説明

塵芥収容箱の排出板位置検出装置およびこれを備えた塵芥収集車

【課題】信頼性の高い塵芥収容箱の排出板位置検出装置およびこれを備えた塵芥収集車の提供。
【解決手段】後方開口部に塵芥積込装置を備えた塵芥投入箱が連設される塵芥収容箱内に、前後に摺動自在に設けられた排出板の位置を検出するための排出板位置検出装置であって、排出板の前方寄りの位置に設けられ、排出板の前部位置を検出する近接センサ31a,31bと、排出板の前方寄りの位置に設けられ、排出板の中途部の位置を検出する複数の反射型センサ32a,32b,32cと、塵芥収容箱が搭載される車体上のキャブ内に設けられ、排出板の位置を表示する位置表示装置と有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塵芥収集車に搭載される塵芥収容箱内に設けられた排出板の位置を検出するための排出板位置検出装置およびこれを備えた塵芥収集車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、塵芥収集車としては、車体上に搭載された塵芥収容箱の後面開口部に、塵芥積込装置を備えた塵芥投入箱が傾動可能に連設されるとともに、塵芥収容箱内に排出板が前後に摺動自在に設けられたものが知られている。この塵芥収集車では、塵芥積込装置による塵芥の積み込みに伴って、排出板を順次前方に移動させることで塵芥を塵芥収容箱に圧縮しながら積み込むとともに、塵芥投入箱を上方に傾動させて塵芥収容箱の後部を開放した状態で排出板を後方まで移動させることによって塵芥を外部に排出する。
【0003】
このとき、塵芥収容箱内へ積み込まれる塵芥の積載量は、通常は塵芥収容箱内における排出板の位置を確認することによって把握する。例えば、特許文献1には、塵芥収容箱内での排出板の位置を検出する赤外線センサが設けられ、この赤外線センサの検出結果に基づいて排出板の位置が運転席内に設けられた表示画面にグラフィックで表示されるように構成された塵芥収集車の排出板位置確認装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−330074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記特許文献1に記載のように1つの赤外線センサによって排出板の位置をその摺動範囲全域に亘って検出することは、制御が難しく、容易ではないため、信頼性が乏しい。
【0006】
そこで、本発明においては、信頼性の高い塵芥収容箱の排出板位置検出装置およびこれを備えた塵芥収集車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の排出板位置検出装置は、後方開口部に塵芥積込装置を備えた塵芥投入箱が連設される塵芥収容箱内に、前後に摺動自在に設けられた排出板の位置を検出するための排出板位置検出装置であって、排出板の前方寄りの位置に設けられ、排出板の中途部の位置を検出する反射型センサと、排出板の前方寄りの位置に設けられ、排出板の前部位置を検出する前記反射型センサ以外のセンサと、塵芥収集箱が搭載される車体上のキャブ内に設けられ、排出板の位置を表示する位置表示装置とを有するものである。
【0008】
本発明によれば、排出板の中途部の位置については、排出板の前方寄りの位置に設けられた反射型センサにより検出し、排出板の前方寄りの位置については、排出板の前方寄りの位置に設けられた前部位置を検出する前記反射型センサ以外のセンサにより検出することで、排出板の摺動範囲の全域に亘って、複数箇所で排出板位置を検出することができる。検出された排出板の位置は、塵芥収容箱が搭載される車体上のキャブ内に設けられた位置表示装置に表示される。
【0009】
ここで、反射型センサは複数であり、すべて排出板の最前位置よりも前方に配設されたものであり、それぞれ排出板の中途部の位置を検出するものであることが望ましい。これにより、排出板の中途部の位置については、複数の独立した反射型センサによりそれぞれ検出することで、誤検出を防止することができる。また、反射型センサが、すべて排出板の最前位置よりも前方に配設されているため、塵芥収容箱内の排出板よりも後方に収容された塵芥と接触して汚損することがなく、誤検出をさらに防止することができる。
【0010】
また、前記反射型センサ以外のセンサは複数であり、すべて排出板の最前位置よりも前方に配設されたものであり、それぞれ排出板の最前部位置およびその直前部位置を検出するものであることが望ましい。これにより、排出板の最前部位置およびその直前部位置については、複数の独立したセンサによりそれぞれ検出することで、誤検出を防止することができる。また、センサが、すべて排出板の最前位置よりも前方に配設されているため、塵芥収容箱内の排出板よりも後方に収容された塵芥と接触して汚損することがなく、誤検出をさらに防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
(1)排出板の前方寄りの位置に設けられ、排出板の前方寄りの位置に設けられ、排出板の中途部の位置を検出する複数の反射型センサと、排出板の前部位置を検出する前記反射型センサ以外のセンサと、塵芥収容箱が搭載される車体上のキャブ内に設けられ、排出板の位置を表示する位置表示装置とを有することにより、排出板の摺動範囲の全域に亘って、複数箇所でそれぞれ反射型センサまたは前記反射型センサ以外のセンサにより排出板位置を検出することができ、信頼性の高い排出板の位置の検出が可能となる。また、検出された排出板の位置は、塵芥収容箱が搭載される車体上のキャブ内に設けられる位置表示装置に表示されるので、作業車はキャブ内で排出板の位置を知ることができ、塵芥収容箱内の塵芥の収容量を把握することが可能となる。
【0012】
(2)反射型センサが複数であり、すべて排出板の最前位置よりも前方に配設されたものであり、それぞれ排出板の中途部の位置を検出するものであることにより、排出板の中途部の位置については、複数の独立した反射型センサによりそれぞれ検出することで、誤検出を防止することができる。反射型センサが塵芥収容箱内に収容された塵芥と接触して汚損することがなく、誤検出をさらに防止することができる。
【0013】
(3)前記反射型センサ以外のセンサが複数であり、すべて排出板の最前位置よりも前方に配設されたものであり、それぞれ排出板の最前部位置およびその直前部位置を検出するものであることにより、排出板の最前部位置およびその直前部位置については、複数の独立したセンサによりそれぞれ検出することで、誤検出を防止することができる。また、センサが塵芥収容箱内に収容された塵芥と接触して汚損することがなく、誤検出をさらに防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態における塵芥収集車の塵芥収容箱および塵芥投入箱を断面にて示す側面図である。
【図2】図1の塵芥収容箱内の排出板の動作を示す側面図である。
【図3】図2のA部拡大図である。
【図4】図3のB−B矢視図である。
【図5】キャブ内に設けられる位置表示装置の正面図である。
【図6】本実施形態における排出板位置検出装置の電気回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は本発明の実施の形態における塵芥収集車の塵芥収容箱および塵芥投入箱を断面にて示す側面図、図2は図1の塵芥収容箱内の排出板の動作を示す側面図、図3は図2のA部拡大図、図4は図3のB−B矢視図、図5はキャブ内に設けられる位置表示装置の正面図である。なお、図2においては、簡略化のために排出シリンダの図示を省略している。
【0016】
図1において、本発明の実施の形態における塵芥収集車1は、車体2上にキャブ2aおよび塵芥収容箱3が搭載されたものであり、塵芥収容箱3の後端の後方開口部4には、塵芥投入箱5が連設されている。塵芥投入箱5は、後方開口部4の上方で投入箱支持ピン6により軸支されており、この投入箱支持ピン6を中心に傾動自在となっている。また、キャブ2a内には、後述する排出板17の位置を表示する位置表示装置50が設けられている。
【0017】
塵芥投入箱5の後部には、塵芥を投入する後方投入口7が開口されている。塵芥投入箱5の内部には、圧縮式の塵芥積込装置8が装備されている。塵芥積込装置8は、塵芥投入箱5内に後方投入口7を通じて投入された塵芥を圧縮して、塵芥収容箱3内に積み込むためのものである。
【0018】
塵芥投入箱5の左右両側壁には、溝形鋼で形成された案内溝部材9が補強枠を兼ねて前方上部より後方下部に向かって敷設されている。塵芥投入箱5内には、その横幅いっぱいに広がる摺動板10が収容されている。この摺動板10の左右両測縁の上下には、案内ローラ11が回転可能に設けられている。これらの案内ローラ11は、案内溝部材9の内壁に沿って転動自在に嵌入されている。
【0019】
また、摺動板10の背面上部の左右端部にはボス部12が設けられている。このボス部12には、摺動板支持軸13が挿通されている。この摺動板支持軸13は、塵芥投入箱5の左右両側壁に形成された摺動用開口5aを越えて塵芥投入箱5の内側より外側に突出するように配置されている。
【0020】
また、塵芥投入箱5の左右両側壁からそれぞれ外側に突出した摺動板支持軸13と塵芥投入箱5の下部間には、左右それぞれ塵芥投入箱5の外側に案内溝部材9の傾斜方向に沿って配置された摺動シリンダ14がそれぞれ連結されている。この摺動シリンダ14の伸縮動作によって、摺動板10は案内溝部材9に沿って上下に往復移動する。
【0021】
摺動板10の下端には、塵芥投入箱5の横幅いっぱいに広がる圧縮板15が前後方向に揺動自在に支持されている。この圧縮板15の先端は前方に向かって若干屈曲形成されている。また、圧縮板15の左右両背面には接続部15aが突設されている。この左右それぞれの接続部15aと、摺動板10の背面上部に設けられた摺動板支持軸13の左右両端部との間には、それぞれ揺動シリンダ16が連結されている。この揺動シリンダ16の伸縮作動によって、圧縮板15は前後に揺動する。
【0022】
一方、塵芥収容箱3内には排出板17が車体2の前後方向に摺動自在に配設されている。排出板17は、塵芥収容箱3の横幅および上下高さと略同じ大きさに形成された板状体である。この排出板17によって、塵芥収容箱3の内部空間は、塵芥積込装置8により後方開口部4から積み込まれた塵芥40を収容する塵芥収容空間3aと、その前方の前方空間3bとに区画されている。
【0023】
図2に示すように、排出板17は、塵芥収容箱3内で車体2の前後方向に摺動する支持フレーム18に支持されている。支持フレーム18の左右両測縁には、排出板17の車体2の前後方向への移動をガイドするガイド部を構成する溝形鋼で形成された案内溝部材19が設けられている。一方、塵芥収容箱3の左右内側面には、この案内溝部材19とともにガイド部を構成する案内凸部材20が車体2の前後方向に延設されている。支持フレーム18の案内溝部材19の上下には、パッド25が設けられている。案内溝部材19は、このパッド25を介して案内凸部材20にガイドされて、車体2の前後方向に滑らかに摺動する。
【0024】
また、図1に示すように、塵芥収容箱3の前方空間3bには、伸縮動作により排出板17を車体2の前後方向に移動させる排出シリンダ21が、車体2の前後斜め方向に備えられている。排出シリンダ21は、一端が塵芥収容箱3の内部前方の上部位置に軸支され、他端が排出板17に軸支されている。
【0025】
排出シリンダ21は、基部のシリンダチューブ21aと、シリンダチューブ21aの内側でシリンダチューブ21aに対して伸縮自在な第1ピストンチューブ21bと、第1ピストンチューブ21bの内側で第1ピストンチューブ21bに対して伸縮自在な第2ピストンチューブ21cと、第2ピストンチューブ21cの内側で第2ピストンチューブ21cに対して伸縮自在な第3ピストンチューブ21dとから構成される多段伸縮式のテレスコピックシリンダである。
【0026】
排出シリンダ21の下端、すなわちシリンダチューブ21aの基端(下端)は、排出板17の下方に設けられた支持部材22に、軸部材23により回動自在に軸支されている。一方、排出シリンダ21の上端、すなわち第3ピストンチューブ21dの先端(上端)は、前方空間3bの最前部に取り付けられた軸部材24により回動自在に軸支されている。この排出シリンダ21が伸長したときには排出板17を塵芥収容箱3の後方開口部4に近接させて、塵芥収容空間3aの容積を最小にする一方、排出シリンダ21が縮退することにより、塵芥収容空間3aの容積を増大変更するようになされている。
【0027】
また、図2から図4に示すように、塵芥収容箱3の前方空間3bの前壁30には、本実施形態における排出板検出装置を構成する複数の近接センサ31a,31bおよび複数の反射型センサ32a,32b,32cが設けられている。近接センサ31a,31bおよび反射型センサ32a,32b,32cは、すべて排出板17が最前位置にあるときの前方空間3b内に配設されている。
【0028】
近接センサ31a,31bは、排出板17の前部位置を検出するセンサであり、排出板17の前方寄りの位置に設けられている。なお、近接センサ31aは排出板17の最前部位置X1を検出するもの、近接センサ31bは排出板17の最前部位置X1の直前部位置X2を検出するものである。近接センサ31a,31bは前壁30から後方に向かって突設された支持ブラケット33に固定されている。一方、排出板17の前方空間3b側には、近接センサ31a,31bにより検出する被検出部としての金属製の板からなる被検出片34が固定されている。近接センサ31a,31bは、それぞれの位置で被検出片34を検出することにより、それぞれ排出板17の最前部位置X1およびその直前部位置X2を検出する。
【0029】
反射型センサ32aは排出板17の中途部の位置X3を検出するもの、反射型センサ32bは中途部の位置X4を検出するもの、反射型センサ32cは中途部の位置X5を検出するものである。反射型センサ32a,32b,32cは、前壁30から後方に向かって突設された支持ブラケット35a,35b,35cにそれぞれ固定されている。
【0030】
一方、排出板17の前方空間3b側には、反射型センサ32a,32b,32cにより検出する被検出部としての金属製の板からなる反射板36が固定されている。反射型センサ32a,32b,32cは、赤外線などの光を信号光として反射板36に向けて発射し、反射板36によって反射する光を検出することにより、それぞれの位置X3,X4,X5を検出する。
【0031】
これらの近接センサ31a,31bおよび反射型センサ32a,32b,32cにより検出された排出板17の位置は、キャブ2a内に設けられた位置表示装置50に表示される。図5に示すように、位置表示装置50には、排出板17の位置X1,X2,X3,X4,X5にそれぞれ対応する位置表示ランプ51,52,53,54,55が設けられている。位置表示ランプ51は赤色、位置表示ランプ52は黄色、位置表示ランプ53,54,55は緑色のLEDランプである。
【0032】
次に、本実施形態における排出板位置検出装置の電気回路について説明する。図6は本実施形態における排出板位置検出装置の電気回路図である。図6において、100は電源ライン、101はアースラインである。図6に示すように、近接センサ31aがオンになると、位置表示ランプ51が点灯される。また、近接センサ31bがオンになると、位置表示ランプ52が点灯されるとともに、ダイオード102,103,104を通じて位置表示ランプ53,54,55も点灯される。また、反射型センサ32a,32b,32cがそれぞれオンになると、それぞれに対応した位置表示ランプ53,54,55が点灯される。
【0033】
上記構成の塵芥収集車1では、揺動シリンダ16が縮退作動して圧縮板15が反転作動し、反転終了位置に達する(反転工程)。この後、摺動シリンダ14が縮退作動して摺動板10が下降し、これに伴って圧縮板15が下降する(下降工程)。そして、圧縮板15が下降終了位置に達すると、揺動シリンダ16を伸長させて圧縮板15を前方に揺動させ、圧縮工程に移行する。
【0034】
そして、圧縮板15が圧縮終了位置まで揺動する(圧縮工程)と、摺動シリンダ14を伸長させて圧縮板15を上昇させる(上昇工程)。この圧縮板15が上昇終了位置に達すると、一連の積込動作を終了する。これにより、圧縮板15の反転、下降、圧縮、上昇の各工程を1サイクルとして塵芥積込動作を繰り返して行うことができる。
【0035】
なお、上記のように塵芥収容箱3へ塵芥40を積み込み開始する際には、図1に示すように排出シリンダ21を伸長させて、排出板17を塵芥収容箱3内の最後方位置に配置しておく。そして、塵芥積込装置8により積み込まれる塵芥40が排出板17を押圧する力が所定以上に達した際に、排出シリンダ21を縮退させることで、排出板17が徐々に前方に摺動するようにしている。このような排出板17の摺動動作によって、塵芥40を圧縮しながら、塵芥収容箱3内へ積み込むことができるようになっている。
【0036】
そして、この塵芥収集車1では、排出板17の前方への摺動に伴い、排出板17の中途部の位置X5が反射型センサ32cにより検出(オン)されると、緑色の位置表示ランプ55が1つ点灯する。次に、中途部の位置X4が反射型センサ32bにより検出されると、緑色の位置表示ランプ54が点灯する。このとき、反射型センサ32cはオンのままであり、緑色の位置表示ランプ55も点灯したままである。次に、中途部の位置X3が反射型センサ32aにより検出されると、緑色の位置表示ランプ53が点灯する。このとき、同様に緑色の位置表示ランプ54,55も点灯したままである。
【0037】
次に、最前部位置X1の直前部位置X2が近接センサ31bにより検出されると、黄色の位置表示ランプ52が点灯する。このとき、反射型センサ32a,32b,32cと排出板17との距離が接近しており、不安定な状態となっているが、緑色の位置表示ランプ53,54,55もダイオード102,103,104を通じて点灯される。次に、最前部位置X1が近接センサ31aにより検出されると、赤色の位置表示ランプ51が点灯する。このとき、近接センサ31bも被検出片34を検出した状態(オン)のままであり、黄色の位置表示ランプ52および緑色の位置表示ランプ53,54,55もすべて点灯する。
【0038】
このように、本実施形態における塵芥収集車1では、排出板17の前方寄りの位置X1,X2を検出する近接センサ31a,31bと、排出板17の中途部の位置X3,X4,X5を検出する反射型センサ32a,32b,32cとを有することにより、排出板17の摺動範囲の全域に亘って、複数箇所でそれぞれ近接センサ31a,31bまたは反射型センサ32a,32b,32cにより排出板17の位置X1〜X5を検出することができる。
【0039】
特に、この塵芥収集車1では、排出板17の前方寄りの位置X1,X2については、それぞれ独立した近接センサ31a,31bによりそれぞれ検出するとともに、排出板17の中途部の位置X3,X4,X5についても、それぞれ独立した反射型センサ32a,32b,32cにより最も良い感度で検出するため、信頼性が高く、誤検出が防止されている。
【0040】
また、この塵芥収集車1では、排出板17の中途部の位置X3,X4,X5を反射型センサ32a,32b,32cにより検出し、前方寄りの位置については排出板17の最前位置よりも前方に配設可能な近接センサ31a,31bにより検出するので、近接センサ31a,31bが塵芥収容箱内に収容された塵芥40と接触して汚損することがなく、近接センサ31a,31bによる誤検出が防止されている。
【0041】
なお、本実施形態における反射型センサ32a,32b,32cは、赤外線センサとすることも可能である。また、本実施形態においては、排出板17の前部位置を検出するセンサとして反射型センサ32a,32b,32c以外の近接センサ31a,31bを用いているが、近接センサ31a,31bに代えて排出板17の前部位置を検出するリミットスイッチを使用することも可能である。あるいは、排出板17の前部位置を検出するセンサは、例えば、近くのものを検出するフォトセンサとすることも可能である。
【0042】
また、本実施形態においては、圧縮式の塵芥積込装置を備えた塵芥収集車について説明したが、回転板の回転と押込板の揺動によって塵芥積込動作を行う回転式の塵芥積込装置を備えた塵芥収集車にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の排出板位置検出装置は、塵芥収集車に搭載される塵芥収容箱内に設けられた排出板の位置を検出するための装置として有用である。
【符号の説明】
【0044】
1 塵芥収集車
2 車体
3 塵芥収容箱
3a 塵芥収容空間
3b 前方空間
4 後方開口部
5 塵芥投入箱
5a 摺動用開口
6 投入箱支持ピン
7 後方投入口
8 塵芥積込装置
9 案内溝部材
10 摺動板
11 案内ローラ
12 ボス部
13 摺動板支持軸
14 摺動シリンダ
15 圧縮板
15a 接続部
16 揺動シリンダ
17 排出板
18 支持フレーム
19 案内溝部材
20 案内凸部材
21 排出シリンダ
21a シリンダチューブ
21b,21c,21d,21e ピストンチューブ
22 支持部材
23,24 軸部材
25 パッド
30 前壁
31a,31b 近接センサ
32a,32b,32c 反射型センサ
33 支持ブラケット
34 被検出片
35a,35b,35c 支持ブラケット
36 反射板
40 塵芥
50 位置表示装置
51,52,53,54,55 位置表示ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
後方開口部に塵芥積込装置を備えた塵芥投入箱が連設される塵芥収容箱内に、前後に摺動自在に設けられた排出板の位置を検出するための排出板位置検出装置であって、
前記排出板の前方寄りの位置に設けられ、前記排出板の中途部の位置を検出する反射型センサと、
前記排出板の前方寄りの位置に設けられ、前記排出板の前部位置を検出する前記反射型センサ以外のセンサと、
前記塵芥収容箱が搭載される車体上のキャブ内に設けられ、前記排出板の位置を表示する位置表示装置と
を有する排出板位置検出装置。
【請求項2】
前記反射型センサは複数であり、すべて前記排出板の最前位置よりも前方に配設されたものであり、それぞれ前記排出板の中途部の位置を検出するものである請求項1記載の排出板位置検出装置。
【請求項3】
前記反射型センサ以外のセンサは複数であり、すべて前記排出板の最前位置よりも前方に配設されたものであり、それぞれ前記排出板の最前部位置およびその直前部位置を検出するものである請求項1または2に記載の排出板位置検出装置。
【請求項4】
車体上に搭載された塵芥収容箱と、
前記塵芥収容箱の後方開口部に連設され、後方投入口が開口された塵芥投入箱と、
前記塵芥投入箱に設けられた塵芥積込装置と、
前記塵芥収容箱内に前後に摺動自在に設けられた排出板と、
請求項1から3のいずれかに記載の排出板位置検出装置と
を有する塵芥収集車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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