説明

埋込式医療デバイスのための弁構成

少なくとも部分的に患者に挿入可能な医療デバイス。デバイスは、少なくとも部分的に患者に挿入可能な可撓性チューブを備えたカテーテル部分と、カテーテル部分に対して近位の弁部分とを備えている。弁部分は、内部スリットによって互に分離された第1および第2の弁部分を備えた平面可撓性部材を備えている。内部スリットにおける平面可撓性部材の厚さは、任意の他の場所における平面可撓性部材の厚さ未満である。一実施形態において、平面可撓性部材は、断面を見た場合、内部スリットを備えた中心領域と、第1の側領域および第2の側領域とを備え、第1の側領域および第2の側領域は、それぞれ、中心領域の第1の側および第2の側にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、埋込式医療デバイス内で使用される弁構成に関する。
【背景技術】
【0002】
患者の血管系または他の導管への反復および長期間アクセスのために使用される、多数の埋込式医療デバイスが存在する。そのようなデバイスは、末梢挿入型中心カテーテル(「PICC」)、中心静脈カテーテル(「CVC」)、透析カテーテル、埋込式ポート、および正中線注入カテーテルを含む。これらのデバイスは、典型的には、治療剤または透析治療の送達等、複数回の治療を可能にするために、長期間、患者に埋め込まれる。そのようなデバイスの使用は、単回デバイスの複数回の留置の必要性を排除し、したがって、感染および留置合併症の危険性を低減し、患者ケアの全体的コストを削減する。そのような埋込式医療デバイスの実施例として、Vaxcel(登録商標)PICCおよびポート、Xcela(登録商標)PICCおよびポート、ならびにVaxcel(登録商標)PlusChronic Dialysisカテーテル(すべて、Navilyst Medical,Inc.、Marlborough、Massachusetts製)が挙げられる。
【0003】
前述のデバイスは、長期間、患者の身体に残留されるため、失血および感染を防止するために、使用していないときは、その近位端を密閉することが慣行となっている。そのような密閉は、カテーテルラインに単純な留具を使用して、またはより最近は、PASV(登録商標)Valve Technology(Navilyst Medical,Inc.、Marlborough、Massachusetts)によるVaxcel(登録商標)PICCに見出され、特許文献1、特許文献2、および特許文献3(参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるようなインライン弁を使用して、生成され得る。インライン弁は、それを超えると、弁(スリット弁の形態の場合がある)は、開放し、それを下回ると、弁は、閉鎖されたままでる、ある閾値圧力の印加に応じて、開放し、流体を患者に送達するように圧力作動される。これらの弁は、単純留具に勝る改良された性能を提示し、患者に合併症および感染をもたらすことはほとんどないと考えられる。
【0004】
コンピュータ断層撮影(CT)は、長期間医療患者のための撮像技法として、ますます使用されている。多くのCT技法は、造影剤を利用して、高品質の画像をもたらし、したがって、CT撮像に先立って、造影剤が患者に投与されることを要求する。撮像が所望される血管系または器官へのアクセスを提供する、埋め込まれたデバイスを既に有する患者の場合、本目的のために、患者に別の切開を入れるのではなく、または別のカテーテルラインを導入するのではなく、造影剤を投与するための手段として、既存の埋め込まれたデバイスを使用することが望ましい。しかしながら、通常品質の造影剤および投与されるべき短い時間枠を考慮すると、5cc/秒等の比較的に高い流量で造影剤を注入する必要がある。埋込式デバイスがすべて、本流量で流体を送達するために、またはそれと関連付けられた圧力に対処するように構成されているわけではない。最近、いくつかの市販の製品が、いわゆる「高圧」注入等のために好適な寸法、構成、および/または材料を使用して開発されている。実施例は、Xcela(登録商標)Power Injectable PICC(Navilyst Medical、Marlborough、Massachusetts)である。
【0005】
高圧注入可能であって、インライン弁を利用する、埋込式デバイスを使用するためには、これらのデバイスの弁部分が、高圧注入と関連付けられた流量および圧力に対処可能であることを保証する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,205,834号明細書
【特許文献2】米国特許第7,252,652号明細書
【特許文献3】米国特許第7,435,236号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一側面では、本発明は、少なくとも部分的に患者に挿入可能な医療デバイスに関する。デバイスは、少なくとも部分的に患者に挿入可能な可撓性チューブを備えたカテーテル部分と、カテーテル部分に対して近位の弁部分とを備える。弁部分は、内部スリットによって互に分離された第1および第2の弁部分を備えた平面可撓性部材を備える。第1および第2の弁部分は、少なくとも所定の閾値レベルの流体圧力に曝されると、材料が、弁部分を通して、カテーテル部分へと遠位に流動し得るように、第1の開放位置に移動するように構成される。第1および第2の弁部分は、閾値レベル未満の流体圧力に曝されると、常時、実質的に閉鎖されたままであり、それを通る流動を実質的に防止する。内部スリットにおける平面可撓性部材の厚さは、任意の他の場所における平面可撓性部材の厚さ未満である。
【0008】
別の側面では、本発明は、少なくとも部分的に患者に挿入可能な医療デバイス内で使用可能な弁部材に関する。弁部材は、内部スリットによって互に分離された第1および第2の弁部分を備えた平面可撓性部材を備える。内部スリットにおける平面可撓性部材の厚さは、任意の他の場所においける平面可撓性部材の厚さ未満である。
【0009】
別の側面では、本発明は、本発明の弁部材を組み込む、弁アセンブリに関する。
【0010】
別の側面では、本発明は、本発明の医療デバイスを使用することによって、患者を治療する方法に関する。
【0011】
さらに別の側面では、本発明は、本発明の医療デバイスを含む、キットに関する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、PICC本発明の例示的実施形態における、斜視図である。
【図2】図2は、本発明の例示的実施形態における、埋込式ポートの近位端の斜視図である。
【図3】図3は、本発明の弁部材を組み込む、弁アセンブリの分解図である。
【図4】図4aは、本発明の弁部材の一実施形態の上面図であって、図4b、4c、および4dは、本発明の弁部材の種々の実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、医療デバイス内で使用される弁部材、そのような弁部材を組み込む、医療デバイスおよび弁アセンブリ、そのような医療デバイスおよび弁アセンブリを使用して、患者を治療する方法、ならびにそのような医療デバイスを含む、キットに関する。スリット弁等のインライン弁の使用は、従来の医療デバイスおよび療法において使用されるが、本発明の弁およびデバイスは、高圧かつ高流量で患者に流体を送達する能力等、有益な特性をもたらす構成を利用する。いわゆる「高圧注入」は、使用の際、弁部材を押しのけた状態にし、したがって、その意図された有用寿命にわたって、密閉を形成するその能力を失う等、高圧注入可能に設計されていない現在の弁に悪影響を及ぼし得る。本発明の弁部材は、高圧注入可能医療デバイス内でのみ使用することに限定されていないが、発明者は、そのようなデバイスは、特に、本発明の弁構成によって利益を享受するであろうと考える。
【0014】
本発明において有用な医療デバイスの実施例として、末梢挿入型中心カテーテル(「PICC」)、中心静脈カテーテル(「CVC」)、透析カテーテル、埋込式ポート、および正中線注入カテーテルが挙げられる。一例として、図1は、本発明の弁部材を利用する、PICCを示す。図1に示されるように、PICC100は、使用時、患者の外側に延在する近位端110と、患者の血管系に埋め込まれる遠位端120と、患者に取着するための縫合翼130と、近位端110に接続された弁アセンブリ140とを含む。縫合翼130までの遠位端120(図1では、丸まって示される)は、治療剤の反復送達のために、長期間、患者内に埋め込まれたままである。インライン弁アセンブリ140は、例えば、定位置に残されると、血液が、PICC内に流動せず、汚染物質がPICCに入らないように、PICCを密閉するために使用される。
【0015】
図2は、本発明の弁部材を利用する、埋込式ポート200の形態における、医療デバイスの別の実施例を示す。当技術分野において周知のように、ポート200は、筐体210と、隔壁220と、弁230とを備える。ポート200は、カテーテル部分に接続され、その近位端は、240で示される。使用時、ポート200は、皮膚および隔壁220を通して針によって導入される流体の反復送達のために、長期間、患者の皮膚下に埋め込まれる。PICCと同様に、インライン弁230は、ポート200が患者に流体を送達するために使用されない時は、密閉を生成するために使用される。
【0016】
本発明のPICCおよび他のデバイス内で使用するために有用な弁アセンブリ140の実施例は、米国特許第7,252,652号に説明されており、参照することによって本明細書に組み込まれる。図3は、近位端141と、遠位端142と、オス型筐体部分143と、メス型筐体部分144と、平面可撓性弁部材150とを含む、そのようなアセンブリの分解図を示す。使用時、近位端141は、患者に流体を注入または別様に送達するための注射器、IVライン等に接続される。そのような流体は、例えば、治療剤および造影剤を含む。遠位端142は、PICC(図1に示されるように)または他の好適なデバイスの一部として取着される。図3に示される実施形態では、オス型およびメス型筐体部分143、144は、弁部材150を格納するように、一緒に嵌合する。弁部材150は、弁部材150の任意の縁まで延在しないように、「内部」にあるスリット151を含む。弁部材は、スリット151の両側に、第1および第2の弁部分152、153を含む。少なくとも所定の閾値レベルの圧力によって特徴付けられる、遠位方向に付与される流体に曝されると、第1および第2の弁部分152、153は、流体が、弁部材150を通して、筐体140の遠位端142から遠位に流動し得るように、遠位方向にスリットを開放するように移動する。本閾値レベルを下回る圧力では、スリットは、それを通る流体の流動を実質的に防止するように、閉鎖されたままである。例えば、本発明の弁は、中心静脈圧の正常増加の際、閉鎖されたままである。本発明は、弁部材150内に単一スリット151を有するように例証されるが、本発明は、本明細書に説明されるような複数のスリット151を備える、弁部材150を含む。
【0017】
好ましい実施形態では、本発明の弁は、二方弁であり、遠位方向への開放に加え、遠位方向に弁を開放するために要求される閾値レベルと同一または異なり得る少なくとも所定の閾値レベルの圧力によって特徴付けられる近位方向に付与される流体に曝されると、近位方向にも開放する。そのような二方弁は、例えば、サンプリングまたは他の目的のために、血液あるいは他の体液を吸引するために有用である。
【0018】
弁部材150を形成するために使用される好適な材料は、例えば、シリコーン、ゴム、および他のエラストマー材料を含む。これらの材料は、例えば、液体射出成形、ゴム圧縮成形、および圧延後の打抜等、任意の好適な製造技法を使用して、弁部材150の形状に形成される。
【0019】
本発明の範囲内の弁構成の実施形態は、図4aから4dに示される。図4aは、本実施形態では、円形の円盤である、可撓性弁部材150の上面図を示す。他の実施形態では、弁部材は、楕円、長方形、または他の多角形等、任意の好適な形状である。また、スリット151は、図4aでは、線形スリットとして示されるが、スリットは、湾曲または任意の他の好適な構成であり得る。
【0020】
図4b、4c、および4dは、図4aに示される区分AAに沿った、本発明の実施形態の断面図を示す。図4b、4c、および4dの検査から分かるように、内部スリット151における弁部材150の厚さは、弁部材150の長さに沿って、任意の他の場所における厚さよりも小さい。実施例として、弁部材150は、概して、内部スリット151を含む中心領域160と、中心領域160の両側の第1および第2の側領域161、162とを備えるものと考えられ得る。図4b、4c、および4dに示される実施形態では、第1および第2の側領域161、162の厚さは、実質的に同一であるが、中心領域160の少なくとも一部は、第1および第2の側領域161、162の厚さよりも小さい厚さによって特徴付けられる。
【0021】
側領域161、162と比較して、スリット151の場所における弁部材150の厚さを減少させることによって、弁部材150の残りは、大幅に大きい厚さによって構築され、それによって、弁強度を増加し、かつ、その動作の際、スリット151の必要な開閉を可能にする。弁部材150の増加した厚さおよび関連付けられた増加した弁の強度は、高圧注入可能用途のために特に有益となる。好ましくは、本発明の弁および医療デバイスは、約250psiを上回る、より好ましくは、300psiを上回る、最も好ましくは、約325psiを上回る、流体注入圧力と、約3cc/秒を上回る、より好ましくは、約4cc/秒を上回る最も好ましくは、約5cc/秒を上回る流体流量に耐えることが可能である。好ましい実施形態では、本発明の弁および医療デバイスは、約325psiの圧力において、約5cc/秒の流量で流体を送達するために使用される。
【0022】
図4bに示されるように、本発明の一実施形態では、弁部材150は、スリット151の上方および下方において、中心領域160に切り込みが入れられる。第1および第2の側領域161、162内ならびにスリット151の場所における弁部材150の厚さは、弁部材150をその意図された目的のために有用とし、強度を最大限にする一方、スリット151の完全動作を可能にする任意の好適な厚さである。例えば、本実施形態では、第1および第2の側領域161、162内の弁部材の厚さは、PICC弁の場合、約0.015−0.020インチ、好ましくは、約0.015−0.018インチの範囲内、ポート弁の場合、約0.010−0.014インチ、好ましくは、約0.010−0.012インチの範囲内であり得、これは、医療用途において使用される従来のスリット弁の場合より厚く、スリット151の厚さは、PICC弁の場合、約0.010−0.015インチ、好ましくは、約0.013−0.015インチの範囲内、ポート弁の場合、約0.006−0.010インチ、好ましくは、約0.008−0.010インチの範囲内である。他の類似実施形態では、弁部材150は、スリット151の上方または下方にのみ、切り込みが入れられる。図4bに示される実施形態は、例えば、成形後打抜プロセス等、任意の好適な製造技法を使用して製造される。
【0023】
図4cおよび4dに示されるように、本発明の他の実施形態では、弁部材150は、円唇縁または弧を含み、スリット151を形成する。これらの弧は、互に対して圧縮され、ゼロ流体流動条件下では、緊密閉を維持し、流体注入および吸引のために、それぞれ、遠位および近位方向の両方に回転開放するであろう。図4dに示されるように、本発明は、中心領域160内の弁部材150の厚さが、第1および第2の側領域161、162内の厚さを上回る少なくとも一部を含む実施形態を含む。図4cおよび4dに示される実施形態は、例えば、液体射出成形等、任意の好適な製造技法を使用して製造される。図4cおよび4dに示される実施形態の円唇縁は、その意図された用途のために、弁部材150を有用にするための任意の好適な曲率半径である。非限定的実施例として、図4cおよび4dに示される実施形態の円唇縁は、それぞれ、約0.005インチおよび0.010インチの曲率半径を形成する。
【0024】
本発明は、従来のインライン医療弁と比較して、向上した弁特性をもたらす弁構成を提供する。本発明は、流体送達デバイス内で使用するための個々の弁部材として、本明細書に説明されるような弁部材を含む完全に組み立てられた筐体として、または完全に製造された医療デバイスとして、製造、使用、または販売され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に患者に挿入可能な医療デバイスであって、
少なくとも部分的に前記患者に挿入可能な可撓性チューブを備えたカテーテル部分と、
前記カテーテル部分に対して近位の弁部分と
を備え、
前記弁部分は、内部スリットによって互に分離された第1および第2の弁部分を備えた平面可撓性部材を備え、
前記第1および第2の弁部分は、少なくとも所定の閾値レベルの流体圧力に曝されると、第1の開放位置に移動し、材料が、前記弁部分を通して、前記カテーテル部分へと遠位に流動可能であり、前記第1および第2の弁部分は、それらに対して付与される流体圧力が前記閾値レベル未満である場合には、常時、実質的に閉鎖されたままであり、前記弁部分を通る流動を実質的に防止し、
前記内部スリットにおける前記平面可撓性部材の厚さは、任意の他の場所における前記平面可撓性部材の厚さ未満である、
医療デバイス。
【請求項2】
断面を見た場合、前記平面可撓性部材は、前記内部スリットを備える中心領域と、第1の側領域および第2の側領域とを備え、前記第1の側領域および第2の側領域は、それぞれ、前記中心領域の第1の側および第2の側にある、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記第1の側領域内の前記平面可撓性部材の厚さは、前記第2の側領域内の前記平面可撓性部材の厚さと実質的に同一である、請求項2に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記平面可撓性部材は、前記中心領域内かつ前記内部スリットの下方に切り込みが入れられる、請求項3に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記平面可撓性部材は、前記中心領域内かつ前記内部スリットの上方に切り込みが入れられる、請求項4に記載の医療デバイス。
【請求項6】
前記第1および第2の弁部分の各々は、前記中心領域内で円唇化され、それぞれ、第1および第2の弧を形成し、前記第1および第2の弧は、互に接触していることにより、前記内部スリットを形成する、請求項3に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記中心領域内の前記第1および第2の弁部分の各々の一部は、前記第1および第2の側領域内の前記第1および第2の弁部分の各々の厚さを上回る厚さを有している、請求項6に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記内部スリットは、前記平面可撓性部材を通して切削することによって形成される、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記内部スリットは、前記平面可撓性部材を成形することによって形成される、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項10】
前記内部スリットは、実質的に線形である、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項11】
前記平面可撓性部材は、実質的に、円盤として形成され、前記内部スリットは、前記円盤の主軸と実質的に平行に延在する、請求項10に記載の医療デバイス。
【請求項12】
前記弁部分は、前記平面可撓性部材内に複数の内部スリットを含む、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項13】
前記医療デバイスは、少なくとも約300ポンド/平方インチの圧力において、少なくとも約5cc/秒の流量で流体を送達するように構成される、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項14】
前記流体は、造影剤である、請求項13に記載の医療デバイス。
【請求項15】
前記医療デバイスは、末梢挿入型中心カテーテル、中心静脈カテーテル、透析カテーテル、埋込式ポート、または正中線注入カテーテルである、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項16】
前記第1および第2の弁部分は、第1の方向に沿った圧力に応答して、第1の方向に、前記第1の開放位置へと移動し、第2の方向における圧力に応答して、第2の方向に、第2の開放位置へと移動し、前記第1および第2の方向は、互に反対に向けられている、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項17】
少なくとも部分的に患者に挿入可能な医療デバイスであって、
少なくとも部分的に前記患者に挿入可能な可撓性チューブを備えたカテーテル部分と、
前記カテーテル部分に対して近位の弁部分と
を備え、
前記弁部分は、内部スリットによって互に分離された第1および第2の弁部分を備えた平面可撓性部材を備え、
前記第1および第2の弁部分は、少なくとも所定の閾値レベルの流体圧力に曝されると、第1の開放位置に移動し、材料が、前記弁部分を通して、前記カテーテル部分へと遠位に流動可能であり、前記第1および第2の弁部分は、それらに対して付与される流体圧力が前記閾値レベル未満である場合には、常時、実質的に閉鎖されたままであり、前記弁部分を通る流動を実質的に防止し、
前記平面可撓性部材は、断面を見た場合、前記内部スリットを備える中心領域と、第1の側領域および第2の側領域とを備え、前記第1の側領域および第2の側領域は、それぞれ、前記中心領域の第1の側および第2の側にあり、前記第1の側領域の厚さは、前記第2の側領域の厚さと実質的に同一であり、
前記平面可撓性部材は、前記内部スリットにおける前記平面可撓性部材の厚さが、任意の他の場所における前記平面可撓性部材の厚さ未満であるように、前記中心領域内かつ前記内部スリットの上方に切り込みが入れられている、
医療デバイス。
【請求項18】
少なくとも部分的に患者に挿入可能な医療デバイスであって、
少なくとも部分的に前記患者に挿入可能な可撓性チューブを備えたカテーテル部分と、
前記カテーテル部分に対して近位の弁部分と
を備え、
前記弁部分は、内部スリットによって互に分離された第1および第2の弁部分を備えた平面可撓性部材を備え、
前記第1および第2の弁部分は、少なくとも所定の閾値レベルの流体圧力に曝されると、第1の開放位置に移動し、材料が、前記弁部分を通して、前記カテーテル部分へと遠位に流動可能であり、前記第1および第2の弁部分は、それらに対して付与される流体圧力が前記閾値レベル未満である場合には、常時、実質的に閉鎖されたままであり、前記弁部分を通る流動を実質的に防止し、
前記平面可撓性部材は、断面を見た場合、前記内部スリットを備える中心領域と、第1の側領域および第2の側領域とを備え、前記第1の側領域および第2の側領域は、それぞれ、前記中心領域の第1の側および第2の側にあり、前記第1の側領域の厚さは、前記第2の側領域の厚さと実質的に同一であり、
前記第1および第2の弁部分の各々は、前記内部スリットにおける前記平面可撓性部材の厚さが、任意の他の場所における前記平面可撓性部材の厚さ未満であるように、前記中心領域内で円唇化され、第1および第2の弧を形成し、前記第1および第2の弧は、互に接触し、前記内部スリットを形成する、
医療デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a−4d】
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【公表番号】特表2013−507181(P2013−507181A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533213(P2012−533213)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/050646
【国際公開番号】WO2011/043965
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(509051576)ナビリスト メディカル, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】