説明

塗布方法および塗布装置

【課題】円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状の基体に対し、均一に塗布液を塗布することを可能にする塗布法、及び本塗布法に好ましく使用できる塗布装置を提供する。
【解決手段】本発明の塗布方法は、塗布液を外周表面に1周分保持した円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状のオフセット塗布体と、前記塗布液を介して前記オフセット塗布体と接触した円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状の基体とが同時に1回転以上回転することにより、前記オフセット塗布体が外周表面に保持した前記塗布液を前記基体の外周表面に塗布する工程を備え、前記オフセット塗布体の外周の長さと前記基体の外周の長さが実質的に同一であり、かつ前記塗布液を前記基体の外周表面へ塗布するときの前記オフセット塗布体の外周速度と前記基体の外周速度が実質的に同一であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布方法および塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真用感光体などの製造工程において、基体に電子写真感光材料を積層するときに塗布法が用いられている。電子写真用感光体は大きく分けて、円筒形状のものと無端ベルト形状のものとに大別される。何れの形状のものにおいても、電子写真感光体材料として、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層等を順に基体に積層塗布されたものが使用されている。それら感光層は薄膜で均一な厚さでの形成が要求される。基体への電子写真感光材料の塗布方法として、従来から浸漬塗布法、スプレー塗布法、ロール塗布法等がよく知られている。
【0003】
浸漬塗布法は、塗布液に円筒状基体を軸方向に沈め、更に引き上げることにより塗布膜(各感光層)の形成を行うものである。この方法は、特に小径の円筒基体形状であれば生産性も高く、多くの生産現場で実用化されている。その他の塗布方法として、ロール塗布法のように円筒形状基体または無端ベルト形状基体を回転または回動して、塗布液をローラー、押出しダイなどにより各基体との間に適切な間隔を設け塗布を実施するものがある。また、スプレー塗布法のように基体を回動させながら塗布液を飛翔させる方法がある。これら従来の塗布方法において、次の理由により均一な塗布膜が得られない場合があり、又生産効率が低い場合などの問題がある。
【0004】
例えば、周長の長い無端ベルト形状の基体に浸漬塗布法を用い塗布した場合、無端ベルト形状の基体のチャッキングに以下のような問題が発生する。一般に無端ベルト形状の基体の外周表面が塗布面となる。このため、可撓性を有する無端ベルト状基体に対し、機械的に内周面及び端部のみを固定し、塗布膜を全周面に渡り均一に形成できるように、塗布液に浸漬する事は困難である。基体がドラム形状であればドラム内面を風船チャックと称して、空気圧で膨張させた風船でドラム状基体を固定し、更に膨張した風船の機密性を利用しドラム内面に塗布液の進入を防いだ方法が実用化されている。しかし、この方法を周長の長いベルト状基体にそのまま適用すると、その周長が長いために周長同等の風船チャックが必要となり、塗布液への浸漬の際に非常に大きな浮力を受け、又塗布液の液面レベルが大きく変化する。このため、これらの問題を解決するために装置の肥大化を招いてしまう。
【0005】
上記浸漬塗布法の代替方法として、スプレー塗布法やロール塗布法によりドラム状基体及びベルト状基体に電子写真感光材料を積層する方法が検討されることとなるが、以下の基本的問題点が解決されていない。
【0006】
スプレー塗布法において、ノズルから噴霧された塗布液に含まれる溶剤が、ドラム状基体、ベルト状基体に到達する前に気化し、塗布液の粘度が上昇する。このため、粘度の高い塗布液は、塗布膜表面に凹凸を作り、塗布膜表面の平滑を損なう問題が有る。又その対策として塗布液に含まれる溶媒の沸点を高いものを選択すると、溶媒の揮発に時間がかかり、生産性の低下を招くこととになる。
【0007】
ロール塗布法は、回転又は回動可能な状態にしたドラム状基体又はベルト状基体を塗布液液面に直接接触させる方法、あるいは更に塗布液液面との間に塗布液供給及び供給量の制御を兼ねた塗布液供給ローラを設定し、回転又は回動するドラム状基体やベルト状基体に対し平行に設置して、塗布液を転写供給する方法である。このロール塗布法では、周方向塗布液塗布終端部において、ローラ状の塗布液供給部材をドラム状基体又はベルト状基体から精度良く離間させる必要がある。精度よく離間することができなければ、塗布液による塗布液塗布開始部と塗布液塗布終端部の重複により塗布膜が増大するという問題が生じる。又、更に離間の際に、各基体とローラ形状塗布液供給部材との間で塗布液が糸引き状態となり、塗布膜表面に凹凸を残すという問題も生じる。
【0008】
これらローラ塗布法の改良されたものとして、特許文献1には、円筒状基体に塗布液を転移塗布する塗布液供給ローラに、切り欠きを設け、一気に塗布液を切断し、塗布液の糸引き状態を出来るだけ少なくし円筒基体上塗布膜表面の平滑化を改善したものが提案されている。
【0009】
また、特許文献2には、円筒基体と塗布液を転移塗布する塗布液供給ローラを離間する際に塗布液供給ローラ上の塗布液の厚さを減少させることにより、離間時の塗布液の安定を計り、円筒基体上塗布膜表面の平滑化を改善したものが提案されている。
【特許文献1】特開2007−69102号公報
【特許文献2】特開平11−216405号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1及び特許文献2で提案された方法でも、塗布液塗布開始部と塗布液塗布終端部との重複による塗布膜の増大の問題について解決されていない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状の基体に対し、生産性が高く均一に塗布液を塗布することを可能にする塗布法、及び本塗布法に好ましく使用できる塗布装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0011】
本発明の塗布方法は、塗布液を外周表面に1周分保持した円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状のオフセット塗布体と、前記塗布液を介して前記オフセット塗布体と接触した円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状の基体とが同時に1回転以上回転することにより、前記オフセット塗布体が外周表面に保持した前記塗布液を前記基体の外周表面に塗布する工程を備え、前記オフセット塗布体の外周の長さと前記基体の外周の長さが実質的に同一であり、かつ前記塗布液を前記基体の外周表面へ塗布するときの前記オフセット塗布体の外周速度と前記基体の外周速度が実質的に同一であることを特徴とする。
【0012】
本発明では、オフセット塗布体と基体とを実質的に同一の外周速度で同時に回転させることのより、オフセット塗布体の外周表面に保持された塗布液を基体の外周表面に塗布する。このことにより、基体の外周表面に塗布液の塗布を行ったオフセット塗布体の外周表面の回転方向の長さと、塗布液が塗布された基体の外周表面の回転方向の長さは、実質的に同一の長さとすることができる。
また、本発明では、オフセット塗布体の外周長さと基体の外周長さが実質的に同一の外周長さを有する。これらのことによりオフセット塗布体の外周表面に保持された塗布液を塗布する基体の塗布開始点と塗布終了点はほぼ同じ部分となるため、この部分において塗布液の重複は形成されず塗布液の液溜まりも生じない。また、塗布液が塗布されていない部分も生じない。このことにより、基体の外周表面に均一な厚さで塗布液を塗布することができる。
また、本発明では、オフセット塗布体と基体との精密な離間時間制御の必要がなく、装置の制御が容易であり、生産性がよい。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。
【0013】
前記基体は、電子写真用感光体基体であってもよい。
前記塗布液は、3〜100cpsの粘度を有してもよい。
前記塗布液を外周表面に1周分保持した前記オフセット塗布体は、前記オフセット塗布体の外周表面の一部が塗布液容器に貯留された前記塗布液、あるいは一部が前記塗布液容器に貯留された前記塗布液中にありかつ回転する円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状の塗布液供給体の外周表面に保持された前記塗布液と接触し、前記オフセット塗布体が1回転以上回転することにより、外周表面に前記塗布液を保持してもよい。
前記塗布液を外周表面に1周分保持した前記オフセット塗布体は、前記塗布液容器に貯留された前記塗布液、または前記塗布液供給体の外周表面に保持された前記塗布液から離間し、前記オフセット塗布体の外周表面に保持された前記塗布液を介して前記基体と接触するまで移動してもよい。
【0014】
本発明は、前記塗布液を外周表面に1周分保持し得る円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状のオフセット塗布体と、前記塗布液を介して前記オフセット塗布体と接触し前記オフセット塗布体と同時に1回転以上回転することにより、前記オフセット塗布体の外周表面が保持した前記塗布液を外周表面に塗布される円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状の基体とを備え、前記オフセット塗布体の外周の長さと前記基体の外周の長さが実質的に同一であり、かつ前記塗布液を前記基体の外周表面へ塗布するときの前記オフセット塗布体の外周速度と前記基体の外周速度が実質的に同一である塗布装置も提供する。
前記オフセット塗布体の外周表面の一部が接触し前記オフセット塗布体が1回転以上回転することにより前記オフセット塗布体の外周表面に1周分の前記塗布液を保持させる前記塗布液を外周表面に保持し、かつ一部が塗布液容器に貯留された前記塗布液中にあり、かつ回転する円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状の塗布液供給体をさらに備えてもよい。
前記オフセット塗布体が外周表面に1周分の前記塗布液を保持したまま前記塗布液容器に貯留された前記塗布液または前記塗布液供給体の外周表面に保持された前記塗布液から離間し、前記オフセット塗布体が外周表面に保持した前記塗布液を介して前記基体と接触するまで、前記オフセット塗布体を移動させ得る移動装置をさらに備えてもよい。
ここで示した種々の実施形態は、互いに組み合わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
【0016】
1.塗布装置
まず、本発明の一実施形態の塗布装置について説明する。
図1(a)および(b)は、オフセット塗布体及び基体が円筒形状の場合の本発明の一実施形態の塗布装置を示す概略斜視図および概略断面図である。また、図2(a)および(b)は、オフセット塗布体及び基体が無端ベルト形状の場合の本発明の一実施形態の塗布装置を示す概略斜視図および概略断面図である。なお、円筒形状のオフセット塗布体2aおよび無端ベルト形状のオフセット塗布体2bは、オフセット塗布体2に含まれる。また、円筒形状の基体1aおよび無端ベルト形状の基体1bは基体1に含まれる。また、無端ベルト形状とは、ベルトの端と端が結合している形状であり、回転方向に端を有さない形状である。
【0017】
本発明の一実施形態の塗布装置は、塗布液4を外周表面に1周分保持し得る円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状のオフセット塗布体2と、塗布液4を介してオフセット塗布体2と接触しオフセット塗布体2と同時に1回転以上回転することにより、オフセット塗布体2の外周表面が保持した塗布液4を外周表面に塗布される円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状の基体1とを備える。
また、本発明の一実施形態の塗布装置は、オフセット塗布体2の外周表面の一部が接触しオフセット塗布体2が1回転以上回転することによりオフセット塗布体2の外周表面に1周分の塗布液4を保持させる塗布液4を外周表面に保持し、かつ一部が塗布液容器5に貯留された塗布液4中にあり、かつ回転する円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状の塗布液供給体3をさらに備えてもよい。
また、本発明の一実施形態の塗布装置は、オフセット塗布体2が外周表面に1周分の塗布液4を保持したまま塗布液容器5に貯留された塗布液4または塗布液供給体3の外周表面に保持された塗布液4から離間し、オフセット塗布体2が外周表面に保持した塗布液4を介して基体1と接触するまで、オフセット塗布体2を移動させ得る移動装置7をさらに備えてもよい。
また、本発明の一実施形態の塗布装置は、回転駆動制御装置を備えてもよい。
以下、本発明の塗布装置の各構成要素について説明する。
【0018】
1−1.塗布液
塗布液4は、塗布物質および揮発性溶媒を含んでおり、オフセット塗布体2および基体1に塗布することができる。また、塗布液4は、塗布物質と揮発性溶媒を混合、分散することにより調整することができる。
塗布物質は、揮発性溶媒とともに塗布液4を形成することができれば特に限定されないが、たとえば、電子写真感光体材料であり、さらには、下引き層、電荷発生層または電荷輸送層の材料である。また、塗布物質は、たとえばバインダー物質などである。また、塗布液4は複数の種類の塗布物質を含むこともできる。また、塗布液4は、塗布することにより塗布層を形成するために必要な物質を含むことができる。また、塗布液4は、塗布液4の粘度を調整するための物質を含んでもよい。
揮発性溶媒は、塗布物質とともに塗布液4を形成することができれば特に限定されないが、たとえば、ジクロロエタン、テトラクロロプロパンなどのハロゲン化炭化水素、イソホロン、メチルエチルケトン、アセトフェノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、安息香酸メチル、酢酸ブチルなどのエステル類、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジベンジルエーテル、1,2−ジメトキシエタンまたはジオキサンなどである。また、塗布液4は2種類以上の揮発性溶媒を含んでもよい。
【0019】
また、塗布液4は、塗布液容器5に貯留されたものでもよく、また、塗布液供給体3、オフセット塗布体2、基体1の外周表面に保持されたものでもよい。
塗布液4の粘度は、たとえば3〜100cps(たとえば3、4、5、7、10、15、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90及び100cpsの何れか2つの間の範囲)であり、好ましくは3〜40cpsである。オフセット塗布体2および基体1に塗布液を均一に塗布することができる粘度である場合があるためである。また、オフセット塗布体2への塗布液4の塗布後、表面張力により塗布液4の平滑化をするためである。
【0020】
1−2.塗布液容器
塗布液容器5は、塗布液4を入れることができ、かつオフセット塗布体3の外周表面又は塗布液供給体3の外周表面に塗布液4を供給できれば特に限定されない。
【0021】
1−3.塗布液供給体
塗布液供給体3は、オフセット塗布体2の外周表面の一部が接触しオフセット塗布体2が1回転以上回転することによりオフセット塗布体2の外周表面に1周分の塗布液4を保持させる塗布液4を外周表面に保持し、かつ一部が塗布液容器5に貯留された塗布液4中にあり、かつ回転することができ円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状である。
また、塗布液供給体3は、塗布液容器5に貯留された塗布液4の液面と平行に設置することができ、また、回転軸が回転駆動制御装置6に連結することもできる。
【0022】
塗布液供給体3の材料は、外周表面が塗布液4と親和性を有すれば特に限定されないが、例えば塗布液供給体3の外周表面を硬質ゴムで形成することができる。また、塗布液供給体3の表面粗さは、外周表面に塗布液4を保持することができれば特に限定されないが、例えば、0.1〜20μm(Rz)(例えば0.1、0.3、0.5、0.7、1.0、1.2、1.5、2、3、4、5、7、10、15及び20μm(Rz)の何れか2つの間の範囲)である。外周表面に保持される塗布液4の厚さを20〜100μmとすることができ、オフセット塗布体2が外周表面に塗布液4を保持するときに、オフセット塗布体2の外周表面への塗布液4を安定して供給できるためである。
【0023】
塗布液供給体3の形状は、円筒形状、無端ベルト形状または円柱形状である。なお、円筒形状または円柱形状の場合、円筒または円柱の縦方向の中心軸を中心に回転駆動制御装置6により回転させることができる。また、無端ベルト形状の場合、無端ベルトの内部にバックアップローラ8を複数入れ、無端ベルトのたるみを除いた後、バックアップローラ8を回転させることにより、無端ベルトを回転させることができる。後述するオフセット塗布体2および基体1の場合でも同様である。
塗布液供給体3が円筒形状又は円柱形状の場合、塗布液供給体3の外径は、特に限定されないが、例えば、10〜200mm(例えば10、20、30、40、50、60、80、100、120、140、160、180及び200mmのいずれか2つの間の範囲)である。また、塗布液供給体3が無端ベルト形状の場合、塗布液供給体3の外周の長さは、特に限定されないが、例えば、100〜3000mm(例えば100、300、500、900、1000、1200、1500、2000、2500及び3000mmのいずれか2つの間の範囲)である。
【0024】
1−4.オフセット塗布体
オフセット塗布体2は、塗布液4を外周表面に1周分保持することができ、円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状である。また、オフセット塗布体2の外周の長さは、基体1の外周の長さと実質的に同一である。
また、オフセット塗布体2は、塗布液容器5中の塗布液4の液面と平行に設置してもよく、また、塗布液供給体3と平行に設置してもよい。また、回転軸が回転駆動制御装置6および移動装置7に連結してもよい。
オフセット塗布体2の材料は、外周表面が塗布液4と親和性を有し、かつ外周表面に塗布液4を塗布することができ、さらに外周表面に保持された塗布液4を基体1に塗布することができれば特に限定されない。例えば、外周表面に硬質クロムメッキを施したアルミニウム製であり、また、外周表面にアルミ蒸着を施したポリイミド製である。
【0025】
また、オフセット塗布体2の表面粗さは、外周表面に塗布液4を保持することができれば特に限定されないが、例えば、0.1〜20μm(Rz)(例えば0.1、0.3、0.5、0.7、1.0、1.2、1.5、2、3、4、5、7、10、15及び20μm(Rz)の何れか2つの間の範囲)である。外周表面に保持される塗布液4の厚さを20〜100μmとすることができ、オフセット塗布体2の外周表面で塗布液4の表面張力により塗布液4の厚さの平滑化をすることができるためである。
オフセット塗布体2の形状は、円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状である。
オフセット塗布体2の外周の長さは、基体1の外周の長さと実質的に同一であるが、たとえば、オフセット塗布体2と基体1の外周長さの差は、例えば基体1の外周の長さの1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5.0.4、0.3、0.2、0.1、0.05、0.01%以下とすることもできる。
【0026】
オフセット塗布体2が円筒形状又は円柱形状の場合、オフセット塗布体2の外径は、特に限定されないが、例えば、10〜200mm(例えば10、20、30、40、50、60、80、100、120、140、160、180及び200mmのいずれか2つの間の範囲)である。また、オフセット塗布体2が無端ベルト形状の場合、オフセット塗布体2の外周の長さは、特に限定されないが、例えば、100〜3000mm(例えば100、300、500、900、1000、1200、1500、2000、2500及び3000mmのいずれか2つの間の範囲)である。
【0027】
1−5.基体
基体1は、塗布液4を介してオフセット塗布体2と接触しオフセット塗布体2と同時に1回転以上回転することにより、オフセット塗布体2の外周表面が保持した塗布液4を外周表面に塗布され、円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状である。
また、基体1は、オフセット塗布体2と平行に設置することもできる。また、基体1は、塗布液4の塗布後、新たな基体と交換することができる。また回転軸が回転駆動制御装置6に連結してもよい。
基体1の材料は、外周表面が塗布液4と親和性を有すれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム製であり、また、外周表面にアルミ蒸着を施したポリイミド製である。
また、基体1の表面粗さは、外周表面に塗布液4を保持することができれば特に限定されないが、例えば、0.1〜20μm(Rz)(例えば0.1、0.3、0.5、0.7、1.0、1.2、1.5、2、3、4、5、7、10、15及び20μm(Rz)の何れか2つの間の範囲)である。外周表面に保持される塗布液4の厚さを20〜100μmとすることができるためである。
【0028】
基体1の形状は、円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状である。
基体1が円筒形状又は円柱形状の場合、基体1の外径は、特に限定されないが、例えば、10〜200mm(例えば10、20、30、40、50、60、80、100、120、140、160、180及び200mmのいずれか2つの間の範囲)である。また、基体1が無端ベルト形状の場合、基体1の外周の長さは、特に限定されないが、例えば、100〜3000mm(例えば100、300、500、900、1000、1200、1500、2000、2500及び3000mmのいずれか2つの間の範囲)である。
また、基体1は、一度外周表面に異なる又は同一の塗布液4を塗布したものを乾燥させたものであってもよい。
【0029】
1−6.回転駆動制御装置
回転駆動制御装置6は、塗布液供給体3、オフセット塗布体2および基体1の回転軸と連結し、これらの回転を駆動制御することができる。また、塗布液供給体3、オフセット塗布体2および基体1がそれぞれ別々の回転駆動制御装置6に連結してもよい。
【0030】
1−7.移動装置
移動装置7は、オフセット塗布体2と連結しオフセット塗布体7を移動させることができる。また、移動装置7は、オフセット塗布体2の外周表面の一部が塗布液容器5に貯留された塗布液4または塗布液供給体3の外周表面に保持された塗布液4に接触するため、離間するため、あるいは外周表面に保持された塗布液4を介して基体1と接触するためにオフセット塗布体2を移動させることができるものであれば特に限定されない。
【0031】
2.塗布方法
次に、本発明の一実施形態の塗布方法について説明する。
図1(a)〜(i)は、オフセット塗布体2及び基体1が円筒形状の場合の本発明の一実施形態の塗布方法の工程を示す概略斜視図又は概略断面図である。また、図2(a)〜(i)は、オフセット塗布体2及び基体1が無端ベルト形状の場合の本発明の一実施形態の塗布方法の工程を示す概略斜視図又は概略断面図である。
本発明の一実施形態の塗布方法は、塗布液4を外周表面に1周分保持したオフセット塗布体2と、塗布液4を介してオフセット塗布体2と接触した基体1とが同時に1回転以上回転することにより、オフセット塗布体2が外周表面に保持した塗布液4を基体1の外周表面に塗布する工程を備える。
また、本発明の一実施形態の塗布方法において、塗布液4を外周表面に1周分保持したオフセット塗布体2は、オフセット塗布体2の外周表面の一部が塗布液供給体3の外周表面に保持された塗布液4と接触し、オフセット塗布体2が1回転以上回転することにより、外周表面に塗布液4を保持してもよい。
また、本発明の一実施形態の塗布方法において、塗布液4を外周表面に1周分保持したオフセット塗布体2は、塗布液容器5に貯留された塗布液4、または塗布液供給体3の外周表面に保持された塗布液4から離間し、オフセット塗布体2の外周表面に保持された塗布液4を介して基体1と接触するまで移動してもよい。
以下、本発明の一実施形態の塗布方法の各工程について説明する。
【0032】
2−1.オフセット塗布体塗布工程
オフセット塗布体2の外周表面の一部が塗布液容器5に貯留された塗布液4、あるいは塗布液供給体3の外周表面に保持された塗布液4と接触し、オフセット塗布体2が1回転以上回転することにより、オフセット塗布体2が外周表面に塗布液4を保持する。
まず、図1(a)、(b)、図2(a)、(b)のような塗布装置において、図1(c)、図2(c)のようにオフセット塗布体2が移動し、オフセット塗布体2の外周表面の一部が、塗布液4に接触することができる。なお、オフセット塗布体2が接触する塗布液4は、特に限定されないが、塗布液容器5に貯留された塗布液4であってもよく、また、塗布液供給体3の外周表面に保持された塗布液4であってもよい。
なお、オフセット塗布体2が塗布液供給体3の外周表面に保持された塗布液4と接触する場合、オフセット塗布体2の外周表面に塗布液4を均一な厚さで塗布するために、オフセット供給体2の外周表面と塗布液供給体3の外周表面の塗布液4の接触部での間隔は、たとえば10〜200μm(たとえば10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180及び200μmの何れか2つの間の範囲)とすることができる。
【0033】
オフセット塗布体2が接触する塗布液4が塗布液供給体3の外周表面に保持された塗布液4である場合、塗布液供給体3の回転速度は、オフセット塗布体2へ安定して塗布液4をオフセット塗布体2に供給できれば特に限定されないが、例えば、外周速度が10〜500mm/secである。
次に図1(d)、図2(d)のようにオフセット塗布体2が、1回転以上回転することにより、オフセット塗布体2が外周表面に塗布液4を保持する。
なお、このときのオフセット塗布体2の回転の向きは、特に限定されない。また、オフセット塗布体2が塗布液供給体3の外周表面に保持された塗布液4と接触する場合、オフセット塗布体2の回転の向きは、塗布液供給体3の回転の向きと同方向であってもよく、逆方向であってもよい。
このときのオフセット塗布体2の回転速度は、オフセット塗布体2の外周表面が塗布液4を安定して保持することができれば特に限定されないが、例えば、外周速度が10〜500mm/secである。
【0034】
2−2.オフセット塗布体移動工程
図1(e)、図2(e)のように塗布液容器5に貯留された塗布液4、または塗布液供給体3の外周表面に保持された塗布液4から離間し、オフセット塗布体2の外周表面に保持された塗布液4を介して基体1と接触するまで、塗布液4を外周表面に1周分保持したオフセット塗布体2は、移動する。
また、オフセット塗布体2は、回転しながら移動することもできる。
オフセット塗布体2の外周表面に塗布液4を保持させた後、オフセット塗布体2を塗布液容器5に貯留された塗布液4または塗布液供給体3の外周表面に保持された塗布液4などから適切に離間させることにより、オフセット塗布体2の外周表面が保持する塗布液4の量を決定することができる。また、基体1に塗布する塗布液4の量も基体1に塗布する前に決定することができる。このことにより、基体1に塗布する塗布液4の量を正確に設定制御することができる。また、このことにより、基体1に塗布液4の液溜まりが形成されることも防止することができる。
また、オフセット塗布体2の外周表面に保持された塗布液4を他の塗布液4と接触しないようにすることにより、塗布液4の表面張力によりこの塗布液4の厚さを均一にすることができる。また、オフセット塗布体2の外周表面に保持された塗布液4は、揮発性溶媒が揮発することにより粘度が大きくなることがある。また、揮発性溶媒が揮発することにより塗布液4の厚さが小さくなることもある。
【0035】
また、オフセット塗布体2は、外周表面に保持された塗布液4を介して基体1と接触するまで移動することができる。
オフセット塗布体2と基体1との間隔は、オフセット塗布体2と基体1がオフセット塗布体2の外周表面に保持された塗布液4を介して接触することができる間隔であれば特に限定されないが、例えば、オフセット塗布体2の外周表面に保持された塗布液4の厚さであり、例えば10〜200μm(たとえば10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180及び200μmの何れか2つの間の範囲)とすることができる。
【0036】
2−3.基体塗布工程
塗布液4を外周表面に1周分保持したオフセット塗布体2と、塗布液4を介してオフセット塗布体2と接触した基体1とが、実質的に同一の外周速度で同時に1回転以上回転することにより、前記オフセット塗布体が外周表面に保持した前記塗布液を前記基体の外周表面に塗布する。
図1(f)、(g)、(h)、図2(f)、(g)、(h)のようにオフセット塗布体2と基体1を同時に1回転以上回転させることにより、塗布液4を基体1の外周表面に塗布することができる。
オフセット塗布体2と基体1の外周速度は、実質的に同一であるが例えば、オフセット塗布体2と基体1の外周速度の差が秒速1mm以下(たとえば、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1及び0.0001mm/sのいずれか2つの間の範囲)である。
また、オフセット塗布体2と基体1の外周速度は、例えば、10〜500mm/secである。
【0037】
また、図3は、オフセット塗布体2および基体1が共に円筒形状の場合の本発明の一実施形態の基体塗布工程における概略断面図である。図3(a)は、オフセット塗布体2aと基体1aが異なる方向に回転する場合の概略断面図であり、図3(b)は、オフセット塗布体2aと基体1aが同じ方向に回転する場合の概略断面図である。
図3に示すように、オフセット塗布体2aと基体1aが異なる方向に回転する場合でも、同じ方向に回転する場合でも、同様にオフセット塗布体2aの外周表面に保持された塗布液4を基体1aの外周表面に塗布することができる。また円筒形状以外の他の無端ベルト形状又は円柱形状のオフセット塗布体2又は基体1でも同様に、回転方向が異なる場合でも塗布液4を基体1の外周表面に塗布することができる。
【0038】
塗布点9において、塗布液4を介して接触したオフセット塗布体2と基体1が、オフセット塗布体2と基体1との外周速度の差が実質的に同一の外周速度で同時に1回転以上回転する。このことにより、基体1の外周表面にオフセット塗布体2の外周表面に保持された塗布液4をほぼ同じ厚さで塗布することができる。また、基体1の外周表面に塗布液4の塗布を行ったオフセット塗布体2の外周表面の回転方向の長さと、塗布液4が塗布された基体1の外周表面の回転方向の長さは、ほぼ同じ長さになる。
また、さらにオフセット塗布体2と基体1の外周の長さはほぼ同じであるため、基体1の外周表面の塗布開始点10と塗布終了点11はほぼ同じ部分となり、この部分において塗布液4の重複は形成されず塗布液溜まりも生じない。また、塗布液4が塗布されていない部分も生じない。また、オフセット塗布体2と基体1との精密な離間時間制御の必要がなく、装置の制御が容易であり、生産性がよい。
【0039】
また、オフセット塗布体2の外周表面に保持された塗布液4を基体1に塗布するため、基体1の外周表面のみに確実に塗布することができる。
また、基体1を塗布液4に沈める必要はなく、また、基体1の外周表面に確実に塗布液4を塗布することができるため、外周の長さが長い基体1に容易に生産性よく塗布液4を塗布することができる。
また、オフセット塗布体2の外周表面に塗布液4が均一で所望の厚さに塗布されているか確認した後、基体1に塗布液4を塗布することができる。このことにより基体1に不均一でない又は所望の厚さでない塗布液4を塗布する確率が減少し、生産性を高くすることができる。
【0040】
3.効果実証実験
次に本発明の効果実証実験について説明する。ここでは、円筒形状の基体1aへの塗布実験および無端ベルト形状の基体1bへの塗布実験を行った。
【0041】
3−1.円筒形状の基体への塗布実験
3−1−1.塗布装置および各構成要素
塗布液4は、以下のように調製した。まず、2重量部の電荷発生材料である化1のペリレン顔料を、98重量部の1,2−ジクロロエタンと混合しペイントシェイカーで分散して分散液を調製した。
【0042】
【化1】

【0043】
さらに100重量部の電荷輸送材料である化2のヒドラゾン系化合物、50重量部のバインダーであるポリアリレート(U−100:ユニチカ社製)および0.03重量部のジメチルシリコーンオイル(SH200 20cs:トーレシリコーン社製)を1400重量部のジクロロメタンに溶解したものを上記の分散液に加え混合することにより塗布液4を調製した。
【0044】
【化2】

【0045】
図1(a)のように、この塗布液4を塗布液容器5中に貯留させ、また外周表面の一部がこの塗布液4と接触するように塗布液供給体3を設置し、その上にオフセット塗布体2a、基体1aをこの順で設置した。
塗布液供給体3は、外周表面が硬質ゴムで形成され、表面粗さ2.0μm(Rz)、長さ400mm、外径30mmの円柱形状とした。円筒形状のオフセット塗布体2aは、表面処理として硬質クロムメッキを施した表面粗さ2.0μm(Rz)、長さ400mm、外径30mmのアルミニウム製とした。円筒形状の基体1aは、アルミニウムからなり、表面粗さ0.5μm〜2.5μm(Rz)、長さ254mm、外径30mm、肉厚1mmの中空構造とした。
また、塗布液供給体3、オフセット塗布体2aおよび基体1aの回転速度及び回転開始/終了時期などを回転駆動制御装置6によりを制御した。また、オフセット塗布体2aは、移動装置7に搭載することにより塗布液供給体3と基体1aの間を移動できるようにした。
【0046】
3−1−2.塗布液の塗布
まず、図1(b)のように塗布液供給体3を連続的に外周速度100mm/secで回転させることにより、塗布液供給体3の外周表面に塗布液4を1周分保持させた。
その後、図1(c)のようにオフセット塗布体2aを、オフセット塗布体2aの外周表面の一部が塗布液供給体3の外周表面に保持された塗布液4に接触するように移動装置7により移動させた。
その後、図1(d)のようにオフセット塗布体2aを外周速度100mm/secで回転させ、オフセット塗布体2aの外周表面に塗布液4を全周にわたり保持させた。
その後、図1(e)のようにオフセット塗布体2aを、塗布液供給体3の外周表面に保持された塗布液4から離間させ、その後、オフセット塗布体2aを、オフセット塗布体2aの外周表面に保持された塗布液4を介して基体1aと接触するように移動装置7により移動させた。
その後、図1(f)、(g)、(h)のようにオフセット塗布体2aと基体1aを同時に100mm/secで回転させることにより、オフセット塗布体2aの外周表面に保持された塗布液4を基体1aの外周表面に塗布した。このオフセット塗布体2aと基体1aの外周速度を測定したところ、誤差は0.1%以内であった。
この塗布液4を塗布した基体1を塗布装置から取り外し、乾燥させることにより円筒形状の感光体を得ることができた。
【0047】
得られた感光体をシャープ(株)製複合機(MX−2000F)を正帯電用に改造した実験機に搭載し、画像確認を行ったところ、継ぎ目などのないきれいな印刷画質が得られた。
【0048】
3−2.無端ベルト形状の基体への塗布実験
3−2−1.塗布装置および各構成要素
図2(a)のように、「3−1−1」に調製方法を記載した塗布液4を塗布液容器5中に貯留させ、また外周表面の一部が塗布液4と接触するように塗布液供給体3を設置し、その上にオフセット塗布体2b、基体1bをこの順で設置した。
塗布液供給体3は、外周表面が硬質ゴムで形成され表面粗さ2.0μm(Rz)、長さ312mm、外径30mmの円柱形状とした。無端ベルト形状のオフセット塗布体2bは、表面処理としてアルミ蒸着を施した表面粗さ1.0μm(Rz)、幅332mm、外周長949mmのポリイミド製とした。無端ベルト形状の基体1bは、ポリイミドからなり外周表面にアルミ蒸着を施し表面粗さ1.0μm(Rz)、幅332mm、外周長949mm、肉厚0.8mmの無端ベルト形状とした。
なお無端ベルト形状のオフセット塗布体2bの内部に3つのバックアップローラd、e、fを設置し、無端ベルトのたるみを無くし、バックアップローラを回転させることにより無端ベルトを回転できるようにした。また、無端ベルト形状の基体1bの内部に3つのバックアップローラa、b、cを設置し、無端ベルトのたるみを無くし、バックアップローラを回転させることにより無端ベルトを回転できるようにした。
また、塗布液供給体3、オフセット塗布体2bおよび基体1bの回転速度及び回転開始/終了時期などを回転駆動制御装置6によりを制御した。また、オフセット塗布体2bは、移動装置7に搭載することにより塗布液供給体3と基体1bの間を移動できるようにした。
【0049】
3−2−2.塗布液の塗布
まず、図2(b)のように塗布液供給体3を連続的に外周速度100mm/secで回転させることにより、塗布液供給体3の外周表面に塗布液4を保持させた。
その後、図2(c)のようにオフセット塗布体2bを、オフセット塗布体2bの外周表面の一部が塗布液供給体3の外周表面に保持された塗布液4に接触するように移動装置7により移動させた。
その後、図2(d)のようにオフセット塗布体2bを外周速度100mm/secで回転させ、オフセット塗布体2bの外周表面に塗布液4を1周分保持させた。
その後、図2(e)のようにオフセット塗布体2bを、塗布液供給体3の外周表面に保持された塗布液4から離間させ、その後、オフセット塗布体2bを、オフセット塗布体2bの外周表面に保持された塗布液4を介して基体1bと接触するように移動装置7により移動させた。
その後、図2(f)、(g)、(h)のようにオフセット塗布体2bと基体1bを同時に100mm/secで回転させることにより、オフセット塗布体2bの外周表面に保持された塗布液4を基体1bの外周表面に塗布した。
この塗布液4を塗布した基体1bを塗布装置から取り外し、乾燥させることにより無端ベルト形状の感光体を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】(a)〜(i)は、オフセット塗布体2及び基体1が円筒形状の場合の本発明の一実施形態の塗布装置および塗布方法の工程を示す概略斜視図又は概略断面図である。
【図2】(a)〜(i)は、オフセット塗布体2及び基体1が無端ベルト形状の場合の本発明の一実施形態の塗布装置および塗布方法の工程を示す概略斜視図又は概略断面図である。
【図3】オフセット塗布体2および基体1が円筒形状の場合の本発明の一実施形態の基体塗布工程を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1a:基体(円筒形状) 1b:基体(ベルト形状) 2a:オフセット塗布体(円筒形状) 2b:オフセット塗布体(ベルト形状) 3:塗布液供給体 4:塗布液 5:塗布液容器 6:回転駆動制御装置 7:移動装置 8:バックアップローラ 9:塗布点 10:塗布開始点 11:塗布終了点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布液を外周表面に1周分保持した円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状のオフセット塗布体と、前記塗布液を介して前記オフセット塗布体と接触した円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状の基体とが同時に1回転以上回転することにより、前記オフセット塗布体が外周表面に保持した前記塗布液を前記基体の外周表面に塗布する工程を備え、
前記オフセット塗布体の外周の長さと前記基体の外周の長さが実質的に同一であり、かつ前記塗布液を前記基体の外周表面へ塗布するときの前記オフセット塗布体の外周速度と前記基体の外周速度が実質的に同一であることを特徴とする塗布方法。
【請求項2】
前記基体は、電子写真用感光体基体である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記塗布液は、3〜100cpsの粘度を有する請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記塗布液を外周表面に1周分保持した前記オフセット塗布体は、前記オフセット塗布体の外周表面の一部が塗布液容器に貯留された前記塗布液、あるいは一部が前記塗布液容器に貯留された前記塗布液中にありかつ回転する円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状の塗布液供給体の外周表面に保持された前記塗布液と接触し、前記オフセット塗布体が1回転以上回転することにより、外周表面に前記塗布液を保持する請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記塗布液を外周表面に1周分保持した前記オフセット塗布体は、前記塗布液容器に貯留された前記塗布液、または前記塗布液供給体の外周表面に保持された前記塗布液から離間し、前記オフセット塗布体の外周表面に保持された前記塗布液を介して前記基体と接触するまで移動する請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記塗布液を外周表面に1周分保持し得る円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状のオフセット塗布体と、
前記塗布液を介して前記オフセット塗布体と接触し前記オフセット塗布体と同時に1回転以上回転することにより、前記オフセット塗布体の外周表面が保持した前記塗布液を外周表面に塗布される円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状の基体とを備え、
前記オフセット塗布体の外周の長さと前記基体の外周の長さが実質的に同一であり、かつ前記塗布液を前記基体の外周表面へ塗布するときの前記オフセット塗布体の外周速度と前記基体の外周速度が実質的に同一である塗布装置。
【請求項7】
前記オフセット塗布体の外周表面の一部が接触し前記オフセット塗布体が1回転以上回転することにより前記オフセット塗布体の外周表面に1周分の前記塗布液を保持させる前記塗布液を外周表面に保持し、かつ一部が塗布液容器に貯留された前記塗布液中にあり、かつ回転する円筒形状、無端ベルト形状又は円柱形状の塗布液供給体をさらに備える請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記オフセット塗布体が外周表面に1周分の前記塗布液を保持したまま前記塗布液容器に貯留された前記塗布液または前記塗布液供給体の外周表面に保持された前記塗布液から離間し、前記オフセット塗布体が外周表面に保持した前記塗布液を介して前記基体と接触するまで、前記オフセット塗布体を移動させ得る移動装置をさらに備える請求項6または7に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−82583(P2010−82583A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−256352(P2008−256352)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】