説明

塩分測定装置

【課題】家庭などで味噌汁などの塩分管理を容易にかつ永続的に行えるようにする。
【解決手段】味噌汁などの塩分濃度を測定して表示する卵形の測定装置本体100と、測定装置本体100を保持可能な椀状保持部210を有する測定装置本体ホルダ200とを有し、椀状保持部210に所定量の液状食品(味噌汁とする)300を入れた状態で測定装置本体100を椀状持部210に保持させることにより味噌汁300の塩分を測定して表示する塩分測定装置10であって、測定装置本体100は、一対の電極111,112と、一対の電極間111,112の電流値の大きさに基づいて味噌汁300の塩分濃度を測定する塩分濃度測定部と、前記塩分濃度測定部によって測定された測定結果を発光手段による発光によって表示する機能を有する表示部120と、測定結果に基づいて発光手段を制御する機能を有する表示制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、味噌汁などの液状食品の塩分濃度を測定して表示する塩分測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、食生活と健康の関連について種々の指摘がなされている。特に、味噌汁は日本人の基本的な調理食品の1つである。味噌汁は大豆を原料にした発酵食品である味噌に加えて野菜や海草なども同時に摂取できることから、健康志向の高まりのなかで最近では西洋諸国などからも注目されている優良な調理食品である。このような優良な調理食品の1つである味噌汁の最大の欠点といえば、塩分の取りすぎの要因となりかねないということである。
【0003】
最近では、一日の塩分摂取量を10g以下に抑えることが好ましいとされている。一日の塩分摂取量を10g以下に抑えるには、味噌汁一杯の塩分を1.5g以下に抑えることが重要であるといわれている。これは、味噌汁一杯を150gとすると、1%の塩分濃度である。このように、味噌汁の塩分濃度を重要視するのは、家庭で慣れ親しんでいる味噌汁の味の濃さが、他の食品の味付けの好みをある程度決定するからである。すなわち、各家庭での味噌汁の味が濃ければ(塩分濃度が高ければ)、その味の濃さに慣れてしまい、味噌汁以外の食品も濃い味を好む傾向にある。
【0004】
そこで、各家庭で味噌汁の塩分を管理して、できるだけ、薄味(塩分濃度の低い味)の味噌汁を作るような指導がなされている。このとき、味噌汁の塩分濃度を客観的に測定することが必要となってくる。従来、味噌汁などの液状食品の塩分濃度を測定するいわゆる塩分計は種々提案されて実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】実開平5−73567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された塩分計は、外食時においても塩分濃度の測定を可能とするためのものであり、スプーンの湾曲部に液状食品(味噌汁として説明する)を入れると、味噌汁の塩分濃度を測定して、その測定結果として「濃い」、「適」、「薄い」などに対応するランプを点灯させるものである。
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された塩分計は、主に携帯用として作られているため、家庭で日常的に用いるには幾つかの問題がある。すなわち、特許文献1に開示された塩分計は、一般的なスプーンと同様の形状であるため、他の台所用品や食器類などに紛れ込んだり、引き出しなどにしまわれたりしてしまうと目に付きにくくなり、いつの間にか忘れ去られた存在となりやすく、結局は使用されなくなってしまうというのが実情である。
【0008】
また、特許文献1に開示された塩分計は、味噌汁を入れる部分が、塩分計におけるスプーンの湾曲部であるため、塩分濃度を測定する際は、塩分計のスプーンの湾曲部を直接、味噌汁が入った鍋や味噌汁を入れた椀に差し入れることが多く不潔感もある。これを防ぐためには、いわゆる「おたま」と呼ばれる汁杓子などで味噌汁などを少量すくい取って、塩分計のスプーンの湾曲部に移しかえることも考えられるが、塩分計のスプーンの湾曲部は容量が小さいので味噌汁などがこぼれたりするため、食卓などでは、こぼれた味噌汁の後始末が面倒であり、使い勝手が悪く結局は使用しなくなってしまうという問題もある。
【0009】
また、従来の塩分計としては、特許文献1に開示された塩分計以外にも、例えば、体温計型の塩分計なども存在するが、この体温計型の塩分計も特許文献1に開示された塩分計と同じような問題点を有している。
【0010】
そこで本発明は、台所や食卓で常時置かれて永続的使用される可能性の高い塩分測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明の塩分測定装置は、液状食品の塩分濃度を測定して表示する測定装置本体と、前記測定装置本体を保持可能な椀状保持部を有する測定装置本体ホルダとを有し、前記椀状保持部に所定量の液状食品を入れた状態で前記測定装置本体を前記椀状保持部に保持させることにより前記液状食品の塩分を測定して表示する塩分測定装置であって、前記測定装置本体は、前記測定装置本体が前記椀状保持部に保持されたときに前記椀状保持部に入れられた液状食品に浸漬するように設けられた一対の電極と、前記一対の電極間の電流値の大きさに基づいて前記液状食品の塩分濃度を測定する塩分濃度測定部と、前記塩分濃度測定部によって測定された測定結果を発光手段による発光によって表示する機能を有する表示部と、前記測定結果に基づいて前記発光手段を制御する機能を有する表示制御部とを有することを特徴とする。
【0012】
このように、本発明の塩分測定装置によれば、測定対象である液状食品を椀状保持部に入れて、測定装置本体をその椀状保持部に保持させることにより、椀状保持部内に入っている液状食品の塩分濃度を測定して表示するものである。このため、従来の塩分計(スプーン型や体温計型の塩分計など)のように、塩分計そのものを直接、液状食品に入れる従来のものに比べて衛生的であり、かつ、スプーン型や体温計型などの塩分計のように、引き出しなどにしまい込まれて、いつの間にか忘れ去られた存在となってしまうといったことがなくなり、台所や食卓で常時置かれて永続的使用される可能性の高い塩分測定装置となる。
【0013】
(2)前記(1)に記載の塩分測定装置において、前記発光手段は、複数の色を発光可能であって、前記表示制御部は、前記塩分濃度測定部によって測定された測定結果としての塩分濃度に応じた色を発光するように前記発光手段を制御することが好ましい。
このように、異なった色の発光によって塩分濃度の適否を表示することにより、塩分濃度の適否が一目でわかり、家庭などにおいて容易に液状食品の塩分管理を行うことができる。
【0014】
(3)前記(2)に記載の塩分測定装置において、前記塩分濃度の適否を決める閾値を設定し、前記表示制御部は、前記測定結果としての塩分濃度が前記閾値を超えた場合と前記閾値以下である場合とで発光する色を変化させることが好ましい。
【0015】
これは、例えば、塩分濃度が1.0%以下を「適」とし、1.0%を超えると「不適」とした場合、測定された塩分濃度が1.0%以下である場合には、例えば「緑色」の光を発光させ、測定された塩分濃度が1.0%を超えた場合には、例えば「赤色」の光を発光させるというものであり、このような表示を行うことにより、塩分濃度の適否が一目でわかり、家庭などにおいて使い勝手に優れたものとなる。
【0016】
(4)前記(2)に記載の塩分測定装置において、前記塩分濃度の適否を決める閾値を設定するとともに、前記閾値を超えた所定値未満までを許容範囲として設定し、前記表示制御部は、前記測定結果としての塩分濃度が前記閾値以下である場合と、前記許容範囲内である場合と、前記許容範囲を超える場合とでそれぞれ発光させる色を変化させることもまた好ましい。
【0017】
これは、例えば、塩分濃度が1.0%以下を「適」とし、1.0%を超えて1.2%未満を「許容範囲」とし、1.2%以上を「不適」として設定するというように、「適」とする塩分濃度に一定の許容範囲を設ける場合であり、このような場合、測定された塩分濃度が1.0%以下である場合には「緑色」の光を発光させ、塩分濃度が1.0%を超えて1.2%未満の場合すなわち許容範囲内である場合は「黄色」の光を発光させ、1.2%以上の場合は「赤色」の光を発光させるというような表示を行うものである。
【0018】
(5)前記(2)〜(4)のいずれかに記載の塩分測定装置において、前記表示部は、文字情報の表示が可能な文字情報表示部を有し、前記表示制御部は、前記測定結果に基づく文字情報を前記文字情報表示部で表示させる機能をさらに有することもまた好ましい。
これは、発光手段による色の表示と合わせてその時点の塩分濃度に関する情報を文字情報で表示するものであり、測定結果がよりわかりやすい ものとなる。
【0019】
(6)前記(5)に記載の塩分測定装置において、前記文字情報は、前記塩分濃度を百分率で表した情報であることが好ましい。
これは、文字情報として、例えば、「1.0%」というように塩分濃度そのものを、発光手段による表示と併せて行うものであり、これによれば、その時点の塩分濃度をより具体的に知ることができる。このように、塩分濃度が数値で表示されることにより、表示された数値によって味噌を加減することができ、常に安定した味付けが可能となる。
【0020】
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の塩分測定装置において、前記測定装置本体は、卵型の形状であることが好ましい。
【0021】
このように、測定装置本体を卵型とすることにより、従来のスプーン型や体温計型などの塩分計とは異なり、表示部を大きくすることができるので、測定結果を一目でわかるように表示させることができる。また、測定装置本体が卵形をなし、その卵形の測定装置本体が「ゆで卵ホルダ」に保持されているかのように椀状保持部に保持されるので、台所や食卓上に常時置いておくことに違和感が無く、むしろ、台所や食卓上での装飾品的な役目も果たすものとなり、引き出しなどにしまい込まれて、いつの間にか忘れ去られた存在となってしまうといったことがなくなり、永続的に使われる可能性の高い塩分測定装置となる。
【0022】
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の塩分測定装置において、前記液状食品は、味噌汁であることが好ましい。
【0023】
これにより、日本人が最も慣れ親しんだ食品である味噌汁の塩分を容易に管理することができる。このように、味噌汁の塩分濃度を家庭で容易に管理できるようにすることにより、味噌汁以外の他の食品の味付けにも関心を持たせることができる。これは、前述したように、各家庭での味噌汁の味が濃さは、他の食品の味付けの濃さに大きな影響を与えるからであり、味噌汁の塩分を管理するということは、他の食品の塩分をも管理することとなるからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明でいう液状食品としては、味噌汁、お吸い物、けんちん汁など日本料理としての汁物や西洋料理としてのスープなど種々の液状食品を対象とすることができるが、以下の各実施形態では、味噌汁を例にとって説明する。
【0025】
[実施形態1]
図1は実施形態1に係る塩分測定装置10の外観構成を示す図である。実施形態1に係る塩分測定装置10は、図1に示すように、卵形の測定装置本体100と、この測定装置本体100を保持する測定装置本体ホルダ200とを有している。なお、図1(a)は測定装置本体100を測定装置本体ホルダ200に保持させる前の状態、図1(b)は測定装置本体100を測定装置本体ホルダ200に保持させた状態を示し、図1(a)においては、測定装置本体ホルダ200の一部を切断面として示している。
【0026】
測定装置本体100は、図1に示すように、外観的な形状としては卵形をなし、その底部には一対の電極111,112が設けられ、その側面には塩分濃度の測定結果を表示する表示部120が設けられている。
また、測定装置本体100の内部の底部には、図示しないが「重り」が収納されている。このため、測定装置本体100は、「起き上がりこぼし」の動作が可能であり、測定装置本体ホルダ200に保持させていない状態であっても、「卵を立てた状態」で自立可能となっている。
【0027】
一方、測定装置本体ホルダ200は、卵形の測定装置本体100を「卵を立てた状態」で安定して保持できるような椀状の測定装置本体保持部(以下では、椀状保持部という)210と、この椀状保持部210を支持する台座部220とを有している。
【0028】
椀状保持部210は、いわゆる「ゆで卵ホルダ」と同様の形状を有している。また、椀状保持部210の材質は特に限定されるものではないが、合成樹脂など非導電性で液体の浸透性のない部材が好ましい。
【0029】
このように構成された実施形態1に係る塩分測定装置10を用いて、液状食品(本発明の各実施形態では味噌汁としている)の塩分を測定する場合は、椀状保持部210に適量の味噌汁300(図1(a)参照)を入れたのち、測定装置本体100をその底部(電極111,112が設けられている側)を下にして椀状保持部210に保持させた状態(図1(b)の状態)とすればよい。これにより、一対の電極111,112が味噌汁300に浸漬する状態となり、味噌汁300の塩分濃度の測定が行われる。なお、塩分濃度の測定結果の表示の仕方などについては後述する。
【0030】
図2は実施形態1に係る塩分測定装置10の機能を説明するための図である。実施形態1に係る塩分測定装置10は、図2に示すように、塩分濃度測定部130と、塩分濃度測定部130による測定結果に基づいた表示制御を行う表示制御部140とを有し、これらの構成要素は測定装置本体100に収納されている。
【0031】
塩分濃度測定部130は、電極111,112間を流れる電流値に基づいて味噌汁の塩分を測定して、塩分濃度を百分率で表すことが可能なものであり、その測定手法については、本発明は特に限定されるものではなく、一般的な塩分濃度測定手法を用いることができる。
ただし、本発明の各実施形態では、測定対象である液状食品を味噌汁としているので、簡易で安価な塩分濃度測定手法を用いることができる。これは、味噌汁の塩分の範囲は、前述したように、好ましい塩分濃度が1.0%程度であることから、せいぜい2%程度までの塩分濃度の測定が可能であればよいためである。なお、このことは、味噌汁以外のお吸い物、けんちん汁、スープなどでも同様のことがいえる。
【0032】
表示制御部140は、塩分濃度測定部130による測定結果に基づいて、表示部120に設けられた複数の色を発光可能な発光手段121を表示制御するものである。なお、実施形態1に係る塩分測定装置10においては、味噌汁としての塩分濃度の値に、健康上の観点に基づく閾値を設定し、塩分濃度測定部130による測定結果が当該閾値を超えた場合と当該閾値以下である場合とで表示する色を変化させるものとする。
【0033】
ここで、健康上の観点に基づく閾値として、塩分濃度「1.0%」を設定するものとする。そして、塩分濃度測定部130による塩分濃度の測定結果が1.0%を超えた場合と、1.0%以下である場合とで、表示する色を変化させる。表示する色の変化を得るには、発光手段121として、例えば、赤(R)の発光ダイオードLED1と緑(G)発光ダイオードLED2とを用いて、測定結果が1.0%を超えた場合には、赤のLED1を発光させ、1.0%以下である場合は緑のLED2を発光させるような制御を行う。なお、緑(G)のLED2の代わりに青(B)のLEDを用いてもよいことは勿論である。
【0034】
ここで、塩分濃度測定部130による塩分濃度測定の結果、椀状保持部210内に入っている味噌汁の塩分濃度が1.0%以下であったとすれば、表示部120の緑のLED2が発光し、表示部120全体が緑色に光り輝く。また、椀状保持部210内に入っている味噌汁の塩分濃度が1.0%を超えた場合は、表示部120の赤のLED1が発光し、表示部120全体が赤色に光り輝く。
【0035】
図3は実施形態1に係る塩分測定装置10における測定結果の表示例を示す図である。図3(a)は味噌汁の塩分濃度が1.0%以下であった場合の表示例を示す図であり、カラー図面ではないので色を示すことはできないが、表示部120全体が緑色に光り輝いている様子を示している。また、図3(b)は味噌汁の塩分濃度が1.0%を超えた場合の表示例を示す図であり、同じくカラー図面ではないので色を示すことはできないが、表示部120全体が赤色に光り輝いている様子を示している。
【0036】
図3からもわかるように、味噌汁の塩分濃度に応じて表示部120全体が所定の色(この場合は、塩分濃度が「適」であれ緑色、「不適」であれば赤色)で光り輝くので、味噌汁の塩分濃度の適否が一目でわかる。また、図1に示すように、表示部120は、卵形の測定装置本体100の側面において大きな面積を占めているので、表示部120全体が赤色または緑色で光り輝くと、見た目にもきれいであり、台所や食卓などで楽しみながら塩分濃度の測定を行うことができる。
【0037】
このように、本発明の塩分測定装置は、単に、塩分濃度を測定してその結果を確認するといった機械的で義務的な塩分濃度測定ではなく、楽しみながら塩分濃度を確認できる。また、本発明の塩分測定装置は、測定装置本体100が卵形をなし、その卵形の測定装置本体100が「ゆで卵ホルダ」に保持されているかのように椀状保持部210に保持されるので、台所や食卓上に常時置いておくことに違和感が無く、むしろ、台所や食卓上での装飾品的な役目も果たすものとなる。
【0038】
したがって、本発明の塩分測定装置は、従来のスプーン型あるいは体温計型などの塩分計のように、いつの間にか引き出しの奥にしまい込まれて、その存在すら忘れられてしまうといったことがなくなり、常時、台所や食卓などに置かれて、永続的に使用される可能性が高いものとなる。
【0039】
なお、上述の例では、塩分濃度の閾値として1.0%を設定し、塩分濃度測定部130による測定結果が1.0%を超えた場合は赤色で表示を行い、1.0%以下である場合は緑色で表示を行うようにしたが、これに限られるものではなく、当該閾値を超えて所定値未満までを許容範囲として設定し、塩分濃度測定部130により測定された塩分濃度が閾値以下である場合と、許容範囲内である場合と、許容範囲を超える場合とでそれぞれ表示する色を変化させるようにしてもよい。
【0040】
例えば、塩分濃度が1.0%を超えて1.2%以下までを塩分濃度の許容範囲として設定した場合、測定の結果、塩分濃度が1.0%以下である場合には「適」であるとして、緑色で表示を行い、測定の結果、塩分濃度が1.0%を超えて1.2%以下である場合には、許容範囲であるとして、緑のLED2と赤のLED1を同時に点灯させて黄色系での表示を行い、許容範囲の上限値を超えた場合、すなわち、1.2%を超えた場合には「不適」であるとして、赤色で表示を行うというようにすることもできる。
【0041】
[実施形態2]
実施形態2に係る塩分測定装置20は、塩分濃度の測定結果を異なった色で表示することに加えて、文字情報による表示をも可能とするものである。なお、文字情報としては種々考えられるが、実施形態2に係る塩分測定装置20においては、塩分濃度測定部130によって得られた百分率での塩分濃度をそのまま表示するものとする。例えば、塩分濃度測定部130によって測定されたその時点の塩分濃度が0.9%であったとすれば、表示制御部140は、緑のLED2を発光させるとともに、「0.9%」といった文字情報を表示させるべく表示制御を行う。
【0042】
図4は実施形態2に係る塩分測定装置20における測定結果の表示例を示す図である。また、図5は実施形態2に係る塩分測定装置20の機能を説明するための図である。なお、図4において図3と同一部分には同一符号が付されている。同様に、図5において図2と同一部分には同一符号が付されている。
【0043】
実施形態2に係る塩分測定装置20の表示部120には、文字情報を表示するための文字情報表示部123が設けられ、また、表示制御部140には、塩分濃度測定部130による測定結果に基づいた文字情報を文字情報表示部123(図5参照)で表示させるための制御を行う機能を有している。
【0044】
図4は塩分濃度測定部130による測定された塩分濃度が例えば0.9%であった場合の表示例を示す図であり、表示部120全体が緑色に光り輝くように表示されるとともに、その時点の塩分濃度を示す値として「0.9%」の表示がなされる。
【0045】
なお、ここでは、図示しないが、味噌汁の塩分濃度が例えば1.0%を超えた場合は、表示部120全体が赤色に光り輝くような表示がなされるとともに、その時の塩分濃度を示す値が表示される。
【0046】
実施形態2に係る塩分測定装置20では、塩分濃度の適否を色で表示するとともに数値での表示を行うことによって、ユーザは味噌汁の濃さをより具体的に知ることができる。このように、塩分濃度が数値で表示されることにより、表示された数値によって味噌を加減することができ、常に安定した味付けが可能となる。
【0047】
なお、上述の例では、文字情報として、塩分濃度測定部130によって得られた百分率をそのまま表示するようにしたが、1.0%を超えたときは「不適」、1.0%以下のときは「適」といった表示を行うようにしてもよく、百分率表示と組み合わせて表示するようにしてもよい。
【0048】
[実施形態3]
実施形態3に係る塩分測定装置30は、これまで説明した実施形態1または実施形態2に係る塩分測定装置における塩分濃度測定機能に加えて、キッチンタイマ機能を持たせたものである。
【0049】
図6は実施形態3に係る塩分測定装置30におけるタイマ設定時間の表示例を示す図である。また、図7は実施形態3に係る塩分測定装置30の機能を説明するための図である。実施形態3に係る塩分測定装置30は、図6に示すように、外観的には、時間設定用ボタン151、タイマスタートボタン152、アラームストップボタン153などが設けられている。また、実施形態3に係る塩分測定装置30の測定装置本体100には、図7に示すように、キッチンタイマ部150とアラーム発生部160とが設けられている。
【0050】
キッチンタイマ部150の機能は、一般的なキッチンタイマと同様である。すなわち、時間設定用ボタン151により、所望とする時間がセットされると、セットされた時間が文字情報表示部123に表示される(例えば図6参照)。そして、タイマスタートボタン152が操作されることにより、タイマがスタートして、所望とする時間に達すると、アラーム発生部160によってアラーム音が発生するといった機能を有する。なお、アラームを止める場合はアラームストップボタン153を操作する。
【0051】
なお、所望とする時間に達するとアラーム音が発生するだけでなく、LED1,LED2のいずれか又は両方を点灯させることも可能であり、さらに、LED1とLED2を交互に連続的に点灯させるような制御を行うことも可能である。
【0052】
このように、塩分測定装置にキッチンタイマ機能を持たせることにより、家庭の台所などにおいて、大変重宝なものとなることから、台所などに常時置かれる可能性が高く、それによって、塩分測定装置としても永続的に使用される可能性が高いものとなる。
【0053】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、前述の各実施形態では、表示部120は、卵形の測定装置本体100の側面部に設けられているがが、これに限られるものではなく、卵形の測定装置本体100の頂点部に設けるようにしてもよい。この場合、実施形態2及び実施形態3のように文字情報を表示させる場合は、その文字情報を表示させるための表示部をLEDによる表示を行う表示部とは別にして、測定装置本体100の側面部に設けるようにしてもよい。
【0054】
また、前述の各実施形態では、味噌汁の塩分濃度が1.0%以下を「適」、1%を超えた場合を「不適」とした例について説明したが、これは一例であって、多少前後した値を適・不適として設定することも可能である。
【0055】
また、前述の各実施形態では、液状食品として味噌汁を例示したが、味噌汁に限られるものではなく、お吸い物、けんちん汁など日本料理としての汁物や西洋料理としてのスープなど種々の液状食品を対象とすることができる。
【0056】
また、前述の各実施形態では、発光手段121として、赤(R)のLED1と緑(G)のLED2とを用いた例を示したが、青(B)のLEDも加えてRGBの3色のLEDとして、これらRGBの各LEDを表示制御することによって、より多彩な色を発光させるようにすることができることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施形態1に係る塩分測定装置10の外観構成を示す図である。
【図2】実施形態1に係る塩分測定装置の機能を説明するための図である。
【図3】実施形態1に係る塩分測定装置10における測定結果の表示例を示す図である。
【図4】実施形態2に係る塩分測定装置20における測定結果の表示例を示す図である。
【図5】実施形態2に係る塩分測定装置20の機能を説明するための図である。
【図6】実施形態3に係る塩分測定装置30におけるタイマ設定時間の表示例を示す図である。
【図7】実施形態3に係る塩分測定装置の機能を説明するための図である。
【符号の説明】
【0058】
10・・・実施形態1に係る塩分測定装置、20・・・実施形態2に係る塩分測定装置、30・・・実施形態3に係る塩分測定装置、100・・・測定装置本体、111,112・・・電極、120・・・表示部、121・・・発光手段、123・・・文字情報表示部、130・・・塩分濃度測定部、140・・・表示制御部、150・・・キッチンタイマ部、151・・・時間設定用ボタン、152・・・タイマスタートボタン、152・・・アラームストップボタン、160・・・アラーム発生部、200・・・測定装置本体ホルダ、210・・・椀状保持部、220・・・台座部、300・・・味噌汁、LED1・・・発光ダイオード(R)、LED2・・・発光ダイオード(G)












【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状食品の塩分濃度を測定して表示する測定装置本体と、前記測定装置本体を保持可能な椀状保持部を有する測定装置本体ホルダとを有し、前記椀状保持部に所定量の液状食品を入れた状態で前記測定装置本体を前記椀状保持部に保持させることにより前記液状食品の塩分を測定して表示する塩分測定装置であって、
前記測定装置本体は、
前記測定装置本体が前記椀状保持部に保持されたときに前記椀状保持部に入れられた液状食品に浸漬するように設けられれた一対の電極と、
前記一対の電極間の電流値の大きさに基づいて前記液状食品の塩分濃度を測定する塩分濃度測定部と、
前記塩分濃度測定部によって測定された測定結果を発光手段による発光によって表示する機能を有する表示部と、
前記測定結果に基づいて前記発光手段を制御する機能を有する表示制御部と、
を有することを特徴とする塩分測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の塩分測定装置において、
前記発光手段は、複数の色を発光可能であって、前記表示制御部は、前記塩分濃度測定部によって測定された測定結果としての塩分濃度に応じた色を発光するように前記発光手段を制御することを特徴とする塩分測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の塩分測定装置において、
前記塩分濃度の適否を決める閾値を設定し、前記表示制御部は、前記測定結果としての塩分濃度が前記閾値を超えた場合と前記閾値以下である場合とで発光する色を変化させることを特徴とする塩分測定装置。
【請求項4】
請求項2に記載の塩分測定装置において、
前記塩分濃度の適否を決める閾値を設定するとともに、前記閾値を超えた所定値未満までを許容範囲として設定し、前記表示制御部は、前記測定結果としての塩分濃度が前記閾値以下である場合と、前記許容範囲内である場合と、前記許容範囲を超える場合とでそれぞれ発光させる色を変化させることを特徴とする塩分測定装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれかに記載の塩分測定装置において、
前記表示部は、文字情報の表示が可能な文字情報表示部を有し、前記表示制御部は、前記測定結果に基づく文字情報を前記文字情報表示部で表示させる機能をさらに有することを特徴とする塩分測定装置。
【請求項6】
請求項5に記載の塩分測定装置において、
前記文字情報は、前記塩分濃度を百分率で表した情報であることを特徴とする塩分測定装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の塩分測定装置において、
前記測定装置本体は、卵型の形状であることを特徴とする塩分測定装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の塩分測定装置において、
前記液状食品は、味噌汁であることを特徴とする塩分測定装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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