管理装置22には、リーダ8と掘削ロッド5が昇降した距離を基にした掘削深度、リーダ8と掘削ロッド5の昇降速度である掘削速度、掘削ロッド5のトルク値、押し込み圧力である圧入力、掘削ロッド5の回転速度、掘削ロッド5の積算回転数、掘削深度1m区間毎の上昇・下降の合計の回転数であるm毎積算回転数、セメントミルクの流れる速度である流速、セメントミルクの注入された量をカウントした値である積算流量、掘削深度1m区間毎の上昇・下降の合計流量であるm毎積算流量を表示する。
【0041】
次に使用法について説明すると、敷地内に回転式レーザレベル計18を設置して、地盤改良機17に棒状の受光盤19を設置し、受光盤19の受光素子20の出力を運転席内の施工管理装置22に導入して高さ位置を表示させるが、基準位置は受光盤19の中央でゼロ点補正する。
【0042】
施工順番に当たっては、受光盤19にレーザが常時当たる方向での施工順番となり施工機は常時回転レーザレベル計を左前方を向いた状態で施工にあたる。
【0043】
施工管理装置22のゼロ点セットは、中空の掘削ロッド5の下端の下部先端掘進翼11の掘削刃10の爪とする。この爪位置がGLレベル高さか・BM高さのどちらか任意にセットしてゼロ点補正を行う。図中23はGLレベル高さを基準とする場合のGL/RM基である。
【0044】
回転式レーザレベル計18のレーザ光Aは水平に発光し、地盤改良機17がゼロ補正地点からα地点の位置に移動した際の移動高さ(車体上昇量β)を運転席内の施工管理装置22で検出させる。
【0045】
また、オーガーストローク(掘削ロッド5の掘削ヘッド12のストローク・リーダストローク(リーダ8のストローク)及び攪拌ビット先端位置が表示されるものであり、この施工管理装置22に攪拌ビット先端位置が表示する際に、前記地盤改良機17の受光盤19で把握した基準位置からの高さ位置を補正したものとする。
【0046】
通常、杭の施長は地盤改良機17のオーガーストローク(掘削ロッド5の掘削ヘッド12のストロークおよびリーダストローク(リーダ8のストローク)により決まるが、回転駆動装置4につかみ替え機能があると杭長を伸ばすことが可能となる。このように、回転駆動装置4は掘削ロッド5のつかみ替え機能付きのものであり、掘削ロッド5のつかみ替えを行うと攪拌ビット先端の上下位置変更量が計測不可能となる。
【0047】
そこで、本計測と合わせて、掘削ロッド5の変位を計測し、施工管理装置22内で演算させる。(図3参照)
初期ロッド・回転駆動装置の相対寸法 D
ロッドつかみ替え後の相対変位寸法 E
ロッド上下移動変位量 F=D−E
【0048】
掘削ロッド5のつかみ替え時にロッドが下がる現象がある。下がると攪拌ビット先端の深度が異表示されため、変位計にて計測し、施工管理装置22にて演算を行い、真の攪拌ビット先端深度を表示させる。
【0049】
GL地盤レベルからの深さを確認するために
まず、初めに攪拌ビット下部先端掘削翼爪位置と、GL地盤レベル高さが一致するようにスタックで合わせる。その時点で施工管理装置22に記憶させる。(図4参照)。
【0050】
後は、施工管理装置22で自動的に演算を行い、常時攪拌ビット先端の爪位置を表示させる。
【0051】
図5に示すように、1本目の杭を施工し、2本目の施工に当たって、車両をα移動することで、車両全体がβ分上昇したとするとレーザ受光器はγ分変化する。変化量はβ=γであり、施工管理装置22内で演算処理される。
GL地盤レベルから攪拌ビット先端の爪位置はGL−で施工管理装置22で表示される。
スイベル昇降高さ位置 A
リーダストローク B
車体上昇変位 γ
攪拌ビット先端爪位置 C=A+(−B)+(−γ)
回転駆動装置4内につかみ替え機構の有る場合は上記以外に
ロッド上下移動変位量 Fが加味される
攪拌ビット先端爪位置 C=(−A)+(B)+(−γ)+(−F)
【0052】
このように地盤改良機17本体の高さ位置が敷地内全域で把握でき、敷地基準点から車体がどの高さに居るか常時確認できる。
【0053】
その結果、改良杭の支持深さが調査データと整合性が取れて、基礎杭の設計指示通りの最適杭の施工が可となる。
【0054】
また、地盤改良機17の運転席の施工管理装置22にて敷地内基準点からの杭施工深度が解かる。
【0055】
杭下部の底盤深さ及び上部の杭頭高さが施工管理装置22の数値表示にて安易に確認出来る。
【0056】
これにより、地盤調査データと基礎設計並びに施工データの整合性が的確に確認されることで信頼性の高い地盤改良が可能となる。
【0057】
また、GL地盤レベルからの深さが常時確認される。
【0058】
さらにこれにより、廃泥を出さない工法も安易に可能となる。また、杭頭整形も固化前のスラリー状態の粘性のため安易となり綺麗で規定径の円筒形状の整形が可能となる。
【0059】
攪拌ビット正転掘削攪拌にて杭底盤深さは全ての杭位置が均一に仕上げられる。また、杭頭高さも攪拌ビット逆転にて任意の高さで仕上げることが可能で固化しておらず杭頭の形状整形も容易に出来る。
【0060】
本発明の地盤改良機で機械の高さ方向の位置を、敷地基準点から常時把握出来ることと平行して、杭頭部の整形が容易となり杭頭高さレベル及び杭円筒整形が綺麗にできる。
【0061】
図10はこのような杭頭部の整形に用いる掘削ヘッド12であり、掘進翼11には掘削爪10の代わりに杭頭処理用掘削爪28を設ける。この攪拌ビット先端の杭頭処理用掘削爪28の配列は二枚の翼爪が整形時に平らになる様、交互に爪を設置し、また、爪幅を大きくしている。
【0062】
さらに、図11に示すような杭頭整形プレート29を設けた掘削ヘッド12を使用する。杭頭整形プレート29は共廻り防止翼27に正規円筒径に成る位置に引っ掛け、反力は攪拌翼16で受ける構造とする。
【0063】
図12はこのような杭頭処理の工程を示すもので、掘削爪10の掘削ヘッド12で施工後、図10に示す杭頭処理用掘削爪28の掘削ヘッド12で施工し、さらに、図11に示す杭頭整形プレート29を有する掘削ヘッド12で施工する。図中30は廃泥である。
【0064】
杭頭の整形にあたっては攪拌ビットを逆転にて行うことで杭頭面を押さえ込みながら不要なスラリーは円周方向に逃げ、整形プレートにて杭から剥離される。
【0065】
本発明の本発明の地盤改良機で機械の高さ方向の位置を、敷地基準点から常時把握出来ることにより、スラリーの上部高さ位置を杭設計高さ位置で止めることが出来る為、廃泥残土となる量が減少する。
【0066】
また、整形プレートにて剥離した不要なスラリーを次期打接の杭に投入することで廃泥はゼロとなる。この事により・投入された固化材は全て杭に成る事より杭の一軸圧縮強度も向上し、布基礎の場合は杭頭レベルがGLマイナスの為固化材量も少なくなる。
【0067】
本発明と並行して、廃泥残土を無くす為の空堀施工時の、攪拌ビット先端位置を把握する機構を本発明装置に合わせて設けることで、杭芯の合わせおよび位置誤りを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の地盤改良機の施工管理システムの1実施形態を示す側面図である。
【図2】本発明の地盤改良機の施工管理システムの1実施形態を示す掘削途中を示す側面図である。
【図3】本発明の地盤改良機の施工管理システムのロッド上下移動変位を示す説明図である。
【図4】本発明の地盤改良機の施工管理システムの初期基準合わせを示す説明図である。
【図5】本発明の地盤改良機の施工管理システムの1実施形態を示す説明図である。
【図6】掘削ヘッドの詳細を示す正面図である。
【図7】地盤改良機の側面図である。
【図8】受光盤の説明図である。
【図9】受光盤の信号制御を示す説明図である。
【図10】杭頭部の整形に用いる掘削ヘッドその1を示す正面図である。
【図11】杭頭部の整形に用いる掘削ヘッドその2を示す正面図である。
【図12】杭頭部の整形工程の説明図である。
【符号の説明】
【0069】
1…ベースマシン 2…スイングフレーム
3…起倒シリンダ 4…回転駆動装置
5…掘削ロッド 6…リーダガイド
7…上下シリンダ 8…リーダ
9a…フィード装置上部 9b…フィード装置下部
10…掘削爪 11…下部先端掘進翼
12…掘削ヘッド 13…アウトリガー
14a…カウンターウェイト 14b…洗浄装置
15…スイベル装置 16…攪拌翼
17…地盤改良機 18…回転式レーザレベル計
18a…本体 18b…三脚
19…受光盤 20…受光素子
21…マイコン 22…施工管理装置
23…GL/RM基
25…杭芯セットプレート 26…ミルク吐出口
27…共廻り防止翼 28…杭頭処理用掘削爪
29…杭頭整形プレート 30…廃泥

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転式レーザレベル計を敷地内に設置し、地盤改良機には受光素子による受光盤を常時垂直になるようにぶら下げ、受光盤の受光素子で回転式レーザレベル計からのレーザ光を検知し、受光素子の出力をマイコンに送り、基準点からどの程度地盤改良機車体が上下しているかを計測することを特徴とする地盤改良機の施工管理システム。
【請求項2】
受光素子は複数を縦に並べ、各受光素子毎にマイコンで管理し、どの位置の受光素子にレーザが当たっているかを把握する請求項1項記載の地盤改良機の施工管理システム。
【請求項3】
受光素子の出力を受けたマイコンはシリアル信号で地盤改良機の運転席内に設置した施工管理装置に出力し、施工管理装置に地盤改良機の高さ変化を補正した攪拌ビット先端下部の位置、表示杭下部の底盤深さ及び上部の杭頭高さを表示する請求項1または請求項2記載の地盤改良機の施工管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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