説明

基板検査用治具の位置合わせ方法

【課題】簡便で且つ簡素に形成された基準基板を利用することによって行う基板検査治具の位置合わせ方法の提供。
【解決手段】検査対象となる基板の一方面に設定される複数の検査点と夫々導通接触する複数の第一接触部を有する第一基板検査用治具と、該基板の他方面に設定される複数の検査点と夫々導通接触する複数の第二接触部を有する第二基板検査用治具を備える基板検査装置において、第一接続手段5の第一接続部51と基準基板SWの一方の面に設定された第二基準部SW2に当接させた後、第二接続手段7の第二接続部71が基準基板SWの他方の面に設定された第一基準部SW1と当接するように位置合わせを行う。第二基準部SW2は、第二配線部SW5、孔部SW3と第一配線部SW4を介して第一基準部SW1と電気的に接続されているので、電源手段からの電気信号を判定手段が検出することで位置合わせを行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板検査用治具の位置合わせ方法に関し、簡便で且つ簡素に形成された基準基板を利用することによって行う基板検査用治具の位置合わせ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板の検査を実施する基板検査装置は、多量に製造される基板を、短時間で且つ高効率に検査処理しなければならず、特許文献1に開示されるような大掛かりな基板検査装置が提案されている。
このような大掛かりな基板検査装置では、検査対象の基板を連続的に検査処理することにより、多量の基板を検査処理している。
【0003】
このような大掛かりな基板検査装置は、少量の基板しか検査しない場合や試作基板を検査する場合には、反って効率が悪く、また、費用が極めて高価であることから、大規模工場で導入することはあっても、小規模工場では導入を見送られることが通常であった。
【0004】
このような問題点を解決するために、小型で簡便な構成を有した廉価版の基板検査装置が製造されている。このような装置は、基板に形成される配線の良不良を判断するための検査処理部を有しているが、基板を検査処理部に自動的に搬入・搬出する搬送機構や、基板と検査処理部を電気的に接続する基板検査用治具を基板の所定の位置に自動的に配置するアライメント機構などは搭載されない場合が殆どであった。
【0005】
このような廉価版の基板検査装置では、上記のような搬送機構やアライメント機構が搭載されないため、基板を所定の載置台に載置したり、基板の所定位置に基板検査用治具を配置したりすることは、手動で行われていた。
【0006】
また、一方で、特許文献1に開示されるような大掛かりな基板検査装置には、基板検査用治具を基板の所定の位置に位置合わせするためのアライメント機構を有しているものがある。しかしながら、このような基板検査装置であっても、基板検査治具のアライメントを行うことは容易ではなかった。このため、特許文献2に開示されるようなダミー基板を用いることにより、基板検査用治具の位置合わせが提案されている。
【0007】
この特許文献2に開示される位置合わせ方法では、基板検査装置に備えられるアライメント用の撮像装置を用い、ダミー基板の表面上に形成される配線をアライメントマークとして撮像することによって、ダミー基板の位置を正確に把握し、基板検査用治具との位置合わせを行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−227056号公報
【特許文献2】特開2002−221550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献2に開示される位置合わせ方法は、撮像装置や基板検査用治具を移動させるためのアライメント機構を備えていなければ使用することができず、これらの機構や機能を有していない廉価版の基板検査装置では、使用することができなかった。このようなため、廉価版の基板検査装置における基板と基板検査用治具との位置合わせを行う作業時に、適切に且つ簡便に基板検査用治具の位置合わせを行うことのできる方法が求められている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、簡便で且つ簡素に形成された基準基板を利用することによって行う基板検査治具の位置合わせ方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明は、検査対象となる基板の一方面に設定される複数の検査点と夫々導通接触する複数の第一接触部を有する第一基板検査用治具と、該基板の他方面に設定される複数の検査点と夫々導通接触する複数の第二接触部を有する第二基板検査用治具を備える基板検査装置において、該第一基板検査用治具と該第二基板検査用治具の位置合わせを行う方法であって、予め設定される一の第一接触部と導通接触する第一導電部が一方側表面に形成される基準基板を、該第一接触部と該第一導電部が当接するように配置し、前記基準基板の他方側表面に形成され、前記第一導電部と電気的に導通するとともに、予め設定される一の第二接触部と当接される第二導電部が、該第二接触部と当接するように該第二基板検査用治具を移動させ、前記第一接触部から電気信号を供給し、前記第二接触部から電気信号を検出することで、第二基板検査用治具の位置合わせを行うことを特徴とする基板検査用治具の位置合わせ方法を提供する。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記第一導電部と前記第二導電部は、平面視において、相対的に最も遠い位置に形成されていることを特徴とする請求項1記載の基板検査用治具の位置合わせ方法を提供する。
【0012】
請求項3記載の発明は、前記基板検査装置は、前記基板を載置するための載置面を有する載置台を有し、前記第一接触部へ電気信号を発生させる電源手段と、前記第二接触部から検出される検出信号を検出する検出手段と、前記第一基板検査用治具は、前記載置台の表面に前記第一接触部が配置されるように配設され、前記第二基板検査用治具は、前記載置台の載置面に対して、上下左右方向に移動することができる移動機構を備えて配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板検査用治具の位置合わせ方法を提供する。
【0013】
請求項4記載の発明は、前記第一接触部と前記第二接触部は、夫々並設して形成されていることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の基板検査用治具の位置合わせ方法を提供する。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、基準基板を用いて、第一基板検査用治具と第二基板検査用治具に設定される第一導電部と第二導電部が導通されることによって、第一基板検査用治具と第二基板検査用治具との位置合わせを行うことができ、簡便な位置合わせ方法を提供することができる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、第一導電部と第二導電部が平面視において相対的に最も離れた位置に形成されているため、位置合わせ精度を向上させることができる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、基板検査装置に備えられる電源手段や検出手段を用いて位置合わせを行うことができるので、廉価版の基板検査装置であっても簡単に位置合わせを行うことができる。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、第一接触部と第二接触部が並設されて形成されているので、タッチパネル用のフィルム基板などの表面と裏面に形成される配線が導通せず、周縁にタグが形成される基板を好適に測定することのできる基板検査装置での位置合わせに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に利用される基板検査装置の一実施形態を示す概略図であり、(a)は平面図を示し、(b)は側面図を示している。
【図2】本発明に利用される基板検査装置の構成に関するブロック図である。
【図3】本発明で利用される検査対象の基板の一実施形態を示し、(a)は表面の平面図であり、(b)は裏面の平面図であり、(c)は基板を表面側から見た平面図である。
【図4】第一接続手段を示す平面図である。
【図5】本発明で利用される基準基板の一実施形態を示し、この基準基板を表面側から見た平面図である。
【図6】本発明の位置合わせ方法を解説するための概念図である。
【図7】基板の検査が実施される一実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
まず、本発明の実施形態で好適に利用することのできる基板について説明する。本基板検査装置が検査対象とする基板は、特に、限定されるものではないが、基板の一方面側と他方面側に夫々配線が形成され、配線の両端(一端と他端)部が同一面上に形成されている基板を好適に用いる。この基板は、一方面側の配線と他方面側の配線とは独立して形成されており、一方面側の配線と他方面側の配線が導通されることはない。このような基板として、タッチパネル用のフレキシブル基板を例に挙げることができる。
【0020】
図3は、上記の基板検査装置1で好適に使用される基板Wを示した図面である。この図3(a)は、基板Wの表面のみを示し、(b)は基板Wの裏面のみを示しており、(c)は表面から見た基板Wを示している。この基板Wは、例えば、透明のフィルム基板から形成されているため、図3(c)で示す如く、裏面が透けて見えることになる。
【0021】
この基板Wは、長方形状に形成されており、その表裏面夫々にタグ部WFT・WBT、接続線WFL・WBLと、パターンWFP・WBPが形成されている。
図3(a)で示す如きこの基板Wは、その表面WFの長手方向の一辺の中央にタグ部WFTが複数配置されている。このタグ部WFTは、基板Wと外部とを電気的に接続する接続端子として利用される。図3の実施形態では、紙面上方側の長手方向の周縁の中央に10個のタグ部WFTが形成されている。
この基板WのパターンWFPは、タッチパネル面として利用される部分を覆うように複数の直線的なパターンにて形成されている。図3(a)では、基板Wの短手方向に沿って、10本の直線状のパターンが形成されている。
接続線WFLは、タグ部WTとパターンWFPを電気的に接続する配線であり、タッチパネル面として利用されない部分に形成されている。
図3(a)では、10個のタグ部WFTから10本のパターンWFPへ放射線状に広がるように夫々を接続するように10本の接続線WFLが形成されている。
【0022】
図3(b)では、基板Wの裏面WBを示している。基板Wの裏面WBにも、表面WFと同様に、タグ部WBT、接続部WBLとパターンWBPが複数形成される。これらの基本的な構成は、表面と裏面ともに同じであるが、裏面WBのパターンWBPは基板Wの長手方向に直線状に並列配置されて形成されている点、タグ部WBTが長手方向の一辺の端部に形成されている点が異なっている。
図3(b)では、12個のタグ部WBTが長手方向の一辺の右隅に並んで形成され、12本のパターンWBPが基板Wの長手方向に沿って並列配置にて形成されている。
【0023】
図3(c)は、基板WBを表面WF側から見た平面図である。図3で示される如く、基板Wの表側のタグ部WFTと裏面WBのタグ部WBTは平面視において重なり合うことがないように配置されている。また、表面WFのパターンWFPと裏面WBのパターンWBPは、夫々でタッチパネルとなる面を覆うように、平面視においてマトリクス配置されることになる。
【0024】
次に、本発明で利用される基板検査装置について説明する。本発明にかかる基板検査用治具の位置合わせ方法では、上述の如く、撮像装置や基板検査用治具を移動させるためのアライメント機構を備えおらず、廉価版の基板検査装置に好適利用される。
まず、この基板検査装置の説明を行う。
図1は、本発明に利用される基板検査装置の一実施形態を示す概略図であり、(a)は平面図を示し、(b)は側面図を示している。図2は本発明に利用される基板検査装置の構成に関するブロック図である。
基板検査装置1は、載置台2、電源手段3、判定手段4、第一接続手段5、吸引手段6、第二接続手段7、出力手段8、入力手段9を少なくとも有している。
この基板検査装置1は、検査対象となる配線が複数形成された基板の良/不良を検査することができ、この基板の良/不良とは、基板に形成される配線の導通検査や短絡検査結果である。
本基板検査装置1は、検査対象となる基板Wと電気的接続を行うための第一接続手段5を用いることにより、好適に検査を実施することができるようになる。なお、以下の説明では、基板Wに形成されるタグ部、接続部とパターンをまとめて配線と称し、本基板検査装置1は、この配線の良否を判定するために製造される。
【0025】
本基板検査装置1は、基板Wを載置するための載置面を有する載置台2を有している。この載置台2は、図1(a)や(b)で示される如く、略直方体の筐体として形成されており、その直方体の上面21が載置面として機能することになる。
この載置台2が有する載置面は、上記の如く、基板Wが配置されることになるので、検査対象となる基板Wよりも大きい面積を有するように形成されている。
【0026】
この載置台2の内部には、基板検査装置1の動作に必要な機能や部品を収めており、これらを内部に収めることにより、基板検査装置のコンパクト化や小型化を図っている。尚、詳細は後述するが、この載置台2の正面22には、一部斜面23が形成されており、この斜面23に基板検査装置1を操作する操作ボタンなどの操作部24が形成されている。
図1(a)で示される載置台2には、基板検査を実施するためのスタートボタン24aと、後述する吸引手段6の動作を制御するON/OFFスイッチ24bと、検査をリセットするためのリセットボタン24cが設けられている。
【0027】
電源手段3は、検査対象となる基板Wの配線の導通及び/又は短絡の検査を実施するための検査信号を発生する。この電源手段3により発生する検査信号は、配線の検査を実施することができれば特に限定されるものではなく、直流電源や交流電源などを利用することができる。また、詳細は後述するが、非接触式の検査を実施する場合には、電源手段3として、交流電圧源や矩形波の電圧を供給する電圧源を用いることが好ましい。
尚、この電源手段3の出力は、検査対象の配線の抵抗値などに応じて適宜使用者により調整される。
【0028】
判定手段4は、検査対象となる配線から検出される検出信号を基に、この配線の検査を実施する。この判定手段4が受信する検出信号は、後述する第一接続手段5が配線から検出される電気信号である。この判定手段4が実施する判定は、予め良品と判定することのできる閾値を設定し、受信する検出信号とこの閾値とを比較する。この場合、判定手段4は、検出信号値がこの閾値の間に存在すれば「良」と判定し、検出信号値がこの閾値の間に存在しなければ「不良」と判定するようになる。
【0029】
この判定手段4は、配線から検出される検出信号を測定するための電圧計や電流計を備えている。これらの電圧計や電流計を用いることにより、検出信号の電圧値や電流値を適宜測定することができる。判定手段4は、これらの検出値を用いて、上記の如き判定を実施することになる。
【0030】
図4は、接続手段の一実施形態を示す概略図であり、接続手段の表面図を示している。この第一接続手段5は、電源手段3からの検査信号を、検査対象となる配線に伝達する。また、この第一接続手段5は、検査対象の配線から検出信号を検出し、この検出信号を判定手段4に伝達する。この第一接続手段5により、基板検査装置1からの検査信号を配線に供給し、配線から検出信号を基板検査装置1へ伝達することになる。
【0031】
第一接続手段5は、複数の配線を表裏面に形成することのできる基板などの板状部材で形成されることが好ましい。詳細は後述するが、このような基板にて形成されることにより、電源手段3と所定の配線の一端(例えば、タグ部WBT)と判定手段4を接続するための電気配線を、検査対象の基板に応じて廉価に且つ簡便に製作することができるからである。
【0032】
この第一接続手段5は、載置台2の載置面の表面に配置される。この第一接続手段5は、載置台2の上面21に配置され、その上に検査対象の基板Wが配置されることになる。このため、上面21、第一接続手段5と基板Wがこの順番で積層されて配置されることになる。
【0033】
第一接続手段5は、電源手段3と基板Wの裏面WBのタグ部WBTとを電気的に接続する第一接続部51と、配線の他端(例えば、配線のタグ部側ではなくパターンの後端部)と判定手段4とを電気的に接続する第二接続部52を有している。この第一接続手段5は、基板に形成される配線に応じて適宜変更される。
この第一接続部51は、電源手段3から供給される検査信号をタグ部WBTに伝達する。
【0034】
この第一接続部51は、基板Wの裏面WBのタグ部WBTと導通接続するために、所定の位置に基板Wが配置された場合に、タグ部WBTと同数形成される。本実施形態では、12個のタグ部WBTに合わせて12個の第一接続部51が形成されている。
この第一接続部51は、第一接続手段5の表面から突出して形成されることが好ましい。これは、検査対象の基板Wがこの第一接続手段5に載置された場合に、タグ部WBTと第一接続部51が確実に接触することができるからである。更に、この第一接続部51は、導電性ゴムなどの導電性の弾性体を利用して形成されても良い。なお、第一接続部51は、タグ部WBTと同数に且つ略同じ形状に形成されることが好ましい。
【0035】
第一接続部51は、上記の如く、電源手段3に接続されているが、判定手段4にも接続される。これは、第一接続部51の電気的接続を、電源手段3と判定手段4とで切り替えることができるように基板検査装置1には、切替手段(図示せず)が設けられている。
この切替手段が、第一接続部51の接続を電源手段3と判定手段4とで切り替えることができように設定されることにより、検査対象の配線の導通/短絡のいずれかの検査を実施するかできるように設定されることになる。なお、第二接続部52も、第一接続部51と同様の接続機能を有するように形成されている。
【0036】
第一接続手段5は、載置台2の上面21に載置される場合に、基準位置となる取付孔54が形成されている。この取付孔54は、第一接続手段5と載置台2を正確に配置するために、第一接続手段5の四隅に夫々形成されることが好ましい。このように形成されることにより、検査対象となる基板Wに応じて、第一接続手段5が変更されても、載置台2の上面21から突設するガイドピン(図示せず)をこの取付孔54に嵌合させることにより、その都度位置決めする工程を省くことができる。
【0037】
第一接続手段5は、検査対象となる基板Wがこの表面に載置されることになるが、この基板Wを所定位置に載置するために、基準孔55を設けることもできる。この基準孔55は、載置台2の上面21から上方に突出するように設けられた支柱(図示せず)をこの基準孔55を貫通するように第一接続手段5を配置する。尚、図1(a)で示される場合では、支柱としてL字状の位置決め部材56を利用して、L字の角部に基板Wを押し当てるようにして、位置決めを行っている。
【0038】
吸引手段6は、基板Wを第一接続手段5に吸着固定するための吸引力を供給する。この吸引手段6は、上記の第一接続手段5の通気路53を用いることにより、検査対象の基板Wを適宜に固着することができるようになる。尚、この吸引手段6は、載置台2の内部に収容されている。尚、図1(a)で示される如く、載置台2の一部斜面23に、この吸引手段6の動作を制御するON/OFFスイッチ24bを設けることもできる。
【0039】
第二接続手段7は、基板Wの表面WFのタグ部WFTと導通する第三接続部71を有するとともに、基板Wの裏面WBのタグ部WBTと第一接続部51を圧接することができる。この第三接続部71は、表面WFのタグ部WFTと同じ大きさ且つ同じ形状に形成されることが好ましい。本実施形態では、基板Wのタグ部WFTは10個形成されているため、第三接続部71も10個形成されており、タグ部WFTと同様の並列配置に形成されている。
第二接続部71は、第一接続部51と同様、上述の電源手段3や判定手段4と導通可能に接続されることができる。
【0040】
この第二接続手段7は、載置台2の上面21の上方に配置され、第一接続手段5に載置された基板Wを押圧することができるように、手動又は自動で、上昇/下降することができる。また、この第二接続手段7は、レール部72に取り付けられており、図1(a)で示す矢印方向(左右方向)に、手動/又は自動で移動することができる。このため、検査対象の基板Wが載置台2に載置された後に、この第二接続手段7を好適な位置に位置決めする必要がある。
【0041】
出力手段8は、検査対象となる基板に関する情報や検査対象の基板の検査結果情報を出力する。この出力手段8は、例えば、表示手段81や印刷手段82や表示灯83を利用することができる。
表示手段81は、例えば、モニタやディスプレイを利用することができ、判定手段4の判定結果や検査中の状況を表示することができる。印刷手段82は、例えば、プリンタなどの印刷機を利用することができ、判定手段4の判定結果や検査中の状況や、表示手段81に映し出される画面情報を印刷する。図1(a)で示される一実施形態では、3つの表示灯83が設けられており、合格の場合、導通不良の場合と短絡不良の場合に応じて、いずれかの表示灯83が点灯するように形成されている。
尚、これらの出力手段8は、使用者により適宜に調整されて利用されることになる。
【0042】
入力手段9は、基板Wに関する情報や検査手順に関する情報など検査に関する情報を、基板検査装置1に入力する。
この入力手段9は、例えば、キーボード91やマウス92などの入力機器を用いることができる。
以上が本発明で使用される好適な基板検査装置の一実施形態である。
【0043】
次に、本発明で使用する位置決めの基準基板について説明する。
図5は、本発明で利用される位置合わせのための基準基板の一実施形態を示し、基準基板SWを表面側から見た平面図である。この基準基板SWは、一方面SWFに形成される第一基準部SW1と、他方面SWBに形成される第二基準部SW2を備え、この第一基準部SW1と第二基準部SW2が導通するように形成されている。
具体的には、この基準基板SWは、一方面SWFと他方面SWBを貫通する導電性の孔部(例えば、スルーホール)SW3が形成されており、第一基準部SW1と孔部SW3を導通させるとともに一方面SWFに形成される第一配線部SW4と、第二基準部SW2と孔部SW3を導通させるとともに他方面SWBに形成される第二配線部SW5を有している。この孔部SW3は、孔表面を導電性のめっきにより被覆することで形成することができる。
【0044】
この第一基準部SW1は、所定の一つのタグ部WFTと導通接触するように、その大きさや形状を選択される。より好ましくは、この第一基準部SW1は、基板Wのタグ部WFTと略同じ大きさ且つ形状を有するように形成される。このように形成されることにより、一つのタグ部WFTとのみ導通させることができる。
この第一基準部SW1は、最も端部に形成される表面WFのタグ部WFTと導通するように形成されることが好ましく、特に、裏面WBのタグ部WBTからと最も遠い位置の表面WFのタグ部WFTに対向するように形成されることが好ましい。
この基準基板SWは、プリント基板により形成されることが好ましい。この基準基板SWがプリント基板にて形成されることにより、簡便に形成することができるからである。
以上が基準基板SWの構成の説明である。
【0045】
次に、この基準基板SWを利用して、第一接続手段5と第二接続手段7の位置合わせの方法について説明する。
まず、第一接続手段5の第一接続部51と基準基板SWの第二基準部SW2との位置合わせを行う。このとき、第一接続部51と第二基準部SW2は導通可能な状態で当接していることになる。なお、この位置決めは、第一接続部51と第二基準部SW2とが当接するように使用者の目視による確認でも良いし、L字状の位置決め部材56を利用して行われるように設定しても良い。
なお、図6は、本発明の位置合わせ方法を解説するための概念図である。
【0046】
第一接続部51と第二基準部SW2が当接させた後には、基準基板SWの第一基準部SW1と第二接続手段7の第二接続部71が当接するように位置合わせを行う。
具体的には、第二接続手段7をレール部72に沿って左右に移動させた後、第二接続手段7を下降させて第二接続手段7と基準基板SWを当接させる。
このとき、電源手段3と第一接続手段5の第一接続部51は電気的に接続されているため、第二基準部SW2は、電源手段3と電気的に接続されていることになる。また、第二基準部SW2は、第二配線部SW5、孔部SW3と第一配線部SW4を介して第一基準部SW1と電気的に接続され、更に第二接続部71は判定手段4と電気的に接続されている(図6参照)。このため、第一基準部51と第二接続部71が当接している場合には、電源手段3からの供給される電気信号が第一接続部51と第二接続部71を介して判定手段4に伝達されることになる。つまり、電源手段3からの電気信号を判定手段4が検出すると、第二接続手段7が好ましい位置に配置されていることになり、電源手段3からの電気信号が判定手段4にて検出されない場合には、第二接続手段7が正しい位置に配置されていないことになる。なお、判定手段4が電源手段3からの電気信号を検出するまで、第二接続手段7の位置をレール部72に沿って移動させて調整する。
【0047】
第二接続手段7の位置合わせが完了すると、この基準基板SWを取り除き、検査対象となる基板を載置する(図7参照)。このとき、第一接続手段5の第一接続部51は夫々検査対象の基板Tの裏面WBのタグ部WBTと夫々当接されており、第二接続手段7の第二接続部71は基板Tの表面WFのタグ部WFTと夫々当接されている。そして、この基板Tに対する検査が実施されることになる。
【0048】
本発明の基準基板SWは、第一基準部SW1と第二基準部SW2が平面視において、相対的に最も遠い位置に配置されて形成されているので、第一接続手段5と第二接続手段7との正確な位置合わせを行うことができる。
【符号の説明】
【0049】
1・・・・・基板検査装置
2・・・・・載置台
3・・・・・電源手段
4・・・・・判定手段
5・・・・・接続手段
51・・・・第一接続部
52・・・・第二接続部
53・・・・貫通孔
6・・・・・吸引手段
7・・・・・第二接続手段
SW・・・・基準基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象となる基板の一方面に設定される複数の検査点と夫々導通接触する複数の第一接触部を有する第一基板検査用治具と、該基板の他方面に設定される複数の検査点と夫々導通接触する複数の第二接触部を有する第二基板検査用治具を備える基板検査装置において、該第一基板検査用治具と該第二基板検査用治具の位置合わせを行う方法であって、
予め設定される一の第一接触部と導通接触する第一導電部が一方側表面に形成される基準基板を、該第一接触部と該第一導電部が当接するように配置し、
前記基準基板の他方側表面に形成され、前記第一導電部と電気的に導通するとともに、予め設定される一の第二接触部と当接される第二導電部が、該第二接触部と当接するように該第二基板検査用治具を移動させ、
前記第一接触部から電気信号を供給し、前記第二接触部から電気信号を検出することで、第二基板検査用治具の位置合わせを行うことを特徴とする基板検査用治具の位置合わせ方法。
【請求項2】
前記第一導電部と前記第二導電部は、平面視において、相対的に最も遠い位置に形成されていることを特徴とする請求項1記載の基板検査用治具の位置合わせ方法。
【請求項3】
前記基板検査装置は、
前記基板を載置するための載置面を有する載置台を有し、
前記第一接触部へ電気信号を発生させる電源手段と、
前記第二接触部から検出される検出信号を検出する検出手段と、
前記第一基板検査用治具は、前記載置台の表面に前記第一接触部が配置されるように配設され、
前記第二基板検査用治具は、前記載置台の載置面に対して、上下左右方向に移動することができる移動機構を備えて配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板検査用治具の位置合わせ方法。
【請求項4】
前記第一接触部と前記第二接触部は、夫々並設して形成されていることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の基板検査用治具の位置合わせ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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