説明

塗布設備

【課題】
塗布ブース内に低風量のエアで塗布材粒子を確実に囲い込む筒型の旋回流を形成することができ、これによって塗着効率を向上させると共に塗布材粒子が塗布ブースの内壁に付着することを防止し、ランニングコストを低減し、メンテナンス性を向上させる。
【解決手段】
塗布ブース(2)内上方に配された塗布機(T)からその下方に配された被塗物(W)に向かって噴霧される塗布材の周りに、ブース周壁面(2S)に沿って被塗物(W)の周囲に空気を旋回させる旋回流を形成する給気系(3S)及び排気系(3E)を備えた塗布設備(1)において、給気系(3S)は、旋回流の旋回方向に空気を吹き出させる複数の給気口(6…)をその旋回方向に沿ってブース周壁面(2S)に所定間隔で形成して成り、記排気系(3E)は、塗布ブース(2)の少なくとも底部(2B)に塗布ブース(2)内の空気を排出する排気口を形成して成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布ブース内上方に配された塗布機からその下方に配された被塗物に向かって噴霧される塗布材の周りに、ブース周壁面に沿って被塗物の周囲に空気を旋回させる旋回流を形成しながら塗布する塗布設備に関する。
【背景技術】
【0002】
塗装機(塗布機)から塗料(塗布材)を噴霧させて被塗物に塗着させる際に、オーバースプレーした塗料粒子が塗装ブース(塗布ブース)の周壁面に付着しないように、その天井から床に向って流下するダウンフローを形成したり、塗装機から噴霧された塗料粒子を囲うようにその先端からシェーピングエアを吹き出させて塗装パターンを規制したりしている。
【0003】
ダウンフローについては、風量を減少させるとランニングコストを低減することができるが、塗料粒子が周囲に付着しやすくなって清掃コストが嵩み、風量を増大させると塗料粒子が周囲に付着しにくくなるが、同時に塗装機から噴霧された塗料粒子を強制的に排出させてしまうので塗着効率が低下するという問題がある。
【0004】
また、シェーピングエアについては、風量を減少させるとランニングコストを低減することができるが、塗料粒子が周囲に広がってしまい塗着効率が低下し、風量を増大させると被塗物に当たったエアにより塗料粒子が舞い上がって、この場合も塗着効率が低下するという問題を生ずる。
【0005】
このため、本出願人は、シェーピンエアを低減したときでも塗料粒子が飛散して塗装ブースの内壁に付着しないように、被塗物の周りに空気を旋回して流下させながら塗装することのできる塗布設備を提案した。
【特許文献1】特開2005−87960
【0006】
これは、天井部に形成された給気口に旋回流形成用のファンを設けたり、床面に形成された円形排気口の接線方向に排気ダクトを接続したりすることにより、塗装ブース内に塗装機及び被塗物を包囲するような旋回流を形成するものである。
【0007】
しかしながら、実際にそのような塗装ブースを試作して実験してみたところ、給気口及び排気口近傍では旋回流が形成されているものの、給気口及び排気口から離れるに従って旋回性が弱くなり、塗装機や被塗物近傍では単に上から下へ流れるダウンフローとなっていること判明した。
また、それぞれのファンの風量を増大させて実験してみたところ、塗装ブース内に旋回流を形成することができたものの、中心部で旋回性が強く、周辺部で旋回性が弱い旋回流となってしまうため、塗装機と被塗物を包囲するような筒型の旋回流を形成することは困難であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、塗布ブース内に低風量のエアで塗布材粒子を確実に囲い込む筒型の旋回流を形成することができ、これによって塗布材粒子が塗布ブースの内壁に付着することを防止し、ランニングコスト及びメンテナンス性を向上させることができるようにすることを技術的課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために、本発明は、塗布ブース内上方に配された塗布機からその下方に配された被塗物に向かって噴霧される塗布材の周りに、ブース周壁面に沿って被塗物の周囲に空気を旋回させる旋回流を形成する給気系及び排気系を備えた塗布設備において、前記給気系は、旋回流の旋回方向に空気を吹き出させる複数の給気口がその旋回方向に沿ってブース周壁面に所定間隔で形成され、前記排気系は、塗布ブースの少なくとも底部に塗布ブース内の空気を排出する排気口が形成されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、塗布ブース内上方に配された塗布機からその下方に配された被塗物に向かって塗布剤を噴霧する際に、塗布ブースの周壁面に沿って所定間隔で形成された複数の給気スリットから旋回方向に空気が吹き出され、床面に形成された排気口から排出しているので、塗布ブース内では、被塗物に向かって噴霧された塗布剤の周りに、ブースの周壁面に沿って旋回しながら下方に向かう筒型の旋回流が形成される。
このとき、旋回流は塗布ブースの中央部で旋回性が弱く旋回速度も遅いので、塗布機から噴霧された塗布材粒子が被塗物の周囲でゆっくり旋回し、被塗物と接触する時間及び機会が増え塗着効率が向上する。
また、塗布ブース周壁面は旋回する空気流で形成される空気層で覆われるので、塗布機から噴霧された塗料粒子が周壁面に向って飛散してきても、その旋回流により周壁面への付着が阻止されると同時に、その旋回流に乗って排気口から排出させることができる。
したがって、塗布ブース内に低風量のエアで塗布材粒子を確実に囲い込む筒型の旋回流を形成することができ、これによって塗布材粒子が塗布ブースの内壁に付着することを防止し、ランニングコスト及びメンテナンス性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本例では、塗布ブース内に低風量のエアで塗布材粒子を確実に囲い込む筒型の旋回流を形成することができ、これによって塗着効率を向上させると共に塗布材粒子が塗布ブースの内壁に付着することを防止し、ランニングコスト及びメンテナンス性を向上させるという課題を達成するために、塗布ブース内の上方に配された塗布機からその下方に配された被塗物に向かって噴霧される塗布材の周りに、ブース周壁面に沿って被塗物の周囲に空気を旋回させる旋回流を形成する給気系及び排気系を備えた塗布設備において、給気系として、旋回流の旋回方向に空気を吹き出させる複数の給気口がその旋回方向に沿ってブース周壁面に所定間隔で形成し、排気系として、塗布ブースの少なくとも底部に塗布ブース内の空気を排出する排気口を形成した。
【0012】
図1は本発明に係る塗布設備の一例を示す概略説明図、図2は塗布ブースに形成された給気スリットを示す説明図、図3は天井部に形成された排気スリットを示す説明図、図4は給気スリットに配された整流板を示す説明図、図5は塗料粒子に作用する力を模式的に示す説明図、図6は塗布用ブースの他の実施形態を示す説明図、図7はその風量調節手段の具体例を示す説明図、図8は処理手順を示すフローチャートである。
【実施例1】
【0013】
本例は、塗布材として塗料を用いる場合を示し、塗布設備1は、塗布ブース2内上方に配された静電塗装機(塗布機)Tからその下方に配された被塗物Wに向かって噴霧された塗布材の周りに、ブース周壁面2Sに沿って被塗物Wの周囲に空気を旋回させる旋回流を形成する給気系3S及び排気系3Eを備えている。
【0014】
塗装ブース2は、周壁面2Sが円筒状に形成されると共に、天井部2Tがドーム状に形成され、天井部2Tの中央に塗装機Tの位置制御を行う塗装ロボットRが取り付けられ、そのウィービングアームの先端に静電塗装機Tが取り付けられている。
また、塗装ブース2の底部2Bは、下方に向かって縮径する漏斗状に形成され、底部2Bと周壁面2Sの間には絶縁体4が介装され、塗装機T及び周壁面2Sに高電圧(例えば−40〜60kV)が印加され、被塗物W及び底部2Bがアースに接続されている。
【0015】
排気系3Sは、空調装置(図示せず)から空調空気が供給される陽圧の給気室8が周壁面2Sの外周部に形成されると共に、該給気室5内の空調空気を塗装ブース2内に供給する複数の給気スリット(給気口)6…を備えている。
給気スリット6…は、旋回流の旋回方向に空気を吹き出すように、その旋回方向に沿ってブース周壁面2Sに所定間隔で形成されている。
本例では、円筒状の周壁面2Sに、上下方向に延びる四つの段差7…がその段差面7a…を旋回方向前向きにして周方向に沿って所定間隔(中心角90°の等間隔)で形成されている(図2参照)。
そして、各段差面7aには、旋回方向(図2で見て時計回り)に空気を吹き出す給気スリット5が形成されると共に、各給気スリット6には、旋回方向に沿って水平に空気を吹き出させる整流板8が配されている(図4参照)。
【0016】
排気系3Eは、塗装ブース2の底部2Bの下方に形成された排気室9と、漏斗状に縮径する底部2Bの下端に形成された排気口10を備えている。
塗装ブース2の底部2Bには、その漏斗状傾斜面に落下する塗料ミストを確実に捕捉できるようにその上端縁側から水が流されて水膜が形成されている。
そして、その水が排気口10から排気室9に落とし込まれる際に排気口10のベンチュリ作用により塗料ミストと水が気液接触された後、排気室9で気液分離されるようになっている。
【0017】
なお、天井部2Tにも、その外側にも排気室11が形成されると共に、前記給気スリット6…から吹き出されて塗装ブース2内に形成された旋回流のうち、ブース上方の旋回流を外部へ案内する複数の排気スリット12…が旋回方向に沿って所定間隔で形成されている。
本例では、天井部2Tに、上下方向に延びる段差13がその段差面13aを旋回方向後向きにして周方向に沿って所定間隔(中心角90°の等間隔)で形成され、各段差面13a…に反旋回方向(図2で見て反時計回り)に開口する排気スリット12…が形成されている。
【0018】
そして、各排気室9及び11が、排気ダクト14及び15を介して排気ファン16に接続されており、天井部2Tの排気室11に接続された排気ダクト15にはダンパ17が介装されている。
【0019】
以上が本発明の一構成例であって、次にその作用について説明する。
排気ファン16を起動すると、排気室9、11が陰圧となるため、塗装ブース2内の空気が排気スリット12…及び排気口10から排出されて塗装ブース2が陰圧となり、給気室5から周壁面2Sに形成された給気スリット6…を介して空調空気が塗装ブース2内に吸い込まれるように流入する。
【0020】
旋回方向を上方から見て(図2参照)で見て時計回りとすると、各給気スリット6…は時計回り前向きに形成された段差面7aに設けられて、時計回り前向きに開口されているので、給気室5から塗装ブース2内に流入する空気は、塗装ブース2内に向って時計回りに吹き出される。
また、給気スリット6には整流板8が配されているので、塗装ブース2内に向かって水平方向に空気が吹き出された後、旋回しながら底部2Bの排気口10又は天井部2Tの排気スリット12に向う流れが形成される。
【0021】
このとき、上段の排気室12に接続された排気ダクト14に介装されたダンパ17を調整して、排気ダクト14及び15を介して排出される排気風量比を例えば1:10程度にすれば、給気スリット6から塗装ブース2に吹き出した空気のほとんどが旋回しながら底部2Bの排気口10から排出される。
また、天井部2T近傍の空気は、下方へ向かう空気流と同じ方向に旋回しながら、天井部2Tに形成された排気スリット9から排出される。
これにより、塗装ブース2の天井面2T、周壁面2S、底面2Bの全表面には、旋回して流れる空気層が形成されることとなる。
【0022】
この状態で、塗装機T及び周壁面2Sに負の高電圧を印加し、被塗物W及び底部2Bをアース電位(反対極性)にして、塗装機Tから塗料を噴霧すると、塗料粒子はアース電位の被塗物Wに静電塗着される。
このとき、旋回する空気流は塗装機Tの中央部で旋回性が弱く旋回速度も遅いので、塗装機Tから噴霧された塗料粒子が被塗物Wの周囲でゆっくり旋回し、被塗物Wと接触する時間及び機会が増え塗着効率が大幅に向上する。
【0023】
また、塗装ブース室2の周壁面2Sは塗料粒子と同極性に帯電されているので、静電反発して塗料粒子が付着し難くなっているが、電気的に中性の塗料粒子が飛散してくるようなことがあっても、旋回して流れる空気層が形成されているので、その空気流により周壁面2Sへ塗料粒子の付着を確実に阻止することができる。
また、天上部2Tも塗料粒子と同極性に維持すれば、底部2Bがアース電位(反対極性)に維持されているので、オーバースプレーされた塗料粒子が天井部2Tに向って舞い上がることはなく、引力及び静電気力によって底部2Bに向って落下し、水膜で捕捉され、あるいは、旋回しながら流下する空気流に乗って排気口10から塗装ブース2の外部へ排出される。
【0024】
図5は塗料粒子に作用する力を模式的に示す。
塗装機Tから噴霧された塗料粒子Pが周壁面2S近傍に達すると、周壁面2Sに沿って旋回する流れの方向を円で表したときにその接線方向に向かう力fと、塗装ブース2の底部2B中心に開口された排気口10から吸引することにより生ずる斜め下向きの力fの合力Fが斜め内側下向きに作用する。
また、塗料粒子Pは旋回することにより周壁面に近づく方向の遠心力fが生ずるが、遠心力に影響を及ぼす塗料粒子の質量はきわめて小さいので、その遠心力fを考慮しても、塗料粒子Pには周壁面2Sから離れる方向の合力Fが作用することとなり、周壁面2Sを塗料粒子Pと同極性に帯電させなくても、塗料粒子Pは周壁面2Sに付着しにくいことがわかる。
【0025】
このように、本例によれば、排気ファン16を稼動させるだけで、塗装ブース2と給気室5の差圧により比較的低風量のエアで塗料粒子を確実に囲い込む筒型の旋回流を形成することができ、これによって塗料粒子が塗装ブース2の周壁面2Sに付着することを防止し、ランニングコスト及びメンテナンス性を向上させることができる。
【実施例2】
【0026】
図6〜図8は本発明にかかる塗布設備の他の実施形態を示す。図1〜4と共通する部分は同一符号を付して詳細説明を省略する。
本例の塗布設備21は、塗装ブース2の周壁面2Sに中心角90°間隔で形成された段差面7aのコーナに給気スリット22…が形成され、各スリット22から半径方向に対して約45°の角度で旋回方向に向けて水平に空気の吹き出すようになされている。
【0027】
また、給気スリット22…には、その開口面積を可変制御して流入速度を調整することにより旋回状態を安定させる風速調整手段23が配され、塗装ブース2及び給気室5内の圧力を検出する圧力センサ24A…及び24Bの検出信号に基づき制御装置25から風速調整手段23に制御信号が出力される。
風速調整手段23は、図7に示すように、例えばエアシリンダ26により進退されるシャッター板27からなり、給気スリット22の流入口22aの開口面積を無段階で調整し得るようになされている。
【0028】
図8は制御装置25の処理手順を示すフローチャートである。
処理が開始されると、ステップSTP1で各圧力センサ24A…からの検出信号を平均処理して塗装ブース2の圧力を算出すると共に、圧力センサ24Bにより給気室5の圧力を測定し、これに基づいて塗装ブース2と給気室5の差圧が測定される。
ステップSTP2で差圧−開口データ変換テーブル28を参照し、ステップSTP3で開口データに応じた制御信号を各エアシリンダ26の駆動装置(図示せず)に対して出力し、給気スリット22の流入口22aの開口面積を調整する。
差圧−開口データ変換テーブル28には、塗装ブース2と給気室5の差圧に応じて、給気スリット22から一定風速の空気が吹き出される開口データが予め設定されている。
次いで、ステップSTP4でタイマを起動し、タイムラグを考慮した所定時間経過後に、ステップSTP1に戻って上述の処理を繰り返す。
【0029】
例えば、塗装ブース2に大きな被塗物Wが搬入されると、塗装ブース2内の圧力損失が大きくなるので、排気ファン16を一定回転速度で回転していると排気風量が減少し、塗装ブース2内の圧力がプラス側に変化して、給気室5との差圧が減少する。
これにより、給気スリット22から吹き出される空気の風速が低化して旋回流が弱くなり過ぎると、塗装品質に悪影響を及ぼすおそれがある。
この場合、差圧に応じた最適な開口データが出力されて給気スリット22の開口部23aが絞られるので、風速が一定に維持され、塗装ブース2内で旋回する空気流の勢いも一定に維持され、ひいては塗装品質が一定に維持される。
【0030】
また、塗装ブース2に小さな被塗物Wが搬入されると、塗装ブース2内の圧力損失が小さくなるので、排気ファン16を一定回転速度で回転していると排気風量が増加し、塗装ブース2内の圧力がマイナス側に変化して、給気室5との差圧が増加する。
これにより、給気スリット22から吹き出される空気の風速が上昇して旋回流が強くなり過ぎると、塗装品質に悪影響を及ぼすおそれがある。
この場合、差圧に応じた最適な開口データが出力されて給気スリット22の開口部23aが広がるので、風速が一定に維持され、塗装ブース2内で旋回する空気流の勢いも一定に維持され、ひいては塗装品質が一定に維持される。
【0031】
なお上述の説明では、塗布材として塗料を用いる塗布設備に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、塗布材として塗油剤や接着剤を用いてこれらを被塗物に塗着させる塗布設備に適用することもできる。
また、方形の被塗物など、空気の旋回方向により塗膜厚さの偏りを生ずる場合は、旋回方向の異なる二つの塗装ブースを連続して設け、各塗装ブースで段階的に塗装することにより塗膜厚さの偏りを相殺することができる。
【0032】
上述の説明では、塗装ブース2として、周壁面2Sが円筒状に形成されている場合について説明したが、本発明はこれに限らず、ブース周壁面に沿って被塗物の周囲に旋回流を形成し得る形状であれば、周壁面が略正多角形状の筒状体や、その頂点部分をR仕上げした形状など任意の形状に形成することができる。
また、給気口としてが給気スリット6に限らず、周壁面縦方向に沿って多数の給気ノズルを並説する場合でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上述べたように、本発明は、塗布ブース内で旋回する空気流を形成した状態で、被塗物に対して塗装を行う塗布用ブースの用途に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る塗布用ブースの一例を示す概略説明図。
【図2】塗布ブースに形成された給気スリットを示す説明図。
【図3】天井部に形成された排気スリットを示す説明図。
【図4】給気スリットに配された整流板を示す説明図。
【図5】塗料粒子に作用する力を模式的に示す説明図。
【図6】塗布用ブースの他の実施形態を示す説明図。
【図7】その風量調節手段の具体例を示す説明図。
【図8】処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0035】
1 塗布設備
2 塗布ブース
2S ブース周壁面
2T 天井部
2B 底部
T 静電塗装機(塗布機)
W 被塗物
3S 給気系
3E 排気系
4 絶縁体
5 給気室
6 給気スリット(給気口)
8 整流板
9 排気室
10 排気口
11 排気室
12 排気スリット







【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布ブース内上方に配された塗布機からその下方に配された被塗物に向かって噴霧される塗布材の周りに、ブース周壁面に沿って被塗物の周囲に空気を旋回させる旋回流を形成する給気系及び排気系を備えた塗布設備において、
前記給気系は、旋回流の旋回方向に空気を吹き出させる複数の給気口がその旋回方向に沿ってブース周壁面に所定間隔で形成され、
前記排気系は、塗布ブースの少なくとも底部に塗布ブース内の空気を排出する排気口が形成されたことを特徴とする塗布設備。
【請求項2】
前記塗布ブースの底部が下方に向かって縮径する漏斗状に形成され、その下端側に排気口が形成された請求項1記載の塗布設備。
【請求項3】
前記給気口が、ブース周壁面に形成された上下方向に延びる給気スリットである請求項1記載の塗布設備。
【請求項4】
前記給気スリットに、旋回方向に沿って水平に空気を吹き出させる整流板が配された請求項3記載の塗布設備。
【請求項5】
前記塗布ブースの天井部に、前記給気口から吹き出されて形成された旋回流のうち、ブース上方の旋回流を外部へ案内する複数の排気スリットが旋回方向に沿って所定間隔で形成されてなる請求項1記載の塗布設備。
【請求項6】
前記給気系には、塗布ブースの周壁面外側に空調空気が供給される給気室が形成されると共に、当該給気室は前記給気口を介してブース内に連通され、前記排気系には、排気口から塗布ブース内のエアを排気することにより塗布ブース内を給気室に比して陰圧に維持する排気ファンを備えた請求項1記載の塗布設備。
【請求項7】
前記塗布機として静電塗布機が用いられ、前記塗布ブースの少なくとも周壁面が塗料粒子と同極性に帯電されて成る請求項1記載の塗布設備。
【請求項8】
前記給気系に、給気口から吹き出される空気の風速調節器と、塗布ブース内の圧力を検出する圧力センサの検出信号に基づいて前記風速調節機をコントロールする制御装置を備えた請求項1記載の塗布設備。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−212863(P2008−212863A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−55356(P2007−55356)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【出願人】(000110343)トリニティ工業株式会社 (147)
【Fターム(参考)】