説明

地被植物保護板

【課題】受圧支柱部の高強度化を図るとともに、更に、芝などの地被植物が繁殖し易い地被植物保護板を提供する。
【解決手段】保護板1は、格子状の基板部2に、多数個の支柱部7が基板部2の各筋部3に沿って規則的に並んで立設されている。基板部2の筋部3同士の各交差部4を中心に隣接する4個の支柱部7の上部が、第1連結リブ部8により互いに結合されることで、支柱部結合体9が形成されている。隣接する支柱部結合体9の下部同士は、筋部3に沿って形成された第2連結リブ部10により互いに結合されている。第2連結リブ部10により区画された区画室11が基板部2の網目開口部5毎に形成されている。第2連結リブ部10の高さは、支柱部7の高さよりも低く設定されている。第1連結リブ部8の下部に、該第1連結リブ部8を介して隣接する4個の区画室11を互いに連通する連通孔12が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公園、庭、駐車場、ヘリポート、ゴルフ場等に植え付けられる芝等の地被植物を歩行者や車両等の踏圧による損傷から保護するために、地被植物の植え付け地に敷設して使用される地被植物保護板に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の地被植物保護板として、様々な構成のものが知られている(例えば、特許文献1−7参照)。そのうち、例えば特開平5−316882号公報に開示された保護板は、格子状の基板部の各交点に踏圧円筒が立ち上がり状に設けられている。
【特許文献1】特開平5−316882号公報
【特許文献2】特開2007−29051号公報
【特許文献3】特許第3842715号公報
【特許文献4】特開平5−68438号公報
【特許文献5】実開平6−72345号公報
【特許文献6】特許第3055979号公報
【特許文献7】特開平5−23061号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
而して、上記従来の保護板においては、例えば自動車の発進時や停止時の負荷により踏圧円筒等の支柱部が折損する不具合が生じることがあった。
【0004】
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、地被植物の植え付け地面上の重量物を下から支持する支柱部の高強度化を図るとともに、更に、地被植物が繁殖し易い地被植物保護板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下の手段を提供する。
【0006】
[1] 網状の基板部の各筋部に、高さが等しい多数個の支柱部が前記筋部に沿って規則的に並んで立設され、
前記基板部の筋部同士の各交差部を中心に隣接する複数個の前記支柱部の少なくとも上部が、第1連結リブ部により互いに結合されることにより、支柱部結合体が形成され、
前記基板部の筋部に沿って隣接する前記支柱部結合体の下部同士が、前記筋部に沿って形成された第2連結リブ部により互いに結合されるとともに、前記第2連結リブ部により区画された区画室が前記基板部の網目開口部毎に形成され、
前記第2連結リブ部の高さが、前記支柱部及び前記第1連結リブ部の高さよりも低く設定されるとともに、
前記第1連結リブ部の下部に、該第1連結リブ部を介して隣接する複数個の区画室を互いに連通する第1連通孔が設けられていることを特徴とする地被植物保護板。
【0007】
[2] 前記第1連結リブ部の高さが、前記支柱部の高さよりも低く設定されている前項1記載の地被植物保護板。
【0008】
[3] 前記基板部の交差部の下面に、凹部が前記第1連通孔と連通した状態に設けられている前項1又は2記載の地被植物保護板。
【0009】
[4] 前記第2連結リブ部の下部に、該第2連結リブ部を介して隣接する複数個の区画室を互いに連通する第2連通孔が設けられている前項1〜3のいずれかに記載の地被植物保護板。
【発明の効果】
【0010】
本発明は以下の効果を奏する。
【0011】
[1]の発明では、支柱部の高さが等しいので、各支柱部の高さが異なることで各支柱部に荷重が不均一に加わる不具合を防止できる。
【0012】
さらに、複数個の支柱部が第1連結リブ部により互いに結合されることにより、支柱部結合体が形成されているので、1個の支柱部よりも高い強度を有する支柱部結合体を形成することができる。しかも、複数個の支柱部は、少なくともその上部が第1連結リブ部により互いに結合されているので、支柱部結合体の上部の強度は非常に高くなっている。
【0013】
さらに、基板部の筋部に沿って隣接する支柱部結合体の下部同士が、筋部に沿って形成された第2連結リブ部により互いに結合されているので、各支柱部結合体は第2連結リブ部により補強されており、これにより支柱部結合体の強度が更に高められている。その結果、例えば自動車の発進時や停止時の負荷により支柱部や支柱部結合体が折損する不具合を防止できる。
【0014】
しかも、第2連結リブ部の高さが、支柱部及び第1連結リブ部の高さよりも低く設定されている。そのため、各区画室内に植生した地被植物の匍匐茎等が第2連結リブ部の上側を通って隣接する区画室に向かって横方向に伸びうるものとなる。これにより、地被植物が繁殖し易くなる。
【0015】
その上、第1連結リブ部の下部に、該第1連結リブ部を介して隣接する複数個の区画室を互いに連通する第1連通孔が設けられている。そのため、各区画室内に植生した地被植物の匍匐茎や根等が第1連通孔を通って隣接する区画室に向かって横方向に伸びうるものとなる。これにより、地被植物が更に繁殖し易くなる。
【0016】
もとより、基板部は網状なので、区画室内に植生した地被植物に散水した水を基板部の網目開口部から排出することができる。すなわち、基板部の網目開口部は、地被植物に散水した水の排出口として利用することができる。
【0017】
[2]の発明では、第1連結リブ部の高さが支柱部の高さよりも低く設定されている。したがって、保護板上に歩行者や車両等が存在する場合において、歩行者の靴底や車両の車輪等は、支柱部結合体を構成する複数個の支柱部及び第1連結リブ部のうち、支柱部の上面には当接するが、第1連結リブ部の上面には当接しない。そのため、歩行者の歩行時や車両の発進・停止時などに、地被植物の葉が第1連結リブ部の上面と靴底や車輪等との間で擦れて切断され地被植物の繁殖が阻害されるという問題を解消することができ、これにより地被植物が更に繁殖し易くなる。
【0018】
さらに、本発明に係る保護板においては、第1連結リブ部は、その下部に第1連通孔が設けられた分だけ強度が低下しているが、上述したように、歩行者の靴底や車両の車輪等は、第1連結リブ部の上面には当接しないので、歩行者や車両等からの荷重は、支柱部に直接加わり、第1連結リブ部には直接加わらないものとなる。これにより、第1連結リブ部に加わる荷重を低減することができ、もって、歩行者や車両等からの荷重による第1連結リブ部の破損を防止することができる。
【0019】
[3]の発明では、基板部の交差部の下面に、凹部が第1連通孔と連通した状態に設けられているので、区画室内に植生した地被植物の根が第1連通孔及び凹部を順次通って下方向に延びうるものとなる。これにより、地被植物が更に繁殖し易くなる。さらに、地被植物に散水した水を、基板部の網目開口部から排出するだけではなく更に第1連通孔及び凹部を順次通って凹部開口からも排出することができる。これにより、水捌けを良くすることができる。
【0020】
[4]の発明では、第2連結リブ部の下部に、該第2連結リブ部を介して隣接する複数個の区画室を互いに連通する第2連通孔が設けられている。そのため、各区画室内に植生した地被植物の匍匐茎や根等が、第2連通リブ部の上側だけではなく更に第2連通孔を通って隣接する区画室に向かって横方向に伸びうるものとなる。これにより、地被植物がより一層繁殖し易くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明の幾つかの実施形態について図面を参照して以下に説明する。
【0022】
本発明の一実施形態に係る地被植物保護板(1)は、図6に示すように、地被植物として、公園、庭、駐車場、ヘリポート、ゴルフ場等に植え付けられる芝(20)を、歩行者や車両等の重量物の踏圧による損傷から保護するために、芝(20)の植え付け地に敷設して使用するものである。
【0023】
この保護板(1)は、射出成形により形成された硬質樹脂又は硬質プラスチック製のものであり、図1及び図2に示すように、例えば、長さ600mm×幅600mm×高さ(厚さ)40〜60mm程度の大きさのものである。なお本発明では、保護板(1)の大きさは上記の大きさであることに限定されるものではなく、敷設場所に応じて様々に変更可能である。
【0024】
この保護板(1)は、網状として格子状(詳述すると正方格子状)の基板部(2)と、多数個の支柱部(7)となどを備えている。
【0025】
基板部(2)は、互いに交差(詳述すると直交)して配置された多数個の縦筋部(3)及び横筋部(3)から構成されている。(4)は、基板部(2)の縦筋部(3)と横筋部(3)とが交差した交差部である。また、(5)は、基板部(2)の多数個の網目開口部である。各網目開口部(5)は、断面方形状(詳述すると断面正方形状)に形成されており、芝(20)に散水した水の排出口として利用されるものである。
【0026】
なお、基板部(2)の厚さdは、例えば5〜15mmに設定され、詳述すると例えば8〜12mmに設定されている(図4参照)。また、各筋部(3)の幅は、例えば10〜35mmに設定され、詳述すると例えば15〜25mmに設定されている。各網目開口部(5)の縦辺及び横辺の長さは、いずれも例えば15〜45mmに設定され、詳述すると例えば20〜40mmに設定されている。
【0027】
多数個の支柱部(7)は、芝(20)上に存在することのある歩行者や車両(例:自動車)等の重量物(図示せず)を、該重量物の踏圧による損傷から保護するために下から支持するものであり、図1及び図3〜図5に示すように、基板部(2)の各筋部(3)に、該筋部(3)に沿って規則的に並んで立ち上がり状に一体形成されている。具体的に説明すると、支柱部(7)は、基板部(2)の各筋部(3)における各交差部(4)を挟んだ両側近傍に1個ずつ形成されている。
【0028】
これらの支柱部(7)の高さは互いに等しく設定されており、またこれらの支柱部(7)は円柱状(従って断面円形状)であり且つ互いに同一形状に形成されている。支柱部(7)の高さについて具体的に示すと、図4に示すように、支柱部(7)の基板部(2)上面からの高さaは、例えば30〜60mmに設定され、詳述すると例えば35〜50mmに設定されている。また、支柱部(7)の直径は、例えば5〜15mmに設定され、詳述すると例えば8〜12mmに設定されている。
【0029】
また、図1、図3〜図5に示すように、基板部(2)の各交差部(4)を中心に隣接する4個の支柱部(7)(7)(7)(7)の少なくとも上部は、断面十字状の第1連結リブ部(8)により互いに一体に結合されており、これにより、4個の支柱部(7)(7)(7)(7)が第1連結リブ部(8)を介して互いに結合されてなる支柱部結合体(9)が、基板部(2)の各交差部(4)に形成されている。本実施形態では、第1連結リブ部(8)はその下部に後記第1挿通孔(12)が設けられており、そのため、4個の支柱部(7)(7)(7)(7)の上部及び下部のうち上部だけが第1連結リブ部(8)により互いに結合されている。
【0030】
第1連結リブ部(8)の肉厚は、支柱部(7)の直径以下に設定されており、例えば2〜9mmに設定されており、詳述すると例えば4〜7mmに設定されている。また、第1連結リブ部(8)により互いに結合された支柱部(7)(7)の中心間隔は、例えば15〜35mmに設定されている。
【0031】
第1連結リブ部(8)の高さは、支柱部(7)の高さよりも低く設定されている。本発明では、第1連結リブ部(8)の高さは、支柱部(7)の高さaよりも例えば2〜10mm低く設定され、詳述すると例えば3〜7mm低く設定されている。すなわち、図4において、支柱部(7)と第1連結リブ部(8)との間の高さ差bは、例えば2〜10mmに設定され、詳述すると例えば3〜7mmに設定されている。
【0032】
さらに、基板部(2)の各筋部(3)に沿って隣接する支柱部結合体(9)の下部同士が、筋部(3)に沿って筋部(3)に一体形成された壁状第2連結リブ部(10)により互いに結合されている。これにより、基板部(2)の網目開口部(5)毎に、第2連結リブ部(10)により区画された断面四角形状(詳述すると断面正方形状)の区画室(11)が形成されている。第2連結リブ部(10)の肉厚は、支柱部(7)の直径以下に設定されており、本実施形態では支柱部(7)の直径と同寸に設定されている。
【0033】
各第2連結リブ部(10)の高さは、支柱部(7)及び第1連結リブ部(8)の高さよりも低く設定されている。第2連結リブ部(10)の高さについて具体的に示すと、図4に示すように、第2連結リブ部(10)の高さcは、支柱部(7)の高さaよりも例えば15〜30mm低く設定され、詳述すると例えば17〜25mm低く設定されている。
【0034】
各第1連結リブ部(8)の下部には、該第1連結リブ部(8)を介して隣接する4個の区画室(11)(11)(11)(11)を互いに連通する第1連通孔(12)が設けられている。
【0035】
この第1連通孔(12)の形成方法について説明すると、基板部(2)の各交差部(4)の下面に、第1連結リブ部(8)の肉厚よりも大きな直径の横断面円形状の凹部(13)が、交差部(4)の下面から第1連結リブ部(8)の高さ方向中間部の深さまで形成されることにより、各第1連通孔(12)が第1連結リブ部(8)の下部に形成されたものである。したがって、凹部(13)と第1連結孔(12)とは互いに連通した状態になっている。このように第1連通孔(12)を形成することにより、第1連通孔(12)の形成を容易に行うことができる。凹部(13)の直径は、例えば10〜25mmに設定されている。
【0036】
本実施形態の保護板(1)は、図6に示すように、芝(20)を植え付ける地面に複数個敷設されて使用されるものである。保護板(1)の下側には、砕石層(22)又は砂層が設けられており、これにより芝(20)に散水した水の排水性が高められている。保護板(1)の各区画室(11)内には、客土(21)が入れられるとともに芝(20)が植生している。
【0037】
而して、本実施形態の保護板(1)は次の利点がある。
【0038】
すなわち、図4及び図5に示すように、保護板(1)の支柱部(7)の高さが等しいので、各支柱部(7)の高さが異なることで各支柱部(7)に荷重が不均一に加わる不具合を防止できる。
【0039】
さらに、図1及び図3に示すように、基板部(2)の各交差部(4)を中心に隣接する4個の支柱部(7)(7)(7)(7)が第1連結リブ部(8)により互いに結合されることにより、支柱部結合体(9)が形成されているので、1個の支柱部(7)よりも高い強度を有する支柱部結合体(9)を形成することができる。しかも、4個の支柱部(7)(7)(7)(7)は、その上部が第1連結リブ部(8)により互いに結合されているので、支柱部結合体(9)の上部の強度は非常に高くなっている。
【0040】
さらに、基板部(2)の筋部(3)に沿って隣接する支柱部結合体(9)の下部同士が、筋部(3)に沿って形成された第2連結リブ部(10)により互いに結合されているので、各支柱部結合体(9)は第2連結リブ部(10)により補強されており、これにより支柱部結合体(9)の強度が更に高められている。その結果、例えば自動車の発進時や停止時の負荷により支柱部(7)や支柱部結合体(9)が折損する不具合を防止できる。
【0041】
しかも、第2連結リブ部(10)の高さcが、支柱部(7)及び第1連結リブ部(8)の高さよりも低く設定されている。そのため、各区画室(11)内に植生した芝(20)の匍匐茎(図示せず)等が第2連結リブ部(10)の上側を通って隣りの区画室(11)に向かって横方向に伸びうるものとなる。これにより、芝(20)が繁殖し易くなる。
【0042】
その上、第1連結リブ部(8)の下部に、該第1連結リブ部(8)を介して隣接する4個の区画室(11)(11)(11)(11)を互いに連通する第1連通孔(12)が設けられている。そのため、各区画室(11)内に植生した芝(20)の匍匐茎や根等が第1連通孔(12)を通って隣接する区画室(11)に向かって横方向に伸びうるものとなる。これにより、芝(20)が更に繁殖し易くなる。
【0043】
もとより、基板部(2)は格子状なので、区画室(11)内に植生した芝(20)に散水した水を基板部(2)の網目開口部(5)から排出することができる。
【0044】
さらに、第1連結リブ部(8)の高さが支柱部(7)の高さaよりも低く設定されている。したがって、保護板(1)上に歩行者や車両等が存在する場合において、歩行者の靴底や車両の車輪等は、支柱部結合体(9)の4個の支柱部(7)(7)(7)(7)及び第1連結リブ部(8)のうち、支柱部(7)の上面には当接するが、第1連結リブ部(8)の上面には当接しない。そのため、歩行者の歩行時や車両の発進・停止時などに、芝(20)の葉が第1連結リブ部(8)の上面と靴底や車輪等との間で擦れて切断され芝(20)の繁殖が阻害されるという問題を解消することができ、これにより芝(20)が更に繁殖し易くなる。
【0045】
さらに、本実施形態の保護板(1)においては、第1連結リブ部(8)は、その下部に第1連通孔(12)が設けられた分だけ強度が低下している。しかしながら、上述したように、歩行者の靴底や車両の車輪等は、第1連結リブ部(8)の上面には当接しないので、歩行者や車両等からの荷重は、支柱部(7)に直接加わり、第1連結リブ部(8)には直接加わらないものとなる。これにより、第1連結リブ部(8)に加わる荷重を低減することができ、もって、歩行者や車両等からの荷重による第1連結リブ部(8)の破損を防止することができる。
【0046】
さらに、基板部(2)の各交差部(4)の下面に、凹部(13)が第1連通孔(12)と連通した状態に設けられているので、区画室(11)内に植生した芝(20)の根が第1連通孔(12)及び凹部(13)を順次通って下方向に延びうるものとなる。これにより、芝(20)が更に繁殖し易くなる。さらに、芝(20)に散水した水を、基板部(2)の網目開口部(5)から排出するだけではなく、更に第1連通孔(12)及び凹部(13)を順次通って凹部(13)開口からも下方向に排出することができる。これにより、水捌けを良くすることができる。
【0047】
図7は、本発明のもう一つの実施形態に係る地被植物保護板(1)を示す図である。
【0048】
この保護板(1)では、第2連結リブ部(10)の下部には、該第2連結リブ部(10)を介して隣接する2個の区画室(11)(11)を互いに連通する第2連通孔(14)が設けられている。
【0049】
この保護板(1)の他の構成は、上記実施形態の保護板と同じである。
【0050】
この保護板(1)によれば、第2連結リブ部(10)の下部に第2連通孔(14)が設けられているので、各区画室(11)内に植生した芝(20)の匍匐茎や根等が、第2連結リブ部(10)の上側だけではなく更に第2連通孔(14)を通って隣の区画室(11)に向かって横方向に伸びうるものとなる。これにより、芝(20)がより一層繁殖し易くなるという利点がある。
【0051】
なお本発明では、図示していないが、基板部(2)の各筋部(3)の下面における各第2連結リブ部(10)下側位置に、凹部(図示せず)が第2連通孔(14)と連通した状態に設けられていても良い。この場合には、区画室(11)内に植生した芝(20)の根が第2連通孔(14)及び凹部を順次通って下方向に延びうるものとなる。これにより、芝(20)が更に繁殖し易くなる。しかも、芝(20)に散水した水を、第2連通孔(14)及び凹部を順次通って凹部開口からも下方向に排出することができる。これにより、水捌けを更に良くすることができる。
【0052】
以上で本発明の幾つかの実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に示したものであることに限定されるものではなく、様々に変更可能である。
【0053】
例えば、本実施形態では、保護板(1)は、地被植物として、芝(20)等の匍匐性植物を保護するために使用されるものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、芝以外の地被植物を保護するために使用されるものであっても良い。
【0054】
また本実施形態では、保護板(1)の基板部(2)は、格子状であるが、本発明では、基板部(2)は格子状であることに限定されるものではなく、その他に、例えば三角格子状やハニカム状であっても良い。
【0055】
また本発明では、保護板(1)の周縁部等の所定部位に、他の保護板(1)と連結する連結手段(連結片等)が設けられていても良い。
【0056】
もとより本発明では、保護板(1)の各部位の寸法は、上記実施形態で示した寸法であることに限定されるものではない。
【0057】
また本発明では、保護板(1)を長さ方向又は/及び幅方向に複数個に分割切断し易くするための、低強度部からなる切断予定部が保護板(1)に予め形成されていても良い。この場合には、敷設場所の広さに合うように保護板(1)を切断予定部で複数個に分割切断して使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、公園、庭、駐車場、ヘリポート、ゴルフ場等に植え付けられる芝等の地被植物を歩行者や車両等の踏圧による損傷から保護するために、地被植物の植え付け地に敷設して使用される地被植物保護板に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る地被植物保護板の平面図である。
【図2】図2は、同保護板の下面図である。
【図3】図3は、図1中のX部分の拡大斜視図である。
【図4】図4は、図1中のY−Y線断面図である。
【図5】図5は、図1中のZ−Z線断面図である。
【図6】図6は、同保護板の使用状態を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明のもう一つの実施形態に係る地被植物保護板における図3に対応する拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0060】
1…地被植物保護板
2…基板部
3…筋部
4…交差部
5…網目開口部
7…支柱部
8…第1連結リブ部
9…支柱部結合体
10…第2連結リブ部
11…区画室
12…第1連通孔
13…凹部
14…第2連通孔
20…芝(地被植物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
網状の基板部の各筋部に、高さが等しい多数個の支柱部が前記筋部に沿って規則的に並んで立設され、
前記基板部の筋部同士の各交差部を中心に隣接する複数個の前記支柱部の少なくとも上部が、第1連結リブ部により互いに結合されることにより、支柱部結合体が形成され、
前記基板部の筋部に沿って隣接する前記支柱部結合体の下部同士が、前記筋部に沿って形成された第2連結リブ部により互いに結合されるとともに、前記第2連結リブ部により区画された区画室が前記基板部の網目開口部毎に形成され、
前記第2連結リブ部の高さが、前記支柱部及び前記第1連結リブ部の高さよりも低く設定されるとともに、
前記第1連結リブ部の下部に、該第1連結リブ部を介して隣接する複数個の区画室を互いに連通する第1連通孔が設けられていることを特徴とする地被植物保護板。
【請求項2】
前記第1連結リブ部の高さが、前記支柱部の高さよりも低く設定されている請求項1記載の地被植物保護板。
【請求項3】
前記基板部の交差部の下面に、凹部が前記第1連通孔と連通した状態に設けられている請求項1又は2記載の地被植物保護板。
【請求項4】
前記第2連結リブ部の下部に、該第2連結リブ部を介して隣接する複数個の区画室を互いに連通する第2連通孔が設けられている請求項1〜3のいずれかに記載の地被植物保護板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−5606(P2009−5606A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−168497(P2007−168497)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(393008418)株式会社冨永樹脂工業所 (7)
【Fターム(参考)】