説明

塩化ビニリデンコポリマーをベースとする組成物

アクリル酸ブチル類から選択され塩化ビニリデンと共重合可能な少なくとも1つのコモノマーと塩化ビニリデンとの少なくとも1つのコポリマー(A)と;少なくとも1つの脂肪族ポリカルボン酸と少なくとも1つのポリヒドロキシル化脂肪族アルコールの重縮合反応から誘導されたポリエステル類から選択される、組成物総重量との関係において1〜20重量%の少なくとも1つのポリマー可塑化剤(B)とを含む組成物。この組成物は、食品の包装材料用の単層または多層フィルムの調製に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その全体が全ての目的のために参照により本明細書に援用されている2010年3月10日出願の仏国特許出願第1051731号明細書に対する優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、塩化ビニリデンコポリマーをベースとする組成物、このような組成物の調製方法、このような組成物の使用を含む物品、詳細にはフィルムの調製方法、そして同様にこのような組成物を含むフィルムおよびこのフィルムから形成された包装材料または袋に関する。
【背景技術】
【0003】
塩化ビニリデンコポリマー類は、気体および臭気に対する透過性に関するその驚くべき特性のために公知である。したがって塩化ビニリデンコポリマーは物品、詳細には食品包装材料用に使用される単層または多層フィルムを製造するために使用されることが多い。
【0004】
しかしながら、これらのコポリマーは熱の作用下で分解する傾向を有し、したがって、熱安定剤の添加によってそれらを安定化することが望ましい。さらに、押出し加工を介してそれらを適正に加工するためには、適切な可塑化剤および安定剤をその中に取込むことが推奨される。これらの添加剤の一部がこれらのコポリマーの障壁特性に効果を有し得ることだけに限って言えば、添加剤を添加した後、これらのコポリマーが気体および臭気、詳細には酸素および二酸化炭素に対する透過性という観点から見て求められる特徴を有することを確認することが重要である。これらのコポリマーから製造されたフィルム内に包装される食品の性質上、中庸な酸素障壁と二酸化炭素に対する比較的高い透過性が組合せて求められる場合に、このことは特にあてはまる。これは、一部の野菜、一部の食用肉そしてとりわけいわゆる「ガスを発生させる(gassing)」チーズについて言える。
【0005】
同様に、使用される添加剤が、ポリマーマトリックスを通って、あるいはこのようなポリマーを用いて生成される層を含む多層フィルムの場合には前記フィルムの層間で移動しないことを確認することも重要である。後者の場合、これらの化合物はこのとき不利なことに、フィルムの表面に到達して中に包装されている食品と接触する可能性があると考えられる。このような状況は、衛生的観点から見て望ましくないばかりでなく、食品および医療用包装材料の分野における大部分の規則にとっても望ましくないものである。したがって、以上のことから、塩化ビニリデンコポリマー中に取込むべき添加剤の選択のむずかしさが明らかとなる。
【0006】
塩化ビニリデンコポリマーをベースとする組成物はすでに、食品の包装材料向けの透過性が制御されたフィルムの製造のために提案されてきた。
【0007】
例えば、国際公開第2006/044113号パンフレットは、2.5〜9モルパーセントの量のアクリル酸メチル、アクリル酸エチルまたはアクリル酸ブチルまたはそれらの組合せから選択される少なくとも1つのアクリル酸アルキルおよび塩化ビニリデンを含む少なくとも1つの塩化ビニリデンポリマーと、ポリマー100重量部あたり1〜15重量部の量の少なくとも1つの可塑化剤とを含む組成物から調製された単層インフレートフィルムを含む物品について開示している。ガス発生チーズの包装材料などの利用分野のためには、12〜15重量部という可塑化剤の量が開示されている。可塑化剤は好ましくは、エポキシ化油および脂肪族エステルならびにその組合せから選択される。
【0008】
伊国特許出願公開第A−1168173号明細書は、塩化ビニル(好適)、アクリル酸メチルおよびアクリル酸エチルから選択される5〜40重量%のコモノマーと塩化ビニリデンのコポリマーと;グリコールと少なくとも1つの二官能性有機酸(例えばセバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸およびフタル酸)から誘導されたポリエステル類から選択され、コポリマーの重量との関係において6〜10重量%のポリマー可塑化剤とを含む組成物を開示している。
【0009】
欧州特許出願公開第A−0712896号明細書によると、チーズの包装材料として使用可能なフィルムの製造のための典型的な市販の組成物は、5重量部のアゼライン酸と1,3−ブタンジオールの重縮合生成物、3重量部のアジピン酸とプロピレングリコールから誘導されたポリエステル可塑化剤および1重量部のエポキシ化大豆油で可塑化された100重量部の塩化ビニリデン/塩化ビニルコポリマーを含む。
【0010】
これらの組成物は、比較的大量のポリマー可塑化剤を含み、このことは以下のような複数の欠点を発生させる場合がある:
− 可塑化剤の移動の経時的な制御が不良である結果として、これらの組成物から製造された包装用フィルムの酸素透過性が経時的に変化する、
− 多層構造の場合には、隣接する層との接着力が喪失する。
【0011】
さらに、使用されるコモノマー(塩化ビニル、アクリル酸メチルなど)の量の増加は、障壁効果をわずかしか削減せず、非晶質で粘着性で、粒子気孔率が非常に低く、乾燥、輸送および加工がむずかしく、残留モノマー含有量が過度に高い組成物を導く。
【0012】
国際公開第2008/028915号パンフレットは、10000g/モル以下の分子量を有するε−カプロラクトンポリマーとエポキシ化大豆油を含む、透過性が制御されたフィルムの製造のための塩化ビニリデンコポリマーをベースとする組成物について記載している。
【0013】
国際公開第2008/028918号パンフレットは、塩化ビニリデンの共重合の媒質以外の媒質中で予備形成されるε−カプロラクトンポリマーをコポリマー調製媒質に添加してもよいことを教示している。
【0014】
ε−カプロラクトンポリマーは、ポリマー可塑化剤としてのその役割を果たすために、透過性の制御されたフィルムの製造用に意図された塩化ビニリデンコポリマーをベースとする組成物中に比較的大量に取込まれなくてはならない。その上、塩化ビニリデンコポリマー調製媒質中に取込まれる場合、ε−カプロラクトンポリマーは反応条件に対するその感応性に起因して分解する傾向を有することもある。したがって、この取込みによって、これらの組成物中に取込まれた可塑化剤の移動および分解の問題を満足のいく形で解決することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、高い熱安定性を特徴としかつ酸素および二酸化炭素に対する障壁に関する所望の譲歩と障壁のより優れた経時的安定性とを有し、しかも添加剤移動の問題を有していないフィルムを食品包装材料用に製造できるようにする、少なくとも1つの塩化ビニリデンコポリマーの組成物を提供することによって、これらの問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的で、本発明の主題は、
− アクリル酸ブチル類の群から選択され塩化ビニリデンと共重合可能な少なくとも1つのコモノマーと塩化ビニリデンとの少なくとも1つのコポリマー(A)と;
− 少なくとも1つの脂肪族ポリカルボン酸と少なくとも1つのポリヒドロキシル化脂肪族アルコールの重縮合反応から誘導されたポリエステル類から選択される、組成物総重量との関係において1〜20重量%の少なくとも1つのポリマー可塑化剤(B)と;
を含む組成物にある。
【0017】
「少なくとも1つの塩化ビニリデンコポリマー」という表現は、組成物がそれを1つ以上含んでいてもよいということを意味するものと理解される。好ましくは、それは1つの塩化ビニリデンコポリマーしか含まない。
【0018】
本明細書の残りの部分では、単数または複数で用いられている「塩化ビニリデンコポリマー」という表現は、別段の指示のないかぎり、1つ以上の塩化ビニリデンコポリマーを表わすものとして理解されるべきである。
【0019】
「塩化ビニリデンコポリマー」という表現は、本明細書中では、塩化ビニリデンがその主要なモノマーであって少なくとも1つのコモノマーが塩化ビニリデンと共重合可能であるコポリマーを意味するものとして理解される。「塩化ビニリデンと共重合可能である少なくとも1つのコモノマー」という表現は、コポリマーが1つ以上のコモノマーを含んでいてもよいことを意味するものとして理解される。好ましくは、それは2つのコモノマーを含む。より好ましくは、それは1つのコモノマーしか含まない。
【0020】
本明細書の残りの部分では、単数または複数で使用される「塩化ビニリデンと共重合可能であるコモノマー」という表現は、別段の指示のないかぎり、塩化ビニリデンと共重合可能である1つ以上のコモノマーを表わすものとして理解されるべきである。
【0021】
本発明によると、塩化ビニリデンと共重合可能であるコモノマーの少なくとも1つは、アクリル酸ブチル類から選択される。本明細書において、「アクリル酸ブチル類」という表現は、実験式C12およびC14に対応するあらゆるアクリレートを表わす。実験式C12のアクリレート類の中でも、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチルおよびアクリル酸tert−ブチルに言及することができる。実験式C14のアクリレート類の中でも、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸sec−ブチルそしてメタクリル酸tert−ブチルに言及することができる。実験式C12のアクリレート類は、塩化ビニリデンと共重合可能であるコモノマーとして好まれ、これらの中でも、より詳細にはアクリル酸n−ブチルが好まれる。したがって、コポリマー(A)のコモノマーの少なくとも1つは、より詳細には好ましくはアクリル酸n−ブチルである。
【0022】
塩化ビニリデンと共重合可能でありかつ任意には塩化ビニリデンコポリマー中に存在してもよい他のコモノマーとしては、非限定的に塩化ビニル、ビニルエステル例えば酢酸ビニル、ビニルエーテル類、アクリル酸およびアミド類、メタクリル酸およびアミド類、アクリル酸エステル(実験式C12のアクリレート類以外)、メタクリル酸エステル(実験式C14のメタクリレート以外)、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、スチレン誘導体類、ブタジエン、オレフィン類、例えばエチレンおよびプロピレン、イタコン酸およびマレイン酸無水物のみならず、共重合可能な界面活性剤、例えば2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)またはその塩の1つ、例えばナトリウム塩、2−スルホエチルメタクリル酸(2−SEM)またはその塩の1つ、例えばナトリウム塩およびメタクリル酸基終端ポリプロピレングリコールのリン酸エステル(例えばRhodia製の製品Sipomer(登録商標)PAM−200)またはその塩の1つ、例えばナトリウム塩に言及することができる。
【0023】
塩化ビニリデンと共重合可能でありかつ塩化ビニリデンコポリマー中に任意に存在する他のコモノマーは、好ましくは、塩化ビニル、ビニルエステル類(詳細には酢酸ビニル)およびアクリル酸エステル類(実験式C12のアクリレート類以外)(詳細にはアクリル酸メチル)である。
【0024】
本発明に係る組成物中に存在する塩化ビニリデンコポリマー(A)は、有利には、50重量%超の量の塩化ビニリデンと塩化ビニリデンと共重合可能である少なくとも1つのコモノマーとを含むコポリマーである。
【0025】
好ましくは、塩化ビニリデンコポリマー中に存在する塩化ビニリデンの量は、55重量%から95重量%まで、詳細には好ましくは70重量%から95重量%まで、そして極めて詳細には好ましくは85重量%から95重量%まで変動する。
【0026】
好ましくは、塩化ビニリデンコポリマー中に存在する、塩化ビニリデンと共重合可能であるコモノマーの量は、5重量%から45重量%まで、詳細には好ましくは5重量%から30重量%まで、そして極めて詳細には好ましくは5重量%から15重量%まで変動する。
【0027】
本発明に係る組成物中に存在する塩化ビニリデンコポリマーが、塩化ビニリデンと共重合可能である2つのコモノマーを含む場合、これらのコモノマーのうち一方は、好ましくは実験式C12のアクリレート、より好ましくはアクリル酸n−ブチルから選択され、もう一方は、塩化ビニル、酢酸ビニルおよびアクリル酸メチルからなる群から選択される。
【0028】
塩化ビニリデンと共重合可能である2つのコモノマーを含む塩化ビニリデンコポリマーの中でも、85〜95重量%の塩化ビニリデンと5〜15重量%の実験式C12のアクリレート、好ましくはアクリル酸n−ブチルおよび塩化ビニル、酢酸ビニルおよびアクリル酸メチルからなる群から選択されるコモノマーを含むものが好まれる。有利には、実験式C12のアクリレート、好ましくはアクリル酸n−ブチルは、塩化ビニリデンと共重合された2つのコモノマーの合計重量の少なくとも50重量%を占める。
【0029】
塩化ビニリデンと共重合可能である2つのコモノマーを含む塩化ビニリデンコポリマーの中でも、88〜92重量%の塩化ビニリデンと8〜12重量%の実験式C12のアクリレート、好ましくはアクリル酸n−ブチルおよび塩化ビニル、酢酸ビニルおよびアクリル酸メチルから選択されるコモノマーを含むものが極めて好適である。有利には、実験式C12のアクリレート、好ましくはアクリル酸n−ブチルは、塩化ビニリデンと共重合された2つのコモノマーの合計重量の少なくとも50重量%を占める。
【0030】
塩化ビニリデンと共重合可能である単一のコモノマーを含む特に好適な塩化ビニリデンコポリマーの中でも、85〜95重量%の塩化ビニリデンと5〜15重量%の実験式C12のアクリレート、好ましくはアクリル酸n−ブチルを含むものが好まれる。
【0031】
したがって本発明に係る組成物は、より好ましくは、コポリマー(A)が85〜95重量%の塩化ビニリデンと5〜15重量%のアクリル酸n−ブチルとを含むコポリマーであることを特徴とする。
【0032】
塩化ビニリデンと共重合可能である単一のコモノマーを含む特に好適な塩化ビニリデンコポリマーの中でも、88〜92重量%の塩化ビニリデンと8〜12重量%の実験式C12のアクリレート、好ましくはアクリル酸n−ブチルを含むものが特に好まれる。
【0033】
したがって本発明に係る組成物は、さらに一層好ましくは、コポリマー(A)が88〜92重量%の塩化ビニリデンと8〜12重量%のアクリル酸n−ブチルとを含むコポリマーであることを特徴とする。
【0034】
本発明に係る組成物において使用可能である塩化ビニリデンコポリマー(A)は、塩化ビニリデンおよび塩化ビニリデンと共重合可能な少なくとも1つのコモノマーを重合させる任意の公知の方法にしたがって合成されてもよい。好ましくは、重合は、水性分散系でのラジカルルート、すなわち、1つ以上の親水性部分と1つ以上の疎水性部分をその構造中に有する少なくとも1つの界面活性剤の存在下で水中で発生するルートを介して実施される。この親水性/疎水性の平衡により、界面活性剤は、水相中での有機相の分散および安定化を保証できるようにする界面活性を有することが可能となる。任意には、水性分散系の重合は同様に、塩基性作用物質の存在下で実施されてもよい。「塩基性作用物質」という表現は、ハロゲン化ビニルポリマーの水性分散系に添加された場合に、水性分散系を、以前よりもさらに塩基性の高いものにするあらゆる材料を意味するものとして理解される。より具体的には、「塩基性作用物質」という表現は、水溶液中に投入された場合に、約2を超えるpH値をそれに付与するあらゆる材料を意味するものとして理解される。
【0035】
界面活性剤の中でも、保護コロイドまたは懸濁剤とも呼ばれる分散剤(以下分散剤と呼ぶ)だけでなく乳化剤にも言及することができる。
【0036】
塩基性作用物質の中でも、2つ以上のリン原子を有さないホスフェートおよびこれら相互の混合物およびこれらと別の塩基性作用物質との混合物に言及することができる。2つ以上のリン原子を有さないホスフェートの中でも、暗示的限定無く、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二ナトリウムおよびリン酸二カリウム、リン酸一ナトリウムおよびリン酸一カリウムおよびピロリン酸四ナトリウムに言及することができる。
【0037】
塩基性作用物質を用いた水性分散系のpHの任意の調整は、重合中および重合後の両方で実施されてもよく、すなわち重合後の場合には、共重合反応装置(オートクレーブ)が脱ガスされ真空下に置かれる時点から水性分散系が使用される時点までの任意の時点で実施されてもよい。
【0038】
「水性分散系での重合」という表現は、水性懸濁液中でのラジカル重合、水性ミクロ懸濁液中でのラジカル重合、水性エマルジョン中でのラジカル重合および水性ミニエマルジョン中でのラジカル重合を意味するものとして理解される。
【0039】
「水性懸濁液中でのラジカル重合」という表現は、界面活性剤としての分散剤および油溶性ラジカル発生剤の存在下で水性媒質中で実施される任意のラジカル重合プロセスを意味するものと理解される。
【0040】
「水性ミクロ懸濁液中での重合」という表現は、油溶性ラジカル発生剤を使用し、強力な機械的撹拌によってモノマー液滴のエマルジョンを調製し、界面活性剤としての乳化剤の存在を特徴とする任意のラジカル重合プロセスを意味するものと理解される。
【0041】
「水性エマルジョン中でのラジカル重合」という表現は、界面活性剤としての乳化剤および油溶性ラジカル発生剤の存在下で水性媒質中で実施される任意のラジカル重合プロセスを意味するものと理解される。
【0042】
「水性ミニエマルジョン中での重合」という表現は、油溶性ラジカル発生剤および/または水溶性ラジカル発生剤と同様疎水性作用物質を使用し、強力な機械的撹拌によりモノマー液滴のエマルジョンを調製し、乳化剤そして任意には分散剤が界面活性剤として存在することを特徴とする任意のラジカル重合プロセスを意味するものと理解される。
【0043】
重合は、特に好ましくは、水性懸濁液中でのラジカルルートを介して実施される。
【0044】
分散剤の例としては、部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル類、ゼラチン、デンプン、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル/無水マレイン酸コポリマー、セルロースエーテル類の水溶性誘導体、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースに言及することができる。
【0045】
「油溶性ラジカル発生剤」という表現は、1つまたは複数のモノマー中に可溶であるラジカル発生剤を意味するものと理解される。
【0046】
油溶性ジアゾ化合物の例として、以下のものに言及することができる:
− 2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル);
− 2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル);
− (1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン;
− 2,2’−アゾビスイソブチロニトリル;
− ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート;
− 1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル);
− 2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル);
− 2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン);
− 2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル;および
− 2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)。
【0047】
油溶性過酸化物の例として、以下のものに言及することができる:
− 過酸化ジアシル、例えば過酸化ジラウロイル、過酸化ジベンゾイルおよび過酸化ジデカノイル;
− 過酸化スクシノイル;
− 有機過酸化物、例えばヒドロ過酸化クミルおよびヒドロ過酸化tert−アミル;
− ジアルキルペルオキシジカーボネート類、例えばジエチルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジミリスチルペルオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ(4−tert−ブチル)シクロヘキシルペルオキシジカーボネートおよびジセチルペルオキシジカーボネート;
− ペルエステル類、例えばt−アミルペルピバレート、t−ブチルペルピバレート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオデカノエートおよびクミルペルオキシネオデカノエート。
【0048】
本発明に係る組成物は、同様に、少なくとも1つの脂肪族ポリカルボン酸から誘導されるポリエステル類から選択される少なくとも1つのポリマー可塑化剤(B)も含んでいる。これらのポリエステル類は有利には塩化ビニリデン中で可溶性または混和性を示す。これらは好ましくは約40℃未満の温度で液体であり、水溶性はさほど高くない。本明細書中、「水溶性はさほど高くない」という表現は、これらのポリエステル類の水溶性が10mg/l未満、好ましくは1mg/l未満であることを意味するものと理解される。ポリマー可塑化剤(B)は、(0.3ml/分の流量で35℃で、テトラヒドロフランを溶離剤として用いてヘキシルベンゼン中に溶解させた単分散ポリスチレンを使用する較正を伴うゲル透過クロマトグラフィ(GPC)によって決定された場合に)有利には800〜10000、好ましくは2000〜8000、より詳細には4000〜7000の重量平均分子量(Mw)を有する。
【0049】
「少なくとも1つのポリマー可塑化剤」という表現は、組成物が1つ以上のポリマー可塑化剤を含んでいてもよいことを意味するものと理解される。好ましくは、それは、1〜2つのポリマー可塑化剤を含む。特に好ましくは、それは1つのポリマー可塑化剤しか含まない。
【0050】
本明細書の残りの部分では、単数または複数で作用される「ポリマー可塑化剤」という表現は、別段の指示のないかぎり、1つ以上のポリマー可塑化剤を表わすものとして理解されるべきである。
【0051】
ポリマー可塑化剤(B)を構成するポリエステルが誘導される脂肪族ポリカルボン酸(好ましくはジカルボン酸)は、有利には、飽和または不飽和(好ましくは飽和)の脂肪族炭化水素ベースの鎖が2〜20個の炭素原子を含んでいる酸である。
【0052】
したがって本発明に係る組成物は好ましくは、ポリマー可塑化剤(B)が、脂肪族ポリカルボン酸(好ましくはジカルボン酸)から誘導されるポリエステルであり、その飽和または不飽和(好ましくは飽和)の脂肪族炭化水素ベースの鎖が2〜20個の炭素原子を含むことを特徴とする。
【0053】
これらの脂肪族ポリカルボン酸(好ましくはジカルボン酸)の飽和または不飽和(好ましくは飽和)の脂肪族炭化水素ベースの鎖は、少なくとも2個の炭素原子、好ましくは少なくとも4個の炭素原子、そして特に好ましくは少なくとも6個の炭素原子を含む。これらの脂肪族ポリカルボン酸(好ましくはジカルボン酸)の飽和または不飽和(好ましくは飽和)の脂肪族炭化水素ベースの鎖は有利には、多くとも20個の炭素原子、好ましくは多くとも12個の炭素原子そして特に好ましくは多くとも8個の炭素原子を含む。
【0054】
ポリマー可塑化剤(B)を構成するポリエステルが誘導される脂肪族ポリカルボン酸の例は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン酸およびドデカン酸およびそれらの異性体である。1つの特に好ましい脂肪族ポリカルボン酸はアジピン酸である。
【0055】
以上で定義されたポリカルボン酸の酸性水素に置き換わり、それにより重縮合反応を介してポリマー可塑化剤(B)を構成するポリエステルを提供する炭化水素ベースの基を有するアルコールは、有利には、ポリヒドロキシル化脂肪族アルコール類から選択される。
【0056】
したがって本発明に係る組成物は、好ましくは、ポリマー可塑化剤(B)が、少なくとも1つのポリヒドロキシル化脂肪族アルコールと脂肪族ポリカルボン酸の重縮合反応の結果としてもたらされるポリエステルであることを特徴とする。
【0057】
「少なくとも1つのポリヒドロキシル化脂肪族アルコール」という表現は、組成物が1つ以上のポリヒドロキシル化脂肪族アルコールを含んでいてもよいことを意味するものと理解される。
【0058】
ポリヒドロキシル化脂肪族アルコールは有利には、2〜12個の炭素原子、好ましくは2〜8個の炭素原子を含む。
【0059】
以上で言及した酸との重縮合を介してポリマー可塑化剤(B)を構成するポリエステルが誘導されるポリヒドロキシル化脂肪族アルコール類の非限定的例は、ジオール類、例えば1,2−エタンジオール(エチレングリコール)と同様そのダイマー(ジエチレングリコール)およびトリマー(トリエチレングリコール);1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール);1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオールおよび1,4−ブタンジオール;1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオールおよび1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオールおよび1,7−ヘプタンジオールである。
【0060】
1つの特に好ましいポリヒドロキシル化脂肪族アルコールは1,2−プロパンジオールである。
【0061】
有利には、ポリマー可塑化剤(B)はさらに、モノヒドロキシル化およびポリヒドロキシル化脂肪族アルコール類の混合物と脂肪族ポリカルボン酸の重縮合反応の結果としてもたらされるポリエステルであってもよく、ここで前記ポリヒドロキシル化脂肪族アルコール類は以上で定義された通りである。
【0062】
適切なモノヒドロキシル化脂肪族アルコール類は有利には、1〜16個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子を含む。
【0063】
以上で言及した酸との重縮合を介してポリマー可塑化剤(B)を構成するポリエステルが誘導されるモノヒドロキシル化脂肪族アルコール類の非限定的例は、メタノールおよびエタノールと同様、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノールおよびデカノールの異性体である。1つの特に好ましいモノヒドロキシル化脂肪族アルコールはn−オクタノールである。
【0064】
任意には、アルコール類のヒドロキシル基は、例えば無水酢酸との反応によって少なくとも部分的にアセチル化されてもよい。
【0065】
第1の実施形態において、本発明に係る組成物は、ポリマー可塑化剤(B)が、アジピン酸と1,2−プロパンジオールの重縮合の結果として得られるポリエステル類から選択されることを特徴としている。
【0066】
第2の実施形態において、本発明に係る組成物は、ポリマー可塑化剤(B)が、部分的にアセチル化されたヒドロキシル基を有するアジピン酸と1,2−プロパンジオールの重縮合の結果として得られるポリエステル類から選択されることを特徴とする。
【0067】
第3の実施形態において、本発明に係る組成物は、ポリマー可塑化剤(B)が、1,2−プロパンジオールとオクタノールの混合物とアジピン酸の重縮合の結果として得られるポリエステル類から選択されることを特徴とする。
【0068】
ポリマー可塑化剤(B)は、本発明に係る組成物中に、組成物の総重量との関係において1〜20重量%の量で存在する。有利には、このポリマー可塑化剤(B)は、少なくとも1重量%の量、好ましくは少なくとも2重量%の量、特に好ましくは少なくとも2.5重量%の量で存在する。有利には、このポリマー可塑化剤(B)は、多くとも20重量%の量、好ましくは多くとも15重量%の量、特に好ましくは多くとも12重量%の量、そしてきわめて特に好ましくは多くとも10重量%の量で存在する。
【0069】
以上で定義した通りの少なくとも1つの塩化ビニリデンコポリマー(A)と少なくとも1つのポリマー可塑化剤(B)に加えて、本発明に係る組成物は、任意にはエポキシ化植物油(C)を含んでいてもよい。好ましくは、本発明に係る組成物は、追加でエポキシ化植物油を含む。エポキシ化植物油(C)は有利には、エポキシ化大豆油またはエポキシ化亜麻仁油であってもよい。エポキシ化植物油(C)としては、エポキシ化大豆油が好ましい。
【0070】
本発明に係る組成物中に存在するエポキシ化植物油(C)の量は有利には、この組成物の総量との関係において0.1〜7重量%である。
【0071】
エポキシ化植物油(C)の量は有利には、組成物の総量との関係において少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、そして特に好ましくは少なくとも1.5重量%である。
【0072】
エポキシ化植物油(C)の量は有利には、組成物の総量との関係において多くとも7重量%、好ましくは多くとも4重量%、そして特に好ましくは多くとも2.5重量%である。
【0073】
(A)、(B)そして任意には(C)に加えて、本発明に係る組成物は、任意には、気体および臭気に対する障壁特性または組成物の加工中の熱安定性に対する有意な効果を有していない他の公知の化合物(D)を含んでいてもよい。他の公知の化合物(D)の中でも、一般に使用されている熱安定剤、顔料または染料、UV安定剤、無機充填剤、潤滑剤、または加工助剤、酸化防止剤および塩素または酸素スカベンジャに言及することができる。これらの化合物は一般に従来の量で導入される。
【0074】
別の態様によると、本発明は同様に、塩化ビニリデン(A)とアクリル酸ブチル類から選択され塩化ビニリデンと共重合可能である少なくとも1つのコモノマーとの少なくとも1つのコポリマーと;以上で定義されている通りの少なくとも1つのポリマー可塑化剤(B)と、を含む組成物を調製するための方法にも関する。
【0075】
この方法の第1の実施形態は、予混合による(A)と(B)の混合ステップを含む。組成物は、予混合により(A)を(B)の全てと混合することによって((B)は1つ以上の分量の形で導入される)か、またはすでに(B)の一分量を含む(A)を(B)の残分と予混合により混合することによって調製されてもよい。本発明に係る組成物が追加でエポキシ化植物油(C)を含む場合、(C)は、予混合により(A)と(B)に添加されてもよく、あるいは、好ましくは、予混合ステップの前に(A)がすでに(C)を含んでいる。
【0076】
「予混合」という用語は、ミキサーの使用を含み、本発明に係る組成物のさまざまな構成成分の混合を実施できるようにするあらゆる方法をを意味するものと理解される。
【0077】
この実施形態においては、第1の方法にしたがって、ダブルチャンバ高速ミキサーを使用することが可能である。有利には、第1の加熱、撹拌されたチャンバ内に(A)の全てが導入される。補助タンク内で温度調節されたポリマー可塑化剤(B)は、次に、高温チャンバ内の温度が目標値に達した時点で、有利には液体形態で導入される。ひとたびその温度に達したならば、混合物は次に有利には、同様に撹拌を伴い低温水が内部を循環する外套体を有する第2の冷温チャンバ内に移される。混合物は、有利には、予め設定された温度までその中で撹拌され続ける。この段階中に1つ以上のポリマー可塑化剤(B)も添加してもよい。チャンバの内容物がひとたび冷却されると、チャンバは空にされる。
【0078】
第2の方法は有利には、低速回転を有し場合によっては真空下にあり中に蒸気が導入されてもよい単一外套体付きチャンバで構成されたPatterson Conaform(登録商標)タイプの低速ミキサーを使用する。ステップは、第1の方法のものとかなり類似しており、チャンバを加熱する前に(A)が導入され、一定の温度に達した時点および所与の温度での均質化の後でかつ一定の時間にわたり予熱済みのポリマー可塑化剤(B)が添加され、最終的に冷却段階が開始され、その間、1つ以上のポリマー可塑化剤(B)を追加量導入することがなおも可能である。
【0079】
本発明に係る組成物の調製方法の第2の実施形態によると、この組成物は、(A)の成分モノマーの共重合による(A)の調製中に(A)の中に(B)を取込むことが関与する手順にしたがって調製されてもよい。本発明に係る組成物が追加でエポキシ化植物油(C)を含む場合、(C)は有利には同様に、(A)の成分モノマーの共重合による(A)の調製中に(A)に取込まれる。
【0080】
こうして、少なくとも1つのポリマー可塑化剤(B)は有利には、塩化ビニリデンと以上で定義した塩化ビニリデンと共重合可能である少なくとも1つのコモノマーとの重合による塩化ビニリデンコポリマーの調製中に添加される。ポリマー可塑化剤(B)および任意にはエポキシ化植物油(C)は、共重合に必要とされる原料と同時に導入されるか、または残留モノマーが反応後に得られたスラリーから除去された時点で、任意にはエポキシ化植物油(C)の添加を伴って導入されてもよい。
【0081】
好ましくは、ポリマー可塑化剤(B)そして任意にはエポキシ化植物油(C)は、重合のためには必要とされる原料と同時に導入される。より好ましくは、単一のポリマー可塑化剤(B)そして任意にはエポキシ化植物油(C)が原料と同時に導入される。ポリマー可塑化剤(B)そして任意には少なくとも一分量のエポキシ化植物油(C)と、重合に必要される原料との同時導入は、有利には、少なくとも部分的に、反応装置(オートクレープ)に先行しこの反応装置に補給を行なうプレミキサー内で実施されてもよく、この反応装置内で、(A)の成分モノマーの実質の共重合が実施される。この場合、ポリマー可塑化剤(B)はこのプレミキサー内で塩化ビニリデン中に溶解または混合させられる。プレミキサーに導入されない任意のエポキシ化植物油(C)(その一分量)の方は、反応装置が脱ガスされかつ/または真空下に置かれた後に得られたスラリーから残留モノマーが除去された時点で導入されてもよい。
【0082】
可塑化剤(B)、原料および任意にはエポキシ化植物油(C)は、任意の順序で導入される。こうして、ポリマー可塑化剤(B)は、重合に必要とされる原料そして特に水、ラジカル発生剤および分散剤の後;塩化ビニリデンおよびそれと共重合可能なコモノマーの前でかつ場合によってはエポキシ化植物油(C)の前、後またはそれとの混合物として、導入されてもよい。これらは同様に、水の後、ラジカル発生剤、分散剤および塩化ビニリデンとそれと共重合可能なコモノマーの前そして場合によってはエポキシ化植物油(C)の前、後、またはそれとの混合物としても導入されてもよい。これらは同様に、ラジカル発生剤の後、塩化ビニリデンとそれと共重合可能なコモノマー、水および分散剤の前、そして添加剤の前、後、またはそれとの混合物として導入されてもよい。これらは同様に、水、ラジカル発生剤、分散剤そして場合によっては塩化ビニリデンと共重合可能であるコモノマーの少なくとも一分量の後、そして任意にはエポキシ化植物油(C)、塩化ビニリデンの少なくとも一分量そして任意にはそれと共重合可能なコモノマーの少なくとも一分量とのプレミックスとして導入されてもよく、この場合、塩化ビニリデンの考えられる残分は、プレミックスの後に導入されてもよい。
【0083】
したがって、ポリマー可塑化剤(B)は、独立して、あるいは任意のエポキシ化植物油(C)との混合物として、と同様に任意のエポキシ化植物油(C)および混合物としておよびモノマー(塩化ビニリデンおよび/またはそれと共重合可能なコモノマー)の少なくとも一分量との混合物として導入されてもよい。後者の場合がきわめて有利である。
【0084】
本発明に係る組成物は同様に、上述の2つの実施形態を組合せることによって調製されてもよい。
【0085】
以上で記述した方法の第2の実施形態(第2の変形形態)は、それが本発明に係る組成物の調製を単純化することを理由として好まれる。
【0086】
本発明の別の目的は、本発明に係る組成物の使用を含む、物品調製方法にある。
【0087】
物品はフィルム、箔、シート、単層または多層フィルム、成形物体、繊維およびフィラメントであってもよい。好ましくは、物品は単層または多層フィルムである。これらは収縮性または非収縮性フィルムであってもよい。
【0088】
本発明の別の目的は、本発明に係る組成物を含む単層または多層フィルムである。
【0089】
単層または多層フィルムは好ましくは、本発明に係る組成物を含む少なくとも1つ、好ましくは1つか2つの障壁層を含む。
【0090】
本発明に係るフィルムは、キャストフィルムまたはインフレートフィルムであってもよい。このフィルムは、収縮性または非収縮性フィルムであってもよい。
【0091】
本発明のさらなる目的は、本発明に係るフィルムから形成された包装材料または袋にある。
【0092】
この包装材料または袋は、あらゆる用途向けに意図されていてもよい。好ましくは、それは食品包装材料用に意図されている。
【0093】
それが食品包装材料用に意図されている場合、好ましくは、チーズまたは他の食品の包装用に意図されている。
【0094】
より好ましくは、それはチーズを包装するように意図されている。さらに一層好ましくは、「ガス発生」チーズ、すなわちその包装材料には二酸化炭素に対する高い透過性と組合わされた中庸の酸素障壁が必要とされているチーズ製品を包装するために意図されている。
【0095】
本発明に係る塩化ビニリデンポリマーの組成物は、熱安定性に関する所要特性を特徴とするという利点を有する。さらに、本発明に係る組成物は、酸素障壁および二酸化炭素障壁に関する所要特性を特徴とし、詳細には二酸化炭素障壁と酸素障壁の間の優れた譲歩と同時に酸素障壁のより優れた経時的安定性を特徴とするフィルムを提供する。
【0096】
参照により本明細書に援用されているいずれかの特許、特許出願および公報の開示が万一、用語を不明瞭にし得るほどに本出願の説明と矛盾する場合には、本明細書が優先するものとする。
【0097】
以下の実施例は本発明を例示する意図を有するものであるが、その範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0098】
実施例の組成物中のポリマー可塑化剤(B)の量の決定
塩化ビニリデンコポリマー組成物中のポリマー可塑化剤(B)の量は、質量平衡によって決定された。
【0099】
実施例の組成物中のエポキシ化大豆油(C)の量の決定
塩化ビニリデンコポリマー組成物中のエポキシ化大豆油の量は、質量平衡またはエポキシ化大豆油標準を用いた薄層クロマトグラフィによって決定された。クロマトグラフィに付される試料は、塩化ビニリデンコポリマーの組成物をテトラヒドロフラン中に溶解させることによって得られ、この作業の後にメタノール中での沈殿が行なわれた。その後、沈殿した部分を濾過し、テトラヒドロフラン中に溶解した状態に戻してから、2回目の沈殿に付した。その後2つの可溶性画分を合わせ、蒸発器を用いて濃縮した。得られた濃縮物を薄層クロマトグラフィに付した。移動の後、現像剤を使用し、密度測定を実施した。
【0100】
実施例の組成物の熱安定性測定
熱安定性測定の原理は、応力下でのその挙動を分析するために、混合チャンバ内で塩化ビニリデンポリマー組成物を加工することからなる。これにより、押出し機内で使用されるその能力の尺度が得られる。
【0101】
測定のために使用された機械は、Brabender PL2100 Plasti−Corder機であった。
【0102】
測定を実施するために、機械の混合チャンバ上に位置づけされたホッパーに95gの試料を充填した。ピストンを用いてホッパー上に圧力を加え、こうして、試料全体が混合チャンバ内に導入されるようにした。ピストン上の圧力を停止させるために力ダイヤル上でトルク(N/m)を追跡することが可能であった。その後、ピストンとホッパーを取り外した。混合チャンバ内への試料の導入が、試験および時間カウントダウンの自動的出発点を構成していた。試験時間全体を通してトルクおよび材料温度の変動(設定点との関係において+/−5℃)を監視した。
【0103】
6分後に、そして試験の時間全体を通してその後3分おきに、トルクの勾配の変化から5〜10分経つまでの間に試料を取り出した。その後、取り出した材料をボール形状にし、1分間プレス内に置いた。こうして得たペレットをその後、口径パンチ(calibre punch)を用いて直径に沿って切断し、試験加工用シートにボンディングした。ペレットの暗褐色着色またはトルク曲線の勾配の変化のいずれかによって、分解段階が視覚化された。トルクの勾配変化の後5〜10分間試験を継続することによって、分解点および対応する温度をより容易にかつより精確に決定することができた。分解点に対応する分単位で表わした時間の観点から、熱安定性を決定した。
【0104】
実施例の組成物からフィルムを製造するための一般的手順
以下の実施例を介して問題の塩化ビニリデンコポリマー組成物からフィルムを調製した。
【0105】
このために、2基の押出し機、4つの温度ゾーンを伴うフィードブロックおよび200×0.6mmのシートダイを用いた同時押出しによって、3層フィルムE/M/E(E=Exxon Mobil社製エチレン/酢酸ビニルコポリマーESCORENE(登録商標)UL0909、M=塩化ビニリデンコポリマー組成物)を製造した。ダイの出口で、フィルムを冷却し、3本のロールカレンダーにより縦方向で、多少程度の差こそあれ延伸した。
【0106】
試験した各々の塩化ビニリデンコポリマー組成物について、フィルムの延伸速度を変動させることにより、10μmから60μmまで変動する厚みを有する7枚のフィルムを製造した。
【0107】
これら7枚の各フィルムの半分を冷蔵庫内に10℃未満で保存し(以下フレッシュフィルムと呼ぶ)もう半分を2日間オーブン内で40℃で2日間加工し、次に23℃、相対湿度50%で保管した(以下エージングしたフィルムと呼ぶ)。
【0108】
フィルムの酸素透過度の測定
本方法の原理は、規定の温度および相対湿度について、塩化ビニリデンコポリマー組成物のフィルムを単位時間および単位面積あたりに通過する酸素量を決定することからなる。
【0109】
フィルムがセルを2つに分割するような形で、セル内にフィルムを設置した。第1の部分には酸素を供給し、第2の部分は窒素でフラッシングした。フィルムを通過する酸素は、窒素によって電量計まで輸送された。こうして、電量計により単位時間あたりの酸素量が決定された。セルの表面積がわかっているため、一日1mあたりのcm単位の酸素量が決定された。
【0110】
使用した機械は、23℃、相対湿度85%に状態調節されたOX−TRAN1000−H HUMIDICON(Mocon)機であった。
【0111】
冷蔵庫からフレッシュフィルムを取り出し、24時間23℃、相対湿度50%に置いてから、機械のさまざまな測定セル内に入れた。フィルムの酸素透過度の値(PO2)を、24時間の測定後に記録した。
【0112】
フレッシュフィルムの場合と同じように、23℃、相対湿度50%で保管したエージングしたフィルムについて測定を実施した。
【0113】
フィルムの層Mの厚みを測定した後、酸素透過度の測定を実施した。
【0114】
各々の塩化ビニリデンポリマー組成物のために製造された異なる厚みの7枚のフィルムについて、酸素透過度を測定して、7つの酸素透過性測定値を得た。
【0115】
次に厚みの一関数としての透過度の対数回帰を実施して、10μmという層Mの標準厚みについての透過度を計算した。
【0116】
こうして、フレッシュフィルムについての酸素透過度(PO2fresh)の値とエージングしたフィルムについての値(PO240°,2d)を決定した。したがって酸素透過度は、23℃で10μmの厚みについてcm/m・日・atm単位で表現される。
【0117】
比率[(PO2fresh−PO240°,2d)/PO2fresh]×100(%単位)(デルタPO2と呼ばれるもの)も決定した。
【0118】
フィルムの二酸化炭素透過性の測定
本方法の原理は、規定の温度および相対湿度について、単位時間および単位面積あたりで塩化ビニリデンコポリマー組成物のフィルムを通過する二酸化炭素量を決定することにある。
【0119】
フィルムがセルを2つに分割するような形で、セル内にフィルムを設置した。第1の部分には二酸化炭素を供給し、第2の部分は窒素でフラッシングした。フィルムを通過する二酸化炭素は、窒素によって電量計まで輸送される。こうして、電量計は、単位時間あたりの二酸化炭素量を決定する。セルの表面積がわかっているため、一日1mあたりのcm単位の二酸化炭素量が決定される。
【0120】
23℃、相対湿度0%に状態調節された機械内で、ASTM規格F2476に準じて測定を行った。
【0121】
23℃、相対湿度0%で保管したエージングしたフィルムを、機械の測定セル内に入れた。フィルムの層Bの厚みを測定した後、二酸化炭素透過度の測定を実施した。
【0122】
各々の塩化ビニリデンコポリマー組成物のために製造された異なる厚みの3枚のフィルムについて、二酸化炭素透過度を測定して、3つの二酸化炭素透過性測定値を得た。
【0123】
次に厚みの一関数としての透過度の対数回帰を実施して、10μmという層Mの標準厚みについての透過度を計算した。
【0124】
こうして、エージングしたフィルムについての二酸化炭素透過度(PCO240°,2d)の値を決定した。したがって二酸化炭素透過度は23℃、相対湿度0%で10μmの厚みについてcm/m・日・atm単位で表現される。
【0125】
実施例1(本発明に係るもの)
重合中に予めエポキシ化大豆油(コポリマーの重量との関係において2重量%の量)が添加されている、90重量%の塩化ビニリデンと10重量%のアクリル酸n−ブチルを含むコポリマーと、以下で記述されている要領で、PALAMOLL(登録商標)638の名称でBASFが販売している5600に等しい重量平均分子量(上述のGPCにより測定されるもの)を有する1,2−プロパンジオールとオクタノールとの混合物とアジピン酸の重縮合生成物であるポリエステル可塑化剤とを、(コポリマーの重量との関係において3重量%の量で)予混合によって混合した。
【0126】
コポリマーを周囲温度のチャンバ内に入れ、600rpmで撹拌した。チャンバの温度を次に35℃まで上昇させた。35℃という温度に達した時点で、55℃まで予熱したポリエステル可塑化剤をチャンバ内に導入した。その後温度を70℃まで上昇させた。この温度に達した時点で、内部を循環する水がチャンバの内容物を冷却できるようになっている外套体が備わり170rpmで撹拌されている別のチャンバに、チャンバの内容物を放出した。したがって組成物の温度は、30℃未満となるまでこの方法で低下させられた。次に、組成物を回収した。
【0127】
以上で記述した一般的手順にしたがって、こうして得た塩化ビニリデンコポリマーベースの組成物から複数のフィルムを製造した。
【0128】
実施例2(本発明に係るもの)
130rpmでの機械的撹拌を伴い、外套体が備わった、設定温度15℃の40リットル入りオートクレーブ内に、19058gの脱塩水を導入した。次に導入したのは、140gの過酸化ラウロイルと1820cmのメチルヒドロキシプロピルセルロース溶液であった。撹拌を停止し、次にオートクレーブを脱気した。その後、オートクレーブ内に1190gのアクリル酸ブチルを導入した。次に、オートクレーブ内に、先に40℃で流動化させた308gのエポキシ化大豆油、1428gのポリエステル可塑化剤PALAMOLL(登録商標)638および8400gの塩化ビニリデンで構成された混合物を導入した。最後にオートクレーブ内に4410gの塩化ビニリデンを導入した。
【0129】
モノマーの導入後、200rpmで撹拌を開始し、その後オートクレーブを67℃に加熱した。オートクレーブ内での圧力降下によって示されるように、所望の転換度に達するまで、重合反応を続行させた。
【0130】
反応装置を開放する前に、形成したスラリーのストリッピングによって残留モノマーを除去した。こうして、80℃の温度で真空下(−0.5bar)で5時間、ストリッピングを実施した。次に、オートクレーブを冷却しドレンした。
【0131】
残留モノマーを除去したスラリーを回収し、その後これを濾過した。濾過ケーキを流動床内で水の噴霧と乾燥により洗浄した結果得られる組成物中に存在するコポリマーは、91.5重量%の塩化ビニリデンと8.5重量%のアクリル酸n−ブチルを含んでいた。収量は95重量%であった。組成物は、総重量との関係における重量%で表わした場合、2重量%のエポキシ化大豆油と9.1重量%のポリエステル可塑化剤を含んでいた。
【0132】
実施例3(比較用)
アクリル酸n−ブチルの代りにアクリル酸メチルを使用したという点を除いて、実施例1に記載した通りに塩化ビニリデンコポリマーベースの組成物を調製した。
【0133】
こうして得た塩化ビニリデンコポリマーベースの組成物から上述の一般的手順にしたがって、複数のフィルムを製造した。
【0134】
実施例4(比較用)
IXAN(登録商標)PVS801という名称でSOLVINにより販売され以下のものを含む組成物から、一般的手順にしたがって複数のフィルムを製造した:
− 90重量%の塩化ビニリデンと10重量%のアクリル酸メチルを含むコポリマー;
− コポリマーの重量との関係において5重量%のエポキシ化大豆油;および
− コポリマーの重量との関係において5重量%の、クエン酸アセチルトリブチルで構成された可塑化剤。
【0135】
実施例5(比較用)
160rpmでの機械的撹拌を伴い、外套体が備わった、設定温度15℃の40リットル入りオートクレーブ内に、19197gの脱塩水を導入した。次に導入したのは、140gの過酸化ラウロイルと1680cmのメチルヒドロキシプロピルセルロース溶液であった。撹拌を停止し、次にオートクレーブを脱気した。その後、オートクレーブ内に1190gのアクリル酸ブチルを導入した。次に、オートクレーブ内に、先に40℃で流動化させた280gのエポキシ化大豆油、CAPA(登録商標)6100の名称でPerstorpにより販売されている193gのε−カプロラクトンポリマーおよび8400gの塩化ビニリデンで構成された混合物を導入した。最後にオートクレーブ内に4410gの塩化ビニリデンを導入した。
【0136】
モノマーの導入後、195rpmで撹拌を開始し、その後オートクレーブを67℃に加熱した。オートクレーブ内での圧力降下によって示されるように、所望の転換度に達するまで、重合反応を続行させた。
【0137】
反応装置を開放する前に、形成したスラリーのストリッピングによって残留モノマーを除去した。こうして、80℃の温度で真空下(−0.5bar)で5時間、ストリッピングを実施した。次に、オートクレーブを冷却しドレンした。
【0138】
残留モノマーを除去したスラリーを回収し、その後これを濾過した。濾過ケーキを流動床内で水の噴霧と乾燥により洗浄した結果得られる組成物中に存在するコポリマーは、91.5重量%の塩化ビニリデンと8.5重量%のアクリル酸n−ブチルを含んでいた。収量は93重量%であった。組成物は、総重量との関係における重量%で表わした場合、2重量%のエポキシ化大豆油と1.3重量%のCAPA(登録商標)6100を含んでいた。
【0139】
その後、この組成物から上述の一般的手順にしたがって複数のフィルムを製造した。
【0140】
実施例6(本発明に係るもの)
130rpmでの機械的撹拌を伴い、外套体が備わった、設定温度15℃の40リットル入りオートクレーブ内に、19058gの脱塩水を導入した。次に導入したのは、140gの過酸化ラウロイルと1820cmのメチルヒドロキシプロピルセルロース溶液であった。撹拌を停止し、次にオートクレーブを脱気した。その後、オートクレーブ内に1190gのアクリル酸ブチルを導入した。次に、オートクレーブ内に、先に40℃で流動化させた280gのエポキシ化大豆油、448gのポリエステル可塑化剤PALAMOLL(登録商標)638および8400gの塩化ビニリデンで構成された混合物を導入した。最後にオートクレーブ内に4410gの塩化ビニリデンを導入した。
【0141】
モノマーの導入後、200rpmで撹拌を開始し、その後オートクレーブを67℃に加熱した。オートクレーブ内での圧力降下によって示されるように、所望の転換度に達するまで、重合反応を続行させた。
【0142】
反応装置を開放する前に、形成したスラリーのストリッピングによって残留モノマーを除去した。こうして、80℃の温度で真空下(−0.5bar)で5時間、ストリッピングを実施した。次に、オートクレーブを冷却しドレンした。
【0143】
残留モノマーを除去したスラリーを回収し、その後これを濾過した。濾過ケーキを流動床内で水の噴霧と乾燥により洗浄した結果得られる組成物中に存在するコポリマーは、91.5重量%の塩化ビニリデンと8.5重量%のアクリル酸n−ブチルを含んでいた。収量は94重量%であった。組成物は、総重量との関係における重量%で表わした場合、2重量%のエポキシ化大豆油と3.2重量%のポリエステル可塑化剤を含んでいた。
【0144】
その後、この組成物から上述の一般的手順にしたがって複数のフィルムを製造した。
【0145】
得られたフィルムにおいて測定した酸素透過率、二酸化炭素透過性および熱安定性データ(先に記載の通りに決定したもの)を以下に報告する。
【0146】
下表1は、実施例1と5および比較例2〜4にしたがって得たフィルムの(先に記載の通りに決定した)酸素透過性、二酸化炭素透過性および熱安定性データを示す。
【0147】

【0148】
表1に列挙された結果は、本発明に係る組成物(実施例1および6)によって、所望のレベルの気体透過性(酸素および二酸化炭素の両方に対するもの)を伴いかつ比較例3〜5の本発明に係るものでない組成物を用いて得られるフィルムのものと比べて特性[例えば酸素透過度(デルタPO2)と二酸化炭素透過性(PCO240°,2d)の経時安定性]間の優れた譲歩をも有するフィルムを得ることが可能となるということを示している。
【0149】
熱安定性測定値は同様に、本発明に係る組成物の熱安定性が商業的用途にとって満足のいくものであることも示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリル酸ブチル類の群から選択され塩化ビニリデンと共重合可能な少なくとも1つのコモノマーと塩化ビニリデンとの少なくとも1つのコポリマー(A)と;少なくとも1つの脂肪族ポリカルボン酸と少なくとも1つのポリヒドロキシル化脂肪族アルコールの重縮合反応から誘導されたポリエステル類から選択される、組成物総重量との関係において1〜20重量%の少なくとも1つのポリマー可塑化剤(B)とを含む組成物。
【請求項2】
前記コポリマー(A)の前記コモノマーの少なくとも1つがアクリル酸n−ブチルであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記コポリマー(A)が、85〜95重量%の塩化ビニリデンと5〜15重量%のアクリル酸n−ブチルを含むコポリマーであることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリマー可塑化剤(B)が、2〜20個の炭素原子を含む飽和または不飽和の脂肪族炭化水素ベースの鎖を有する脂肪族ポリカルボン酸から誘導されたポリエステルであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリマー可塑化剤(B)が、モノヒドロキシル化およびポリヒドロキシル化脂肪族アルコール類の混合物と脂肪族ポリカルボン酸の重縮合の結果として得られるポリエステルであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記ポリマー可塑化剤(B)が、アジピン酸と1,2−プロパンジオールの重縮合の結果として得られるポリエステル類、アジピン酸と1,2−プロパンジオールの重縮合の結果として得られそのヒドロキシル基が部分的にアセチル化されているもの、および、1,2−プロパンジオールとオクタノールの混合物とアジピン酸の重縮合の結果として得られるものからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
エポキシ化植物油(C)をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記エポキシ化植物油(C)がエポキシ化大豆油である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
予混合による(A)と(B)の混合ステップを含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物の調製方法。
【請求項10】
(A)の前記成分モノマーの共重合による(A)の前記調製中に、(B)を(A)の中に取込むステップを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物の調製方法。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物の使用を含む、物品の調製方法。
【請求項12】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物を含む、単層または多層フィルム。
【請求項13】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物を含む少なくとも1つの障壁層を含む、請求項12に記載のフィルム。
【請求項14】
請求項12または13のいずれか一項に記載の前記フィルムを含む包装材料または袋。
【請求項15】
請求項12または13のいずれか一項に記載のフィルムを含む食品包装材料。

【公表番号】特表2013−521396(P2013−521396A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556492(P2012−556492)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【国際出願番号】PCT/EP2011/053478
【国際公開番号】WO2011/110567
【国際公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(591001248)ソルヴェイ(ソシエテ アノニム) (252)
【Fターム(参考)】