説明

塗布材押出容器

【課題】クラッチ機能を十分に発揮しつつ移動体の破損を防止する。
【解決手段】内周面に雌螺子11xを有する本体筒11と、雌螺子11xと螺合する螺合突起13xを有する移動体13とを具備し、移動体13は、後端部の基部13mと、基部13mから一対が後方に突出して対向配置されその各々が半径方向に弾性を有し且つその各々の外面に螺合突起13xを有する弾性突部13nとを備え、本体筒11と移動体13の相対回転により移動体13が移動し移動限に達した状態で移動体13に過大な回転力が作用すると弾性突部13nが半径方向に縮径する塗布材押出容器であって、基部13mであって一対の対向する弾性突部13n,13nの側端部同士間の一方側に半径方向外側及び後方に開放される凹部(又は溝)13tを設け、これによりクラッチ時の応力を分散・開放し且つ側端部同士間の両方側に設けた場合に比して弾性突部13n,13nの弾性復帰を確実に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布材を押し出して使用するための塗布材押出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、棒状化粧料を押し出して使用するための棒状化粧料繰出容器として、以下の特許文献1に記載のものが知られている。この棒状化粧料繰出容器にあっては、図9に示すように、筒状を成し内周面に雌螺子1xを有する本体筒1と、この本体筒1に対して回転可能に連結された先筒2のその内部に同期回転可能に収容され、上記雌螺子1xと螺合する雄螺子片3xが設けられた軸状の芯チャック3と、を具備し、この芯チャック3は、その後端部を構成しこれより前側の軸体部3bより拡径された平板状の基部3mと、この基部3mから一対が後方に突出して対向配置されその各々が半径方向に弾性を有すると共にその各々の外周面に上記雄螺子片3x,3xが設けられた筒状拡大部3n,3nと、備え、本体筒1と先筒2とが使用者により相対回転されると、本体筒1と芯チャック3とが相対回転し、これにより雌螺子1x及び雄螺子片3x,3xより成る螺合部が働いて芯チャック3が進退し、芯チャック3の前進により棒状化粧料が容器先端の開口から出現する構成とされ、特に、この棒状化粧料繰出容器では、芯チャック3が前進限(先筒2の後端面)2gに達した状態で、使用者がさらに本体筒1と先筒2とを相対回転させて芯チャック3をそれ以上前進させようとする過大な回転力が作用すると、半径方向に弾性を有する筒状拡大部3n,3nが図示のように半径方向に縮径して空転する所謂クラッチとして機能し、これにより繰出機構の保護を図っている。
【特許文献1】特開平11−276247号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、上記容器にあっては、クラッチ時に、筒状拡大部3n,3nが半径方向に縮径するのと、元の位置に弾性復帰するのを繰り返すわけであるが、このクラッチ時に、基部3mの軸体部3bに対する根元部分の辺りに応力が集中しそこから後方に向かうひびCが入り、破損する虞がある。特に、芯チャック3の構成材が硬い場合にはそれが顕著となる。
【0004】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、クラッチ機能を十分に発揮しつつ芯チャックを始めとした移動体の破損を防止できる塗布材押出容器を提供することことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による塗布材押出容器は、筒状を成し内周面に雌螺子を有する雌螺子部材と、軸状を成して容器内に配置され雌螺子と螺合する螺合突起が設けられた移動体と、を具備し、移動体は、その後端部を構成する基部と、この基部から一対が後方に突出して対向配置されその各々が半径方向に弾性を有すると共にその各々の外面に上記螺合突起が設けられた弾性突部と、を備え、雌螺子部材と移動体との相対回転により、雌螺子及び螺合突起より成る螺合部が働いて移動体が移動し、移動体の前進により容器内の塗布材が容器先端の開口から出現する塗布材押出容器であって、移動体が移動限に達した状態で当該移動体をそれ以上進めようとする過大な回転力が作用すると、弾性突部が半径方向に縮径し空転する塗布材押出容器において、基部であって一対の対向する弾性突部の側端部同士間の一方側に対応する位置に、半径方向外側及び後方に開放された凹部を有することを特徴としている。
【0006】
このような塗布材押出容器によれば、移動体の後端部を構成する基部であって一対の対向する弾性突部の側端部同士間の一方側に対応する位置に、半径方向外側及び後方に開放される凹部が設けられるため、当該凹部により、クラッチ時に集中しようとする応力が分散・開放され、移動体の破損が防止される。また、当該凹部は、側端部同士間の両方側に対応する位置に設けられているのでは無く、側端部同士間の一方側に対応する位置のみに設けられているため、弾性突部の元の位置への弾性復帰(復元)が確実に行われ、クラッチ機能を十分に発揮できる。なお、凹部が側端部同士間の両方側に対応する位置に設けられている場合には、応力の分散・開放は成されるが、弾性突部の元の位置への弾性復帰が行われない場合があり、好ましくない。
【0007】
ここで、移動限としては、前進限及び後退限の少なくとも一方が挙げられる。
【0008】
また、凹部は、前方にも開放され溝とされていると、応力が一層分散・開放され、移動体の破損が一層防止される。
【0009】
また、溝は、基部を支持し前方に延在する軸体部も切り欠く構成であると、応力が一層分散・開放され、移動体の破損が一層防止される。
【0010】
また、基部の略中央に、前方へ凹む別の凹部を備え、当該別の凹部と上記凹部とが連通していると、応力が一層分散・開放され、移動体の破損が一層防止される。
【発明の効果】
【0011】
このように本発明によれば、クラッチ機能を十分に発揮しつつ移動体の破損を防止できる塗布材押出容器を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明による塗布材押出容器の好適な実施形態について図1〜図8を参照しながら説明する。なお、各図において、同一の要素には同一の記号を付し、重複する説明は省略する。
【0013】
図1〜図6は、本発明の一実施形態を、図7及び図8は、本発明の他の実施形態を各々示すものであり、先ず、図1〜図6に示す実施形態を説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る塗布材押出容器を示す縦断面図であり、初期状態及び塗布材支持体が後退限に達した状態を示す縦断面図、図2は、塗布材支持体が前進限に達した状態の塗布材押出容器を示す縦断面図、図3は、図2の要部拡大図、図4〜図6は、塗布材支持体を示す各図であり、本実施形態の塗布材押出容器は、塗布材を収容すると共に適宜使用者の操作により押し出し可能とするものである。
【0015】
ここでは、塗布材として、特に好適であるとして棒状化粧料が用いられている。この棒状化粧料としては、リップスティック、アイライナー、アイブロー、リップライナー、コンシーラー等を始めとした種々の棒状化粧料を用いることが可能であるが、筆記用具等の棒状の芯等を用いることも可能であり、また、半固体状、軟固形状、軟質状、ゼリー状等の棒状物(化粧料及び化粧料以外のもの)を用いることも可能である。そして、ここでは、塗布材として、横断面楕円形状の棒状化粧料が用いられているが、勿論、横断面円形形状のものを用いることも可能である。
【0016】
図1に示すように、塗布材押出容器100は、全体形状が筆記具の如き細長い丸棒状を成し良好な外観を呈するもので、容器後部を構成する本体筒(雌螺子部材)11と、この本体筒11に回転可能に連結されて容器前部を構成する先筒12と、を外形構成として具備し、これらの本体筒11及び先筒12内に、上記塗布材(不図示)と、これを支持(把持)する塗布材支持体(移動体)13と、を収容し、本体筒11と先筒12とを使用者が相対回転すると、容器100内に構成された螺合部14及び回り止め部15(これらの螺合部14及び回り止め部15に関しては後述)に従い、塗布材支持体13が移動し(前進又は後進し)、塗布材が先筒12の先端の開口12aから出没するものである。
【0017】
本体筒11は、有底円筒状を成し、その略中央から後端部に至る内周面に軸線方向に沿って雌螺子11xを有する雌螺子部材とされている。そして、この雌螺子11xの一方側(後側)の終端11hが、塗布材支持体13(詳しくは塗布材支持体13の後述の弾性突部13nの後端面13h)が後退時に突き当たる塗布材支持体13の後退限とされている。
【0018】
先筒12は、円筒状を成し、その軸線方向に貫通する筒孔(ここでは横断面楕円形状で上記開口12aに連通する筒孔)が、塗布材の摺動を可能とする塗布材孔12cとされ、この塗布材孔12cの周面の複数箇所(本実施形態では横断面楕円形状の長軸と短軸との間に対応する各箇所の四箇所)には、塗布材支持体13の後述する支持片13dの摺動を可能とする支持片溝12dが連設され、これらの塗布材孔12c及び支持片溝12dにより、塗布材及び支持片13dが摺動する進退孔12eが構成されている。そして、先筒12の本体筒11内に内挿された部分の後端面12gが、塗布材支持体13(詳しくは塗布材支持体13の後述の基部13mの先端面13g)が前進時に突き当たる塗布材支持体13の前進限とされている。
【0019】
塗布材支持体13は、例えば合成樹脂等の弾性を有する可撓性材により一体に成形され、ここでは、例えば、POM(ポリオキシメチレン)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)或いはその他の混合樹脂等より形成されている。
【0020】
この塗布材支持体13は、図1及び図4に示すように、塗布材の後端部を支持するための支持部13aと、この支持部13aより後側で軸線方向に延在する軸体部13bと、これらの軸体部13bと支持部13aとを細径にて連結する細径連結部13eと、軸体部13bの後端に連設されたクラッチ螺合部13fと、を備えている。
【0021】
支持部13aは、その外形が塗布材外形に略一致し塗布材の後端面を突き当てるための塗布材基部13cと、この塗布材基部13cに突き当てられた塗布材の後端部を支持(把持)すべく当該塗布材基部13cの外周面で上記支持片溝12dに対応する四箇所に、先端側に向かって突出するように設けられた支持片13dと、を備える。
【0022】
この支持部13a及び軸体部13bを有する塗布材支持体13は、図1に示すように、その塗布材基部13cが先筒12の塗布材孔12cに進入すると共にその支持片13dが先筒12の支持片溝12dに進入するようにして、支持部13aが進退孔12eに摺動可能に内挿されている。そして、塗布材支持体13の支持片13d及びこれが進入する支持片溝12dにより、塗布材支持体13の回り止め部15が構成され、塗布材支持体13が先筒12に対して軸線周りに同期回転可能且つ軸線方向に移動可能に係合されている。
【0023】
軸体部13bは、図1及び図4に示すように、その外形が、塗布材孔12c及び支持片溝12dより成る進退孔12eで軸線方向に摺動し得るように、塗布材基部13c及び支持片13dの外形とほぼ同じとされて軸線方向に延在する構成とされている。
【0024】
この軸体部13bの後端に設けられたクラッチ螺合部13fは、図1及び図4〜図6に示すように、軸体部13bの外形より多少大きい外形を有する板状の基部13mと、この基部13mの後端面の端部から一対が後方に突出して対向配置され、このような片持支持によりその各々が半径方向に弾性を有する弾性突部13n,13nと、を備えている。この弾性突部13nは、その外面が円弧状を成し、この円弧状を成す各々の外面に、前述した本体筒11の雌螺子11xに螺合する螺合突起13xを有している。これらの螺合突起13x,13xは、雄螺子を周方向に非連続として一対間欠配置したものである。そして、当該螺合突起13x及び雌螺子11xにより、螺合部14が構成されている。
【0025】
ここで、特に本実施形態にあっては、基部13mの所定位置に、クラッチ時の応力を分散・開放するための溝13sが設けられている。具体的には、溝13sは、一対の対向する弾性突部13n,13nの側端部13p,13q同士間の一方側に対応する位置(側端部13p,13q同士間の一方側に重なる位置)の基部13mの部分に、半径方向外側及び後方並びに前方に開放されるように形成されている。この溝13sは、ここでは、軸体部13bの後端部も切り欠くように形成されている。
【0026】
また、本実施形態にあっては、基部13mの略中央に、前方へ凹む凹部(別の凹部)13rを備え、当該凹部13rと上記溝13sとが連通する構成とされている。そして、これらの溝13s及び凹部13rにより、クラッチ時の応力を分散・開放するための凹部構造が構成されている(詳しくは後述)。なお、凹部13rは、前方に延びる孔であっても良い。
【0027】
このような構成を有する塗布材押出容器100にあっては、使用者が、本体筒11と先筒12とを繰り出し方向である一方向に相対回転すると、螺合部14及び回り止め部15に従い、塗布材支持体13が前進し、塗布材支持体13にその後端部が支持された塗布材が先筒12の先端の開口12aから出現する一方で、使用者が、本体筒11と先筒12とを繰り戻し方向である他方向(一方向の反対方向)に相対回転すると、塗布材支持体13が後退し、塗布材が先筒12の先端の開口12aから没入する。
【0028】
そして、図2及び図3に示すように、塗布材支持体13の基部13mの先端面13gが先筒12の後端面12gに突き当たって塗布材支持体13が前進限に達し、また、図1に示すように、塗布材支持体13の弾性突部13nの後端面13hが本体筒11の雌螺子11xの後側の終端11hに突き当たって塗布材支持体13が後退限に達し、これらの移動限でさらに塗布材支持体13をそれ以上進めようとする過大な回転力が作用すると、繰出機構の保護を図るべく、弾性突部13n,13nが半径方向に縮径し空転する所謂クラッチとして機能する。
【0029】
ここで、本実施形態の塗布材押出容器100にあっては、塗布材支持体13の後端部において一対の弾性突部13n,13nを支える基部13mに対して、前述した溝13sが設けられているため、当該溝13sにより、クラッチ時に集中しようとする応力が分散・開放され、塗布材支持体13の破損(従来技術で図9を用いて説明した基部3mに生じるひびC参照)が防止されている。また、当該溝13sは、側端部13p,13q同士間の両方側に対応する位置に設けられているのでは無く、側端部13p,13q同士間の一方側に対応する位置のみに設けられているため、弾性突部13n,13nの元の位置への弾性復帰(復元)が確実に行われ、クラッチ機能が十分に発揮される。なお、溝13sが側端部13p,13q同士間の両方側に対応する位置に設けられている場合には、応力の分散・開放は成されるが、弾性突部13n,13nの元の位置への弾性復帰が行われない場合があり、好ましくない。
【0030】
また、本実施形態によれば、溝13sが、軸体部13bも切り欠く構成であるため、応力が一層分散・開放され、塗布材支持体13の破損が一層防止されている。
【0031】
さらに、本実施形態によれば、基部13mの略中央に、前方へ凹む凹部13rを備え、当該凹部13rと溝13sとが連通しているため、応力が一層分散・開放され、塗布材支持体13の破損が一層防止されている。
【0032】
なお、本実施形態にあっては、移動限を前進限及び後退限の両方としているが、前進限及び後退限の少なくとも一方としても良い。
【0033】
図7は、本発明の他の実施形態に係る塗布材押出容器の要部を示す縦断面図、図8は、図7中の塗布材支持体の背面図である。
【0034】
この実施形態が先の実施形態と違う点は、溝13sに代えて、凹部13tを用いた点である。
【0035】
この凹部13tは、半径方向外側及び後方に開放された凹部であり、先の実施形態の溝13sとほぼ同位置、具体的には、基部13mの所定位置であって、一対の対向する弾性突部13n,13nの側端部13p,13q同士間の一方側に対応する位置に設けられている。
【0036】
このように構成された塗布材押出容器であっても、半径方向外側及び後方に開放された凹部13tにより、クラッチ時に集中しようとする応力が分散・開放され、塗布材支持体13の破損が防止される。また、当該凹部13tは、側端部13p,13q同士間の両方側に対応する位置に設けられているのでは無く、側端部13p,13q同士間の一方側に対応する位置のみに設けられているため、弾性突部13n,13nの元の位置への弾性復帰が確実に行われ、クラッチ機能が十分に発揮される。なお、凹部13tが側端部13p,13q同士間の両方側に対応する位置に設けられている場合には、応力の分散・開放は成されるが、弾性突部13n,13nの元の位置への弾性復帰が行われない場合があり、好ましくない。
【0037】
なお、凹部13tの半径方向(図7の紙面垂直奥への方向;図8の右方向)の深さを深くし、クラッチ時に集中しようとする応力を一層分散・開放し、塗布材支持体13の破損を一層防止するようにしても良く、また、先の実施形態と同様に、基部13mの略中央に、前方へ凹む凹部(別の凹部)13rを設け、当該凹部13rと凹部13tとを連通させることで、応力を一層分散・開放し、塗布材支持体13の破損を一層防止するようにしても良い。
【0038】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、先筒の後半部内に雌螺子部材を回転可能に収容したカートリッジを、カートリッジ収容容器に対して着脱可能(不能も可)且つ回転可能に装着し、当該カートリッジ収容容器と雌螺子部材とを同期回転可能に構成したカートリッジタイプの塗布材押出容器に対しても適用可能である。
【0039】
また、上記実施形態においては、特に好適であるとして、半固体状、軟固形状、軟質状、ゼリー状等を含む棒状物(化粧料及び化粧料以外のもの)を押し出し且つ引き戻せる容器に対する適用を述べているが、例えば液状化粧料等の液状物(化粧料及び化粧料以外の塗布材)を例えばピストン等を移動体として押し出す容器、又は、押し出し且つ/引き戻せる容器に対しても適用可能である。
【0040】
さらに、螺合突起13x、雌螺子11xは、間欠的に配される突起群又は螺旋状且つ間欠的に配される突起群のように螺子山と同様な働きをするものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態に係る塗布材押出容器の初期状態及び塗布材支持体が後退限に達した状態を示す縦断面図である。
【図2】図1に示す塗布材押出容器の塗布材支持体が前進限に達した状態を示す縦断面図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】図1及び図2中の塗布材支持体を示す斜視図である。
【図5】図4に示す塗布材支持体の後端部の拡大斜視図である。
【図6】図4及び図5に示す塗布材支持体の背面図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る塗布材押出容器の要部を示す縦断面図である。
【図8】図7中の塗布材支持体の背面図である。
【図9】従来技術の問題点を指摘するための図であり、塗布材押出容器の塗布材支持体が前進限に達した状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0042】
11…本体筒(雌螺子部材)、11h…後退限(移動限)、11x…雌螺子、12a…開口、12g…前進限(移動限)、13…塗布材支持体(移動体)、13b…軸体部、13m…基部、13n…弾性突部、13p,13q…弾性突部の側端部、13r…別の凹部、13s…溝、13t…凹部、13x…螺合突起、14…螺合部、100…塗布材押出容器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状を成し内周面に雌螺子を有する雌螺子部材と、軸状を成して容器内に配置され前記雌螺子と螺合する螺合突起が設けられた移動体と、を具備し、前記移動体は、その後端部を構成する基部と、この基部から一対が後方に突出して対向配置されその各々が半径方向に弾性を有すると共にその各々の外面に前記螺合突起が設けられた弾性突部と、を備え、前記雌螺子部材と前記移動体との相対回転により、前記雌螺子及び前記螺合突起より成る螺合部が働いて前記移動体が移動し、前記移動体の前進により容器内の塗布材が容器先端の開口から出現する塗布材押出容器であって、前記移動体が移動限に達した状態で当該移動体をそれ以上進めようとする過大な回転力が作用すると、前記弾性突部が半径方向に縮径し空転する塗布材押出容器において、
前記基部であって前記一対の対向する弾性突部の側端部同士間の一方側に対応する位置に、半径方向外側及び後方に開放された凹部を有することを特徴とする塗布材押出容器。
【請求項2】
前記移動限は、前進限及び後退限の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1記載の塗布材押出容器。
【請求項3】
前記凹部は、前方にも開放された溝とされていることを特徴とする請求項1又は2記載の塗布材押出容器。
【請求項4】
前記溝は、前記基部を支持し前方に延在する軸体部も切り欠くことを特徴とする請求項3記載の塗布材押出容器。
【請求項5】
前記基部の略中央に、前方へ凹む別の凹部を備え、
当該別の凹部と前記凹部とが連通していることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の塗布材押出容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−57550(P2010−57550A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−223533(P2008−223533)
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【出願人】(591147339)株式会社トキワ (141)
【Fターム(参考)】