説明

均一化光学装置及びそれを用いた平行光源装置

【課題】 平行光の面内強度分布を平均化して均一化する光学装置と、それを用いた平行光源装置。
【解決手段】 入射光が進む方向をZ方向とし、Z方向に直交し相互に直交する方向をX方向とY方向とするとき、Z方向に対して直交する入射面44と射出面45とを備え、X−Y面及びY−Z面に対して45°の角度をなすように、相互に平行に離間して2面の全反射鏡421 、422 が配置され、その2面の全反射鏡421 、422 の間であって入射面44と射出面45の間に単数又は複数の半透過鏡431 〜433 が相互に所定の間隔で全反射鏡421 、422 に平行に配置されて構成されてなる均一化素子411 、412 を備えてなる均一化光学装置40。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、均一化光学装置及びそれを用いた平行光源装置に関し、特に、均一な面内強度分布を持つ平行光を得るための均一化光学装置とそれを用いた平行光源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、半導体露光用のレーザ光源は、ピグテイルモジュールを束ねた高出力かつ大口径光ファイバ束出力構造であり、DMD(Digital Micromirror Device)を利用したマスクレス露光機用光源として使用されている。DMDにその光源からの光を導入する際、光束は平行光である程露光面への照射効率(トータルとしての利用効率)が高いが、理想的な平行光を作るには、光ファイバ束出力端のビームスポットを限りなくゼロに近づける必要がある。光ファイバ束出力構造タイプの光源は、高出力である一方、ビームスポットサイズが大きく(例えば、600μm)、平行光として取り出すことが困難であるため、光の利用効率が低くなってしまうという課題がある。光学系でその利用効率を上げるのに制限があるため、ピグテイルモジュールに用いている半導体レーザ個々の高出力化に頼らざるを得ないのが現状である。
【0003】
また、露光制御の際、面内強度分布の平均化が必要となる。例えば光ファイバ束モジュールの場合、照明領域の中心部分の出力が高く、中心から離れるに従って光強度が減少する傾向を持つ。強度の低い部分は露光に寄与することができないので、有効面積が制限される。また、有効範囲内においても、面内強度が低い箇所に合わせて露光制御をするため、強度の高い部分を低い部分に合わせる必要があり、出力が低くなってしまう問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、平行光の面内強度分布を平均化して均一化する光学装置と、それを用いた平行光源装置であって、投影装置、投影露光装置、マスクレス露光装置等に利用可能で、面内強度分布の均一性が高く、平行度が高く、光の利用効率が高い平行光源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明の均一化光学装置は、入射光が進む方向をZ方向とし、Z方向に直交し相互に直交する方向をX方向とY方向とするとき、Z方向に対して直交する入射面と射出面とを備え、X−Y面及びY−Z面に対して45°の角度をなすように、相互に平行に離間して2面の全反射鏡が配置され、その2面の全反射鏡の間であって入射面と射出面の間に単数又は複数の半透過鏡が相互に所定の間隔で全反射鏡に平行に配置されて構成されてなる均一化素子を備えてなることを特徴とするものである。
【0006】
また、前記均一化素子の射出面側に第2の均一化素子を備えることができる。前記第2の均一化素子は、X−Y面及びY−Z面に対して45°の角度をなすように、相互に平行に離間して2面の全反射鏡が配置され、その2面の全反射鏡の間であって入射面と射出面の間に単数又は複数の半透過鏡が相互に所定の間隔で全反射鏡に平行に配置されて構成されてなるものとすることができる。
【0007】
そして、このような本発明の均一化光学装置は、以下の(1)〜(6)のように配置して本発明の平行光源装置を構成することができる。
【0008】
(1)稠密配置した正レンズのレンズアレイと、その正レンズの焦点各々に射出端を配置した偏波保存型シングルモード光ファイバとからなり、その偏波保存型シングルモード光ファイバ各々の入射端に偏光した光が結合され、その射出端の偏光方向が全て同じ方向を向いている2つの光ファイバコリメータアレイを含み、一方の光ファイバコリメータアレイから射出される平行光と他方の光ファイバコリメータアレイから射出される平行光の偏光方向が相互に直交するように選ばれ、両平行光が偏光合成器により合成されるように構成されてなる平行光源装置の平行光射出側に配置して、本発明の平行光源装置を構成することができる。
【0009】
(2)稠密配置した正レンズのレンズアレイと、その正レンズの焦点各々に射出端を配置した偏波保存型シングルモード光ファイバとからなり、その偏波保存型シングルモード光ファイバ各々の入射端に偏光した光が結合され、その射出端の偏光方向が全て同じ方向を向いている4つの光ファイバコリメータアレイを含み、その中の第1光ファイバコリメータアレイから射出される平行光と第2光ファイバコリメータアレイから射出される平行光の偏光方向が相互に直交するように選ばれ、両平行光を合成して第1合成平行光とする第1偏光合成器を備え、第3光ファイバコリメータアレイから射出される平行光と第4光ファイバコリメータアレイから射出される平行光の偏光方向が相互に直交するように選ばれ、両平行光を合成して第2合成平行光とする第2偏光合成器を備え、前記第1合成平行光の一部を透過させ前記第2合成平行光の一部を反射させて両平行光を合成して第3合成平行光とし、前記第1合成平行光の残りの一部を反射させ前記第2合成平行光の残りの一部を透過させて両平行光を合成して第4合成平行光とする無偏光合成器を備え、前記第3合成平行光と前記第4合成平行光を隣接して同じ方向に進む平行光にする偏向手段を含む平行光源装置の平行光射出側に配置して、本発明の平行光源装置を構成することができる。
【0010】
(3)正レンズと、その正レンズの焦点に光源を有し、前記光源から前記正レンズに直線偏光が入射される2つの光コリメータを含み、一方の光コリメータから射出される平行光と他方の光コリメータから射出される平行光の偏光方向が相互に直交するように配置され、両平行光が偏光合成器により合成されるように構成され、前記一方の光コリメータと前記他方の光コリメータが相互にずれている平行光源装置の平行光射出側に配置して、本発明の平行光源装置を構成することができる。
【0011】
(4)正レンズと、その正レンズの焦点に光源を有し、前記光源から前記正レンズに直線偏光が入射される4つの光コリメータを含み、その中の第1光コリメータから出射される平行光と第2光コリメータから出射される平行光の偏光方向が相互に直交するように配置され、両平行光を合成して第1合成平行光とする第1偏光合成器を備え、第3光コリメータから出射される平行光と第4光コリメータから出射される平行光の偏光方向が相互に直交するように配置され、両平行光を合成して第2合成平行光とする第2偏光合成器を備え、前記第1合成平行光の一部を透過させ前記第2合成平行光の一部を反射させて両平行光を合成して第3合成平行光とし、前記第1合成平行光の残りの一部を反射させ前記第2合成平行光の残りの一部を透過させて両平行光を合成して第4合成平行光とする無偏光合成器を備え、前記第3合成平行光と前記第4合成平行光を隣接して同じ方向に進む平行光にする偏向手段を含み、前記第1光コリメータと前記第2光コリメータが相互にずれており、前記第3光コリメータと前記第4光コリメータが相互にずれている平行光源装置の平行光射出側に配置して、本発明の平行光源装置を構成することができる。
【0012】
(5)稠密配置した正レンズのレンズアレイと、その正レンズの焦点各々に光源を有し、前記光源から偏光方向が全て同じ方向を向いている光が入射される2つの光コリメータアレイを含み、一方の光コリメータアレイから射出される平行光と他方の光コリメータアレイから射出される平行光の偏光方向が相互に直交するように配置され、両平行光が偏光合成器により合成されるように構成されてなる平行光源装置の平行光射出側に配置して、本発明の平行光源装置を構成することができる。
【0013】
(6)稠密配置した正レンズのレンズアレイと、その正レンズの焦点各々に光源を有し、前記光源から偏光方向が全て同じ方向を向いている光が入射される4つの光コリメータアレイを含み、その中の第1光コリメータアレイから出射される平行光と第2光コリメータアレイから出射される平行光の偏光方向が相互に直交するように配置され、両平行光を合成して第1合成平行光とする第1偏光合成器を備え、第3光コリメータアレイから出射される平行光と第4光コリメータアレイから出射される平行先の偏光方向が相互に直交するように配置され、両平行光を合成して第2合成平行光とする第2偏光合成器を備え、前記第1合成平行光の一部を透過させ前記第2合成平行光の一部を反射させて両平行光を合成して第3合成平行光とし、前記第1合成平行光の残りの一部を反射させ前記第2合成平行光の残りの一部を透過させて両平行光を合成して第4合成平行光とする無偏光合成器を備え、前記第3合成平行光と前記第4合成平行光を隣接して同じ方向に進む平行光にする偏向手段を含む平行光源装置の平行光射出側に配置して、本発明の平行光源装置を構成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の均一化光学装置によると、入射する平行光の面内強度分布に不均一があっても、平均化され均一化された平行光として射出することができる。この均一化光学装置を平行光源装置の平行光射出側に配置することにより、投影装置、投影露光装置、マスクレス露光装置等の照明光源装置に適したものが得られる。例えばDMDを利用したマスクレス露光機用光源として使用すると、露光時間の短縮を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の均一化光学装置及びそれを用いた平行光源装置を実施例に基づいて説明する。
【0016】
まず、図1〜図9を用いて、本発明の均一化光学装置を適用可能な平行光源装置の実施例を説明する。
【0017】
図1は、本発明の均一化光学装置を適用できる1実施例の平行光源装置の構成を示す断面図である。この平行光源装置は、第1〜第4光ファイバコリメータアレイ11〜14と、第1光ファイバコリメータアレイ11からの平行光と第2光ファイバコリメータアレイ12からの平行光とを合成する第1偏光合成器15と、第3光ファイバコリメータアレイ13からの平行光と第4光ファイバコリメータアレイ14からの平行光とを合成する第2偏光合成器16と、第1偏光合成器15で合成された第1合成平行光19と第2偏光合成器16で合成された第2合成平行光20とを合成して第3合成平行光21と第4合成平行光22にする無偏光合成器17と、無偏光合成器17で合成された第4合成平行光22を第3合成平行光21と同じ方向に向ける反射プリズム18とからなる。
【0018】
ここで、まず、第1〜第4光ファイバコリメータアレイ11〜14は同様の構成であるので、光ファイバコリメータアレイ11を代表にあげてその構成を説明する。光ファイバコリメータアレイ11は、図2に平面図を示すような同一特性の微小な正レンズ1を複数稠密にアレイ状に配置したレンズアレイ10と、その正レンズ1の光軸上の焦点位置各々に射出端を配置したPANDA型等の偏波保存型シングルモード光ファイバ2のアレイとからなり、レンズアレイ10の個々の正レンズ1に対応して配置されている各偏波保存型シングルモード光ファイバ2の入射端には、図3に示すように、同一特性の半導体レーザ3からの両矢符方向に偏波面5を持つ発振光が偏波保存型シングルモード光ファイバ2の1つの偏波面保存方向に一致して入射結合するように、集光レンズ4を介して結合されている。
【0019】
ここで、今後の説明のために、光ファイバコリメータアレイ11のレンズアレイ10の正レンズ1の形状と配置方向を説明しておく。図2に示すように、正レンズ1を稠密に配置しようとする場合、その外形は好ましくは光軸を中心とする正六角形になる。正レンズ1が列状に並ぶ方向をX方向、それに直交する方向をY方向とするとき、X方向に一列に並ぶ正レンズ1の列とY方向に隣接する隣の正レンズ1の列とでは正レンズ1の繰り返しピッチが半分ずれていることになる。
【0020】
図1に戻って、第1〜第4光ファイバコリメータアレイ11〜14のレンズアレイ10のY方向は何れも図1の面に垂直に向いており、したがって、各レンズアレイ10のX方向は図1の面に平行となっており、何れのレンズアレイ10においても、正レンズ1は図1の面に平行に列状に並んでいる。
【0021】
そして、第1〜第4光ファイバコリメータアレイ11〜14それぞれにおいては、レンズアレイ10の個々の偏波保存型シングルモード光ファイバ2の射出端から出る光の偏波方向が、各光ファイバコリメータアレイ中で同じになるように配置されており、図1に示すように、第1ファイバコリメータアレイ11においてはp偏光に、第2ファイバコリメータアレイ12においてはs偏光に、第3ファイバコリメータアレイ13においてはp偏光に、第4ファイバコリメータアレイ14においてはs偏光になるように配置されている。
【0022】
このような構成であるので、第1〜第4光ファイバコリメータアレイ11〜14各々においては、アレイ状に配置された偏波保存型シングルモード光ファイバ2各々の射出端からp偏光又はs偏光のシングルモードで強度がガウス分布の発散光が射出され、おのおのの発散光はレンズアレイ10の対応する正レンズ1で平行光に変換される。レンズアレイ10の隣接した何れの正レンズ1からも同一方向(光軸方向)の平行光が射出されるため、それぞれ、第1ファイバコリメータアレイ11からは全体でp偏光の平行光が、第2ファイバコリメータアレイ12からは全体でs偏光の平行光が、第3ファイバコリメータアレイ13からは全体でp偏光の平行光が、第4ファイバコリメータアレイ14からは全体でs偏光の平行光が射出される。
【0023】
そして、第1光ファイバコリメータアレイ11からのp偏光の平行光と、第2光ファイバコリメータアレイ12からのs偏光の平行光とは、図示のように相互に直交する方向に進み、第3ファイバコリメータアレイ13からのp偏光の平行光と、第4ファイバコリメータアレイ14からのs偏光の平行光とは、図示のように同様に相互に直交する方向に進むように、相互に直交する方向に向き、かつ、第1光ファイバコリメータアレイ11のレンズアレイ10と、第4光ファイバコリメータアレイ14のレンズアレイ10が略同一面に、また、第2光ファイバコリメータアレイ12のレンズアレイ10と、第3光ファイバコリメータアレイ13のレンズアレイ10が略同一面に位置するように配置されている。
【0024】
第1光ファイバコリメータアレイ11からのp偏光の平行光と第2光ファイバコリメータアレイ12からのs偏光の平行光とが直交する位置に第1偏光合成器15が配置され、第3光ファイバコリメータアレイ13からのp偏光の平行光と第4光ファイバコリメータアレイ14からのs偏光の平行光とが直交する位置に第2偏光合成器16が配置されている。第1偏光合成器15と第2偏光合成器16は、偏光ビームスプリッタープリズムのように、それぞれの45°配置の偏光合成面A、Bでp偏光を略100%透過し、s偏光を略100%反射する特性を持つものである。したがって、第1光ファイバコリメータアレイ11からのp偏光の平行光は第1偏光合成器15の偏光合成面Aを透過し、第2光ファイバコリメータアレイ12からのs偏光の平行光はその偏光合成面Aで反射され、両平行光は第1偏光合成器15の偏光合成面Aで合成されて第1合成平行光19となる。また、第3光ファイバコリメータアレイ13からのp偏光の平行光は第2偏光合成器16の偏光合成面Bを透過し、第4光ファイバコリメータアレイ14からのs偏光の平行光はその偏光合成面Bで反射され、両平行光は第2偏光合成器16の偏光合成面Bで合成されて第2合成平行光20となる。
【0025】
そして、第1合成平行光19と第2合成平行光20とが直交する位置に無偏光合成器17が配置されている。この無偏光合成器17は、通常のビームスプリッタープリズム又はハーフミラーのように、その45°配置の無偏光合成面Cで、第1合成平行光19、第2合成平行光20の偏光状態に依存せずに、それらの略50%の強度を反射し、残りの略50%の強度を透過するものであり、したがって、無偏光合成面Cで第1合成平行光19の略半分の強度が反射され、第2合成平行光20の略半分の強度が無偏光合成面Cを透過してそれらの平行光は合成されて第3合成平行光21となる。また、無偏光合成面Cを第1合成平行光19の略半分の強度が透過し、第2合成平行光20の略半分の強度が無偏光合成面Cで反射されてそれらの平行光は合成され、反射プリズム18の反射面Dで第3合成平行光21と同じ方向に反射されて第4合成平行光22となる。第3合成平行光21と第4合成平行光22は同じ強度で同じ方向に隙間なく隣接しているので、第3合成平行光21と第4合成平行光22を合わせて、平行度の高い平行光として、投影装置、投影露光装置、マスクレス露光装置等の照明光として用いることができる。しかも、第1偏光合成器15、第2偏光合成器16、無偏光合成器17を反射あるいは透過した光は、最終的に全て平行光成分として利用されているので、光の利用効率が極めて高いものとなっている。しかも、正レンズ1の焦点に配置される光源は、偏波保存型シングルモード光ファイバ2の射出端であるため、実質的に点光源であるので、合成平行光19、20、21、22の平行度は極めて高いものである。
【0026】
ところで、このようにして得られる第1合成平行光19、第2合成平行光20、第3合成平行光21と第4合成平行光22の並列合成平行光は、平均的に見れば面内強度が均一であり、合成平行光19、20だけでも、投影装置、投影露光装置、マスクレス露光装置等の照明光として用いることができる。しかしながら、上記したように、偏波保存型シングルモード光ファイバ2各々の射出端から発散される光は強度分布がガウス分布となっているので、レンズアレイ10の正レンズ1のNA(開口数)と偏波保存型シングルモード光ファイバ2のNAを合わせて効率的に射出光を利用しようとすると、レンズアレイ10から出る平行光は、各正レンズ1中心に強度のガウス分布のピークがあり、その周辺に向かうにつれて強度が弱まっていき、レンズアレイ10全面では正レンズ1の配列に対応したガウス分布が周期的に繰り返してなる強度分布の平行光であるので、局所的には強度分布は必ずしも均一であるとは言えない。
【0027】
そこで、第1偏光合成器15(偏光合成面A)で第1光ファイバコリメータアレイ11からの平行光と第2光ファイバコリメータアレイ12からの平行光を合成するときに、及び、第2偏光合成器16(偏光合成面B)で第3光ファイバコリメータアレイ13からの平行光と第4光ファイバコリメータアレイ14からの平行光を合成するときに、直交する2方向の中の少なくとも1つの方向、例えばX方向に強度分布を平均化して略均一になるようにし、次に、無偏光合成器17で第1合成平行光19と第2合成平行光20とを合成するときに、直交する2方向の中の別の1つの方向、例えばY方向に強度分布を平均化して面内全体で略均一になるようにすることができる。そのための構成を以下に説明する。
【0028】
図4は、第1偏光合成器15、第2偏光合成器16それぞれで合成された平行光に対するレンズアレイ10相互の位置関係と合成光の強度分布を示す図である。以後、第1〜第4光ファイバコリメータアレイ11〜14のレンズアレイ10をそれぞれ101 〜104 とする。
【0029】
図2のように正レンズ1が稠密にアレイ状に配置されている場合に、正レンズ1のX方向の配列ピッチを2Mとすると、Y方向の配列ピッチは(3/2)Lとなり、MとLの間には、M=(√3/2)Lの関係がある。ここで、Lは正レンズ1の正六角形の1辺の長さに相当する。この図2のような配列において、第1光ファイバコリメータアレイ11(第3光ファイバコリメータアレイ13)のレンズアレイ101 (103 )と第2光ファイバコリメータアレイ12(第4光ファイバコリメータアレイ14)のレンズアレイ102 (104 )との間にX方向にレンズ配列ピッチの1/2、すなわち、Mの配置ずれが発生するように、第1偏光合成器15(第2偏光合成器16)で第1光ファイバコリメータアレイ11(第3光ファイバコリメータアレイ13)と第2光ファイバコリメータアレイ12(第4光ファイバコリメータアレイ14)を合成するようにすると、図4の上方に分布曲線を示したように、第1合成平行光19(第2合成平行光20)のX方向の光強度分布は略均一になる。より具体的には、正レンズ1のNAと偏波保存型シングルモード光ファイバ2のNAを略一致させた場合、正レンズ1の中心を結ぶX方向の光強度分布のバラツキは略2%である。
【0030】
しかしながら、第1合成平行光19(第2合成平行光20)のY方向の光強度分布は、図4の左方に分布曲線を示したように、Y方向の配列ピッチと同じピッチで変化し、正レンズ1の中心位置に対応してピークを持つ繰り返し分布となる。
【0031】
次に、図5に、無偏光合成器17でこのようにX方向に平均化された第1合成平行光19と第2合成平行光20とが合成された平行光に対するレンズアレイ101 〜104 相互の位置関係と合成光の強度分布を示す。第1光ファイバコリメータアレイ11のレンズアレイ101 と第2光ファイバコリメータアレイ12のレンズアレイ102 との間、及び、第3光ファイバコリメータアレイ13のレンズアレイ103 と第4光ファイバコリメータアレイ14のレンズアレイ104 との間は、上記のように、それぞれX方向にレンズ配列ピッチの半分のMの配置ずれがあるが、Y方向にはY方向の配列ピッチ(3/2)Lの半分、すなわち、(3/4)Lだけ、レンズアレイ101 (102 )とレンズアレイ103 (104 )の間がずれるように合成する。そして、図5の場合は、レンズアレイ101 と102 の組み合わせに対するレンズアレイ103 と104 の組み合わせのX方向への繰り返しピッチの位相ずれが、X方向のレンズ配列ピッチ2Mの1/3、すなわち、(2/3)Mとなるように、レンズアレイ101 と102 の組み合わせ(第1合成平行光19)とレンズアレイ103 と104 の組み合わせ(第2合成平行光20)とを合成するようにする。その場合の正レンズ1の中心を結ぶX方向の光強度分布のバラツキは図5の上方に分布曲線を示すようになり、上記の具体例においては略2%であり、また、Y方向の光強度分布は図5の左方に分布曲線を示すように、平均化されて略均一になる。ここで、レンズアレイ101 と102 の組み合わせに対するレンズアレイ103 と104 の組み合わせのX方向へのずらし量を横軸に、面内の光強度分布のバラツキΔP/Pmax を縦軸にとった図7から、上記の具体例においては、面内の光強度分布のバラツキは略6.5%であることが分かる。なお、ΔPは、光強度分布の最大値をPmax 、最小値をPmin としたとき、ΔP=Pmax −Pmin である。
【0032】
図5の代わりに、図6に示すように、レンズアレイ101 と102 の組み合わせに対するレンズアレイ103 と104 の組み合わせのX方向への繰り返しピッチの位相ずれを、X方向のレンズ配列ピッチ2Mの1/4、すなわち、(1/2)Mとなるように、レンズアレイ101 と102 の組み合わせ(第1合成平行光19)とレンズアレイ103 と104 の組み合わせ(第2合成平行光20)とを合成するようにしてもよい。その場合の正レンズ1の中心を結ぶX方向の光強度分布のバラツキは図6の上方に分布曲線を示すようになり、上記の具体例においては略2%であり、また、Y方向の光強度分布は図6の左方に分布曲線を示すように、平均化されて略均一になる。上記の具体例においては、面内の光強度分布のバラツキは、図7から略7.5%であることが分かり、図5の配置に比べてバラツキが若干大きくなるが、十分に平均化されていると言える。なお、その他の配置関係は図5の場合と同様である。
【0033】
なお、レンズアレイ101 と102 の組み合わせに対するレンズアレイ103 と104 の組み合わせのX方向へのずらし量をX方向のレンズ配列ピッチ2Mの1/6、すなわち、(1/3)Mの場合は、1/3、すなわち、(2/3)Mの場合と同様に、面内の光強度分布のバラツキは略6.5%であり、1/8、3/8、すなわち、(1/4)M、(3/4)Mの場合は、1/4、すなわち、(1/2)Mの場合と同様に、面内の光強度分布のバラツキは略7.5%であることが、図7から分かる。
【0034】
このことから、レンズアレイ101 と102 の組み合わせに対するレンズアレイ103 と104 の組み合わせのX方向へのずらし量は、(1/4)M〜(3/4)Mの範囲にあれば、面内の光強度分布のバラツキは略7.5%以下になることが分かる。なお、図形の対称性から、(5/4)M〜(7/4)Mの範囲においても同様である。
【0035】
次に、図8に、図1の平行光源装置の変形例の構成を示す断面図を示す。図1の実施例と異なるのは、第1偏光合成器15と第2偏光合成器16の代わりに、図の断面内の大きさが縦横略2倍の同様な構成の単一の偏光合成器25を用いる点と、反射プリズム18と無偏光合成器17の代わりに、形状が異なり反射面の配置が異なる単一の無偏光合成器26を用いる点である。この変形例を説明すると、図1の場合と同様に、第1〜第4光ファイバコリメータアレイ11〜14を備え、各々の光ファイバコリメータアレイ11〜14の構成は図1の場合と同様であるが、第1光ファイバコリメータアレイ11と第3光ファイバコリメータアレイ13は、図8の面で隣接していてそれらのp偏光の射出平行光も隣接していて同一方向に射出されるようになっており、また、第2光ファイバコリメータアレイ12と第4光ファイバコリメータアレイ14も、図8の面で隣接していてそれらのs偏光の射出平行光も隣接していて同一方向に射出されるようになっており、かつ、第1光ファイバコリメータアレイ11と第3光ファイバコリメータアレイ13からのp偏光の平行光と、第2光ファイバコリメータアレイ12と第4光ファイバコリメータアレイ14からのs偏光の平行光とは、図示のように相互に直交する方向に進むように、第1〜第4光ファイバコリメータアレイ11〜14が配置されている。そして、第1光ファイバコリメータアレイ11のレンズアレイ10と、第3光ファイバコリメータアレイ13のレンズアレイ10とが同一面で隣接するように、また、第2光ファイバコリメータアレイ12のレンズアレイ10と、第4光ファイバコリメータアレイ14のレンズアレイ10とが同一面で隣接するように、配置されている。
【0036】
そして、第1光ファイバコリメータアレイ11と第3光ファイバコリメータアレイ13からのp偏光の平行光と、第2光ファイバコリメータアレイ12と第4光ファイバコリメータアレイ14からのs偏光の平行光とが直交する位置に、偏光合成面Eがそれら平行光に対して45°の角度をなすように偏光合成器25が配置されている。
【0037】
そのため、第1光ファイバコリメータアレイ11からのp偏光の平行光は偏光合成器25の偏光合成面Eの片側を透過し、第2光ファイバコリメータアレイ12からのs偏光の平行光は偏光合成面Eの同じ片側で反射され、両平行光は偏光合成面Eの片側で合成されて第1合成平行光19となる。また、第3光ファイバコリメータアレイ13からのp偏光の平行光は偏光合成器25の偏光合成面Eの反対側の片側を透過し、第4光ファイバコリメータアレイ14からのs偏光の平行光は偏光合成面Eの同じ片側で反射され、両平行光は偏光合成面Eの反対側の片側で合成されて第2合成平行光20となる。
【0038】
第1合成平行光19と第2合成平行光20とは、図示のように、相互に隣接して平行に出るので、その射出側に配置される無偏光合成器26には、第2合成平行光20が入射する位置に進行方向を90°偏向する反射面Gが配置されている。また、第1合成平行光19が入射する位置には、無偏光合成面Cと同様の無偏光合成面Fが配置され、さらに、無偏光合成面Fで反射された平行光の進行方向を90°折り曲げて無偏光合成面Fに入射する平行光と同じ方向に向ける反射面Dと同様の反射面Hが配置されている。無偏光合成器26のこれら反射面G、無偏光合成面F、反射面Hは相互に平行に配置されており、これらの面を透明プリズム中に一体に配置するように構成するのが望ましい。
【0039】
無偏光合成器26の反射面Gに入射した第2合成平行光20は、90°偏向されて無偏光合成面Fに入射し、その略50%の強度が反射され、残りの略50%の強度は透過する。また、無偏光合成面Fに入射した第1合成平行光19も、その略50%の強度が反射され、残りの略50%の強度は透過する。したがって、無偏光合成面Fで第1合成平行光19の略半分の強度が透過し、第2合成平行光20の略半分の強度が反射されてそれらの平行光は合成されて第4合成平行光22として無偏光合成器26から射出する。また、無偏光合成面Fで第1合成平行光19の略半分の強度が反射され、第2合成平行光20の略半分の強度が透過してそれらの平行光は合成され、反射面Hで第3合成平行光21と同じ方向に反射されて第3合成平行光21となる。第3合成平行光21と第4合成平行光22は同じ強度で同じ方向に隙間なく隣接しているので、第3合成平行光21と第4合成平行光22を合わせて、平行度の高い平行光として、投影装置、投影露光装置、マスクレス露光装置等の照明光として用いることができる。しかも、偏光合成器25、無偏光合成器26を反射あるいは透過した光は、最終的に全て平行光成分として利用されているので、光の利用効率が極めて高いものとなっている。しかも、正レンズ1の焦点に配置される光源は、偏波保存型シングルモード光ファイバ2の射出端であるため、実質的に点光源であるので、合成平行光19、20、21、22の平行度は極めて高いものである。
【0040】
この変形例においても、図5、図6に示したように、第1〜第4光ファイバコリメータアレイ11〜14のレンズアレイ101 〜104 相互の位置関係を調節することにより、直交するX方向、Y方向両方向において強度分布が平均化され略均一になった平行度が極めて高い平行光を得ることができる。
【0041】
以上、本発明の均一化光学装置を適用可能な平行光源装置を実施例に基づいて説明してきたが、これら実施例に限定されず種々の変形が可能である。例えば、レンズアレイ10、101 〜104 の正レンズ1の焦点位置各々に偏波保存型シングルモード光ファイバ2の射出端(2次光源)を配置する代わりに、直線偏光を放射する半導体レーザ等の点光源を配置するようにしてもよい。また、レンズアレイ10、101 〜104 の正レンズ1の稠密配置に関しては、図2のように正六角形の外形の正レンズ1を稠密に配置する場合以外に、図9(a)に示すように、正方形の外形の正レンズ1を例えば碁盤の目状に稠密に配置するようにしてもよく、あるいは、図9(b)に示すように、円形外形の正レンズ1を俵積み状に配置してもよい。
【0042】
次に、上記のような実施例の平行光源装置に本発明の均一化光学装置を適用した実施例を説明する。
【0043】
図10は、図1の実施例の平行光源装置30の平行光31出力側に本発明の1実施例の均一化光学装置40を配置した場合の実施例の断面図である。ここで、平行光源装置30からの平行光31は、図1において説明したように、第3合成平行光21と第4合成平行光22が隙間なく隣接してなるものであり、図10においては、説明の分かりやすさから、1本の光線31で示してあるが、均一化素子411 の入射面44全体をカバーする太さの光束である。
【0044】
ここで、あらためて座標を定義する。図10に示すように、平行光源装置30からの平行光31が進む方向をZ方向とし、それに直交し図1の面内の方向をX方向とし、紙面に垂直な方向をY方向とする。
【0045】
この実施例の均一化光学装置40は、同一構成の均一化素子411 と均一化素子412 を平行光31の進行方向に沿って直列に接続したものであり、均一化素子412 は均一化素子411 に対してZ軸の周りで90°回転して(捩じって)配置されているものである。したがって、均一化素子411 の構成の説明から、均一化素子412 の構成と配置は明らかになる。
【0046】
均一化素子411 は、図10から明らかなように、Z方向に対して直交する入射面44と射出面45の間に、Z方向に対してX−Z面内で法線が45°の角度をなすように、相互に平行に離間して全反射鏡421 と422 が配置され、その全反射鏡421 と422 の間であって入射面44と射出面45の間に、複数の半透過鏡431 〜433 が略均一の間隔で全反射鏡421 と422 に平行に配置されて構成されてなる。このような構成は、限定的ではないが、簡単には、透明な複数の平行平板の片面にそれぞれ半透過鏡431 〜433 を設けた複数の平行平板と1枚の透明な平行平板を密に重ね合わせて固定し(平行平板の屈折率は等しいとする。)、その積層体を両端で積層面に対して45°の角度をなす2面の切断面で切り出すことによって作製することができる。その積層体の外側に露出している半透過鏡431 〜433 を設けない面が全反射面として全反射鏡421 と422 を構成し、2面の切断面が入射面44と射出面45を構成する。
【0047】
このような構成の均一化素子411 をその入射面44が平行光源装置30からの平行光31に対して垂直になるように配置すると、入射面44から均一化素子411 内に入った平行光31は、全反射鏡421 と422 との間の半透過鏡431 〜433 で部分透過と部分反射を受け、かつ、その両側では全反射鏡421 と422 で全反射を受けて光路がその間に制限されて、多重反射を全反射鏡421 と422 、及び、半透過鏡431 〜433 の間で繰り返しながら射出面45に達するので、入射面44の小さな1つの領域に達した光は射出面45の全体に分配されることになり、結局入射面44に入った平行光31は射出面45で平均化され均一化されることになる。
【0048】
したがって、図10の例の場合、第1〜第4光ファイバコリメータアレイ11〜14に属する何れかの半導体レーザ3(図3)が劣化あるいは故障して発光強度が部分的に低下あるいはなくなっても、その光強度分布の不均一は均一化素子411 によりX方向に平均化され、そのような半導体レーザ3の部分的な劣化や故障に基づく光強度分布の不均一は均一化素子411 からの出力平行光51中には生じないことになる。
【0049】
また、均一化素子411 により入力平行光31がX方向に平均化されるため、先に示したようなレンズアレイの間に配置ずれに伴う面内の光強度分布のバラツキも平均化されて小さくなるかなくなる。
【0050】
ただし、均一化素子411 による均一化はX方向にしか行われないので、その平均化をY方向にも行わせるために、均一化素子411 からの出力平行光51中にもう1つの均一化素子412 が配置されている。この均一化素子412 は、均一化素子411 と同じ構成で、均一化素子411 に対してZ軸の周りで90°回転して(捩じって)配置されているものであり、今度は同様にしてY方向に平均化される。そのため、入射側の均一化素子411 の入射面44の1つの領域に達した光は、射出側の均一化素子412 の射出面45の全体に2次元的に分配されることになり、そのため、均一化光学装置40の入射側の均一化素子411 の入射面44に入った平行光31は、射出側の均一化素子412 の射出面45から2次元的に平均化され均一化された出力平行光61として射出する。
【0051】
したがって、第1〜第4光ファイバコリメータアレイ11〜14に属する何れかの半導体レーザ3(図3)が劣化あるいは故障して発光強度が部分的に低下あるいはなくなっても、その光強度分布の不均一は均一化光学装置40により直交するX方向、Y方向の両方向に平均化され、そのような半導体レーザ3の部分的な劣化や故障に基づく光強度分布の不均一は均一化光学装置40からの出力平行光61中には生じないことになる。また、先に示したようなレンズアレイの間に配置ずれに伴う面内の光強度分布のバラツキも平均化されて小さくなるかなくなる。
【0052】
なお、均一化素子411 、412 の半透過鏡431 〜433 の枚数については、1枚以上でなるべく多い方が好ましいが、余り多いと吸収に基づく減衰が多くなるので、その点を考慮して決める。また、各半透過鏡431 〜433 の透過率(1−反射率)については、10〜90%の範囲内であればよい。なお、X方向に均一化する均一化素子411 とY方向に均一化する均一化素子412 における半透過鏡431 〜433 の枚数と透過率については、必ずしも同じである必要はない。
【0053】
次に、図10の場合と同様の均一化光学装置40を図8の平行光源装置30の平行光31出力側に配置した場合の実施例の断面図を図11に示す。この場合の平行光源装置30からの平行光31も、図8において説明したように、第3合成平行光21と第4合成平行光22が隙間なく隣接してなるものであり、図11においては、説明の分かりやすさから、1本の光線31で示してあるが、均一化素子411 の入射面44全体をカバーする太さの光束である。
【0054】
この場合も、図10の場合と同様に、均一化光学装置40の入射側の均一化素子411 の入射面44に入った平行光31は、射出側の均一化素子412 の射出面45から2次元的に平均化され均一化された出力平行光61として射出する。
【0055】
したがって、この場合も、第1〜第4光ファイバコリメータアレイ11〜14に属する何れかの半導体レーザ3(図3)が劣化あるいは故障して発光強度が部分的に低下あるいはなくなっても、その光強度分布の不均一は均一化光学装置40により直交するX方向、Y方向の両方向に平均化され、そのような半導体レーザ3の部分的な劣化や故障に基づく光強度分布の不均一は均一化光学装置40からの出力平行光61中には生じないことになる。また、先に示したようなレンズアレイの間に配置ずれに伴う面内の光強度分布のバラツキも平均化されて小さくなるかなくなる。
【0056】
以上、本発明の均一化光学装置とそれを用いた平行光源装置を実施例に基づいて説明してきたが、これら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の均一化光学装置を適用できる1実施例の平行光源装置の構成を示す断面図である。
【図2】レンズアレイの平面図である。
【図3】偏波保存型シングルモード光ファイバの入射端に半導体レーザが結合されている構成を説明するための模式的斜視図である。
【図4】第1偏光合成器、第2偏光合成器それぞれで合成された平行光に対するレンズアレイ相互の位置関係と合成光の強度分布を示す図である。
【図5】無偏光合成器で合成された平行光に対するレンズアレイ相互の位置関係と合成光の強度分布を示す図である。
【図6】図5の変形を示す同様の図である。
【図7】一方のレンズアレイの組み合わせに対する他方のレンズアレイの組み合わせのX方向へのずらし量と面内の光強度分布のバラツキの関係を示す図である。
【図8】図1の平行光源装置の変形例の構成を示す断面図である。
【図9】レンズアレイの変形例の平面図である。
【図10】本発明の1実施例の均一化光学装置を図1の平行光源装置平行光出力側に配置した場合の実施例の断面図である。
【図11】本発明の1実施例の均一化光学装置を図8の平行光源装置平行光出力側に配置した場合の実施例の断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1…正レンズ
2…偏波保存型シングルモード光ファイバ
3…半導体レーザ
4…集光レンズ
5…偏波面
10…レンズアレイ
101 …第1光ファイバコリメータアレイのレンズアレイ
102 …第2光ファイバコリメータアレイのレンズアレイ
103 …第3光ファイバコリメータアレイのレンズアレイ
104 …第4光ファイバコリメータアレイのレンズアレイ
11…第1光ファイバコリメータアレイ
12…第2光ファイバコリメータアレイ
13…第3光ファイバコリメータアレイ
14…第4光ファイバコリメータアレイ
15…第1偏光合成器
16…第2偏光合成器
17…無偏光合成器
18…反射プリズム
19…第1合成平行光
20…第2合成平行光
21…第3合成平行光
22…第4合成平行光
25…偏光合成器
26…無偏光合成器
30…平行光源装置
31…平行光源装置の出力平行光
40…均一化光学装置
411 、412 …均一化素子
421 、422 …全反射鏡
431 、432 、433 …半透過鏡
44…入射面
45…射出面
51…均一化素子からの出力平行光
61…均一化光学装置からの出力平行光
A…偏光合成面
B…偏光合成面
C…無偏光合成面
D…反射面
E…偏光合成面
F…無偏光合成面
G…反射面
H…反射面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光が進む方向をZ方向とし、Z方向に直交し相互に直交する方向をX方向とY方向とするとき、Z方向に対して直交する入射面と射出面とを備え、X−Y面及びY−Z面に対して45°の角度をなすように、相互に平行に離間して2面の全反射鏡が配置され、その2面の全反射鏡の間であって入射面と射出面の間に単数又は複数の半透過鏡が相互に所定の間隔で全反射鏡に平行に配置されて構成されてなる均一化素子を備えてなることを特徴とする均一化光学装置。
【請求項2】
前記均一化素子の射出面側に第2の均一化素子を備えており、前記第2の均一化素子は、X−Y面及びY−Z面に対して45°の角度をなすように、相互に平行に離間して2面の全反射鏡が配置され、その2面の全反射鏡の間であって入射面と射出面の間に単数又は複数の半透過鏡が相互に所定の間隔で全反射鏡に平行に配置されて構成されてなることを特徴とする請求項1記載の均一化光学装置。
【請求項3】
稠密配置した正レンズのレンズアレイと、その正レンズの焦点各々に射出端を配置した偏波保存型シングルモード光ファイバとからなり、その偏波保存型シングルモード光ファイバ各々の入射端に偏光した光が結合され、その射出端の偏光方向が全て同じ方向を向いている2つの光ファイバコリメータアレイを含み、一方の光ファイバコリメータアレイから射出される平行光と他方の光ファイバコリメータアレイから射出される平行光の偏光方向が相互に直交するように選ばれ、両平行光が偏光合成器により合成されるように構成されてなる平行光源装置の平行光射出側に請求項1又は2記載の均一化光学装置が配置されてなることを特徴とする平行光源装置。
【請求項4】
稠密配置した正レンズのレンズアレイと、その正レンズの焦点各々に射出端を配置した偏波保存型シングルモード光ファイバとからなり、その偏波保存型シングルモード光ファイバ各々の入射端に偏光した光が結合され、その射出端の偏光方向が全て同じ方向を向いている4つの光ファイバコリメータアレイを含み、その中の第1光ファイバコリメータアレイから射出される平行光と第2光ファイバコリメータアレイから射出される平行光の偏光方向が相互に直交するように選ばれ、両平行光を合成して第1合成平行光とする第1偏光合成器を備え、第3光ファイバコリメータアレイから射出される平行光と第4光ファイバコリメータアレイから射出される平行光の偏光方向が相互に直交するように選ばれ、両平行光を合成して第2合成平行光とする第2偏光合成器を備え、前記第1合成平行光の一部を透過させ前記第2合成平行光の一部を反射させて両平行光を合成して第3合成平行光とし、前記第1合成平行光の残りの一部を反射させ前記第2合成平行光の残りの一部を透過させて両平行光を合成して第4合成平行光とする無偏光合成器を備え、前記第3合成平行光と前記第4合成平行光を隣接して同じ方向に進む平行光にする偏向手段を含む平行光源装置の平行光射出側に請求項1又は2記載の均一化光学装置が配置されてなることを特徴とする平行光源装置。
【請求項5】
正レンズと、その正レンズの焦点に光源を有し、前記光源から前記正レンズに直線偏光が入射される2つの光コリメータを含み、一方の光コリメータから射出される平行光と他方の光コリメータから射出される平行光の偏光方向が相互に直交するように配置され、両平行光が偏光合成器により合成されるように構成され、前記一方の光コリメータと前記他方の光コリメータが相互にずれている平行光源装置の平行光射出側に請求項1又は2記載の均一化光学装置が配置されてなることを特徴とする平行光源装置。
【請求項6】
正レンズと、その正レンズの焦点に光源を有し、前記光源から前記正レンズに直線偏光が入射される4つの光コリメータを含み、その中の第1光コリメータから出射される平行光と第2光コリメータから出射される平行光の偏光方向が相互に直交するように配置され、両平行光を合成して第1合成平行光とする第1偏光合成器を備え、第3光コリメータから出射される平行光と第4光コリメータから出射される平行光の偏光方向が相互に直交するように配置され、両平行光を合成して第2合成平行光とする第2偏光合成器を備え、前記第1合成平行光の一部を透過させ前記第2合成平行光の一部を反射させて両平行光を合成して第3合成平行光とし、前記第1合成平行光の残りの一部を反射させ前記第2合成平行光の残りの一部を透過させて両平行光を合成して第4合成平行光とする無偏光合成器を備え、前記第3合成平行光と前記第4合成平行光を隣接して同じ方向に進む平行光にする偏向手段を含み、前記第1光コリメータと前記第2光コリメータが相互にずれており、前記第3光コリメータと前記第4光コリメータが相互にずれている平行光源装置の平行光射出側に請求項1又は2記載の均一化光学装置が配置されてなることを特徴とする平行光源装置。
【請求項7】
稠密配置した正レンズのレンズアレイと、その正レンズの焦点各々に光源を有し、前記光源から偏光方向が全て同じ方向を向いている光が入射される2つの光コリメータアレイを含み、一方の光コリメータアレイから射出される平行光と他方の光コリメータアレイから射出される平行光の偏光方向が相互に直交するように配置され、両平行光が偏光合成器により合成されるように構成されてなる平行光源装置の平行光射出側に請求項1又は2記載の均一化光学装置が配置されてなることを特徴とする平行光源装置。
【請求項8】
稠密配置した正レンズのレンズアレイと、その正レンズの焦点各々に光源を有し、前記光源から偏光方向が全て同じ方向を向いている光が入射される4つの光コリメータアレイを含み、その中の第1光コリメータアレイから出射される平行光と第2光コリメータアレイから出射される平行光の偏光方向が相互に直交するように配置され、両平行光を合成して第1合成平行光とする第1偏光合成器を備え、第3光コリメータアレイから出射される平行光と第4光コリメータアレイから出射される平行先の偏光方向が相互に直交するように配置され、両平行光を合成して第2合成平行光とする第2偏光合成器を備え、前記第1合成平行光の一部を透過させ前記第2合成平行光の一部を反射させて両平行光を合成して第3合成平行光とし、前記第1合成平行光の残りの一部を反射させ前記第2合成平行光の残りの一部を透過させて両平行光を合成して第4合成平行光とする無偏光合成器を備え、前記第3合成平行光と前記第4合成平行光を隣接して同じ方向に進む平行光にする偏向手段を含む平行光源装置の平行光射出側に請求項1又は2記載の均一化光学装置が配置されてなることを特徴とする平行光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−301234(P2006−301234A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−121933(P2005−121933)
【出願日】平成17年4月20日(2005.4.20)
【出願人】(000226057)日亜化学工業株式会社 (993)
【Fターム(参考)】