説明

埋め込み可能バルブをプログラムするためのツール及び方法

【課題】 埋め込み可能バルブを読み取り及び調整するための2部分ツール、並びに使用法を提供する。
【解決手段】 ツールは、バルブを覆う患者の皮膚上にかみ合うように配置されるとバルブ設定の磁気的読み取りを提供するロケータ・インジケータ部品を備える。ツールは、ロケータ・インジケータ部品と結合すると共にバルブ設定を変更するように回転可能なアジャスタ部品も備える。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、概して外科的に埋め込み可能な液体排出システムに関する。更に詳細には、本発明は、脳脊髄液排出に用いられる調整可能なバルブを読み取る及び設定するための体外ツールに関する。
【0002】
〔発明の背景〕
水頭症は、脳の脳室、すなわち空洞内での脳脊髄液(CSF)の異常な蓄積によって引き起こされる神経学的症状である。水頭症は、乳児、子供及び大人に影響を及ぼし、脳内でのCSFの通常の排出がなんらかの形で阻害されるときに起こる。そのような阻害は、例えば、遺伝的素因、脳室内出血又は頭蓋内出血、髄膜炎等の感染、又は頭部の外傷を含む多数の要因によって起こり得る。CSFの流れの阻害は、結果的に、CSFが脳室システムによって生成される割合と、CSFが血流に吸収される割合との不均衡を生じさせる。この不均衡は、脳への圧力を増加させ、脳室を拡張させる。治療せずにいると、水頭症は、硬膜下血腫、脳細胞の圧縮、及び血流障害を含む、深刻な医学的状況を結果としてもたらし得る。
【0003】
水頭症は、脳室から、右心房、腹膜、又はCSFが循環系の一部として吸収され得る体の他の場所等の体の別の区域へとCSFの流れを分流するために、シャントシステムを外科的に挿入することによって、治療することが最も頻繁である。種々のシャントシステムが、水頭症の治療のために開発されてきた。典型的には、シャントシステムは、脳室カテーテル、シャントバルブ及び排出カテーテルを備える。シャントシステムの1つの端において、脳室カテーテルは、第1の端が患者の脳室内にあるように患者の頭蓋の穴を通じて挿入される第1の端、及び典型的にはシャントバルブの入口部分に結合されている脳室カテーテル第2の端を有することができる。脳室カテーテルの第1の端は、CSFがシャントシステムに入ることを可能にするための複数の穴又は孔を包含できる。シャントシステムのもう一方の端において、排出カテーテルは、シャントバルブの出口部分に取り付けられる第1の端及び血流に再吸収されるためにCSFがシャントシステムから出るのを可能にするように構成されている第2の端を有する。典型的には、シャントバルブは、埋め込み後に医師によって患者の皮膚を通じて触診可能である。
【0004】
シャントバルブは、種々の構成を有することができ、埋め込み後に液体排出の特性の調整を可能にするように設計することができる。調整が必要になる毎の侵襲的外科手順を避けるために、圧力閾値の外部調整を可能にすることが概して好ましい。いくつかのシャントシステムでは、シャントバルブはバルブの圧力閾値を制御するために、磁化された回転子を包含する。医師は、その後強力な磁石を含む磁気のプログラマー等の外部調整機構を用いて、シャントバルブの圧力閾値を調整することができる。磁気的にプログラム可能なバルブの1つの問題点は、外部磁界の誤った適用によるバルブの意図しない調整の可能性である。バルブの意図しない調整は、硬膜下血腫等の危険な症状を結果としてもたらし得る、CSFの過剰排出又は過少排出のいずれかにつながり得る。例えば、磁気のプログラマーによるバルブへの物理的なアプローチの方向、又はバルブに対する不適切な初期の磁気のプログラマーの回転方向は、バルブの設定を不注意に変更する可能性を有する。
【0005】
バルブの設定を外部から読み取る又は検証することが可能であることも重要である。いくつかの調整可能なバルブでは、調整前後にX線影像を用いてバルブの現在の設定を確認する。他の調整可能なバルブでは、患者の皮膚の外に、バルブ上に位置する磁気コンパス様の装置を用いて、バルブにおける回転子の方向は磁気的に読み取ることができる。
【0006】
バルブ設定を読み取るための他のツール及び方法が存在しているように、CSFシャントバルブ設定を調整するためのツール及び方法が存在しているが、意図しない調整の可能性が低減されている磁気的にプログラム可能なバルブシステム、並びに埋め込み可能バルブ設定の調整及び検証のいずれも提供するツール及び方法が必要とされている。
【0007】
〔発明の概要〕
したがって、本発明は、磁気的に調整可能な、埋め込み可能バルブの設定を外部から読み取る及び変更するための一体化ツール及び方法を提供する。
【0008】
本発明の一態様は、埋め込み可能バルブの設定を読み取る及び変更するためのツールである。種々の実施形態では、ツールは流量又は圧力を制御するバルブと共に用いられ、CSF排出制御バルブであってもよい。バルブは外側断面及び、関連する磁界を有する内側磁気回転子を有する。ツールは、対向する上面及び下面を有するロケータ・インジケータを備える。シャフトは、上面から延びる。シャフトは上面に実質的に垂直である長手方向軸を有し、一実施形態では、シャフトが上面に回転可能に結合され、ロケータ・インジケータは上面に対するシャフトの相対的な回転方向を示すマーキングを備える。
【0009】
ロケータ・インジケータの下面は、バルブの外側断面にかみ合うように相補的な内側断面図を有するバイアス凹部を備える。バイアス凹部は、埋め込みバルブを覆う患者の皮膚上に、バルブに近接して、軸を中心にして固有の回転方向に位置づけられるように構成される。この位置において、軸はバルブの回転子を通じて伸びる。
【0010】
ロケータ・インジケータは、回転子の回転方向、したがってバルブの設定を読み取るために用いることができる磁気インジケータを備える。一実施形態では、インジケータは上面と下面との間に軸を中心に回転可能に取り付けられ、インジケータは回転子の磁界の影響下で、回転子と位置合わせするように回転できる。ツールは、軸に沿ってシャフト上にスライドすることができる磁気アジャスタも備える。アジャスタは、軸を中心にしたアジャスタの回転に応答して軸を中心に回転子を回転させるための強力な磁界を有する。したがって、軸を中心にしてアジャスタを回転させることは、バルブの設定、例えば、圧力又は流量の制御の設定を変更するために用いることができる。
【0011】
本発明の別の態様は、患者に埋め込まれている磁気的に読み取り可能及び設定可能なバルブの現在の設定を読み取る及び変更するためのツールであって、バルブは患者の皮膚を通じて触診可能な物理的形状及び方向を有する。ツールは、下面及び上面を有するハウジングを備える。ツールが患者の皮膚上のバルブにわたって配置される際に、皮下のバルブの方向と一致するように配向することができるように、下面は触診可能な形状に相補的な物理的形状を有する。
【0012】
シャフトがハウジングの上面から実質的に垂直に延び、シャフトの一方の端が上面に結合される。一実施形態では、シャフトは上面に実質的に垂直に配向される軸を中心に回転可能である。上面に対していくつかの既定の回転位置、例えば、8つの位置のうちのいずれか1つに、軸を中心にして回転されると、回転可能なシャフトと上面との間の結合は可聴、可視、又は触覚のフィードバックのうちの1つ以上をユーザに提供できる。
【0013】
ツールは、少なくとも部分的にハウジング内に収納され、回転可能に取り付けられるディスクを備える。ディスクが軸を中心に自由に回転することができるか、又は機械的ロックが、ディスクが自由に回転することを妨げるように設定することができる。ツールの下面が触診可能な形状上に位置し、いずれの機械的ロックも係合していないとき、ディスクは、コンパスニードル様であり、現在のバルブ設定を示すバルブの回転方向に磁気的に自身を位置合わせする。ディスクは、軸を中心にするディスクの回転方向を示す少なくとも1つの可視マーキングを有し、上面は少なくとも1つのマークを見るための窓を備えることができる。
【0014】
ツールは、軸に沿って、シャフト上にスライド可能及び除去可能に取り付けられる磁気的要素を更に備える。磁気的要素は、ディスク形状であってもよく、シャフトを受け入れるための中央開口を備えてもよい。更に、磁気的要素がただ1つの回転方向においてシャフト上にスライドすることができ、また磁気的要素が軸を中心に回転するとシャフトが磁気的要素と共に回転するように、開口及びシャフトは互いに回転するようにキー止めすることができる。磁気的要素がシャフト上に取り付けられて軸を中心に回転される際、磁気的要素はバルブの設定を変更することができる。磁気的要素がシャフトに取り付けられていない場合、例えば、磁気的要素が、シャフトの長さよりも上面から離れている場合に、ツールは、バルブ設定を変更することができないように構成することもできる。ツールは、磁気的要素の軸を中心にした回転方向によって決定されたバルブ設定を表示するマーキングも備えることができる。
【0015】
本発明の更に別の態様は、患者に埋め込まれる磁気的に読み取り可能及び設定可能なバルブの現在の設定を読み取り及び変更するための方法である。バルブは、患者の皮膚を通じて触診可能な物理的形状及び方向を有する。本方法では、第1のツール部分が提供され、第1の部分は上面及び下面を有する。下面は、患者上の触診可能な形状にわたってかみ合うようにフィットするように構成されている。第1の部分は、バルブの設定を読み取るための磁気インジケータを備える。シャフトは、上面から延び、シャフトは軸を有する。ツールの第1の部分が患者上の触診可能な形状に近接してかみ合うように位置づけられ、シャフトが患者から実質的に離れる向きに延びる。ツールの第1の部分が触診可能な形状にわたって配置され、現在のバルブ設定が磁気インジケータを用いて読み取られる。
【0016】
第2のツール部分も提供され、第2のツール部分は第1の部分とかみ合うようにシャフトにわたって除去可能にスライドするように構成される。第2の部分は、第2の部分が軸を中心にして回転されると、バルブの設定を変更するように構成されている磁石を備える。第2の部分は軸に沿って、シャフトにわたってスライドされて、第1の部分とかみ合う。第1の部分とかみ合うと、第2の部分が軸を中心に回転されて、望ましい新しい設定にバルブ設定を変更する。ツールの第2の部分は、第1の部分からスライドされて離れ、除去され、新しいバルブ設定を、磁気インジケータを用いて検証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明は、添付の特許請求の範囲で詳細に記載される。本発明の上述の態様及び更なる態様は、添付図面と共に以下の説明を参照することによってよりよく理解することができ、添付図面において、種々の図の同様の数字は同様の構造要素及び特徴を示す。図面は必ずしも縮尺通りではなく、本発明の原理を示す際に代わりに強調されている。
【図1】本発明による2部品ツールの一実施形態を示す透視図。
【図2A】図1のツールの2つの部品を示す平面図。
【図2B】図1に示される2部品ツールのロケータ・インジケータ部品の底面図。
【図3A】本発明による2部品ツールの別の実施形態。
【図3B】本発明による2部品ツールの別の実施形態。
【図3C】本発明による2部品ツールの別の実施形態。
【図4】埋め込まれた、磁気的に調整可能なバルブを、本発明のツールを用いて読み取り及び設定するための方法の一実施形態。
【図5A】埋め込まれた、磁気的に調整可能なバルブを、本発明のツールを用いて読み取り及び設定するための方法の一実施形態。
【図5B】埋め込まれた、磁気的に調整可能なバルブを、本発明のツールを用いて読み取り及び設定するための方法の一実施形態。
【図5C】埋め込まれた、磁気的に調整可能なバルブを、本発明のツールを用いて読み取り及び設定するための方法の一実施形態。
【図6A】埋め込まれた、磁気的に調整可能なバルブを、本発明のツールを用いて読み取り及び設定するための方法の一実施形態。
【図6B】埋め込まれた、磁気的に調整可能なバルブを、本発明のツールを用いて読み取り及び設定するための方法の一実施形態。
【図6C】埋め込まれた、磁気的に調整可能なバルブを、本発明のツールを用いて読み取り及び設定するための方法の一実施形態。
【図6D】埋め込まれた、磁気的に調整可能なバルブを、本発明のツールを用いて読み取り及び設定するための方法の一実施形態。
【0018】
〔詳細な説明〕
本発明のツール及び方法は、医師が一貫してかつ信頼して、埋め込み可能な、磁気的に設定可能なバルブ(「バルブ」)の設定を読み取り及び変更する(すなわち、「調整する」)ことを可能にする。バルブは、現在の設定から標的とする設定にバルブを調整するために、外部から加えられる磁界によって回転子軸を中心に回転可能な磁気回転子を備える。例示的な一実施形態では、バルブは患者の頭蓋下に埋め込まれ、水頭症を有する患者のCSF排出の流れ及び圧力のうち少なくとも1つを制御するために用いられる。
【0019】
図をより詳細に参照すると、図1は透視図で、本発明の2部品ツール100の一実施形態を示す。ツール100は、ロケータ・インジケータ部品102及びアジャスタ部品104を備える。図2Aは、ロケータ・インジケータ部品102及びアジャスタ部品104の平面図を示し、図2Bはロケータ・インジケータ部品102の底面図を示す。ロケータ・インジケータ部品102は、上面108、下面110、及び中央ツール軸114を有する実質的に円筒形の外側面112を有するハウジング106を備える。外側シャフト面118を有するシャフト116は、ハウジング106の上面108からツール軸114に沿って延びる。シャフト116はシャフト端120において終端をなし、上面108とシャフト端120との間の長手方向シャフト長さを有する。一実施形態では、外側シャフト面118は、横断面でツール軸114を中心に実質的に円筒形である。別の実施形態では、外側シャフト面118は、横断面でツール軸114を中心に実質的に多角形である。
【0020】
下面110はバイアス凹部122を備える。バイアス凹部122は、好ましくは患者の頭皮を通じて触診可能であるように、バルブに形状においてかみ合うように相補的(図1、図2A、又は図2Bには示されていないが、図4において破線で示されている)であるように構成されている。本明細書において、用語「バイアス(biased)」は、凹部122が、埋め込みバルブを覆う頭皮上にかみ合うように位置づけられることができる非円形の横断面を、頭皮上の所定の位置及びツール軸114を中心にした固有の回転方向においてのみ有することを示すために用いられる。更に、ロケータ・インジケータ部品102は、バイアス凹部122がバルブを覆う頭皮上にかみ合うように位置づけられると、ツール軸114がバルブの磁気回転子の回転軸を通じて位置合わせするように構成されている。一実施形態では、触診可能な形状は、種々の形状のうちのいずれでもあり得る、バルブの製造された形状に接近して対応する。
【0021】
ハウジング106内には実質的にツール軸114を中心に回転可能に取り付けられる磁気的読み取りディスク124が封入されている。読み取りディスク124には対応する複数のバルブの設定に関連づけられる、周囲方向に分布した複数のマーキング126が設けられている。一実施形態では、ハウジング106の上面108は光学的に不透明であり、窓128を備え、図1及び図2Aに示すようにその窓を通じて複数のマーキング126のうちのただ1つを見ることができる。複数のバルブの設定は、バルブ内の磁気回転子の複数の回転方向に対応する。一実施形態では、複数のマーキング126は、読み取りディスク124の上面に45度の角度間隔で位置づけられる、8個の等しく間隔を空けたマーキングを備える。別の実施形態では、複数のマーキング126は、数値的マーキングを含む。任意の数のバルブ設定及び任意の種類の対応するマーキングが、本発明の趣旨の範囲に含まれるように意図されていることを理解されたい。
【0022】
読み取りディスク124は磁気的であり、その磁界は複数のマーキング126に対するツール軸114を中心にした所定の回転方向を有する。読み取りディスク124は、所定の方向を提供するために、磁性材料から製造することができるか、又は実質的に、1つ以上の磁石が取り付けられているか又は内部に組み込まれている非磁性材料から製造することができる。読み取りディスク124は、ツール軸114を中心にした、外部磁界に応じた磁気コンパスニードルの回転の様式での回転のために取り付けられ、磁気回転子に近接して配置されるとき、自身を回転するように磁気回転子の磁気的方向に向けることができる。読み取りディスク124は、バルブを調整するには磁力が弱すぎる。一実施形態では、窓128を通じて可視である複数のマーキング126のうちの1つはバルブ設定を示す。
【0023】
一実施形態では、読み取りディスク124は、解放機構が作動されるときを除いてツール軸114を中心にした自由な回転が機械的に制限されている。ディスクは、読み取りディスク124の自由な回転を解放可能に妨げる任意の種類の機構によって機械的に制限することができる。一実施形態では、読み取りディスク124は、弾性的に負荷がかかる押しボタン130を手動で押すことによって読み取りディスク124から遠ざかるように移動することができる部品を含む弾性的に負荷がかかる機械的なリンケージによって、回転を制限される。解放機構を作動させることによって、回転子の磁界と位置合わせするために読み取りディスク124を解放してツール軸114を中心に自由に回転させる。押しボタン130は、ツール100のユーザによる作動のための便利なアクセスを提供する、ロケータ・インジケータ部品102の表面上のいずれの場所にも提供することができる。図1に示す実施形態では、押しボタン130はシャフト端120上に位置づけられる。
【0024】
一実施形態では、シャフト116は、シャフト116がハウジング106に対して軸114を中心に複数のバルブの設定に対応する複数の好ましい回転方向のうちの任意の1つに回転することができるように、ハウジング106に回転可能に取り付けられる。更なる実施形態では、可視マーク132は外側シャフト表面118の外側に回転位置基準として提供され、ハウジング106は、複数の好ましい回転方向のそれぞれに1つ以上のインジケータを備えている。1つ以上のインジケータは、ハウジング106の表面上の放射状マーキング134、番号136若しくはハウジング106の表面上の他の記号、戻り止め、又はシャフト116が好ましい方向に回転するとクリック音等の視覚的、触覚的、若しくは聴覚的なフィードバックを提供する他の手段を含むがこれらに限定されない任意の種類の位置インジケータであってよい。
【0025】
アジャスタ部品104は実質的に円の外側断面を有するディスク137、及び、アジャスタ部品104をロケータ・インジケータ部品102上に解放可能に取り付けるために、シャフト116にスライドしてフィットするように構成されている内面140を有する実質的に中央の開口138を備えるのがわかる。別の実施形態では、アジャスタ部品104の外側断面は多角形である。一実施形態では、内面140は、突起付リング、Oリング、又は、外側シャフト表面118上の1つ以上の対応する物理的特徴部144と係合するように構成され、確実な位置決め、例えば、アジャスタ部品104のシャフト116への解放可能な「スナップ嵌め」を提供する別の特徴部であってよい物理的特徴部142を含む。この実施形態の対応する物理的特徴部142、144は、図1にのみ示されている。確実な位置決めは、バルブ調整中のアジャスタ部品104のシャフト116に沿った反復可能な軸位置と、使用の合間のツール100の保管中のアジャスタ部品104の安定したドッキング場所との両方を提供する。
【0026】
一実施形態では、開口138及びシャフト116はアジャスタ部品104上のキー止め機能146及びシャフト116上の相補的なキー止め機能148を用いて、互いに回転するようにキー止めされる。この実施形態では、代替的な可視マーク150は、シャフト116上の可視マーク132を補う又は置換するためにアジャスタ部品104上に提供することができる。アジャスタ部品104がロケータ・インジケータ部品102に取り付けられた状態で、アジャスタ部品104は軸114を中心に回転することができる。アジャスタ部品104とシャフト116との間で回転キー止めを含む実施形態では、アジャスタ部品104が軸114を中心に回転するとき、シャフト116はハウジング106に対してアジャスタ部品104と共に回転する。
【0027】
アジャスタ部品104は磁気的であり、ツール軸114を中心に回転子を回転させ、それによって(回転子に近接して)ロケータ・インジケータ部品102上に取り付けられるアジャスタ部品104が軸114を中心に回転されるときバルブ設定を現在の設定から標的設定に変更するのに十分に強力な磁界を提供する。回転中に、可視マーク132及び代替的な可視マーク150のいずれか一方又は両方が1つ以上のインジケータ134、136に参照されて標的とする回転設定を同定し、それによって標的とする設定にバルブを調整する。
【0028】
図3Aに示される代替の一実施形態200では、代替のロケータ・インジケータ部品102’は、外側シャフト表面118上に位置づけられる代替の解放押しボタン130’を備える。この実施形態では、手動で作動されるように構成されている代替の押しボタン130’に加えて、アジャスタ部品104をロケータ・インジケータ部品102’に軸方向に取り付けることによって、代替の押しボタン130’を押し下げて解放機構を作動させ、読み取りディスク124を解放してアジャスタ部品104の磁界との方向に回転させる。ここで図3Bを参照すると、アジャスタ部品104がシャフト116上に軸方向にスライドされる(202)と、内面140によって係合されるときに、図3Cに示されるように代替の押しボタン130’が押し下げられているのがわかる。これらの2つの部品が互いに非常に近接しているとき、読み取りディスク124を解放してアジャスタ部品104の強力な磁界との方向に回転させることによって、アジャスタ部品104の比較的強力な磁界が読み取りディスク124のずっと弱い磁化の方向を永続的に修正する可能性を低減させる。
【0029】
別の実施形態では、アジャスタ部品104及びロケータ・インジケータ部品102は、共に回転するようにキー止めされておらず、ツール軸114を中心に、アジャスタ部品104は自由にシャフト116上で回転する。この実施形態では、アジャスタ部品104の代替的な可視マーク150がバルブの調整中に1つ以上のインジケータ134、136に参照される。更に別の実施形態では、ロケータ・インジケータ部品102はバイアス凹部122及びシャフト116を備えるが、バルブを読み取るための手段は備えない。
【0030】
本発明による、2部品ツール100を用いて埋め込まれた磁性バルブを読み取り及び調整するための方法が、図4〜図6Dに概略的に示されている。まず図4を参照すると、バルブ読み取り及び調整のための準備において、ロケータ・インジケータ部品102及びアジャスタ部品104を含む2部品ツール100が、患者の頭皮304と頭蓋306との間に先行して埋め込まれているバルブ302を調整するために提供される。バルブ302は、バルブ302を調整するために、外部から加えられる磁界に応答して回転子軸310を中心に回転することができる磁気回転子308を備える。バイアス凹部122は、形状がバルブ302にかみ合うように相補的であるように、好ましくは、頭皮304を通じて触診可能であるように、構成されているのがわかる。
【0031】
バルブ302は、回転子軸310を中心に非円形の横断面を有しているように見え、回転子308は、バルブ302内で中枢に位置づけられているようには見えない。この非対称は、バイアス凹部122が回転子軸310を中心とする固有の回転方向にのみ、頭皮304上のバルブ302にわたってかみ合うように位置づけられることができることを確実にする。解放ボタン130は、図4では作動されていない(押し下げられていない)ように見え、そのため読み取りディスク124は軸114を中心に自由に回転できず、バルブの設定は読み取られていない。
【0032】
ここで図5Aを参照すると、場所決め及び指示ステップ320において、ロケータ・インジケータ部品102がバルブ302上方の頭皮304上に実質的に位置づけられて、バルブ302を覆う頭皮304上のバイアス凹部122にかみ合うようにフィットしているのがわかる。バイアス凹部122がバルブ302にわたってかみ合うように位置づけられた状態で、ツール軸114は回転子軸310と実質的に同一線上にあるのがわかる。この位置合わせは、バルブ308の正確な読み取り及び調整の両方を支援する。更に、バイアス凹部122は軸114を中心にした単一の回転方向にバルブ302にわたってフィットし、したがって、ツール100上の角度によって決まるマーキングが軸114を中心にバルブ302に対して固有に配向されることを確実にする。
【0033】
更に、図5Aでは、解放押しボタン130が押される(322)ように見え、読み取りディスク124を解放して、回転子308の磁界と位置合わせするように軸114を中心に回転させ、それによって、バルブ302の現在の設定の読み取りを提供する。一実施形態では、押しボタン130が数秒間押され(322)て、安定した読み取りを獲得し、その後解放されて、回転してロックされた読み取りディスク124を用いてバルブ308の現在の設定の安定した表示を提供する。
【0034】
バルブ302の読み取りの一例において、図5Bは押しボタン130が押される前の、ロケータ・インジケータ部品102の平面図324を示す。ディスク124上の複数のマーキング126の第1のマーキング326は、窓128を通じて可視であるのがわかる。マーキング126の第1のマーキング326は、バルブ302の読み取りを表さない。図5Cは、押しボタン130が押され(322)、ディスク124が回転子308の磁界と位置合わせするように回転した後(328)のロケータ・インジケータ部品102の平面図を示す。ディスク124上の複数のマーキング126の第2のマーキング330は、ここで窓128を通じて可視であるように見え、バルブ302の現在の読み取りに対応する。
【0035】
ここで、調整ステップ330にある図6Aを参照すると、アジャスタ部品104が、ツール軸114に沿って、シャフト116に向けられると共にシャフト116上をスライドするように移動されて、ロケータ・インジケータ部品102上に取り付けられるのがわかる。アジャスタ部品104及びディスク124はそれぞれ、関連する磁界を有し、アジャスタ部品104はディスク124の磁界よりずっと強力な磁界を備える。一実施形態では、読み取りディスク124は解放されて、これらの2つの磁気的要素が互いに近接しているとき、アジャスタ部品104の磁界に自身を配向する。磁気の強い部品は、近接して位置している磁気のより弱い部品の磁化を永続的に修正する可能性を有する。ディスク124を解放して磁気的にアジャスタ部品104の磁界と位置合わせすることは、アジャスタ部品104によるそのような修正からディスク124を保護することを助ける。一実施形態では、ツール100の使用の合間の保管のために、アジャスタ部品104がロケータ・インジケータ部品102に取り付けられる。保管中にディスク124をこうして解放しておくことは、ディスク124の磁化が将来のツール100の使用のために保存されることを更に確実にする。
【0036】
一実施形態では、アジャスタ部品104がロケータ・インジケータ部品102に取り付けられる前に、軸114を中心にシャフト116がハウジング106に対して場所決め及び指示ステップ320において獲得されたバルブ読み取りに対応する回転方向に回転される。アジャスタ部品104はその後、軸114を中心にシャフト116に対してキー止め回転方向に回転され、アジャスタ部品がシャフト116に接近すると、アジャスタ部品104が更に回転することなく、キー止めシャフト116上に軸方向にフィットする。この逐次的なシャフト116及びアジャスタ部品104の前−回転が、早発のバルブ302の調整、又は望ましくない設定に偶然にバルブ302を調整することを防ぐ。
【0037】
アジャスタ部品104が回転子308に偶然に近接することによる意図しないバルブ302の調整を避けることが望ましい。一実施形態では、ロケータ・インジケータ部品102がバルブ302を覆う頭皮304上でかみ合って位置づけられるとき、アジャスタ部品104が少なくともシャフト端120と同じようにバルブ302に近接していなければアジャスタ部品104がバルブ302を調整することができない。シャフト端120とハウジング106の上面108との間のシャフト116の長さ、及びアジャスタ部品104の磁界の強度を、アジャスタ部品104がシャフト116上に取り付けられるほど回転子308に近接していない場合、アジャスタ部品104の磁界の強度がバルブ302を調節するのに不適切であるように設計することによって、この制約をツール100の設計において適用することができる。
【0038】
同様に、アジャスタ部品104は、ツール軸114を横断する最小外部寸法を含むことができ、ロケータ・インジケータ部品102がバルブ302を覆う頭皮304上でかみ合うように位置づけられた状態で、アジャスタ部品104は、頭皮304上方の任意の垂直距離で、例えば頭皮304の表面と平行に、脇からバルブに向かって移動する場合、バルブ302を調整することができない。一実施形態では、この脇からの接近はアジャスタ部品104の外側表面とシャフト116の外側表面118との間の接触によって制限される。
【0039】
現在のバルブ設定及び標的とする設定の知識から、バルブ調整が、アジャスタ部品104を矢印352によって指示される向きにツール軸114を中心に、ロケータ・インジケータ部品102のハウジング106の上の角度参照マーキング134、136のうちの1つ以上、並びにシャフト116及びアジャスタ部品104の一方又は両方の上の角度参照マーキング132、150のうちの1つ以上によって導かれ、現在のバルブ設定に関する回転方向から標的とする設定に関する回転方向に回転することによって実行される。
【0040】
現在のバルブ設定354から標的とするバルブ設定356へのバルブ調整の一実施形態は、図6B及び図6Cにそれぞれ示されている。まず図6Bを参照すると、アジャスタ部品104がロケータ・インジケータ部品102に取り付けられているのがわかり、アジャスタ部品上の代替的な可視マーク150が、ロケータ・インジケータ部品102のハウジング106上の放射状マーキング134のうちの第1のマーキング358に向けて配向され、現在のバルブ設定を示す。バルブ調整を実行するために、ツール軸114を中心にアジャスタ部品が手動で標的とする設定に向けて回転される(352)。ここで図6Cを参照すると、アジャスタ部品は、代替的な可視マーク150がここで放射状マーキング134のうちの第2のマーキング360に向けて配向され、標的とするバルブ設定を示すように回転されているのがわかる。
【0041】
調整が完了すると、アジャスタ部品104は、アジャスタ部品104を軸方向にシャフト116に沿ってハウジング106からスライドさせることによってロケータ・インジケータ部品102から取り外される。一実施形態では、場所決め及び指示ステップ320について説明されたようにバルブ設定が検証され(再び読み取られ)、調整が正しく行われたことを確実にする。図6Dは、バルブ302の検証された読み取りを示し、窓128を通じて可視の読み取りディスク124上の複数のマーキング126のうちの第3のマーキング362を示し、これはバルブ302の標的とする設定に対応する。最後に、ロケータ・インジケータ部品102が頭皮304から除去されて手順が完了する。
【0042】
好都合なことに、本発明のツール及び方法は、単純な、反復可能な手順において、埋め込みバルブの設定の読み取り、調整、及び検証を円滑に統合するための手段を提供する。更に、本発明は、不注意又は不正確にバルブを調整する危険性が低減された、埋め込み可能バルブの読み取り及び標的とする設定への調整を可能にする。誤った調整の危険性が低減することによって、患者の快適性及び安全性が向上し、これは、不適切な調整が、硬膜下血腫等の危険な症状を結果としてもたらし得る、CSFの過剰排出又は過少排出のいずれかにつながり得るためである。
【0043】
更に、本発明の2部品ツールは、埋め込みバルブを読み取るため又は調整するために独立して用いられるように設計されている既知のツールに対するいくつかの利点を提供する。本発明のツールの第1の部品は、好ましくは患者の頭皮を通じて触診可能な、埋め込みバルブの形状にわたってかみ合うようにフィットし、ツールの再現可能な位置決め及び配向、並びに患者に安全性及び関連する快適性を提供する。ツールの同じ部品は、ツールの患者接触面を更に動かすことなく、現在のバルブ設定の磁気的な読み取りを提供し、更に快適性及び安全性を強化する。第1の部品は、読み取り機能に関連する解放可能なロックも含むことができ、バルブ読み取りの安定性を提供する。
【0044】
ツールの第2の部品は、ここでもツールの患者接触面を更に動かすことなく第1の部品と結合してバルブを調整する。更なる利点として、第1の部品が最終的に患者の頭皮から除去される前に、ツールの第2の部品は第1の部品から取り外すことができ、バルブ設定は更なる読み取りを行うことによって検証される。使用の際の信頼性、利便性及び安全性に加えて、2つのツール部分の結合は、使用の間に単一のユニットとして便利なツールの保管を提供し、解放可能なロックは磁気的読み取り機構の保護を提供する。
【0045】
本発明が、特定の好ましい実施形態を参照して特に示されると共に説明されたが、当業者は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の趣旨及び範囲から離れることなく形態及び詳細の種々の変更を実行することが可能であることを理解されたい。
【0046】
〔実施の態様〕
(1) 埋め込み可能バルブの設定を読み取る及び変更するためのツールであって、前記バルブが外側断面及び関連する磁界を有する内側磁気回転子を有する、ツールにおいて、
対向する上面及び下面を有するロケータ・インジケータであって、シャフトが前記上面から延び、前記シャフトは前記上面に実質的に垂直に配向される長手方向軸を有し、前記下面は前記バルブの前記外側断面にかみ合うように相補的な内側断面を有するバイアス凹部を備え、前記バイアス凹部は、前記バルブに近接して、前記軸を中心にして固有の回転方向に位置づけられるように構成され、前記軸は前記回転子を通じて延びる、ロケータ・インジケータと、
前記上面と前記下面との間に前記軸を中心に回転可能に取り付けられる磁気インジケータであって、前記インジケータは前記回転子の前記磁界の影響下で、前記磁界の方向に回転するように構成されている、磁気インジケータと、
前記軸に沿って前記シャフト上にスライド可能に取り付け可能な磁気アジャスタであって、前記アジャスタは、前記バルブの前記設定を変更するために、前記軸を中心にした前記アジャスタの回転に応答して前記軸を中心に前記回転子を回転させるように構成されている磁界を有する、磁気アジャスタと、を備える、ツール。
(2) 前記シャフトが前記軸を中心にして前記上面に回転可能に結合し、
前記シャフト及び前記上面に、前記シャフトと前記上面との間の複数の回転方向のそれぞれを同定するための可視マーキングが提供され、前記複数の回転方向が複数のバルブ設定に対応し、
前記アジャスタ及び前記シャフトが機械的にキー止めされて、前記軸を中心に共に回転する、実施態様1に記載のツール。
(3) 前記バルブの前記設定が、圧力設定及び流量設定のうちのいずれか1つである、実施態様1に記載のツール。
(4) 患者に埋め込まれる磁気的に読み取り可能及び設定可能なバルブの現在の設定を読み取る及び変更するためのツールであって、前記バルブが前記患者の皮膚を通じて触診可能な物理的形状及び方向を有する、ツールにおいて、
a)下面及び上面を有するハウジングであって、前記下面が、所定の方向で前記触診可能な形状にフィットするために前記触診可能な形状に相補的な形状を有し、シャフトが前記上面に回転可能に結合され、前記シャフトが前記上面に実質的に垂直な回転軸を有し、前記シャフトが前記軸に沿った長さを有する、ハウジングと、
b)少なくとも部分的に前記ハウジング内に収容され、前記軸を中心に回転可能に取り付けられるディスクであって、前記下面が前記触診可能な形状に近接してかみ合うように位置づけられると、前記ディスクは前記現在の設定を示す前記バルブの回転方向に磁気的に自身を位置合わせし、前記ディスクが、前記軸を中心にした前記ディスクの回転方向を示す少なくとも1つの可視マーキングを有する、ディスクと、
c)前記シャフトに対して所定の回転方向において前記軸に沿って前記シャフト上にスライド可能に取り付け可能な磁気的要素であって、前記シャフト上に取り付けられ、前記シャフトと共に前記軸を中心に回転される際、前記磁気的要素が前記バルブの前記設定を変更することができる、磁気的要素と、を備える、ツール。
(5) 前記磁気的要素が所定の複数の回転方向のうちのいずれか1つに回転すると、前記シャフトと共に前記軸を中心に前記磁気的要素が回転することが、視覚的、触覚的又は可聴の信号のうちの少なくとも1つを発生させる、実施態様4に記載のツール。
【0047】
(6) 前記複数の回転方向が、8個の等しく間隔を空けた方向からなる、実施態様5に記載のツール。
(7) 前記上面が前記少なくとも1つのマーキングを見るための窓を備える、実施態様4に記載のツール。
(8) 外部磁界にさらされている際に前記ディスクが自由に回転することができる第1の位置と、前記ディスクの回転が妨げられている第2の位置とを有する機械的ロックを更に備える、実施態様4に記載のツール。
(9) 前記磁気的要素が実質的にディスク形状であり、前記シャフトを受け入れるための中央開口を備え、前記シャフト及び前記磁気的要素は、スライドしてかみ合うと、機械的にキー止めされて共に回転する、実施態様4に記載のツール。
(10) 前記磁気的要素が前記上面からの前記シャフトの前記長さより短い距離に位置づけられているときにのみ前記磁気的要素が前記バルブの設定を変更することができる、実施態様4に記載のツール。
【0048】
(11) 前記磁気的要素が前記シャフト上に取り付けられているときにのみ前記磁気的要素が前記バルブの設定を変更することができる、実施態様4に記載のツール。
(12) 前記相補的な形状が前記下面の非円形のくぼみを含む、実施態様4に記載のツール。
(13) 患者に埋め込まれる磁気的に読み取り可能及び設定可能なバルブの現在の設定を読み取る及び変更するためのツールであって、前記バルブが前記患者の皮膚を通じて触診可能な物理的形状及び方向を有する、ツールにおいて、
a)下面及び上面を有するハウジングであって、前記下面が、所定の方向で前記触診可能な形状にフィットするための前記触診可能な形状に相補的な形状を有し、シャフトが前記上面から延び、前記シャフトが前記上面に実質的に垂直な軸を有し、前記シャフトが前記軸に沿った長さを有する、ハウジングと、
b)少なくとも部分的に前記ハウジング内に収容されるディスクであって、1つ以上の磁石を備え、前記下面が前記触診可能な形状に近接してかみ合うように位置づけられる際に前記バルブの回転方向に回転して自身を位置合わせする、ディスクと、
c)前記軸に沿って前記シャフト上にスライド可能に取り付け可能な磁気的要素であって、前記磁気的要素は、前記シャフト上に取り付けられ、前記軸を中心に回転される際、前記バルブの設定を変更することができる、磁気的要素と、を備える、ツール。
(14) 前記磁気的要素及び前記ハウジングのうちの少なくとも一方が前記バルブの設定を示す可視マーキングを有する、実施態様13に記載のツール。
(15) 前記上面が前記ディスクの回転方向を見るための窓を備える、実施態様13に記載のツール。
【0049】
(16) 外部磁界にさらされている際に前記ディスクが自由に回転することができる第1の位置と、前記ディスクの回転が妨げられている第2の位置とを有する機械的ロックを更に備える、実施態様13に記載のツール。
(17) 前記磁気的要素が実質的にディスク形状であり、前記シャフトを受け入れるための中央開口を備える、実施態様13に記載のツール。
(18) 前記磁気的要素が前記上面からの前記シャフトの前記長さより短い距離に位置づけられているときにのみ前記磁気的要素が前記バルブの設定を変更することができる、実施態様13に記載のツール。
(19) 前記磁気的要素が前記シャフト上に取り付けられているときにのみ前記磁気的要素が前記バルブの設定を変更することができる、実施態様13に記載のツール。
(20) 前記相補的な形状が前記下面の非円形のくぼみを含む、実施態様13に記載のツール。
【0050】
(21) 患者に埋め込まれる磁気的に読み取り可能及び設定可能なバルブの現在の設定を読み取る及び変更するための方法であって、前記バルブが前記患者の皮膚を通じて触診可能な物理的形状及び方向を有する、方法において、
a)上面及び下面を有する第1のツール部分を提供することであって、前記下面が前記触診可能な形状に近接して前記患者にかみ合うようにフィットするように構成され、前記第1の部分が前記バルブの設定を読み取るための磁気インジケータを備え、シャフトが前記上面から延び、前記シャフトが軸を有している、第1のツール部分を提供することと、
b)前記患者において前記触診可能な形状に近接してかみ合うように前記第1の部分を位置づけることであって、前記シャフトが前記患者から実質的に離れる向きに延びている、前記第1の部分を位置づけることと、
c)前記磁気インジケータを用いて前記現在の設定を読み取ることと、
d)第2のツール部分を提供することであって、前記第2のツール部分が前記シャフトにわたって除去可能にスライドして前記第1の部分とかみ合うように構成され、前記第2の部分は、前記第2の部分が前記軸を中心に回転する際に前記バルブの前記設定を変更するように構成されている磁石を備える、第2のツール部分を提供することと、
e)前記第2の部分を前記第1の部分とかみ合わせるために、前記軸に沿って前記シャフトにわたって前記第2の部分をスライドさせることと、
f)前記バルブの前記設定を変更するために、前記軸を中心に前記第2の部分を回転させることと、を含む、方法。
(22) 前記第2の部分を前記第1の部分から除去することと、前記バルブ設定の変化を検証するために前記バルブ設定を読み取ることとを更に含む、実施態様21に記載の方法。
(23) 患者に埋め込まれる磁気的に読み取り可能及び設定可能なバルブの現在の設定を読み取る及び変更するためのツールであって、前記バルブが前記患者の皮膚を通じて触診可能な物理的形状及び方向を有する、ツールにおいて、
a)上面及び下面を有する第1のツール部分であって、前記下面が前記触診可能な形状に近接して前記患者にかみ合うようにフィットするように構成され、前記第1の部分が前記バルブの前記現在の設定を読み取るための磁気インジケータを備え、シャフトが前記上面から延び、前記シャフトが軸を有する、第1のツール部分と、
b)前記シャフトにわたって除去可能にスライドして前記第1の部分とかみ合うように構成された第2のツール部分であって、前記第2の部分が前記第1の部分に取り付けられた場合に、前記第2の部分が前記軸を中心に回転すると前記バルブの前記設定を変更するように構成されている磁石を備える、第2のツール部分と、を備える、ツール。
(24) 前記磁気的要素が実質的にディスク形状であり、前記シャフトを受け入れるための中央開口を備える、実施態様23に記載のツール。
(25) 前記シャフト及び前記磁気的要素は、スライドして互いにかみ合うと機械的にキー止めされて共に回転し、前記シャフトが前記上面に回転して結合される、実施態様24に記載のツール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋め込み可能バルブの設定を読み取る及び変更するためのツールであって、前記バルブが外側断面及び関連する磁界を有する内側磁気回転子を有する、ツールにおいて、
対向する上面及び下面を有するロケータ・インジケータであって、シャフトが前記上面から延び、前記シャフトは前記上面に実質的に垂直に配向される長手方向軸を有し、前記下面は前記バルブの前記外側断面にかみ合うように相補的な内側断面を有するバイアス凹部を備え、前記バイアス凹部は、前記バルブに近接して、前記軸を中心にして固有の回転方向に位置づけられるように構成され、前記軸は前記回転子を通じて延びる、ロケータ・インジケータと、
前記上面と前記下面との間に前記軸を中心に回転可能に取り付けられる磁気インジケータであって、前記インジケータは前記回転子の前記磁界の影響下で、前記磁界の方向に回転するように構成されている、磁気インジケータと、
前記軸に沿って前記シャフト上にスライド可能に取り付け可能な磁気アジャスタであって、前記アジャスタは、前記バルブの前記設定を変更するために、前記軸を中心にした前記アジャスタの回転に応答して前記軸を中心に前記回転子を回転させるように構成されている磁界を有する、磁気アジャスタと、を備える、ツール。
【請求項2】
前記シャフトが前記軸を中心にして前記上面に回転可能に結合し、
前記シャフト及び前記上面に、前記シャフトと前記上面との間の複数の回転方向のそれぞれを同定するための可視マーキングが提供され、前記複数の回転方向が複数のバルブ設定に対応し、
前記アジャスタ及び前記シャフトが機械的にキー止めされて、前記軸を中心に共に回転する、請求項1に記載のツール。
【請求項3】
前記バルブの前記設定が、圧力設定及び流量設定のうちのいずれか1つである、請求項1に記載のツール。
【請求項4】
患者に埋め込まれる磁気的に読み取り可能及び設定可能なバルブの現在の設定を読み取る及び変更するためのツールであって、前記バルブが前記患者の皮膚を通じて触診可能な物理的形状及び方向を有する、ツールにおいて、
a)下面及び上面を有するハウジングであって、前記下面が、所定の方向で前記触診可能な形状にフィットするために前記触診可能な形状に相補的な形状を有し、シャフトが前記上面に回転可能に結合され、前記シャフトが前記上面に実質的に垂直な回転軸を有し、前記シャフトが前記軸に沿った長さを有する、ハウジングと、
b)少なくとも部分的に前記ハウジング内に収容され、前記軸を中心に回転可能に取り付けられるディスクであって、前記下面が前記触診可能な形状に近接してかみ合うように位置づけられると、前記ディスクは前記現在の設定を示す前記バルブの回転方向に磁気的に自身を位置合わせし、前記ディスクが、前記軸を中心にした前記ディスクの回転方向を示す少なくとも1つの可視マーキングを有する、ディスクと、
c)前記シャフトに対して所定の回転方向において前記軸に沿って前記シャフト上にスライド可能に取り付け可能な磁気的要素であって、前記シャフト上に取り付けられ、前記シャフトと共に前記軸を中心に回転される際、前記磁気的要素が前記バルブの前記設定を変更することができる、磁気的要素と、を備える、ツール。
【請求項5】
前記磁気的要素が所定の複数の回転方向のうちのいずれか1つに回転すると、前記シャフトと共に前記軸を中心に前記磁気的要素が回転することが、視覚的、触覚的又は可聴の信号のうちの少なくとも1つを発生させる、請求項4に記載のツール。
【請求項6】
前記複数の回転方向が、8個の等しく間隔を空けた方向からなる、請求項5に記載のツール。
【請求項7】
前記上面が前記少なくとも1つのマーキングを見るための窓を備える、請求項4に記載のツール。
【請求項8】
外部磁界にさらされている際に前記ディスクが自由に回転することができる第1の位置と、前記ディスクの回転が妨げられている第2の位置とを有する機械的ロックを更に備える、請求項4に記載のツール。
【請求項9】
前記磁気的要素が実質的にディスク形状であり、前記シャフトを受け入れるための中央開口を備え、前記シャフト及び前記磁気的要素は、スライドしてかみ合うと、機械的にキー止めされて共に回転する、請求項4に記載のツール。
【請求項10】
前記磁気的要素が前記上面からの前記シャフトの前記長さより短い距離に位置づけられているときにのみ前記磁気的要素が前記バルブの設定を変更することができる、請求項4に記載のツール。
【請求項11】
患者に埋め込まれる磁気的に読み取り可能及び設定可能なバルブの現在の設定を読み取る及び変更するためのツールであって、前記バルブが前記患者の皮膚を通じて触診可能な物理的形状及び方向を有する、ツールにおいて、
a)下面及び上面を有するハウジングであって、前記下面が、所定の方向で前記触診可能な形状にフィットするための前記触診可能な形状に相補的な形状を有し、シャフトが前記上面から延び、前記シャフトが前記上面に実質的に垂直な軸を有し、前記シャフトが前記軸に沿った長さを有する、ハウジングと、
b)少なくとも部分的に前記ハウジング内に収容されるディスクであって、1つ以上の磁石を備え、前記下面が前記触診可能な形状に近接してかみ合うように位置づけられる際に前記バルブの回転方向に回転して自身を位置合わせする、ディスクと、
c)前記軸に沿って前記シャフト上にスライド可能に取り付け可能な磁気的要素であって、前記磁気的要素は、前記シャフト上に取り付けられ、前記軸を中心に回転される際、前記バルブの設定を変更することができる、磁気的要素と、を備える、ツール。
【請求項12】
患者に埋め込まれる磁気的に読み取り可能及び設定可能なバルブの現在の設定を読み取る及び変更するためのツールであって、前記バルブが前記患者の皮膚を通じて触診可能な物理的形状及び方向を有する、ツールにおいて、
a)上面及び下面を有する第1のツール部分であって、前記下面が前記触診可能な形状に近接して前記患者にかみ合うようにフィットするように構成され、前記第1の部分が前記バルブの前記現在の設定を読み取るための磁気インジケータを備え、シャフトが前記上面から延び、前記シャフトが軸を有する、第1のツール部分と、
b)前記シャフトにわたって除去可能にスライドして前記第1の部分とかみ合うように構成された第2のツール部分であって、前記第2の部分が前記第1の部分に取り付けられた場合に、前記第2の部分が前記軸を中心に回転すると前記バルブの前記設定を変更するように構成されている磁石を備える、第2のツール部分と、を備える、ツール。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【公開番号】特開2010−240408(P2010−240408A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−77278(P2010−77278)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(500140415)コドマン・アンド・シャートレフ・インコーポレイテッド (34)
【氏名又は名称原語表記】Codman & Shurtleff, Inc.
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham, Massachusetts 02767−0350, U.S.A.
【Fターム(参考)】