説明

塗料供給装置及び塗料回収方法

【課題】塗料供給装置の小型化及び色替えに要する時間の短縮化を図る。
【解決手段】塗料供給装置10のピグステーション30,40は、塗料ホース50が接続され、ピグ90が進入可能な主通路31a,41aと、ピグ90の移動を阻止するピグ受け面34b,462bと、主通路31a,41aに連通した副通路31b,34a,41b,462cと、を有しており、ピグ90がピグ受け面34b,462bに当接することで、第2の副通路34a,462cをピグ90が封鎖する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車塗装ラインにおいて塗色を切り替える際に塗料タンクに塗料を回収することが可能な塗料供給装置、及び、塗料タンクに塗料を回収するための塗料回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の塗装ライン等で用いられている塗料供給装置は、各色の塗料が仕込まれた塗料タンクと、これを圧送するポンプと、塗料タンクから塗装機(実際はカラーチェンジバルブユニット)まで塗料を導く塗料配管と、を有し、塗色数に応じた数だけこうした塗料タンク、ポンプ及び塗料配管が設置されている。そして、塗装機の上流側に設けられたカラーチェンジバルブユニットを切り替えることで、車輌仕様に応じた塗色の塗料を吹き付ける。
【0003】
ところで、複数の塗色に対して共通の循環配管を設け、この塗料配管内をピグと呼ばれる可動部材(フリーピストン)を通すことにより、塗料配管内に残留した前色塗料を回収したりすることも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
こうしたピグを用いた塗料供給装置では、例えば、循環配管内の塗料を回収した後に洗浄液を循環させたり、循環配管内を洗浄した後に次色の塗料を循環させる際に、ピグを循環配管から退避させたり、ピグ自体を洗浄するために、循環配管とは別に専用の配管を必要とする。そのため、塗料供給装置の大型化を招来すると共に、塗料の回収作業や配管・ピグの洗浄作業が非効率なものとなっていた。
【0005】
【特許文献1】特開2002−126608号公報
【発明の開示】
【0006】
本発明は、塗料供給装置の小型化及び色替えに要する時間の短縮化を図ることが可能な塗料供給装置及び塗料回収方法を提供することを目的とする。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明によれば、ピグが軸方向に沿って往復移動可能に挿入された塗料配管と、前記塗料配管の端部にそれぞれ接続された第1及び第2のピグ発着部と、を備え、前記第1のピグ発着部側から押出用流体を供給して前記塗料配管を介して前記第2のピグ発着部に前記ピグを移動させることで、前記塗料配管内に充填された塗料を回収することが可能な塗料供給装置であって、前記第1又は第2のピグ発着部のうちの少なくとも一方は、前記塗料配管が接続され、前記ピグが進入可能な主通路と、前記ピグの移動を阻止するピグ受け面と、前記主通路に連通した少なくとも2つの副通路と、を有し、前記ピグが前記ピグ受け面に当接することで、前記少なくとも2つの副通路のうちの一つを前記ピグが封鎖する塗料供給装置が提供される。
【0008】
本発明では、ピグがピグ受け面に当接することで、少なくとも2つの副通路のうちの一つをピグが封鎖する。このため、塗料タンク側の第2のピグ発着部においては、塗料タンクにつながっている副通路をピグにより封鎖し、ピグを主通路内に保持したままの状態で、ピグに封鎖されていない副通路を使って塗料配管内を洗浄することができる。また、塗装機側の第1のピグ発着部においては、塗装機につながっていない副通路をピグにより封鎖し、ピグを主通路内に保持したままの状態で、ピグに封鎖されていない副通路を使って塗装機に塗料を供給することができる。従って、塗料配管の洗浄時や塗料供給時にピグを塗料配管から退避させるための専用の配管を必要とせず、塗料供給装置の小型化を図ると共に、色替えに要する時間の短縮化を図ることができる。
【0009】
また、上記発明を達成するために、本発明によれば、第1のピグ発着部側から押出用流体を供給して塗料配管を介して第2のピグ発着部にピグを移動させることで、前記塗料配管内に充填されていた塗料を回収する回収ステップと、前記塗料配管内に塗料を回収した後に、前記塗料配管内に洗浄用流体を供給して前記塗料配管内の洗浄を行う洗浄ステップと、を備えた塗料の回収方法であって、前記第1又は第2のピグ発着部において、前記塗料配管が接続され、前記ピグが進入可能な主通路内に前記ピグを保持したままの状態で、前記塗料配管内の洗浄を行う塗料回収方法が提供される。
【0010】
本発明では、第1又は第2のピグ発着部の主通路内にピグを保持したまま、塗料配管内の洗浄を行う。このため、塗料配管の洗浄時にピグを塗料配管から退避させるための専用の配管を必要とせず、塗料供給装置の小型化を図ると共に、色替えに要する時間の短縮化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
[第1実施形態]
図1は本実施形態に係る塗料供給装置の全体構成を示すブロック図、図2は本実施形態に係る塗料供給装置の受け側ピグステーションを示す断面図、図3A及ぶ図3Bは本実施形態に係るピグを示す側面図及び正面図、図4は本実施形態に係る塗料供給装置の送り側ピグステーションを示す断面図、図5は本実施形態に係る塗装システムを示す概略平面図である。
【0013】
本発明の第1実施形態に係る塗料供給装置10は、図1に示すように、例えばエア霧化式塗装機や回転霧化式塗装機から構成される塗装ガン2に供給する塗料を、多種類の塗料の中から選択するためのメインカラーチェンジバルブユニット20(以下、メインCCV20と称する。)を有しており、メインCCV20から供給された塗料が塗装ガン2へ導かれるようになっている。
【0014】
メインCCV20は、マニホールド21及び複数の第1の三方弁22から構成されており、各第1の三方弁22の第1のポートがマニホールド21に接続されている。各三方弁22の第2のポートは、塗料が供給されるように受け側ピグステーション30(後述)に接続されている。また、各三方弁22の第3のポートは、圧力を開放したり、廃液を行うための第1のダンプ弁23に接続されている。メインCCV20では、複数の第1の三方弁22のうちの一つを選択することで、マニホールド21内にその塗料が供給され、さらに塗装ガン2においてトリガバルブ(不図示)を開放することで、その塗料が被塗物に対して吐出されるようになっている。各第1の三方弁22は、特に図示しない制御装置からの制御信号に基づいて開閉動作するようになっている。
【0015】
なお、図1では、一つの第1の三方弁22しか図示しておらず、以下において複数の第1の三方弁を代表してこの三方弁22について詳細に説明する。因みに、図示された第1の三方弁22以外のものは、当該第1の三方弁22と同じように構成しても良く、或いは、塗料タンクからメイン供給配管を直接接続しても良い。
【0016】
第1の三方弁22は、図1に示すように、第1のセンサベース32に形成された通路32a(図2参照)に第1のポートが連通するように、塗料ホースを介して受け側ピグステーション30に接続されている。第1のセンサベース32は、図2に示すように、受け側ピグステーション30のステーション本体31に固定されており、第1のセンサベース32の通路32aが、ステーション本体31の内部に形成された第1の副通路31bに連通している。第1のセンサベース32には、感圧面33aが通路32a内に臨むように、第1の圧力センサ33が固定されている。
【0017】
図1に示すように、第1の圧力センサ33は、その検出結果を送信可能なように、ケーブルを介して判断装置70に接続されている。この判断装置70はCPU等を備えており、第1及び第2の圧力センサ33,44の検出結果に基づいて、ピグ90の位置を判断することが可能となっている。なお、判断装置70による具体的な判断手法については後述する。
【0018】
判断装置70により判断されたピグ90の位置は、モニタ等から構成される報知装置80に表示される。また、ピグ90が所定位置に存在しないような不具合情報等も報知装置80により報知される。
【0019】
図2に示すように、ステーション本体31の第1の副通路31bは、当該ステーション本体31内に形成された主通路31aから分岐している。この主通路31aの一方の端部には、ピグ90が往復移動可能に挿入された塗料ホース50の一方の端部が、キャップ31cにより固定されており、塗料ホース50の内孔と、ステーション本体31の主通路31aとが連通している。
【0020】
ここで、図3A及び図3Bに示すように、本実施形態に係るピグ90は、両端近傍の2箇所が拡径した略円柱形状を有しており、後述するピグステーション30,40のピグ受け面34b,462bに当接して第2の副通路34a,462cを封鎖する第1のシール部91と、塗料ホース50の内壁面に密着する第2のシール部92と、を有している。
【0021】
第1のシール部91は、ピグ90の両端面から構成されており、その円形状の縁部がピグ受け面34b,462bに密着することで、第2の副通路34a,462cを封鎖するようになっている。
【0022】
第2のシール部92は、ピグ90において拡径した部位から構成されている。この第2のシール部92の外形D1は、塗料ホース50の内径D2(図2参照)と実質的に同一となっており(D1=D2)、ピグ90が塗料ホース50内を移動することで、塗料ホース50内に残留している塗料等を第2のシール部92が掻き取るようになっている。
【0023】
第1のシール部91と第2のシール部92をピグ90において異なる部位に設けることで、各シール部91,92の磨耗を遅らせてピグ90の長寿命化を図ることができる。
【0024】
図2に示すように、ステーション本体31の主通路31aは、ピグ90の外径D1よりも相対的に大きな内径D3を有しており(D3>D1)、主通路31a内にピグ90を保持したままの状態で、主通路31a内に流体を流通させることが可能となっている。
【0025】
ステーション本体31の他方の端部には、マニホールド34が固定されており、ステーション本体31の主通路31aと、マニホールド34内に形成された第2の副通路34aとが連通している。図2に示すように、第2の副通路34aの内径D4は、主通路31aの内径D3よりも相対的に小さく(D4<D3)、且つ、ピグ90の外径D1よりも相対的に小さくなっている(D4<D1)。このため、塗料ホース50を通って受け側ピグステーション30に移動してきたピグ90が当接して停止するためのピグ受け面34bが、マニホールド34におけるステーション本体31側の端面により構成されている。本実施形態では、このピグ受け面34bは、第2の副通路34aの開口周囲に形成された凹状の球面形状で構成されている。
【0026】
ピグ受け面34bを球面形状とする共に、ピグ90の第1のシール部91が円形状の縁部を有することで、ピグ受け面34bに対するピグ90の当接角度に関わらず、第2の副通路34aを確実に封鎖することが可能となっている。これにより、本実施形態では、配管系内に圧力が正確に変動するため、ピグに埋め込んだ磁石を用いた従来のピグ位置検出に代えて、防爆型圧力センサを用いたピグ位置検出が可能となり、塗料供給装置のコストダウンを図るとともに、装置構造を単純にすることができる。
【0027】
図1に示すように、ステーション本体31の他端に固定されたマニホールド34には、洗浄液を供給可能な第1の洗浄液供給用バルブ35aと、加圧エアを供給可能な第2のエア供給用バルブ35bと、外部に廃液するための第2のダンプ弁35cと、が設けられている。それぞれの弁35a〜35cは、特に図示しない制御装置からの制御信号により開閉動作することが可能となっている。
【0028】
図4に示すように、塗料ホース50の他方の端部には、送り側ピグステーション40のステーション本体41の一方の端部が、キャップ41dにより固定されており、塗料ホース50の内孔とステーション本体41内に形成された主通路41aとが連通している。主通路41aは、ピグ90の外径D1よりも相対的に大きな内径D5を有しており(D5>D1)、主通路41a内にピグ90を保持したままの状態で、主通路41a内に流体を流通させることが可能となっている。
【0029】
ステーション本体41には第2のセンサベース43が固定されており、第2のセンサベース43内に形成された通路43aが 主通路41aから分岐している第1の副通路41bに連通している。第2のセンサベース43には、感圧面44aが通路43a内に臨むように、第2の圧力センサ44が固定されている。この第2の圧力センサ44は、第1の圧力センサ33と同様に、検出結果を送信可能なように、ケーブルを介して判断装置70に接続されている。また、図1に示すように、第2のセンサベース43の通路43aには、外部に廃液するための第3のダンプ弁45が接続されている。
【0030】
図4に戻り、本実施形態では、ステーション本体41に、例えばエアシリンダ等から構成されるストッパ42が固定されており、ステーション本体41の側面に形成された貫通孔41cを介して、ストッパピン42aが主通路41a内に進退移動させることが可能となっている。このストッパピン42aが主通路41a内に進出した場合には、ピグ90の移動を遮り、ストッパピン42aが主通路41aから退出した場合には、ピグ90の移動が可能となるようになっている。
【0031】
ステーション本体41の他方の端部には、ピグ90を送り側ピグステーション40内から取り出すための着脱部46が固定されている。この着脱部46は、図4に示すように、ステーション本体41に固定された第1の着脱部材461と、サブカラーチェンジバルブユニット47(以下、サブCCV47と称する。)の端部に固定された第2の着脱部材462と、これら第1の着脱部材461と第2の着脱部材462とを連結するためのクランプ463と、から構成されている。
【0032】
第1の着脱部材461は、フランジ部461aを持つ略円盤形状を有しており、ステーション本体41の主通路41aと同一の内径D5を有する通路461bがその中心に形成されている。この第1の着脱部材46aは、主通路41aと通路461bとが連通するように、ステーション本体41に固定されている。
【0033】
第2の着脱部材462も同様に、フランジ部462aを持つ略円盤形状を有しており、その中心に第2の副通路462cが形成されている。この第2の副通路462cの内径D6は、主通路41aの内径D5よりも相対的に小さく(D6<D5)、且つ、ピグ90の外径D1よりも相対的に小さくなっている(D6<D1)。このため、塗料ホース50を通って送り側ピグステーション40に移動してきたピグ90が当接して停止するためのピグ受け面462bが、第2の着脱部材462において第1の着脱部材461と対向する端面により構成されている。本実施形態では、このピグ受け面462bは、上述したピグ受け面34bと同様に、第2の副通路462cの開口周囲に形成された凹状の球面形状で構成されている。
【0034】
ピグ受け面462bを球面形状とする共に、ピグ90の第1のシール部91が円形状の縁部を有することで、ピグ受け面462bに対するピグ90の当接角度に関わらず、第2の副通路462cを確実に封鎖することが可能となっている。これにより、本実施形態では、配管系内に圧力が正確に変動するため、ピグに埋め込んだ磁石を用いた従来のピグ位置検出に代えて、防爆型圧力センサを用いたピグ位置検出が可能となり、塗料供給装置のコストダウンを図るとともに、装置構造を単純にすることができる。
【0035】
第1の着脱部材461と第2の着脱部材462とは、第2の着脱部材462の位置決めピンを第1の着脱部材461の位置決め穴に挿入して、相互に密着させた状態でそれぞれのフランジ部461a,462aをクランプ463で挟み込むことで、着脱自在に連結されている。なお、このように連結された状態において、第1の着脱部材461の通路461bと、第2の着脱部材462の第2の副通路462bとが連通しており、第1の着脱部材461の通路461bの終点に、第2の着脱部材462に形成されたピグ受け面462bが位置している。
【0036】
サブCCV47は、図1に示すように、着脱部46に固定されたマニホールド48と、塗料タンクから塗料が供給される第1〜第5の切換バルブ49a〜49eと、を備えており、何れか一つの切換バルブ49a〜49eを選択することで、マニホールド48内に形成された通路48aにその塗料が供給されるようになっている。さらに、この通路48aは、図4に示すように、着脱部46の第2の副通路462cに連通しており、サブCCV47から着脱部46を介して主通路41aに塗料が供給されるようになっている。
【0037】
図1に戻り、このサブCCV47は、洗浄液を供給可能な第2の洗浄液供給用バルブ49fと、加圧エアを供給可能な第2のエア供給用バルブ49gと、外部に廃液するための第4のダンプ弁49hと、をさらに備えている。それぞれの弁49a〜49hは、特に図示しない制御装置からの制御信号により開閉動作することが可能となっている。
【0038】
第1〜第5の切換バルブ49a〜49eに供給される塗料61bは、密閉された塗料タンク61内にそれぞれ収容されている。また、各塗料タンク61には第2の三方弁61aの第1のポートが接続されている。この第2の三方弁61aの第2のポートには、加圧エアが供給されるようになっており、第2の三方弁61aの第3のポートを介してこの加圧エアを開放することが可能となっている。この第3のポートを閉じることで、第2のポートから加圧エアが、密閉された塗料タンク61に供給され、第1のポートから第1の切換バルブ49aに向かって塗料が圧送されるようになっている。これに対し、第3のポートを開放することで、第2のポートから供給される加圧エアが開放され、塗料ホース50から塗料タンク61に向かって塗料を回収することが可能な状態となる。なお、図1には、第1の切換バルブ49aのみに塗料タンク61及び第2の三方弁61aが接続されているが、実際には、第2〜第5の切換バルブ49b~49eにも塗料タンク61及び第2の三方弁61aが接続されている。
【0039】
以上のような構成の塗料供給装置10は、図5に示すように、例えば塗装ブースB内に設けられた複数の塗装ロボット4に対して1台ずつ設けられて塗装システムを構成している。塗装ロボット4の先端には、エンドエフェクタとして塗装ガン2が設けられており、塗料供給装置10からこの塗装ガン2に各色の塗料を供給することが可能となっている。
【0040】
なお、本発明においては上記のような塗装システムに限定されず、例えば、複数の塗装ロボット4に対して1台の塗料供給装置10を割り当てても良い。
【0041】
以下に、本実施形態に係る塗料回収方法を、塗料供給装置10の色替え手順に従って説明する。
【0042】
図6は本実施形態に係る塗料回収方法を示すフローチャート、図7A〜図7Fは図6に示す各ステップにおける塗料供給装置を示すブロック図、図8A及び図8Bはピグステーション内においてピグが受け面に当接した状態を示す図、図9は塗料回収時における押出用流体の層構造を示す断面図である。
【0043】
先ず、図7Aに示すように、塗料供給装置10が前色の塗料(塗料タンク61に収容されている塗料61b)を塗装ガン2に供給している状態(図6のステップS10)について説明する。なお、初期状態では、ピグ90が送り側ピグステーション40内に位置し、ストッパ42のストッパピン42aを主通路41aから退出させ、さらに全ての弁を閉じた状態となっている。このような状態では、第2の三方弁61aの第3のポートを閉じられているので、第2の三方弁61aの第2のポートを介して塗料タンク61内にエアが導入されており、塗料タンク61内が加圧されている。ここで、サブCCV47の第1の切換バルブ49aを開くと共に、第2のダンプ弁35cを開くと、塗料タンク61内の塗料が、マニホールド48の通路48a→第2の着脱部材462の第2の副通路462c→第1の着脱部材461の通路461b→ステーション本体41の主通路41a→塗料ホース50を経由して、受け側ピグステーション30に至る。この間、ピグ90は、送り側ピグステーション40から受け側ピグステーション30に塗料ホース50を介して圧送され、受け側ピグステーション30のピグ受け面34bに当接することで停止する。このピグ90の第1のシール部91とピグ受け面34bとの当接により、図8Aに示すように、第2の副通路34aが封鎖され、第2のダンプ弁35cへの流路が自動的に遮断される。なお、本実施形態では、ピグ受け面34bが球面形状となっている共に、ピグ90の第1のシール部91が円形状の縁部を有しているので、図8Bに示すように、ピグ受け面34bに対してピグ90が斜めに当接しても、第2の副通路34aを確実に封鎖することができる。
【0044】
この際、判断装置70は、第1の圧力センサ33により検出された圧力P1と、第2の圧力センサ44により検出された圧力P2とを比較する。これらの圧力P1,P2が実質的に同一(P1=P2)である場合には、判断装置70は、ピグ90が受け側ピグステーション30に移動したものと判断する。
【0045】
これに対し、圧力P1,P2が非同一(P1≠P2)な状態で所定時間が経過した場合には、判断装置70は、ピグ90が受け側ピグステーション30に移動していないものと判断し、報知装置80はその不具合情報を報知する。
【0046】
ピグ90が受け側ピグステーション30に移動したことを検出すると、第1のダンプ弁23を所定時間開放する。この開放により、ステーション本体31の主通路31aに至った塗料は、第1のセンサベース32内の通路32a→塗料ホース→メインCCV20の第1の三方弁22の第2のポートに至り、塗料が第1の三方弁22内に充填され、塗装準備が完了する。そして、塗料タンク61内に収容された塗料を塗装する必要がある場合に、第1の三方弁22が開かれて、塗装ガン2に塗料が供給される。
【0047】
塗装作業が終了し、異なる塗料を塗装する場合には、以下の手順に従って塗料供給装置10の色替操作を行う。
【0048】
先ず、図6のステップS20に示すように、これまで塗装を行っていた塗料を塗料タンク61に回収する。前色塗料の塗装完了を示す信号に基づいて、第2のダンプ弁35cを閉じると共に、第2の三方弁61aの第3のポートを開放し、塗料タンク61内の加圧を解除する。そして、受け側ピグステーション30の第1の洗浄液供給用バルブ35a又は第1のエア供給用バルブ35bを開いて、洗浄液又は加圧エアを供給して、受け側ピグステーション30内に位置していたピグ90を送り側ピグステーション40に押し戻し、塗料ホース50内に充填されていた塗料を塗料タンク61に回収する。ピグ90は、送り側ピグステーション40のピグ受け面462bに当接することで停止する。このピグ90の第1のシール部91とピグ受け面462bとの当接により第2の副通路462cが封鎖され、サブCCV47への流路が自動的に遮断される。
【0049】
この際、判断装置は、第1の圧力センサ33により検出された圧力P1と、第2の圧力センサ44により検出された圧力P2とを比較する。これらの圧力P1,P2が実質的に同一(P1=P2)である場合には、判断装置70は、ピグ90が送り側ピグステーション40に移動したものと判断し、例えば、報知装置80がモニタ等にピグ90の位置を表示する。
【0050】
これに対し、圧力P1,P2が非同一(P1≠P2)な状態で所定時間が経過した場合には、判断装置70は、ピグ90が送り側ピグステーション40に移動していないものと判断し、報知装置80は、モニタ等を介してその不具合情報を報知する。
【0051】
なお、第1の洗浄液供給用バルブ35aを介して供給される洗浄液としては、塗料が有機溶剤系塗料である場合にはシンナーを用いることができ、塗料が水系塗料である場合には水を用いることができる。また、塗料が水系塗料である場合には、第1のエア供給用バルブ35bを省略しても良い。
【0052】
また、上述の実施形態では、ピグ90を介して塗料を押し戻すに当たり、第1の洗浄液供給用バルブ35a又は第1のエア供給用バルブ35bから供給される洗浄液又はエアを押出用流体として利用するように説明したが、本発明においては特に限定されず、以下のような押出用流体100を用いても良い。
【0053】
例えば、図9に示すように、ピグ90を介して塗料ホース50内に充填されている塗料61bを塗料タンク61に押し戻す(回収する)ための押出用流体100は、空気から構成される第1の層101と、溶剤から構成される第2の層102と、から構成されており、第2の層102とピグ90との間に第1の層101が介在している。第1のエア供給用バルブ35bから加圧エアを供給して第1の層101を形成し、次いで、第1の洗浄液供給用バルブ35aから洗浄液を供給して第2の層102を形成することで、この押出用流体100を構成することができる。塗料ホース50内における第1の層101の軸方向に沿った長さLは、塗料ホース50の内径や長さに応じて、10〜30mm程度であることが好ましい。なお、第1の層101を、塗料に含まれる溶剤や希釈溶剤で構成しても良い。
【0054】
押出用流体100の第1の層101により、塗料に洗浄液が混入するのを防止して、塗料の品質の安定化を図ることができる。また、押出用流体100の第2の層102により、塗料回収時の押出用流体100の圧縮量を小さくすることができ、安定して装置を稼動させることができる。
【0055】
ピグ90が送り側ピグステーション40に移動したことを検出したら、図7Bに示すように、第3のダンプ弁45を開くと共に、第1の洗浄液供給用バルブ35a又は第1のエア供給用バルブ35bを開く(図6のステップS30)。これにより、マニホールド34内の第2の副通路34a→ステーション本体31内の主通路31a→塗料ホース50→ステーション本体41内の主通路41a→第2のセンサベース43内の通路43a、に至る経路が洗浄される。
【0056】
また、このステップS30の際、ステーション本体41の主通路31a内にピグ90が保持されたままの状態となっているので、ピグ90においてピグステーション40側の先端部が洗浄される。また、第2のセンサベース43の通路43a内も洗浄液又はエアが通過するので、第2の圧力センサ44の感圧面44aが洗浄される。
【0057】
次に、図7Cに示すように、ストッパ42を作動させて、ストッパピン42aを主通路41a内に進出させると共に、第1の洗浄液供給用バルブ35a及び第1のエア供給用バルブ35bを閉じ、この状態で、第2の洗浄液供給用バルブ49f及び第2のエア供給用バルブ49gを交互に開く(図6のステップS40)。これにより、サブCCV47のマニホールド48の通路48a→第2の着脱部材462の第2の副通路462c→第1の着脱部材461の通路461b→ステーション本体41の主通路41a→第2のセンサベース43の通路43a、に至る経路が、洗浄液及びエアにより洗浄される。また、このステップS40の際、受け側ピグステーション30側へのピグ90の移動がストッパ42により規制されているので、ピグ90の後端部が洗浄される。
【0058】
なお、第2の洗浄液供給用バルブ49fを介して供給される洗浄液としては、塗料が有機溶剤系塗料である場合にはシンナーを用いることができ、塗料が水系塗料である場合には水を用いることができる。また、塗料が水系塗料である場合には、第1のエア供給用バルブ49gを省略しても良い。
【0059】
次に、図7Dに示すように、第3のダンプ弁45を閉じると共に、第1のダンプ弁23を開き、この状態で、第2の洗浄液供給用バルブ49f及び第2のエア供給用バルブ49gを交互に開く(図6のステップS50)。これにより、サブCCV47のマニホールド48の通路48a→第2の着脱部材462の第2の副通路462c→第1の着脱部材461の通路461b→ステーション本体41の主通路41a→塗料ホース50→ステーション本体31の主通路31a→第1のセンサベース33の通路33a→第1の三方弁21、に至る流路が洗浄される。
【0060】
この際、ピグ90は、ストッパ42により送り側ピグステーション40の主通路41a内に保持されていると共に、その外径D1が主通路41aの内径D5よりも相対的に小さくなっており、ピグ90の周囲を洗浄液やエアが通過するため、ピグ90の洗浄がより確実なものとなる。
【0061】
次に、図7Eに示すように、第1のダンプ弁23を閉じると共に、第2のダンプ弁35cを開き、この状態で、第2の洗浄液供給用バルブ49f及び第2のエア供給用バルブ49gを交互に開く(図6のステップS60)。これにより、サブCCV47のマニホールド48の通路48a→第2の着脱部材462の第2の副通路462c→第1の着脱部材461の通路461b→ステーション本体41の主通路41a→塗料ホース50→ステーション本体31の主通路31a→マニホールド34の第2の副通路34a、に至る経路が洗浄される。
【0062】
次に、図7Fに示すように、第2のダンプ弁35c、第2の洗浄液供給用バルブ49f及び第2のエア供給用バルブ49gを閉じると共に、第4のダンプ弁49h及び第1のエア供給用バルブ35bを開く(図6のステップS70)。これにより、ストッパ42により規制されているピグ90が、送り側ピグステーション40のピグ受け面462bに向かって移動する。次いで、第4のダンプ弁49h及び第1のエア供給用バルブ35bを閉じると共に、ストッパピン42aを主通路41aから退出させることで、塗料供給装置10が初期状態に復帰したこととなる。
【0063】
以上のステップS20〜S70までの作業を経ることで色替作業が完了し、塗料供給装置10に次色の塗料を充填することが可能な状態となる。
【0064】
以上のように本実施形態では、受け側ピグステーション30においては、ピグ90がピグ受け面34bに当接することで、塗装ガン2につながっていない第2の副通路34aを封鎖し、ピグ90を主通路31a内に保持したままの状態で、ピグ90に封鎖されていない第1の副通路31bを使って塗装ガン2に塗料を供給することができる。
【0065】
また、送り側ピグステーション40においては、ピグ90がピグ受け面462bに当接することで、塗料タンク61につながっている第2の副通路462cをピグ90により封鎖し、そのピグ90を主通路41a内に保持したままの状態で、ピグ90に封鎖されていない第1の副通路41bを使って塗料ホース50内を洗浄することができる。
【0066】
従って、塗料ホース50やピグステーション30,40の洗浄時や塗料供給時にピグ90を塗料ホース50やピグステーション30,40から退避させるための専用の配管を必要とせず、塗料供給装置10の小型化を図ると共に、色替えに要する時間の短縮化を図ることができる。
【0067】
上述の実施形態では、第1及び第2の圧力センサ33,44により検出された圧力の差に基づいて、ピグ90の位置を検出したが、本発明においては特にこれに限定されない。
【0068】
図10は本発明の第2実施形態に係る塗料供給装置におけるピグ位置の検出方法を示すタイムチャートである。なお、図10の最上段は、時間軸に従った圧力センサの検出信号を示している。
【0069】
本発明の第2実施形態に係る塗料供給装置では、第1実施形態と同様に、ピグ受け面34b,462bが凹状の球面形状となっている共に、ピグ90の第1のシール部91が円形状の縁部を有している。これにより、ピグ受け面34b,462bに対するピグ90の当接角度に関わらず、第2の副通路34a,462cを確実に封鎖することが可能となっており、主通路31a内の圧力が正確に変動する。このため、第1及び第2の圧力センサにおける差圧でなく、第1の圧力センサ33又は第2の圧力センサ44の何れか一方の検出結果に基づいて、ピグ90の位置を検出するもできる。
【0070】
すなわち、上述した図6のステップS10において、本実施形態では、図10に示すように、判断装置70が、第1の圧力センサ33により検出される圧力P1が所定時間内に所定の閾値α以上に上昇したか否かを判断する。所定時間内に圧力P1が閾値α以上となった場合(P1≧α)には、判断装置70は、ピグ90が受け側ピグステーション30に移動したものと判断する。
【0071】
これに対し、圧力P1が所定時間内に閾値α未満である場合(P1<α)には、判断装置70は、ピグ90が受け側ピグステーション30に移動していないものと判断して、報知装置80がその不具合情報を報知する。
【0072】
また、上述した図6のステップS20において、本実施形態では、判断装置70が、図10に示すように、第2の圧力センサ44により検出される圧力P2が所定時間内に所定の閾値β以上に上昇したか否かを判断する。所定時間内に圧力P2が閾値β以上となった場合(P2≧β)には、判断装置70は、ピグ90が送り側ピグステーション40に移動したものと判断する。
【0073】
これに対し、圧力P2が所定時間内に閾値β未満である場合(P2<β)には、判断装置70は、ピグ90が送り側ピグステーション40に移動していないものと判断して、報知装置80がその不具合情報を報知する。
【0074】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0075】
例えば、上述の実施形態では、送り側ピグステーション40内にピグ90を保持した状態でそのピグ90を洗浄するように説明したが、本発明においては特にこれに限定されず、受け側ピグステーション30に、ピグ90の移動を規制するストッパを設けて、受け側ピグステーション30内にピグ90を保持した状態でそのピグ90を洗浄しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る塗料供給装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態に係る塗料供給装置の受け側ピグステーションを示す断面図である。
【図3A】図3Aは、本発明の第1実施形態に係るピグを示す側面図である。
【図3B】図3Bは、本発明の第1実施形態に係るピグを示す正面図である。
【図4】図4は、本発明の第1実施形態に係る塗料供給装置の送り側ピグステーションを示す断面図である。
【図5】図5は、本発明の第1実施形態に係る塗装システムを示す概略平面図である。
【図6】図6は、本発明の第1実施形態に係る塗料回収方法を示すフローチャートである。
【図7A】図7Aは、前色塗料を塗装している状態(塗装ステップ)の塗料供給装置を示すブロック図である。
【図7B】図7Bは、前色塗料を回収した後に、塗料供給装置内を洗浄している状態(回収ステップ及び第1の洗浄ステップ)の塗料供給装置を示すブロック図である。
【図7C】図7Cは、塗料供給装置内を洗浄している状態(第2の洗浄ステップ)の塗料供給装置を示すブロック図である。
【図7D】図7Dは、塗料供給装置内を洗浄している状態(第3の洗浄ステップ)の塗料供給装置を示すブロック図である。
【図7E】図7Eは、塗料供給装置内を洗浄している状態(第4の洗浄ステップ)の塗料供給装置を示すブロック図である。
【図7F】図7Fは、ピグを原点位置に復帰させている状態(復帰ステップ)の塗料供給装置を示すブロック図である。
【図8A】図8Aは、ピグステーション内においてピグが受け面に当接した状態を示す概略図である。
【図8B】図8Bは、ピグステーション内においてピグが受け面に斜めに当接した状態を示す概略断面図である。
【図9】図9は、塗料回収時における押出用流体の層構造を示す断面図である。
【図10】図10は、本発明の第2実施形態に係る塗料供給装置におけるピグ位置の検出方法を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0077】
10…塗料回収装置
20…メインCCV
30…受け側ピグステーション
31…ステーション本体
31a…主通路
31b…第1の副通路
32…第1のセンサベース
33…第1の圧力センサ
34…マニホールド
34a…第2の副通路
34b…ピグ受け面
40…送り側ピグステーション
41…ステーション本体
41a…主通路
41b…第1の副通路
42…ストッパ
43…第2のセンサベース
44…第2の圧力センサ
46…着脱部
462b…ピグ受け面
462c…第2の副通路
47…サブCCV
50…塗料ホース
61…塗料タンク
61a…第2の三方弁
90…ピグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピグが軸方向に沿って往復移動可能に挿入された塗料配管と、
前記塗料配管の端部にそれぞれ接続された第1及び第2のピグ発着部と、を備え、
前記第1のピグ発着部側から押出用流体を供給して前記塗料配管を介して前記第2のピグ発着部に前記ピグを移動させることで、前記塗料配管内に充填された塗料を回収することが可能な塗料供給装置であって、
前記第1又は第2のピグ発着部のうちの少なくとも一方は、
前記塗料配管が接続され、前記ピグが進入可能な主通路と、
前記ピグの移動を阻止するピグ受け面と、
前記主通路に連通した少なくとも2つの副通路と、を有し、
前記ピグが前記ピグ受け面に当接することで、前記少なくとも2つの副通路のうちの一つを前記ピグが封鎖する塗料供給装置。
【請求項2】
前記第1又は第2のピグ発着部のうちの少なくとも一方は、前記第2又は第1のピグ発着部側への前記ピグの移動を規制する規制手段を有する請求項1記載の塗料供給装置。
【請求項3】
前記ピグにより封鎖される前記副通路は、前記ピグにおいて前記ピグ受け面に当接する当接部の直径よりも相対的に小さな内径を有する請求項1又は2記載の塗料供給装置。
【請求項4】
前記ピグ受け面は、前記ピグにより封鎖される前記副通路の開口部周囲に球面状に形成されており、
前記ピグにおいて前記ピグ受け面に当接する当接部は、円形状の縁部を少なくとも有している請求項1〜3の何れかに記載の塗料供給装置。
【請求項5】
前記ピグは、
前記ピグ受け面に当接して前記副通路を封鎖する第1のシール部と、
前記塗料配管の内壁面と密着する第2のシール部と、を有しており、
前記第1のシール部と前記第2のシール部とは、前記ピグにおいてそれぞれ異なる部位に設けられている請求項1〜4の何れかに記載の塗料供給装置。
【請求項6】
前記押出用流体は、
空気又は溶剤から構成される第1の層と、
前記塗料配管内を洗浄するための洗浄液から構成される第2の層と、を有し、
前記塗料配管内において、前記ピグと前記第2の層との間に前記第1の層が介在している請求項1〜5の何れかに記載の塗料供給装置。
【請求項7】
前記第1又は第2のピグ発着部の少なくとも一方の前記主通路内の圧力を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記ピグが前記第1又は第2のピグ発着部内に位置しているか否かを判断する判断手段と、をさらに備えた請求項1〜6の何れかに記載の塗料供給装置。
【請求項8】
前記判断手段は、前記検出手段により検出された前記第1及び第2のピグ発着部の主通路内の圧力の差に基づいて、前記ピグが前記第1又は第2のピグ発着部内に位置しているか否かを判断する請求項7記載の塗料供給装置。
【請求項9】
前記判断手段は、
前記第1のピグ発着部の主通路内の圧力と、前記第2のピグ発着部の主通路内の圧力と、が異なる場合に、前記ピグが前記塗料配管内に位置していると判断し、
前記第1のピグ発着部の主通路内の圧力と、前記第2のピグ発着部の主通路内の圧力とが、実質的に同一である場合に、前記第1又は第2のピグ発着部内に前記ピグが位置していると判断する請求項8記載の塗料供給装置。
【請求項10】
前記判断手段は、前記主通路内の圧力が所定時間内に上昇しない場合に、前記ピグが前記第1又は第2のピグ発着部内に位置していないと判断する請求項7記載の塗料供給装置。
【請求項11】
第1のピグ発着部側から押出用流体を供給して塗料配管を介して第2のピグ発着部にピグを移動させることで、前記塗料配管内に充填されていた塗料を回収する回収ステップと、
前記塗料配管内に塗料を回収した後に、前記塗料配管内に洗浄用流体を供給して前記塗料配管内の洗浄を行う洗浄ステップと、を備えた塗料の回収方法であって、
前記第1又は第2のピグ発着部において、前記塗料配管が接続され、前記ピグが進入可能な主通路内に前記ピグを保持したままの状態で、前記塗料配管内の洗浄を行う塗料回収方法。
【請求項12】
前記回収ステップにおいて、前記第2のピグ発着部の前記主通路に連通した少なくとも2つの副通路のうちの一つを、前記ピグが封鎖し、
前記洗浄ステップにおいて、前記第1のピグ発着部側から前記塗料配管内に洗浄用流体を供給する請求項11記載の塗料回収方法。
【請求項13】
前記洗浄ステップにおいて、前記第1のピグ発着部側への前記ピグの移動を規制した状態で、前記第2のピグ発着部側から前記塗料配管内に洗浄用流体を供給する請求項11又は12記載の塗料回収方法。
【請求項14】
前記第2のピグ発着部から前記塗料配管に塗料を供給する供給ステップをさらに備え、
前記供給ステップにおいて、塗料供給に伴って前記ピグが前記第2のピグ発着部から前記塗料配管を介して前記第1のピグ発着部に移動し、前記第1のピグ発着部の前記主通路に連通した少なくとも2つの副通路のうちの一つを封鎖する請求項11〜13の何れかに記載の塗料回収方法。
【請求項15】
前記回収ステップにおいて用いられる前記押出用流体は、
空気又は溶剤から構成される第1の層と、
前記塗料配管内を洗浄するための洗浄液から構成される第2の層と、を有し、
前記塗料配管内において、前記ピグと前記第2の層との間に前記第1の層が介在している請求項11〜14の何れかに記載の塗料回収方法。
【請求項16】
前記第1又は第2のピグ発着部の少なくとも一方の主通路内の圧力を検出し、当該検出結果に基づいて、前記ピグが前記第1又は第2のピグ発着部内に位置しているか否かを判断する判断ステップをさらに備えた請求項11〜15の何れかに記載の塗料回収方法。
【請求項17】
前記判断ステップにおいて、前記第1及び第2のピグ発着部の主通路内の差圧に基づいて、前記ピグが前記第1又は第2のピグ発着部内に位置しているか否かを判断する請求項16記載の塗料回収方法。
【請求項18】
前記判断ステップにおいて、
前記第1のピグ発着部の主通路内の圧力と、前記第2のピグ発着部の主通路内の圧力と、が異なる場合に、前記ピグが前記塗料配管内に位置していると判断し、
前記第1のピグ発着部の主通路内の圧力と、前記第2のピグ発着部の主通路内の圧力と、が実質的に同一である場合に、前記ピグが前記第1又は第2のピグ発着部内に位置していると判断する請求項17記載の塗料回収方法。
【請求項19】
前記判断ステップにおいて、前記主通路内の圧力が所定時間内に上昇しない場合に、前記ピグが前記第1又は第2のピグ発着部内に位置していないと判断する請求項16記載の塗料回収方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−207112(P2008−207112A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−47067(P2007−47067)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】