説明

塵芥収集車

【課題】塵芥積込装置の駆動源となるバッテリの低電圧化による安全確保を可能にするとともにバッテリの長寿命化を可能にする。
【解決手段】本発明の塵芥収集車は、塵芥積込装置を駆動する電動モータと、電動モータに電力供給するリチウムイオンバッテリ8とを備える。バッテリ8は、塵芥収容箱の下に配置されており、断熱材21,23を介して車体フレーム5(又は塵芥収容箱2)に固定される。さらに走行用のエンジンと、走行用の鉛バッテリと、PTO装置と、PTO装置又は電動モータにより駆動され、塵芥積込装置を駆動する油圧ポンプと、塵芥積込装置の動作を制御する制御装置と、バッテリ8の電圧を制御装置の入力電源電圧範囲に変換するコンバータとを備え、油圧ポンプがPTO装置により駆動される時、制御装置は鉛バッテリを電源とし、油圧ポンプが電動モータにより駆動される時、制御装置はコンバータを介してリチウムイオンバッテリを電源とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリを搭載し、該バッテリの電力により駆動される塵芥積込装置を搭載した塵芥収集車に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の電動化が活発となり、塵芥収集車においても車両外部の固定電源から電力供給を受け塵芥積込装置を作動させる電動式塵芥収集車が実用化されている。
また、特許文献1記載の発明のように車両にバッテリを搭載し、そのバッテリで塵芥積込装置を駆動させる技術もある。
ここで、塵芥収集車市場は自動車と比較するときわめて小さく、自動車ディーラーのような整備インフラが整っていないため、現状ではユーザが独自でメンテナンスを実施したり、付近の個人経営等の整備工場でメンテナンスを実施したりしている。このように塵芥収集車は不特定多数の人間が整備を行うため、電動式塵芥収集車のバッテリ電圧は死亡事故の可能性の無い電圧(DC42V以下)、もしくは健常者が触れただけでは死亡の危険性が低い電圧(DC100V以下)にすることが安全上好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−329871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、塵芥積込装置における塵芥の圧縮工程においては、塵芥積込装置を駆動するモータには高トルクが必要になるためバッテリ電圧を低くする場合には大電流を短時間に放電することになる。例えば2トンプレス車の場合には400A以上の大電流が放電される。
このような大電流の放電は鉛バッテリの場合、その劣化を早めてしまう。そして、塵芥収集車においては塵芥の圧縮工程が定期的に行なわれるため大電流の放電回数が多くバッテリ劣化が著しいという問題がある。
【0005】
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、塵芥積込装置の駆動源となるバッテリの低電圧化による安全確保を可能にするとともにバッテリの長寿命化を可能にする塵芥収集車の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、塵芥投入箱に投入された塵芥を塵芥収容箱に積込む塵芥収集車において、
前記塵芥投入箱内の塵芥を圧縮する圧縮工程と、該圧縮工程で圧縮された塵芥を前記塵芥収容箱に積込む積込工程とを含む所定の塵芥積込サイクルを実行する塵芥積込装置と、
前記塵芥積込装置を駆動する電動モータと、
前記電動モータに電力を供給するリチウムイオンバッテリとを備えることを特徴とする塵芥収集車である。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記リチウムイオンバッテリは、前記塵芥収容箱の下に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の塵芥収集車である。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記リチウムイオンバッテリは、断熱材を介して車体フレーム又は前記塵芥収容箱に固定されていることを特徴とする請求項2に記載の塵芥収集車である。
【0009】
請求項4記載の発明は、走行用のエンジンと、
前記リチウムイオンバッテリと異なる電圧の走行用の鉛バッテリと、
前記エンジンの動力を取り出して前記油圧ポンプを駆動するPTO装置と、
前記PTO装置又は前記電動モータにより駆動され、前記塵芥積込装置を駆動する油圧ポンプと、
前記油圧ポンプにより加圧された作動油の前記塵芥積込装置に対する出力を制御して前記塵芥積込装置の動作を制御する制御装置と、
前記リチウムイオンバッテリの電圧を前記制御装置の入力電源電圧範囲に変換するコンバータとを備え、
前記油圧ポンプが前記PTO装置により駆動される時、前記制御装置は前記鉛バッテリを電源とし、
前記油圧ポンプが前記電動モータにより駆動される時、前記制御装置は前記コンバータを介して前記リチウムイオンバッテリを電源とすることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載の塵芥収集車である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、リチウムイオンバッテリは、鉛バッテリに比して大電流を放電しても劣化しにくい特性ゆえに定期的な大電流の放電にも耐えられ、出力電力を低下させずにバッテリの低電圧化を可能にする。
また、リチウムイオンバッテリには、浅い充放電を繰り返すことでバッテリが劣化する「メモリー効果」が無いという特長があり、短時間で充放電を繰り返す環境で使用する場合でも他のバッテリのように急激に劣化することはない。加えて、リチウムイオンバッテリは、サイクル寿命も他のバッテリより長寿命である。
したがって、本発明によれば、塵芥積込装置の駆動源となるバッテリの低電圧化による安全確保を可能にするとともにバッテリの長寿命化を可能にするという効果がある。
【0011】
塵芥収集車においては様々なゴミを圧縮して積込むため、スプレー缶等発火の危険性のあるゴミが安全に処理されていない場合、最悪火災事故が発生する可能性がある。
一方、リチウムイオンバッテリは、その電解液が有機溶媒であるため、異常発熱時には発火する虞がある。
しかし、請求項2記載の発明によれば、リチウムイオンバッテリを塵芥収容箱の下に配置するので、塵芥収容箱からの熱が伝わりづらくなる。具体的には、塵芥収容箱内で暖かい空気は上部にこもるため、塵芥収容箱内の高温部からリチウムイオンバッテリが遠くなり、リチウムイオンバッテリの発火現象が抑制されるとともにリチウムイオンバッテリの劣化を防止することができるという効果がある。
【0012】
また請求項3記載の発明によれば、リチウムイオンバッテリは断熱材を介して車体フレーム又は塵芥収容箱に固定されているので、塵芥収容箱内の火災時に車体フレーム又は塵芥収容箱からの熱が断熱材で遮断され、リチウムイオンバッテリの発火現象が抑制されるとともにリチウムイオンバッテリの劣化が防止されるという効果がある。
【0013】
また請求項4記載の発明によれば、走行用のエンジンの動力をPTO装置により取り出して塵芥積込装置の油圧ポンプを駆動する場合に、塵芥積込装置の制御装置は鉛バッテリを電源とする一方、リチウムイオンバッテリを電源とする電動モータにより塵芥積込装置の油圧ポンプを駆動する場合には、塵芥積込装置の制御装置はコンバータを介してリチウムイオンバッテリを電源とするので、塵芥積込装置の電気駆動時にはその制御装置をリチウムイオンバッテリにより動作させることができ、鉛バッテリの負荷を軽減し、鉛バッテリの劣化を防止し、長寿命化を図ることができるという効果がある。また、塵芥積込装置の電気駆動時には、騒音対策により走行用のエンジンは停止されるから、鉛バッテリのバッテリあがりを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る塵芥収集車の概略側面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る塵芥収集車の概略平面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る塵芥収集車に搭載される塵芥積込装置の駆動・制御系のシステム構成図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る塵芥収集車に搭載されるリチウムイオンバッテリの搭載構造を示す断面模式図である。
【図5】(a)は、本発明の一実施形態に係る塵芥収集車に搭載されるリチウムイオンバッテリの搭載構造例を示す断面図である。(b)は、図(a)におけるボルト締結部分の拡大図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る電動システムの起動処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係る電動システムの停止処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係るリチウムイオンバッテリの充電制御の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係るPTOシステムの起動処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の一実施形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
【0016】
図1に示すように本実施形態の塵芥収集車1は、塵芥収容箱2と、塵芥投入箱3と、塵芥積込装置4とを備える。
塵芥収容箱2は、車体フレーム5上にサブフレーム6を介して搭載されている。塵芥投入箱3は、塵芥収容箱2の後端開口部に連結され、塵芥収容箱2の後端開口と塵芥投入箱3の内部空間とが連通している。
塵芥積込装置4は、塵芥投入箱3内に構成されている。塵芥積込装置4としては、周知のように、塵芥投入箱3の底部3aに投入され保持された塵芥を圧縮する圧縮工程と、該圧縮工程で圧縮された塵芥を塵芥収容箱2に積込む積込工程とを含む所定の塵芥積込サイクルを実行するものである。周知のように一例としては、塵芥積込装置4は下部に回転パネルを、上部に押込パネルを備える。押込パネルは前後に揺動する。上記圧縮工程を回転パネルにより行い、上記積込工程を押込パネルにより行う方式のものがある。他の一例としては、上下動及び回動するパネルにより上記圧縮工程及び上記積込工程を行う方式のものがある。塵芥積込装置4としていずれの方式のものを適用しても良いし、他の方式のものを適用してもよい。圧縮工程において塵芥積込装置4は顕著に大きな出力を要するので、塵芥積込装置4をバッテリの電力で駆動する場合には、大電流の放電を要する。これをリチウムイオンバッテリ8で賄う。
【0017】
図1及び図2により示すように塵芥収集車1は、塵芥積込装置4を駆動する電動モータ7と、電動モータ7に電力を供給するリチウムイオンバッテリ8とを備える。
本実施形態においては、塵芥積込装置4を油圧駆動式とするため、電動モータ7は直接的には塵芥積込装置4の油圧ポンプ9を駆動し、油圧ポンプ9を介して塵芥積込装置4を駆動する。
リチウムイオンバッテリ8を納めるバッテリボックス14内には、電動モータ7の駆動電流を生成するインバータ内蔵コントローラ13が搭載されている。
【0018】
図2に示すように塵芥収集車1は、走行用のエンジン10と、走行用の鉛バッテリ11と、PTO装置12とを備える。
さらに詳しくは図3に示すように塵芥収集車1は、トランスミッション15と、車両側ECU16と、操作スイッチ17と、DC−DCコンバータ18と、バッテリコントロールユニット19と、充電器20とを備える。
【0019】
PTO装置12は、トランスミッション15を介してエンジン10の回転動力の一部を取り出して油圧ポンプ9を回転駆動する。
PTO装置12、電動モータ7及び油圧ポンプ9の各回転部は、動力伝達可能に連結される。本実施形態においては、PTO装置12、電動モータ7及び油圧ポンプ9の動力伝達軸が一直線状で、PTO装置12と油圧ポンプ9との間に電動モータ7を配置した形態を示すが、本発明の実施のためにはこの形態に限られない。特許文献1に示されるような油圧ポンプと電動モータとが並列的に配置される形態など他のいかなる形態でも構わない。油圧ポンプ9をPTO装置12でも駆動でき、電動モータ7でも駆動できる構成であれば足りる。
【0020】
バッテリコントロールユニット19は、リチウムイオンバッテリ8のセル電圧が平衡になるように制御する。またバッテリコントロールユニット19は、電圧、電流、セル温度の計測を行い、バッテリの異常を検出する。
インバータ内蔵コントローラ13は、リチウムイオンバッテリ8の直流出力を、電動モータ7を駆動するための所定の交流に変換して電動モータ7に出力し、電動モータ7を回転駆動する。
PTO装置12の停止時において、電動モータ7の回転出力により油圧ポンプ9が回転駆動される。油圧ポンプ9は、塵芥積込装置4に構成された圧油路に作動油を圧送する。
塵芥積込装置4には、回転パネル等の可動パネルを駆動する油圧モータや油圧シリンダ等の油圧動力装置と、圧油路から油圧動力装置への油圧出力を制御する電磁駆動式の各ソレノイドバルブ4aとが構成されている。
【0021】
車両側ECU16は、塵芥収集車1の各部を制御する制御装置であり、塵芥積込装置4の動作を制御する制御装置を兼ねている。
車両側ECU16は、操作スイッチ17からの始動命令等の操作入力に従って、トランスミッション15又はインバータ内蔵コントローラ13に指令を与えて、PTO装置12又は電動モータ7により油圧ポンプ9を動作させる。その上で車両側ECU16は、塵芥積込装置4の各ソレノイドバルブ4aの開閉動作を制御して油圧ポンプ9からの作動油の塵芥積込装置4に対する出力を制御することで、塵芥積込装置4の動作を制御し上述の塵芥積込サイクルを実行させる。
【0022】
リチウムイオンバッテリ8は、電動システムEPSによって塵芥積込装置4が駆動されるときに使用される動力用及び制御用電源であり、塵芥積込装置4をエンジン駆動する際には使用しない。充電はバッテリと共に搭載される充電器20を使用してAC100VもしくはAC200V電源を外部から充電器20に接続して行う。
【0023】
鉛バッテリ11は、車体フレーム5に搭載されている走行用の汎用バッテリで、車両のエンジン10の駆動・制御に使用される電源であり、PTO装置12により塵芥積込作業を行う際にも車両側ECU16の電源として使用される。
電動システムEPSによって塵芥積込装置4を駆動することを主とし、PTO装置12による塵芥積込装置4の駆動システムは、リチウムイオンバッテリ8がバッテリ切れとなり、電動システムEPSが動作できなくなった時に、電動システムEPSからPTO装置12による駆動システムに切り替えて塵芥積込装置4による積込作業を継続するために使用する。
【0024】
本実施形態においては、鉛バッテリ11の電圧は24Vであり、リチウムイオンバッテリ8の電圧は36Vである。
DC−DCコンバータ18によりリチウムイオンバッテリ8の電圧を車両側ECU16の入力電源電圧範囲(本実施形態では24V)に変換して車両側ECU16に供給する。
上述したように油圧ポンプ9がPTO装置12により駆動される時は、リチウムイオンバッテリ8のバッテリ切れの時が主なので、車両側ECU16は鉛バッテリ11を電源として動作させるが、油圧ポンプ9が電動モータ7により駆動される時は、車両側ECU16はDC−DCコンバータ18を介してリチウムイオンバッテリ8を電源として動作させる。
【0025】
次に、リチウムイオンバッテリ8の搭載構造につき、図4,図5を参照して説明する。
リチウムイオンバッテリ8は、塵芥収容箱2の下に配置される。リチウムイオンバッテリ8は、断熱材を介して車体フレーム5又は塵芥収容箱2に固定される。本実施形態においては、リチウムイオンバッテリ8を車体フレーム5に固定する場合を示す。
図4に示すように、断熱材21を介してL字フレーム22の一端部が車体フレーム5に固定され、断熱材22を介してL字フレーム22の他端部がバッテリボックス14の底部に固定される。これにより、バッテリボックス14及びこれに納められたリチウムイオンバッテリ8は、塵芥収容箱2の下に配置され、塵芥収容箱2と距離を置いて配置される。したがって、塵芥収容箱2内の塵芥の発火の際にも、リチウムイオンバッテリ8への熱伝動が軽減される。
リチウムイオンバッテリ8を塵芥収容箱2に固定する場合も、バッテリボックス14及びリチウムイオンバッテリ8を塵芥収容箱2の下に配置し、塵芥収容箱2と距離を置いて配置するとともに、塵芥収容箱2への取付部においても断熱材により熱伝導を遮断することが好ましい。
【0026】
リチウムイオンバッテリ8の搭載構造のさらに具体的な構成を図5に示した。
図5に示す搭載構造例においては、L字フレーム22の一端部は、車体フレーム5と断熱材押え部材24との間に配置され、車体フレーム5との間に断熱材21aが介装され、断熱材押え部材24との間に断熱材21bが介装されて、ボルトナット25により締結固定される。
一方、バッテリボックス14の底板部26は、L字フレーム22の他端部と断熱材押え部材27との間に配置され、L字フレーム22の他端部との間に断熱材23aが介装され、断熱材押え部材27との間に断熱材23bが介装されて、ボルトナット28により締結固定される。
【0027】
次に、図6〜図9を参照してシステム制御例につき説明する。
まず、図6を参照して電動システムEPSの起動処理の流れにつき説明する。
図6に示すように車両側ECU16は、電動システムEPSの起動スイッチがONとされたか否か判断する(ステップS1)。
電動システムEPSの起動スイッチがONとされたら(ステップS1でYES)、バッテリ8が充電中か否か判断する(ステップS2)。
バッテリ8が充電中でなければ(ステップS2でNO)、バッテリコントロールユニット19の検出信号に基づき、バッテリ8にセル電圧の不均衡や高温等の異常が有るか判断する(ステップS3)。
バッテリ8に異常が無ければ(ステップS3でNO)、インバータ内蔵コントローラ13に故障等の異常が有るか判断する(ステップS4)。
インバータ内蔵コントローラ13に異常が無ければ(ステップS4でNO)、インバータ内蔵コントローラ13のレディ処理を行い、インバータ内蔵コントローラ13のレディ処理が完了したら(ステップS5でYES)、電動モータ7の回転数がゼロか否か判断する(ステップS6)。
電動モータ7の回転数がゼロであれば(ステップS6でYES)、PTO装置12がONか否か判断する(ステップS7)。
PTO装置12がOFFであれば(ステップS7でNO)、電動システムEPSを起動する。
【0028】
次に、図7を参照して電動システムEPSの停止処理の流れにつき説明する。
図7に示すように車両側ECU16は、電動システムEPSの起動スイッチがOFFとされたか否か判断する(ステップS11)。
電動システムEPSの起動スイッチがOFFとされたら(ステップS11でYES)、インバータ内蔵コントローラ13が出力動作中であるか否か判断する(ステップS12)。
インバータ内蔵コントローラ13が出力動作中でなければ(ステップS12でNO)、そのまま電動システムEPSを停止状態に保持し、インバータ内蔵コントローラ13が出力動作中であれば(ステップS12でYES)、これを強制停止してから(ステップS13)、そのまま電動システムEPSを停止状態に保持して、再起動に備える。
【0029】
次に、図8を参照してリチウムイオンバッテリ8の充電制御の流れにつき説明する。
なお、リチウムイオンバッテリ8の充電制御装置が、車両側ECU16又はバッテリコントロールユニット19に構成される。
図8に示すように充電制御装置は、充電スイッチがONとされたか否か判断する(ステップS21)。
充電スイッチがONとされなければ(ステップS21でNO)、充電器20をOFFに維持し(ステップS26)、充電スイッチがONとされたら(ステップS21でYES)、電動モータ7を駆動中か否か判断する(ステップS22)。
電動モータ7を駆動中であれば(ステップS22でYES)、充電器20をOFFに維持し(ステップS26)、電動モータ7を駆動中でなければ(ステップS22でNO)、充電器20に付設されたコンセントに外部供給電源が接続されたか否か判断する(ステップS23)。
充電器20に付設されたコンセントに外部供給電源が接続されなければ(ステップS23でNO)、充電器20をOFFに維持し(ステップS26)、充電器20に付設されたコンセントに外部供給電源が接続されれば(ステップS3でYES)、充電器20をONにして充電を実行する(ステップS24)。
その後、満充電(ステップS27でYES)まで、バッテリ8に異常が有るか否かをバッテリコントロールユニット19の検出信号に基づき監視し(ステップS25)、あれば充電器20をOFFにする(ステップS26)。
バッテリ8に異常が生じることなく満充電(ステップS27でYES)となれば、充電を終了する。
【0030】
次に、図9を参照してPTOシステムの起動処理の流れにつき説明する。
なお、PTOシステムの起動スイッチが、塵芥積込装置の操作盤と、車両側とに二重に設けられているとする。
図9に示すように車両側ECU16は、塵芥積込装置の操作盤上のPTOシステムの起動スイッチがONとされたか否か判断する(ステップS31)。
PTOシステムの起動スイッチがONとされたら(ステップS31でYES)、電動システムEPSをOFFとし(ステップS32)、エンジン10がONか否か判断する(ステップS33)。
エンジン10がONであれば(ステップS33でYES)、車両側のPTOシステムの起動スイッチがONとされたか否か判断する(ステップS34)。
車両側のPTOシステムの起動スイッチがONであれば(ステップS34でYES)、エンジン10によりPTO装置12を駆動する。
【符号の説明】
【0031】
1 塵芥収集車
2 塵芥収容箱
3 塵芥投入箱
4 塵芥積込装置
5 車体フレーム
6 サブフレーム
7 電動モータ
8 リチウムイオンバッテリ
9 油圧ポンプ
10 エンジン
11 鉛バッテリ
12 PTO装置
13 インバータ内蔵コントローラ
14 バッテリボックス
15 トランスミッション
17 操作スイッチ
18 DC−DCコンバータ
19 バッテリコントロールユニット
20 充電器
21 断熱材
22 L字フレーム
22 断熱材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵芥投入箱に投入された塵芥を塵芥収容箱に積込む塵芥収集車において、
前記塵芥投入箱内の塵芥を圧縮する圧縮工程と、該圧縮工程で圧縮された塵芥を前記塵芥収容箱に積込む積込工程とを含む所定の塵芥積込サイクルを実行する塵芥積込装置と、
前記塵芥積込装置を駆動する電動モータと、
前記電動モータに電力を供給するリチウムイオンバッテリとを備えることを特徴とする塵芥収集車。
【請求項2】
前記リチウムイオンバッテリは、前記塵芥収容箱の下に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の塵芥収集車。
【請求項3】
前記リチウムイオンバッテリは、断熱材を介して車体フレーム又は前記塵芥収容箱に固定されていることを特徴とする請求項2に記載の塵芥収集車。
【請求項4】
走行用のエンジンと、
前記リチウムイオンバッテリと異なる電圧の走行用の鉛バッテリと、
前記エンジンの動力を取り出して前記油圧ポンプを駆動するPTO装置と、
前記PTO装置又は前記電動モータにより駆動され、前記塵芥積込装置を駆動する油圧ポンプと、
前記油圧ポンプにより加圧された作動油の前記塵芥積込装置に対する出力を制御して前記塵芥積込装置の動作を制御する制御装置と、
前記リチウムイオンバッテリの電圧を前記制御装置の入力電源電圧範囲に変換するコンバータとを備え、
前記油圧ポンプが前記PTO装置により駆動される時、前記制御装置は前記鉛バッテリを電源とし、
前記油圧ポンプが前記電動モータにより駆動される時、前記制御装置は前記コンバータを介して前記リチウムイオンバッテリを電源とすることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載の塵芥収集車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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