説明

基板のコネクタ実装部構造

【課題】コネクタ実装部の特性インピーダンスを調整可能な基板のコネクタ実装部構造を提供する。
【解決手段】基板1の表面1aには、ランド11,12,13が複数組設けられ、裏面1bには、グランド層2が設けられている。ランド11,13は、信号用ランドであり、信号用配線パターン1D+,1D−に接続されている。また、ランド11,13の間のランド12は、グランド用ランドである。ランド11,13には、オープンスタブ21,23が設けられている。オープンスタブ21(23)は、ビアホール21a(23a)と電極21b(23b)とで構成されている。これにより、電極21b(23b)とグランド層2との間に、容量が形成され、電極21b(23b)の長さや幅を変えることで、コネクタ実装部の特性インピーダンスを調整することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)等の高速差動信号伝送用のコネクタを接続するための基板のコネクタ実装部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図18は、グランド層を透過して、従来例に係る基板のコネクタ実装部構造を示す概略斜視図である。
図18に示すように、HDMI等の高速差動信号伝送用のコネクタ100は、差動信号D+用,グランドG用及び差動信号D−用の3本のコンタクト101,102,103を1組とし、これらコンタクト101,102,103を筐体110内に複数組組み込んだ構成になっている(例えば、特許文献1参照)。そして、端子101′,102′,103′が、各組のコンタクト101,102,103からコンタクト外部に一列に引き出されている。一方、基板1のコネクタ実装部には、端子101′,102′,103′を当接可能なランド11,12,13が設けられており、端子101′,102′,103′を、これらのランド11,12,13に当接して半田付けすることができるようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−334748号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した従来の基板のコネクタ実装部構造では、次のような問題がある。
一般に、コネクタ100の端子101′,102′,103′の端子幅や端子間隔は、規格で予め決められている。このため、端子101′,102′,103′を接続させるランド11,12,13のランド幅やランド間隔も一律に決定される。
このような基板1の裏面には、グランド層2が設けられ、ランド11(13)とこのグランド層2との距離によって、コネクタ実装部の特性インピーダンス(具体的には、ランド11,12,13とグランド層2とを含めた特性インピーダンス)が影響を受けることとなるが、この特性インピーダンスは、予め決められており、その許容範囲から外れることは許されない。特に、HDMI規格では、基板1のコネクタ実装部の特性インピーダンスを、TDR(time domein reflectmetry)測定において、100±15Ω内に抑えなければならないとされている。
ところが、基板1の厚さは一意に決まらない。例えば、コストダウンの観点から、多層の基板を単層の基板に切り換えて用いる場合があり、このような場合には、強度の問題から、単層の基板を多層の基板よりも、信号層とグランド層との層間を厚くする必要がある。しかし、厚くすると、単層の基板のランド11(13)とグランド層2との間の容量が小さくなり、コネクタ実装部の特性インピーダンスが大きくなってしまうおそれがある。
このような場合には、ランド11,12,13のランド幅等を大きくして、ランド11(13)とグランド層2との間の容量が大きくなるように調整する必要がある。しかしながら、上記したように、ランド11,12,13のランド幅やランド間隔は、一律に決定されており、しかも狭い。このため、ランド11(13)のランド幅等を大きくすることができない。
このように、従来の基板のコネクタ実装部構造では、規格からずれた特性インピーダンスを調整する術がなく、不良品の基板が多量に発生するおそれがあった。
【0005】
この発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、コネクタ実装部の特性インピーダンスを調整可能な基板のコネクタ実装部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、1対の信号用配線パターンの端部にそれぞれ連結されて隣接する1対の信号用ランドとこれら1対の信号用ランドの間に配されたグランド用ランドとの組が、基板の表面に複数組並べられると共に、グランド層が基板の裏面又は中間層に設けられた基板のコネクタ実装部構造であって、各信号用ランドから延出するビアホールとこのビアホールの端に連結された所定形状の電極とで構成されるオープンスタブを設け、オープンスタブの電極とグランド層とによって容量を形成した構成とする。
かかる構成により、例えば、HDMI規格のコネクタの差動信号D+用,差動信号D−用及びグランドG用のコンタクトからそれぞれ引き出された端子を、1対の信号用ランド,グランド用ランドにそれぞれ接触させた状態で半田付けすることにより、コネクタを基板に実装することができる。これにより、当該コネクタと1対の信号用ランド及び1対の信号用配線パターンを通じて、差動信号の高速伝送が可能となる。
ところで、コネクタ実装部の特性インピーダンス、即ち1対の信号用ランドとグランド用ランドとグランド層とで形成される特性インピーダンスが所望値でない場合には、この部分で信号のリターンロスが大きくなってしまう。したがって、多層の基板よりも板厚が大きな単層の基板を使用する場合には、1対の信号用ランドとグランド層との間の距離が大きくなり、この間の容量が小さくなって、コネクタ実装部の特性インピーダンスが所望値よりも大きくなり、リターンロスが大きくなるおそれがある。
しかし、この発明では、各信号用ランドから延出するビアホールと電極とで構成されるオープンスタブを設け、電極とグランド層とによって容量を形成するので、この容量分だけ、1対の信号用ランドとグランド層との間の容量が増加する。そして、この電極の幅や長さを調整することで、当該容量の大きさを調整することができる。したがって、板厚が大きな単層の基板を使用するような場合には、電極とグランド層との間の容量を含めた1対の信号用ランド−グランド層間の容量値が所望値になるように、電極の幅や長さを予め設定しておくことで、コネクタ実装部の特性インピーダンスを所望値にすることができる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の基板のコネクタ実装部構造において、非グランド領域をグランド層内に形成し、オープンスタブの電極を、非グランド領域内に配した構成とする。
かかる構成により、電極の外周縁と非グランド領域を画成するグランド層の内周縁との間に容量が形成される。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載の基板のコネクタ実装部構造において、基板は、グランド層が裏面に設けられた単層の基板である構成とした。
かかる構成により、多層の基板に比べて、基板の製造工程数を減少させることができ、その分製造コストの低減化を図ることができる。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載の基板のコネクタ実装部構造において、グランド用ランドとグランド層とを接続する1本以上のビアホールを設けると共に、ビアホールと同数のビアホールを各信号用ランドと電極との間に設けた構成とする。
かかる構成により、グランド用ランドとグランド層とを接続するビアホールと各信号用ランドと電極とを接続するビアホールとの間に、容量を形成することができる。この結果、1対の信号用ランドとグランド層との間の容量値をさらに増大させることができる。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1に記載の基板のコネクタ実装部構造において、オープンスタブの電極を、グランド層の上層又は下層に対向するように配した構成とする。
かかる構成により、電極の面とグランド層の面との間で、容量が形成される。すなわち、面同士を対向させて容量を形成するので、より大きな容量値を得ることができる。
【発明の効果】
【0011】
以上詳しく説明したように、この発明の基板のコネクタ実装部構造によれば、コネクタを実装する信号用ランドに手を加えることなく、コネクタ実装部の特性インピーダンスを調整することができるという優れた効果がある。
【0012】
また、請求項3の発明によれば、基板製造のコストダウンを図ることができるという効果がある。
また、請求項4や請求項5の発明によれば、容量値のさらなる増加を図ることができ、この結果、特性インピーダンスをより大きく変えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の最良の形態について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、この発明の第1実施例に係る基板のコネクタ実装部構造を示す分解斜視図であり、図2は、基板裏面のグランド層を透過して、基板のコネクタ実装部構造を示す斜視図であり、図3は、図2の基板の表面図であり、図4は、図2の基板の裏面図である。なお、図18に示した部材と同一の部材については、同一の符号を付して説明する。
【0015】
図1に示すように、この実施例の基板のコネクタ実装部構造は、HDMI規格のコネクタ100を基板1に実装するための構造である。
基板1は、グランド層2が裏面1bに設けられた単層の誘電体基板であり、その表面1aに、ランド11,12,13を複数組有する。
【0016】
各組において隣接する1対のランド11,13は、信号用ランドであり、コネクタ100の端子101′,103′を接続することができる。また、ランド11,13は、基板1の表面1aに形成された1対の信号用配線パターン1D+,1D−の端部にそれぞれ連結されており、これにより、差動信号D+が信号用配線パターン1D+を通じてランド11に送られ、差動信号D−が信号用配線パターン1D−を通じてランド13に送られるようになっている。
これら1対のランド11,13の間に並ぶように配されたランド12は、グランド用ランドであり、コネクタ100の端子102′を接続することができる。
【0017】
このようなランド11,13には、図1〜図3に示すように、それぞれオープンスタブ21,23が設けられている。
オープンスタブ21(23)は、ビアホール21a(23a)と電極21b(23b)とで構成されている。具体的には、ビアホール21a(23a)が、ランド11(13)の先端下側から基板1の裏面1b側に延出して電極21b(23b)に連結している。電極21b(23b)は、図4に示すように、グランド層2内に形成した非グランド領域24(25)内に島状に配されている。
図5は、オープンスタブ21(23)を示す部分拡大平面図である。
つまり、図5に示すように、グランド層2を一部くり抜いて、長方形状の非グランド領域24(25)をグランド層2内であって且つランド11(13)の真裏の位置に形成した。そして、非グランド領域24(25)よりも小さめに設定された長方形状の電極21b(23b)を非グランド領域24(25)内に形成した。これにより、容量C1が、電極21b(23b)の外周縁21b′(23b′)と非グランド領域24(25)を画成するグランド層2の内周縁24′(25′)との間に形成される。したがって、電極21b(23b)の長さや幅を変えることで、容量C1の大きさを変更することができる。
【0018】
次に、この実施例の基板のコネクタ実装部構造が示す作用及び効果について説明する。
図6は、コネクタ100の基板1への実装状態を示す平面図であり、図7は、コネクタ100の基板1への実装状態を示す概略断面図であり、図8は、伝送ケーブルのプラグをコネクタ100に差し込んだ状態を示す概略断面図である。
図6及び図7に示すように、コネクタ100を基板1の表面1a側に配し、コネクタ100の端子101′,102′,103′をランド11,12,13にそれぞれ当接して半田付けすることができる。すると、信号用配線パターン1D+,1D−が、ランド11,13と端子101′,103′とを通じて、コネクタ100のコンタクト101,103に電気的に接続され、ランド12が、端子102′を通じて、コネクタ100のコンタクト102に電気的に接続される。これにより、コネクタ100が、複数組のランド11,12,13で構成されるコネクタ実装部に実装された状態になる。
かかる状態で、図8に示すように、伝送ケーブル200のプラグ210をコネクタ100に差し込むと、基板1の信号用配線パターン1D+,1D−に接続された図示しないテレビジョンと伝送ケーブル200側に接続された図示しないDVDプレーヤとが、ランド11,12,13とコネクタ100とを通じて電気的に繋がった状態になる。これにより、映像信号等を差動信号D+,D−に載せてDVDプレーヤからテレビジョンに伝送することができる。
【0019】
ところで、コネクタ実装部であるランド11,12,13とグランド層2との部分の特性インピーダンスは、TDR測定で100±15Ω内でなければならず、この範囲を超えると、ランド11,12,13とコネクタ100の端子101′,102′,103′との接触部分で、大きなリターンロスが発生する。したがって、この実施例の基板1のように、板厚が大きな単層の基板を使用する場合には、ランド11(13)とグランド層2との間の容量C0が小さくなって、コネクタ実装部の特性インピーダンスが100+15Ωを越えるおそれがある。
【0020】
しかしながら、この実施例では、図4及び図5に示したように、ビアホール21a(23a)と電極21b(23b)とで構成されるオープンスタブ21(23)を、ランド11(13)の下側に設けて、電極21b(23b)とグランド層2との間の容量C1を形成したので、この容量分だけ、上記特性インピーダンスが低下しており、100±15Ω内に納めることができる。しかも、この電極21b(23b)の長さや幅を変える等して、容量C1を調整して、特性インピーダンスを予め最適な値に設定しておくことができるので、コネクタ実装部の特性インピーダンスが100±15Ω外になるおそれはない。
【0021】
発明者等は、かかる効果を確認すべく、次のようなTDR測定を行った。
図9は、オープンスタブ21(23)を有しない従来型の基板の測定結果を示す線図であり、図10は、オープンスタブ21(23)を有するこの実施例の基板の測定結果を示す線図である。
まず、図18に示した基板、即ち、オープンスタブ21(23)を有せず、裏面にはグランド層2のみが設けられている基板を用い、基板の厚みを1.6mm、誘電率を4.4に設定した。そして、TMDS (Transition Minimized Differential Signaling)データ0+とTMDS データ0−とを信号用配線パターン1D+,1D−を通じて図の右側のランド11,13に入力し、TMDS データ1+とTMDS データ1−とを図の中央のランド11,13に入力し、TMDS データ2+とTMDS データ2−とを図の左側のランド11,13に入力した。すると、図9に示すように、TMDS データ0+とTMDS データ0−が入力された部分のランド11,12,13及びグランド層2による特性インピーダンス曲線D0、TMDS データ1+とTMDS データ1−が入力された部分のランド11,12,13及びグランド層2による特性インピーダンス曲線D1、TMDS データ2+とTMDS データ2−が入力された部分のランド11,12,13及びグランド層2による特性インピーダンス曲線D2は、100±15Ω内にそれぞれ納まっているものの、理想値100Ωから大きく触れ、上限値115Ωと下限値85Ωに近い値をとっている。
【0022】
次に、オープンスタブ21(23)を有したこの実施例の基板1を用いて測定を行った。 すなわち、基板の厚み、誘電率を上記基板と同様に設定し、オープンスタブ21(23)の電極21b(23b)の長さ及び幅を2mm及び0.3mm、電極21b(23b)の外周縁21b′(23b′)とグランド層2の内周縁24′(25′)との距離を0.2mmに設定した。
そして、上記基板の場合と同様に、TMDS データ0+とTMDS データ0−とを図1の右側のランド11,13に、TMDS データ1+とTMDS データ1−とを図1の中央のランド11,13に、TMDS データ2+とTMDS データ2−とを図1の左側のランド11,13にそれぞれ入力した。すると、図10に示すように、TMDS データ0+とTMDS データ0−が入力された部分のランド11,12,13とオープンスタブ21,23とグランド層2とによる特性インピーダンス曲線D0、TMDS データ1+とTMDS データ1−が入力された部分のランド11,12,13とオープンスタブ21,23とグランド層2による特性インピーダンス曲線D1、TMDS データ2+とTMDS データ2−が入力された部分のランド11,12,13とオープンスタブ21,23とグランド層2とによる特性インピーダンス曲線D2は、100±15Ω内に全て納まるだけでなく、理想値100Ωに近い範囲内の納まっている。これにより、オープンスタブ21,23を設けることにより、特性インピーダンスを所望値まで低下させることができることを確認した。
【0023】
上記したように、この実施例の基板のコネクタ実装部構造によれば、コネクタ100を実装するランド11,12,13に手を加えることなく、コネクタ実装部の特性インピーダンスを調整することができる。
そして、単層の基板1を用いたので、基板製造の工程数を減少させることができ、その分製造コストの低減化を図ることができる。
【実施例2】
【0024】
次に、この発明の第2実施例について説明する。
図11は、この発明の第2実施例に係る基板のコネクタ実装部構造を示す概略断面図であり、図12は、基板の表面図であり、図13は、基板の裏面図であり、図14は、第2実施例の要部を示す部分拡大平面図である。
この実施例は、コネクタ実装部の容量を大きく増加させることができる点で、上記第1実施例と異なる。
すなわち、図11に示すように、ランド11(13)と電極21b(23b)との間に、ビアホール21a(23a)と複数のビアホール21c(23c)とを接続すると共に、図12及び図13に示すように、ランド12とグランド層2との間に、ビアホール21a(23a),21c(23c)と同数のビアホール22cを接続した。
具体的には、図12に示すように、ビアホール21a,23aと複数のビアホール21c,23cとを、ランド11,13の下側に等間隔で配設し、図13に示すように、それらの下端を、電極21b,23bに接続した。
これにより、図14に示すように、電極21b(23b)のビアホール21a(23a),21c(23c)とランド12のビアホール22cとの間に容量C2が形成され、その分だけ、上記実施例の場合よりも容量値を増加させることができる。この結果、コネクタ実装部の特性インピーダンスをより大きく変えることができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1実施例と同様であるので、その記載は省略する。
【実施例3】
【0025】
次に、この発明の第3実施例について説明する。
図15は、この発明の第3実施例に係る基板のコネクタ実装部構造を示す概略断面図である。
この実施例は、オープンスタブ21(23)の電極21b(23b)を、基板1の内部に設けた点が、上記第1及び第2実施例と異なる。
具体的には、図15に示すように、非グランド領域24(25)を有さないベタのグランド層2を基板1の裏面1bに設けた。そして、オープンスタブ21(23)の電極21b(23b)を、このグランド層2の上層に対向するように配して、ランド11(13)と電極21b(23b)とをビアホール21a(23a)で接続した。
【0026】
かかる構成により、電極21b(23b)の面とグランド層2の面とが対向し、これらの面間で、容量が形成される。このように、この実施例では、電極21b(23b)とグランド層2との面同士を対向させて容量を形成するので、より大きな容量値を得ることができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1及び第2実施例と同様であるので、その記載は省略する。
【0027】
なお、この発明は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
上記第1実施例では、基板1が単層のため、グランド層2を基板1の裏面1bに設けた基板のコネクタ実装部構造を例示したが、例えば、図16に示すように、基板1が多層基板の場合には、グランド層2を、裏面ではなく、中間層に設けて、オープンスタブ21,23の電極21b,23bを、このグランド層2の非グランド領域24,25内に配することもできる。
【0028】
また、上記第3実施例では、オープンスタブ21(23)の電極21b(23b)を、非グランド領域24(25)を有しないグランド層2の上層に対向するように配した例を示したが、例えば、図17に示すように、グランド層2を基板1の中間層に配し、オープンスタブ21(23)の電極21b(23b)を基板1の裏面1bに設けることで、オープンスタブ21(23)を、グランド層2の下層に対向するように配することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明の第1実施例に係る基板のコネクタ実装部構造を示す分解斜視図である。
【図2】基板裏面のグランド層を透過して、基板のコネクタ実装部構造を示す斜視図である。
【図3】図2の基板の表面図である。
【図4】図2の基板の裏面図である。
【図5】オープンスタブを示す部分拡大平面図である。
【図6】コネクタの基板への実装状態を示す平面図である。
【図7】コネクタの基板への実装状態を示す概略断面図である。
【図8】伝送ケーブルのプラグをコネクタに差し込んだ状態を示す概略断面図である。
【図9】オープンスタブを有しない従来型の基板の測定結果を示す線図である。
【図10】オープンスタブを有するこの実施例の基板の測定結果を示す線図である。
【図11】この発明の第2実施例に係る基板のコネクタ実装部構造を示す概略断面図である。
【図12】基板の表面図である。
【図13】基板の裏面図である。
【図14】第2実施例の要部を示す部分拡大平面図である。
【図15】この発明の第3実施例に係る基板のコネクタ実装部構造を示す概略断面図である。
【図16】第1変形例を示す概略断面図である。
【図17】第2変形例を示す概略断面図である。
【図18】グランド層を透過して、従来例に係る基板のコネクタ実装部構造を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0030】
1…基板、 1D+,1D−…信号用配線パターン、 1a…表面、 1b…裏面、 2…グランド層、 11〜13…ランド、 21,23…オープンスタブ、 21a,23a,21c,22c,23c…ビアホール、 21b,23b…電極、 21b′,23b′…外周縁、 24,25…非グランド領域、 24′,25′…内周縁、 100…コネクタ、 101,102,103…コンタクト、 101′,102′,103′…端子、 C0〜C2…容量。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1対の信号用配線パターンの端部にそれぞれ連結されて隣接する1対の信号用ランドとこれら1対の信号用ランドの間に配されたグランド用ランドとの組が、基板の表面に複数組並べられると共に、グランド層が基板の裏面又は中間層に設けられた基板のコネクタ実装部構造であって、
上記各信号用ランドから延出するビアホールとこのビアホールの端に連結された所定形状の電極とで構成されるオープンスタブを設け、
上記オープンスタブの電極と上記グランド層とによって容量を形成した、
ことを特徴とする基板のコネクタ実装部構造。
【請求項2】
請求項1に記載の基板のコネクタ実装部構造において、
非グランド領域を上記グランド層内に形成し、上記オープンスタブの電極を、当該非グランド領域内に配した、
ことを特徴とする基板のコネクタ実装部構造。
【請求項3】
請求項2に記載の基板のコネクタ実装部構造において、
上記基板は、上記グランド層が裏面に設けられた単層の基板である、
ことを特徴とする基板のコネクタ実装部構造。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の基板のコネクタ実装部構造において、
上記グランド用ランドと上記グランド層とを接続する1本以上のビアホールを設けると共に、当該ビアホールと同数のビアホールを上記各信号用ランドと上記電極との間に設けた、
ことを特徴とする基板のコネクタ実装部構造。
【請求項5】
請求項1に記載の基板のコネクタ実装部構造において、
上記オープンスタブの電極を、上記グランド層の上層又は下層に対向するように配した、
ことを特徴とする基板のコネクタ実装部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−129649(P2009−129649A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301958(P2007−301958)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】