説明

基板保持装置

【課題】電気部品の移動軌跡及び成形に係る金型に制約されることなく、ケースをより小型化することができる基板保持装置を提供する。
【解決手段】複数枚の基板13〜15は、ケース本体11の開口方向に沿う板厚方向に重ねられて、ケース10内に収納されており、ケース本体11の内壁面に突設された複数の柱状の第1〜第3支持部21〜23を備え、板厚方向における先端面の高さが互いに同等となる複数の第1〜第3支持部21〜23を1組とする第1〜第3支持部群を構成する。基板13の周縁部は、第2及び第3支持部22,23(第2及び第3支持部群)が板厚方向に挿入可能なガイド溝13b,13cを有して、第1支持部21(第1支持部群)の先端面に支持されている。基板14の周縁部は、第3支持部23が板厚方向に挿入可能なガイド溝14bを有して、第2支持部22の先端面に支持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板をケースに収納保持する基板保持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、こうした基板保持装置として種々のものが提案されている。例えば特許文献1には、蓋及び本体部からなるケースに基板を固定するものが記載されている。この場合、本体部の両側面に基板の両側部を支持する支持部が設けられており、蓋及び本体部を嵌合させた状態で、本体部奥側及び蓋にそれぞれ設けられた押圧部により基板を押圧して撓ませ、該基板を支持部に圧接することでこれを固定している。
【0003】
また、特許文献2には、内面に基板ガイド溝を有するケース本体及び該ケース本体に固定されるケース蓋からなる筐体(ケース)内に基板を位置決め固定するものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−74291号公報
【特許文献2】特開2000−49475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1では、ケースに収納する基板が複数枚になる場合、これら基板間の電気的接続を予め行った状態でケースに収める手順になるため、該ケースに収めるまでの基板の取扱いが煩雑化してその収納が困難になる可能性がある。また、通常、基板に実装される電気部品は、基板の表面から突出することになるため、該基板をその表面に沿う方向にスライド移動させて収納する場合には、その移動範囲の全体に亘って前記突出する電気部品の移動軌跡を解放しておく必要があり、余分な空間確保を要する分、大型化を余儀なくされてしまう。
【0006】
一方、特許文献2では、筐体内に位置決め固定する基板が複数枚になる場合、これら基板の間隔は、対応する基板ガイド溝の間隔で決まるため、該間隔はその成形に係る金型の制約(例えば金型の強度確保)等によってその低減には自ずと限界がある。また、基板をその表面に沿う方向にスライド移動させて収納するために余分な空間確保を要することは前記同様である。
【0007】
本発明の目的は、電気部品の移動軌跡及び成形に係る金型に制約されることなく、ケースをより小型化することができる基板保持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
同構成によれば、前記複数枚の一の前記基板は、順番に従って前記ケース(ケース本体)内に収納することで、該当の高い方の高さを有する一の前記支持部群が前記ガイド溝に挿入されて、該当の低い方の高さを有する他の前記支持部群の先端面に支持される。これにより、前記複数枚の前記基板を、前記複数の支持部群間に設定される高低差の間隔で前記ケース内に収納することができる。この場合、前記複数枚の前記基板は、前記ケース本体の開口方向に沿う板厚方向に重ねられて、前記ケース内に収納されることで、これら基板間の干渉を避けるように各々に実装される電気回路を互い違いに配置しておけば、その移動軌跡に制約されることなく前記ケース内にコンパクトに収納することができる。このため、前記ケース(ケース本体)をより小型化することができる。また、前記複数の支持部群(支持部)は、前記板厚方向に延在してそれらの先端面で前記基板の周縁部を支える構造であるため、前記複数枚の前記基板の間隔は、前記複数の支持部群間に設定される高低差で決まり、前記支持部(先端面)の大きさに影響されることはない。従って、前記支持部の成形に係る金型に制約されることなく、前記複数枚の前記基板の間隔を低減することができる。
【0009】
同構成によれば、前記基板の設置時、隣り合う前記基板の一方に他方を前記板厚方向に重ねることで、それぞれの前記コネクタ部同士が嵌合してこれら両基板を電気的に接続することができる。また、各対応する前記支持部群の先端面に支持される隣り合う前記基板間をそれぞれの前記コネクタ部同士の嵌合によって固定することができる。
【0010】
同構成によれば、前記ケースカバーに対向する前記基板の周縁部を、前記複数の支持部群のうち最高の高さを有する前記支持部群の先端面及び前記ケースカバーの対向面で挟持することで、当該基板を堅固に固定することができる。
【0011】
同構成によれば、前記電気部品の移動軌跡及び成形に係る金型に制約されることなく、筐体をより小型化したカメラを提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、電気部品の移動軌跡及び成形に係る金型に制約されることなく、ケースをより小型化することができる基板保持装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態を示す分解斜視図。
【図2】同実施形態を分解して示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1及び図2は、本実施形態に係る基板保持装置の適用される車載カメラを分解して示す斜視図及び平面図である。図1に示すように、この車載カメラは、ケース10を構成するケース本体11及びケースカバー12と、電気回路(図示略)の実装された3枚の基板13,14,15とを備えて構成される。
【0015】
ケース本体11は、有底略四角筒状に成形されており、その内壁面の角部に突設されケース本体11の開口方向(図1の上下方向であって、基板13〜15の板厚方向)に延在する4つの略半蒲鉾形状の締結壁11aを一体的に有する。なお、各締結壁11aの中央部には、その延在方向に穿設されたボルト挿通孔11bが形成されている。なお、ケース本体11は、例えば、樹脂材もしくはアルミ材などから成る。
【0016】
また、ケース本体11は、その内壁面に突設されケース本体11の開口方向に延在する複数の略四角柱状の支持部としての第1支持部21、第2支持部22及び第3支持部23を一体的に有する。ケース本体11の開口側に臨むこれら第1〜第3支持部21〜23の先端面21a,22a,23aの高さは、所定の高低差(段差)を有して互いに異なっている。すなわち、第1〜第3支持部21〜23の先端面21a〜23aの高さは、この順番で段階的に高くなるように設定されている。なお、第3支持部23は、ケース本体11の開口端よりも外側に若干突出している。
【0017】
図2に示すように、第1支持部21は、ケース本体11の各長辺の両端部に2つ、同じく各短辺の中央部に1つの合計6つ配設されている。これら1組の第1支持部21は、第1支持部群を構成する。また、第2支持部22は、ケース本体11の各長辺の両第1支持部21間を略等分する態様で中間部に2つ、同じく各短辺の締結壁11aに繋がる両端に2つの合計8つ配設されている。これら1組の第2支持部22は、第2支持部群を構成する。さらに、第3支持部23は、ケース本体11の各長辺の隣り合う第1及び第2支持部21,22間及び両第2支持部22間を略等分する態様で3つ、同じく各短辺の隣り合う第1及び第2支持部21,22間を略等分する態様で2つの合計10つ配設されている。これら1組の第3支持部23は、第3支持部群を構成する。従って、第1〜第3支持部21〜23の個数は、先端面21a〜23aの高さが高くなるに従って多くなるように設定されている。なお、ケース本体11の底壁には、長手方向一側(図2の右側)に本体側コネクタ部31が設置されている。この本体側コネクタ部31からケース10の外側に導出されるケーブル(図示略)は、周辺機器(例えばモニタ等)と電気的に接続され、あるいは電源(バッテリ)と電気的に接続される。また、本体側コネクタ部31は、基板13に直結されてこれに電気的に接続される。
【0018】
前記基板13は、平面視において、ケース本体11の内壁面の外形に合わせて略四角板状に成形されており、その角部に前記締結壁11aとの干渉を避けるように湾状に切り欠かれた4つの切り欠き13aを有する。また、基板13の周縁部は、全ての第2支持部22(第2支持部群)を各々の長手方向(板厚方向)に挿入可能な複数(8つ)の略四角形のガイド溝13bを有するとともに、全ての第3支持部23(第3支持部群)を各々の長手方向(板厚方向)に挿入可能な複数(10つ)の略四角形のガイド溝13cを有する。従って、基板13は、ガイド溝13b,13cに第2及び第3支持部22,23を挿入しつつ、ケース本体11の開口方向に沿って該ケース本体11に収納される際、周縁部が第1支持部21(第1支持部群)の先端面21aのみに当接してこれに支持される。そして、基板13は、ケース本体11の最低高さでこれに収納されている。
【0019】
基板13の裏側を示すように、該基板13には、長手方向一側(図2の右側)に、本体側コネクタ部31に臨んで突出するコネクタ部32が設置されている。基板13は、ケース本体11の開口方向に沿って該ケース本体11に収納される際、コネクタ部32が本体側コネクタ部31に嵌合することで第1支持部21(先端面21a)上で固定され、同時に周辺機器と電気的に接続される。この基板13には、基板14,15に電源供給する電源回路が実装されている。なお、基板13のケース本体11の開口側に臨む端面(表面)には、基板14に直結されてこれに電気的に接続されるコネクタ部33が設置されている。このコネクタ部33は、基板13の板厚方向で前記コネクタ部32(及び本体側コネクタ部31)と重合しない一側(図2の右上側)の角部に配置されている。
【0020】
前記基板14は、平面視において、ケース本体11の内壁面の外形に合わせて略四角板状に成形されており、その角部に前記締結壁11aとの干渉を避けるように湾状に切り欠かれた4つの切り欠き14aを有する。また、基板14の周縁部は、全ての第3支持部23(第3支持部群)を各々の長手方向(板厚方向)に挿入可能な複数(10つ)の略四角形のガイド溝14bを有する。従って、基板14は、ガイド溝14bに第3支持部23を挿入しつつ、ケース本体11の開口方向に沿って該ケース本体11に収納される際、周縁部が第2支持部22(第2支持部群)の先端面22aのみに当接してこれに支持される。そして、基板14は、ケース本体11の中間高さでこれに収納されている。基板13,14の板厚方向の間隔が第1及び第2支持部21,22の高低差で決定されることはいうまでもない。
【0021】
基板14の裏側を示すように、該基板14には、平面視で一側(図2の右下側)の角部に、コネクタ部33に臨んで突出するコネクタ部34が設置されている。基板14は、ケース本体11の開口方向に沿って該ケース本体11に収納される際、コネクタ部34が前記コネクタ部33に嵌合することで第2支持部22(先端面22a)上で固定され、同時に基板13と電気的に接続される。この基板14には、基板15から出力される映像信号(例えばNTSC信号)を画像処理する画像処理回路が実装されている。なお、基板14のケース本体11の開口側に臨む端面(表面)には、基板15に直結されてこれに電気的に接続されるコネクタ部35が設置されている。このコネクタ部35は、基板14の板厚方向で前記コネクタ部32〜34(及び本体側コネクタ部31)と重合しない他側(図2の左上側)の角部に配置されている。
【0022】
前記基板15は、平面視において、ケース本体11の内壁面の外形に合わせて略四角板状に成形されており、その角部に前記締結壁11aとの干渉を避けるように湾状に切り欠かれた4つの切り欠き15aを有する。基板15は、例えば前記ケースカバー12に締結されており、該ケースカバー12にてケース本体11の開口端を閉塞する際、周縁部が第3支持部23(第3支持部群)の先端面22aに当接してこれに支持される。
【0023】
詳述すると、ケースカバー12は、底面視において、ケース本体11の内壁面の外形と略同等の外形を有する略四角形の凹部12aを有する。また、ケースカバー12は、凹部12aの内壁面に突設されケース本体11への組み付け方向で第3支持部23(第3支持部群)に対向する複数の略四角柱状の押圧部12bを有する。基板15は、ケースカバー12がケース本体11に組み付けられる際、周縁部が各対向する押圧部12bの対向面及び第3支持部23の先端面23aに挟持されることで堅固に固定される。そして、基板15は、ケース本体11の開口端よりも外側に若干突出する最高高さでケース10(ケースカバー12)に収納される。基板14,15間の板厚方向の間隔が第2及び第3支持部22,23の高低差で決定されることはいうまでもない。なお、ケースカバー12は、ケース本体11のボルト挿通孔11bに挿通されたボルトのねじ部がケースカバー12に埋設又は穿設されたナット部に締め付けられることでケース本体11に固定されている。
【0024】
基板15の裏側を示すように、該基板15には、他側(図2の左下側)の角部に、コネクタ部35に臨んで突出するコネクタ部36が設置されている。基板15は、ケースカバー12がケース本体11に組み付けられる際、コネクタ部36が前記コネクタ部35に嵌合することで、第3支持部23(先端面23a)上で更に堅固に固定され、同時に基板14と電気的に接続される。この基板15には、例えばCMOS又はCCDからなる撮像素子が実装されている。基板15は、ケースカバー12に搭載されたレンズL(図1参照)を通じて照射された光を撮像素子で映像信号に変換してこれを基板14に出力する。
【0025】
なお、各隣り合う基板13〜15間において、互いの対向面の各々に実装される電気回路は、板厚方向に重合しないように互い違いに配置されている。これは、板厚方向に重合する両電気回路分の間隔を当該基板13〜15間に確保して、板厚方向に嵩張ることを避けるためである。
【0026】
次に、本実施形態の組付け態様等について総括して説明する。
まず、基板13のガイド溝13b,13cに第2及び第3支持部22,23を挿入しつつ、基板13の周縁部が第1支持部21の先端面21aに当接・支持されるまで、基板13をケース本体11の開口方向に沿って該ケース本体11内に収納する。この際、基板13は、コネクタ部32が本体側コネクタ部31に嵌合することで第1支持部21(先端面21a)上で固定され、同時に周辺機器と電気的に接続される。また、基板13は、ガイド溝13b,13cが第2及び第3支持部22,23に遊嵌される態様で併せて位置決めされる。
【0027】
続いて、基板14のガイド溝14bに第3支持部23を挿入しつつ、基板14の周縁部が第2支持部22の先端面22aに当接・支持されるまで、基板14をケース本体11の開口方向に沿って該ケース本体11内に収納する。この際、基板14は、コネクタ部34がコネクタ部33に嵌合することで第2支持部22(先端面22a)上で固定され、同時に基板13と電気的に接続される。また、基板14は、ガイド溝14bが第3支持部23に遊嵌される態様で併せて位置決めされる。
【0028】
次いで、基板15の締結されたケースカバー12にてケース本体11の開口端を閉塞する態様で該ケース本体11にケースカバー12を締結する。この際、第3支持部23の先端面23aに当接される基板15の周縁部は、各対向する押圧部12bの対向面及び第3支持部23の先端面23aに挟持されて堅固に固定される。また、基板15は、コネクタ部36がコネクタ部35に嵌合することで第3支持部23(先端面23a)上で更に堅固に固定され、同時に基板14と電気的に接続される。
【0029】
以上により、基板13〜15は、板厚方向に第1〜第3支持部21〜23の高低差分の間隔をあけて当該方向に重ねられ、ケース10(ケース本体11)内に収納される。
このような構成にあって、基板15(撮像素子)は、ケースカバー12に搭載されたレンズLを通じて照射された光を映像信号に変換して基板14に出力する。基板14(画像処理回路)は、基板15から出力された映像信号を画像処理した映像信号を、基板13を介して周辺機器に出力する。一方、基板13(電源回路)は、基板14,15に電源供給する。
【0030】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、複数枚の基板13〜15を、第1〜第3支持部21〜23(第1〜第3支持部群)間に設定される高低差の間隔でケース10内に収納することができる。この場合、基板13〜15は、ケース本体11の開口方向に沿う板厚方向に重ねられてケース10内に収納されており、これら基板13〜15間の干渉を避ける(板厚方向に重合しない)ように各々に実装される電気回路(及び直結されるコネクタ部以外のコネクタ部)を互い違いに配置したことで、その移動軌跡に制約されることなくケース10内にコンパクトに収納することができる。このため、ケース10(ケース本体11)をより小型化することができる。また、第1〜第3支持部21〜23(第1〜第3支持部群)は、基板13〜15の板厚方向に延在してそれらの先端面21a〜23aで基板13〜15の周縁部を支える構造であるため、基板13〜15の間隔は、第1〜第3支持部21〜23(第1〜第3支持部群)間に設定される高低差で決まり、第1〜第3支持部21〜23(先端面21a〜23a)の大きさに影響されることはない。従って、第1〜第3支持部21〜23の成形に係る金型に制約されることなく、基板13〜15の間隔を低減することができる。
【0031】
(2)本実施形態では、基板13〜15の設置時、隣り合う基板13,14、14,15の一方に他方を板厚方向に重ねることで、それぞれのコネクタ部33,34、35,36同士が嵌合してこれら両基板13,14、14,15を電気的に接続することができる。また、各対応する第1〜第3支持部21〜23(第1〜第3支持部群)の先端面21a〜23aに支持される隣り合う基板13,14、14,15間をそれぞれのコネクタ部33,34、35,36同士の嵌合によって固定することができる。
【0032】
(3)本実施形態では、ケースカバー12に対向する基板15の周縁部を、最高の高さを有する第3支持部23(第3支持部群)の先端面23a及びケースカバー12の対向面(押圧部12b)で挟持することで、当該基板15を堅固に固定することができる。
【0033】
(4)本実施形態では、電気部品の移動軌跡及び成形に係る金型に制約されることなく、筐体をより小型化したカメラを提供することができる。
(5)本実施形態では、カメラに必要な各種電気回路をケース10に一体的に収納することができる。特に、ケース10内(基板14)で映像信号の画像処理まで行なえることで、該映像信号をその他の処理回路に通すことなく必要な画像処理の施された映像信号をそのままモニタ等に出力することができる。
【0034】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において、第3支持部23の先端面23aをケース本体11内に納めて、基板15をケース本体11内に収納してもよい。またこの場合、ケースカバー12の凹部12aを縮小し、ケースカバー12の開口端面及び第3支持部23の先端面23aで基板15の周縁部を挟持してこれを固定してもよい。
【0035】
・前記実施形態において、第1〜第3支持部21〜23は、柱状であれば、例えば円柱状などその他の形状であってもよい。また、第1〜第3支持部21〜23の延在する基板13〜15の板厚方向(ケース本体11の開口方向)は、基板13〜15の直交方向に完全に合致していなくてもよい。
【0036】
・前記実施形態において、ケース本体11は、有底の筒状であれば、例えば円筒状などその他の形状であってもよい。要は、ケース本体の内壁面に、基板を支持等する柱状の支持部があればよい。またこの場合、基板13〜15の外形は、必ずしもケース本体11の内壁面の外形に合わせて成形する必要はない。ただし、同一の高さの先端面を有する複数の支持部の各々は、該当の基板13〜15を支持等できる形状でケース本体11の内壁面に突設する必要がある。
【0037】
・前記実施形態において、各隣り合う基板13〜15間に適宜のスペーサを介装してこれらを保持してもよい。
・前記実施形態において、ケース10内に収納される基板は2枚であってもよいし、4枚以上であってもよい。
【0038】
・本発明は、車載カメラ以外の電気機器に適用してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
・請求項4に記載の基板保持装置において、
前記複数枚の前記基板は、撮像素子の実装された第1基板、前記撮像素子から出力される映像信号を画像処理する画像処理回路の実装された第2基板、並びに前記第1基板及び前記第2基板に電源供給する電源回路の実装された第3基板で構成されていることを特徴とする基板保持装置。同構成によれば、前記カメラに必要な各種電気回路を前記ケースに一体的に収納することができる。特に、前記ケース内(第2基板)で映像信号の画像処理まで行なえることで、該映像信号をその他の処理回路に通すことなく必要な画像処理の施された映像信号をそのままモニタ等に出力することができる。
【符号の説明】
【0039】
L…レンズ、10…ケース、11…ケース本体、12…ケースカバー、13〜15…基板、13b,13c,14b…ガイド溝、21〜23…支持部(支持部群)、21a〜23a…先端面、32〜36…コネクタ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状のケース本体及び該ケース本体の開口端を閉塞するケースカバーからなるケースに、電気回路の実装された複数枚の基板を収納保持する基板保持装置において、
前記複数枚の前記基板は、前記ケース本体の開口方向に沿う板厚方向に重ねられて、前記ケース内に収納されており、
前記ケース本体の内壁面に突設され、前記板厚方向に延在する複数の柱状の支持部を備え、
前記複数の支持部は、前記板厚方向における先端面の高さが互いに同等となる複数の前記支持部を1組とする支持部群を複数構成しており、
前記複数枚の一の前記基板の周縁部は、前記複数の支持部群のうち高い方の高さを有する一の前記支持部群が前記板厚方向に挿入可能なガイド溝を有して、前記複数の支持部群のうち低い方の高さを有する他の前記支持部群の先端面に支持されていることを特徴とする基板保持装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板保持装置において、
隣り合う前記基板には、前記板厚方向における互いの対向面にそれぞれ突設され、一方の前記基板に他方の前記基板を前記板厚方向に重ねる際に嵌合してこれら両基板を電気的に接続するコネクタ部が設けられていることを特徴とする基板保持装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の基板保持装置において、
前記複数枚の前記基板のうち、前記ケースカバーに対向する前記基板の周縁部は、前記複数の支持部群のうち最高の高さを有する前記支持部群の先端面及び前記ケースカバーの対向面で挟持されていることを特徴とする基板保持装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板保持装置において、
前記ケースは、前記ケースカバーに少なくともレンズを搭載し、前記ケース本体内に前記基板を収納保持するカメラの筐体であることを特徴とする基板保持装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−71342(P2011−71342A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221361(P2009−221361)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】