説明

基板処理装置、ライセンス管理プログラム、ライセンス情報提供装置、ライセンス情報提供プログラム、ライセンス管理システム及び記録媒体

【課題】基板処理装置において動作するソフトウェアの不正使用を適切に防止することのできる基板処理装置の提供を目的とする。
【解決手段】ソフトウェアによる制御に基づいて基板を処理する基板処理装置であって、ネットワークを介して接続するライセンス情報提供装置より前記ソフトウェアに対するライセンス情報を定期的に受信するライセンス情報受信手段と、前記ライセンス情報提供装置のネットワーク上のアドレス情報を前記ライセンス情報より抽出するライセンス情報解析手段と、前記ライセンス情報より抽出された前記アドレス情報と当該基板処理装置に予め保存されている前記ライセンス情報提供装置の前記アドレス情報とを比較するライセンス判定手段とを有し、二つの前記アドレス情報の値が一致しない場合は、前記ソフトウェアの少なくとも一部の機能の実行を制限することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置、ライセンス管理プログラム、ライセンス情報提供装置、ライセンス情報提供プログラム、ライセンス管理システム及び記録媒体に関し、特にソフトウェアによる制御に基づいて基板を処理する基板処理装置、ライセンス管理プログラム、ライセンス情報提供装置、ライセンス情報提供プログラム、ライセンス管理システム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にソフトウェアのユーザは、そのライセンス契約に従う義務がある。ライセンス契約における取り決めには様々なものがあり、契約されたユーザ数、コンピュータの台数、又は使用期間等の範囲内でソフトウェアの使用が許可される。
【0003】
半導体製造装置等の基板処理装置上で動作するソフトウェアについても基板処理装置のメーカーと基板処理装置のユーザとの間でライセンス契約が結ばれることがある。この場合、基板処理装置のメーカーは、ユーザに対してソフトウェアのライセンス料を請求し、当該ライセンス料が納付された場合に当該ソフトウェアの使用を許可する。具体的には、一般的なソフトウェアと同様、基板処理装置のメーカーがユーザに対してライセンスキー等を通知し、当該ライセンスキー等が入力されれば、それ以降当該ソフトウェアの使用が可能となる。
【0004】
ところで、当該ライセンス契約が、メーカーと当該ユーザとの間でのみ有効なものである場合、当該ユーザが基板処理装置を転売した際には、メーカーは転売先のユーザに対して改めてライセンス料を請求できるべきである。
【特許文献1】特開2005−84889号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来、ユーザからの報告がない限り基板処理装置の転売をメーカー側が察知することは困難であった。実際問題として、メーカーから派遣される保守作業員等からの報告によって基板処理装置がどこかに移設されたことまでは察知できないこともないかもしれない。しかし、転売元のユーザが協力的でなければ転売先を正確に把握するには困難が予想される。
【0006】
そうすると、当該ソフトウェアの不正使用をみすみす認めざるを得ず、メーカーはソフトウェアのライセンス料を請求することできないといった不利益を被るという問題がある。
【0007】
なお、特許文献1に記載された技術では、ライセンス対象とする機器ごとにライセンスの管理を行うことはできても、当該機器が転売された場合に当該機器が用いるソフトウェアの使用を適切に防止することは困難である。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、基板処理装置において動作するソフトウェアの不正使用を適切に防止することのできる基板処理装置、ライセンス管理プログラム、ライセンス情報提供装置、ライセンス情報提供プログラム、ライセンス管理システム及び記録媒体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで上記課題を解決するため、本発明は、ソフトウェアによる制御に基づいて基板を処理する基板処理装置であって、ネットワークを介して接続するライセンス情報提供装置より前記ソフトウェアに対するライセンス情報を定期的に受信するライセンス情報受信手段と、前記ライセンス情報提供装置のネットワーク上のアドレス情報を前記ライセンス情報より抽出するライセンス情報解析手段と、前記ライセンス情報より抽出された前記アドレス情報と当該基板処理装置に予め保存されている前記ライセンス情報提供装置の前記アドレス情報とを比較するライセンス判定手段とを有し、二つの前記アドレス情報の値が一致しない場合は、前記ソフトウェアの少なくとも一部の機能の実行を制限することを特徴とする。
【0010】
また、上記課題を解決するため、本発明は、上記基板処理装置とネットワークを介して接続するライセンス情報提供装置であって、当該ライセンス情報提供装置の前記アドレス情報に基づいて前記ライセンス情報を生成するライセンス情報生成手段と、前記ライセンス情報を前記基板処理装置に送信するライセンス情報送信手段とを有することを特徴とする。
【0011】
上記基板処理装置、また、上記ライセンス情報提供装置によれば、基板処理装置において動作するソフトウェアの不正使用を適切に防止することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、基板処理装置において動作するソフトウェアの不正使用を適切に防止することのできる基板処理装置、ライセンス管理プログラム、ライセンス情報提供装置、ライセンス情報提供プログラム、ライセンス管理システム及び記録媒体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態における基板処理装置の概略構成例を示す図である。
【0014】
図1において、基板処理装置2は、被搬送体としての半導体ウエハ(基板)Wに対して成膜処理、拡散処理、エッチング処理等の各種の処理を行なう処理システム5と、この処理システムに対してウエハWを搬入、搬出させる搬送システム6とにより主に構成される。処理システム5は、真空引き可能になされた移載室8と、ゲートバルブ10A〜10Dを介して連結された4つの処理チャンバ(処理室)12A〜12Dよりなり、各処理チャンバ12A〜12Dにおいて同種の或いは異種の熱処理をウエハWに対して施すようになっている。各処理チャンバ12A〜12D内には、ウエハWを載置するためのサセプタ14A〜14Dがそれぞれ設けられる。また、移載室8内には、屈伸及び旋回自在になされた移載アーム部16が設けられ、各処理チャンバ12A〜12D間や後述するロードロック室間とウエハWの受け渡しを行なうようになっている。
【0015】
一方、搬送システム6は、カセット容器を載置するカセットステージ18とウエハWを搬送して受け渡しを行なうための搬送アーム部20を移動させる搬送ステージ22よりなる。カセットステージ18には、容器載置台24が設けられ、ここに複数、図示例にあっては最大4つのカセット容器26A〜26Dを載置できるようになっている。各カセット容器26A〜26Dには、最大例えば25枚のウエハWを等間隔のピッチで多段に載置して収容できるようになっている。搬送ステージ22には中心部から長さ方向に沿って延びるリニアガイドレール28が設けられており、リニアモータ駆動ステージ34に支持される搬送アーム部20は、該リニアガイドレール28に沿って、磁石から発生する磁束をムービングコイルが高効率に変換して非接触で高速かつ高精度な直線運動を行うことが可能である。
【0016】
また、搬送ステージ22の他端には、ウエハの位置決めを行なう方向位置決め装置としてのオリエンタ36が設けられ、更に、搬送ステージ22の途中には、上記移載室8との間を連結するために真空引き可能になされた2つのロードロック室38A、38Bが設けられる。各ロードロック室38A、38B内には、ウエハWを載置する被搬送体載置台40A、40Bが設けられると共に、各ロードロック室38A、38Bの前後には、移載室8或いは搬送ステージ22へ連通するためのゲートバルブ42A、42B及び44A、44Bがそれぞれ設けられる。なお、基板処理装置2において、少なくとも移載アーム部16及び搬送アーム部20が搬送手段を構成する。
【0017】
基板処理装置2は、更に、処理システム5及び搬送システム6等の動作を制御するシステムコントローラと搬送ステージ22の一端に配置されたオペレーションコントローラ88を備える。
【0018】
オペレーションコントローラ88は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)からなる表示部や入力部等を有する。例えば、オペレーションコントローラ88は、基板処理装置2の各動作状況等を表示出力したり、タッチペン等を介した画面選択等の入力指示を受け付けたりする。
【0019】
図2は、第一の実施の形態におけるネットワーク構成例及びシステムコントローラの構成例を示す図である。図2において、システムコントローラは、EC(Equipment Controller)89と、2つのMC(Module Controller)90及び91と、EC89及び各MCを接続するスイッチングハブ93とを備える。
【0020】
EC89は、各MCを統括して基板処理装置2全体の動作を制御する主制御部(マスタ制御部)である。また、EC89は、CPU891、RAM892、HDD893等を有し、オペレーションコントローラ88においてユーザ等によって指定されたウエハWの処理方法、すなわち、レシピに対応するプログラムに応じてCPUが各MCに制御信号を送信することにより、処理システム5及び搬送システム6等の動作を制御する。また、本実施の形態において、EC89は、基板処理装置2における基板処理等を制御するソフトウェアのライセンス管理機能を実現する。ライセンス管理機能の詳細については後述する。
【0021】
スイッチングハブ93は、EC89からの制御信号に応じてEC89の接続先としてのMCを切り替える。
【0022】
MC90及び91は、それぞれ処理システム5及び搬送システム6の動作を制御する副制御部(スレーブ制御部)である。各MCは、DIST(Distribution)ボード96によってGHOSTネットワーク95を介してI/O(入出力)モジュール97又は98にそれぞれそれ接続される。GHOSTネットワーク95は、MCが有するMCボードに搭載されたGHOST(General High-Speed Optimum Scalable Transceiver)と称されるLSIによって実現されるネットワークである。GHOSTネットワーク95には、最大で31個のI/Oモジュールを接続可能であり、GHOSTネットワーク95では、MCがマスタに該当し、I/Oモジュールがスレーブに該当する。
【0023】
I/Oモジュール97は、処理システム5における各構成要素(以下、「エンドデバイス」という。)に接続された複数のI/O部100からなり、各エンドデバイスへの制御信号及び各エンドデバイスからの出力信号の伝達を行う。I/Oモジュール97においてI/O部100に接続されるエンドデバイスには、例えば、処理チャンバ12A〜12D等におけるアンモニアガス供給管のMFC、弗化水素ガス供給管のMFC、圧力ゲージ、APCバルブ、窒素ガス供給管のMFC、及び移載室8における移載アーム部16等が該当する。
【0024】
なお、I/Oモジュール98はI/Oモジュール97と同様の構成を有し、搬送システム6との接続関係も、上述したMC90及びI/Oモジュール97の接続関係と同様の構成であるため、これらの説明を省略する。
【0025】
また、各GHOSTネットワーク95には、I/O部100におけるデジタル信号、アナログ信号及びシリアル信号の入出力を制御するI/Oボード(図示しない)も接続される。
【0026】
基板処理装置2において、ウエハWに対して所定の処理を施す際には、当該所定の処理のレシピに対応するプログラムに応じてEC89のCPU897が、スイッチングハブ93、MC90、GHOSTネットワーク95及びI/Oモジュール97におけるI/O部100を介して所望のエンドデバイスに制御信号を送信することによって処理チャンバ12A等において当該所定の処理を実行する。
【0027】
図2のシステムコントローラでは、複数のエンドデバイスがEC89に直接接続されることなく、複数のエンドデバイスに接続されたI/O部100がモジュール化されてI/Oモジュールを構成し、該I/OモジュールがMC及びスイッチングハブ93を介してEC89に接続されるため、通信系統を簡素化することができる。
【0028】
また、EC89のCPU891が送信する制御信号には、所望のエンドデバイスに接続されたI/O部100のアドレス、及びI/O部100を含むI/Oモジュールのアドレスが含まれているため、スイッチングハブ93は制御信号におけるI/Oモジュールのアドレスを参照し、MCのGHOST制御信号におけるI/O部100のアドレスを参照することによって、スイッチングハブ93やMCがCPU891に制御信号の送信先の問いあわせを行う必要を無くすことができ、これにより、制御信号の円滑な伝達を実現することができる。
【0029】
システムコントローラは、EC89から工場内に施設されたLAN(Local Area Network)等のネットワーク170(有線又は無線の別は問わない)を介して、同じ工場内におけるライセンスキーサーバ60と接続されている。ライセンスキーサーバ60は、基板処理装置2に対してライセンスキーを提供するPC(Personal Computer)等のコンピュータである。ここで、ライセンスキーとは、基板処理装置2において動作するソフトウェアのライセンス(使用許可)を証明するデータをいう。すなわち、本実施の形態の基板処理装置2における所定のソフトウェアは、適切なライセンスキーが入力されるまでは、その機能の一部又は全部の利用が制限される。
【0030】
なお、システムコントローラは、ネットワーク170を介して、基板処理装置2が設置されている工場全体の製造工程を管理するMES(Manufacturing Execution System)と接続されていてもよい。MESは、システムコントローラと連携して工場における工程に関するリアルタイム情報を基幹業務(図示しない)にフィードバックすると共に、工場全体の負荷等を考慮して工程に関する判断を行う。
【0031】
ライセンスキーサーバ60について説明する。図3は、本発明の実施の形態におけるライセンスキーサーバのハードウェア構成例を示す図である。本実施の形態におけるライセンスキーサーバ60は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置600と、補助記憶装置602と、メモリ装置603と、CPU604と、インタフェース装置605と、表示装置606と、入力装置607と等を有するように構成される。
【0032】
ライセンスキーサーバ60での後述される機能を実現するプログラムは、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等の記録媒体601によって提供される。プログラムが記録された記録媒体601がドライブ装置600にセットされると、プログラムが記録媒体601からドライブ装置600を介して補助記憶装置602にインストールされる。なお、プログラムは記録媒体601からではなくネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0033】
補助記憶装置602は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。メモリ装置603は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置602からプログラムを読み出して格納する。CPU604は、メモリ装置603に格納されたプログラムに従ってライセンスキーサーバ60に係る機能を実行する。ここで、CPU604によって実行されるライセンスキーサーバ60に係る機能には、CPU604上で稼動しているライセンスキーサーバ60のOS(Operating System)等の処理の実行に基づくものも含まれる。更に、前記プログラムがライセンスキーサーバ60に挿入された各種機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのメモリ上のプログラムに基づき、各種機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が処理の一部又は全部を行い、その処理によって実現されるものも含まれる。
【0034】
なお、前記プログラムの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OSに供給されるスクリプトデータ等のいずれでもよい。
【0035】
インタフェース装置605はネットワーク170に接続するためのインタフェースとして用いられ、例えば、NIC(Network Interface Card)等が相当する。表示装置606はプログラムによるGUI等を表示する。入力装置607はキーボード及びマウス等で構成され、様々な操作指示を受け付けるために用いられる。
【0036】
ライセンスキーサーバ60におけるライセンスキーの提供機能と、基板処理装置2のEC89におけるライセンス管理機能とによって、基板処理装置2のライセンス管理システムが構成される。
【0037】
図4は、第一の実施の形態におけるライセンス管理システムを実現するためのライセンスキーサーバと基板処理装置との機能構成例を示す図である。
【0038】
図4において、ライセンスキーサーバ60は、初期設定部61、キー転送部62、ライセンス管理部63、更新要求受信部64、更新判定部65、ネットワーク接続判定部66、及び更新キー生成部67等より構成される。これらの各部は、ライセンスキーサーバ60にインストールされたプログラムがCPU604によって処理されることにより機能する。
【0039】
初期設定部61は、初期キー621の入力に基づいて、基板処理装置2におけるソフトウェアの機能制限を解除するための初期設定を行う。ここで、初期キー621とは、基板処理装置2におけるソフトウェアの使用を開始するために最初に入力されるライセンスキーをいい、基板処理装置2のメーカーにおいて生成されるのが好適である。
【0040】
本実施の形態において、初期キー621は、ライセンスキーサーバ60がネットワーク170に接続するために割り当てられたIPアドレス(キーサーバアドレス)と、基板処理装置2がネットワーク170に接続するために割り当てられたIPアドレス(装置アドレス)と、基板処理装置2のシリアル番号(装置シリアル番号)と、ライセンスキー(初期キー)を生成する日付(ライセンス日付)とに基づいて、所定のアルゴリズム(例えば、暗号化等、以下「キー生成アルゴリズム」という。)によって生成される。なお、キー生成アルゴリズムは、可逆な双方向のもの、すなわち、初期キー621よりその構成情報(キーサーバアドレス、装置アドレス、装置シリアル番号、ライセンス日付)が復元できるものである必要がある。また、キー生成アルゴリズムは、ユーザに対して秘密にされなければならない。
【0041】
初期キー621が、メーカーにおいて生成される場合、基板処理装置2のユーザは、キーサーバアドレス及び装置アドレスを決めた後、それらの値と装置シリアル番号とをメーカーに対して電子メール又は郵便等によって通知する。メーカーは、通知された情報に基づいて初期キー621をキー生成アルゴリムを用いて生成し、生成された初期キー621をCD−ROMやフロッピー(登録商標)ディスク等の記録媒体によって、又はネットワークを介してユーザに配布する。なお、初期キー621のライセンスキーサーバ60への入力は、メーカーの作業員に限られず、ユーザによって行われてもよい。
【0042】
初期設定部61は、初期キー621の入力に基づく初期設定処理として、初期キー621を解読(解析)し、初期キー621に含まれている装置アドレスと装置シリアル番号とをライセンス管理部63に保存させる。初期設定部61は、更に、初期キーの基板処理装置2への転送をキー転送部62に指示する。
【0043】
ライセンス管理部63は、ソフトウェアの使用許諾の対象とされた基板処理装置2を一意に識別するための装置固有情報を管理する。本実施の形態では、装置アドレス及び装置シリアル番号、又はいずれか一方が装置固有情報に該当する。なお、ライセンス管理部63は、装置固有情報を暗号化等して管理することが好ましい。悪意の持ったユーザによって装置固有情報が書き換えられることにより、使用許諾されていない基板処理装置2に対する機能制限が不正に解除されるのを防止するためである。
【0044】
更新要求受信部64は、初期キー等のライセンスキーの有効期限が切れる際に、ライセンスキーの更新要求を基板処理装置2より受信する。ライセンスキーの更新要求には、装置固有情報が含まれている。すなわち、本実施の形態において、初期キー等のライセンスキーは有効期限が定めされており、ライセンスキーが定期的に更新されることにより、基板処理装置2におけるソフトウェアの使用許諾が維持される。
【0045】
更新判定部65は、ライセンスキーの更新要求元が、使用許諾されている基板処理装置2であるか否かを調べると共に、当該ライセンスキーサーバ60がネットワーク170に正常に接続されているか否かをネットワーク接続判定部66に調べさせることで、ライセンスキーの更新の許否判定を行う。
【0046】
更新キー生成部67は、ライセンスキーの更新が許可された場合に、ライセンス期間を更新するためのライセンスキー(以下「更新キー」という。)を生成する。更新キーは、初期キーと同様に、キーサーバアドレス、装置アドレス、装置シリアル番号、ライセンス日付に基づいて、キー生成アルゴリズムによって生成される。但し、キーサーバアドレスは、更新キーの生成時にライセンスキーサーバ60に設定されている現在値(キーサーバアドレス622)が用いられる。また、装置アドレス及び装置シリアル番号は、ライセンス管理部63に管理されているものが用いられる。更に、ライセンス日付は、更新キーの生成時にライセンスキーサーバ60のタイマーが示す日付(現在日付623)が用いられる。更新キー生成部67は、更新キーを生成すると、当該更新キーの基板処理装置2への転送をキー転送部62に指示する。
【0047】
キー転送部62は、初期キーや更新キーを基板処理装置2へ転送する。
【0048】
一方、図4において、基板処理装置2は、キー受信部81、キー解析部82、ライセンス判定部83、期限管理部84、及びキー更新部85等より構成される。これらの各部は、EC89のHDD893又は非図示のROM等に格納されたプログラムがCPU891によって処理されることにより機能する。プログラムは、例えばCD−ROM894(図2)等の記録媒体やネットワーク等を介してインストールしてもよいし、出荷時に予め組み込まれていてもよい。
【0049】
キー受信部81は、ライセンスキーサーバ60より転送されるライセンスキー(初期キー621又は更新キー)を受信する。
【0050】
キー解析部82は、受信されたライセンスキーを解読し、当該ライセンスキーに含まれているキーサーバアドレス、装置アドレス、装置シリアル番号、ライセンス日付を抽出する。キー解析部82は、初期キー621が受信された場合は、キーサーバアドレスの初期値を所定の記憶領域にキーサーバアドレス802として保存する。キー解析部82は、また、ライセンスキーが受信されるたびに、抽出されたライセンス日付によってライセンス日付801を更新する。
【0051】
ライセンス判定部83は、受信されたライセンスキーより抽出された情報、初期値として保存されているキーサーバアドレス802、現在値の装置アドレス803、及び基板処理装置2の出荷時等に非図示のROM等に予め保存されている装置シリアル番号804等に基づいてライセンスキーの正当性を判定する。ライセンスキーが不正なものであると判定された場合、ライセンス判定部83は、機能制限フラグ806をONにする。機能制限フラグ806とは、基板処理装置2におけるソフトウェアの一部又は全部の機能の利用を制限するためのフラグ情報である。すなわち、基板処理装置20の各機能を制御するソフトウェアであって、ライセンス契約により使用許諾が必要とされるソフトウェアは、当該機能の実行が要求された際に機能制限フラグ806を参照する。当該ソフトウェアは、機能制限フラグ806がOFFの場合はその機能を実行し、ONの場合はその実行を拒否する。
【0052】
期限管理部84は、ライセンスキーが受信されたときからの相対的な時間の経過を管理することにより、ライセンスキーの有効期限の満了を検知する。期限管理部84は、例えば、ライセンスカウンタ805を用いてライセンスキーの有効期限の満了を検知する。ライセンスカウンタ805は、ライセンスキーが受信された際に初期化され、そのご単位時間ごと(例えば、1日ごと)にインクリメントされるカウンタである。期間管理部84は、カウンタの値がライセンスキーの有効期限を示す値に達したとき、又はライセンスキーの有効期限の所期間内の値に達したとき、キー更新部85に対してライセンスキーの更新を指示する。なお、タイマーによる絶対的な日付ではなく相対値であるライセンスカウンタ805によって有効期限を管理することで、基板処理装置2のタイマーの日付の変更によるライセンスキーの有効期限の不正な延長を防止することができる。
【0053】
キー更新部85は、期限管理部84からの要求に応じて、ライセンスキーの更新要求を基板処理装置2に送信する。
【0054】
なお、図4では、ライセンスキーサーバ60と基板処理装置2とが一対一の関係で示されているが、一台のライセンスキーサーバ60が、複数台の基板処理装置2に対してライセンスキーを提供ようにしてもよい。
【0055】
以下、図4のライセンスキーサーバ60及び基板処理装置2の処理手順について説明する。以下の処理は、ライセンスキーサーバ60又は基板処理装置2のEC89にインストールされたプログラムが、ライセンスキーサーバ60のCPU604又はEC89のCPU891によって処理されることにより実現される。
【0056】
図5は、初期キー入力時のライセンスキーサーバにおける初期設定処理の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0057】
ステップS101において、基板処理装置2のユーザ又はメーカーから派遣された作業員等が、メーカーより配布された初期キー621をライセンスキーサーバ60に入力する。初期キー621の入力に応じ、初期設定部61は、例えば、キー生成アルゴリズムの逆演算等による所定のアルゴリズム(以下、「キー解読アルゴリズム」という。)によって初期キー621よりキーサーバアドレス、装置アドレス、装置シリアル番号、及びライセンス日付等を解読する。上述したように、ここで解読されたキーサーバアドレス、装置アドレス、及び装置シリアル番号は、予めユーザからメーカーに対して通知されたものである。
【0058】
続いて、初期設定部61は、初期キー621より解読された情報のうち、少なくとも装置固有情報としての装置アドレス及び装置シリアル番号をライセンス管理部63に保存する(S103)。続いて、初期設定部61が、初期キー621をキー転送部62に出力すると、キー転送部62は、ネットワーク170を介して基板処理装置2に初期キー621を転送する(S104)。
【0059】
次に、初期キー621の転送を受けた基板処理装置2における処理手順について説明する。図6は、初期キー受信時の基板処理装置における処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0060】
キー受信部81は、ライセンスキーサーバ60より転送された初期キー621の解析をキー解析部82に要求する(S201)。キー解析部82は、キー解読アルゴリズムによって初期キー621よりキーサーバアドレス、装置アドレス、装置シリアル番号、及びライセンス日付等を解読する(S202)。
【0061】
続いて、ライセンス判定部83は、解読された装置固有情報等に基づいて初期キー621の正当性を判定する。すなわち、解読された装置アドレスと現在の(現在基板処理装置2に設定されている)装置アドレス803とが一致し(S203でYes)、かつ、解読された装置シリアル番号と予め基板処理装置2内に保存されている装置シリアル番号804とが一致した場合は(S204でYes)、当該初期キー621は、当該基板処理装置2に対して発行されたものあるため、正当なものと判定する。
【0062】
初期キー621の正当性が認められた場合、ライセンス判定部83は、ライセンスカウンタ805を初期化し(例えば、ライセンスカウンタの値を「0」にする。)(S205)、更に、機能制限フラグ806をOFFにする(S206)。したがって、この場合、初期キー621の有効期限内は、基板処理装置2におけるソフトウェアの機能は制限されることなく利用可能となる。
【0063】
続いて、キー解析部83は、初期キー621の正当性が認められたことを受け、初期キー621より解読されたキーサーバアドレスを初期値のキーサーバアドレス802として、また、解読されたライセンス日付をライセンス日付801として保存する(S207)。
【0064】
一方、装置アドレス及び装置シリアル番号のうち少なくともいずれか一方が異なる場合(S203又はS204でNo)、ライセンス判定部83は、当該初期キー621は、不正なものとして機能制限フラグ806をONにする(S208)。したがって、この場合、基板処理装置2におけるソフトウェアの一部又は全部の機能の利用は制限される。
【0065】
次に、初期キー621又は更新キー等のライセンスキーの有効期限が切れる際に、基板処理装置2において実行されるライセンスの更新処理の処理手順について説明する。図7は、基板処理装置におけるライセンスの更新処理の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0066】
期限管理部84は、ライセンスキーの有効期限内の間、所定の単位時間ごとに(例えば、1日ごと)ライセンスカウンタ805をインクリメントし(S301)、ライセンスカウンタ805の値を有効期限を示す値と比較する(S302)。ライセンスキーの有効期限は、運用に応じて適宜定めればよい。例えば、ライセンスカウンタ805が一日ごとにインクリメントされる場合に、ライセンスキーの有効期限が一年の場合は、当該有効期限を示す値は「365」となる。
【0067】
ライセンスカウンタ805の値が有効期限を示す値又は有効期限から所定期間内を示す値に達すると(S302でNo)、期限管理部84は、その旨をキー更新部85に通知する。当該通知に基づいてキー更新部85は、ライセンスキーサーバ60に対してライセンスキーの更新要求を送信する(S303)。なお、ライセンスキーの更新要求には、現在の装置アドレス803と、装置シリアル番号804とが添付される。ライセンスキーの更新要求の送信後、キー更新部85は、キー受信部81によって更新キーが受信されるのまでの所定期間待機する。
【0068】
キー受信部81は、ライセンスキーサーバより更新キーを受信すると(S304でYes)、その旨をキー更新部85に通知すると共に、受信した更新キーをキー解析部82に出力する。キー受信部81からの通知により、キー更新部85の待機状態は解除される。
【0069】
キー解析部82は、キー解読アルゴリズムによって更新キーよりキーサーバアドレス、装置アドレス、装置シリアル番号、及びライセンス日付等を解読する(S305)。
【0070】
続いて、ライセンス判定部83は、更新キーの正当性を判定する。すなわち、ライセンス判定部83は、解読されたキーサーバアドレス(現在のライセンスキーサーバ60のIPアドレス)と、初期値のキーサーバアドレス802(すなわち、初期キー621に含まれていたキーサーバアドレス)とを比較することにより、ライセンスキーサーバ60がネットワーク上移動されたか否かを判定する(S306)。両者が一致すれば、ライセンスキーサーバ60は、ライセンス期間内に移動されていないと判定する。両者が異なれば、ライセンスキーサーバ60は移動されたものと判定する。
【0071】
両者が一致する場合(S306でYes)、ライセンス判定部83は、解読された装置アドレス(すなわち、初期キー621に含まれていた装置アドレス)と現在の装置アドレス803とを比較することにより、当該更新キーが当該基板処理装置2に対するものであるか否か、及び当該基板処理装置2がネットワーク上移動されたか否かを判定する(S307)。両者が一致すれば、当該更新キーは当該基板処理装置2に対するものであり、かつ、基板処理装置2は移動されていないと判定する。両者が異なれば、当該更新キーは当該基板処理装置2に対するものでないか、又は当該基板処理装置2が移動されたものと判定する。
【0072】
両者が一致する場合(S307でYes)、ライセンス判定部83は、解読された装置シリアル番号(すなわち、初期キー621に含まれていた装置アドレス)と予め基板処理装置2内に保存されている装置シリアル番号804とを比較することにより、当該更新キーが確かに当該基板処理装置2に対するものであるか否かを判定する。両者が一致すれば、当該更新キーは当該基板処理装置2に対するものであると判定する。両者が異なれば、当該更新キーは当該基板処理装置2に対するものでないと判定する。
【0073】
ステップS306からS308までの判定において、各比較値が一致する場合、更新キーは正当なものであると判定される。したがって、この場合、ライセンス判定部83によってライセンスカウンタが初期化され(S309)、キー解析部82によってライセンス日付801が、解読された値に更新される(S310)。ライセンスカウンタが初期化されることにより、ライセンス期間は延長され、引き続きステップS301以降の処理が実行される。
【0074】
一方、ライセンスキーの更新要求後、所定期間待機しても更新キーが受信されない場合(タイムアウトの場合)(S304でNo)、キー更新部85は、機能制限フラグ806をONにする(S308)。また、ライセンス判定部83によってライセンスキーが不正なものであると判定された場合(S306〜S308のいずれかでNoの場合)、ライセンス判定部83は機能制限フラグ806をONにする。したがって、この場合、基板処理装置2におけるソフトウェアの一部又は全部の機能の利用は制限される。
【0075】
次に、基板処理装置2よりライセンスキーの更新要求を受けた際のライセンスキーサーバ60における処理手順について説明する。図8は、ライセンスキーサーバにおけるライセンスキーの更新処理を説明するためのフローチャートである。
【0076】
更新要求受信部64は、基板処理装置2のキー更新部85よりライセンスキーの更新要求を受信すると、当該更新要求に含まれている装置シリアル番号804と現在の装置アドレス803とを更新判定部65に出力する(S401)。
【0077】
更新判定部65は、受け取った装置シリアル番号804と装置アドレス803との組うぃ、ライセンス管理部63に保存されている装置シリアル番号及び装置アドレスの組と比較することにより、ライセンスキーの更新要求元がライセンスキーが発行されている基板処理装置2であるか否かを判定する(S402)。装置シリアル番号804と装置アドレス803との組が、ライセンス管理部63に管理されている一覧に含まれていない場合(S402)、更新判定部65は、更新要求元はライセンス対象ではないとして、その後の処理を中止する。したがって、この場合、更新キーの発行は行われない。なお、ここで、装置シリアル番号804が、ライセンス管理部63に保存されている値に一致する場合に、装置アドレス803のみが異なる場合は、基板処理装置2がネットワーク上移動された蓋然性が認められる。したがって、ステップS402においても、基板処理装置2の移動は検出され得る。
【0078】
装置シリアル番号804と装置アドレス803との組が、ライセンス管理部63に保存されている一覧の中に含まれている場合、更新判定部65は、ネットワーク接続判定部66に対して、ライセンスキーサーバ60がネットワーク170に接続されているか否かを確認させる(S403)。ネットワーク170への接続確認は、例えば、pingコマンドを発行すること等により行えばよい。ネットワーク170への接続確認の意義については後述する。
【0079】
ライセンスキーサーバ60はネットワーク170に接続されていないと判定された場合(S403でNo)、更新判定部65は、その後の処理を中止する。したがって、この場合、更新キーの発行は行われない。一方、ライセンスキーサーバ60はネットワーク170に接続されていると判定された場合(S403でYes)、更新判定部65は、更新キー生成部67に更新キーの生成を要求する。
【0080】
更新キー生成部67は、現在のキーサーバアドレス622と、現在日付623と、ライセンス管理部63に保存されている更新要求対象とされている基板処理装置2に係る装置シリアル番号及び装置アドレスとに基づいて、キー生成アルゴリズムを用いて更新キーを生成する(S404)。生成された更新キーはキー転送部62によって、基板処理装置2に転送される(S405)。更新キーの送信に応じ、基板処理装置2では、図7のステップS305以降の処理が実行される。
【0081】
上述したように、第一の実施の形態におけるライセンス管理システムによれば、基板処理装置2が転売等によって移設された場合であっても、当該基板処理装置2において動作するソフトウェアの不正使用を効果的に制限することができる。
【0082】
すなわち、ユーザが、基板処理装置2におけるソフトウェアの使用を継続したい場合、ライセンスキーサーバ60がネットワークを介して接続されていなければならない。ライセンスキーサーバ60が接続されていなければ、更新キーが提供されないからである。そこで、ユーザが、基板処理装置2とライセンスキーサーバ60とを一緒に転売し、移設しようとしたとする。しかし、この場合、キーサーバアドレス622のIPアドレスは、移設先のネットワークに対応するものに変更されなければならない。その結果、更新キーに含まれるキーサーバアドレス622と、基板処理装置2に保存されている初期値のキーサーバアドレス802とが一致せず(図7のS306でNo)、機能制限フラグはONにされる。なお、移設後のキーサーバアドレス622と、初期値のキーサーバアドレス802との不一致を避けるために、キーサーバアドレス622の値を変更しないままにしておくのは困難である。更新キーの生成時には、ネットワーク接続部66によりライセンスキーサーバ60がネットワークに接続されていることが確認されるところ(図8のS403)、キーサーバアドレスが変更されないままでは、移設先のネットワークに正常に接続できないからである。
【0083】
また、基板処理装置2だけが転売され、移設された場合に、ライセンスキーサーバ60と基板処理装置2との接続がインターネット等を介して維持されたとしても、基板処理装置2のソフトウェアの使用は制限され得る。すなわち、移設により装置アドレスも移設先のネットワークに対応したものに変更されなければならない。その結果、基板処理装置2からのライセンスキーの更新要求に含まれる装置アドレス803の値は、ライセンス管理部63に管理されている装置アドレスの値と一致しなくなる。したがって、更新判定部65によって更新キーの生成が中止される(図8のS403)。なお、更新判定部65によるチェックが行われなくても、基板処理装置2の移設の検出は可能である。すなわち、基板処理装置2からのライセンスキーの更新要求の際に、更新判定部65によるチェックが行われず、要求されるままに更新キーが生成され、基板処理装置2に転送されたとしても、基板処理装置2のライセンス判定部83によって、更新キーに含まれている装置アドレスと現在の装置アドレス803の不一致が検出されるからである(図7のS307)。
【0084】
更に、基板処理装置2におけるライセンスキーの正当性の確認の際に、装置固有情報の確認も行われるため(S307、S308)、以上のようなライセンス管理を基板処理装置2ごとに行うことが可能である。なお、各基板処理装置2を特定するための情報として、第一の実施の形態では、装置アドレス及び装置シリアル番号を用いたが、いずれか一方のみを用いてもよい。但し、両者を用いることにより信頼性を高めることができる。
【0085】
次に、第二の実施の形態について説明する。図9は、第二の実施の形態におけるネットワーク構成例及びシステムコントローラの構成例を示す図である。図9中、図2と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0086】
図9において、ライセンスキーサーバ60は、ネットワークとの接続口(インタフェース装置605)を少なくとも二つ有している(例えば、少なくとも2枚のNICが装着されている。)。一つは、ネットワーク170に直接接続されており、一つは、基板処理装置2のEC89と接続されている。すなわち、第二の実施の形態は、基板処理装置2が、ネットワーク170に直接接続されていない場合を例としたものである。セキュリティ上の観点より基板処理装置2を直接ネットワーク170に接続したくないというユーザにおいてこのような構成例が考えられる。なお、一台のライセンスキーサーバ60に複数の基板処理装置2を接続する場合は、両者の間にスイッチングハブ80を介在させてもよい。その他、ライセンスキーサーバ60と基板処理装置2が同じ工場内にある点、基板処理装置2の概略構成例(図1)、ライセンスキーサーバ60のハードウェア構成例(図3)、及びライセンス管理システムを実現するためのライセンスキーサーバ60と基板処理装置2との機能構成例(図4)は、第一の実施の形態と同様でよい。
【0087】
また、第二の実施の形態において、ライセンスキーサーバ60及び基板処理装置2のそれぞれにおいて行われる処理は、第一の実施の形態において説明したもの(図5、図6、図7、及び図8)と同様でよい。
【0088】
基板処理装置2はネットワーク170に直接接続されていないため、そのIPアドレス(装置アドレス)は、ネットワーク170に対応させる必要はない。そこで、装置アドレスは、基板処理装置2のメーカーから指定された固定のアドレスを設定するように制限を設け、メーカーでは、当該固定のアドレスに基づいて初期キー621を生成するようにしてもよい。または、ユーザが任意に設定したIPアドレスを、初期キーの発行要求に伴って申請させ、そのIPアドレスに基づいて初期キー621を生成するようにしてもよい。いずれの場合であっても、基板処理装置2のみを転売により移設しようとした場合、当該基板処理装置2とライセンスキーサーバ60との接続を維持するためには、基板処理装置2を移設先のネットワークに接続せざるをえず、その場合、装置アドレス803は変更せざるをえない。したがって、この場合、機能制限フラグ806はONとされ、ソフトウェアの不正使用は効果的に制限される。
【0089】
なお、ライセンスキーサーバ60も共に転売により移設する場合は、キーサーバアドレス622を変更せざるをえない。したがって、この場合も、機能制限フラグ806はONとされ、フトウェアの不正使用は効果的に制限される。
【0090】
次に、第三の実施の形態について説明する。図10は、第三の実施の形態におけるネットワーク構成例及びシステムコントローラの構成例を示す図である。図10中、図2と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0091】
図10にいて、ライセンスキーサーバ60は、インターネット等の広域ネットワーク180を介して基板処理装置2と接続されている。基板処理装置2は、ネットワーク170を介して広域ネットワーク180と接続している。第三の実施の形態は、ライセンスキーサーバ60が、基板処理装置2のメーカー側に設置されている場合等に考えられる構成例である。基板処理装置2の概略構成例(図1)、ライセンスキーサーバ60のハードウェア構成例(図3)、及びライセンス管理システムを実現するためのライセンスキーサーバ60と基板処理装置2との機能構成例(図4)は、第一の実施の形態と同様でよい。
【0092】
また、第三の実施の形態において、ライセンスキーサーバ60及び基板処理装置2のそれぞれにおいて行われる処理は、第一の実施の形態において説明したもの(図5、図6、図7、及び図8)と基本的に同様でよい。
【0093】
但し、ライセンスキーサーバ60が、メーカー側に設置されている場合であって、初期設定がメーカー側の作業員によって行われることが保証される場合は、初期設定の際に初期キー621を入力するのではなく、キーサーバアドレス、装置アドレス、装置シリアル番号、及びライセンス日付を入力するようにし、その入力に応じてライセンスキーサーバ60が初期キーを生成するようにしてもよい。
【0094】
また、第三の実施の形態では、基板処理装置2と共にライセンスキーサーバ60が転売されるおそれはないが、基板処理装置2のみが転売される可能性がある。この場合は移設に伴って、基板処理装置2の装置アドレスは、初期キーを生成する際の装置アドレスと異なるものに変更せざるを得ないため、機能制限フラグがONとなり、ソフトウェアの不正使用は制限される。
【0095】
ところで、上記第一から第三の実施の形態における基板処理装置2は、例えば、図11や図12に示されるように構成されていてもよい。図11は、本発明の実施の形態における第二の基板処理装置の概略構成例を示す図である。図11中、図1と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0096】
図1における基板処理装置2と図11における基板処理装置3とについて大きく異なる点は、基板処理装置2が4つの処理チャンバ(12A〜12D)を有しているのに対し、基板処理装置3は6つの処理チャンバ(12A〜12F)を有している点である。また、移載室8の構成についても異なり、基板処理装置3における移動アーム部16は、レール17A及び17Bに沿った直進運動とアームの起点を中心とした回転運動とによってウエハWを搬送する。
【0097】
なお、基板処理装置3におけるEC89の処理は、基板処理装置2の場合と同様である。
【0098】
また、図12は、本発明の実施の形態における第三の基板処理装置の概略構成例を示す図である。
【0099】
図12において基板処理装置4は、ウエハWに反応性イオンエッチング(以下、「RIE」という。)処理を施す第1のプロセスシップ211と、第1のプロセスシップ211と平行に配置され、第1のプロセスシップ211においてRIE処理が施されたウエハWにCOR(Chemical Oxide Removal)処理及びPHT(Post Heat Treatment)処理を施す第2のプロセスシップ212と、第1のプロセスシップ211及び第2のプロセスシップ212がそれぞれ接続された矩形状の共通搬送室としてのローダーユニット213とを備える。
【0100】
ローダーユニット213には、第1のプロセスシップ211及び第2のプロセスシップ212の他、25枚のウエハWを収容する容器としてのフープ(Front Opening Unified Pod)214がそれぞれ載置される3つのフープ載置台215と、フープ214から搬出されたウエハWの位置決めを行うオリエンタ216と、ウエハWの表面状態を計測する第1及び第2のIMS(Integrated Metrology System、Therma‐Wave,Inc.)217,218とが接続されている。
【0101】
第1のプロセスシップ211及び第2のプロセスシップ212は、ローダーユニット213の長手方向における側壁に接続されると共にローダーユニット213を挟んで3つのフープ載置台215と対向するように配置され、オリエンタ216はローダーユニット213の長手方向に関する一端に配置され、第1のIMS217はローダーユニット213の長手方向に関する他端に配置され、第2のIMS218は3つのフープ載置台215と並列に配置される。
【0102】
ローダーユニット213は、内部に配置された、ウエハWを搬送するスカラ型デュアルアームタイプの搬送アーム機構219と、各フープ載置台215に対応するように側壁に配置されたウエハWの投入口としての3つのロードポート220とを有する。搬送アーム機構219は、フープ載置台215に載置されたフープ214からウエハWをロードポート220経由で取り出し、取り出したウエハWを第1のプロセスシップ211、第2のプロセスシップ212、オリエンタ216、第1のIMS217や第2のIMS218へ搬出入する。
【0103】
第1のIMS217は光学系のモニタであり、搬入されたウエハWを載置する載置台221と、載置台221に載置されたウエハWを指向する光学センサ222とを有し、ウエハWの表面形状、例えば、表面層の膜厚、及び配線溝やゲート電極等のCD(Critical Dimension)値を測定する。第2のIMS218も光学系のモニタであり、第1のIMS217と同様に、載置台223と光学センサ224とを有し、ウエハWの表面におけるパーティクル数を計測する。
【0104】
第1のプロセスシップ211は、ウエハWにRIE処理を施す第1の真空処理室としての第1のプロセスユニット225と、該第1のプロセスユニット225にウエハWを受け渡すリンク型シングルピックタイプの第1の搬送アーム226を内蔵する第1のロード・ロックユニット227とを有する。
【0105】
第1のプロセスユニット225は、円筒状の処理室チャンバ(処理室)と、処理チャンバ内に配置された上部電極及び下部電極を有する。上部電極及び下部電極の間の距離はウエハWにRIE処理を施すための適切な間隔に設定されている。また、下部電極はウエハWをクーロン力等によってチャックするESC228をその頂部に有する。
【0106】
第1のプロセスユニット225では、チャンバ内部に処理ガスを導入し、上部電極及び下部電極間に電界を発生させることによって導入された処理ガスをプラズマ化してイオン及びラジカルを発生させ、該イオン及びラジカルによってウエハWにRIE処理を施す。
【0107】
第1のプロセスシップ211では、ローダーユニット213の内部圧力は大気圧に維持される一方、第1のプロセスユニット225の内部圧力は真空に維持される。そのため第1のロード・ロックユニット227は、第1のプロセスユニット225との連結部に真空ゲートバルブ229を備えると共に、ローダーユニット213との連結部に大気ゲートバルブ230を備えることによって、その内部圧力を調整可能な真空予備搬送室として構成される。
【0108】
第1のロード・ロックユニット227の内部には、略中央部に第1の搬送アーム226が設置され、該第1の搬送アーム226より第1のプロセスユニット225側に第1のバッファ231が設置され、第1の搬送アーム226よりローダーユニット213側には第2のバッファ232が設置される。第1のバッファ231及び第2のバッファ232は、第1の搬送アーム226の先端部に配置されたウエハWを支持する支持部(ピック)233が移動する軌道上に配置され、RIE処理が施されたウエハWを一時的に支持部233の軌道の上方に待避させることにより、RIE未処理のウエハWとRIE処理済みのウエハWとの第1のプロセスユニット225における円滑な入れ換えを可能とする。
【0109】
第2のプロセスシップ212は、ウエハWにCOR処理を施す第2の真空処理室としての第2のプロセスユニット234と、該第2のプロセスユニット234に真空ゲートバルブ35を介して接続された、ウエハWにPHT処理を施す第3の真空処理室としての第3のプロセスユニット236と、第2のプロセスユニット234及び第2のプロセスユニット236にウエハWを受け渡すリンク型シングルピックタイプの第2の搬送アーム237を内蔵する第2のロード・ロックユニット249とを有する。
【0110】
図13は、第2のプロセスユニットの断面図である。図13(A)は図12における線||−||に沿う断面図であり、図13(B)は図13(A)におけるA部の拡大図である。
【0111】
図13(A)において、第2のプロセスユニット234は、円筒状の処理チャンバ238と、処理チャンバ238内に配置されたウエハWの載置台としてのESC239と、処理チャンバ238の上方に配置されたシャワーヘッド240と、処理チャンバ238内のガス等を排気するTMP(Turbo Molecular Pump)241と、処理チャンバ238及びTMP241の間に配置され、処理チャンバ238内の圧力を制御する可変式バタフライバルブとしてのAPC(Automatic Pressure Control)バルブ242とを有する。
【0112】
ESC239は、内部に直流電圧が印加される電極板(図示しない)を有し、 直流電圧により発生するクーロン力又はジョンソン・ラーベック(Johnsen−Rahbek)力によってウエハWを吸着して保持する。また、ESC239は、その上面から突出自在なリフトビンとしての複数のプッシャーピン256を有し、これらのプッシャーピン256は、ウエハWがESC239に吸着保持されるときにはESC239に収容され、COR処理が施されたウエハWを処理チャンバ238から搬出するときには、ESC239の上面から突出してウエハWを上方へ持ち上げる。
【0113】
シャワーヘッド240は2層構造を有し、下層部243及び上層部244のそれぞれに第1のバッファ室245及び第2のバッファ室246を有する。第1のバッファ室245及び第2のバッファ室246はそれぞれガス通気孔247,248を介して処理チャンバ238内に連通する。ウエハWにCOR処理を施す際、第1のバッファ室245にはNH(アンモニア)ガスが後述するアンモニアガス供給管257から供給され、該供給されたアンモニアガスはガス通気孔247を介して処理チャンバ238内へ供給されると共に、第2のバッファ室246にはHF(弗化水素)ガスが後述する弗化水素ガス供給管258から供給され、該供給された弗化水業ガスはガス通気孔248を介して処理チャンバ238内へ供給される。
【0114】
また、図13(B)に示すように、ガス通気孔247,248における処理チャンバ238内への開口部は末広がり状に形成される。これにより、アンモニアガスや弗化水素ガスを処理チャンバ238内へ効率よく拡散することができる。さらに、ガス通気孔247,248は断面がくびれ形状を呈するので、処理チャンバ238で発生した堆積物がガス通気孔247,248、引いては、第1のバッファ室245や第2のバッファ室246へ逆流するのを防止することができる。なお、ガス通気孔247,248は螺旋状の通気孔であってもよい。
【0115】
この第2のプロセスユニット234は、処理チャンバ238内の圧力と、アンモニアガス及び弗化水素ガスの体積流量比を調整することによってウエハWにCOR処理を施す。
【0116】
図12に戻り、第3のプロセスユニット236は、筐体状の処理チャンバ250と、処理チャンバ250内に配置されたウエハWの載置台としてのステージヒータ251と、ステージヒータ251の上部に配置され、搬送シーケンスを調整するために一時的にウエハWを載置するためのバッファアーム252とを有する。
【0117】
ステージヒータ251は、表面に酸化皮膜が形成されたアルミからなり、内蔵された電熱線等によって載置されたウエハWを所定の温度まで加熱する。バッファアーム252は、COR処理が施されたウエハWを一時的に第2の搬送アーム237における支持部253の軌道の上方に待避させることにより、第2のプロセスユニット234や第3のプロセスユニット236におけるウエハWの円滑な入れ換えを可能とする。
【0118】
この第3のプロセスユニット236は、ウエハWの温度を調整することによってウエハWにPHT処理を施す。
【0119】
第2のロード・ロックユニット249は、第2の搬送アーム237を内蔵する筐体状の搬送室270を有する。また、ローダーユニット213の内部圧力は大気圧に維持される一方、第2のプロセスユニット234及び第3のプロセスユニット236の内部圧力は真空に維持される。モのため、第2のロード・ロックユニット249は、第3のプロセスユニット236との連結部に真空ゲートバルブ254を備えると共に、ローダーユニット213との連結部に大気ドアバルブ255を備えることによって、その内部圧力を調整可能な真空予備搬送室として構成される。
【0120】
図14は、第2のプロセスシップの概略購成を示す斜視図である。
【0121】
図14において、第2のプロセスユニット234は、第1のバッファ室245へアンモニアガスを供給するアンモニアガス供給管257と、第2のバッファ室246へ弗化水素ガスを供給する弗化水素ガス供給管258と、処理チャンバ238内の圧力を測定する圧力ゲージ259と、ESC239内に配設された冷却系統に冷媒を供給するチラーユニット260とを備える。
【0122】
アンモニアガス供給管257にはMFC(Mass Flow Controller)(図示しない)が設けられ、該MFCは第1のバッファ室245へ供給するアンモニアガスの流量を調整すると共に、弗化水素ガス供給管258にもMFC(図示しない)が設けられ、該MFCは第2のバッファ室246へ供給する弗化水素ガスの流量を調整する。アンモニアガス供給管257のMFCと弗化水素ガス供給管258のMFCは協働して、処理チャンバ238へ供給されるアンモニアガスと弗化水素ガスの体積流量比を調整する。
【0123】
また、第2のプロセスユニット234の下方には、DP(Dry Pump)(図示しない)に接続された第2のプロセスユニット排気系261が配置される。第2のプロセスユニット排気系261は、処理チャンバ238とAPCバルブ242の間に配設された排気ダクト262と連通する排気管263と、TMP241の下方(排気側)に接続された排気管264とを有し、処理チャンバ238内のガス等を排気する。なお、排気管264はDPの手前において排気管263に接続される。
【0124】
第3のプロセスユニット236は、処理チャンバ250へ窒素(N)ガスを供給する窒素ガス供給管265と、処理チャンバ250内の圧力を測定する圧力ゲージ266と、処理チャンバ250内の窒素ガス等を排気する第3のプロセスユニット排気系267とを備える。
【0125】
窒素ガス供給管265にはMFC(図示しない)が設けられ、該MFCは処理チャンバ250へ供給される窒素ガスの流量を調整する。第3のプロセスユニット排気系267は、処理チャンバ250に連通すると共にDPに接続された本排気管268と、本排気管268の途中に配されたAPCバルブ269と、本排気管268からAPCバルブ269を回避するように分岐し、且つDPの手前において本排気管268に接続される副排気管268aとを有する。APCバルブ269は、処理チャンバ250内の圧力を制御する。
【0126】
第2のロード・ロックユニット249は、搬送室270へ窒素ガスを供給する窒素ガス供給管271と、搬送室270内の圧力を測定する圧力ゲージ272と、搬送室270内の窒素ガス等を排気する第2のロード・ロックユニット排気系273と、搬送室270内を大気開放する大気連通管274とを備える。
【0127】
窒素ガス供給管271にはMFC(図示しない)が設けられ、該MFCは搬送室270へ供給される窒素ガスの流量を調整する。第2のロード・ロックユニット排気系273は1本の排気管からなり、該排気管は搬送室270に連通すると共に、DPの手前において第3のプロセスユニット排気系267における本排気管268に接続される。また、第2のロード・ロックユニット排気系273及び大気連通管274はそれぞれ開閉自在な排気バルブ275及びリリーフバルブ276を有し、該排気バルブ275及びリリーフバルブ276は協働して搬送室270内の圧力を大気圧から所望の真空度までのいずれかに調整する,
図15は、第2のロード・ロックユニットのユニット駆動用ドライエア供給系の概略構成を示す図である。
【0128】
図15において、第2のロード・ロックユニット249のユニット駆動用ドライエア供給系277のドライエア供給先としては、大気ドアバルブ255が有するスライドドア駆動用のドアバルブシリンダ、Nパージユニットとしての窒素ガス供給管271が有するMFC、大気開放用のリリーフユニットとしての大気連通管274が有するリリーフバルブ276、真空引きユニットとしての第2のロード・ロックユニット排気系273が有する排気バルブ275、及び真空ゲートバルブ254が有するスライドゲート駆動用のゲートバルブシリンダが該当する。
【0129】
ユニット駆動用ドライエア供給系277は、第2のプロセスシップ212が備える本ドライエア供給管278から分岐された副ドライエア供給管279と、該副ドライエア供給管279に接続された第1のソレノイドバルブ280及び第2のソレノイドバルブ281とを備える。
【0130】
第1のソレノイドバルブ280は、ドライエア供給管282,283,284,285の各々を介してドアバルブシリンダ、MFC、リリーフバルブ276及びゲートバルブシリンダに接続され、これらへのドライエアの供給量を制御することによって各部の動作を制御する。また、第2のソレノイドバルブ281は、ドライエア供給管286を介して排気バルブ275に接続され、排気バルブ275へのドライエアの供給量を制御することによって排気バルブ275の動作を制御する。
【0131】
なお、窒素ガス供給管271におけるMFCは窒素(N)ガス供給系287にも接続されている。
【0132】
また、第2のプロセスユニット234や第3のプロセスユニット236も、上述した第2のロード・ロックユニット249のユニット駆動用ドライエア供給系277と同様の構成を有するユニット駆動用ドライエア供給系を備える。
【0133】
図12に戻り、基板処理装置4は、第1のプロセスシップ211、第2のプロセスシップ212及びローダーユニット213の動作を制御するシステムコントローラと、ローダーユニット213の長手方向に関する一端に配置されたオペレーションコントローラ288を備える。
【0134】
オペレーションコントローラ288は、図1におけるオペレーションコントローラ88と同様に、例えばLCD(Liquid Crystal Display)からなる表示部を有し、該表示部は基板処理装置4の各構成要素の動作状況やログ情報等を表示する。
【0135】
図16は、第三の基板処理装置におけるシステムコントローラの構成例を示す図である。図16中、図2と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0136】
図16において、MC290,291,292は、それぞれ第1のプロセスシップ211、第2のプロセスシップ212及びローダーユニット213の動作を制御する副制御部(スレーブ制御部)である。各MCが、DIST(Distribution)ボード96によってGHOSTネットワーク95を介して各I/O(入出力)モジュール297,298,299にそれぞれ接銑される点は、図2と同様である。
【0137】
また、I/Oモジュール297、298、299については、それぞれ第1のプロセスシップ211、第2のプロセスシップ212又はローダーユニット213に対応する点を除き、図2におけるI/Oモジュール97又は98と同様に構成される。
【0138】
なお、図16においては、ライセンスキーサーバ60とEC89とがネットワーク170を介して接続されている例が示されているが、両者のネットワーク構成は、第二の実施の形態又は第三の実施の形態において示したものに変更してもよい。
【0139】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の実施の形態における基板処理装置の概略構成例を示す図である。
【図2】第一の実施の形態におけるネットワーク構成例及びシステムコントローラの構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるライセンスキーサーバのハードウェア構成例を示す図である。
【図4】第一の実施の形態におけるライセンス管理システムを実現するためのライセンスキーサーバと基板処理装置との機能構成例を示す図である。
【図5】初期キー入力時のライセンスキーサーバにおける初期設定処理の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図6】初期キー受信時の基板処理装置における処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図7】基板処理装置におけるライセンスの更新処理の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図8】ライセンスキーサーバにおけるライセンスキーの更新処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】第二の実施の形態におけるネットワーク構成例及びシステムコントローラの構成例を示す図である。
【図10】第三の実施の形態におけるネットワーク構成例及びシステムコントローラの構成例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における第二の基板処理装置の概略構成例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態における第三の基板処理装置の概略構成例を示す図である。
【図13】第2のプロセスユニットの断面図である。
【図14】第2のプロセスシップの概略購成を示す斜視図である。
【図15】第2のロード・ロックユニットのユニット駆動用ドライエア供給系の概略構成を示す図である。
【図16】第三の基板処理装置におけるシステムコントローラの構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0141】
2,3,4 基板処理装置
5 処理システム
6 搬送システム
8 移載室
12A〜12F 処理チャンバ
14A〜14F サセプタ
16 移載アーム部
20 搬送アーム部
22 搬送ステージ
24 容器載置台
26A〜26D カセット容器
28 リニアガイドレール
36 オリエンタ(方向位置決め装置)
38A,38B ロードロック室
40A,40B 被搬送体載置台
46 搬送アーム本体
48 フォーク
60 ライセンスキーサーバ
61 初期設定部
62 キー転送部
63 ライセンス管理部
64 更新要求受信部
65 更新判定部
66 ネットワーク接続判定部
67 更新キー生成部
81 キー受信部
82 キー解析部
83 ライセンス判定部
84 期限管理部
85 キー更新部
89 EC
90、91 MC
80、93 HUB
95 GHOSTネットワーク
96 DISTボード
97、98 I/Oモジュール
100 I/O部
170 ネットワーク
171 PC
211 第1のプロセスシップ
212 第2のプロセスシップ
213 ローダーユニット
215 フープ載置台
214 フープ
216 オリエンタ
217、218 IMS
219 搬送アーム機構
220 ロードポート
221、223 載置台
222,224 光学センサ
225 第1のプロセスユニット
226 第1の搬送アーム
227 第1のロード・ロックユニット
228 ESC
229 真空ゲートバルブ
230 大気ゲートバルブ
231 第1のバッファ
232 第2のバッファ
233 支持部
234 第2のプロセスユニット
236 第3のプロセスユニット
237 第2の搬送アーム
238 チャンバ
239 ESC
240 シャワーヘッド
241 TMP
242 APCバルブ
243 下層部
244 上層部
245 第1のバッファ室
246 第2のバッファ室
247 ガス通気孔
248 ガス通気孔
250 チャンバ
251 ステージヒータ
252 バッファアーム
253 支持部
254 真空ゲートバルブ
255 大気ドアバルブ
256 プッシャーピン
257 アンモニアガス供給管
258 弗化水素ガス供給管
259 圧力ゲージ
260 チラーユニット
261 第2のプロセスユニット排気系
262 排気ダクト
263、264 排気管
265 窒素ガス供給管
266 圧力ゲージ
267 第3のプロセスユニット排気系
268 本排気管
268a 副排気管
269 APCバルブ
270 搬送室
271 窒素ガス供給管
272 圧力ゲージ
273 第2のロード・ロックユニット排気系
274 大気連通管
275 排気バルブ
276 リリーフバルブ
277 ユニット駆動用ドライエア供給系
278 本ドライエア供給管
279 副ドライエア供給管
280 第1のソレノイドバルブ
281 第2のソレノイドバルブ
282,283,284,285 ドライエア供給管
286 ドライエア供給管
287 窒素ガス供給系
288 オペレーションコントローラ
290,291,292 MC
297、298、299 I/Oモジュール
600 ドライブ装置
601 記録媒体
602 補助記憶装置
603 メモリ装置
604 CPU
605 インタフェース装置
606 表示装置
607 入力装置
891 CPU
892 RAM
893 HDD
894 CD−ROM
B バス
W 半導体ウエハ(被搬送体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトウェアによる制御に基づいて基板を処理する基板処理装置であって、
ネットワークを介して接続するライセンス情報提供装置より前記ソフトウェアに対するライセンス情報を定期的に受信するライセンス情報受信手段と、
前記ライセンス情報提供装置のネットワーク上のアドレス情報を前記ライセンス情報より抽出するライセンス情報解析手段と、
前記ライセンス情報より抽出された前記アドレス情報と当該基板処理装置に予め保存されている前記ライセンス情報提供装置の前記アドレス情報とを比較するライセンス判定手段とを有し、
二つの前記アドレス情報の値が一致しない場合は、前記ソフトウェアの少なくとも一部の機能の実行を制限することを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記ライセンス情報解析手段は、前記基板処理装置ごとに固有の値を有する装置固有情報を前記ライセンス情報より抽出し、
前記ライセンス判定手段は、前記ライセンス情報より抽出された前記装置固有情報と当該基板処理装置の前記装置固有情報とを比較し、
二つの前記装置固有情報の値が一致しない場合は、前記ソフトウェアの少なくとも一部の機能の実行を制限することを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記ライセンス情報解析手段は、前記ソフトウェアの使用が許可される前記基板処理装置の前記アドレス情報を前記ライセンス情報より抽出し、
前記ライセンス判定手段は、前記ライセンス情報より抽出された前記基板処理装置の前記アドレス情報と当該基板処理装置に設定されている前記アドレス情報とを比較し、
二つの前記アドレス情報が一致しない場合は、前記ソフトウェアの少なくとも一部の機能の実行を制限することを特徴とする請求項1又は2いずれか一項記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記基板処理装置に予め保存されている前記ライセンス情報提供装置の前記アドレス情報は、前記ライセンス情報提供装置より最初に受信された前記ライセンス情報に含まれていたものであることを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記ライセンス情報が受信されたときからの相対的な時間の経過を管理する期限管理手段と、
前記相対的な時間の経過が前記ライセンス情報の有効期限の所定の期間内に達したときに、前記ライセンス情報の更新要求を前記ライセンス情報提供装置に送信するライセンス情報要求手段とを有することを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記ライセンス情報の更新要求が送信されてから所定の期間内に前記ライセンス情報が受信されない場合は、前記ソフトウェアの少なくとも一部の機能の実行を制限することを特徴とする請求項5記載の基板処理装置。
【請求項7】
ソフトウェアによる制御に基づいて基板を処理する基板処理装置に、
ネットワークを介して接続するライセンス情報提供装置より前記ソフトウェアに対するライセンス情報を定期的に受信するライセンス情報受信手順と、
前記ライセンス情報提供装置のネットワーク上のアドレス情報を前記ライセンス情報より抽出するライセンス情報解析手順と、
前記ライセンス情報より抽出された前記アドレス情報と当該基板処理装置に予め保存されている前記ライセンス情報提供装置の前記アドレス情報とを比較するライセンス判定手順とを実行させ、
二つの前記アドレス情報の値が一致しない場合は、前記ソフトウェアの少なくとも一部の機能の実行を制限させるためのライセンス管理プログラム。
【請求項8】
前記ライセンス情報解析手順は、前記基板処理装置ごとに固有の値を有する装置固有情報を前記ライセンス情報より抽出し、
前記ライセンス判定手順は、前記ライセンス情報より抽出された前記装置固有情報と当該基板処理装置の前記装置固有情報とを比較し、
二つの前記装置固有情報の値が一致しない場合は、前記ソフトウェアの少なくとも一部の機能の実行を制限させることを特徴とする請求項7記載のライセンス管理プログラム。
【請求項9】
前記ライセンス情報解析手順は、前記ソフトウェアの使用が許可される前記基板処理装置の前記アドレス情報を前記ライセンス情報より抽出し、
前記ライセンス判定手順は、前記ライセンス情報より抽出された前記基板処理装置の前記アドレス情報と当該基板処理装置に設定されている前記アドレス情報とを比較し、
二つの前記アドレス情報が一致しない場合は、前記ソフトウェアの少なくとも一部の機能の実行を制限させることを特徴とする請求項7又は8いずれか一項記載のライセンス管理プログラム。
【請求項10】
前記基板処理装置に予め保存されている前記ライセンス情報提供装置の前記アドレス情報は、前記ライセンス情報提供装置より最初に受信された前記ライセンス情報に含まれていたものであることを特徴とする請求項7乃至9いずれか一項記載のライセンス管理プログラム。
【請求項11】
前記ライセンス情報が受信されたときからの相対的な時間の経過を管理する期限管理手順と、
前記相対的な時間の経過が前記ライセンス情報の有効期限の所定の期間内に達したときに、前記ライセンス情報の更新要求を前記ライセンス情報提供装置に送信するライセンス情報要求手順とを有することを特徴とする請求項7乃至10いずれか一項記載のライセンス管理プログラム。
【請求項12】
前記ライセンス情報の更新要求が送信されてから所定の期間内に前記ライセンス情報が受信されない場合は、前記ソフトウェアの少なくとも一部の機能の実行を制限させることを特徴とする請求項11記載のライセンス管理プログラム。
【請求項13】
請求項7乃至12いずれか一項記載のライセンス管理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項14】
請求項1乃至6いずれか一項記載の基板処理装置とネットワークを介して接続するライセンス情報提供装置であって、
当該ライセンス情報提供装置の前記アドレス情報に基づいて前記ライセンス情報を生成するライセンス情報生成手段と、
前記ライセンス情報を前記基板処理装置に送信するライセンス情報送信手段とを有することを特徴とするライセンス情報提供装置。
【請求項15】
前記ソフトウェアの使用が許可される前記基板処理装置の前記固有情報を管理するライセンス管理手段を有し、
前記ライセンス情報生成手段は、前記ライセンス管理手段に管理されている前記固有情報に基づいて前記ライセンス情報を生成することを特徴とする請求項14記載のライセンス情報提供装置。
【請求項16】
前記ライセンス管理手段は、前記ソフトウェアの使用が許可される前記基板処理装置の前記アドレス情報を管理し、
前記ライセンス情報生成手段は、前記ソフトウェアの使用が許可される前記基板処理装置の前記アドレス情報に基づいて前記ライセンス情報を生成することを特徴とする請求項15記載のライセンス情報生成装置。
【請求項17】
前記基板処理装置より前記ライセンス情報の更新要求を受信する更新要求受信手段と、
前記更新要求に含まれている、前記更新要求の送信元の前記基板処理装置の前記固有情報と、前記ライセンス管理手段に管理されている前記装置固有情報とを比較することにより前記ライセンス情報の更新の許否を判定する更新判定手段とを有し、
前記ライセンス情報生成手段は、前記更新判定手段によって前記ライセンス情報の更新が許可された場合に前記ライセンス情報を生成することを特徴とする請求項15又は16記載のライセンス情報提供装置。
【請求項18】
当該ライセンス情報提供装置がネットワークに接続されているか否かを判定するネットワーク接続判定手段を有し、
前記ライセンス情報生成手段は、該ライセンス情報提供装置がネットワークに接続されていると判定された場合に前記ライセンス情報を生成することを特徴とする請求項14乃至17いずれか一項記載のライセンス情報提供装置。
【請求項19】
請求項1乃至6いずれか一項記載の基板処理装置とネットワークを介して接続するライセンス情報提供装置に、
当該ライセンス情報提供装置の前記アドレス情報に基づいて前記ライセンス情報を生成するライセンス情報生成手順と、
前記ライセンス情報を前記基板処理装置に送信するライセンス情報送信手順とを実行させるためのライセンス情報提供プログラム。
【請求項20】
前記ソフトウェアの使用が許可される前記基板処理装置の前記固有情報を管理するライセンス管理手順を有し、
前記ライセンス情報生成手順は、前記ライセンス管理手順において管理されている前記固有情報に基づいて前記ライセンス情報を生成することを特徴とする請求項19記載のライセンス情報提供プログラム。
【請求項21】
前記ライセンス管理手順は、前記ソフトウェアの使用が許可される前記基板処理装置の前記アドレス情報を管理し、
前記ライセンス情報生成手順は、前記ソフトウェアの使用が許可される前記基板処理装置の前記アドレス情報に基づいて前記ライセンス情報を生成することを特徴とする請求項20記載のライセンス情報提供プログラム。
【請求項22】
前記基板処理装置より前記ライセンス情報の更新要求を受信する更新要求受信手順と、
前記更新要求に含まれている、前記更新要求の送信元の前記基板処理装置の前記固有情報と、前記ライセンス管理手順において管理されている前記装置固有情報とを比較することにより前記ライセンス情報の更新の許否を判定する更新判定手順とを有し、
前記ライセンス情報生成手順は、前記更新判定手順において前記ライセンス情報の更新が許可された場合に前記ライセンス情報を生成することを特徴とする請求項20又は21記載のライセンス情報提供プログラム。
【請求項23】
当該ライセンス情報提供装置がネットワークに接続されているか否かを判定するネットワーク接続判定手順を有し、
前記ライセンス情報生成手順は、該ライセンス情報提供装置がネットワークに接続されていると判定された場合に前記ライセンス情報を生成することを特徴とする請求項19乃至22いずれか一項記載のライセンス情報提供プログラム。
【請求項24】
請求項19乃至24いずれか一項記載のライセンス情報提供プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項25】
ソフトウェアによる制御に基づいて基板を処理する基板処理装置と、前記基板処理装置に対して前記ソフトウェアに関するライセンス情報を提供するライセンス情報提供装置とを有するライセンス管理システムであって、
前記基板処理装置は、
前記ライセンス情報提供装置より前記ソフトウェアに対するライセンス情報を定期的に受信するライセンス情報受信手段と、
前記ライセンス情報提供装置のネットワーク上のアドレス情報を前記ライセンス情報より抽出するライセンス情報解析手段と、
前記ライセンス情報より抽出された前記アドレス情報と当該基板処理装置に予め保存されている前記ライセンス情報提供装置の前記アドレス情報とを比較するライセンス判定手段とを有し、
二つの前記アドレス情報の値が一致しない場合は、前記ソフトウェアの少なくとも一部の機能の実行を制限することを特徴とするライセンス管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−193579(P2007−193579A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−11219(P2006−11219)
【出願日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】