培養/暴露装置、このタイプの装置を組み立てるためのキット、および原核生物を培養/暴露する方法
【課題】培養物表面上部に向けられたガス流の流れ特性の最適化。
【解決手段】収容された培養物をガス媒体の作用にさらすシステムを含む、培養物を収容する培養/暴露デバイスに関する。該デバイスはまたガス媒体を流れガイド40に導く入口42と培養物の表面上部に排出する出口開口44とを備えた機械的流れガイド40を含む。流れガイド40はガス媒体を強制的に導く。流れガイド40の前記出口開口44の内部表面が流れの方向にトランペット状に広がる。さらに、ガス媒体を引き込むための取り入れ開口を有する取り入れチューブが流れガイド40に結合され、その取り入れ開口の内部表面が流れの方向と逆にトランペット状に広がる。
【解決手段】収容された培養物をガス媒体の作用にさらすシステムを含む、培養物を収容する培養/暴露デバイスに関する。該デバイスはまたガス媒体を流れガイド40に導く入口42と培養物の表面上部に排出する出口開口44とを備えた機械的流れガイド40を含む。流れガイド40はガス媒体を強制的に導く。流れガイド40の前記出口開口44の内部表面が流れの方向にトランペット状に広がる。さらに、ガス媒体を引き込むための取り入れ開口を有する取り入れチューブが流れガイド40に結合され、その取り入れ開口の内部表面が流れの方向と逆にトランペット状に広がる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は培養物を収容する培養/暴露装置と、そのような培養/暴露装置のアセンブリ用キットと、原核生物の培養手順とに関する。
【背景技術】
【0002】
最新技術で開示されているように、培養/暴露装置内に収容された細胞培養物がガス媒体に暴露される培養/暴露装置が知られている。その一例として、一般的に適用可能な(本出願人の)出版物DE 100 140 57とEP 1 174 496を引用することができる。
【0003】
細胞培養物を収容する(本出願人の)培養/暴露装置は、有効径が徐々に増加して底部に向かって円錐状にテーパする側壁構造を有する培養物容器を採用する。前記装置は細胞培養物をガス環境に暴露する手段であって、前記細胞培養物を所定の危険な、または治療の条件下で処理できる手段をさらに備える。このために、ガス、エアロゾル、および/または粒子を運ぶ媒体は直接細胞培養物に接触することができる。前記ガス媒体には、例えば、肺の細胞に侵入するタバコの煙が含まれる。前記暴露装置はこの目的のため、貫通通路、円筒形の流れ方向の装置を包含する。この装置はガス媒体の方向付けられた流れが導かれ、細胞培養物の表面上を流れ、その流れ装置と培養物容器の壁の間の環状の開口を通過することができるように、前記培養/暴露装置内で細胞培養物の上部に位置している。例えば、そのような流れの模様が、前記環状開口の下流の流れ経路内に置かれた真空ポンプによって生成される。入口部の流れダクトが吸引取付物に接続され、これを通して、周囲大気、試験ガスなどが真空に暴露されて細胞培養物の上部を接触可能に導かれる。
【0004】
引用されたEP 1 174 496は基本的に、暴露装置の形成において、本出願人の上記出版物を表す。さらに、この出版物は細胞培養物上に堆積する同伴するエアロゾル粒子の容量をより正確に決定する方法に関する。これに関して、円筒状の流れダクトのガス流の層流がレーザ・ビームのパルスで感知される目視マーキングされたエアロゾル粒子によって決定される。その後、決定された双曲線の層流から、これらの層流が選択され、細胞培養物の表面から一定距離を進行し、そこから同伴エアロゾルが細胞培養物表面上に拡散することができる。これらの層流は流れダクトの入口までたどることができ、それによって流れダクトの開口の全断面に関してこの層流内の効果的な断面が決定される。この効果的な断面によって、すべての流れを通したエアロゾルは細胞培養物表面を暴露することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実際の経験から、細胞培養物表面上部のガス媒体の連続的な交換ができず、細胞培養物の均一な接触暴露が保証されないことから、従来の暴露装置の動作は不満足であることが分かっている。細胞培養物表面上部に常駐の「不感域」が形成されていることは明らかである。さらに、「排出ガス媒体」内にこれらの不感域が重なり、細胞培養物に新鮮なガス媒体を送ることができない。
【0006】
さらに、例えば、円筒状の吸引取付物による周囲大気の取入れが所定の吸引取り入れ容量をかなり超えるために、吸引取付物の問題が発生する。これについて、容積固定の吸引は不可能で、逆に、真空ラインからの不要な吸引変動が発生する。
【0007】
したがって、本発明は培養物表面上部に向けられたガス流の流れ特性を最適化することを目的とする。同様に、本発明は例えば外部チャンバからの吸引ベースのガス媒体の除去を改善することを目的とする。最後に、本発明の目的は原核生物の培養および暴露の広範な研究の可能性を利用可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は請求項1、39、53、54および55の目的によってこれらの目的を達成する。本発明の好ましい実施形態は従属請求項に記載する。
【0009】
請求項1によれば、培養物を収容する培養/暴露装置が作成され、前記培養/暴露装置は常駐培養物をガス媒体に暴露するデバイスを有する。前記デバイスは前記ガス媒体を流れシステム内に案内する入口から前記ガス媒体を送り込む流れ生成機構を備える。このデバイスは培養物表面上部に位置する出口開口をさらに有する。この出口は流れの方向に沿って広がる内部のトランペット形状を含む。トランペット状に広がるこの開口の利点は、特に制御が困難な流れ解放渦がこのタイプの開口端では発生しないということである。通常、円筒状の排出ダクトの周囲の縁では、渦流によって培養物上部に不感域が発生する。上記の特別のトランペット状の出口開口によって、ガス媒体の流れを平滑に、かつ培養物表面の渦に邪魔されずに案内することができる。さらに、内部のあらゆる同伴粒子を含む流れが最大の可能な程度まで培養物表面に均一に分散される。
【0010】
なお、「トランペット状」という概念は円形構造に限定されず、例えば、長い開口、(矩形)、正方形、多角形、回転対称またはその他の開口断面を含むことができる。基本的に、決定的な要因は、開口の断面が出口領域への増加する断面を保持するということである。逆に、円錐台状の直線出口は所望の結果を実現しない。「チューリップ状の」出口も同様である。
【0011】
なお、「培養物」または「細胞培養物」という一般的概念は、細胞培養物だけでなく、よく知られている真核細胞培養物、原核生物培養物、バクテリア培養物などを含む。
【0012】
請求項39によれば、培養物収容のための培養/暴露装置は常駐培養物をガス媒体に暴露する配置で構成される。前記配置はガス媒体を取り入れる吸引開口を備えた吸引取付物と、ガス媒体を培養物表面のすぐ上の流れに案内する分流に結合される出口開口とを有する。このために、吸引取付物の吸引開口はガス媒体の流れの方向に広がるトランペット状の内部表面を示す。この場合、請求項1の説明と同様に、すなわち、トランペット状の連続して広がる吸引開口の説明と同様に、吸引取付物上部に形成され、そこから新鮮な周囲大気を除去できない不感域が回避されるという利点がある。
【0013】
請求項53に関して、培養/暴露装置の組み立てのための構成キットが作成される。このキットは、4つのキット要素、すなわち、第1に、請求項21の上側部分と、第2に、培養物容器内の培養物をガス媒体に暴露する装置を備えた上側部分とを含み、前記暴露装置は第3の品目としてガス媒体の吸引除去のための吸引取付物と、ガス媒体を培養物表面上部の区域に案内する前記吸引取付物に結合した流れ方向手段とを有する。キットはさらに第4の品目として請求項30〜33に記載の下側部分要素を有する。このように、基本的に4つの異なる培養/暴露装置を組み立てることができる。これらについて以下に記載する。
【0014】
第1の培養/暴露装置は、細胞培養物(またはより一般的には、真核細胞培養物)の培養のための下側部分要素を備え、本発明の流れ案内を備えた上側部分と共に供給液で特に浸水の基本栄養を可能にする。
【0015】
第2の培養/暴露装置は、最後に述べた下側部分と、「簡単化された」流れ案内(例えば、貫通形の円筒形流れダクト)を備える。
【0016】
第3の培養/暴露装置は、ペトリ皿内で原核生物、特にバクテリア(栄養液を外部から供給しない)の培養を行う下側部分と共に、本発明の流れ制御を有する上側部分を備える。
【0017】
第4の培養/暴露装置は、最後に述べた下側部分と、「より簡単な」流れ方向システムを備えた上側部分を有する。
【0018】
請求項54に関して、培養する原核生物を保持する培養物容器を収容する受容器を備えた培養/暴露装置によって原核生物を培養する手順が示され、前記培養物容器内に収容される原核生物をガス媒体に暴露する装置が製造される。この構成で、暴露装置はガス媒体を取り入れる吸引取付物と、前記吸引取付物に結合された、培養物容器内に常駐する原核生物の表面にガス媒体を案内する流れ方向手段とを含む。この動作で、最初に、原核生物(例えば、バクテリア、真菌類など)も所定のガス媒体に暴露でき、それによって、それに対する原核生物の反応を研究することができる培養/暴露装置を作成することが有利である。これまで、このような研究は、真核生物、すなわち哺乳動物細胞でのみ実施した。
原核生物、すなわち特殊なバクテリアは、液体能動性の物質にのみ関連して培養され研究されてきた。例えば、寒天内に封入された時に培養されてきた。
【0019】
最後に、請求項55は請求項54の手順を実行する、培養する原核生物を含む培養物容器を収容するくぼみを備えた培養/暴露装置と、前記容器内にある原核生物をガス媒体に暴露する装置に関する。これが実行されると、暴露装置はガス媒体の吸引除去のための吸引取付物と、ガス媒体を培養物容器内に置かれた原核生物の表面に案内する前記吸引取付物に結合された流れ案内手段とを含む。
【0020】
添付図面を参照しながら、本発明とその詳細な特徴および利点について以下により詳しく論ずる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の流れ案内を有する本発明の培養/暴露装置の長手方向の概略断面図である。
【図2】本発明の流れ案内を有する本発明の培養/暴露装置の断面の概略側面図である。
【図3】本発明の培養/暴露装置の下側部分の概略平面図である。
【図4A】本発明の流れダクトの断面図である。
【図4B】本発明の流れダクトの上からの斜視図である。
【図4C】本発明の流れダクトの下からの斜視図である。
【図5A】案内された流れの周囲に吸引流れを均一に配分する本発明の培養/暴露装置の概略平面図である。
【図5B】案内された流れの周囲に吸引流れを均一に配分する本発明の培養/暴露装置内の環状オリフィス側面図である。
【図6A】本発明の流れ案内内に配置された流れスピン・ボディの側面図である。
【図6B】本発明の流れ案内内に配置された流れスピン・ボディの平面図である。
【図7】本発明の流れダクトと培養物を含む培養物容器の配置の概略断面図である。
【図8A】第1の実施形態による本発明の吸引取付物の概略断面図である。
【図8B】この本発明の吸引取付物の底部の概略平面図である。
【図9A】第2の実施形態による本発明の吸引取付物の概略断面図である。
【図9B】この本発明の吸引取付物の底部の概略平面図である。
【図10】本発明の培養/暴露装置の組み立てのための本発明のキットの追加の上部構成部品の斜視図である。
【図11】細胞培養物に液体媒体を送達する供給装置であって、本発明の培養/暴露装置の組み立てのための本発明のキットの構成部品である供給装置を備えた細胞培養物容器を収容する追加の下側部分の斜視側面図である。
【図12】図10の上部構成部品と図11の下側部分から組み立てられる本発明の培養/暴露装置の斜視側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の培養/暴露装置の長手方向の概略断面図である。前記装置はほぼ箱状の形態で構成され、したがって、一方が他方に重畳した2つの半分、すなわち、下側部分2と上側部分4との組立てからなる。結合状態では、下側部分2と上側部分4はラッチ状の固定具6で固定できる。図1のこの例では、下側部分2は3つの培養物容器10を収容するように形成された3つのくぼみ8を含む。この数は任意選択できることは明らかである。くぼみ8は図3の平面図でより明確なように、ブロック状の下側部分2内の円筒状の中ぐりである。また、培養物容器10は環状の開いた容器の形態を有し、その外壁は明らかに円筒形である。容器10の前記壁の高さは前記円筒状のくぼみ8の深さより多少小さい。
【0023】
培養物容器10を除去するためのエジェクタ機構12が設けられている。これを図2の断面図で特に詳細に示す。エジェクタ12は下側部分2の底部からくぼみ8へ延びる円筒状の貫通中ぐり14を含む。下側部分2の前記底部から分かるように、この中ぐり14には戻りばね18が当たるためのオフセット16を設けている。エジェクタ・ピン20がこの中ぐり14内で案内されて前後に動く。前記ピンの外径はオフセット16の上部の中ぐり14の小さい内径に適合する。エジェクタ・ピン20は円筒状のヘッド22を有し、その外径は貫通中ぐり14のより大きい部分の内径に摺動して嵌る。こうして、貫通中ぐり14内のエジェクタ・ピン20の正確な案内が保証される。前記ヘッド22の下側に戻りバネ18が接合している。したがって戻りバネ18は、くぼみ8から離れる方向でエジェクタ・ピン20に対して圧縮応力を与える。前記ヘッド22のフラットな外部側面はその能動端がやや中ぐり14の側方に回転軸26を中心に中ぐり14の長手方向に揺動するレバー24が取り付けられている。このレバー24の他端は手動で動かされるハンドル28の形で下側部分2の下側から突き出し、したがって、培養/暴露装置の外部にアクセス可能に突き出している。図1から分かるように、3つのエジェクト機構12すべてに対し1つの、連続するシャフトの形の共通揺動軸26が設けられ下側部分2を完全に突き抜けている。この揺動軸26は下側部分2に動かないように固定され、レバー24はそれを中心に自由に回転できる。したがって、3つのハンドル28が下側部分2の長手側面から突き出し、それによって3つの培養物容器10は手で個別にエジェクトすることができる。詳細に言えば、レバー24は角が取れた駆動カム30を所有し、この駆動カム30はヘッド22の暴露した端面に上昇気味に接触する。この駆動カム30によって、レバー24の揺動をエジェクタ・ピン20の往復運動を可能にする最も摩擦が少ない方法で実行することができる。エジェクタ・ピン20は、中ぐり14の上部の小さい直径部分で環状シール32と合わさり、環状シール32はくぼみ8をエジェクタ機構12の下部から閉鎖する。明らかに、培養物容器10をより容易にくぼみ8から除去できる他のいかなる種類のエジェクト機構も可能である。
【0024】
下側部分2は基本的に中空で、上記くぼみ8の周囲にくぼみ8の温度調整のための液体を満たした液密チャンバ34を形成し、それによって培養物容器10内の培養物の温度調整が可能になる。チャンバ34の温度調整のために、液注入口36とそれに対応する液排出口38(図3を参照)がある。これらの取付物36、38はチャンバ34内の温度の調整のために外部加熱循環に結合している。別の加熱装置は例えばくぼみ8と加熱コイルなどを含むことができ、加熱コイルによって培養物容器10を所定の温度に保つことができることが明らかである。
【0025】
上側部分4は培養物容器10内の培養物をガス媒体に暴露する暴露装置を含む。ガス媒体は例えば純粋ガスである。すなわち、原子、分子などの内部に含まれるすべての物質は気相にある。ガス媒体はまた、ガス媒体を培養物に接触させるために、同伴固体および/または液体微粒子のキャリアでもよく、また上記の混合物でもよい。さらに、ガス媒体がエアロゾル、噴霧液、液体微粒子、または噴霧、ブラウン運動サイズ微粒子などの植物保護手段、木屑などの固体粒子、またはガス内のコロイド状の浮遊物、または噴霧浮遊物またはさらに乳剤などであるかまたそれらの物質のキャリアであってもよい。例えば、タバコの微粒子の肺の細胞への充填はこの浮遊形態で研究できる。ここに列挙した物質は最終的なものではなく、最新の研究に従ってさらに変化することがある。
【0026】
暴露装置は結合取付物の形の入口42と、下側部分2の内部の培養物容器10内の培養物の表面のすぐ上で開く出口取付物44とを備えた流れダクト40を含む。流れダクト40は出口開口44の広がるトランペット状の開口の内部表面への流れの方向に連続的に混合する円筒状の内部中ぐりを備えた円筒状の移行部46を含む。流れの方向のこの内部表面は、好ましくは双曲面の形状である(特に、図4A〜4Cを参照)。流れダクト40の外部形状は双曲面の内部表面から独立している。用途(エアロゾルの組成)によれば、出口開口44の開口縁部48のさまざまな有利な形状(例えば、丸み付け、縁部をできるだけ鋭くするなど)とすることができる。出口開口44の内部表面は水平平面内で正確に出口縁部48の上に延びる。すなわち、断面の内部表面の双曲面の形状は水平曲線を有するように設計されている。つまり、双曲線は流れガイド部46(図2)の完全に垂直の方向から生成され、出口縁部48の現在では完全に水平の方向に曲がっている。この流れ方向の変化によって流れは中心軸から径方向に90度に曲がる。この特殊な幾何学構造によって、平滑で渦がない外向きの流れが可能になり、とりわけこの流れによって新鮮なガス媒体が培養物表面に連続的に供給される。さらに、処理する表面への媒体の外周の濃度配分はほぼ完全に均一である。
【0027】
流れダクト40は上側部分4内の貫通中ぐり52内に摩擦によって保持され、この中ぐりはその上側から内部チャンバ50内に延びている。円筒状のガイド部46の外部表面にはOリングなどの相補形リング・シール手段を収容するように設計されたリング状の溝54がある。現在、流れダクト40の外壁と貫通中ぐり52の内壁との間にあるこのリング状のシール手段は培養/暴露装置の外部空間を内部チャンバ50から気密にシールする。
流れダクト40は貫通中ぐり50内に摺動可能に長手方向に配置され、これによって、培養物容器10内の培養物の表面と開口縁部48との距離を調整することができる。これに関する情報を以下に詳述する。
【0028】
内部チャンバ50は、下側部分2とくぼみ4を備えた上側部分4とが組み合わさった状態で円筒状の閉鎖内部空間を形成し、内部チャンバ50とくぼみ8とは縁部の衝撃による損傷もなく嵌め合う。
【0029】
円筒状の案内部46にはねじり体56が差し込まれ、ねじり体56は摩擦閉鎖によって保持される。ねじり体56の詳細については、図6A、6Bを参照されたい。ねじり体56は短い円筒状の部材で、その外径は3つの隣接して配置されたスパイラル状の刃58が切り込んでいる案内デバイス40の円筒部の内径に対応する。明らかに、ねじれ体の全長にわたって隣接する刃の数は、本質的に、円筒状のねじれ体56を中心に半回転する経路をたどるような性質である。さらに、刃58は互いに極めて近くに配置されているので、その間にある残りのウェブは可能な限り細い。さらに、すべての刃58の間の貫流断面開口は可能な限り大きい。中央の、ねじれ体56の上端には円錐の突起60が形成され、その外壁はその底部で「衝撃を受けない」形で刃58の底部に移行する。円錐の突起60は流れの方向と逆に向いている。これに関して、「衝撃を受けない」という概念は、必要であれば、実際に、円錐の突起60の外部表面と刃58の内部表面との間にその最深位置に多少鋭い屈曲が存在するように選択される。ただし、これには鋭いオフセットがない。そうでなければ流れに与えられる可能性がある渦流を発生させることがある。図6Bに、円錐の突起60の円形のベース表面が点線で示されている。
【0030】
さらに、流れダクト40の円筒状の案内部46の周囲に、長手方向に摺動可能な円盤様の環状オリフィス62が配置されている。前記環状オリフィス62の内径は円筒状の案内部46の外径に対応し、前記環状オリフィス62の外径は上側部分4の内部チャンバ50の内径に対応する(図1を参照)。環状オリフィス62の円筒状の外壁上に、さらに、内部チャンバ50の内壁から環状オリフィス62の円筒状の外壁をシールするシーリング・リングを挿入できるリング溝64がある。図5Aから推察できるように、環状オリフィス62は、内部空間50の上部空間部と内部空間50の下部空間部との間の連通を可能にする、いくつかの軸方向に向いた貫通中ぐり66を含む。前記各部は介在する環状オリフィス62によって隔てられている。内部空間50の上部にはまた結合取付物70に達する中ぐり68があり、結合取付物70上には、例えば、ホースを取り付けて真空ポンプにつなげてもよい。このようにして、内部空間50は吸引される。例えば、1つの真空ポンプが共通の適切に分割されたホースとの連通によって図1に示す3つの培養/暴露装置を対象とすることができる。また、環状オリフィス62は吸引の均一な回転対称の配分を行い、それによって誘導された流れを流れダクト40の外部表面全体に供給して、貫通中ぐり66を配置したことによるダクト40から回転対称の不備を補償する(図5A、5Bも参照)。さらに、流れダクト40ごとにその貫通中ぐり66の寸法が異なるさまざまな環状オリフィス62を提供できる。いずれにせよ、流れダクト40内の吸引で行う調整に従って、適当な環状オリフィス62が選択され、流れダクト40上部に滑り込む。
【0031】
図7は開口48と前記培養物容器40内に保持された培養物72の表面との分離距離の調整を説明するための、流れダクト40と培養物容器10との概略断面図である。アウトフロー開口44から培養物72の表面までの分離距離は、開口縁部48と培養物72の表面の間の環状オリフィスの貫流断面Q2が、流れダクト40の円筒状の案内部46内の貫流断面Q1より小さくなるよう調節される。この寸法によって、培養物72の表面上の流れが加速し、再び渦流の形成を防止する。概して、培養物72の表面からの出口縁部48の分離距離はミリメートル範囲、例えば、おそらくわずか1mmである。そのような最小分離距離は、場所によって培養物72の表面は平坦でないことが多いという前提でやはり必要である。追加の手段として、培養物容器10の内径と開口縁部48上の出口開口44の外径の比率は、開口縁部48と培養物容器10の内径との間のリング開口の流れ断面Q3が同様に以前に命名した貫流断面Q1より大きいような寸法でなければならない。一般に、アウトフロー開口44の双曲面形状の設計を除いて、流れダクト40の高さに制限はない。明らかに、円筒状の案内部46を省略し、入口で流れを直接双曲線の屈曲44内に導入できる。縁48のさしわたしで測定したアウトフロー開口44の直径は、いずれにせよ、実際に最も使用される標準容器である培養物容器10の直径を考慮した上記比率Q3/Q1を遵守することで決定される。
【0032】
アウトフロー縁部48の培養物72の表面からの分離距離はさまざまな方法で調整できる。第1に、くぼみ8内で、培養物72を含む培養物容器10を挿入する前に、知られている厚みの調整用プレートリットをその間に配置することができる。その後、下側部分2と上側部分4とを閉鎖した後で、流れダクト40を摩擦保持力に逆らって、アウトフロー縁部48が調整プレートリットに突き当たるまで押し下げることができる。その後、培養/暴露装置を開き、前記調整プレートリットを取り外し、その場所に常駐の培養物72を含む培養物容器10を挿入することができる。第2に、上の代替案として、上側部分4の上端部に、前記分離距離を手動または自動で移動する調整装置を設けることができる。手動調整装置は、例えば、手動駆動作用力として働くワーム・ギアを備えたスパイラル・ドライブでもよい。この場合、スパイラル・ドライブは上側部分4と流れダクト40との間で作動する。さらに別の調整形態では、目盛りマーキングを上側部分4から延びている流れダスト4の端部に刻印する。このマーキングによって、1つまたは複数の分離距離を強調することができる。流れダクト40と上側部分4との摩擦結合の代わりに、ねじ込み結合を採用することも推奨できる。これによって、流れダクト40を回すことで前記分離距離を調整して上側部分4に関連してそのねじによる前進または後退を達成することができる。
【0033】
ガス媒体の温度管理と調節については、流れダクト40の周囲に加熱コイルを配置し、加熱コイルを対応する熱源に接続して温度調節を行うことが推奨できる。あるいは、流れダクト40を防錆金属(チタニウムを推奨)製とし、または少なくとも前記金属のケースに収容することができ、電流を防錆金属を通過させてこの金属を加熱することができる。
【0034】
さらに、流れダクト40の入口42とそれに結合された吸引取付物との間、または吸引取付物70と真空ポンプとの間に、時間単位あたりの流量に基く流れ測定デバイスまたは付属制御バルブを備えた質量検知要素を回路内に配置することができる。このようにして、例えば、前記流れダクト40を通過するガス媒体の貫流量を具体的に制御することができる。
【0035】
図8A、8B、9A、9Bには本発明の2つの別の設計の吸引取り入れ取付物74、74’が示されている。これらの取付物は複数の流れダクト40の入口42に接続できる。すなわち、これらの取付物は流れの逆方向に向かいトランペット状の内部表面を備えた吸引開口76を含む。さらに、内部表面は、流れ方向に、双曲面設計を有する。また、この内部表面に円筒状の内部表面を備えた円筒状の案内部78が結合されている。上記のように、双曲面の形状の吸引開口76は、有利には図8A、9Aに示す方法とは異なる方法で開いて、一般に円周の縁部80が水平面内に常駐するようにすることができる。それによって、吸引開口76の流れの分流が再び水平経路から90度まで向けられて垂直経路をたどる。吸引取付物76の開口は多孔性発泡材料82で覆われている。この発泡材料による覆いによって流れが均一になり、周囲大気源の一定しない運動および渦流に対する防止策として吸引取り入れ取付物75内に沈み込む。ただし、煙またはその他の固体微粒子の通過は阻止されず、フィルタリングもされない。吸引取付物74、74’状に内部で衝突し、吸引開口75内の有効な流れの均一な分布が阻害される横方向の流れに対して防護策が特に強化されている。前記覆われた発泡材料82の代わりに、大きな開口スクリーニングを吸引開口76内に設けることもできる。あるいは、吸引開口76内の横の流れを減衰する別の材料を使用することもできる。
【0036】
次に、図8A、8Bに示す吸引取付物74は、径方向に外向きに延びている結合取付物84を有する。これらの取付物84は円筒状のダクト部78の底部領域に結合され、流れダクト40の個々の入口取付物42へのラインの接続に使用される。図8に示すように、ダクト部78から径方向に突き出した前記結合取付物84はその外壁を中心に対称に回転するように配置される。図示の例では、互いに90度オフセットした4つの結合取付物84が設けられている。明らかに、他の数、例えば、8つのそのような結合取付物84を選択することができる。ダクト78内の4つの向き合って設定された結合取付物84の間の流れの切り換えを防止するために、その内部のダクト78底面にガイド板86が対称に配置されている。前記ダクト78の閉じた底面からの距離は84の開口平面の高さの約2倍であり、開口平面の高さは同じでダクト78の底面の付近にある。このようにして、2つの仕切り86は2つの四分円のチャンバを形成する。ダクト部78の直径に対する長さの比は約2で、それによって直線の径方向に突き出した結合取付物84はダクト78の直径に多少対応する。前記結合取付物84の直径はガイド・ダクト78の長さの約10分の1で、前記仕切り86の高さは実際、結合取付物84の直径の約3倍である。
【0037】
図9A、9Bに、前記取付物がガイド・ダクト78の底面から軸方向に平行に突き出した4つの結合取付物88を有する結合取付物74’の別の実施形態を示す。これらの4つの結合取付物88は適当な形状の移行部90、92を通ってガイド・ダクト78の円筒状の内部に延びる。図9A、9Bから明らかなように、移行部90、92は結合取付物88に対して回転対称であるように構成されていない。これはガイド・ダクト78の底部に対する結合取付物88自体の配置とは逆である。
【0038】
これに関して、流れをガイド・ダクト78を通して4つの結合取付物88にそれぞれ至る4つの等しい部分に分ける対応する分離壁94が設けられている。これらの壁は2つの移行部92間の水平の(図9Bに示す)センター・ラインをほぼ等しい長さに分割する2つの分離壁94を含む。さらに、このようにして、前記分離壁94は前記センター・ラインに垂直に立ち、前記センター・ラインを含む第3の分離壁94も同様である。この第3の分離壁は2つの先にあげた分離壁94の間に配置され、円筒状のガイド・ダクト80内部表面の移行部90を2つの別々の部分に分割する。この吸引取付物74’に関して、ガイド・ダクト78の直径に対する高さの比は約5で、ガイド・ダクト78の直径の吸引取付物88に対する比は約4で、ガイド・ダクトの高さに対する分離壁94の高さの比は約7である。3つの分離壁94は高さが同じである。
【0039】
明らかに、そのような吸引取付物74は流れダクト40に直接取り付けられる。すなわち、結合取付物84、結合ライン、流れダクト40の入口42による結合なしにそうすることができる。吸引取付物74の円筒状のガイド・ダクト78はこうして同じ直径で流れダクト40の円筒状の流れ部46に連通させることができ、あるいは、ガイド・ダクト78は吸引取付物74のトランペット形の吸引開口76を流れダクト40のアウトフロー開口44のトランペット形開口内に直接配置することができる。吸引取付物74、74’は、周囲大気内、またはガス媒体の同伴微粒子が人工的に噴射される対応する空間内に配置できる。すなわち、例えば、適当なスプレー・ノズルによる液滴は前記空間内にアトマイズされ、または次に固体物質が前記空間内の開口に吹き込まれ、またはスモーキング・ロボットが前記空間内で煙を発生でき、あるいはその他の可能性がある。
【0040】
以下に、培養/暴露装置の組み立てたキットの上側部分と下側部分の形態の別の構成要素について説明する。これらの要素は上記上側部分2と下側部分4と組み合わせて構成キットに組み込むことができる。このようにして、図10は培養物をガス媒体で処理する簡単な暴露装置を備えた上側部分96を示す。この上側部分96は、図10に示すように、2つの主要構成要素を含む。すなわち、それらはガス媒体で培養物を処理する簡単な暴露装置と、培養物の表面までガス媒体を案内する回転対称の内部表面を備えた3つの基本的に容器状のくぼみとを備えた上側部分96である。流れ案内手段98はその開口縁部の高さに平坦な底面構造に変形する円筒状の内部輪郭を有する。上側部分96の3つの長手方向の側面から流れガイド98に結合取付物100、102が貫通し、これらの取付物はガス媒体の供給や排出導路としての働きをする。ガス媒体は、例えば、供給機能結合取付物102(例えば、本発明の側壁の吸引取付物74、74’に結合された)によって流れガイド98内に流れ込む。前記ガス媒体は吸引結合100を介した誘導吸引によってそこから排出される。吸引結合100は流れの出口手段として機能する。前記誘導吸引は、例えば、真空ポンプへの接続によって生成できる。
【0041】
この場合、流れの技術の観点からは、問題はそのアウトフロー開口の全表面にわたって均一の時間と空間、ガス媒体の同種の配分を有しない簡単な構成の流れ案内手段98に関する。さらに、液密の中空体として構成された上側部分96は、流れ案内手段98と、ガス媒体が培養物上で温度調整できる高温の液体用の供給結合104と排出結合106とを有する。
【0042】
図11は細胞培養物を内部に含む培養物容器を収容するように構成された追加の下側部分108を示す。細胞培養物は一般に真核細胞培養物である。このために、前記下側部分108は3つの培養物容器112(例えば、トランスウェルインサート)を収容する3つのくぼみ110を有する。この点で、細胞培養を開示するドイツ特許第198 017 63号を参照する。この特許の開示は本出願でこれにより完全に受け入れられる。
【0043】
これらの培養物容器112(トランスウェルインサート)は、例えば、環状の断面を備えたカップ状の形状を有し、容器開口から容器底面に至る容器直径は円錐形に逓減する。容器の底面は多孔プラスチック材料、すなわち、ポリエチレンフタレート製である。細胞培養物インサートは膜の透水搬送構造を提供し、この構造は、培養する細胞の現在の要件に従って、さまざまなプラスチック材料、例えば、前記ポリエチレンフタレートから構成できる。この処理で、膜は細胞培養物を搬送する。
【0044】
底面領域のくぼみ112は共通ライン系114に結合されている。次いで、このライン系は2つの結合取付物116に分岐し、これら取付物に、培養物容器112内部表面の培養物に液体の栄養物質を供給するための液面制御装置を装着できる。例えば、その供給と除去のパルス制御器を含んでよい。この制御装置については詳述しないが、培養物容器112内の液体媒体の液面を制御する。これによって、培養物容器112内の細胞培養物は基礎的な浸水方式で定期的に栄養を与えられるが、これは、関連して、栄養液の液面が細胞培養物の表面の上部または下に調整されるためである。培養物容器112内の液体媒体のパルス制御と液面調整の詳細については、上に引用した特許明細を参照されたい。さらに下側部分108は、液体供給結合118と液体出口結合120とを供えた液密の中空体として構成される。これらの結合によって、温度調整された液体が下側部分108を通って案内され、培養物容器112内部に保持された培養物の温度調整が実行される。容器、すなわち、培養物容器112は前記内部空間から同様に液密にシールされている。
【0045】
図12は、図11の下側部分108が図10の上側部分96と組み合わされた組み立て可能な培養/暴露装置の変形形態を示す。組み立てられたキットは、下側部分2と上側部分4がどの培養物を培養するかに従って上側部分108と下側部分96とに対応して組み立てられるように構成されている。例えば、細胞培養物には下側部分108が使用され、原核生物培養物には下側部分2が推奨され、それによって、これらの培養物が、寒天などの適当な物質で栄養を与えられるように、培養物容器内に保持できる。上側部分と下側部分との前記配置は、培養物を暴露するガス媒体の配分で最も可能な時間および空間特性の同質性が望まれる場合に推奨できる。これが研究にとって重要なケースでは、上側部分4と本発明の流れ案内機能を使用すべきである。研究にとってあまり重要でない場合、上側部分98を併用すべきである。
【0046】
要するに、培養/暴露装置は、対応する内部に含むべき収容培養物(例えば、真核生物または原核生物)を備えた培養物容器10または112をロボットによる自動ラインに装備する手順に従って操作できるように構成されている。ただし、この場合、図1に示す留め金機構6の代わりに、ロボット操作が可能な閉鎖を設ける。これを実行すると、下側部分2、108と上側部分4、96をロボットによって容易に開閉することができる。さらに、培養物容器10、112上で、例えば、ロボット・アームが容易に培養物容器8、110を把持して取り外し、また当然であるが、交換時の逆の操作ができるための磁石、くぼみ、摩擦隆起などの手段を設けることができる。最後に、培養/暴露装置は全体として、クリーニング・ステーション内で、すべての培養物容器10、112を取り外した後で容易に洗浄できるように構成されている。別の利点は、可能な限り、ガス媒体と接触する縁部およびその他のアクセスが困難な場所が回避されている点である。
【0047】
特に、本発明によれば、図1に示す培養/暴露装置(対応する同種の配分が不要な場合、上側部分4が上側部分96に変更できる)によって、原核生物(すなわち、例えば、バクテリア、真菌類など)を培養し、ガス媒体に暴露できる。これによって、この種の培養物の研究の全く新しい可能性が開かれる。これまで、このような研究は細胞培養物に対してのみ行われていた。したがって、これまでは液体開始物質(寒天内のバクテリアで封入された)でのみ実行できたエームス試験を実行することができる。現在、この試験はガス媒体内で搬送される能動物質(またはガス媒体それ自体、またはそこに含まれる同伴液体または固体)で実行することができる。
【0048】
バクテリアは、ある状況では、寒天内の栄養物質で封入され、能動物質が封入バクテリア上を流れるため、前記研究を拡張することができる。
【0049】
培養物処理のためのガス媒体の流れは、そのような研究では、普通、約80ml/分、約50ml/分、約10ml/分に調整される。したがって、流れ案内手段内の流れはレイノルズ数の低い範囲にあり、直線の非渦流に分類できる。さらに、タバコの煙が肺の細胞に与える影響を研究する場合、1〜5から1〜10までの煙/大気混合比が調整されており、この煙/大気混合比が約35℃に保持されていた(例えば、流れガイド・ダクト40、98の周囲の対応する加熱手段によって)。大気中を搬送される煙のうち、研究所の決定によれば、肺の細胞によって約1%が結合されていた。
【技術分野】
【0001】
本発明は培養物を収容する培養/暴露装置と、そのような培養/暴露装置のアセンブリ用キットと、原核生物の培養手順とに関する。
【背景技術】
【0002】
最新技術で開示されているように、培養/暴露装置内に収容された細胞培養物がガス媒体に暴露される培養/暴露装置が知られている。その一例として、一般的に適用可能な(本出願人の)出版物DE 100 140 57とEP 1 174 496を引用することができる。
【0003】
細胞培養物を収容する(本出願人の)培養/暴露装置は、有効径が徐々に増加して底部に向かって円錐状にテーパする側壁構造を有する培養物容器を採用する。前記装置は細胞培養物をガス環境に暴露する手段であって、前記細胞培養物を所定の危険な、または治療の条件下で処理できる手段をさらに備える。このために、ガス、エアロゾル、および/または粒子を運ぶ媒体は直接細胞培養物に接触することができる。前記ガス媒体には、例えば、肺の細胞に侵入するタバコの煙が含まれる。前記暴露装置はこの目的のため、貫通通路、円筒形の流れ方向の装置を包含する。この装置はガス媒体の方向付けられた流れが導かれ、細胞培養物の表面上を流れ、その流れ装置と培養物容器の壁の間の環状の開口を通過することができるように、前記培養/暴露装置内で細胞培養物の上部に位置している。例えば、そのような流れの模様が、前記環状開口の下流の流れ経路内に置かれた真空ポンプによって生成される。入口部の流れダクトが吸引取付物に接続され、これを通して、周囲大気、試験ガスなどが真空に暴露されて細胞培養物の上部を接触可能に導かれる。
【0004】
引用されたEP 1 174 496は基本的に、暴露装置の形成において、本出願人の上記出版物を表す。さらに、この出版物は細胞培養物上に堆積する同伴するエアロゾル粒子の容量をより正確に決定する方法に関する。これに関して、円筒状の流れダクトのガス流の層流がレーザ・ビームのパルスで感知される目視マーキングされたエアロゾル粒子によって決定される。その後、決定された双曲線の層流から、これらの層流が選択され、細胞培養物の表面から一定距離を進行し、そこから同伴エアロゾルが細胞培養物表面上に拡散することができる。これらの層流は流れダクトの入口までたどることができ、それによって流れダクトの開口の全断面に関してこの層流内の効果的な断面が決定される。この効果的な断面によって、すべての流れを通したエアロゾルは細胞培養物表面を暴露することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実際の経験から、細胞培養物表面上部のガス媒体の連続的な交換ができず、細胞培養物の均一な接触暴露が保証されないことから、従来の暴露装置の動作は不満足であることが分かっている。細胞培養物表面上部に常駐の「不感域」が形成されていることは明らかである。さらに、「排出ガス媒体」内にこれらの不感域が重なり、細胞培養物に新鮮なガス媒体を送ることができない。
【0006】
さらに、例えば、円筒状の吸引取付物による周囲大気の取入れが所定の吸引取り入れ容量をかなり超えるために、吸引取付物の問題が発生する。これについて、容積固定の吸引は不可能で、逆に、真空ラインからの不要な吸引変動が発生する。
【0007】
したがって、本発明は培養物表面上部に向けられたガス流の流れ特性を最適化することを目的とする。同様に、本発明は例えば外部チャンバからの吸引ベースのガス媒体の除去を改善することを目的とする。最後に、本発明の目的は原核生物の培養および暴露の広範な研究の可能性を利用可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は請求項1、39、53、54および55の目的によってこれらの目的を達成する。本発明の好ましい実施形態は従属請求項に記載する。
【0009】
請求項1によれば、培養物を収容する培養/暴露装置が作成され、前記培養/暴露装置は常駐培養物をガス媒体に暴露するデバイスを有する。前記デバイスは前記ガス媒体を流れシステム内に案内する入口から前記ガス媒体を送り込む流れ生成機構を備える。このデバイスは培養物表面上部に位置する出口開口をさらに有する。この出口は流れの方向に沿って広がる内部のトランペット形状を含む。トランペット状に広がるこの開口の利点は、特に制御が困難な流れ解放渦がこのタイプの開口端では発生しないということである。通常、円筒状の排出ダクトの周囲の縁では、渦流によって培養物上部に不感域が発生する。上記の特別のトランペット状の出口開口によって、ガス媒体の流れを平滑に、かつ培養物表面の渦に邪魔されずに案内することができる。さらに、内部のあらゆる同伴粒子を含む流れが最大の可能な程度まで培養物表面に均一に分散される。
【0010】
なお、「トランペット状」という概念は円形構造に限定されず、例えば、長い開口、(矩形)、正方形、多角形、回転対称またはその他の開口断面を含むことができる。基本的に、決定的な要因は、開口の断面が出口領域への増加する断面を保持するということである。逆に、円錐台状の直線出口は所望の結果を実現しない。「チューリップ状の」出口も同様である。
【0011】
なお、「培養物」または「細胞培養物」という一般的概念は、細胞培養物だけでなく、よく知られている真核細胞培養物、原核生物培養物、バクテリア培養物などを含む。
【0012】
請求項39によれば、培養物収容のための培養/暴露装置は常駐培養物をガス媒体に暴露する配置で構成される。前記配置はガス媒体を取り入れる吸引開口を備えた吸引取付物と、ガス媒体を培養物表面のすぐ上の流れに案内する分流に結合される出口開口とを有する。このために、吸引取付物の吸引開口はガス媒体の流れの方向に広がるトランペット状の内部表面を示す。この場合、請求項1の説明と同様に、すなわち、トランペット状の連続して広がる吸引開口の説明と同様に、吸引取付物上部に形成され、そこから新鮮な周囲大気を除去できない不感域が回避されるという利点がある。
【0013】
請求項53に関して、培養/暴露装置の組み立てのための構成キットが作成される。このキットは、4つのキット要素、すなわち、第1に、請求項21の上側部分と、第2に、培養物容器内の培養物をガス媒体に暴露する装置を備えた上側部分とを含み、前記暴露装置は第3の品目としてガス媒体の吸引除去のための吸引取付物と、ガス媒体を培養物表面上部の区域に案内する前記吸引取付物に結合した流れ方向手段とを有する。キットはさらに第4の品目として請求項30〜33に記載の下側部分要素を有する。このように、基本的に4つの異なる培養/暴露装置を組み立てることができる。これらについて以下に記載する。
【0014】
第1の培養/暴露装置は、細胞培養物(またはより一般的には、真核細胞培養物)の培養のための下側部分要素を備え、本発明の流れ案内を備えた上側部分と共に供給液で特に浸水の基本栄養を可能にする。
【0015】
第2の培養/暴露装置は、最後に述べた下側部分と、「簡単化された」流れ案内(例えば、貫通形の円筒形流れダクト)を備える。
【0016】
第3の培養/暴露装置は、ペトリ皿内で原核生物、特にバクテリア(栄養液を外部から供給しない)の培養を行う下側部分と共に、本発明の流れ制御を有する上側部分を備える。
【0017】
第4の培養/暴露装置は、最後に述べた下側部分と、「より簡単な」流れ方向システムを備えた上側部分を有する。
【0018】
請求項54に関して、培養する原核生物を保持する培養物容器を収容する受容器を備えた培養/暴露装置によって原核生物を培養する手順が示され、前記培養物容器内に収容される原核生物をガス媒体に暴露する装置が製造される。この構成で、暴露装置はガス媒体を取り入れる吸引取付物と、前記吸引取付物に結合された、培養物容器内に常駐する原核生物の表面にガス媒体を案内する流れ方向手段とを含む。この動作で、最初に、原核生物(例えば、バクテリア、真菌類など)も所定のガス媒体に暴露でき、それによって、それに対する原核生物の反応を研究することができる培養/暴露装置を作成することが有利である。これまで、このような研究は、真核生物、すなわち哺乳動物細胞でのみ実施した。
原核生物、すなわち特殊なバクテリアは、液体能動性の物質にのみ関連して培養され研究されてきた。例えば、寒天内に封入された時に培養されてきた。
【0019】
最後に、請求項55は請求項54の手順を実行する、培養する原核生物を含む培養物容器を収容するくぼみを備えた培養/暴露装置と、前記容器内にある原核生物をガス媒体に暴露する装置に関する。これが実行されると、暴露装置はガス媒体の吸引除去のための吸引取付物と、ガス媒体を培養物容器内に置かれた原核生物の表面に案内する前記吸引取付物に結合された流れ案内手段とを含む。
【0020】
添付図面を参照しながら、本発明とその詳細な特徴および利点について以下により詳しく論ずる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の流れ案内を有する本発明の培養/暴露装置の長手方向の概略断面図である。
【図2】本発明の流れ案内を有する本発明の培養/暴露装置の断面の概略側面図である。
【図3】本発明の培養/暴露装置の下側部分の概略平面図である。
【図4A】本発明の流れダクトの断面図である。
【図4B】本発明の流れダクトの上からの斜視図である。
【図4C】本発明の流れダクトの下からの斜視図である。
【図5A】案内された流れの周囲に吸引流れを均一に配分する本発明の培養/暴露装置の概略平面図である。
【図5B】案内された流れの周囲に吸引流れを均一に配分する本発明の培養/暴露装置内の環状オリフィス側面図である。
【図6A】本発明の流れ案内内に配置された流れスピン・ボディの側面図である。
【図6B】本発明の流れ案内内に配置された流れスピン・ボディの平面図である。
【図7】本発明の流れダクトと培養物を含む培養物容器の配置の概略断面図である。
【図8A】第1の実施形態による本発明の吸引取付物の概略断面図である。
【図8B】この本発明の吸引取付物の底部の概略平面図である。
【図9A】第2の実施形態による本発明の吸引取付物の概略断面図である。
【図9B】この本発明の吸引取付物の底部の概略平面図である。
【図10】本発明の培養/暴露装置の組み立てのための本発明のキットの追加の上部構成部品の斜視図である。
【図11】細胞培養物に液体媒体を送達する供給装置であって、本発明の培養/暴露装置の組み立てのための本発明のキットの構成部品である供給装置を備えた細胞培養物容器を収容する追加の下側部分の斜視側面図である。
【図12】図10の上部構成部品と図11の下側部分から組み立てられる本発明の培養/暴露装置の斜視側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の培養/暴露装置の長手方向の概略断面図である。前記装置はほぼ箱状の形態で構成され、したがって、一方が他方に重畳した2つの半分、すなわち、下側部分2と上側部分4との組立てからなる。結合状態では、下側部分2と上側部分4はラッチ状の固定具6で固定できる。図1のこの例では、下側部分2は3つの培養物容器10を収容するように形成された3つのくぼみ8を含む。この数は任意選択できることは明らかである。くぼみ8は図3の平面図でより明確なように、ブロック状の下側部分2内の円筒状の中ぐりである。また、培養物容器10は環状の開いた容器の形態を有し、その外壁は明らかに円筒形である。容器10の前記壁の高さは前記円筒状のくぼみ8の深さより多少小さい。
【0023】
培養物容器10を除去するためのエジェクタ機構12が設けられている。これを図2の断面図で特に詳細に示す。エジェクタ12は下側部分2の底部からくぼみ8へ延びる円筒状の貫通中ぐり14を含む。下側部分2の前記底部から分かるように、この中ぐり14には戻りばね18が当たるためのオフセット16を設けている。エジェクタ・ピン20がこの中ぐり14内で案内されて前後に動く。前記ピンの外径はオフセット16の上部の中ぐり14の小さい内径に適合する。エジェクタ・ピン20は円筒状のヘッド22を有し、その外径は貫通中ぐり14のより大きい部分の内径に摺動して嵌る。こうして、貫通中ぐり14内のエジェクタ・ピン20の正確な案内が保証される。前記ヘッド22の下側に戻りバネ18が接合している。したがって戻りバネ18は、くぼみ8から離れる方向でエジェクタ・ピン20に対して圧縮応力を与える。前記ヘッド22のフラットな外部側面はその能動端がやや中ぐり14の側方に回転軸26を中心に中ぐり14の長手方向に揺動するレバー24が取り付けられている。このレバー24の他端は手動で動かされるハンドル28の形で下側部分2の下側から突き出し、したがって、培養/暴露装置の外部にアクセス可能に突き出している。図1から分かるように、3つのエジェクト機構12すべてに対し1つの、連続するシャフトの形の共通揺動軸26が設けられ下側部分2を完全に突き抜けている。この揺動軸26は下側部分2に動かないように固定され、レバー24はそれを中心に自由に回転できる。したがって、3つのハンドル28が下側部分2の長手側面から突き出し、それによって3つの培養物容器10は手で個別にエジェクトすることができる。詳細に言えば、レバー24は角が取れた駆動カム30を所有し、この駆動カム30はヘッド22の暴露した端面に上昇気味に接触する。この駆動カム30によって、レバー24の揺動をエジェクタ・ピン20の往復運動を可能にする最も摩擦が少ない方法で実行することができる。エジェクタ・ピン20は、中ぐり14の上部の小さい直径部分で環状シール32と合わさり、環状シール32はくぼみ8をエジェクタ機構12の下部から閉鎖する。明らかに、培養物容器10をより容易にくぼみ8から除去できる他のいかなる種類のエジェクト機構も可能である。
【0024】
下側部分2は基本的に中空で、上記くぼみ8の周囲にくぼみ8の温度調整のための液体を満たした液密チャンバ34を形成し、それによって培養物容器10内の培養物の温度調整が可能になる。チャンバ34の温度調整のために、液注入口36とそれに対応する液排出口38(図3を参照)がある。これらの取付物36、38はチャンバ34内の温度の調整のために外部加熱循環に結合している。別の加熱装置は例えばくぼみ8と加熱コイルなどを含むことができ、加熱コイルによって培養物容器10を所定の温度に保つことができることが明らかである。
【0025】
上側部分4は培養物容器10内の培養物をガス媒体に暴露する暴露装置を含む。ガス媒体は例えば純粋ガスである。すなわち、原子、分子などの内部に含まれるすべての物質は気相にある。ガス媒体はまた、ガス媒体を培養物に接触させるために、同伴固体および/または液体微粒子のキャリアでもよく、また上記の混合物でもよい。さらに、ガス媒体がエアロゾル、噴霧液、液体微粒子、または噴霧、ブラウン運動サイズ微粒子などの植物保護手段、木屑などの固体粒子、またはガス内のコロイド状の浮遊物、または噴霧浮遊物またはさらに乳剤などであるかまたそれらの物質のキャリアであってもよい。例えば、タバコの微粒子の肺の細胞への充填はこの浮遊形態で研究できる。ここに列挙した物質は最終的なものではなく、最新の研究に従ってさらに変化することがある。
【0026】
暴露装置は結合取付物の形の入口42と、下側部分2の内部の培養物容器10内の培養物の表面のすぐ上で開く出口取付物44とを備えた流れダクト40を含む。流れダクト40は出口開口44の広がるトランペット状の開口の内部表面への流れの方向に連続的に混合する円筒状の内部中ぐりを備えた円筒状の移行部46を含む。流れの方向のこの内部表面は、好ましくは双曲面の形状である(特に、図4A〜4Cを参照)。流れダクト40の外部形状は双曲面の内部表面から独立している。用途(エアロゾルの組成)によれば、出口開口44の開口縁部48のさまざまな有利な形状(例えば、丸み付け、縁部をできるだけ鋭くするなど)とすることができる。出口開口44の内部表面は水平平面内で正確に出口縁部48の上に延びる。すなわち、断面の内部表面の双曲面の形状は水平曲線を有するように設計されている。つまり、双曲線は流れガイド部46(図2)の完全に垂直の方向から生成され、出口縁部48の現在では完全に水平の方向に曲がっている。この流れ方向の変化によって流れは中心軸から径方向に90度に曲がる。この特殊な幾何学構造によって、平滑で渦がない外向きの流れが可能になり、とりわけこの流れによって新鮮なガス媒体が培養物表面に連続的に供給される。さらに、処理する表面への媒体の外周の濃度配分はほぼ完全に均一である。
【0027】
流れダクト40は上側部分4内の貫通中ぐり52内に摩擦によって保持され、この中ぐりはその上側から内部チャンバ50内に延びている。円筒状のガイド部46の外部表面にはOリングなどの相補形リング・シール手段を収容するように設計されたリング状の溝54がある。現在、流れダクト40の外壁と貫通中ぐり52の内壁との間にあるこのリング状のシール手段は培養/暴露装置の外部空間を内部チャンバ50から気密にシールする。
流れダクト40は貫通中ぐり50内に摺動可能に長手方向に配置され、これによって、培養物容器10内の培養物の表面と開口縁部48との距離を調整することができる。これに関する情報を以下に詳述する。
【0028】
内部チャンバ50は、下側部分2とくぼみ4を備えた上側部分4とが組み合わさった状態で円筒状の閉鎖内部空間を形成し、内部チャンバ50とくぼみ8とは縁部の衝撃による損傷もなく嵌め合う。
【0029】
円筒状の案内部46にはねじり体56が差し込まれ、ねじり体56は摩擦閉鎖によって保持される。ねじり体56の詳細については、図6A、6Bを参照されたい。ねじり体56は短い円筒状の部材で、その外径は3つの隣接して配置されたスパイラル状の刃58が切り込んでいる案内デバイス40の円筒部の内径に対応する。明らかに、ねじれ体の全長にわたって隣接する刃の数は、本質的に、円筒状のねじれ体56を中心に半回転する経路をたどるような性質である。さらに、刃58は互いに極めて近くに配置されているので、その間にある残りのウェブは可能な限り細い。さらに、すべての刃58の間の貫流断面開口は可能な限り大きい。中央の、ねじれ体56の上端には円錐の突起60が形成され、その外壁はその底部で「衝撃を受けない」形で刃58の底部に移行する。円錐の突起60は流れの方向と逆に向いている。これに関して、「衝撃を受けない」という概念は、必要であれば、実際に、円錐の突起60の外部表面と刃58の内部表面との間にその最深位置に多少鋭い屈曲が存在するように選択される。ただし、これには鋭いオフセットがない。そうでなければ流れに与えられる可能性がある渦流を発生させることがある。図6Bに、円錐の突起60の円形のベース表面が点線で示されている。
【0030】
さらに、流れダクト40の円筒状の案内部46の周囲に、長手方向に摺動可能な円盤様の環状オリフィス62が配置されている。前記環状オリフィス62の内径は円筒状の案内部46の外径に対応し、前記環状オリフィス62の外径は上側部分4の内部チャンバ50の内径に対応する(図1を参照)。環状オリフィス62の円筒状の外壁上に、さらに、内部チャンバ50の内壁から環状オリフィス62の円筒状の外壁をシールするシーリング・リングを挿入できるリング溝64がある。図5Aから推察できるように、環状オリフィス62は、内部空間50の上部空間部と内部空間50の下部空間部との間の連通を可能にする、いくつかの軸方向に向いた貫通中ぐり66を含む。前記各部は介在する環状オリフィス62によって隔てられている。内部空間50の上部にはまた結合取付物70に達する中ぐり68があり、結合取付物70上には、例えば、ホースを取り付けて真空ポンプにつなげてもよい。このようにして、内部空間50は吸引される。例えば、1つの真空ポンプが共通の適切に分割されたホースとの連通によって図1に示す3つの培養/暴露装置を対象とすることができる。また、環状オリフィス62は吸引の均一な回転対称の配分を行い、それによって誘導された流れを流れダクト40の外部表面全体に供給して、貫通中ぐり66を配置したことによるダクト40から回転対称の不備を補償する(図5A、5Bも参照)。さらに、流れダクト40ごとにその貫通中ぐり66の寸法が異なるさまざまな環状オリフィス62を提供できる。いずれにせよ、流れダクト40内の吸引で行う調整に従って、適当な環状オリフィス62が選択され、流れダクト40上部に滑り込む。
【0031】
図7は開口48と前記培養物容器40内に保持された培養物72の表面との分離距離の調整を説明するための、流れダクト40と培養物容器10との概略断面図である。アウトフロー開口44から培養物72の表面までの分離距離は、開口縁部48と培養物72の表面の間の環状オリフィスの貫流断面Q2が、流れダクト40の円筒状の案内部46内の貫流断面Q1より小さくなるよう調節される。この寸法によって、培養物72の表面上の流れが加速し、再び渦流の形成を防止する。概して、培養物72の表面からの出口縁部48の分離距離はミリメートル範囲、例えば、おそらくわずか1mmである。そのような最小分離距離は、場所によって培養物72の表面は平坦でないことが多いという前提でやはり必要である。追加の手段として、培養物容器10の内径と開口縁部48上の出口開口44の外径の比率は、開口縁部48と培養物容器10の内径との間のリング開口の流れ断面Q3が同様に以前に命名した貫流断面Q1より大きいような寸法でなければならない。一般に、アウトフロー開口44の双曲面形状の設計を除いて、流れダクト40の高さに制限はない。明らかに、円筒状の案内部46を省略し、入口で流れを直接双曲線の屈曲44内に導入できる。縁48のさしわたしで測定したアウトフロー開口44の直径は、いずれにせよ、実際に最も使用される標準容器である培養物容器10の直径を考慮した上記比率Q3/Q1を遵守することで決定される。
【0032】
アウトフロー縁部48の培養物72の表面からの分離距離はさまざまな方法で調整できる。第1に、くぼみ8内で、培養物72を含む培養物容器10を挿入する前に、知られている厚みの調整用プレートリットをその間に配置することができる。その後、下側部分2と上側部分4とを閉鎖した後で、流れダクト40を摩擦保持力に逆らって、アウトフロー縁部48が調整プレートリットに突き当たるまで押し下げることができる。その後、培養/暴露装置を開き、前記調整プレートリットを取り外し、その場所に常駐の培養物72を含む培養物容器10を挿入することができる。第2に、上の代替案として、上側部分4の上端部に、前記分離距離を手動または自動で移動する調整装置を設けることができる。手動調整装置は、例えば、手動駆動作用力として働くワーム・ギアを備えたスパイラル・ドライブでもよい。この場合、スパイラル・ドライブは上側部分4と流れダクト40との間で作動する。さらに別の調整形態では、目盛りマーキングを上側部分4から延びている流れダスト4の端部に刻印する。このマーキングによって、1つまたは複数の分離距離を強調することができる。流れダクト40と上側部分4との摩擦結合の代わりに、ねじ込み結合を採用することも推奨できる。これによって、流れダクト40を回すことで前記分離距離を調整して上側部分4に関連してそのねじによる前進または後退を達成することができる。
【0033】
ガス媒体の温度管理と調節については、流れダクト40の周囲に加熱コイルを配置し、加熱コイルを対応する熱源に接続して温度調節を行うことが推奨できる。あるいは、流れダクト40を防錆金属(チタニウムを推奨)製とし、または少なくとも前記金属のケースに収容することができ、電流を防錆金属を通過させてこの金属を加熱することができる。
【0034】
さらに、流れダクト40の入口42とそれに結合された吸引取付物との間、または吸引取付物70と真空ポンプとの間に、時間単位あたりの流量に基く流れ測定デバイスまたは付属制御バルブを備えた質量検知要素を回路内に配置することができる。このようにして、例えば、前記流れダクト40を通過するガス媒体の貫流量を具体的に制御することができる。
【0035】
図8A、8B、9A、9Bには本発明の2つの別の設計の吸引取り入れ取付物74、74’が示されている。これらの取付物は複数の流れダクト40の入口42に接続できる。すなわち、これらの取付物は流れの逆方向に向かいトランペット状の内部表面を備えた吸引開口76を含む。さらに、内部表面は、流れ方向に、双曲面設計を有する。また、この内部表面に円筒状の内部表面を備えた円筒状の案内部78が結合されている。上記のように、双曲面の形状の吸引開口76は、有利には図8A、9Aに示す方法とは異なる方法で開いて、一般に円周の縁部80が水平面内に常駐するようにすることができる。それによって、吸引開口76の流れの分流が再び水平経路から90度まで向けられて垂直経路をたどる。吸引取付物76の開口は多孔性発泡材料82で覆われている。この発泡材料による覆いによって流れが均一になり、周囲大気源の一定しない運動および渦流に対する防止策として吸引取り入れ取付物75内に沈み込む。ただし、煙またはその他の固体微粒子の通過は阻止されず、フィルタリングもされない。吸引取付物74、74’状に内部で衝突し、吸引開口75内の有効な流れの均一な分布が阻害される横方向の流れに対して防護策が特に強化されている。前記覆われた発泡材料82の代わりに、大きな開口スクリーニングを吸引開口76内に設けることもできる。あるいは、吸引開口76内の横の流れを減衰する別の材料を使用することもできる。
【0036】
次に、図8A、8Bに示す吸引取付物74は、径方向に外向きに延びている結合取付物84を有する。これらの取付物84は円筒状のダクト部78の底部領域に結合され、流れダクト40の個々の入口取付物42へのラインの接続に使用される。図8に示すように、ダクト部78から径方向に突き出した前記結合取付物84はその外壁を中心に対称に回転するように配置される。図示の例では、互いに90度オフセットした4つの結合取付物84が設けられている。明らかに、他の数、例えば、8つのそのような結合取付物84を選択することができる。ダクト78内の4つの向き合って設定された結合取付物84の間の流れの切り換えを防止するために、その内部のダクト78底面にガイド板86が対称に配置されている。前記ダクト78の閉じた底面からの距離は84の開口平面の高さの約2倍であり、開口平面の高さは同じでダクト78の底面の付近にある。このようにして、2つの仕切り86は2つの四分円のチャンバを形成する。ダクト部78の直径に対する長さの比は約2で、それによって直線の径方向に突き出した結合取付物84はダクト78の直径に多少対応する。前記結合取付物84の直径はガイド・ダクト78の長さの約10分の1で、前記仕切り86の高さは実際、結合取付物84の直径の約3倍である。
【0037】
図9A、9Bに、前記取付物がガイド・ダクト78の底面から軸方向に平行に突き出した4つの結合取付物88を有する結合取付物74’の別の実施形態を示す。これらの4つの結合取付物88は適当な形状の移行部90、92を通ってガイド・ダクト78の円筒状の内部に延びる。図9A、9Bから明らかなように、移行部90、92は結合取付物88に対して回転対称であるように構成されていない。これはガイド・ダクト78の底部に対する結合取付物88自体の配置とは逆である。
【0038】
これに関して、流れをガイド・ダクト78を通して4つの結合取付物88にそれぞれ至る4つの等しい部分に分ける対応する分離壁94が設けられている。これらの壁は2つの移行部92間の水平の(図9Bに示す)センター・ラインをほぼ等しい長さに分割する2つの分離壁94を含む。さらに、このようにして、前記分離壁94は前記センター・ラインに垂直に立ち、前記センター・ラインを含む第3の分離壁94も同様である。この第3の分離壁は2つの先にあげた分離壁94の間に配置され、円筒状のガイド・ダクト80内部表面の移行部90を2つの別々の部分に分割する。この吸引取付物74’に関して、ガイド・ダクト78の直径に対する高さの比は約5で、ガイド・ダクト78の直径の吸引取付物88に対する比は約4で、ガイド・ダクトの高さに対する分離壁94の高さの比は約7である。3つの分離壁94は高さが同じである。
【0039】
明らかに、そのような吸引取付物74は流れダクト40に直接取り付けられる。すなわち、結合取付物84、結合ライン、流れダクト40の入口42による結合なしにそうすることができる。吸引取付物74の円筒状のガイド・ダクト78はこうして同じ直径で流れダクト40の円筒状の流れ部46に連通させることができ、あるいは、ガイド・ダクト78は吸引取付物74のトランペット形の吸引開口76を流れダクト40のアウトフロー開口44のトランペット形開口内に直接配置することができる。吸引取付物74、74’は、周囲大気内、またはガス媒体の同伴微粒子が人工的に噴射される対応する空間内に配置できる。すなわち、例えば、適当なスプレー・ノズルによる液滴は前記空間内にアトマイズされ、または次に固体物質が前記空間内の開口に吹き込まれ、またはスモーキング・ロボットが前記空間内で煙を発生でき、あるいはその他の可能性がある。
【0040】
以下に、培養/暴露装置の組み立てたキットの上側部分と下側部分の形態の別の構成要素について説明する。これらの要素は上記上側部分2と下側部分4と組み合わせて構成キットに組み込むことができる。このようにして、図10は培養物をガス媒体で処理する簡単な暴露装置を備えた上側部分96を示す。この上側部分96は、図10に示すように、2つの主要構成要素を含む。すなわち、それらはガス媒体で培養物を処理する簡単な暴露装置と、培養物の表面までガス媒体を案内する回転対称の内部表面を備えた3つの基本的に容器状のくぼみとを備えた上側部分96である。流れ案内手段98はその開口縁部の高さに平坦な底面構造に変形する円筒状の内部輪郭を有する。上側部分96の3つの長手方向の側面から流れガイド98に結合取付物100、102が貫通し、これらの取付物はガス媒体の供給や排出導路としての働きをする。ガス媒体は、例えば、供給機能結合取付物102(例えば、本発明の側壁の吸引取付物74、74’に結合された)によって流れガイド98内に流れ込む。前記ガス媒体は吸引結合100を介した誘導吸引によってそこから排出される。吸引結合100は流れの出口手段として機能する。前記誘導吸引は、例えば、真空ポンプへの接続によって生成できる。
【0041】
この場合、流れの技術の観点からは、問題はそのアウトフロー開口の全表面にわたって均一の時間と空間、ガス媒体の同種の配分を有しない簡単な構成の流れ案内手段98に関する。さらに、液密の中空体として構成された上側部分96は、流れ案内手段98と、ガス媒体が培養物上で温度調整できる高温の液体用の供給結合104と排出結合106とを有する。
【0042】
図11は細胞培養物を内部に含む培養物容器を収容するように構成された追加の下側部分108を示す。細胞培養物は一般に真核細胞培養物である。このために、前記下側部分108は3つの培養物容器112(例えば、トランスウェルインサート)を収容する3つのくぼみ110を有する。この点で、細胞培養を開示するドイツ特許第198 017 63号を参照する。この特許の開示は本出願でこれにより完全に受け入れられる。
【0043】
これらの培養物容器112(トランスウェルインサート)は、例えば、環状の断面を備えたカップ状の形状を有し、容器開口から容器底面に至る容器直径は円錐形に逓減する。容器の底面は多孔プラスチック材料、すなわち、ポリエチレンフタレート製である。細胞培養物インサートは膜の透水搬送構造を提供し、この構造は、培養する細胞の現在の要件に従って、さまざまなプラスチック材料、例えば、前記ポリエチレンフタレートから構成できる。この処理で、膜は細胞培養物を搬送する。
【0044】
底面領域のくぼみ112は共通ライン系114に結合されている。次いで、このライン系は2つの結合取付物116に分岐し、これら取付物に、培養物容器112内部表面の培養物に液体の栄養物質を供給するための液面制御装置を装着できる。例えば、その供給と除去のパルス制御器を含んでよい。この制御装置については詳述しないが、培養物容器112内の液体媒体の液面を制御する。これによって、培養物容器112内の細胞培養物は基礎的な浸水方式で定期的に栄養を与えられるが、これは、関連して、栄養液の液面が細胞培養物の表面の上部または下に調整されるためである。培養物容器112内の液体媒体のパルス制御と液面調整の詳細については、上に引用した特許明細を参照されたい。さらに下側部分108は、液体供給結合118と液体出口結合120とを供えた液密の中空体として構成される。これらの結合によって、温度調整された液体が下側部分108を通って案内され、培養物容器112内部に保持された培養物の温度調整が実行される。容器、すなわち、培養物容器112は前記内部空間から同様に液密にシールされている。
【0045】
図12は、図11の下側部分108が図10の上側部分96と組み合わされた組み立て可能な培養/暴露装置の変形形態を示す。組み立てられたキットは、下側部分2と上側部分4がどの培養物を培養するかに従って上側部分108と下側部分96とに対応して組み立てられるように構成されている。例えば、細胞培養物には下側部分108が使用され、原核生物培養物には下側部分2が推奨され、それによって、これらの培養物が、寒天などの適当な物質で栄養を与えられるように、培養物容器内に保持できる。上側部分と下側部分との前記配置は、培養物を暴露するガス媒体の配分で最も可能な時間および空間特性の同質性が望まれる場合に推奨できる。これが研究にとって重要なケースでは、上側部分4と本発明の流れ案内機能を使用すべきである。研究にとってあまり重要でない場合、上側部分98を併用すべきである。
【0046】
要するに、培養/暴露装置は、対応する内部に含むべき収容培養物(例えば、真核生物または原核生物)を備えた培養物容器10または112をロボットによる自動ラインに装備する手順に従って操作できるように構成されている。ただし、この場合、図1に示す留め金機構6の代わりに、ロボット操作が可能な閉鎖を設ける。これを実行すると、下側部分2、108と上側部分4、96をロボットによって容易に開閉することができる。さらに、培養物容器10、112上で、例えば、ロボット・アームが容易に培養物容器8、110を把持して取り外し、また当然であるが、交換時の逆の操作ができるための磁石、くぼみ、摩擦隆起などの手段を設けることができる。最後に、培養/暴露装置は全体として、クリーニング・ステーション内で、すべての培養物容器10、112を取り外した後で容易に洗浄できるように構成されている。別の利点は、可能な限り、ガス媒体と接触する縁部およびその他のアクセスが困難な場所が回避されている点である。
【0047】
特に、本発明によれば、図1に示す培養/暴露装置(対応する同種の配分が不要な場合、上側部分4が上側部分96に変更できる)によって、原核生物(すなわち、例えば、バクテリア、真菌類など)を培養し、ガス媒体に暴露できる。これによって、この種の培養物の研究の全く新しい可能性が開かれる。これまで、このような研究は細胞培養物に対してのみ行われていた。したがって、これまでは液体開始物質(寒天内のバクテリアで封入された)でのみ実行できたエームス試験を実行することができる。現在、この試験はガス媒体内で搬送される能動物質(またはガス媒体それ自体、またはそこに含まれる同伴液体または固体)で実行することができる。
【0048】
バクテリアは、ある状況では、寒天内の栄養物質で封入され、能動物質が封入バクテリア上を流れるため、前記研究を拡張することができる。
【0049】
培養物処理のためのガス媒体の流れは、そのような研究では、普通、約80ml/分、約50ml/分、約10ml/分に調整される。したがって、流れ案内手段内の流れはレイノルズ数の低い範囲にあり、直線の非渦流に分類できる。さらに、タバコの煙が肺の細胞に与える影響を研究する場合、1〜5から1〜10までの煙/大気混合比が調整されており、この煙/大気混合比が約35℃に保持されていた(例えば、流れガイド・ダクト40、98の周囲の対応する加熱手段によって)。大気中を搬送される煙のうち、研究所の決定によれば、肺の細胞によって約1%が結合されていた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
培養する原核生物を搬送する培養物容器(10)を収容するくぼみ(8)を備えた培養/暴露装置と、前記培養物容器(10)内に常駐する前記原核生物をガス媒体に暴露する装置とを使用して原核生物を培養/暴露する手順であって、前記暴露装置が前記ガス媒体を取り入れる吸引取付物と前記ガス媒体を前記培養物容器(10;112)内に常駐する原核生物上部の平面に導く前記吸引取付物に結合された流れダクト(40;98)とを含む手順。
【請求項2】
請求項1に記載の手順を実行する培養/暴露装置であって、培養する原核生物を搬送する培養物容器(10)を収容するくぼみ(8)と前記培養物容器(10)内に常駐する前記原核生物をガス媒体に暴露する装置とを備え、前記暴露装置が前記ガス媒体を取り入れる吸引取付物を有し、前記培養物容器(10;112)内に常駐する前記原核生物上に前記ガス媒体を導く結合された流れダクト(40;98)が接続されている培養/暴露装置。
【請求項1】
培養する原核生物を搬送する培養物容器(10)を収容するくぼみ(8)を備えた培養/暴露装置と、前記培養物容器(10)内に常駐する前記原核生物をガス媒体に暴露する装置とを使用して原核生物を培養/暴露する手順であって、前記暴露装置が前記ガス媒体を取り入れる吸引取付物と前記ガス媒体を前記培養物容器(10;112)内に常駐する原核生物上部の平面に導く前記吸引取付物に結合された流れダクト(40;98)とを含む手順。
【請求項2】
請求項1に記載の手順を実行する培養/暴露装置であって、培養する原核生物を搬送する培養物容器(10)を収容するくぼみ(8)と前記培養物容器(10)内に常駐する前記原核生物をガス媒体に暴露する装置とを備え、前記暴露装置が前記ガス媒体を取り入れる吸引取付物を有し、前記培養物容器(10;112)内に常駐する前記原核生物上に前記ガス媒体を導く結合された流れダクト(40;98)が接続されている培養/暴露装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−278985(P2009−278985A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−163654(P2009−163654)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【分割の表示】特願2003−574806(P2003−574806)の分割
【原出願日】平成15年3月14日(2003.3.14)
【出願人】(500340174)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【分割の表示】特願2003−574806(P2003−574806)の分割
【原出願日】平成15年3月14日(2003.3.14)
【出願人】(500340174)
【Fターム(参考)】
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