説明

基板吸着搬送装置

【課題】ワークの変形を充分に抑制しつつ確実にワークを吸着搬送することができる基板吸着搬送装置を提供すること。
【解決手段】プリント基板の製造工程においてプリント基板の前駆体となるワーク5を吸着保持して搬送する基板吸着搬送装置1。基板吸着搬送装置1は、負圧発生手段に連結された吸引流路21を内部に設けた本体部2と、本体部2に対して上下動可能に取付けられると共に吸引流路21と連通する吸引ノズル部31を有する複数のバッファ部3と、各バッファ部3の下端に取付けられた複数の吸盤部4とを有する。バッファ部3は、重力以外の外力が作用していないときは、最下端の状態で本体部2に対して係止されており、バッファ部3とこれに取付けられた吸盤部4とに作用する重力と略同等の大きさの上方への外力が作用したときに本体部2側へ移動することができるよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板の製造工程においてプリント基板の前駆体となるワークを吸着保持して搬送する基板吸着搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板の製造工程において、例えば、メッキ処理した後のワークを乾燥機に移載する際に、ワークを吸着保持して搬送するという作業を行うことがある。このように、プリント基板の前駆体となるワークを吸着保持して搬送するための装置として、例えば特許文献1等に開示されるような基板吸着搬送装置がある。
上記従来の基板吸着搬送装置においては、ワークを吸着するための複数の吸盤部が、本体部に対して取付けられている。吸盤部の内側には、吸引ノズル部が形成されており、吸引ノズル部からブロア吸引することができるよう構成されている。
そして、基板吸着搬送装置は、吸盤部をワークに押し付けると共にブロア吸引することにより、ワークを吸着保持する。
【0003】
しかしながら、上記ワークの剛性が小さい場合に吸盤部をワークに押し付けると、ワークが大きく撓んでしまうおそれがある。そして、ラックに収納された複数枚のワークのうちの一枚を吸着しようとしたときに、そのワークが下側に隣接するワークに接触してしまうおそれがある。これにより、ワークに傷がつくなどして不良の原因となるおそれがある。
また、ワークに反りやうねりが生じている場合に、複数の吸盤部が個別に自由に上下動することができないと、複数の吸盤部によってワークを確実に吸着保持することが困難となる。
【0004】
【特許文献1】特開2005−230944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、ワークの変形を充分に抑制しつつ確実にワークを吸着搬送することができる基板吸着搬送装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、プリント基板の製造工程においてプリント基板の前駆体となるワークを吸着保持して搬送する基板吸着搬送装置であって、
負圧発生手段に連結された吸引流路を内部に設けた本体部と、該本体部に対して上下動可能に取付けられると共に上記吸引流路と連通する吸引ノズル部を有する複数のバッファ部と、各バッファ部の下端に取付けられた複数の吸盤部とを有し、
上記バッファ部は、重力以外の外力が作用していないときは、最下端の状態で上記本体部に対して係止されており、上記バッファ部とこれに取付けられた上記吸盤部とに作用する重力と略同等の大きさの上方への外力が作用したときに上記本体部側へ移動することができるよう構成されていることを特徴とする基板吸着搬送装置にある(請求項1)。
【0007】
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記基板吸着搬送装置は、上記本体部と、該本体部に対して上下動可能に取付けられた複数のバッファ部と、各バッファ部の下端に取付けられた複数の吸盤部とを有する。これにより、ワークに多少のうねりや反りが生じていても、各吸盤部がそれぞれ適切な位置に上下動することにより、複数の吸盤部をワークの各部に接触させることができる。これにより、複数の吸盤部によって確実にワークを吸着保持することができる。
【0008】
また、上記バッファ部は、重力以外の外力が作用していないときは、最下端の状態で上記本体部に対して係止されており、上記バッファ部とこれに取付けられた上記吸盤部とに作用する重力と略同等の大きさの上方への外力が作用したときに上記本体部側へ移動することができるよう構成されている。これにより、複数の吸盤部をワークの表面に接触させる際には、上記バッファ部と上記吸盤部とに作用する重力と略同等の大きさの力で、吸盤部がワークに当接することとなる。それ故、ワークを吸着する際に、吸盤部が過大な力でワークを押し付けることを防ぐことができ、ワークが変形することを防ぐことができる。
【0009】
以上のごとく、本発明によれば、ワークの変形を充分に抑制しつつ確実にワークを吸着搬送することができる基板吸着搬送装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明(請求項1)において、上記基板吸着搬送装置は、例えば、メッキ後のワークを乾燥器へ移載する際や、レジスト膜を露光した後のワークを現像機へ移載する際等、プリント基板の種々の製造工程において用いることができる。
また、上記ワークは、例えば、0.1〜5mmの厚みを有するものとすることができるが、特に2.2mm以下、さらには0.8mm以下の厚みの薄いワークに対して本発明の基板吸着搬送装置を用いると本発明の作用効果を一層有効に発揮することができる。
【0011】
なお、「上記バッファ部とこれに取付けられた上記吸盤部とに作用する重力と略同等の大きさの上方への外力が作用したときに上記本体部側へ移動することができるよう構成されている」とは、上記本体部と上記バッファ部との間に弾性体などを介在させたり、磁力を働かせたり、積極的に摩擦力を発生させたりすることなく、実質的に上記バッファ部と上記吸盤部とからなる構成体の自重に対抗する力のみで本体部に対して上下動可能となっていることを意味する。ただし、上記外力の大きさと、上記バッファ部と上記吸盤部とからなる構成体に作用する重力の大きさとは、完全に一致しないこともあり、上記重力に比べて充分に小さい値で上記外力と上記重力との間の差(例えば上記重力の10%以下)があることは許容されるものとする。すなわち、例えば、本体部に対してバッファ部が上下動する際に生ずる若干の摩擦抵抗や空気抵抗等の分だけ上記外力が上記重力を上回ることは許容されるものとする。
【0012】
また、上記負圧発生手段は、ブロアであることが好ましい(請求項2)。
この場合には、ワークの変形をより効果的に防ぐことができる。
すなわち、上記負圧発生手段としてブロアを用いることにより、ワークと吸盤部との間に僅かな隙間が生じていても、ワークを吸着することが可能となる。そのため、吸盤部がワークを押し付けることによるワークの変形をより効果的に防ぐことができる。また、上記負圧発生手段としてブロアを用いることにより、バッファ部と本体部との間に多少の隙間が生じていても、吸盤部におけるワークの吸着力の低下を抑制することができる。その結果、バッファ部と本体部との間の摩擦抵抗の発生を抑制し、バッファ部と吸盤部とは、両者に作用する重力と略同等の外力によって確実にワークに対して上下動可能となり、ワークに対する過大な力を加えることをより確実に防ぐことができる。
なお、上記負圧発生手段として、上記ブロアの他に、例えば、真空ポンプ等を用いることも可能である。
【0013】
また、上記吸引ノズル部は、上記バッファ部の上端部から下端部まで内径が略同等のストレート形状であることが好ましい(請求項3)。
この場合には、吸引空気が上記吸引ノズル部を充分かつ円滑に通過することができるため、ワークの吸引力を効果的に向上させることができる。
【0014】
また、上記ワークを複数枚収容すると共に各ワークを部分的に支承するラックに略水平状態で収容されたワークを、上方から吸着して保持することができるよう構成されていることが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記ワークを吸着する際に吸盤部を過大な力でワークに押し付けることを抑制することができる本発明を上記の構成に適用することにより、ワークが下方へ変形して下方の他のワークと接触してしまうという不具合を効果的に防ぐことができる。それ故、製品の歩留まり向上に特に大きく貢献することができる。
【実施例】
【0015】
本発明の実施例に係る基板吸着搬送装置につき、図1〜図12を用いて説明する。
本例の基板吸着搬送装置1は、図1〜図7に示すごとく、プリント基板の製造工程においてプリント基板の前駆体となるワーク5を吸着保持して搬送する装置である。
基板吸着搬送装置1は、ブロアからなる負圧発生手段(図示略)に連結された吸引流路21を内部に設けた本体部2と、該本体部2に対して上下動可能に取付けられると共に吸引流路21と連通する吸引ノズル部31を有する複数のバッファ部3と、各バッファ部3の下端に取付けられた複数の吸盤部4とを有する。
【0016】
バッファ部3は、重力以外の外力が作用していないときは、図1に示すごとく、最下端の状態で本体部2に対して係止されるよう構成されている。
また、バッファ部3は、バッファ部3とこれに取付けられた吸盤部4とに作用する重力と略同等の大きさの上方への外力が作用したときに、図3に示すごとく、本体部2側へ移動することができるよう構成されている。
すなわち、本体部2とバッファ部3との間にバネ等の弾性体などを介在させたり、磁力を働かせたり、積極的に摩擦力を発生させたりすることなく、実質的にバッファ部3と吸盤部4とからなる構成体の自重に対抗する力のみでバッファ部3と吸盤部4とが本体部2に対して上下動可能となっている。
【0017】
バッファ部3は、図1〜図3に示すごとく、本体部2の下面に固定された保持部22に挿嵌保持されている。保持部22は、上下に貫通した挿通孔221を設けてなり、貫通孔221の側方においてボルト222によって本体部2に固定されている。また、貫通孔221の上側の開口部の周囲には上方へ突出した上方突起部223が形成されており、貫通孔221の下側の開口部の周囲には下方へ突出した下方突起部224が形成されている。
【0018】
バッファ部3は、その上端部において外方へ突出した鍔部32を有している。一方、バッファ部3の下端部には、その全周にわたって切り欠かれた切欠溝部33が形成されており、該切欠溝部33に吸盤部4が嵌合している。本例においては、吸盤部4はウレタン等のゴムからなり、バッファ部3はアルミニウムからなり、本体部2はステンレス鋼からなる。
【0019】
バッファ部3は、鍔部32及び切欠溝部33以外の部分においては、同一の外径を有する円筒形状を有している。バッファ部3は、鍔部32と切欠溝部33との間の部分において保持部22の挿通孔221に遊嵌保持されていることにより、図1〜図3に示すごとく、所定範囲内で本体部2に対して自由に上下動が可能な状態となっている。
【0020】
そして、図1に示すごとく、バッファ部3が本体部2に対して下端の位置にあるとき、バッファ部3の鍔部32が保持部22の上方突起部223に当接した状態となる。一方、図3に示すごとく、バッファ部3が本体部2に対して上端の位置にあるとき、バッファ部3の下端部に取付けた吸盤部4の上面が保持部22の下方突起部224に当接した状態となる。
また、バッファ部3の内側に形成された吸引ノズル部31は、バッファ部3の上端部から下端部まで内径が略同等のストレート形状である。また、バッファ部3の下端部に取付けた吸盤部4には、吸引ノズル部31と略同等の直径を有する開口部41が形成されている。
【0021】
本体部2は、図4〜図6に示すごとく、互いに平行に配設された4本の分岐管201と、該4本の分岐管201の一端においてこれらを連結する連結管202とを有する。分岐管201及び連結管202には、それぞれ吸引流路21が形成されており、各分岐管201の吸引流路21は、連結管202の吸引流路21に連通している。そして、連結管202には、負圧発生手段(ブロア)に連結するための吸引口203が取付けられている。
【0022】
また、分岐管201に対して、複数の吸盤部4がバッファ部3を介して取付けられている。図6に示すごとく、各分岐管201の三箇所には、互いに隣接配置される二個の吸盤部4がそれぞれ配置されている。すなわち、一本の分岐管201に計6個の吸盤部4がそれぞれバッファ部3を介して取付けられている。したがって、4本の分岐管201を有する本体部2全体では、計24個の吸盤部4がバッファ部3を介して取付けられている。
【0023】
本例の基板吸着搬送装置1によってワーク5を吸着保持するに当っては、まず、基板吸着搬送装置1をワーク5の上方に位置させる。このとき、全てのバッファ部3は本体部2に対して下端となる位置にある(図1)。その後、本体部2を下降させることにより、バッファ部3及び吸着部4もワーク5に向かって下降し、図7に示すごとく、複数の吸盤部4がワーク5の表面に当接する。各バッファ部3は本体部2に対して上下動可能となっているため、このとき本体部2に対してバッファ部3及び吸盤部4が本体部2側へ相対的に移動する(図2、図3参照)。
また、上述のごとく、バッファ部3は、バッファ部3及び吸盤部4に作用する重力と略同等の大きさの上方への外力が作用したときに本体部2側へ移動することができるよう構成されているため、このとき、吸盤部4がワーク5を押し付けることはない。
【0024】
そして、この状態で、負圧発生手段によって吸引流路21及び吸引ノズル部31を介してワーク5を吸着する。次いで、基板吸着搬送装置1を上昇させた後、所望の位置まで移動させる。これにより、ワーク5を上方へ引き上げると共に所望の位置まで搬送する。そして、所望の位置において、負圧発生手段による吸引を解除することにより、基板吸着搬送装置1からワーク5を離脱させ、ワーク5を所望の位置に載置する。
【0025】
また、図8に示すごとく、ワーク5にうねりや反りがある場合には、吸盤部4をワーク5に当接させたときに、各バッファ部4がそれぞれ互いに異なるストローク分だけ本体部2側へ移動する。これにより、ワーク5のうねりや反りに対応して、複数の吸盤部4をワーク5に当接させることができる。
【0026】
また、本例の基板吸着搬送装置1は、図9〜図12に示すごとく、ワーク5を複数枚収容すると共に各ワーク5を部分的に支承するラック6に略水平状態で収容されたワーク5を、上方から吸着して保持して搬送することができる。
すなわち、図9〜図11に示すごとく、ラック6は、ワーク5の対向する一対の端縁を下方から支承する一対の端縁支承部61と、ワーク5の中央を下方から支承する中央支承部62とを設けてなる。この一対の端縁支承部61及び一本の中央支承部62によって一枚のワーク5を支承するよう構成されている。そして、ラック6には、一対の端縁支承部61と一本の中央支承部62とからなる一組の支承部群が複数群形成されている。これにより、図9、図11に示すごとく、鉛直方向であってかつワーク5の厚み方向に複数のワーク5を、ラック6内に収納することができる。
【0027】
上記のようなラック6に収納されたワーク5を、本例の基板吸着搬送装置1によって吸着保持するに当っては、図12(A)、(B)に示すごとく、基板吸着搬送装置1を、ラック6の開口部63側から、ラック6内におけるワーク5の上側の空間に挿入する。そして、本体部2を下降させることにより、複数の吸盤部4をワーク5の表面に当接させると共に吸引する。これにより、複数の吸盤部4がワーク5を複数箇所において吸着する。次いで、本体部2を、ラック6内の上記空間内において上昇させることにより、端縁支承部61及び中央支承部62から、ワーク5を浮上させる。
【0028】
次いで、図12(C)に示すごとく、基板吸着搬送装置1をラック6外へスライド移動させることにより、ワーク5をラック6から排出する。そして、基板吸着搬送装置1によってワーク5を所望の位置まで搬送する。
この作業を、ラック6に収納された複数のワーク5に対して、上方のワーク5から順に行う。
【0029】
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記基板吸着搬送装置1は、本体部2と、本体部2に対して上下動可能に取付けられた複数のバッファ部3と、各バッファ部3の下端に取付けられた複数の吸盤部4とを有する。これにより、ワーク5に多少のうねりや反り(例えば、JIS C6481に基く測定値で、10mm程度の反り)が生じていても、各吸盤部4がそれぞれ適切な位置に上下動することにより、複数の吸盤部4をワーク5の各部に接触させることができる。これにより、複数の吸盤部4によって確実にワーク5を吸着保持することができる。
【0030】
また、バッファ部3は、重力以外の外力が作用していないときは、最下端の状態で本体部2に対して係止されており(図1)、バッファ部3とこれに取付けられた吸盤部4とに作用する重力と略同等の大きさの上方への外力が作用したときに本体部2側へ移動することができるよう構成されている(図2、図3)。これにより、複数の吸盤部4をワーク5の表面に接触させる際には、バッファ部3と吸盤部4とに作用する重力と略同等の大きさの力で、吸盤部4がワーク5に当接することとなる。それ故、ワーク5を吸着する際に、吸盤部4が過大な力でワーク5を押し付けることを防ぐことができ、ワーク5が変形することを防ぐことができる。
【0031】
また、上記負圧発生手段はブロアであるため、ワーク5の変形をより効果的に防ぐことができる。すなわち、上記負圧発生手段としてブロアを用いることにより、ワーク5と吸盤部4との間に僅かな隙間が生じていても、ワーク5を吸着することが可能となる。そのため、吸盤部4がワーク5を押し付けることによるワーク5の変形をより効果的に防ぐことができる。また、上記負圧発生手段としてブロアを用いることにより、バッファ部3と本体部2との間に多少の隙間が生じていても、吸盤部4におけるワーク5の吸着力の低下を抑制することができる。その結果、バッファ部3と本体部2との間の摩擦抵抗の発生を抑制し、バッファ部3と吸盤部4とは、両者に作用する重力と略同等の外力によって確実にワーク5に対して上下動可能となり、ワーク5に対する過大な力を加えることをより確実に防ぐことができる。
【0032】
また、図1〜図3に示すごとく、上記吸引ノズル部31は、バッファ部3の上端部から下端部まで内径が略同等のストレート形状であるため、吸引空気が吸引ノズル部31を充分かつ円滑に通過することができるため、ワーク5の吸引力を効果的に向上させることができる。
【0033】
また、図12に示すごとく、基板吸着搬送装置1は、ラック6に略水平状態で収容されたワーク5を、上方から吸着して保持することができるよう構成されている。すなわち、ワーク5を吸着する際に吸盤部4を過大な力でワーク5に押し付けることを抑制することができる本発明を上記の構成に適用することとなる。これにより、ワーク5が下方へ変形して下方の他のワーク5と接触してしまうという不具合を効果的に防ぐことができる。
【0034】
つまり、ラック6に略水平状態で収容されたワーク5を、上方から吸着して保持する際に、仮に、吸盤部4がワーク5を大きな力で押圧すると、そのワーク5が大きく撓んで、当該ワーク5の下方に隣合う他のワーク5に接触してしまうおそれがある。これにより、ワーク5に傷がつくなどの不具合を生じ、製品が不良品となってしまうおそれがある。
そこで、このような場合に、本発明にかかる基板吸着搬送装置1を用いることにより、ワーク5の吸着保持時におけるワーク5の変形を抑制し、製品の歩留まりを向上させることができる。
【0035】
以上のごとく、本例によれば、ワークの変形を充分に抑制しつつ確実にワークを吸着搬送することができる基板吸着搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施例における、バッファ部が下端位置にある場合の基板吸着搬送装置のバッファ部及び吸盤部とその周辺の断面図。
【図2】実施例における、バッファ部が中間位置にある場合の基板吸着搬送装置のバッファ部及び吸盤部とその周辺の断面図。
【図3】実施例における、バッファ部が上端位置にある場合の基板吸着搬送装置のバッファ部及び吸盤部とその周辺の断面図。
【図4】実施例における、基板吸着搬送装置の側面図。
【図5】実施例における、基板吸着搬送装置の正面図。
【図6】実施例における、基板吸着搬送装置の下面図。
【図7】実施例における、ワークを吸着保持した基板吸着搬送装置の側面図。
【図8】実施例における、反りの発生したワークを吸着保持した基板吸着搬送装置の側面説明図。
【図9】実施例における、ワークを収納したラックを側方から見た垂直断面図。
【図10】実施例における、ワークを収納したラックを上方から見た水平断面図。
【図11】実施例における、ワークを収納したラックの正面図。
【図12】実施例における、ラックに収納されたワークを基板吸着搬送装置によって吸着保持して取り出す手順を示す断面説明図。
【符号の説明】
【0037】
1 基板吸着搬送装置
2 本体部
21 吸引流路
3 バッファ部
31 吸引ノズル部
4 吸盤部
5 ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板の製造工程においてプリント基板の前駆体となるワークを吸着保持して搬送する基板吸着搬送装置であって、
負圧発生手段に連結された吸引流路を内部に設けた本体部と、該本体部に対して上下動可能に取付けられると共に上記吸引流路と連通する吸引ノズル部を有する複数のバッファ部と、各バッファ部の下端に取付けられた複数の吸盤部とを有し、
上記バッファ部は、重力以外の外力が作用していないときは、最下端の状態で上記本体部に対して係止されており、上記バッファ部とこれに取付けられた上記吸盤部とに作用する重力と略同等の大きさの上方への外力が作用したときに上記本体部側へ移動することができるよう構成されていることを特徴とする基板吸着搬送装置。
【請求項2】
請求項1において、上記負圧発生手段は、ブロアであることを特徴とする基板吸着搬送装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、上記吸引ノズル部は、上記バッファ部の上端部から下端部まで内径が略同等のストレート形状であることを特徴とする基板吸着搬送装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、上記ワークを複数枚収容すると共に各ワークを部分的に支承するラックに略水平状態で収容されたワークを、上方から吸着して保持することができるよう構成されていることを特徴とする基板吸着搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−66719(P2009−66719A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−239223(P2007−239223)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(591098112)イビデンエンジニアリング株式会社 (7)
【Fターム(参考)】