説明

型板用支持梁

【課題】 木質ロッドが梁体と容易に連接でき、連接部材を別に使用することが必要なく、且つ所望の長さを有する支持梁に作製することができる型板用支持梁を提供する。
【解決手段】 梁体30と、梁体30内に設置された木質ロッド65とを含む型板用支持梁20である。梁体30は、その頂部から下へ窪んだ凹設空間50と、凹設空間50の少なくとも一つの側壁52に設けられ、凹設空間50の内部へ突出した少なくとも一つの係り部材60とを有している。木質ロッド65を凹設空間50内に設置した後、木質ロッド65は、少なくとも側面が係り部材60に対応し、凹設空間50から容易に離脱しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建築用装置に係り、特に支持強度および耐用度が向上され木質型板を支持するための型板用支持梁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1に示すのは従来の型板を支持するための従来の木質梁10である。木質梁10は、直立するベース板11を有し、前記ベース板11の頂面と底面とにはホゾ穴継ぎ手13により長形板12に結合する。使用する場合、図2に示すように、建築用支持枠または枠体A上に多数の木質梁10を平行に配列し、それらの木質梁10の頂面に木質型板14を釘で結合させ、これにより、型板が支持され、セメントを型板に注入されると、天井などが形成される。
【0003】
図3と図4は木質型板を支持するための二種類のアルミ梁15、15’であり、前記アルミ梁がアルミ合金の押出し成形品であり、その頂面には一つの収容空間16を有する。一つの木質ロッド17は、収容空間16の一端から挿入して、多数のネジ18により木質ロッド17を収容空間16内に固定する。
【0004】
使用する場合、釘191により型板19を木質ロッドに固定し、型板を支持する効果に達成する。
アルミ梁15、15’に設けられた木質ロッド17が劣化した場合には、木質ロッドを更新する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これは次のような欠点があった。
(イ)木質梁が木材により作製されたものであるので、長時間に使用されると、太陽に照らされたり、水を吸収したり、風に吹かれたりするので、材質が劣化し、強度が低下し易い。そのため、新品に頻繁に交換する必要があり、コストが向上する。
【0006】
(ロ)木質梁は、長時間に使用されると、材質が劣化し、使用寿命が短い。
(ハ)木質梁を作製するために、大量の木材が必要であるので、自然環境の保全に悪影響を与える。
(ニ)木質梁と建築用支持枠との連接が難しいので、その固定が難しい。
(ホ)木質梁の軸方向の連接ができないので、型板の面積に合わせて延長することができず、木質梁を極めて長い寸法に作製する必要がある。そのため、製造が極めて不便であり、輸送コストも向上する。
【0007】
(ホ)上記アルミ梁は木質梁の欠点を解決できるが、木質ロッド24の脱着には、少なくとも4本のネジ18を締結する又は緩めることが必要なので、極めて不便である。
(ヘ)アルミ材料の値段が高くて製造コストがより高く、且つ回収されたアルミ材料の値段も高いので、工事現場でのアルミ梁が盗まれ易く、アルミ梁は木質梁を大量に代わることができない。
(ト)アルミ梁は軸方向の接続ができない。
【0008】
本発明の主な目的は、一つの木質ロッドと、一つの金属製梁体とから構成された型板用支持梁を提供し、前記木質ロッドが前記梁体と容易に連接でき、連接部材を別に使用すること必要のない型板用支持梁を提供することにある。
また、本発明の次な目的は、多数の支持梁を軸方向に連接することにより、所望の長さを有する支持梁に作製することができる型板用支持梁を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためになされた本願の発明は、一つの梁体と、前記梁体に取り付けた木質ロッドとを備える型板用支持梁であって、前記梁体は、金属製のものであり、単一の断面形状を有し、その断面構成には、互いに平行し適当な距離が形成される二つの立設壁と、前記立設壁の頂縁に垂直に連接された一つの頂壁と、前記頂壁から内側へ窪み、二つの側壁を有し、前記側壁と立設壁の間には適当な距離を保持する凹設空間と、水平を呈し、二つの前記立設壁の底端にそれぞれ設けられた二つの底板と、少なくとも一つ設置され、前記凹設空間の少なくとも一つの側壁に設けられ、多数の係り部を有し、前記係り部が適当な距離を置いて梁体の縦方向に沿って設けられ、前記係り部が凹設空間へ延びた係り部材とを有し、木質ロッドは、上から下へ前記凹設空間に装入され、二つの側面がそれぞれ二つの係り部材に噛み合って前記凹設空間から離脱しないことを要旨としている。
【0010】
本願の発明では、前記係り部は、反逆鉤形状を呈し、その底縁が頂縁よりも前記凹設空間へ延びていることを特徴とする請求項1に記載の型板用支持梁であることを要旨としている。
本願の発明では、前記係り部材の隣接する二つ係り部が異なる高さに位置していることを特徴とする請求項1に記載の型板用支持梁であることを要旨としている。
本願の発明では、二つの前記底板が立設壁の底端から内側へ伸び、前記梁体は更に前記底板の自由端から上へ延びた立設縁を有することを特徴とする請求項1に記載の型板用支持梁であることを要旨としている。
【0011】
本願の発明では、前記二つの立設縁はそれぞれ二つの前記側壁に上下方向に対応することを特徴とする請求項4に記載の型板用支持梁であることを要旨としている。
本願の発明では、二つの前記立設壁にはさらに予定数量を有する補強部を別に設けてもよいことを特徴とする請求項1に記載の型板用支持梁であることを要旨としている。
【0012】
本願の発明では、前記梁体の両端には二つの前記立設壁を横方向に貫通した貫通孔がそれぞれ開設され、前記底板が立設壁の底端から内側へ伸び、一つの矩形チューブを有し、前記矩形チューブの両端にある側壁面には一つの立設板がそれぞれ設けられている一つの連接部材と、前記連接部材の両端にそれぞれ設けられた二つの横方向貫通孔と前記連接部材の貫通孔と、前記梁体の貫通孔とを締結するための締結部材とをさらに備え、前記連接部材が梁体内に挿入され、前記立設板の頂端と底端とが前記梁体の頂壁と底板とにそれぞれ当接することを特徴とする請求項1に記載の型板用支持梁であることを要旨としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る型板用支持梁によれば、次のような効果がある。
(イ)梁体に設けられた係り部材により、木質ロッドが梁体にある収容空間内に固定され、木質ロッドの固定は固定素子を別に使用することが必要なく、取付けが簡単化になり、且つ木質ロッドを取付けた後、木質ロッドが梁体を離脱できず前後に移動することができない。
【0014】
(ロ)支持梁は金属製の梁体を主要な力受け部位とし、その強度が劣化せず、使用寿命が長くなる。且つ、梁体は幾何強度が極めて良いので、図5に示すような圧力Fおよび撓み力Tを受けることができる。
(ハ)木質ロッドが劣化すると、許容範囲以内の劣化であれば、木質ロッドは継続して使用することが可能となる。一方、許容範囲以上の劣化であれば、木質ロッドを更新することができるので、極めて便利である。
(ニ)本発明では使用される木材の数量が従来のものより少ないので、環境保全に優しい。且つ木質ロッドは、型板を連接するためのものとして使用されるので、使用寿命が従来の木質梁よりも長く、使用コストが低減できる。
(ホ)支持梁の底端は、連接部材により建築用支持枠のエの字形の梁に横方向に連接することができるので、型板を固定することが容易になり、定位効果が極めて良い。
【0015】
(へ)本発明の構造は強度が極めて高く、より大きな荷重を受けることができるので、より少ない数量でより低い配列密度で建築枠体に取り付けることができる。したがって、所望の支持効果を達成することができ、これにより、作業工数が低減でき、作業効率も向上する。
(ト)支持梁は軸方向に連接することができるので、所定長さを持つ支持梁に作製することができ、製造が便利になり、運搬や輸送や倉庫管理が容易になり、且つ本発明に係る支持梁は工事現場で所望長さに連接することができる。
(チ)本発明はスチールや鉄で作製され、素材の値段がアルミより安いので、盗難がより少なく、木質梁を大量に代わることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
図5および図6に示すのは、本発明の第1実施例による支持梁20であり、前記支持梁20は、一つの梁体30と、一つの木質ロッド65とを含む。
前記梁体30は、金属製のものであり、単一の断面形状を有し、その断面構成には、
互いに平行し適当な距離が置かれた二つの立設壁40と、
前記立設壁40の頂縁に垂直に連接された一つの頂壁42と、
前記頂壁42から内側へ窪み、梁体30の中央に位置し、二つの側壁52を有し、前記側壁52と立設壁40の間には適当な距離を保持する凹設空間50と、
水平を呈し、二つの前記立設壁40の底端にそれぞれ設けられた二つの底板54とを有する。そして各底板54の自由端から上へ適当な高さに伸びた立設縁56が設けられている。各底板54の幅は頂壁42の両側に残った幅Wと一致であり、図7に示すように、各立設縁56は前記凹設空間の各側壁52に上下方向に対応する。
【0017】
前記梁体30の構成は、更に二つの係り部材60を有し、前記凹設空間50の二つの側壁52に設けられる。本実施例では、各係り部材60は多数の係り部62を有し、前記係り部62は、各側壁52を内側へプレス加工で形成されたものであり、前記凹設空間50の内部に突出する。これらの係り部62は、適当な距離を置いて梁体30の縦方向に沿って設けられる。図7に示すように、前記係り部62は、反逆鉤状を呈し、その底縁が頂縁よりも前記凹設空間50へ延びている。
【0018】
更に、梁体の二つの前記立設壁40は、予定数量を有する補強部57を別に設けてもよく、前記補強部57は、窪んだ凹部でもいいし、突出した凸部でもよい。
前記木質ロッド65は、その長さが前記梁体30と一致し、その幅が前記凹設空間50に対応する幅である。前記木質ロッド65は、図8に示すように、上から下へ装入される。前記係り部62は反逆鉤形状を呈するので、前記木質ロッド65が上から下へ装入できる。木質ロッド65が装入された後、反逆鉤形状を呈する前記係り部62が木質ロッド65を噛む。係り部と木質ロッドの固定強度が極めて高いので、木質ロッドが前記凹設空間50から容易に離脱することはない。また、これらの係り部62が木質ロッドを所定の間隔で噛み合うので、図9に示すように、木質ロッドが梁体の軸方向に沿って摺動できない。
【0019】
使用するときには、図8に示すように、支持梁20の頂面に木質型板66を水平に設置し、釘体68により木質型板66を木質ロッド65に固定した後、セメントを型板に注入することができる。
図10に示すように、前記支持梁は、建築用支持枠のエの字形梁22上に設置して、一つの連接部材25でエの字形梁22と連接することができる。前記連接部材25は、その両端には鉤縁261がそれぞれ設けてあり水平状を呈する頂部26と、頂端が前記頂部26に固定されたネジ27と、前記ネジ27を嵌めた押し素子28とを有する。
組み付けるときには、前記連接部材25の頂部26で梁体30の底端の両側を跨り、ナット29を締めて押し素子28を緊迫する場合には、押し素子28がエの字形梁22を挟み固定し、前記頂部26が梁体を係り連接する。これにより、梁体30とエの字形梁22が結合する。
【0020】
図11と図12に示すのは、本発明の第2実施例および第3実施例である。第2実施例または第3実施例では、梁体100、110の二つの側面に設けられた補強部105、115がそれぞれ異なる形状を呈する。
図13と図14を参照する。一つの連接部材120により二つの支持梁20は軸方向に連接することができ、前記連接部材120は一つの矩形チューブ122を有し、前記矩形チューブ122の両端にある壁面には一つの立設板124がそれぞれ設けてある。
【0021】
使用するとき、連接部材120の両端が二つの支持梁の梁体30内にそれぞれ装入され、各立設板124の頂端と底端とがそれぞれ頂壁42と底板54に当接する。そうすると、連接部材120と梁体30が安定な連接構造になり、連接する箇所での強度が極めて良い。そして連接部材120にある貫通孔126と梁体30にある貫通孔32とにネジ125を挿通して締結すると、それらが固定される。
【0022】
図15に示すのは、本発明の第4実施例による支持梁140である。当該梁体150の各側壁152には係り部154が多数に設けてあり、その隣接する二つの係り部154が異なる高さに位置する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】型板を支持するための従来の木質梁を示す斜視図である。
【図2】図1の使用状態を示す概略図である。
【図3】従来のアルミ梁を示す側面図1である。
【図4】従来のアルミ梁を示す側面図2である。
【図5】本発明の第1実施例による型板用支持梁を示す斜視図である。
【図6】図5の分解斜視図である。
【図7】図6における梁体の断面図である。
【図8】図5の断面図である。
【図9】図5の平面図である。
【図10】本発明の第1実施例による型板用支持梁をエの字形梁に連接した状態を示す概略図である。
【図11】本発明の第2実施例による型板用支持梁を示す斜視図である。
【図12】本発明の第3実施例による型板用支持梁を示す斜視図である。
【図13】2本の支持梁を軸方向に連接した状態を示す概略図である。
【図14】図13の断面図である。
【図15】本発明の第4実施例による型板用支持梁を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0024】
10 木質梁、11 ベース板、12 長形板、13 ホゾ穴継ぎ手、14 木質型板、A 枠体、15、15’ アルミ梁、16 収容空間、17 木質ロッド、18 ネジ、19 型板、191 釘、20 支持梁、22 エの字形梁、24 木質ロッド、25 連接部材、26 頂部、261 鉤体、27 ネジ、28 押し素子、29 ナット、30 梁体、32 貫通孔、40 立設壁、42 頂壁、50 凹設空間、52 側壁、54 底板、56 立設縁、57 補強部、60 係り部材、62 係り部、65 木質ロッド、66 木質型板、68 釘体、100、110 梁体、105、115 補強部、120 連接部材、122 矩形チューブ、124 立設板、125 ネジ、126 貫通孔、140 支持梁、150 梁体、152 側壁、154 係り部、W 幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの梁体と、前記梁体に取り付けた木質ロッドとを備える型板用支持梁であって、
前記梁体は、金属製のものであり、単一の断面形状を有し、
その断面構成には、
互いに平行し適当な距離が形成される二つの立設壁と、
前記立設壁の頂縁に垂直に連接された一つの頂壁と、
前記頂壁から内側へ窪み、二つの側壁を有し、前記側壁と立設壁の間には適当な距離を保持する凹設空間と、
水平を呈し、二つの前記立設壁の底端にそれぞれ設けられた二つの底板と、
少なくとも一つ設置され、前記凹設空間の少なくとも一つの側壁に設けられ、多数の係り部を有し、前記係り部が適当な距離を置いて梁体の縦方向に沿って設けられ、前記係り部が凹設空間へ延びた係り部材とを有し、
木質ロッドは、上から下へ前記凹設空間に装入され、二つの側面がそれぞれ二つの係り部材に噛み合って前記凹設空間から離脱しないことを特徴とする型板用支持梁。
【請求項2】
前記係り部は、反逆鉤形状を呈し、その底縁が頂縁よりも前記凹設空間へ延びていることを特徴とする請求項1に記載の型板用支持梁。
【請求項3】
前記係り部材の隣接する二つ係り部が異なる高さに位置していることを特徴とする請求項1に記載の型板用支持梁。
【請求項4】
二つの前記底板が立設壁の底端から内側へ伸び、前記梁体は更に前記底板の自由端から上へ延びた立設縁を有することを特徴とする請求項1に記載の型板用支持梁。
【請求項5】
前記二つの立設縁はそれぞれ二つの前記側壁に上下方向に対応することを特徴とする請求項4に記載の型板用支持梁。
【請求項6】
二つの前記立設壁には、さらに所定の数量を有する補強部を別に設けてもよいことを特徴とする請求項1に記載の型板用支持梁。
【請求項7】
前記梁体の両端には二つの前記立設壁を横方向に貫通した貫通孔がそれぞれ開設され、前記底板が立設壁の底端から内側へ伸び、
一つの矩形チューブを有し、前記矩形チューブの両端にある側壁面には一つの立設板がそれぞれ設けられている一つの連接部材と、
前記連接部材の両端にそれぞれ設けられた二つの横方向貫通孔と
前記連接部材の貫通孔と、前記梁体の貫通孔とを締結するための締結部材とをさらに備え、
前記連接部材が梁体内に挿入され、前記立設板の頂端と底端とが前記梁体の頂壁と底板とにそれぞれ当接することを特徴とする請求項1に記載の型板用支持梁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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