基地局装置、移動局装置、通信システム及び通信方法
【課題】移動局装置が既知の固定ルート上を移動中であるか否かを判定するための手段を提供する。
【解決手段】基地局装置2は、移動局装置4が固定ルート7上の場所を通過したか否かを示す状態情報を受信する受信部51と、基地局装置2により形成されるセル6へハンドオーバする移動局装置4に関して受信される状態情報が、固定ルート7上の場所を移動局装置4が通過したことを示す場合に、移動局装置4が固定ルート7上を移動中であると判定する判定部52と、を備える。
【解決手段】基地局装置2は、移動局装置4が固定ルート7上の場所を通過したか否かを示す状態情報を受信する受信部51と、基地局装置2により形成されるセル6へハンドオーバする移動局装置4に関して受信される状態情報が、固定ルート7上の場所を移動局装置4が通過したことを示す場合に、移動局装置4が固定ルート7上を移動中であると判定する判定部52と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で論じられる実施態様は、基地局装置による移動局装置の動作やサービスの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムにおいて、移動局装置の移動の態様に応じて移動局装置の動作や移動局装置に対する提供サービスを切り替えることが便利な場合がある。例として、移動局装置が既知の固定ルートを移動する場合がある。このような場合には移動局装置の移動先を予測できるため、例えばスケジューリング制御や移動局装置の状態制御に予測結果を利用することができる。また、移動局装置の移動先に応じたサービスを提供するために予測結果を使用することも可能である。
【0003】
なお、移動通信システムにおいて、ユーザが電車に乗る際に駅構内の改札口に設置された特定の無線基地局から位置制御信号を受信すると、携帯端末の制御部が、通常の動作モードから特定空間モードへと動作モードを切り替えることが提案されている。
【0004】
また、無線携帯端末から管理サーバへ周期的に位置情報を報告する移動通信システムが提案されている。管理サーバは、無線携帯端末が移動体内にあるか否かを判断する判断手段と、判断手段の判断結果に応じて無線携帯端末の通信モードを切替える切替手段と、移動体の運行情報と位置情報とを基に無線携帯端末にハンドオーバを指示する手段とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−322747号公報
【特許文献2】特開2004−172920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
鉄道のような固定ルート上を移動局装置が移動するか否かを判断する方法の例として、改札口に設置された無線基地局からの位置制御信号の受信の有無に応じてユーザが電車に乗るか否かを判断することが考えられる。しかし、改札を通過したユーザがすぐに電車に乗るとは限らないため、移動局装置が固定ルート上を移動するか否かを判断する方法としてはこの方法は不十分である。
【0007】
固定ルート上を移動局装置が移動するか否かの判断方法の例として、移動局装置から周期的に送信される位置情報を利用して、移動局装置が電車内にあるか否かを判断することも考えられる。この場合には移動局装置に測位手段が必要となり、また位置情報の送信のために無線リソースが消費される。
【0008】
実施態様に係る装置及び方法は、移動局装置が既知の固定ルート上を移動中であるか否かを判定するための手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ある実施態様による基地局装置は、移動局装置が固定ルート上の場所を通過したか否かを示す状態情報を受信する受信部と、基地局装置により形成されるセルへハンドオーバする移動局装置に関して受信される状態情報が、固定ルート上の場所を移動局装置が通過したことを示す場合に、移動局装置が固定ルート上を移動中であると判定する判定部と、を備える。
【0010】
他の実施態様による移動局装置は、固定ルート上の場所に設置されたマーカ装置から送信された制御情報を受信する通信部と、制御情報を受信することにより状態情報の値を遷移させる制御部と、ハンドオーバ時に、ハンドオーバ先の基地局装置へ状態情報を送信する送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本件開示の装置又は方法によれば、移動局装置が既知の固定ルート上を移動中であるか否かを判定するための手段が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】通信システムの第1例の構成図である。
【図2】固定ルートとセルの位置関係の第1例の説明図である。
【図3】ユーザ装置のハードウエア構成例の説明図である。
【図4】ユーザ装置の機能ブロック図である。
【図5】基地局装置のハードウエア構成例の説明図である。
【図6】基地局装置の第1例の機能ブロック図である。
【図7】通信システム内の処理の第1例の説明図である。
【図8】ユーザ装置制御処理の第1例の説明図である。
【図9】基地局装置の第2例の機能ブロック図である。
【図10】ルート情報の第1例の説明図である。
【図11】ユーザ装置制御処理の第2例の説明図である。
【図12】ルート情報の第2例の説明図である。
【図13】ユーザ装置制御処理の第3例の説明図である。
【図14】ルート情報の第3例の説明図である。
【図15】ユーザ装置制御処理の第4例の説明図である。
【図16】ルート情報の第4例の説明図である。
【図17】通信システム内の処理の第2例の説明図である。
【図18】ユーザ装置制御処理の第5例の説明図である。
【図19】通信システムの第2例の構成図である。
【図20】基地局装置の第3例の機能ブロック図である。
【図21】通信システム内の処理の第3例の説明図である。
【図22】基地局装置の第4例の機能ブロック図である。
【図23】通信システム内の処理の第4例の説明図である。
【図24】固定ルートとセルの位置関係の第2例の説明図である。
【図25】ルート情報の第5例の説明図である。
【図26】通信システムの第3例の構成図である。
【図27】基地局装置の第5例の機能ブロック図である。
【図28】通信システム内の処理の第5例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施例について説明する。図1は、通信システムの第1例の構成図である。通信システム1は、基地局装置2−1及び2−2と、通信ネットワーク3と、移動局装置としてのユーザ装置(UE:User Equipment)4と、マーカ装置5を備える。
【0014】
基地局装置2−1及び2−2は、有線ネットワークである通信ネットワーク3とユーザ装置4との間のデータの送信のために、ユーザ装置4との間で無線通信を行う。基地局装置2−1及び2−2は、それぞれセル6−1及び6−2を形成する。通信システム1は、基地局装置2−1及び2−2をそれぞれ通信システム1へ接続する上位ノード装置や、基地局装置2−1及び2−2を制御する制御装置を備えていてもよい。なお、以下の説明において基地局装置2−1及び2−2を総称して「基地局装置2」と表記することがある。また以下の説明においてセル6−1及び6−2を総称して「セル6」と表記することがある。
【0015】
セル6の圏内には固定ルート7が敷設されている。固定ルートとは、ユーザ装置4が移動する一定の移動経路であり、例えば、鉄道やバスの路線であってよい。また、固定ルートは、例えばユーザを運ぶ移動体が定期的に運行される交通機関の路線であってよい。
【0016】
マーカ装置5は、固定ルート7上またはその近傍に設置され、所定の状態制御情報を発信する。マーカ装置5は、例えば、ユーザ装置4を所持するユーザが固定ルート7上の移動を開始または終了する際に通過する地点やゲートに設置されてよい。例えば固定ルート7が鉄道である場合には、例えばマーカ装置5は改札口に設けられていてよい。例えばマーカ装置5は自動改札機であってよい。また例えば固定ルート7が路線バスである場合には、マーカ装置5はバスの停留所に設けられてもよい。
【0017】
図2は、固定ルート7とセル6の位置関係の第1例の説明図である。添付図面及び以下の説明において、基地局装置2を「BS」と表記し、ユーザ装置を「UE」と表記することがある。セル6−1〜6−3はそれぞれ基地局装置2−1〜2−3によって形成されており、セル6−1とセル6−2が隣接し、セル6−2とセル6−3が隣接する。
【0018】
固定ルート7は、セル6−1〜6−3を通過する。固定ルート7上の地点8−1及び8−3又はこれらの近傍には、それぞれマーカ装置5−1及びマーカ装置5−3が設けられる。地点8−1及び8−3は、それぞれセル6−1及び6−3内にある。例えば固定ルートが鉄道である場合には、地点8−1及び8−3はユーザが電車を乗降する駅の改札の出入り口であってよい。
【0019】
以下の説明において、ユーザ装置4を所持するユーザが、地点8−1において固定ルート7上の移動を開始し、セル6−2を通過後に地点8−3において固定ルート7上の移動を終了する場合について想定する。このようなシナリオは、例えばユーザが、地点8−1にある駅で電車に乗車し、地点8−3にある駅で電車から降車する場合であってよい。
【0020】
ユーザ装置4について以下に説明する。図3は、ユーザ装置4のハードウエア構成例の説明図である。ユーザ装置4は、CPU20と、記憶部21と、インタフェース22と、音声処理部23と、ベースバンド信号処理部24と、無線通信部25と、アンテナ26と、通信部27を備える。CPU20、メモリ21、インタフェース22、音声処理部23、ベースバンド信号処理部24及び通信部27は、それぞれバス28によって接続されている。なお、以下の説明及び図面ではベースバンドを「BB」と表記することがある。
【0021】
CPU20は、記憶部21に格納された制御プログラムを実行することにより、ユーザ装置4の動作を制御する。記憶部21は、CPU20による制御プログラムの実行に必要なデータを記憶し、またこれらプログラムの実行の際に生成される一時的なデータを記憶する。記憶部21は、例えばメモリ、ハードディスクや不揮発性メモリなどにより実現される記憶装置である。
【0022】
インタフェース22は、ユーザによるユーザ装置4への入力の受付及び情報の出力を行う。例えばインタフェース22は、キーパッド、キーボード、カーソルボタン、スクロールホイール、タッチパネル、マイクロホン、スピーカ、ディスプレイ等のユーザインタフェースである。
【0023】
音声処理部23は、インタフェース22としてのマイクロホンから入力した音声信号をデジタル信号へ変換し、またはユーザ装置4が取り扱うデジタル形式の音声データを、インタフェース22としてのスピーカから出力する音声信号へ変換する。
【0024】
ベースバンド信号処理部24は、無線通信部25により送信される又は受信される信号に対して、変調前及び復調後に信号処理を行う。無線通信部25は、基地局装置2からユーザ装置4へ送信される無線信号をアンテナ26を介して受信し、またユーザ装置4から基地局装置2へ送信される無線信号をアンテナ26を介して送信する。
【0025】
通信部27は、マーカ装置5から送信される状態制御情報を受信する。例えば、通信部27は、非接触ICカードに採用される短距離無線通信をマーカ装置5との間で行ってもよい。例えば、状態制御情報の受信は、自動改札機による改札処理、又はその一部として実行されてよく、改札処理と同時かつ別個に行われてもよい。
【0026】
図4は、ユーザ装置4の機能ブロック図である。同図は、実施態様に関係する機能を中心として示している。ユーザ装置4は、通信部30と、制御部31と、ハンドオーバ処理部32と、送信部33と、受信部34を備える。通信部30は、マーカ装置5から送信される状態制御情報を受信する。通信部30と受信部34は同一の構成要素であってもよい。
【0027】
ユーザ装置4が第1状態である間に、通信部30が状態制御情報を受信したとき、制御部31は、ユーザ装置4の状態について記憶している状態情報の値を第1状態から第2状態へ遷移させる。第1状態は、例えばユーザ装置4が固定ルート上を移動していない状態であってよい。また、第2状態は、ユーザ装置4が固定ルート上を移動する可能性があるか、固定ルート上を移動している状態であってよい。
【0028】
また、ユーザ装置4が第2状態である間に状態通信部30が状態制御情報を受信したとき、制御部31は、ユーザ装置4の状態情報の値を第2状態から第1状態へ遷移させる。同じマーカ装置5からの状態制御情報によってユーザ装置4の状態が交番しないように、制御部31は、一度状態を遷移した後の所定期間内は、次の遷移を禁止してもよい。または、同じマーカ装置5からの状態制御情報であるか否かを判定するために、状態制御情報はマーカ装置5の識別子を含んでいてよい。
【0029】
ハンドオーバ処理部32は、あるセルから他のセルへユーザ装置4がハンドオーバする際のユーザ装置4側の処理を実施する。送信部33は、ハンドオーバ処理部32によるハンドオーバ処理が実施されるとき、ユーザ装置4が第1状態及び第2状態のいずれであるかを示す状態情報をハンドオーバ先の基地局装置2へ送信する。例えば送信部33は、ユーザ装置4が基地局装置2へハンドオーバの実施を要求するハンドオーバリクエスト情報の追加情報として、状態情報を送信してよい。送信部33は、ハンドオーバリクエスト情報とは別に状態情報を送信してもよい。
【0030】
また送信部33は、ユーザ装置4の状態が第2状態から第1状態へ遷移するとき、接続中の基地局装置2へ状態情報を送信する。
【0031】
受信部34は、ユーザ装置4と接続されている基地局装置2から、ユーザ装置4の動作を制御する制御情報を受信する。制御情報は、例えばユーザ装置4に割り当てられた無線リソースを指定するスケジュール情報であってよく、通信方式、符号化率、通信レートを指定する情報であってよい。
【0032】
制御情報は、ユーザ装置4の動作状態を制御する動作状態制御信号であってもよい。動作状態制御信号は、例えばユーザ装置4の動作モードをサイレントモードやユーザ指定の任意の動作モードに切り替える信号であってよい。動作状態制御信号は、ユーザ装置4のオン/オフを切り替える制御信号であってよい。制御部31は、受信部34により受信された制御情報に従ってユーザ装置4の動作を制御する。
【0033】
また、受信部34は、基地局装置2から送信される、ユーザ装置4のユーザ向けのサービスのために提供されるデータを受信する。このデータは、例えば固定ルート7が通過する地域に関する種々の情報であってよい。この情報は、例えば店舗情報や行政サービス、観光情報などでよい。
【0034】
次に基地局装置2について説明する。図5は、基地局装置2のハードウエア構成例の説明図である。基地局装置2は、制御部40と、無線通信部41と、アンテナ42と、ベースバンド信号処理部43と、ネットワークインタフェース44を備える。制御部40は、基地局装置2の動作を制御する。
【0035】
無線通信部41は、基地局装置2からユーザ装置4へ送信される無線信号をアンテナ42を介して送信し、またユーザ装置4から基地局装置2へ送信される無線信号をアンテナ42を介して受信する。ベースバンド信号処理部43は、無線通信部41により送信される又は受信される信号に対して、変調前及び復調後に信号処理を行う。ネットワークインタフェース44は、基地局装置2を通信システム1へ接続する上位ノード装置や、基地局装置2を制御する制御装置、または他の基地局装置との間のインタフェースである。
【0036】
図6は、基地局装置2の第1例の機能ブロック図である。同図は、実施態様に関係する機能を中心として示している。以下に説明する基地局装置2の他の例の機能ブロック図においても同様である。基地局装置2は、ハンドオーバ処理部50と、受信部51と、ユーザ装置制御部52と、送信部53と、を備える。なお、本実施例の構成要素を後続の他の実施例と組み合わせてもよい。ユーザ装置制御部52は、特許請求の範囲に記載の判定部の一例として挙げられる。
【0037】
ハンドオーバ処理部50は、基地局装置2が形成するセル6へ入ってくるユーザ装置4及び基地局装置2が形成するセル6から出て行くユーザ装置4のためのハンドオーバ処理を実施する。受信部51は、ハンドオーバの際にユーザ装置4から送信される状態情報を受信する。
【0038】
ユーザ装置制御部52は、基地局装置2が形成するセル6へハンドオーバするユーザ装置4が第1状態及び第2状態のいずれであるかを判定する。ユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4が第2状態である場合、ユーザ装置4が固定ルート7上を移動していると判定する。
【0039】
ユーザ装置制御部52は、判定結果に応じた、ユーザ装置4の動作を制御する制御情報を生成してよい。送信部53は、ユーザ装置制御部52により生成された制御情報をユーザ装置4へ送信してよい。また、ユーザ装置制御部52は判定結果に応じてユーザ装置4との間の無線通信の無線リソース、通信方式、符号化率、通信レートなどを制御してもよい。
【0040】
また、ユーザ装置4が固定ルート7上を移動していると判定されるとき、基地局装置2は固定ルート7上を移動中のユーザ向けのサービスのために提供されるデータを、ユーザ装置4へ送信してもよい。
【0041】
続いて、通信システム1内の処理手順を説明する。図7は、通信システム1内の処理の第1例の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションAA〜AKの各オペレーションはステップであってもよい。
【0042】
ユーザ装置4は、セル6−1内に位置しており、基地局装置2−1と接続中である。またユーザ装置4は第1状態にある。オペレーションAAにおいてユーザが、マーカ装置5−1が設けられた地点8−1に至ると、通信部30は、マーカ装置5−1から送信された状態制御情報を受信する。オペレーションABにおいて制御部31は、ユーザ装置4の状態について記憶している状態情報の値を第1状態から第2状態へ遷移させる。
【0043】
その後、ユーザ装置4はセル6−2内へ移動する。オペレーションACにおいてユーザ装置4のハンドオーバ処理部32及び基地局装置2−2のハンドオーバ処理部50は、セル6−1からセル6−2へユーザ装置4がハンドオーバするための処理を実施する。
【0044】
オペレーションADにおいてユーザ装置4の送信部33は、ユーザ装置4が第2状態であることを示す状態情報を基地局装置2−2へ送信する。基地局装置2−2の受信部51は状態情報を受信する。また、ユーザ装置4と基地局装置2−2との接続が確立する。
【0045】
オペレーションAEにおいて基地局装置2−2のユーザ装置制御部52は、以下に説明するユーザ装置制御処理を実施する。図8は、図7に示すユーザ装置制御処理の第1例の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションBA〜BCの各オペレーションはステップであってもよい。
【0046】
オペレーションBAにおいてユーザ装置制御部52は、受信された状態情報に基づいて、ユーザ装置4が第2状態であるか否かを判定する。ユーザ装置4が第2状態である場合(オペレーションBA:Y)、処理はオペレーションBBへ進む。ユーザ装置4が第2状態でない場合(オペレーションBB:N)、処理はオペレーションBCへ進む。
【0047】
オペレーションBBにおいてユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4が固定ルート7上を移動していると判定する。オペレーションBCにおいてユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4が固定ルート7上を移動していないと判定する。
【0048】
その後、ユーザ装置制御部52は、判定結果に応じた、ユーザ装置4の動作を制御する。また、ユーザ装置4が固定ルート7上を移動していると判定されるとき、基地局装置2は固定ルート7上を移動中のユーザ向けのサービスのために提供されるデータを、ユーザ装置4へ送信してもよい。
【0049】
図7を参照する。その後、ユーザ装置4はセル6−3内へ移動する。オペレーションAFにおいてユーザ装置4のハンドオーバ処理部32及び基地局装置2−3のハンドオーバ処理部50は、セル6−2からセル6−3へユーザ装置4がハンドオーバするための処理を実施する。
【0050】
オペレーションAGにおいてユーザ装置4の送信部33は、ユーザ装置4が第2状態であることを示す状態情報を基地局装置2−3へ送信する。基地局装置2−3の受信部51は状態情報を受信する。また、ユーザ装置4と基地局装置2−3との接続が確立する。オペレーションAHにおいて基地局装置2−3のユーザ装置制御部52は、上述のユーザ装置制御処理を実施する。
【0051】
オペレーションAIにおいてユーザが、マーカ装置5−3が設けられた地点8−3に至ると、通信部30は、マーカ装置5−3から送信された状態制御情報を受信する。オペレーションAJにおいて制御部31は、ユーザ装置4の状態について記憶している状態情報の値を第2状態から第1状態へ遷移させる。オペレーションAKにおいて送信部33は、ユーザ装置4の送信部33は、ユーザ装置4が第1状態であることを示す状態情報を基地局装置2−3へ送信する。基地局装置2−3の受信部51は状態情報を受信する。
【0052】
本実施例によれば、基地局装置2はユーザ装置4が既知の固定ルート上を移動中であるか否かを判定することができる。このため基地局装置2、ユーザ装置4の移動先を予測できるようになり、予測結果を、例えばスケジューリング制御やユーザ装置の状態制御に利用することができる。また、この予測結果は、ユーザ装置4の移動先に応じたサービスを提供するために使用することも可能である。
【0053】
本実施例では、ユーザ装置4が既知の固定ルート上を移動中であるか判定を、単にマーカ装置5の近辺を通過したことだけでなく、マーカ装置5からある程度離れた固定ルート7上の他の地点に至ったことをセル間のハンドオーバによって検出する。このため、ユーザ装置4が固定ルート上を移動しているか否かの判定精度を高めることができる。
【0054】
また本実施例では、ユーザ装置4は位置情報を基地局装置2へ送信しなくともよい。このため、測位手段を持たないユーザ装置4も利用可能となり、また位置情報の送信のために無線リソースを消費しなくともよい。
【0055】
続いて基地局装置2の他の実施例を説明する。図9は、基地局装置2の第2例の機能ブロック図である。基地局装置2は、先行して説明した他の実施例の構成要素と同様の構成要素を有しており、他の実施例の構成要素と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、同一の機能については説明を省略する。基地局装置2は、記憶部54を備える。なお、本実施例の構成要素を後続の他の実施例と組み合わせてもよい。
【0056】
記憶部54には、ルート情報が格納されている。ルート情報は、固定ルート7上を移動し、且つ基地局装置2が形成するセル6へハンドオーバするユーザ装置4のハンドオーバ元の基地局装置を指定する情報を含む。すなわちルート情報は、固定ルート7が通過する、セル6の隣接セルを形成する基地局装置を指定する情報を含む。図10は、記憶部54に記憶されたルート情報の第1例の説明図である。
【0057】
図10の例は、図2に示すセル配置の場合に基地局装置2−2において記憶されるルート情報の例を示す。ルート情報には、固定ルート7が通過する隣接セル6−1及び6−3をそれぞれ形成する基地局装置2−1及び2−3の識別子が記憶される。
【0058】
図9を参照する。ユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4のハンドオーバ元の基地局装置の識別子が、記憶部54に記憶されたルート情報に含まれるか否かを判定する。ユーザ装置4のハンドオーバ元の基地局装置を識別する情報は、例えばハンドオーバ処理部50が、ハンドオーバ元の基地局装置や上位の制御装置から通信ネットワーク3を介して受信してよく、ユーザ装置4から直接受信してもよい。
【0059】
図11は、ルート情報を用いたユーザ装置制御処理の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションBA〜BEの各オペレーションはステップであってもよい。図11の処理は、図8を参照して説明した処理にオペレーションBD及びBEを追加したものである。以下、ユーザ装置4がセル6−2へハンドオーバした場合の処理を説明する。
【0060】
オペレーションBAにおいてユーザ装置4が第2状態である場合(オペレーションBA:Y)、処理はオペレーションBDへ進む。ユーザ装置4が第2状態でない場合(オペレーションBB:N)、処理はオペレーションBCへ進む。
【0061】
オペレーションBDにおいてユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4のハンドオーバ元の基地局装置を識別する情報を取得する。
【0062】
オペレーションBEにおいてユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4のハンドオーバ元の基地局装置2−1の識別子が、記憶部54に記憶されたルート情報に含まれるか否かを判定する。基地局装置2−1の識別子がルート情報に含まれる場合(オペレーションBE:Y)、処理はオペレーションBBに進む。基地局装置2−1の識別子がルート情報に含まれる場合(オペレーションBE:N)、処理はオペレーションBCに進む。
【0063】
本実施例によれば、第2状態にあるユーザ装置4がハンドオーバしたか否かの条件だけではなく、固定ルート7が通過する隣接セル6からユーザ装置4がハンドオーバしたか否かも判定する。このため本実施例によれば、ハンドオーバするユーザ装置4が固定ルート7上の移動を開始していないにも関わらず不慮の原因により第2状態にある場合に、固定ルート上を移動していると誤判定することを防止できる。
【0064】
続いて基地局装置2の他の実施例を説明する。固定ルート7上でユーザ装置4を運ぶ移動体が定期的にセル6を通過し、かつ通過時の移動速度が定まっている場合には、ハンドオーバが1日のうちの何時何分に発生するかによって、ユーザ装置4の速度と位置を推定することができる。例えば固定ルート7が鉄道の場合には、電車は毎日決まった時刻及び決まった速度で運行されており、ハンドオーバが発生する時刻は規則的であると考えられる。
【0065】
本実施例では、記憶部54に格納されたルート情報は、1日のうちでハンドオーバが発生する予定発生時刻と、各予定発生時刻でハンドオーバするユーザ装置4の予定速度とを対応付けた速度情報を含む。なお、本実施例の構成要素を後続の他の実施例と組み合わせてもよい。
【0066】
図12は、速度情報を含んだルート情報の例の説明図である。図12の例は、図10と同様に図2に示すセル配置の場合に基地局装置2−2において記憶されるルート情報の例を示す。ルート情報は、ハンドオーバ元の基地局装置とユーザ装置4の移動方向とを対応付けた移動方向情報を有する。また、ルート情報は、ハンドオーバ元の基地局装置毎にハンドオーバの予定発生時刻と、各予定発生時刻でハンドオーバするユーザ装置4の予定速度とを対応付けた速度情報を有する。
【0067】
例えば、基地局2−1が形成するセル6−1からA時B分及びC時D分にハンドオーバする予定のユーザ装置4の予定速度は時速120kmであり移動方向は第1方向である、E時F分にハンドオーバする予定のユーザ装置4の予定速度は時速80kmであり、移動方向は第1方向である。また、基地局2−3が形成するセル6−3からハンドオーバするユーザ装置4の移動方向は、第1方向と反対方向の第2方向である。例えば、固定ルート7が鉄道の例の場合、第1方向及び第2方向の種別は、「上り」及び「下り」などの線別であってよい。
【0068】
ユーザ装置制御部52は、ハンドオーバ元の基地局装置2の識別子に応じて移動方向の値を移動方向情報から読み出す。また、ユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4のハンドオーバ元の基地局装置2の識別子とハンドオーバ発生時刻に応じて、これらの情報に各々対応付けて記憶された速度の値を速度情報から読み出す。ユーザ装置制御部52は、読み出した速度の値にハンドオーバ発生時刻から現在時刻までの経過時間を乗じてハンドオーバ後の移動距離を決定する。ユーザ装置制御部52は、ハンドオーバが発生したセル6の境界地点から固定ルート7に沿って、読み出した方向に移動距離分進んだ地点を、ユーザ装置4の現在位置と推定する。
【0069】
ユーザ装置制御部52は、推定した現在位置に応じてユーザ装置4の動作を制御する制御情報を生成してよい。送信部53は、推定した現在位置に応じて生成された制御情報をユーザ装置4へ送信してよい。基地局装置2は、推定した現在位置にいるユーザ向けのサービスのために提供されるデータを、ユーザ装置4へ送信してもよい。このサービスは、例えばユーザ装置4の現在位置から見える景色に関する音声ガイダンスであってよい。またこのサービスは、例えば現在位置に近い店舗の情報や現在位置から利用しやすい行政サービス情報や観光情報の提供サービスであってよい。
【0070】
図13は、ユーザ装置4の現在位置を推定するユーザ装置制御処理の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションBA〜BHの各オペレーションはステップであってもよい。図13の処理は、図11を参照して説明した処理にオペレーションBF〜BHを追加したものである。
【0071】
ユーザ装置4が固定ルート7上を移動しているとき、オペレーションBFにおいてユーザ装置制御部52は、ハンドオーバ元の基地局装置2の識別子とハンドオーバ発生時刻に応じて、記憶部54に記憶された速度情報に基づきユーザ装置4の速度を判定する。また、ユーザ装置制御部52は、ハンドオーバ元の基地局装置2の識別子に応じて、記憶部54に記憶された移動方向情報に基づいてユーザ装置4の移動方向を判定する。
【0072】
オペレーションBGにおいてユーザ装置制御部52は、判定した速度の値にハンドオーバ発生時刻からの経過時間を乗じてハンドオーバ後の移動距離を決定する。ユーザ装置制御部52は、ハンドオーバが発生したセル6の境界地点と移動距離と移動方向に基づいてユーザ装置4の現在位置を推定する。
【0073】
オペレーションBHにおいてユーザ装置制御部52は、推定した現在位置に応じてユーザ装置4の動作を制御する制御情報を生成する。送信部53は、推定した現在位置に応じて生成された制御情報をユーザ装置4へ送信する。基地局装置2は、推定した現在位置にいるユーザ向けのサービスのために提供されるデータを、ユーザ装置4へ送信してもよい。
【0074】
本実施例によれば、基地局装置2は、セル6内のユーザ装置4の現在位置を推定することが可能となる。このため基地局装置2は、ユーザ装置4の現在位置に応じてユーザ装置4の動作を制御し、またユーザ装置4の現在位置に応じたサービスを提供することが可能となる。
【0075】
続いて基地局装置2の他の実施例を説明する。ユーザ装置4の移動速度4が判定できることによって、ハンドオーバ発生後のユーザ装置4の位置に応じたユーザ装置4の受信品質の変動を予測することができる。
【0076】
本実施例では、記憶部54に格納されたルート情報は、ハンドオーバ元の基地局装置2のそれぞれについて、ハンドオーバ時刻後の各経過時間においてそれぞれ予定されるユーザ装置4の受信品質を、各移動速度毎に規定する品質情報を含む。なお、本実施例の構成要素を後続の他の実施例と組み合わせてもよい。
【0077】
図14は、品質情報を含んだルート情報の例の説明図である。図14の例は、図12と同様に図2に示すセル配置の場合に基地局装置2−2において記憶されるルート情報の例を示す。ルート情報は、ハンドオーバ元の基地局装置とユーザ装置4の移動方向とを対応付けた移動方向情報を有する。ルート情報は、ハンドオーバ元の基地局装置毎に、ハンドオーバ発生時刻とユーザ装置4の速度とを対応付けた速度情報を有する。また、ルート情報は、ハンドオーバ元の基地局装置2のそれぞれについて、ハンドオーバ時刻後の各経過時間においてそれぞれ予定されるユーザ装置4の受信品質を、各移動速度毎に規定する品質情報を有する。
【0078】
例えば、基地局2−1が形成するセル6−1から時速120kmでハンドオーバするユーザ装置4の受信品質は、ハンドオーバ発生時刻から1、2及び3分が経過したとき、それぞれ指標値「5」、「6」及び「7」が示す品質となることが予定される。また、セル6−1から時速80kmでハンドオーバするユーザ装置4の受信品質は、ハンドオーバ発生時刻から1、2及び3分が経過したとき、それぞれ指標値「7」、「9」及び「10」が示す品質となることが予定される。
【0079】
ユーザ装置制御部52は、ハンドオーバ元の基地局装置2とハンドオーバ発生時刻から判定した速度と、ハンドオーバ発生時刻からの経過時間に応じて、これらの情報に各々対応付けて記憶された受信品質の値をルート情報から読み出す。ユーザ装置4の速度はハンドオーバ発生時刻から一意に定まるので、ユーザ装置制御部52は、ハンドオーバ元の基地局装置2とハンドオーバ発生時刻とハンドオーバ発生時刻からの経過時間に応じて受信品質の値を読み出してもよい。ユーザ装置制御部52は、読み出した受信品質の値を、ユーザ装置4の受信品質と推定する。
【0080】
また、図14に示す品質情報を使用する代わりに、固定ルート7上の各位置毎の受信品質を記憶部54に格納しておき、ユーザ装置4について推定した現在位置に応じて受信品質を推定してもよい。
【0081】
ユーザ装置制御部52は、推定した受信品質に応じてユーザ装置4の動作を制御する制御情報を生成してよい。送信部53は、推定した受信品質に応じて生成された制御情報をユーザ装置4へ送信してよい。
【0082】
図15は、ユーザ装置4の受信品質を推定するユーザ装置制御処理の説明図である。なお、他の実施例においては、下記のオペレーションBA〜BIの各オペレーションはステップであってもよい。図15のオペレーションBA〜BFは、図13を参照して説明した処理のオペレーションBA〜BFと同様である。
【0083】
オペレーションBFの後、処理はオペレーションBIへ進む。オペレーションBIにおいてユーザ装置制御部52は、ハンドオーバ元の基地局装置2とハンドオーバ発生時刻から判定した速度と、ハンドオーバ発生時刻からの経過時間に応じて、ユーザ装置4の受信品質を推定する。その後処理はオペレーションBHへ進む。
【0084】
オペレーションBHにおいてユーザ装置制御部52は、推定した受信品質に応じてユーザ装置4の動作を制御する制御情報を生成する。送信部53は、推定した受信品質に応じて生成された制御情報をユーザ装置4へ送信する。
【0085】
本実施例によれば、基地局装置2は、セル6内のユーザ装置4の受信品質を推定することが可能となる。このため基地局装置2は、ユーザ装置4の受信品質に応じてユーザ装置4の動作を制御することが可能となる。
【0086】
続いて基地局装置2の他の実施例を説明する。各セル6内に含まれる固定ルート7の部分長は固定値であることから、ユーザ装置4の移動速度4が判定できることによって、各速度のユーザ装置4が基地局装置2に連続して接続される時間を予測することができる。
【0087】
したがってユーザ装置4と基地局装置2との実際の連続接続時間と予測される連続接続時間とを比較することによって、ユーザ装置4は本当に固定ルート上を移動しているか否かを判定することができる。又は、実際の連続接続時間と予測される連続接続時間とを比較することによって、ユーザ装置4が予定した速度で移動しているか否かを判定することができる。
【0088】
本実施例では、記憶部54に格納されたルート情報は、ハンドオーバ元の基地局装置2のそれぞれについて、固定ルート7上を各移動速度で移動するユーザ装置4が基地局装置2に連続して接続することが予定される平均接続時間を規定する接続時間情報を含む。ここに平均接続時間とは、固定ルート7上を移動するユーザ装置4が基地局装置2へ連続して接続された接続時間の平均を示す。なお、本実施例の構成要素を後続の他の実施例と組み合わせてもよい。
【0089】
図16は、接続時間情報を含むルート情報の説明図である。図16の例は、図12と同様に図2に示すセル配置の場合に基地局装置2−2において記憶されるルート情報の例を示す。ルート情報は、ハンドオーバ元の基地局装置とユーザ装置4の移動方向とを対応付けた移動方向情報を有する。ルート情報は、ハンドオーバ元の基地局装置毎にハンドオーバ発生時刻とユーザ装置4の速度とを対応付けた速度情報を有する。また、ルート情報は、ハンドオーバ元の基地局装置2のそれぞれについて、固定ルート7上を各移動速度で移動するユーザ装置4が基地局装置2に連続して接続することが予定される平均接続時間を規定する接続時間情報を有する。
【0090】
例えば、基地局2−1が形成するセル6−1から時速120kmでハンドオーバするユーザ装置4の平均接続時間は5分である。また、セル6−1から時速80kmでハンドオーバするユーザ装置4の平均接続時間は、7分30秒である。
【0091】
ユーザ装置制御部52は、ハンドオーバ元の基地局装置2とハンドオーバ発生時刻から判定した速度に応じて、ハンドオーバ元の基地局装置2と速度に対応付けて記憶された平均接続時間の値をルート情報から読み出す。ユーザ装置4の速度はハンドオーバ発生時刻から一意に定まるので、ユーザ装置制御部52は、ハンドオーバ元の基地局装置2とハンドオーバ発生時刻とハンドオーバ発生時刻からの経過時間に応じて平均接続時間の値を読み出してもよい。ユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4の実際の連続接続時間が、平均接続時間を超えているか否かを判定する。この代わりにユーザ装置制御部52は、平均接続時間に所定マージンを加えた値を超えているか否かを判定してもよい。
【0092】
実際の連続接続時間が平均接続時間を超える場合、ユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4がもはや固定ルート7から外れたか、ユーザ装置4が予定した速度で移動しないと判断する。このときユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4の状態を第1状態へ遷移させる状態変更信号を送信部53へ送信させる。
【0093】
図17は、接続時間情報を利用する場合の通信システム1内の処理の説明図である。なお他の実施例においては、下記のオペレーションAA〜AE、CA及びCBの各オペレーションはステップであってもよい。図15のオペレーションAA〜ADは、図7を参照して説明した処理のオペレーションAA〜ADと同様である。
【0094】
オペレーションAEにおいて基地局装置2−2のユーザ装置制御部52は、以下に説明するユーザ装置制御処理を実施する。
【0095】
図18は、接続時間情報を利用する場合のユーザ装置制御処理の説明図である。なお他の実施例においては、下記のオペレーションBA〜BF、BJ及びBKの各オペレーションはステップであってもよい。図18のオペレーションBA〜BFは、図13を参照して説明した処理のオペレーションBA〜BFと同様である。
【0096】
オペレーションBFの後、処理はオペレーションBJへ進む。オペレーションBJにおいてユーザ装置制御部52は、ハンドオーバ元の基地局装置2と速度とに応じて、ユーザ装置4が基地局装置2へ連続して接続された平均接続時間を決定する。ユーザ装置制御部52は、平均接続時間とユーザ装置4の実際の連続接続時間とを比較する。
【0097】
実際の連続接続時間が平均接続時間を超える場合(オペレーションBJ:Y)、処理はオペレーションBKへ進む。実際の連続接続時間が平均接続時間を超えない場合(オペレーションBJ:N)、ユーザ装置制御処理は終了する。
【0098】
オペレーションBKにおいてユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4の状態を第1状態へ遷移させる状態変更信号を送信部53へ送信させる。
【0099】
図17を参照する。オペレーションBKによって送信された状態変更信号は、オペレーションCAにおいてユーザ装置4の受信部34によって受信される。状態変更信号が受信された場合、オペレーションCBにおいてユーザ装置4の制御部31は、ユーザ装置4の状態について記憶している状態情報の値を第2状態から第1状態へ遷移させる。
【0100】
なお、オペレーションBJにおいて、実際の連続接続時間が平均接続時間を超えない場合には、図7に示す処理と同様に、オペレーションAEのユーザ装置制御処理の後にユーザ装置4がセル6−3へハンドオーバしてよい。
【0101】
本実施例によれば、一度固定ルート7上を移動していると判定されたユーザ装置4が固定ルート7から外れたか否かを判定することが可能となる。また、例えばユーザ装置4のユーザが乗車する公共交通機関の運行が乱れ、もはや現在位置や受信品質の予測ができないことを検出することが可能となる。したがって本実施例によれば、例えば基地局装置2が、ユーザ装置4のユーザが固定ルート7上を移動しているという誤った前提に基づいてユーザ装置4を制御したり、サービスを提供することを防止できる。
【0102】
次に、基地局装置2によって推定されたユーザ装置4の現在位置に応じて、推定された現在位置にいるユーザ向けのサービスのために提供されるデータを送信する通信システムの構成について説明する。
【0103】
図19は、通信システム1の第2例の構成図である。通信システム1は、図1を参照して説明した通信システム1の構成要素と同様の構成要素を有しており、図1に示す構成要素と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、同一の機能については説明を省略する。
【0104】
通信システム1は、通信ネットワーク3に接続された情報提供サービスサーバ8を備える。情報提供サービスサーバ8は、基地局装置2からの要求に応答して、ユーザ装置4のユーザ向けのサービスのために提供されるデータを、基地局装置2へ提供する。なお、本実施例の構成要素を後続の他の実施例と組み合わせてもよい。
【0105】
図20は、図19の通信システム1において使用される基地局装置2の機能ブロック図である。基地局装置2は、先行して説明した他の実施例の構成要素と同様の構成要素を有しており、他の実施例の構成要素と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、同一の機能については説明を省略する。なお、本実施例の構成要素を後続の他の実施例と組み合わせてもよい。
【0106】
基地局装置2は、サービス取得部55を備える。上記説明したようにユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4の現在位置を推定する。サービス取得部55は、ユーザ装置制御部52により推定された現在位置にいるユーザ装置4向けに提供されるサービスの送信を、情報提供サービスサーバ8に要求する。
【0107】
情報提供サービスサーバ8は、サービス取得部55からの要求に応じて、推定された現在位置のユーザ装置4に提供される予め登録されたサービスのためのデータを、サービス取得部55へ送信する。サービス取得部55は、情報提供サービスサーバ8から受信したデータを、送信部53を介してユーザ装置4へ送信する。
【0108】
図21は、情報提供サービスサーバ8を有する通信システム1内の処理の第3例の説明図である。なお他の実施例においては、下記のオペレーションAA〜AE及びDA〜DCの各オペレーションはステップであってもよい。図21のオペレーションAA〜AEは、図7を参照して説明した処理のオペレーションAA〜AEと同様である。また、オペレーションAEにおいてユーザ装置制御部52は、先行する他の実施例と同様にユーザ装置4の現在位置を推定する。
【0109】
オペレーションDAにおいてサービス取得部55は、推定された現在位置にいるユーザ装置4向けのサービスの送信を情報提供サービスサーバ8に問い合わせる。オペレーションDBにおいて情報提供サービスサーバ8は、推定された現在位置についてユーザ装置4向けに提供するサービスのためのデータを、サービス取得部55へ送信する。オペレーションDCにおいてサービス取得部55は、情報提供サービスサーバ8から受信したデータをユーザ装置4へ送信する。
【0110】
本実施例によれば、基地局装置2はユーザ装置4について推定した現在位置に応じたサービスを提供することが可能となる。
【0111】
次に、ルート情報に格納された速度情報、品質情報及び接続時間情報の決定方法の例について説明する。図22は、基地局装置2の第4例の機能ブロック図である。基地局装置2は、先行して説明した他の実施例の構成要素と同様の構成要素を有しており、他の実施例の構成要素と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、同一の機能については説明を省略する。なお、本実施例の構成要素を後続の他の実施例と組み合わせてもよい。
【0112】
基地局装置2は、速度測定部56と、接続時間測定部57と、ルート情報作成部58を備える。なお、接続時間情報を作成しない実施例においては接続時間測定部57を省略してもよい。ルート情報作成部58は、特許請求の範囲に記載の速度情報生成部、品質情報生成部及び接続時間情報生成部の一例として挙げられる。
【0113】
速度測定部56は、第2状態にあるユーザ装置4からの上りリンク信号のドップラー周波数測定を行うことによりユーザ装置4の速度を測定する。
【0114】
固定ルート7が、例えば鉄道の場合のような公共交通機関である場合には、電車は毎日決まった時刻及び決まった速度で運行されているため、毎日ハンドオーバが発生する時刻及び速度は規則的であると考えられる。
【0115】
ルート情報作成部58は、複数の異なる日の同じ時刻にハンドオーバしたユーザ装置4の速度の測定値を平均化する統計処理を行うことにより、各時刻にハンドオーバするユーザ装置4の移動速度を推定する。ルート情報作成部58は、ハンドオーバ元の基地局装置毎に、各ハンドオーバ発生時刻におけるそれぞれのユーザ装置4の速度を推定することにより速度情報を作成する。
【0116】
実際上は、異なる日の同時刻に発生することが期待されるハンドオーバの発生時刻が、運行ダイヤの乱れによって変動することも考えられる。このためルート情報作成部58は、ハンドオーバの発生時刻の頻度分布を作成し、発生頻度が最も高い時刻を中心とする所定期間内に発生したハンドオーバを同時刻に発生したハンドオーバとみなして、速度の測定値を平均化してもよい。
【0117】
接続時間測定部57は、第2状態にあるユーザ装置4がセル6にハンドオーバしてから他のセルへハンドオーバするまでの間に、ユーザ装置4が基地局装置2へ接続されている時間を測定する。ルート情報作成部58は、各移動速度のユーザ装置4について、それぞれ複数回測定された接続時間を平均化する統計処理を行うことにより、各移動速度毎の接続時間を推定する。ルート情報作成部58は、ハンドオーバ元の基地局装置毎に、各移動速度毎の接続時間を推定することにより接続時間情報を作成する。
【0118】
受信部51は、各移動速度のユーザ装置4から、ハンドオーバ発生時から各経過時間が経過した各時刻に測定された受信品質の報告をそれぞれ受信する。ルート情報作成部58は、移動速度毎及び経過時間毎にそれぞれ複数回報告された受信品質を平均化する統計処理を行うことにより、各移動速度のユーザ装置4の受信品質をハンドオーバからの各経過時間毎に推定する。ルート情報作成部58は、ハンドオーバ元の基地局装置毎に受信品質を推定することにより品質情報を作成する。
【0119】
図23は、通信システム1内の処理の第4例の説明図である。なお他の実施例においては、下記のオペレーションAA〜AD及びEA〜EGの各オペレーションはステップであってもよい。図21のオペレーションAA〜ADは、図7を参照して説明した処理のオペレーションAA〜ADと同様である。
【0120】
オペレーションEAにおいて接続時間測定部57は、基地局装置2−2が形成するセル6−2へユーザ装置がハンドオーバした時刻を記録する。オペレーションEBにおいてルート情報作成部58は、ユーザ装置4のハンドオーバ元の基地局装置2−1を記録する。
【0121】
オペレーションECにおいて速度測定部56は、ユーザ装置4の速度を測定する。オペレーションEDにおいて受信部51は、接続中のユーザ装置4から順次送信される受信品質情報を受信する。
【0122】
その後ユーザ装置4がセル6−2とセル6−3の境界に近づくことにより、ユーザ装置4のセル6−3へのハンドオーバが開始される。オペレーションEEにおいて接続時間測定部57は、ユーザ装置4のハンドオーバ時刻を判定し、ユーザ装置4が基地局装置2へ接続されていた時間を測定する。オペレーションEFにおいて基地局装置2−2及び2−3間のハンドオーバ処理が行われる。
【0123】
オペレーションEGにおいてルート情報作成部58は、ハンドオーバ元の基地局装置2−1の識別子、ハンドオーバ開始時刻、速度測定値、接続時間の測定値、ユーザ装置4から報告された受信品質に基づいて、速度情報、接続時間情報、品質情報を作成する。ルート情報作成部58は、作成したこれらの情報により記憶部54に記憶されたルート情報を更新する。
【0124】
本実施例によれば、実際にハンドオーバが生じた時刻と、ユーザ装置4の移動速度の測定値、受信品質の測定値に基づいて速度情報、接続時間情報、品質情報を作成することができる。このため、通信システム1の運用者が、人手により速度情報、接続時間情報、品質情報を作成する労力が省かれる。また例えば、固定ルート7上を運行する交通機関のダイヤが変更になった場合にも、自動的に速度情報、接続時間情報、品質情報を作成することができる。
【0125】
次に、固定ルート7が複数存在する場合の処理について説明する。図24は、固定ルートとセルの位置関係の第2例の説明図である。図24に示す固定ルートの配置例は、図2に示した固定ルート7に対応する固定ルート7−1に加えて、セル6−2を通過する他の固定ルート7−2を有する。図24に示すように、固定ルート7−2は、セル6−4、6−2及び6−5を通過する。セル6−4及び6−5は、セル6−2の隣接セルであり、それぞれ基地局装置2−4及び2−5により形成される。なお、以下の説明において固定ルート7−1及び7−2を総称して「固定ルート7」と表記することがある。
【0126】
図25は、固定ルート7が複数存在する場合のルート情報の説明図である。ルート情報は、各固定ルート7毎に、固定ルート7上を移動し、且つ基地局装置2が形成するセル6へハンドオーバするユーザ装置4のハンドオーバ元の基地局装置を指定する情報を含む。またルート情報は、各固定ルート7毎に、移動方向情報、速度情報、接続時間情報及び/又は品質情報を含んでいてよい。
【0127】
図25の例は、図24に示すセル配置の場合に基地局装置2−2において記憶されるルート情報の例を示す。ルート情報には、固定ルート7−1が通過する隣接セル6−1及び6−3をそれぞれ形成する基地局装置2−1及び2−3の識別子が記憶される。また、ルート情報には、固定ルート7−2が通過する隣接セル6−4及び6−5をそれぞれ形成する基地局装置2−4及び2−5の識別子が記憶される。ルート情報には、各固定ルート7の各基地局装置2−1、2−3〜2−5毎に、速度情報が含まれている。
【0128】
ユーザ装置制御部52は、上記の処理を各固定ルート7毎に行い、ユーザ装置4の移動速度、現在位置及び/又は受信品質を推定してよい。またユーザ装置制御部52は、上記の処理を各固定ルート7毎に行い、ユーザ装置4の平均接続時間を特定してよい。
【0129】
次に、他の通信システム1の実施例について説明する。上述の通信システム1の実施例では、ユーザ装置4の状態情報、すなわちユーザ装置4が第1状態及び第2状態のいずれにあるかをユーザ装置4が記憶した。しかし、ユーザ装置4の状態情報は、通信システム1に含まれる構成要素のいずれかに記憶されていれば足りる。例えば、いずれかの基地局装置2がユーザ装置4の状態情報を記憶してもよく、通信ネットワーク3のネットワーク構成要素のいずれかがユーザ装置4の状態情報を記憶してもよい。
【0130】
以下の通信ネットワーク3のネットワーク構成要素である、ユーザ装置状態記録サーバがユーザ装置4の状態情報を記憶する場合における通信システムの例について説明する。
【0131】
図26は、通信システム1の第3例の構成図である。通信システム1は、図1を参照して説明した通信システム1の構成要素と同様の構成要素を有しており、図1に示す構成要素と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、同一の機能については説明を省略する。
【0132】
通信システム1は、通信ネットワーク3に接続されたユーザ装置状態記録サーバ9を備える。ユーザ装置状態記録サーバ9は、通信システム1のユーザ装置4の状態情報を記憶する。またはユーザ装置状態記録サーバ9は、第2状態にあるユーザ装置4を記憶する。
【0133】
ユーザ装置4がマーカ装置5の傍を通過するとき、ユーザ装置4の通信部30はユーザ装置4の識別子(ID)をマーカ装置5に送信する。マーカ装置5は受信した識別子のユーザ装置の状態情報の変更を要求する状態変更要求信号を、通信ネットワーク3を経由してユーザ装置状態記録サーバ9へ送信する。
【0134】
ユーザ装置状態記録サーバ9は、状態変更が要求されるユーザ装置4について記憶している状態情報の値が第1状態であるときは、この値を第2状態へ遷移させる。ユーザ装置4について記憶している状態情報の値が第2状態であるときは、この値を第1状態へ遷移させる。
【0135】
またはユーザ装置状態記録サーバ9は、ユーザ装置4を記憶しているか否かによって、ユーザ装置4が第2状態か第1状態かを記憶してもよい。この場合、ユーザ装置状態記録サーバ9は、状態変更が要求されるユーザ装置4を記憶していない場合はこのユーザ装置4を記憶する。ユーザ装置状態記録サーバ9は、状態変更が要求されるユーザ装置4を記憶している場合は、このユーザ装置4の記憶を削除する。
【0136】
あるユーザ装置4について基地局装置2から状態情報の問い合わせがあった場合、ユーザ装置状態記録サーバ9は、ユーザ装置4の状態情報を基地局装置2へ通知する。
【0137】
図27は、図26の通信システム1において使用される基地局装置の機能ブロック図である。基地局装置2は、先行して説明した他の実施例の構成要素と同様の構成要素を有しており、他の実施例の構成要素と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、同一の機能については説明を省略する。
【0138】
基地局装置2は、状態取得部55を備える。状態取得部55はユーザ装置4のハンドオーバが発生した場合には、このユーザ装置4の状態情報をユーザ装置状態記録サーバ9に問い合わせる。状態取得部55がユーザ装置状態記録サーバ9から状態情報を取得した後、ユーザ装置制御部52は上記と他の実施例と同様の処理を行う。
【0139】
図28は、ユーザ装置状態記録サーバ9を備える通信システム1内の処理の説明図である。以下の説明における基地局装置2、マーカ装置5、セル6及び固定ルート7の配置は、図2に示す配置と同様である。なお他の実施例においては、下記のオペレーションFA〜FIの各オペレーションはステップであってもよい。
【0140】
ユーザ装置4は、セル6−1内に位置しており、基地局装置2−1と接続中である。またユーザ装置4は第1状態にある。オペレーションFAにおいてユーザ装置4がマーカ装置5−1の傍を通過するとき、ユーザ装置4の通信部30はユーザ装置4の識別子(ID)をマーカ装置5−1に送信する。オペレーションFBにおいてマーカ装置5−1は、状態変更要求信号をユーザ装置状態記録サーバ9へ送信する。ユーザ装置状態記録サーバ9は、ユーザ装置4の状態についての記憶を第1状態から第2状態へ遷移させる。
【0141】
その後、ユーザ装置4はセル6−2内へ移動する。オペレーションFCにおいてユーザ装置4のハンドオーバ処理部32及び基地局装置2−2のハンドオーバ処理部50は、セル6−1からセル6−2へユーザ装置4がハンドオーバするための処理を実施する。オペレーションFDにおいて基地局装置2の状態取得部55は、ユーザ装置4の状態情報をユーザ装置状態記録サーバ9に問い合わせる。
【0142】
オペレーションFEにおいてユーザ装置状態記録サーバ9は、ユーザ装置4の状態情報を状態取得部55へ通知する。オペレーションFFにおいてユーザ装置制御部52は、ユーザ装置制御処理を実施する。ユーザ装置制御処理FFは、上述した他の実施例のユーザ装置制御処理AEと同様であってよい。
【0143】
オペレーションFGにおいてユーザ装置4がマーカ装置5−1の傍を通過するとき、ユーザ装置4の通信部30はユーザ装置4の識別子(ID)をマーカ装置5−1に送信する。オペレーションFHにおいてマーカ装置5−1は、状態変更要求信号をユーザ装置状態記録サーバ9へ送信する。ユーザ装置状態記録サーバ9は、ユーザ装置4の状態についての記憶を第2状態から第1状態へ遷移させる。
【0144】
本実施例によれば、ユーザ装置4の状態情報をユーザ装置4以外の他の構成要素で管理することが可能となる。このため本実施例によれば、本明細書に記載されるシステム及び方法を実行する際のユーザ装置4側の改変を低減することができる。また、ユーザ装置4は、状態情報を基地局装置2へ送信しないので、無線リソースの使用を節約することが可能となる。
【0145】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0146】
(付記1)
基地局装置であって、
移動局装置が固定ルート上の場所を通過したか否かを示す状態情報を受信する受信部と、
前記基地局装置により形成されるセルへハンドオーバする前記移動局装置に関して受信される前記状態情報が、前記固定ルート上の場所を前記移動局装置が通過したことを示す場合に、前記移動局装置が前記固定ルート上を移動中であると判定する判定部と、
を備える基地局装置。
(付記2)
前記固定ルートが通過する隣接セルを形成する基地局装置を指定するルート情報が格納される記憶部を備え、
前記判定部は、更に、前記セルへハンドオーバする前記移動局装置のハンドオーバ元の基地局装置が前記ルート情報において指定される場合に、前記移動局装置が前記固定ルート上を移動中であると判定することを特徴とする付記1に記載の基地局装置。
(付記3)
ハンドオーバの予定発生時刻と各予定発生時刻でハンドオーバする移動局装置の予定速度とを対応付けた速度情報を格納する記憶部を備え、
前記判定部は、ハンドオーバ発生時刻に応じて、前記速度情報に基づき前記移動局装置の移動速度を推定することを特徴とする付記1に記載の基地局装置。
(付記4)
前記判定部は、ハンドオーバ発生時刻からの経過時間と推定された前記移動速度に基づいて前記移動局装置の現在位置を推定することを特徴とする付記3に記載の基地局装置。
(付記5)
推定された前記現在位置に応じて前記移動局装置の動作を制御する制御情報を生成する制御情報生成部と、
前記制御情報を前記移動局装置へ送信する送信部と、
を備える付記4に記載の基地局装置。
(付記6)
推定された前記現在位置に位置する前記移動局装置へ提供するサービスのためのデータを前記移動局装置へ送信する送信部を備える付記4に記載の基地局装置。
(付記7)
前記記憶部には、前記固定ルート上を各移動速度で移動する移動局装置において予定される受信品質をハンドオーバ発生時刻からの経過時間毎に規定する品質情報が格納され、
前記判定部は、前記品質情報に基づき、推定された前記移動速度又はハンドオーバ発生時刻と、ハンドオーバ発生時刻からの経過時間とに応じて、前記移動局装置と基地局装置との間の通信の受信品質を推定することを特徴とする付記3に記載の基地局装置。
(付記8)
推定された前記受信品質に応じて前記移動局装置の動作を制御する制御情報を生成する制御情報生成部と、
前記制御情報を前記移動局装置へ送信する送信部を備える付記7に記載の基地局装置。
(付記9)
前記記憶部には、前記固定ルート上を各移動速度で移動する移動局装置が前記基地局装置に連続して接続することが予定される接続時間を規定する接続時間情報が格納され、
前記判定部は、推定された前記移動速度又はハンドオーバ発生時刻に応じて前記接続時間情報に基づいて規定される接続時間を前記移動局装置の実際の接続時間が超える場合に、前記移動局装置が前記固定ルートから外れていると判定することを特徴とする付記3に記載の基地局装置。
(付記10)
前記移動局装置の移動速度を測定する速度測定部と、
複数日の同じ時刻にハンドオーバした移動局装置の速度の測定値に基づいて各時刻にハンドオーバする移動局装置の移動速度を推定し、前記速度情報を生成する速度情報生成部と、
を備える付記3に記載の基地局装置。
(付記11)
前記速度情報生成部は、複数日の同じ時刻にハンドオーバした移動局装置の速度の測定値を平均化することにより前記移動速度の推定を行う、付記10に記載の基地局装置。
(付記12)
前記移動局装置の移動速度を測定する速度測定部と、
各移動速度の移動局装置において逐次測定された受信品質に基づいて、各移動速度の移動局装置についてハンドオーバ発生時刻からの経過時間毎の受信品質を推定することにより、前記品質情報を生成する品質情報生成部と、
を備える付記7に記載の基地局装置。
(付記13)
前記品質情報生成部は、各移動速度毎及びハンドオーバ発生時刻からの経過時間毎に複数回測定された受信品質を平均化することにより、前記受信品質の推定を行う付記12に記載の基地局装置。
(付記14)
前記移動局装置の移動速度を測定する速度測定部と、
前記固定ルート上を移動する移動局装置が前記基地局装置に連続して接続する接続時間を測定する接続時間測定部と、
各移動速度の移動局装置について測定された接続時間に基づいて各移動速度毎の接続時間を推定し、前記接続時間情報を生成する接続時間情報生成部と、
を備える付記9に記載の基地局装置。
(付記15)
前記接続時間情報生成部は、各移動速度毎に、複数回測定された接続時間を平均化することにより、前記接続時間の推定を行う付記14に記載の基地局装置。
(付記16)
固定ルート上の場所に設置されたマーカ装置から送信された制御情報を受信する通信部と、
前記制御情報を受信することにより状態情報の値を遷移させる制御部と、
ハンドオーバ時に、ハンドオーバ先の基地局装置へ前記状態情報を送信する送信部と、
を備える移動局装置。
(付記17)
基地局装置と移動局装置を有する通信システムであって、
前記基地局装置は、
前記移動局装置が固定ルート上の場所を通過したか否かを示す状態情報を受信する受信部と、
前記基地局装置により形成されるセルへハンドオーバする前記移動局装置に関して受信される前記状態情報が、前記固定ルート上の場所を前記移動局装置が通過したことを示す場合に、前記移動局装置が前記固定ルート上を移動中であると判定する判定部と、
を備える通信システム。
(付記18)
基地局装置と移動局装置を有する通信システムであって、
前記移動局装置は、
前記固定ルート上の場所に設置されたマーカ装置から送信された制御情報を受信する通信部と、
前記制御情報を受信することにより状態情報の値を遷移させる制御部と、
ハンドオーバ時に、ハンドオーバ先の基地局装置へ前記状態情報を送信する送信部と、
を備える通信システム。
(付記19)
移動局装置が固定ルート上の場所を通過したか否かを示す状態情報を基地局装置にて受信し、
前記基地局装置により形成されるセルへハンドオーバする前記移動局装置に関して受信した前記状態情報が、前記固定ルート上の場所を前記移動局装置が通過したことを示す場合に、前記移動局装置が前記固定ルート上を移動中であると判定する、
ことを特徴とする通信方法。
(付記20)
固定ルート上の場所に設置されたマーカ装置から送信された制御情報を、移動局装置にて受信し、
前記制御情報を受信することにより状態情報の値を遷移させ、
ハンドオーバ時に、ハンドオーバ先の基地局装置へ前記状態情報を送信する、
ことを特徴とする通信方法。
【符号の説明】
【0147】
1 通信システム
2、2−1、2−2 基地局装置
3 通信ネットワーク
4 ユーザ装置
5、5−1、5−2 マーカ装置
6、6−1、6−2 セル
7、7−1、7−2 固定ルート
【技術分野】
【0001】
本明細書で論じられる実施態様は、基地局装置による移動局装置の動作やサービスの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムにおいて、移動局装置の移動の態様に応じて移動局装置の動作や移動局装置に対する提供サービスを切り替えることが便利な場合がある。例として、移動局装置が既知の固定ルートを移動する場合がある。このような場合には移動局装置の移動先を予測できるため、例えばスケジューリング制御や移動局装置の状態制御に予測結果を利用することができる。また、移動局装置の移動先に応じたサービスを提供するために予測結果を使用することも可能である。
【0003】
なお、移動通信システムにおいて、ユーザが電車に乗る際に駅構内の改札口に設置された特定の無線基地局から位置制御信号を受信すると、携帯端末の制御部が、通常の動作モードから特定空間モードへと動作モードを切り替えることが提案されている。
【0004】
また、無線携帯端末から管理サーバへ周期的に位置情報を報告する移動通信システムが提案されている。管理サーバは、無線携帯端末が移動体内にあるか否かを判断する判断手段と、判断手段の判断結果に応じて無線携帯端末の通信モードを切替える切替手段と、移動体の運行情報と位置情報とを基に無線携帯端末にハンドオーバを指示する手段とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−322747号公報
【特許文献2】特開2004−172920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
鉄道のような固定ルート上を移動局装置が移動するか否かを判断する方法の例として、改札口に設置された無線基地局からの位置制御信号の受信の有無に応じてユーザが電車に乗るか否かを判断することが考えられる。しかし、改札を通過したユーザがすぐに電車に乗るとは限らないため、移動局装置が固定ルート上を移動するか否かを判断する方法としてはこの方法は不十分である。
【0007】
固定ルート上を移動局装置が移動するか否かの判断方法の例として、移動局装置から周期的に送信される位置情報を利用して、移動局装置が電車内にあるか否かを判断することも考えられる。この場合には移動局装置に測位手段が必要となり、また位置情報の送信のために無線リソースが消費される。
【0008】
実施態様に係る装置及び方法は、移動局装置が既知の固定ルート上を移動中であるか否かを判定するための手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ある実施態様による基地局装置は、移動局装置が固定ルート上の場所を通過したか否かを示す状態情報を受信する受信部と、基地局装置により形成されるセルへハンドオーバする移動局装置に関して受信される状態情報が、固定ルート上の場所を移動局装置が通過したことを示す場合に、移動局装置が固定ルート上を移動中であると判定する判定部と、を備える。
【0010】
他の実施態様による移動局装置は、固定ルート上の場所に設置されたマーカ装置から送信された制御情報を受信する通信部と、制御情報を受信することにより状態情報の値を遷移させる制御部と、ハンドオーバ時に、ハンドオーバ先の基地局装置へ状態情報を送信する送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本件開示の装置又は方法によれば、移動局装置が既知の固定ルート上を移動中であるか否かを判定するための手段が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】通信システムの第1例の構成図である。
【図2】固定ルートとセルの位置関係の第1例の説明図である。
【図3】ユーザ装置のハードウエア構成例の説明図である。
【図4】ユーザ装置の機能ブロック図である。
【図5】基地局装置のハードウエア構成例の説明図である。
【図6】基地局装置の第1例の機能ブロック図である。
【図7】通信システム内の処理の第1例の説明図である。
【図8】ユーザ装置制御処理の第1例の説明図である。
【図9】基地局装置の第2例の機能ブロック図である。
【図10】ルート情報の第1例の説明図である。
【図11】ユーザ装置制御処理の第2例の説明図である。
【図12】ルート情報の第2例の説明図である。
【図13】ユーザ装置制御処理の第3例の説明図である。
【図14】ルート情報の第3例の説明図である。
【図15】ユーザ装置制御処理の第4例の説明図である。
【図16】ルート情報の第4例の説明図である。
【図17】通信システム内の処理の第2例の説明図である。
【図18】ユーザ装置制御処理の第5例の説明図である。
【図19】通信システムの第2例の構成図である。
【図20】基地局装置の第3例の機能ブロック図である。
【図21】通信システム内の処理の第3例の説明図である。
【図22】基地局装置の第4例の機能ブロック図である。
【図23】通信システム内の処理の第4例の説明図である。
【図24】固定ルートとセルの位置関係の第2例の説明図である。
【図25】ルート情報の第5例の説明図である。
【図26】通信システムの第3例の構成図である。
【図27】基地局装置の第5例の機能ブロック図である。
【図28】通信システム内の処理の第5例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施例について説明する。図1は、通信システムの第1例の構成図である。通信システム1は、基地局装置2−1及び2−2と、通信ネットワーク3と、移動局装置としてのユーザ装置(UE:User Equipment)4と、マーカ装置5を備える。
【0014】
基地局装置2−1及び2−2は、有線ネットワークである通信ネットワーク3とユーザ装置4との間のデータの送信のために、ユーザ装置4との間で無線通信を行う。基地局装置2−1及び2−2は、それぞれセル6−1及び6−2を形成する。通信システム1は、基地局装置2−1及び2−2をそれぞれ通信システム1へ接続する上位ノード装置や、基地局装置2−1及び2−2を制御する制御装置を備えていてもよい。なお、以下の説明において基地局装置2−1及び2−2を総称して「基地局装置2」と表記することがある。また以下の説明においてセル6−1及び6−2を総称して「セル6」と表記することがある。
【0015】
セル6の圏内には固定ルート7が敷設されている。固定ルートとは、ユーザ装置4が移動する一定の移動経路であり、例えば、鉄道やバスの路線であってよい。また、固定ルートは、例えばユーザを運ぶ移動体が定期的に運行される交通機関の路線であってよい。
【0016】
マーカ装置5は、固定ルート7上またはその近傍に設置され、所定の状態制御情報を発信する。マーカ装置5は、例えば、ユーザ装置4を所持するユーザが固定ルート7上の移動を開始または終了する際に通過する地点やゲートに設置されてよい。例えば固定ルート7が鉄道である場合には、例えばマーカ装置5は改札口に設けられていてよい。例えばマーカ装置5は自動改札機であってよい。また例えば固定ルート7が路線バスである場合には、マーカ装置5はバスの停留所に設けられてもよい。
【0017】
図2は、固定ルート7とセル6の位置関係の第1例の説明図である。添付図面及び以下の説明において、基地局装置2を「BS」と表記し、ユーザ装置を「UE」と表記することがある。セル6−1〜6−3はそれぞれ基地局装置2−1〜2−3によって形成されており、セル6−1とセル6−2が隣接し、セル6−2とセル6−3が隣接する。
【0018】
固定ルート7は、セル6−1〜6−3を通過する。固定ルート7上の地点8−1及び8−3又はこれらの近傍には、それぞれマーカ装置5−1及びマーカ装置5−3が設けられる。地点8−1及び8−3は、それぞれセル6−1及び6−3内にある。例えば固定ルートが鉄道である場合には、地点8−1及び8−3はユーザが電車を乗降する駅の改札の出入り口であってよい。
【0019】
以下の説明において、ユーザ装置4を所持するユーザが、地点8−1において固定ルート7上の移動を開始し、セル6−2を通過後に地点8−3において固定ルート7上の移動を終了する場合について想定する。このようなシナリオは、例えばユーザが、地点8−1にある駅で電車に乗車し、地点8−3にある駅で電車から降車する場合であってよい。
【0020】
ユーザ装置4について以下に説明する。図3は、ユーザ装置4のハードウエア構成例の説明図である。ユーザ装置4は、CPU20と、記憶部21と、インタフェース22と、音声処理部23と、ベースバンド信号処理部24と、無線通信部25と、アンテナ26と、通信部27を備える。CPU20、メモリ21、インタフェース22、音声処理部23、ベースバンド信号処理部24及び通信部27は、それぞれバス28によって接続されている。なお、以下の説明及び図面ではベースバンドを「BB」と表記することがある。
【0021】
CPU20は、記憶部21に格納された制御プログラムを実行することにより、ユーザ装置4の動作を制御する。記憶部21は、CPU20による制御プログラムの実行に必要なデータを記憶し、またこれらプログラムの実行の際に生成される一時的なデータを記憶する。記憶部21は、例えばメモリ、ハードディスクや不揮発性メモリなどにより実現される記憶装置である。
【0022】
インタフェース22は、ユーザによるユーザ装置4への入力の受付及び情報の出力を行う。例えばインタフェース22は、キーパッド、キーボード、カーソルボタン、スクロールホイール、タッチパネル、マイクロホン、スピーカ、ディスプレイ等のユーザインタフェースである。
【0023】
音声処理部23は、インタフェース22としてのマイクロホンから入力した音声信号をデジタル信号へ変換し、またはユーザ装置4が取り扱うデジタル形式の音声データを、インタフェース22としてのスピーカから出力する音声信号へ変換する。
【0024】
ベースバンド信号処理部24は、無線通信部25により送信される又は受信される信号に対して、変調前及び復調後に信号処理を行う。無線通信部25は、基地局装置2からユーザ装置4へ送信される無線信号をアンテナ26を介して受信し、またユーザ装置4から基地局装置2へ送信される無線信号をアンテナ26を介して送信する。
【0025】
通信部27は、マーカ装置5から送信される状態制御情報を受信する。例えば、通信部27は、非接触ICカードに採用される短距離無線通信をマーカ装置5との間で行ってもよい。例えば、状態制御情報の受信は、自動改札機による改札処理、又はその一部として実行されてよく、改札処理と同時かつ別個に行われてもよい。
【0026】
図4は、ユーザ装置4の機能ブロック図である。同図は、実施態様に関係する機能を中心として示している。ユーザ装置4は、通信部30と、制御部31と、ハンドオーバ処理部32と、送信部33と、受信部34を備える。通信部30は、マーカ装置5から送信される状態制御情報を受信する。通信部30と受信部34は同一の構成要素であってもよい。
【0027】
ユーザ装置4が第1状態である間に、通信部30が状態制御情報を受信したとき、制御部31は、ユーザ装置4の状態について記憶している状態情報の値を第1状態から第2状態へ遷移させる。第1状態は、例えばユーザ装置4が固定ルート上を移動していない状態であってよい。また、第2状態は、ユーザ装置4が固定ルート上を移動する可能性があるか、固定ルート上を移動している状態であってよい。
【0028】
また、ユーザ装置4が第2状態である間に状態通信部30が状態制御情報を受信したとき、制御部31は、ユーザ装置4の状態情報の値を第2状態から第1状態へ遷移させる。同じマーカ装置5からの状態制御情報によってユーザ装置4の状態が交番しないように、制御部31は、一度状態を遷移した後の所定期間内は、次の遷移を禁止してもよい。または、同じマーカ装置5からの状態制御情報であるか否かを判定するために、状態制御情報はマーカ装置5の識別子を含んでいてよい。
【0029】
ハンドオーバ処理部32は、あるセルから他のセルへユーザ装置4がハンドオーバする際のユーザ装置4側の処理を実施する。送信部33は、ハンドオーバ処理部32によるハンドオーバ処理が実施されるとき、ユーザ装置4が第1状態及び第2状態のいずれであるかを示す状態情報をハンドオーバ先の基地局装置2へ送信する。例えば送信部33は、ユーザ装置4が基地局装置2へハンドオーバの実施を要求するハンドオーバリクエスト情報の追加情報として、状態情報を送信してよい。送信部33は、ハンドオーバリクエスト情報とは別に状態情報を送信してもよい。
【0030】
また送信部33は、ユーザ装置4の状態が第2状態から第1状態へ遷移するとき、接続中の基地局装置2へ状態情報を送信する。
【0031】
受信部34は、ユーザ装置4と接続されている基地局装置2から、ユーザ装置4の動作を制御する制御情報を受信する。制御情報は、例えばユーザ装置4に割り当てられた無線リソースを指定するスケジュール情報であってよく、通信方式、符号化率、通信レートを指定する情報であってよい。
【0032】
制御情報は、ユーザ装置4の動作状態を制御する動作状態制御信号であってもよい。動作状態制御信号は、例えばユーザ装置4の動作モードをサイレントモードやユーザ指定の任意の動作モードに切り替える信号であってよい。動作状態制御信号は、ユーザ装置4のオン/オフを切り替える制御信号であってよい。制御部31は、受信部34により受信された制御情報に従ってユーザ装置4の動作を制御する。
【0033】
また、受信部34は、基地局装置2から送信される、ユーザ装置4のユーザ向けのサービスのために提供されるデータを受信する。このデータは、例えば固定ルート7が通過する地域に関する種々の情報であってよい。この情報は、例えば店舗情報や行政サービス、観光情報などでよい。
【0034】
次に基地局装置2について説明する。図5は、基地局装置2のハードウエア構成例の説明図である。基地局装置2は、制御部40と、無線通信部41と、アンテナ42と、ベースバンド信号処理部43と、ネットワークインタフェース44を備える。制御部40は、基地局装置2の動作を制御する。
【0035】
無線通信部41は、基地局装置2からユーザ装置4へ送信される無線信号をアンテナ42を介して送信し、またユーザ装置4から基地局装置2へ送信される無線信号をアンテナ42を介して受信する。ベースバンド信号処理部43は、無線通信部41により送信される又は受信される信号に対して、変調前及び復調後に信号処理を行う。ネットワークインタフェース44は、基地局装置2を通信システム1へ接続する上位ノード装置や、基地局装置2を制御する制御装置、または他の基地局装置との間のインタフェースである。
【0036】
図6は、基地局装置2の第1例の機能ブロック図である。同図は、実施態様に関係する機能を中心として示している。以下に説明する基地局装置2の他の例の機能ブロック図においても同様である。基地局装置2は、ハンドオーバ処理部50と、受信部51と、ユーザ装置制御部52と、送信部53と、を備える。なお、本実施例の構成要素を後続の他の実施例と組み合わせてもよい。ユーザ装置制御部52は、特許請求の範囲に記載の判定部の一例として挙げられる。
【0037】
ハンドオーバ処理部50は、基地局装置2が形成するセル6へ入ってくるユーザ装置4及び基地局装置2が形成するセル6から出て行くユーザ装置4のためのハンドオーバ処理を実施する。受信部51は、ハンドオーバの際にユーザ装置4から送信される状態情報を受信する。
【0038】
ユーザ装置制御部52は、基地局装置2が形成するセル6へハンドオーバするユーザ装置4が第1状態及び第2状態のいずれであるかを判定する。ユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4が第2状態である場合、ユーザ装置4が固定ルート7上を移動していると判定する。
【0039】
ユーザ装置制御部52は、判定結果に応じた、ユーザ装置4の動作を制御する制御情報を生成してよい。送信部53は、ユーザ装置制御部52により生成された制御情報をユーザ装置4へ送信してよい。また、ユーザ装置制御部52は判定結果に応じてユーザ装置4との間の無線通信の無線リソース、通信方式、符号化率、通信レートなどを制御してもよい。
【0040】
また、ユーザ装置4が固定ルート7上を移動していると判定されるとき、基地局装置2は固定ルート7上を移動中のユーザ向けのサービスのために提供されるデータを、ユーザ装置4へ送信してもよい。
【0041】
続いて、通信システム1内の処理手順を説明する。図7は、通信システム1内の処理の第1例の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションAA〜AKの各オペレーションはステップであってもよい。
【0042】
ユーザ装置4は、セル6−1内に位置しており、基地局装置2−1と接続中である。またユーザ装置4は第1状態にある。オペレーションAAにおいてユーザが、マーカ装置5−1が設けられた地点8−1に至ると、通信部30は、マーカ装置5−1から送信された状態制御情報を受信する。オペレーションABにおいて制御部31は、ユーザ装置4の状態について記憶している状態情報の値を第1状態から第2状態へ遷移させる。
【0043】
その後、ユーザ装置4はセル6−2内へ移動する。オペレーションACにおいてユーザ装置4のハンドオーバ処理部32及び基地局装置2−2のハンドオーバ処理部50は、セル6−1からセル6−2へユーザ装置4がハンドオーバするための処理を実施する。
【0044】
オペレーションADにおいてユーザ装置4の送信部33は、ユーザ装置4が第2状態であることを示す状態情報を基地局装置2−2へ送信する。基地局装置2−2の受信部51は状態情報を受信する。また、ユーザ装置4と基地局装置2−2との接続が確立する。
【0045】
オペレーションAEにおいて基地局装置2−2のユーザ装置制御部52は、以下に説明するユーザ装置制御処理を実施する。図8は、図7に示すユーザ装置制御処理の第1例の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションBA〜BCの各オペレーションはステップであってもよい。
【0046】
オペレーションBAにおいてユーザ装置制御部52は、受信された状態情報に基づいて、ユーザ装置4が第2状態であるか否かを判定する。ユーザ装置4が第2状態である場合(オペレーションBA:Y)、処理はオペレーションBBへ進む。ユーザ装置4が第2状態でない場合(オペレーションBB:N)、処理はオペレーションBCへ進む。
【0047】
オペレーションBBにおいてユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4が固定ルート7上を移動していると判定する。オペレーションBCにおいてユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4が固定ルート7上を移動していないと判定する。
【0048】
その後、ユーザ装置制御部52は、判定結果に応じた、ユーザ装置4の動作を制御する。また、ユーザ装置4が固定ルート7上を移動していると判定されるとき、基地局装置2は固定ルート7上を移動中のユーザ向けのサービスのために提供されるデータを、ユーザ装置4へ送信してもよい。
【0049】
図7を参照する。その後、ユーザ装置4はセル6−3内へ移動する。オペレーションAFにおいてユーザ装置4のハンドオーバ処理部32及び基地局装置2−3のハンドオーバ処理部50は、セル6−2からセル6−3へユーザ装置4がハンドオーバするための処理を実施する。
【0050】
オペレーションAGにおいてユーザ装置4の送信部33は、ユーザ装置4が第2状態であることを示す状態情報を基地局装置2−3へ送信する。基地局装置2−3の受信部51は状態情報を受信する。また、ユーザ装置4と基地局装置2−3との接続が確立する。オペレーションAHにおいて基地局装置2−3のユーザ装置制御部52は、上述のユーザ装置制御処理を実施する。
【0051】
オペレーションAIにおいてユーザが、マーカ装置5−3が設けられた地点8−3に至ると、通信部30は、マーカ装置5−3から送信された状態制御情報を受信する。オペレーションAJにおいて制御部31は、ユーザ装置4の状態について記憶している状態情報の値を第2状態から第1状態へ遷移させる。オペレーションAKにおいて送信部33は、ユーザ装置4の送信部33は、ユーザ装置4が第1状態であることを示す状態情報を基地局装置2−3へ送信する。基地局装置2−3の受信部51は状態情報を受信する。
【0052】
本実施例によれば、基地局装置2はユーザ装置4が既知の固定ルート上を移動中であるか否かを判定することができる。このため基地局装置2、ユーザ装置4の移動先を予測できるようになり、予測結果を、例えばスケジューリング制御やユーザ装置の状態制御に利用することができる。また、この予測結果は、ユーザ装置4の移動先に応じたサービスを提供するために使用することも可能である。
【0053】
本実施例では、ユーザ装置4が既知の固定ルート上を移動中であるか判定を、単にマーカ装置5の近辺を通過したことだけでなく、マーカ装置5からある程度離れた固定ルート7上の他の地点に至ったことをセル間のハンドオーバによって検出する。このため、ユーザ装置4が固定ルート上を移動しているか否かの判定精度を高めることができる。
【0054】
また本実施例では、ユーザ装置4は位置情報を基地局装置2へ送信しなくともよい。このため、測位手段を持たないユーザ装置4も利用可能となり、また位置情報の送信のために無線リソースを消費しなくともよい。
【0055】
続いて基地局装置2の他の実施例を説明する。図9は、基地局装置2の第2例の機能ブロック図である。基地局装置2は、先行して説明した他の実施例の構成要素と同様の構成要素を有しており、他の実施例の構成要素と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、同一の機能については説明を省略する。基地局装置2は、記憶部54を備える。なお、本実施例の構成要素を後続の他の実施例と組み合わせてもよい。
【0056】
記憶部54には、ルート情報が格納されている。ルート情報は、固定ルート7上を移動し、且つ基地局装置2が形成するセル6へハンドオーバするユーザ装置4のハンドオーバ元の基地局装置を指定する情報を含む。すなわちルート情報は、固定ルート7が通過する、セル6の隣接セルを形成する基地局装置を指定する情報を含む。図10は、記憶部54に記憶されたルート情報の第1例の説明図である。
【0057】
図10の例は、図2に示すセル配置の場合に基地局装置2−2において記憶されるルート情報の例を示す。ルート情報には、固定ルート7が通過する隣接セル6−1及び6−3をそれぞれ形成する基地局装置2−1及び2−3の識別子が記憶される。
【0058】
図9を参照する。ユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4のハンドオーバ元の基地局装置の識別子が、記憶部54に記憶されたルート情報に含まれるか否かを判定する。ユーザ装置4のハンドオーバ元の基地局装置を識別する情報は、例えばハンドオーバ処理部50が、ハンドオーバ元の基地局装置や上位の制御装置から通信ネットワーク3を介して受信してよく、ユーザ装置4から直接受信してもよい。
【0059】
図11は、ルート情報を用いたユーザ装置制御処理の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションBA〜BEの各オペレーションはステップであってもよい。図11の処理は、図8を参照して説明した処理にオペレーションBD及びBEを追加したものである。以下、ユーザ装置4がセル6−2へハンドオーバした場合の処理を説明する。
【0060】
オペレーションBAにおいてユーザ装置4が第2状態である場合(オペレーションBA:Y)、処理はオペレーションBDへ進む。ユーザ装置4が第2状態でない場合(オペレーションBB:N)、処理はオペレーションBCへ進む。
【0061】
オペレーションBDにおいてユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4のハンドオーバ元の基地局装置を識別する情報を取得する。
【0062】
オペレーションBEにおいてユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4のハンドオーバ元の基地局装置2−1の識別子が、記憶部54に記憶されたルート情報に含まれるか否かを判定する。基地局装置2−1の識別子がルート情報に含まれる場合(オペレーションBE:Y)、処理はオペレーションBBに進む。基地局装置2−1の識別子がルート情報に含まれる場合(オペレーションBE:N)、処理はオペレーションBCに進む。
【0063】
本実施例によれば、第2状態にあるユーザ装置4がハンドオーバしたか否かの条件だけではなく、固定ルート7が通過する隣接セル6からユーザ装置4がハンドオーバしたか否かも判定する。このため本実施例によれば、ハンドオーバするユーザ装置4が固定ルート7上の移動を開始していないにも関わらず不慮の原因により第2状態にある場合に、固定ルート上を移動していると誤判定することを防止できる。
【0064】
続いて基地局装置2の他の実施例を説明する。固定ルート7上でユーザ装置4を運ぶ移動体が定期的にセル6を通過し、かつ通過時の移動速度が定まっている場合には、ハンドオーバが1日のうちの何時何分に発生するかによって、ユーザ装置4の速度と位置を推定することができる。例えば固定ルート7が鉄道の場合には、電車は毎日決まった時刻及び決まった速度で運行されており、ハンドオーバが発生する時刻は規則的であると考えられる。
【0065】
本実施例では、記憶部54に格納されたルート情報は、1日のうちでハンドオーバが発生する予定発生時刻と、各予定発生時刻でハンドオーバするユーザ装置4の予定速度とを対応付けた速度情報を含む。なお、本実施例の構成要素を後続の他の実施例と組み合わせてもよい。
【0066】
図12は、速度情報を含んだルート情報の例の説明図である。図12の例は、図10と同様に図2に示すセル配置の場合に基地局装置2−2において記憶されるルート情報の例を示す。ルート情報は、ハンドオーバ元の基地局装置とユーザ装置4の移動方向とを対応付けた移動方向情報を有する。また、ルート情報は、ハンドオーバ元の基地局装置毎にハンドオーバの予定発生時刻と、各予定発生時刻でハンドオーバするユーザ装置4の予定速度とを対応付けた速度情報を有する。
【0067】
例えば、基地局2−1が形成するセル6−1からA時B分及びC時D分にハンドオーバする予定のユーザ装置4の予定速度は時速120kmであり移動方向は第1方向である、E時F分にハンドオーバする予定のユーザ装置4の予定速度は時速80kmであり、移動方向は第1方向である。また、基地局2−3が形成するセル6−3からハンドオーバするユーザ装置4の移動方向は、第1方向と反対方向の第2方向である。例えば、固定ルート7が鉄道の例の場合、第1方向及び第2方向の種別は、「上り」及び「下り」などの線別であってよい。
【0068】
ユーザ装置制御部52は、ハンドオーバ元の基地局装置2の識別子に応じて移動方向の値を移動方向情報から読み出す。また、ユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4のハンドオーバ元の基地局装置2の識別子とハンドオーバ発生時刻に応じて、これらの情報に各々対応付けて記憶された速度の値を速度情報から読み出す。ユーザ装置制御部52は、読み出した速度の値にハンドオーバ発生時刻から現在時刻までの経過時間を乗じてハンドオーバ後の移動距離を決定する。ユーザ装置制御部52は、ハンドオーバが発生したセル6の境界地点から固定ルート7に沿って、読み出した方向に移動距離分進んだ地点を、ユーザ装置4の現在位置と推定する。
【0069】
ユーザ装置制御部52は、推定した現在位置に応じてユーザ装置4の動作を制御する制御情報を生成してよい。送信部53は、推定した現在位置に応じて生成された制御情報をユーザ装置4へ送信してよい。基地局装置2は、推定した現在位置にいるユーザ向けのサービスのために提供されるデータを、ユーザ装置4へ送信してもよい。このサービスは、例えばユーザ装置4の現在位置から見える景色に関する音声ガイダンスであってよい。またこのサービスは、例えば現在位置に近い店舗の情報や現在位置から利用しやすい行政サービス情報や観光情報の提供サービスであってよい。
【0070】
図13は、ユーザ装置4の現在位置を推定するユーザ装置制御処理の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションBA〜BHの各オペレーションはステップであってもよい。図13の処理は、図11を参照して説明した処理にオペレーションBF〜BHを追加したものである。
【0071】
ユーザ装置4が固定ルート7上を移動しているとき、オペレーションBFにおいてユーザ装置制御部52は、ハンドオーバ元の基地局装置2の識別子とハンドオーバ発生時刻に応じて、記憶部54に記憶された速度情報に基づきユーザ装置4の速度を判定する。また、ユーザ装置制御部52は、ハンドオーバ元の基地局装置2の識別子に応じて、記憶部54に記憶された移動方向情報に基づいてユーザ装置4の移動方向を判定する。
【0072】
オペレーションBGにおいてユーザ装置制御部52は、判定した速度の値にハンドオーバ発生時刻からの経過時間を乗じてハンドオーバ後の移動距離を決定する。ユーザ装置制御部52は、ハンドオーバが発生したセル6の境界地点と移動距離と移動方向に基づいてユーザ装置4の現在位置を推定する。
【0073】
オペレーションBHにおいてユーザ装置制御部52は、推定した現在位置に応じてユーザ装置4の動作を制御する制御情報を生成する。送信部53は、推定した現在位置に応じて生成された制御情報をユーザ装置4へ送信する。基地局装置2は、推定した現在位置にいるユーザ向けのサービスのために提供されるデータを、ユーザ装置4へ送信してもよい。
【0074】
本実施例によれば、基地局装置2は、セル6内のユーザ装置4の現在位置を推定することが可能となる。このため基地局装置2は、ユーザ装置4の現在位置に応じてユーザ装置4の動作を制御し、またユーザ装置4の現在位置に応じたサービスを提供することが可能となる。
【0075】
続いて基地局装置2の他の実施例を説明する。ユーザ装置4の移動速度4が判定できることによって、ハンドオーバ発生後のユーザ装置4の位置に応じたユーザ装置4の受信品質の変動を予測することができる。
【0076】
本実施例では、記憶部54に格納されたルート情報は、ハンドオーバ元の基地局装置2のそれぞれについて、ハンドオーバ時刻後の各経過時間においてそれぞれ予定されるユーザ装置4の受信品質を、各移動速度毎に規定する品質情報を含む。なお、本実施例の構成要素を後続の他の実施例と組み合わせてもよい。
【0077】
図14は、品質情報を含んだルート情報の例の説明図である。図14の例は、図12と同様に図2に示すセル配置の場合に基地局装置2−2において記憶されるルート情報の例を示す。ルート情報は、ハンドオーバ元の基地局装置とユーザ装置4の移動方向とを対応付けた移動方向情報を有する。ルート情報は、ハンドオーバ元の基地局装置毎に、ハンドオーバ発生時刻とユーザ装置4の速度とを対応付けた速度情報を有する。また、ルート情報は、ハンドオーバ元の基地局装置2のそれぞれについて、ハンドオーバ時刻後の各経過時間においてそれぞれ予定されるユーザ装置4の受信品質を、各移動速度毎に規定する品質情報を有する。
【0078】
例えば、基地局2−1が形成するセル6−1から時速120kmでハンドオーバするユーザ装置4の受信品質は、ハンドオーバ発生時刻から1、2及び3分が経過したとき、それぞれ指標値「5」、「6」及び「7」が示す品質となることが予定される。また、セル6−1から時速80kmでハンドオーバするユーザ装置4の受信品質は、ハンドオーバ発生時刻から1、2及び3分が経過したとき、それぞれ指標値「7」、「9」及び「10」が示す品質となることが予定される。
【0079】
ユーザ装置制御部52は、ハンドオーバ元の基地局装置2とハンドオーバ発生時刻から判定した速度と、ハンドオーバ発生時刻からの経過時間に応じて、これらの情報に各々対応付けて記憶された受信品質の値をルート情報から読み出す。ユーザ装置4の速度はハンドオーバ発生時刻から一意に定まるので、ユーザ装置制御部52は、ハンドオーバ元の基地局装置2とハンドオーバ発生時刻とハンドオーバ発生時刻からの経過時間に応じて受信品質の値を読み出してもよい。ユーザ装置制御部52は、読み出した受信品質の値を、ユーザ装置4の受信品質と推定する。
【0080】
また、図14に示す品質情報を使用する代わりに、固定ルート7上の各位置毎の受信品質を記憶部54に格納しておき、ユーザ装置4について推定した現在位置に応じて受信品質を推定してもよい。
【0081】
ユーザ装置制御部52は、推定した受信品質に応じてユーザ装置4の動作を制御する制御情報を生成してよい。送信部53は、推定した受信品質に応じて生成された制御情報をユーザ装置4へ送信してよい。
【0082】
図15は、ユーザ装置4の受信品質を推定するユーザ装置制御処理の説明図である。なお、他の実施例においては、下記のオペレーションBA〜BIの各オペレーションはステップであってもよい。図15のオペレーションBA〜BFは、図13を参照して説明した処理のオペレーションBA〜BFと同様である。
【0083】
オペレーションBFの後、処理はオペレーションBIへ進む。オペレーションBIにおいてユーザ装置制御部52は、ハンドオーバ元の基地局装置2とハンドオーバ発生時刻から判定した速度と、ハンドオーバ発生時刻からの経過時間に応じて、ユーザ装置4の受信品質を推定する。その後処理はオペレーションBHへ進む。
【0084】
オペレーションBHにおいてユーザ装置制御部52は、推定した受信品質に応じてユーザ装置4の動作を制御する制御情報を生成する。送信部53は、推定した受信品質に応じて生成された制御情報をユーザ装置4へ送信する。
【0085】
本実施例によれば、基地局装置2は、セル6内のユーザ装置4の受信品質を推定することが可能となる。このため基地局装置2は、ユーザ装置4の受信品質に応じてユーザ装置4の動作を制御することが可能となる。
【0086】
続いて基地局装置2の他の実施例を説明する。各セル6内に含まれる固定ルート7の部分長は固定値であることから、ユーザ装置4の移動速度4が判定できることによって、各速度のユーザ装置4が基地局装置2に連続して接続される時間を予測することができる。
【0087】
したがってユーザ装置4と基地局装置2との実際の連続接続時間と予測される連続接続時間とを比較することによって、ユーザ装置4は本当に固定ルート上を移動しているか否かを判定することができる。又は、実際の連続接続時間と予測される連続接続時間とを比較することによって、ユーザ装置4が予定した速度で移動しているか否かを判定することができる。
【0088】
本実施例では、記憶部54に格納されたルート情報は、ハンドオーバ元の基地局装置2のそれぞれについて、固定ルート7上を各移動速度で移動するユーザ装置4が基地局装置2に連続して接続することが予定される平均接続時間を規定する接続時間情報を含む。ここに平均接続時間とは、固定ルート7上を移動するユーザ装置4が基地局装置2へ連続して接続された接続時間の平均を示す。なお、本実施例の構成要素を後続の他の実施例と組み合わせてもよい。
【0089】
図16は、接続時間情報を含むルート情報の説明図である。図16の例は、図12と同様に図2に示すセル配置の場合に基地局装置2−2において記憶されるルート情報の例を示す。ルート情報は、ハンドオーバ元の基地局装置とユーザ装置4の移動方向とを対応付けた移動方向情報を有する。ルート情報は、ハンドオーバ元の基地局装置毎にハンドオーバ発生時刻とユーザ装置4の速度とを対応付けた速度情報を有する。また、ルート情報は、ハンドオーバ元の基地局装置2のそれぞれについて、固定ルート7上を各移動速度で移動するユーザ装置4が基地局装置2に連続して接続することが予定される平均接続時間を規定する接続時間情報を有する。
【0090】
例えば、基地局2−1が形成するセル6−1から時速120kmでハンドオーバするユーザ装置4の平均接続時間は5分である。また、セル6−1から時速80kmでハンドオーバするユーザ装置4の平均接続時間は、7分30秒である。
【0091】
ユーザ装置制御部52は、ハンドオーバ元の基地局装置2とハンドオーバ発生時刻から判定した速度に応じて、ハンドオーバ元の基地局装置2と速度に対応付けて記憶された平均接続時間の値をルート情報から読み出す。ユーザ装置4の速度はハンドオーバ発生時刻から一意に定まるので、ユーザ装置制御部52は、ハンドオーバ元の基地局装置2とハンドオーバ発生時刻とハンドオーバ発生時刻からの経過時間に応じて平均接続時間の値を読み出してもよい。ユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4の実際の連続接続時間が、平均接続時間を超えているか否かを判定する。この代わりにユーザ装置制御部52は、平均接続時間に所定マージンを加えた値を超えているか否かを判定してもよい。
【0092】
実際の連続接続時間が平均接続時間を超える場合、ユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4がもはや固定ルート7から外れたか、ユーザ装置4が予定した速度で移動しないと判断する。このときユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4の状態を第1状態へ遷移させる状態変更信号を送信部53へ送信させる。
【0093】
図17は、接続時間情報を利用する場合の通信システム1内の処理の説明図である。なお他の実施例においては、下記のオペレーションAA〜AE、CA及びCBの各オペレーションはステップであってもよい。図15のオペレーションAA〜ADは、図7を参照して説明した処理のオペレーションAA〜ADと同様である。
【0094】
オペレーションAEにおいて基地局装置2−2のユーザ装置制御部52は、以下に説明するユーザ装置制御処理を実施する。
【0095】
図18は、接続時間情報を利用する場合のユーザ装置制御処理の説明図である。なお他の実施例においては、下記のオペレーションBA〜BF、BJ及びBKの各オペレーションはステップであってもよい。図18のオペレーションBA〜BFは、図13を参照して説明した処理のオペレーションBA〜BFと同様である。
【0096】
オペレーションBFの後、処理はオペレーションBJへ進む。オペレーションBJにおいてユーザ装置制御部52は、ハンドオーバ元の基地局装置2と速度とに応じて、ユーザ装置4が基地局装置2へ連続して接続された平均接続時間を決定する。ユーザ装置制御部52は、平均接続時間とユーザ装置4の実際の連続接続時間とを比較する。
【0097】
実際の連続接続時間が平均接続時間を超える場合(オペレーションBJ:Y)、処理はオペレーションBKへ進む。実際の連続接続時間が平均接続時間を超えない場合(オペレーションBJ:N)、ユーザ装置制御処理は終了する。
【0098】
オペレーションBKにおいてユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4の状態を第1状態へ遷移させる状態変更信号を送信部53へ送信させる。
【0099】
図17を参照する。オペレーションBKによって送信された状態変更信号は、オペレーションCAにおいてユーザ装置4の受信部34によって受信される。状態変更信号が受信された場合、オペレーションCBにおいてユーザ装置4の制御部31は、ユーザ装置4の状態について記憶している状態情報の値を第2状態から第1状態へ遷移させる。
【0100】
なお、オペレーションBJにおいて、実際の連続接続時間が平均接続時間を超えない場合には、図7に示す処理と同様に、オペレーションAEのユーザ装置制御処理の後にユーザ装置4がセル6−3へハンドオーバしてよい。
【0101】
本実施例によれば、一度固定ルート7上を移動していると判定されたユーザ装置4が固定ルート7から外れたか否かを判定することが可能となる。また、例えばユーザ装置4のユーザが乗車する公共交通機関の運行が乱れ、もはや現在位置や受信品質の予測ができないことを検出することが可能となる。したがって本実施例によれば、例えば基地局装置2が、ユーザ装置4のユーザが固定ルート7上を移動しているという誤った前提に基づいてユーザ装置4を制御したり、サービスを提供することを防止できる。
【0102】
次に、基地局装置2によって推定されたユーザ装置4の現在位置に応じて、推定された現在位置にいるユーザ向けのサービスのために提供されるデータを送信する通信システムの構成について説明する。
【0103】
図19は、通信システム1の第2例の構成図である。通信システム1は、図1を参照して説明した通信システム1の構成要素と同様の構成要素を有しており、図1に示す構成要素と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、同一の機能については説明を省略する。
【0104】
通信システム1は、通信ネットワーク3に接続された情報提供サービスサーバ8を備える。情報提供サービスサーバ8は、基地局装置2からの要求に応答して、ユーザ装置4のユーザ向けのサービスのために提供されるデータを、基地局装置2へ提供する。なお、本実施例の構成要素を後続の他の実施例と組み合わせてもよい。
【0105】
図20は、図19の通信システム1において使用される基地局装置2の機能ブロック図である。基地局装置2は、先行して説明した他の実施例の構成要素と同様の構成要素を有しており、他の実施例の構成要素と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、同一の機能については説明を省略する。なお、本実施例の構成要素を後続の他の実施例と組み合わせてもよい。
【0106】
基地局装置2は、サービス取得部55を備える。上記説明したようにユーザ装置制御部52は、ユーザ装置4の現在位置を推定する。サービス取得部55は、ユーザ装置制御部52により推定された現在位置にいるユーザ装置4向けに提供されるサービスの送信を、情報提供サービスサーバ8に要求する。
【0107】
情報提供サービスサーバ8は、サービス取得部55からの要求に応じて、推定された現在位置のユーザ装置4に提供される予め登録されたサービスのためのデータを、サービス取得部55へ送信する。サービス取得部55は、情報提供サービスサーバ8から受信したデータを、送信部53を介してユーザ装置4へ送信する。
【0108】
図21は、情報提供サービスサーバ8を有する通信システム1内の処理の第3例の説明図である。なお他の実施例においては、下記のオペレーションAA〜AE及びDA〜DCの各オペレーションはステップであってもよい。図21のオペレーションAA〜AEは、図7を参照して説明した処理のオペレーションAA〜AEと同様である。また、オペレーションAEにおいてユーザ装置制御部52は、先行する他の実施例と同様にユーザ装置4の現在位置を推定する。
【0109】
オペレーションDAにおいてサービス取得部55は、推定された現在位置にいるユーザ装置4向けのサービスの送信を情報提供サービスサーバ8に問い合わせる。オペレーションDBにおいて情報提供サービスサーバ8は、推定された現在位置についてユーザ装置4向けに提供するサービスのためのデータを、サービス取得部55へ送信する。オペレーションDCにおいてサービス取得部55は、情報提供サービスサーバ8から受信したデータをユーザ装置4へ送信する。
【0110】
本実施例によれば、基地局装置2はユーザ装置4について推定した現在位置に応じたサービスを提供することが可能となる。
【0111】
次に、ルート情報に格納された速度情報、品質情報及び接続時間情報の決定方法の例について説明する。図22は、基地局装置2の第4例の機能ブロック図である。基地局装置2は、先行して説明した他の実施例の構成要素と同様の構成要素を有しており、他の実施例の構成要素と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、同一の機能については説明を省略する。なお、本実施例の構成要素を後続の他の実施例と組み合わせてもよい。
【0112】
基地局装置2は、速度測定部56と、接続時間測定部57と、ルート情報作成部58を備える。なお、接続時間情報を作成しない実施例においては接続時間測定部57を省略してもよい。ルート情報作成部58は、特許請求の範囲に記載の速度情報生成部、品質情報生成部及び接続時間情報生成部の一例として挙げられる。
【0113】
速度測定部56は、第2状態にあるユーザ装置4からの上りリンク信号のドップラー周波数測定を行うことによりユーザ装置4の速度を測定する。
【0114】
固定ルート7が、例えば鉄道の場合のような公共交通機関である場合には、電車は毎日決まった時刻及び決まった速度で運行されているため、毎日ハンドオーバが発生する時刻及び速度は規則的であると考えられる。
【0115】
ルート情報作成部58は、複数の異なる日の同じ時刻にハンドオーバしたユーザ装置4の速度の測定値を平均化する統計処理を行うことにより、各時刻にハンドオーバするユーザ装置4の移動速度を推定する。ルート情報作成部58は、ハンドオーバ元の基地局装置毎に、各ハンドオーバ発生時刻におけるそれぞれのユーザ装置4の速度を推定することにより速度情報を作成する。
【0116】
実際上は、異なる日の同時刻に発生することが期待されるハンドオーバの発生時刻が、運行ダイヤの乱れによって変動することも考えられる。このためルート情報作成部58は、ハンドオーバの発生時刻の頻度分布を作成し、発生頻度が最も高い時刻を中心とする所定期間内に発生したハンドオーバを同時刻に発生したハンドオーバとみなして、速度の測定値を平均化してもよい。
【0117】
接続時間測定部57は、第2状態にあるユーザ装置4がセル6にハンドオーバしてから他のセルへハンドオーバするまでの間に、ユーザ装置4が基地局装置2へ接続されている時間を測定する。ルート情報作成部58は、各移動速度のユーザ装置4について、それぞれ複数回測定された接続時間を平均化する統計処理を行うことにより、各移動速度毎の接続時間を推定する。ルート情報作成部58は、ハンドオーバ元の基地局装置毎に、各移動速度毎の接続時間を推定することにより接続時間情報を作成する。
【0118】
受信部51は、各移動速度のユーザ装置4から、ハンドオーバ発生時から各経過時間が経過した各時刻に測定された受信品質の報告をそれぞれ受信する。ルート情報作成部58は、移動速度毎及び経過時間毎にそれぞれ複数回報告された受信品質を平均化する統計処理を行うことにより、各移動速度のユーザ装置4の受信品質をハンドオーバからの各経過時間毎に推定する。ルート情報作成部58は、ハンドオーバ元の基地局装置毎に受信品質を推定することにより品質情報を作成する。
【0119】
図23は、通信システム1内の処理の第4例の説明図である。なお他の実施例においては、下記のオペレーションAA〜AD及びEA〜EGの各オペレーションはステップであってもよい。図21のオペレーションAA〜ADは、図7を参照して説明した処理のオペレーションAA〜ADと同様である。
【0120】
オペレーションEAにおいて接続時間測定部57は、基地局装置2−2が形成するセル6−2へユーザ装置がハンドオーバした時刻を記録する。オペレーションEBにおいてルート情報作成部58は、ユーザ装置4のハンドオーバ元の基地局装置2−1を記録する。
【0121】
オペレーションECにおいて速度測定部56は、ユーザ装置4の速度を測定する。オペレーションEDにおいて受信部51は、接続中のユーザ装置4から順次送信される受信品質情報を受信する。
【0122】
その後ユーザ装置4がセル6−2とセル6−3の境界に近づくことにより、ユーザ装置4のセル6−3へのハンドオーバが開始される。オペレーションEEにおいて接続時間測定部57は、ユーザ装置4のハンドオーバ時刻を判定し、ユーザ装置4が基地局装置2へ接続されていた時間を測定する。オペレーションEFにおいて基地局装置2−2及び2−3間のハンドオーバ処理が行われる。
【0123】
オペレーションEGにおいてルート情報作成部58は、ハンドオーバ元の基地局装置2−1の識別子、ハンドオーバ開始時刻、速度測定値、接続時間の測定値、ユーザ装置4から報告された受信品質に基づいて、速度情報、接続時間情報、品質情報を作成する。ルート情報作成部58は、作成したこれらの情報により記憶部54に記憶されたルート情報を更新する。
【0124】
本実施例によれば、実際にハンドオーバが生じた時刻と、ユーザ装置4の移動速度の測定値、受信品質の測定値に基づいて速度情報、接続時間情報、品質情報を作成することができる。このため、通信システム1の運用者が、人手により速度情報、接続時間情報、品質情報を作成する労力が省かれる。また例えば、固定ルート7上を運行する交通機関のダイヤが変更になった場合にも、自動的に速度情報、接続時間情報、品質情報を作成することができる。
【0125】
次に、固定ルート7が複数存在する場合の処理について説明する。図24は、固定ルートとセルの位置関係の第2例の説明図である。図24に示す固定ルートの配置例は、図2に示した固定ルート7に対応する固定ルート7−1に加えて、セル6−2を通過する他の固定ルート7−2を有する。図24に示すように、固定ルート7−2は、セル6−4、6−2及び6−5を通過する。セル6−4及び6−5は、セル6−2の隣接セルであり、それぞれ基地局装置2−4及び2−5により形成される。なお、以下の説明において固定ルート7−1及び7−2を総称して「固定ルート7」と表記することがある。
【0126】
図25は、固定ルート7が複数存在する場合のルート情報の説明図である。ルート情報は、各固定ルート7毎に、固定ルート7上を移動し、且つ基地局装置2が形成するセル6へハンドオーバするユーザ装置4のハンドオーバ元の基地局装置を指定する情報を含む。またルート情報は、各固定ルート7毎に、移動方向情報、速度情報、接続時間情報及び/又は品質情報を含んでいてよい。
【0127】
図25の例は、図24に示すセル配置の場合に基地局装置2−2において記憶されるルート情報の例を示す。ルート情報には、固定ルート7−1が通過する隣接セル6−1及び6−3をそれぞれ形成する基地局装置2−1及び2−3の識別子が記憶される。また、ルート情報には、固定ルート7−2が通過する隣接セル6−4及び6−5をそれぞれ形成する基地局装置2−4及び2−5の識別子が記憶される。ルート情報には、各固定ルート7の各基地局装置2−1、2−3〜2−5毎に、速度情報が含まれている。
【0128】
ユーザ装置制御部52は、上記の処理を各固定ルート7毎に行い、ユーザ装置4の移動速度、現在位置及び/又は受信品質を推定してよい。またユーザ装置制御部52は、上記の処理を各固定ルート7毎に行い、ユーザ装置4の平均接続時間を特定してよい。
【0129】
次に、他の通信システム1の実施例について説明する。上述の通信システム1の実施例では、ユーザ装置4の状態情報、すなわちユーザ装置4が第1状態及び第2状態のいずれにあるかをユーザ装置4が記憶した。しかし、ユーザ装置4の状態情報は、通信システム1に含まれる構成要素のいずれかに記憶されていれば足りる。例えば、いずれかの基地局装置2がユーザ装置4の状態情報を記憶してもよく、通信ネットワーク3のネットワーク構成要素のいずれかがユーザ装置4の状態情報を記憶してもよい。
【0130】
以下の通信ネットワーク3のネットワーク構成要素である、ユーザ装置状態記録サーバがユーザ装置4の状態情報を記憶する場合における通信システムの例について説明する。
【0131】
図26は、通信システム1の第3例の構成図である。通信システム1は、図1を参照して説明した通信システム1の構成要素と同様の構成要素を有しており、図1に示す構成要素と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、同一の機能については説明を省略する。
【0132】
通信システム1は、通信ネットワーク3に接続されたユーザ装置状態記録サーバ9を備える。ユーザ装置状態記録サーバ9は、通信システム1のユーザ装置4の状態情報を記憶する。またはユーザ装置状態記録サーバ9は、第2状態にあるユーザ装置4を記憶する。
【0133】
ユーザ装置4がマーカ装置5の傍を通過するとき、ユーザ装置4の通信部30はユーザ装置4の識別子(ID)をマーカ装置5に送信する。マーカ装置5は受信した識別子のユーザ装置の状態情報の変更を要求する状態変更要求信号を、通信ネットワーク3を経由してユーザ装置状態記録サーバ9へ送信する。
【0134】
ユーザ装置状態記録サーバ9は、状態変更が要求されるユーザ装置4について記憶している状態情報の値が第1状態であるときは、この値を第2状態へ遷移させる。ユーザ装置4について記憶している状態情報の値が第2状態であるときは、この値を第1状態へ遷移させる。
【0135】
またはユーザ装置状態記録サーバ9は、ユーザ装置4を記憶しているか否かによって、ユーザ装置4が第2状態か第1状態かを記憶してもよい。この場合、ユーザ装置状態記録サーバ9は、状態変更が要求されるユーザ装置4を記憶していない場合はこのユーザ装置4を記憶する。ユーザ装置状態記録サーバ9は、状態変更が要求されるユーザ装置4を記憶している場合は、このユーザ装置4の記憶を削除する。
【0136】
あるユーザ装置4について基地局装置2から状態情報の問い合わせがあった場合、ユーザ装置状態記録サーバ9は、ユーザ装置4の状態情報を基地局装置2へ通知する。
【0137】
図27は、図26の通信システム1において使用される基地局装置の機能ブロック図である。基地局装置2は、先行して説明した他の実施例の構成要素と同様の構成要素を有しており、他の実施例の構成要素と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、同一の機能については説明を省略する。
【0138】
基地局装置2は、状態取得部55を備える。状態取得部55はユーザ装置4のハンドオーバが発生した場合には、このユーザ装置4の状態情報をユーザ装置状態記録サーバ9に問い合わせる。状態取得部55がユーザ装置状態記録サーバ9から状態情報を取得した後、ユーザ装置制御部52は上記と他の実施例と同様の処理を行う。
【0139】
図28は、ユーザ装置状態記録サーバ9を備える通信システム1内の処理の説明図である。以下の説明における基地局装置2、マーカ装置5、セル6及び固定ルート7の配置は、図2に示す配置と同様である。なお他の実施例においては、下記のオペレーションFA〜FIの各オペレーションはステップであってもよい。
【0140】
ユーザ装置4は、セル6−1内に位置しており、基地局装置2−1と接続中である。またユーザ装置4は第1状態にある。オペレーションFAにおいてユーザ装置4がマーカ装置5−1の傍を通過するとき、ユーザ装置4の通信部30はユーザ装置4の識別子(ID)をマーカ装置5−1に送信する。オペレーションFBにおいてマーカ装置5−1は、状態変更要求信号をユーザ装置状態記録サーバ9へ送信する。ユーザ装置状態記録サーバ9は、ユーザ装置4の状態についての記憶を第1状態から第2状態へ遷移させる。
【0141】
その後、ユーザ装置4はセル6−2内へ移動する。オペレーションFCにおいてユーザ装置4のハンドオーバ処理部32及び基地局装置2−2のハンドオーバ処理部50は、セル6−1からセル6−2へユーザ装置4がハンドオーバするための処理を実施する。オペレーションFDにおいて基地局装置2の状態取得部55は、ユーザ装置4の状態情報をユーザ装置状態記録サーバ9に問い合わせる。
【0142】
オペレーションFEにおいてユーザ装置状態記録サーバ9は、ユーザ装置4の状態情報を状態取得部55へ通知する。オペレーションFFにおいてユーザ装置制御部52は、ユーザ装置制御処理を実施する。ユーザ装置制御処理FFは、上述した他の実施例のユーザ装置制御処理AEと同様であってよい。
【0143】
オペレーションFGにおいてユーザ装置4がマーカ装置5−1の傍を通過するとき、ユーザ装置4の通信部30はユーザ装置4の識別子(ID)をマーカ装置5−1に送信する。オペレーションFHにおいてマーカ装置5−1は、状態変更要求信号をユーザ装置状態記録サーバ9へ送信する。ユーザ装置状態記録サーバ9は、ユーザ装置4の状態についての記憶を第2状態から第1状態へ遷移させる。
【0144】
本実施例によれば、ユーザ装置4の状態情報をユーザ装置4以外の他の構成要素で管理することが可能となる。このため本実施例によれば、本明細書に記載されるシステム及び方法を実行する際のユーザ装置4側の改変を低減することができる。また、ユーザ装置4は、状態情報を基地局装置2へ送信しないので、無線リソースの使用を節約することが可能となる。
【0145】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0146】
(付記1)
基地局装置であって、
移動局装置が固定ルート上の場所を通過したか否かを示す状態情報を受信する受信部と、
前記基地局装置により形成されるセルへハンドオーバする前記移動局装置に関して受信される前記状態情報が、前記固定ルート上の場所を前記移動局装置が通過したことを示す場合に、前記移動局装置が前記固定ルート上を移動中であると判定する判定部と、
を備える基地局装置。
(付記2)
前記固定ルートが通過する隣接セルを形成する基地局装置を指定するルート情報が格納される記憶部を備え、
前記判定部は、更に、前記セルへハンドオーバする前記移動局装置のハンドオーバ元の基地局装置が前記ルート情報において指定される場合に、前記移動局装置が前記固定ルート上を移動中であると判定することを特徴とする付記1に記載の基地局装置。
(付記3)
ハンドオーバの予定発生時刻と各予定発生時刻でハンドオーバする移動局装置の予定速度とを対応付けた速度情報を格納する記憶部を備え、
前記判定部は、ハンドオーバ発生時刻に応じて、前記速度情報に基づき前記移動局装置の移動速度を推定することを特徴とする付記1に記載の基地局装置。
(付記4)
前記判定部は、ハンドオーバ発生時刻からの経過時間と推定された前記移動速度に基づいて前記移動局装置の現在位置を推定することを特徴とする付記3に記載の基地局装置。
(付記5)
推定された前記現在位置に応じて前記移動局装置の動作を制御する制御情報を生成する制御情報生成部と、
前記制御情報を前記移動局装置へ送信する送信部と、
を備える付記4に記載の基地局装置。
(付記6)
推定された前記現在位置に位置する前記移動局装置へ提供するサービスのためのデータを前記移動局装置へ送信する送信部を備える付記4に記載の基地局装置。
(付記7)
前記記憶部には、前記固定ルート上を各移動速度で移動する移動局装置において予定される受信品質をハンドオーバ発生時刻からの経過時間毎に規定する品質情報が格納され、
前記判定部は、前記品質情報に基づき、推定された前記移動速度又はハンドオーバ発生時刻と、ハンドオーバ発生時刻からの経過時間とに応じて、前記移動局装置と基地局装置との間の通信の受信品質を推定することを特徴とする付記3に記載の基地局装置。
(付記8)
推定された前記受信品質に応じて前記移動局装置の動作を制御する制御情報を生成する制御情報生成部と、
前記制御情報を前記移動局装置へ送信する送信部を備える付記7に記載の基地局装置。
(付記9)
前記記憶部には、前記固定ルート上を各移動速度で移動する移動局装置が前記基地局装置に連続して接続することが予定される接続時間を規定する接続時間情報が格納され、
前記判定部は、推定された前記移動速度又はハンドオーバ発生時刻に応じて前記接続時間情報に基づいて規定される接続時間を前記移動局装置の実際の接続時間が超える場合に、前記移動局装置が前記固定ルートから外れていると判定することを特徴とする付記3に記載の基地局装置。
(付記10)
前記移動局装置の移動速度を測定する速度測定部と、
複数日の同じ時刻にハンドオーバした移動局装置の速度の測定値に基づいて各時刻にハンドオーバする移動局装置の移動速度を推定し、前記速度情報を生成する速度情報生成部と、
を備える付記3に記載の基地局装置。
(付記11)
前記速度情報生成部は、複数日の同じ時刻にハンドオーバした移動局装置の速度の測定値を平均化することにより前記移動速度の推定を行う、付記10に記載の基地局装置。
(付記12)
前記移動局装置の移動速度を測定する速度測定部と、
各移動速度の移動局装置において逐次測定された受信品質に基づいて、各移動速度の移動局装置についてハンドオーバ発生時刻からの経過時間毎の受信品質を推定することにより、前記品質情報を生成する品質情報生成部と、
を備える付記7に記載の基地局装置。
(付記13)
前記品質情報生成部は、各移動速度毎及びハンドオーバ発生時刻からの経過時間毎に複数回測定された受信品質を平均化することにより、前記受信品質の推定を行う付記12に記載の基地局装置。
(付記14)
前記移動局装置の移動速度を測定する速度測定部と、
前記固定ルート上を移動する移動局装置が前記基地局装置に連続して接続する接続時間を測定する接続時間測定部と、
各移動速度の移動局装置について測定された接続時間に基づいて各移動速度毎の接続時間を推定し、前記接続時間情報を生成する接続時間情報生成部と、
を備える付記9に記載の基地局装置。
(付記15)
前記接続時間情報生成部は、各移動速度毎に、複数回測定された接続時間を平均化することにより、前記接続時間の推定を行う付記14に記載の基地局装置。
(付記16)
固定ルート上の場所に設置されたマーカ装置から送信された制御情報を受信する通信部と、
前記制御情報を受信することにより状態情報の値を遷移させる制御部と、
ハンドオーバ時に、ハンドオーバ先の基地局装置へ前記状態情報を送信する送信部と、
を備える移動局装置。
(付記17)
基地局装置と移動局装置を有する通信システムであって、
前記基地局装置は、
前記移動局装置が固定ルート上の場所を通過したか否かを示す状態情報を受信する受信部と、
前記基地局装置により形成されるセルへハンドオーバする前記移動局装置に関して受信される前記状態情報が、前記固定ルート上の場所を前記移動局装置が通過したことを示す場合に、前記移動局装置が前記固定ルート上を移動中であると判定する判定部と、
を備える通信システム。
(付記18)
基地局装置と移動局装置を有する通信システムであって、
前記移動局装置は、
前記固定ルート上の場所に設置されたマーカ装置から送信された制御情報を受信する通信部と、
前記制御情報を受信することにより状態情報の値を遷移させる制御部と、
ハンドオーバ時に、ハンドオーバ先の基地局装置へ前記状態情報を送信する送信部と、
を備える通信システム。
(付記19)
移動局装置が固定ルート上の場所を通過したか否かを示す状態情報を基地局装置にて受信し、
前記基地局装置により形成されるセルへハンドオーバする前記移動局装置に関して受信した前記状態情報が、前記固定ルート上の場所を前記移動局装置が通過したことを示す場合に、前記移動局装置が前記固定ルート上を移動中であると判定する、
ことを特徴とする通信方法。
(付記20)
固定ルート上の場所に設置されたマーカ装置から送信された制御情報を、移動局装置にて受信し、
前記制御情報を受信することにより状態情報の値を遷移させ、
ハンドオーバ時に、ハンドオーバ先の基地局装置へ前記状態情報を送信する、
ことを特徴とする通信方法。
【符号の説明】
【0147】
1 通信システム
2、2−1、2−2 基地局装置
3 通信ネットワーク
4 ユーザ装置
5、5−1、5−2 マーカ装置
6、6−1、6−2 セル
7、7−1、7−2 固定ルート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置であって、
移動局装置が固定ルート上の場所を通過したか否かを示す状態情報を受信する受信部と、
前記基地局装置により形成されるセルへハンドオーバする前記移動局装置に関して受信される前記状態情報が、前記固定ルート上の場所を前記移動局装置が通過したことを示す場合に、前記移動局装置が前記固定ルート上を移動中であると判定する判定部と、
を備える基地局装置。
【請求項2】
ハンドオーバの予定発生時刻と各予定発生時刻でハンドオーバする移動局装置の予定速度とを対応付けた速度情報を格納する記憶部を備え、
前記判定部は、ハンドオーバ発生時刻に応じて、前記速度情報に基づき前記移動局装置の移動速度を推定することを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
前記判定部は、ハンドオーバ発生時刻からの経過時間と推定された前記移動速度に基づいて前記移動局装置の現在位置を推定することを特徴とする請求項2に記載の基地局装置。
【請求項4】
推定された前記現在位置に応じて前記移動局装置の動作を制御する制御情報を生成する制御情報生成部と、
前記制御情報を前記移動局装置へ送信する送信部と、
を備える請求項3に記載の基地局装置。
【請求項5】
推定された前記現在位置に位置する前記移動局装置へ提供するサービスのためのデータを前記移動局装置へ送信する送信部を備える請求項3に記載の基地局装置。
【請求項6】
前記記憶部には、前記固定ルート上を各移動速度で移動する移動局装置において予定される受信品質をハンドオーバ発生時刻からの経過時間毎に規定する品質情報が格納され、
前記判定部は、前記品質情報に基づき、推定された前記移動速度又はハンドオーバ発生時刻と、ハンドオーバ発生時刻からの経過時間とに応じて、前記移動局装置と基地局装置との間の通信の受信品質を推定することを特徴とする請求項2に記載の基地局装置。
【請求項7】
推定された前記受信品質に応じて前記移動局装置の動作を制御する制御情報を生成する制御情報生成部と、
前記制御情報を前記移動局装置へ送信する送信部を備える請求項6に記載の基地局装置。
【請求項8】
前記記憶部には、前記固定ルート上を各移動速度で移動する移動局装置が前記基地局装置に連続して接続することが予定される接続時間を規定する接続時間情報が格納され、
前記判定部は、推定された前記移動速度又はハンドオーバ発生時刻に応じて前記接続時間情報に基づいて規定される接続時間を前記移動局装置の実際の接続時間が超える場合に、前記移動局装置が前記固定ルートから外れていると判定することを特徴とする請求項2に記載の基地局装置。
【請求項9】
前記移動局装置の移動速度を測定する速度測定部と、
複数日の同じ時刻にハンドオーバした移動局装置の速度の測定値に基づいて各時刻にハンドオーバする移動局装置の移動速度を推定し、前記速度情報を生成する速度情報生成部と、
を備える請求項2に記載の基地局装置。
【請求項10】
前記移動局装置の移動速度を測定する速度測定部と、
各移動速度の移動局装置において逐次測定された受信品質に基づいて、各移動速度の移動局装置についてハンドオーバ発生時刻からの経過時間毎の受信品質を推定することにより、前記品質情報を生成する品質情報生成部と、
を備える請求項6に記載の基地局装置。
【請求項11】
前記移動局装置の移動速度を測定する速度測定部と、
前記固定ルート上を移動する移動局装置が前記基地局装置に連続して接続する接続時間を測定する接続時間測定部と、
各移動速度の移動局装置について測定された接続時間に基づいて各移動速度毎の接続時間を推定し、前記接続時間情報を生成する接続時間情報生成部と、
を備える請求項8に記載の基地局装置。
【請求項12】
固定ルート上の場所に設置されたマーカ装置から送信された制御情報を受信する通信部と、
前記制御情報を受信することにより状態情報の値を遷移させる制御部と、
ハンドオーバ時に、ハンドオーバ先の基地局装置へ前記状態情報を送信する送信部と、
を備える移動局装置。
【請求項13】
基地局装置と移動局装置を有する通信システムであって、
前記基地局装置は、
前記移動局装置が固定ルート上の場所を通過したか否かを示す状態情報を受信する受信部と、
前記基地局装置により形成されるセルへハンドオーバする前記移動局装置に関して受信される前記状態情報が、前記固定ルート上の場所を前記移動局装置が通過したことを示す場合に、前記移動局装置が前記固定ルート上を移動中であると判定する判定部と、
を備える通信システム。
【請求項14】
移動局装置が固定ルート上の場所を通過したか否かを示す状態情報を基地局装置にて受信し、
前記基地局装置により形成されるセルへハンドオーバする前記移動局装置に関して受信した前記状態情報が、前記固定ルート上の場所を前記移動局装置が通過したことを示す場合に、前記移動局装置が前記固定ルート上を移動中であると判定する、
ことを特徴とする通信方法。
【請求項1】
基地局装置であって、
移動局装置が固定ルート上の場所を通過したか否かを示す状態情報を受信する受信部と、
前記基地局装置により形成されるセルへハンドオーバする前記移動局装置に関して受信される前記状態情報が、前記固定ルート上の場所を前記移動局装置が通過したことを示す場合に、前記移動局装置が前記固定ルート上を移動中であると判定する判定部と、
を備える基地局装置。
【請求項2】
ハンドオーバの予定発生時刻と各予定発生時刻でハンドオーバする移動局装置の予定速度とを対応付けた速度情報を格納する記憶部を備え、
前記判定部は、ハンドオーバ発生時刻に応じて、前記速度情報に基づき前記移動局装置の移動速度を推定することを特徴とする請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
前記判定部は、ハンドオーバ発生時刻からの経過時間と推定された前記移動速度に基づいて前記移動局装置の現在位置を推定することを特徴とする請求項2に記載の基地局装置。
【請求項4】
推定された前記現在位置に応じて前記移動局装置の動作を制御する制御情報を生成する制御情報生成部と、
前記制御情報を前記移動局装置へ送信する送信部と、
を備える請求項3に記載の基地局装置。
【請求項5】
推定された前記現在位置に位置する前記移動局装置へ提供するサービスのためのデータを前記移動局装置へ送信する送信部を備える請求項3に記載の基地局装置。
【請求項6】
前記記憶部には、前記固定ルート上を各移動速度で移動する移動局装置において予定される受信品質をハンドオーバ発生時刻からの経過時間毎に規定する品質情報が格納され、
前記判定部は、前記品質情報に基づき、推定された前記移動速度又はハンドオーバ発生時刻と、ハンドオーバ発生時刻からの経過時間とに応じて、前記移動局装置と基地局装置との間の通信の受信品質を推定することを特徴とする請求項2に記載の基地局装置。
【請求項7】
推定された前記受信品質に応じて前記移動局装置の動作を制御する制御情報を生成する制御情報生成部と、
前記制御情報を前記移動局装置へ送信する送信部を備える請求項6に記載の基地局装置。
【請求項8】
前記記憶部には、前記固定ルート上を各移動速度で移動する移動局装置が前記基地局装置に連続して接続することが予定される接続時間を規定する接続時間情報が格納され、
前記判定部は、推定された前記移動速度又はハンドオーバ発生時刻に応じて前記接続時間情報に基づいて規定される接続時間を前記移動局装置の実際の接続時間が超える場合に、前記移動局装置が前記固定ルートから外れていると判定することを特徴とする請求項2に記載の基地局装置。
【請求項9】
前記移動局装置の移動速度を測定する速度測定部と、
複数日の同じ時刻にハンドオーバした移動局装置の速度の測定値に基づいて各時刻にハンドオーバする移動局装置の移動速度を推定し、前記速度情報を生成する速度情報生成部と、
を備える請求項2に記載の基地局装置。
【請求項10】
前記移動局装置の移動速度を測定する速度測定部と、
各移動速度の移動局装置において逐次測定された受信品質に基づいて、各移動速度の移動局装置についてハンドオーバ発生時刻からの経過時間毎の受信品質を推定することにより、前記品質情報を生成する品質情報生成部と、
を備える請求項6に記載の基地局装置。
【請求項11】
前記移動局装置の移動速度を測定する速度測定部と、
前記固定ルート上を移動する移動局装置が前記基地局装置に連続して接続する接続時間を測定する接続時間測定部と、
各移動速度の移動局装置について測定された接続時間に基づいて各移動速度毎の接続時間を推定し、前記接続時間情報を生成する接続時間情報生成部と、
を備える請求項8に記載の基地局装置。
【請求項12】
固定ルート上の場所に設置されたマーカ装置から送信された制御情報を受信する通信部と、
前記制御情報を受信することにより状態情報の値を遷移させる制御部と、
ハンドオーバ時に、ハンドオーバ先の基地局装置へ前記状態情報を送信する送信部と、
を備える移動局装置。
【請求項13】
基地局装置と移動局装置を有する通信システムであって、
前記基地局装置は、
前記移動局装置が固定ルート上の場所を通過したか否かを示す状態情報を受信する受信部と、
前記基地局装置により形成されるセルへハンドオーバする前記移動局装置に関して受信される前記状態情報が、前記固定ルート上の場所を前記移動局装置が通過したことを示す場合に、前記移動局装置が前記固定ルート上を移動中であると判定する判定部と、
を備える通信システム。
【請求項14】
移動局装置が固定ルート上の場所を通過したか否かを示す状態情報を基地局装置にて受信し、
前記基地局装置により形成されるセルへハンドオーバする前記移動局装置に関して受信した前記状態情報が、前記固定ルート上の場所を前記移動局装置が通過したことを示す場合に、前記移動局装置が前記固定ルート上を移動中であると判定する、
ことを特徴とする通信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2012−114570(P2012−114570A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260133(P2010−260133)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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