説明

塗料を噴霧するための回転噴霧器、前記噴霧器を備える設備、及び前記噴霧器の運転を検証する方法

本発明は、霧化用ボウル(3)と、幾何学的な軸(X−X’)に関してボウルを回転させるようになっているローター(11)とを有する、塗装産物のための回転ノズル連結体(P)及び、ローター(11)上にボウル(3)の存在及び/又は適切な設置を制御するための手段(4、5、6、7)に関する。ローター(11)は非回転部位(P1)から離間して配置されており、制御手段は、軸受(P1)内の空気圧を決定するための第二の手段(7、8)と同様に、空気スラスト軸受(P1)の空気膜の厚さを変化させるようにボウル(3)に力(F3)を加えるようにできる第一の手段(4、5)を有する。スラスト軸受(P1)中の空気の圧力は、後者が正常に供給され、少なくとも一つの基準値と比較される時に、決定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料を噴霧するための回転噴霧器と、そのような噴霧器を備える塗装設備と、そのような噴霧器の運転状態を検証するための方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
塗料を噴霧するための設備においては、ボウル又はカップと呼ばれる回転部材によって塗料を霧化することが知られている。回転部材には塗料が供給され、通常は2000回転毎分(rpm)から120000rpmの範囲内の速さで回転する。想定内の速度においては、特にその回転駆動手段が空気軸受を備えるタービンを有する場合、ボウルはできる限り軽く、そして不安定になるのを避けるためにできる限り平衡化されてなければならない。
【0003】
例えばWO-A-94/12286号から、放射状に延びることのできる係合リングによってボウルがローターに接合されることが周知である。例えばWO-A-01/62396号から、ボウルとタービンのローターとの間に磁性連結手段を用いることも周知である。
【0004】
空気軸受を備える回転噴霧器においては、EP-A-0567436号に記載されるように、回転部の回転のスピードに関する表示をするためにマイクを用いることができる。回転部がボウルに嵌合していない場合、又はボウルが上手く取り付けられていない場合に、そのようなマイクが警告を発する。
【0005】
既知の設備においては、ボウルが嵌合していない、又は駆動ローターに対するボウルの設置が正確になされていないにも関わらず、噴霧器を始動してしまう危険性がある。ボウルの無い状態で噴霧器を始動することは、噴霧器の特定部位を汚染し、塗装されるはずの一つ以上の物に不適切に塗料が付着することも引き起こすであろう。不適切な塗料の付着は、付着された物を不良品とすることを決定付ける。静電噴霧器においては、霧化されている塗料無しで関連高電圧ユニットと共に噴霧器を稼動させることは、地電位での物品と非霧化塗料の連続的な噴出との間に電気アークの形成を引き起こし、それは危険なことであろう。ボウルがその駆動材に適切に設置されていない場合、それに加えられる加速度のせいで、ボウルは突然そこから外れやすく、そこから激しく飛び出すであろう。その事はその場にいる人に危険であろうし、塗装される物品又は設備の特定部位の損壊をもたらすであろう。
【特許文献1】国際特許出願公開公報第94/12286号明細書
【特許文献2】国際特許出願公開公報第01/62396号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開公報第0567436号明細書
【発明の開示】
【0006】
本発明は、その動作が現在の噴霧器より信頼性を増している噴霧器を提案することによって、前記欠点を特に改善しようとする。
【0007】
本開示中において、発明は塗料を噴霧するための回転噴霧器に関する。噴霧器は噴霧ボウルと、前記ボウルを軸について回転させることに適した部材とを有し、前記部材は、少なくとも一つの空気スラスト軸受によって噴霧器の非回転部位から離間して保持される。噴霧器は、前記駆動部材上に前記ボウルの存在及び/又は適切な設置を監視するための手段を更に備えることを特徴とし、前記手段は、
・前記ボウルに力を及ぼすことができ、前記空気スラスト軸受の空気膜の厚さを変化させる傾向にある第一の手段と、
・前記スラスト軸受の空気圧を決定するための第二の手段とを有する。
【0008】
発明によって、オペレータのあらゆる不注意による失敗に依存せずに、噴霧器の安全な稼動が実現できる。スラスト軸受中の空気圧を決定することは、間接的に第一の手段によって加えられる力の大きさを検出するのに役立つ。ボウルが無い状態においては、問題になっている力は実質的にゼロであり、それは第二の手段によって検出できる。ボウルが不正確に設置されている時には、上述の力の大きさが整合性の無い値を有し、同様に第二の手段によって検出されるであろう。
【0009】
本質的ではない有益な面に応じて、回転噴霧器は、あらゆる技術的に実現可能な組合せ中の以下の技術特性を一つ以上取り入れるであろう。
・第一の手段は、ボウルと噴霧器の非回転部位との間の磁性連結手段であり、第一の手段によって加えられる力は磁力であり、その力はボウルの回転軸に対して少なくとも部分的に平行である。有利なことに、この力は、特に接着によってボウルと部材との間の回転連結を誘導するのに適している。磁性連結手段によって形成される空隙の幅の値は、有利なことにスラスト軸受中の空気膜の厚さの値より大きい。
・第二の手段は、軸受中に形成される少なくとも一つの圧力取出機構を有し、前記圧力取出機構に関する圧力を測定するための穴を共に有する。そのような状態において、スラスト軸受が形成される表面の少なくとも一つは、スラスト軸受中において圧力取出機構のための出口を囲む、若しくは出口に面して配置された浮き彫りの中空部分を有するであろう。
【0010】
本発明は塗料を噴霧するための設備にも関連し、設備は上述したような噴霧器を少なくとも一つ備える。そのような設備の安全性は、最先端の設備と比較しても改善されており、その動作はより信頼性が高い。
【0011】
本発明は、上述したような回転噴霧器の可動状態を検証する方法にも関する。より具体的に述べると、方法は、
・軸受が正常に供給を受けている間に、回転駆動材と噴霧器の非回転部位との間に形成されるスラスト軸受中の気圧を決定する段階及び、
・この圧力の決められた値を少なくとも一つの基準値と比較する段階
を含む。
【0012】
本発明の方法によって、ボウルの欠如やボウルの不完全な配置は、比較段階の結果として検出されるであろう。
【0013】
上記の手順は、スラスト軸受が加圧された空気を供給されている状態であり、噴霧器が始動する時毎に、噴霧器が稼動中に定期的に又は連続的に、またはボウルが静止している時に実施されるであろう。
【0014】
純粋に例として与えられ、添付図面を参照してなされている、発明の原理に従った噴霧器及び方法の実施形態についての以下の説明を踏まえることで、本発明はより良く理解され、それらの他の利点は明確になるであろう。
【0015】
図1から3に示される噴霧器Pは、塗料を一つ以上の供給源S1から供給するためのものであり、それは例えば両矢印F1によって示されるほぼ垂直方向の動きを伴って、物品塗装設備I内部で塗装のために物品Oの近くを通過する。噴霧器Pはタービンを有し、このタービンは、防護カバー2によって覆われており、タービンのローター11によって軸X−X’について回転するよう設定されているボウル3を支持する。
【0016】
ローターがボウル3を数万回転毎分の速度で駆動させることによって、供給源S1から注入管18を介して到達する塗料が矢印F2によって示されるように物品Oに向かうに伴い、霧化される。
【0017】
本発明の有利な面によると(図示しない)、噴霧器Pは静電型、すなわちボウル3のへり31から塗料が噴出される前又は後に、塗料を帯電させる手段と関連付けられている。
【0018】
図に部分的に示されるように、ボウル3は切り込み32を有するであろう。ボウル3がローター11に取り付けられた時、ボウル3は軸X−X’に一致するX3−X’3に関して対称性を有する。ボウル3は、表面35を形成する胴部34と共に中空のハブ33を有し、塗料は前記表面上をへり31に向かってハブ33から流れ、拡散する。
【0019】
強磁性素材、すなわち磁性ステンレス鋼、のリング4は、胴部34の周囲に設置されている。このリングは、軸X3−X’3にほぼ直角な環状面S42を形成する部分42を有する。
【0020】
胴部34は、ローター11の末端内の中央ハウジング12に差し込むためのオス部38を形成する。部分38の外部表面38aはほぼ切頭円錐形であり、ボウル3の底に向かって、すなわちへり31から離間して収束している。ハウジング12の表面12aも切頭円錐形であり、ローター11の前面13に向かって広がっている。部分38の頂点における半角がαとして記載され、ハウジング12の頂点における半角がβとして記載されている。角度α及びβはほぼ等しく、それ故に表面38a及び12aの互いの面と面の当接を可能としている。そのような面同士の当接は、密着することによって回転中に部材11及び3が互いに固定されることを可能としている。
【0021】
タービン1の胴部15は、ローター11を覆っており、実際にはタービンの固定子を構成している。両矢印F1によって示されるように、物品Oに対して胴部が動くことができるとしても、胴部は回転するよう動くことはできない。磁性素材、すなわち磁性ステンレス鋼の支持材5は胴部15の前面16に取り付けられており、この支持材は軸X−X’を中心とする環状の溝を備えており、同様に環状である磁石52がその中に配置されている。磁石52は、磁石の両側に放射状に広がる二つの粘着層53及び54によって溝の中の所定の場所に保持される。
【0022】
単一の磁石52の代わりに、上述の溝の中に複数の磁石を配置することが可能であり、磁石は全体として環を形成する。磁石は強磁性素材、又は強磁性金属の注入粒子で満たされた合成樹脂から作られるであろうから、粒子は全部が同じ方向を向く。
【0023】
粘着層53及び54の代わりに、非磁性金属又は低透磁率を有するワッシャを用いることができる。同様に、空気で満たされた空間が推測される。
【0024】
ボウル3が適切にローター11に取り付けられている時、すなわち、表面12aと38aとが面と面とで当接している時、空隙Eが磁石52の露出面S52と表面S42との間に形成される。
【0025】
部材32の平均半径がR52として記載されている。表面S42の平均半径はR42として記されている。半径R42及びR52はほぼ等しく、その事は、ボウル3がローター11上に取り付けられた時に、表面S42が表面S52に面して配置されるとともに、それに対して心あわせされる事に合致する。磁石52による磁界は、こうしてリング4の部分42を介して閉じられる。この磁界は、リング4に軸X−X’とほぼ平行、すなわち軸方向に磁性連結力F3を加えるために役立ち、ボウル3をローター11に対してしっかりと押し付ける、すなわち表面38aを表面12aに対して押し付けようとする。この力が加えられることによって、接触面38a及び12aは密着によって共に回転することを強いられ、結果として、ボウル3をローター11によって駆動させることができる。
【0026】
力F3はボウル3の部分38によってローター11へと伝達され、胴部15に対して後方へとローター11を動かそうとする。
【0027】
ローター11は、二つのスラスト軸受P1及びP2によって胴部15に対して所定の位置に保持される。前記スラスト軸受は、ほぼラジアル環(radial collar)の形状であるローター11の部分11aの両側にそれぞれ形成される。ローター11用の他の形状及び、ローターを胴部15から離間して維持するために用いられる空気軸受用の他の三次元配置は当然に予想されるであろう。
【0028】
空気スラスト軸受P1は、軸X−X’周囲に規則的に配置された複数のダクト61によって、環状の配給チャンバ6から供給され、このようにして十分な空気圧が軸受P1内に確立でき、その結果、相互間にスラスト軸受Pを形成する部分11aの接面11bと、胴部15の15bとの間の偶発的な接触のあらゆる危険性を制限する。
【0029】
スラスト軸受P1の空気膜の厚さがE1として記載されている。空隙Eの幅はlEとして記されている。空隙Eの幅lEは、タービン11の固定子及びローター部位の間で生じる相対的に軸方向の動きを許容する。lEの値はe1の値より大きい。そのため、空隙Eがスラスト軸受P1における空気膜の厚さの変化を妨害することは無い。実際のところ、lEの値はe1の数倍、具体的には8から10倍に等しいであろう。図においては、図面中で明確にするためにe1の厚さが幅lEに対して誇張されている。
【0030】
ローター11には、軸X−X’についてローターの回転を制御できる手段(図示しない)、具体的にはフィンや同様のものが取り付けられている。
【0031】
上述したように力F3がローター11へと伝達される場合、ボウル3がローター11上に設置されることで、部位11aが表面15bに向かって押し戻され、それによってスラスト軸受P1中の空気の膜の厚さe1が減少する傾向にある。
【0032】
厚さe1を減少するこの動向は、スラスト軸受P1中の空気の圧力Prによって平衡に保たれる。この圧力は、チャンバ6に連結されている圧縮空気供給源S2から供給される空気の流量及び、注入装置のヘッドロス(head loss)に依存する。
【0033】
このように、噴霧器Pの正常な稼動中においては、圧力Prがスラスト軸受P1の中で力F3との平衡を保っている。また、厚さe1が公証値(nominal value)とほぼ等しい値をとる。こうした状態における圧力Prの値は、既知の公証値Proとほぼ等しい。
【0034】
圧力取出機構7は胴部15中に形成されており、軸受P1内において表面15bへと開口している。
【0035】
この圧力取出機構は、軸受P1の作用に支障をきたすことを避けるために、例えば直径が0.5ミリメートル(mm)から1mmの範囲内である小径のタップ点(tapping point)71であり、表面15bに開口しており、例えばひずみゲージのような、圧力測定用のいずれかの適した種類の装置8へと通じているパイプ81にメス継手72によって連結されている。こうして装置8は圧力Prの値を決定することができる。この装置8は比較器9へと連結されており、比較器において圧力Prの値をProに依存する一つ以上の既定の閾値と比較することができる。圧力値間の比較の結果によって比較器9は電気信号Σを発生し、この信号はサイレンのような警報装置、又は信号Σに応じて作動できる、設備Iを停止させるための装置を任意に内蔵したプロセッサ装置へと送られる。
【0036】
図示されていない本発明の変形形態においては、タップ点71が二つのダクト61の間の表面15bへと開口しており、その結果、圧力P2を解析する信頼性が向上するであろう。なぜならば、タップ点が、この圧力が最大となるダクト61からの出口の近くにあるからであり、結果的に最大の変化を受ける。
【0037】
正常な稼動状態においては、検出される圧力Prの値は、Proにほぼ等しく、この事は比較器9で検証される。
【0038】
噴霧器Pが運転され、ボウル3がローター11上に配置されていない間にスラスト軸受P1が供給を受ける場合、その時は力F3が部材3及び11の間の接触面へと加えられず、力F3は軸受P1中の圧力による力に反しない。そして、供給源S2から軸受へと加えられる圧力が一定に維持される間、厚さe1は増加するであろう。こうして、圧力Prの値は正常な稼動時に観測される値より小さく、このことが信号Σの値が用いて圧力取出機構7及び装置8と9を介して検出できる。
【0039】
変形形態においては、検出された圧力Prの値が、比較器9において最小許容閾値及び最大許容閾値と比較される。
【0040】
同様にして、ボウル3が正確にローター11上に設置されていない場合、力F3は基準に合わない大きさで生じ、軸受P1中の圧力Prを測定することによって検出されるであろう。
【0041】
このように、圧力取出機構7、装置8及び比較器9を使用して、噴霧器が運転している時はいつでもボウルが適切に設置されていることを検証することが可能になる。
【0042】
環状溝11cは表面11b中においてタップポイント71の出口にほぼ面するように形成されている。こうして、例えばスラスト軸受P1への空気供給の突然の中断の事態におけるような、表面11bと15bとの間の偶発的な接触の事態において、タップポイント71が表面15bの局所的な融解物によって塞がれる危険性は非常に小さいか、起こり得ない。なぜならば、溝11cが、タップポイント71における表面11bと15bとの間のあらゆる直接の接触を回避するからである。
【0043】
変形形態においては、タップポイント71の出口が表面15b中に形成された凹部の底に設置され、その結果、タップポイント71における表面11bと15b間のあらゆる直接的な接触が同様に回避される。
【0044】
他の変形形態においては、上述の溝と凹部が一緒に用いられるであろう。
【0045】
第一のアプローチとして、噴霧器Pが始動する度ごとに比較器9において比較手順を実施することが可能である。他のアプローチとして、そのような比較を定期的、例えば15秒毎に一回、又は噴霧器が稼動している間連続的に、すなわち「動的に」実施することができる。比較は「静的に」、すなわち、スラスト軸受P1が供給を受けているが、ローター11が回転していない時にも実施できる。なぜならば、力F3はローターのいかなる回転にも依存せずに存在するはずだからである。上述した三つのアプローチは重複的に用いることもできる。
【0046】
本発明の他の面によると(図示しない)、圧力は軸受P2で検出することができ、それはこの圧力もローター11に対するボウル3の取付状態に依存して変化するからである。
【0047】
いずれにせよ、比較器9において用いられる閾値は、噴霧器Pの正常な稼動状態において測定された圧力を較正したことの結果物である。
【0048】
本発明は、密着によって回転中にボウルとローターとの間の連結を引き起こす力F3を用いて以上に示されている。そうではあるものの、磁力若しくは例えば空気流による、他のある種の力がボウルとタービンの非回転部位との間に加えられていれば、ボウルがローター上にねじ留めされている状態も適用できる。力はボウルの回転の結果として、ボウルに作用する気流の力の結果であるが故に、力は磁性である必要は無い。ボウルの回転は、吸引効果、これはしばしば「ファン」効果と呼ばれる、によってその直近に位置する圧力の低下を生じるであろう。
【0049】
この圧力減少の場所に応じて、ボウル上に引き起こされる力は、ローターからボウルを分離させる(図1において右向きの力)、若しくはボウルをローターに対して押し付ける(図1において左向きの力)傾向にある。このように、スラスト軸受中の空気の膜の厚さに影響を及ぼす圧力は、タービンの後端に向いている必要は無い。
【0050】
加えて磁力は、図に示される力F3の向きと逆方向を向いていても良い。ボウル3がローター11上にねじ留めされている場合、磁性連結手段は支持材5上及びリング4の代わりにボウル3上の両方に設置され、互いに反対になるような極性を有する磁石を含むであろう。そのような状態において、生じた磁力はスラスト軸受P1中の空気膜を広げ、軸受P2中の空気膜を縮めようとする。
【0051】
磁力を伴う場合、ボウルが適切にローター上に設置されていれば、ボウルが回転している時及びボウルが静止している時の両方においてこの力は作用する。気流の力による力を伴う場合、この力はボウルが回転している時のみ作用できる。
【0052】
オペレータが装置8のディスプレイから直接Prの測定値を読み取ることができ、閾値Proを認識した時にそれに応じて行動できる限り、比較器9は、特に手動設備においては任意となる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は本発明による設備に用いられるような、本発明による塗料噴霧器の理論上の長手軸方向の断面図である。
【図2】図2は図1の細部IIを拡大して表し、噴霧器に関連する比較器を図式的に表した図である。
【図3】図3は噴霧器の胴部から軸線上に分離しているボウルを伴う図1に類似の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗料を噴霧するための回転噴霧器であって、噴霧器は霧化ボウルと、軸まわりに前記ボウル(3)を回転駆動するのに適した部材(11)とを有し、前記部材は少なくとも一つの空気スラスト軸受(P1)によって噴霧器の非回転部位(15)から離間して保持されており、噴霧器は前記駆動材(11)上の前記ボウル(3)の存在及び/又は適切な設置を監視するための手段(4、5、7、8、9)を備え、前記手段が
・前記空気スラスト軸受(P1)の空気膜の厚さ(e1)を変化させるように、力(F3)を前記ボウル(3)に加えることができる第一の手段(4、5)と、
・前記スラスト軸受中の空気圧(Pr)を決定するための第二の手段(7、8、9)と
を有することを特徴とする噴霧器。
【請求項2】
前記第一の手段が、前記噴霧器の前記ボウル(3)と非回転部位(15)との間の磁性連結手段(4、5)であり、前記力が磁力(F3)であり、前記軸(X−X’)に少なくとも部分的に平行に作用することを特徴とする請求項1に記載の噴霧器。
【請求項3】
前記力(F3)が、前記ボウルと前記部材(11)との間の回転連結を誘導するのに適することを特徴とする請求項2に記載の噴霧器。
【請求項4】
前記磁性連結手段(4、5)によって形成される空隙(E)の幅の値(lE)が、前記スラスト軸受(P1)の空気膜の厚さの値(e1)より大きいことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の噴霧器。
【請求項5】
前記第二の手段が、前記スラスト軸受(P1)に形成された少なくとも一つの圧力取出機構(7)と、前記圧力取出機構に接続された(81)圧力測定用装置(8)とを備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の噴霧器。
【請求項6】
相互間に前記スラスト軸受(P1)が形成されている表面(11b、15b)の少なくとも一つが、前記スラスト軸受中の前記圧力取出機構(7)の出口の周囲に又は出口に面して形成された凹部(11c)にレリーフを備えることを特徴とする請求項5に記載の噴霧器。
【請求項7】
塗料を噴霧するための設備(I)であって、請求項1から請求項6のいずれかに記載の噴霧器を少なくとも一つ備えることを特徴とする設備。
【請求項8】
塗料を噴霧するための回転噴霧器の運転状態を検証するための方法であって、噴霧器が霧化ボウルと、前記ボウルを軸まわりに回転駆動するための部材とを有し、前記部材は、少なくとも部分的に軸方向の力(F3)が加えられており、また空気スラスト軸受により前記力に抗して噴霧器の非回転部位から離間した位置に保持されるものであり、当該方法が
・空気が正常に供給されている間に、前記スラスト軸受(P1)中の空気圧(Pr)を決定する段階及び、
・前記圧力について決定した値を少なくとも一つの基準値(Pro)と(9において)比較する段階
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記段階が、噴霧器(P)が始動する度毎に実施されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記段階が、前記噴霧器(P)の運転中において前記ボウル(3)が回転駆動される間に、定期的又は連続的に実施されることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の方法。
【請求項11】
スラスト軸受(P1)に加圧された空気が供給されており、ボウル(3)が静止している間に、前記段階が実施されることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか一つに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−510608(P2008−510608A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528923(P2007−528923)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【国際出願番号】PCT/FR2005/002132
【国際公開番号】WO2006/024798
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(302002258)サム テクノロジーズ (6)
【Fターム(参考)】