説明

増幅器

【課題】ドレイン効率の低下を抑制することが可能な増幅器を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の増幅器200は、入力信号を2つの信号に分配する分配器14と、2つの信号のうち一方が入力する第1FETからなるキャリアアンプ10と、2つの信号のうち他方が入力する第2FETからなるピークアンプ12と、キャリアアンプ10の出力インピーダンスを変換し、キャリアアンプ10の出力信号と合成する合成器20と、を有するドハティ増幅器100と、入力信号の周波数が変化した場合、入力信号の周波数に応じて第1FET及び第2FETの少なくとも一方に供給されるゲート電圧及びドレイン電圧の少なくとも一方を変更する電圧変更部70と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、無線通信用増幅器としてドハティ増幅器が用いられている(特許文献1)。ドハティ増幅器は、キャリアアンプとピークアンプとを備えている。キャリアアンプは、入力信号を主に増幅する増幅器であり、ピークアンプは、入力信号のピークを増幅する増幅器である。例えば、キャリアアンプは、常時入力信号を増幅する。一方、ピークアンプは、入力信号が一定以上の電力の場合入力信号を増幅する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−322993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドハティ増幅器は、例えば、1/4波長位相線路、インダクタ、コンデンサ等を有するインピーダンス変換器を備える。このようなインピーダンス変換器は、高周波信号に対して周波数分散特性をもつ。これにより入力信号の中心周波数と増幅器の中心周波数とに差が生じる場合がある。これにより、増幅器のドレイン効率が低下する場合がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、ドレイン効率の低下を抑制することが可能な増幅器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、入力信号を2つの信号に分配する分配器と、前記2つの信号のうち一方が入力する第1FETからなるキャリアアンプと、前記2つの信号のうち他方が入力する第2FETからなるピークアンプと、前記キャリアアンプの出力インピーダンスを変換し、前記キャリアアンプの出力信号と合成する合成器と、を有するドハティ増幅器と、前記入力信号の周波数が変化した場合、前記入力信号の周波数に応じて前記第1FET及び前記第2FETの少なくとも一方に供給されるゲート電圧及びドレイン電圧の少なくとも一方を変更する電圧変更部と、を備えることを特徴とする増幅器である。本発明によれば、ドレイン効率の低下を抑制することができる。
【0007】
上記構成において、前記電圧変更部は、前記入力信号の周波数が変化した場合、前記第1FETに供給されるゲート電圧及びドレイン電圧を変更せず、前記入力信号の周波数に応じて前記第2FETに供給されるゲート電圧及びドレイン電圧のうち少なくとも一方を変更する構成とすることができる。
【0008】
上記構成において、前記電圧変更部は、前記入力信号の周波数が変化した場合、前記第1FETに供給されるドレイン電圧を変更せず、前記入力信号の周波数に応じて前記第2FETに供給されるドレイン電圧を増加させる構成とすることができる。これにより、ドレイン効率へ与える影響を抑えることができる。
【0009】
上記構成において、前記入力信号の周波数と、前記電圧変更部が前記入力信号の周波数に応じて変更する前記第1FET及び前記第2FETの少なくとも一方に供給されるゲート電圧及びドレイン電圧の少なくとも一方と、を関連付けたテーブルを記憶する記憶部を有し、前記電圧変更部は、前記入力信号の周波数が変化した場合、前記テーブルに基づいて、前記入力信号の周波数に応じて前記第1FET及び前記第2FETの少なくとも一方に供給されるゲート電圧及びドレイン電圧の少なくとも一方を変更する構成とすることができる。
【0010】
上記構成において、前記記憶部を有し、前記ドハティ増幅器の出力信号の歪みを補償する歪み補償部を備える構成とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、増幅器の増幅特性や電力効率特性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、実施例1に係るドハティ増幅器の回路図である。
【図2】図2は、ドハティ増幅器の出力電力に対するドレイン効率の変化の一例を示すグラフである。
【図3】図3は、実施例1に係る増幅器の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図4は、実施例1に係る電圧変更部の処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、実施例2に係る増幅器の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、実施例1に係る増幅器が備えるドハティ増幅器の回路図である。図1のように、ドハティ増幅器100は、キャリアアンプ10、ピークアンプ12、分配器14及び合成器20を備えている。分配器14は、入力端子16に入力した入力信号を2つの信号に分配する。分配器14は、例えば入力信号を均等に2つの信号に分配する。キャリアアンプ10は、2つの信号のうち一方が入力する第1FETからなり、入力信号を主に増幅する。ピークアンプ12は、2つの信号のうち他方が入力する第2FETからなり、入力信号のピークを増幅する。合成器20は、キャリアアンプ10とピークアンプ12との出力を合成するノード、1/4波長位相線路22を備えている。1/4波長位相線路22はキャリアアンプ10の後段に接続されている。1/4波長位相線路26は、キャリアアンプ10とピークアンプ12との出力を合成するノードの後段に接続されている。合成器20は、キャリアアンプ10の出力インピーダンスを変換し、キャリアアンプ10の出力信号と合成する。合成器20から出力した信号は出力端子18から出力される。1/4波長位相線路24は、ピークアンプ12の前段に接続されている。
【0015】
1/4波長位相線路22は、キャリアアンプ10のみが動作するような電力では、キャリアアンプ10の出力に付加される負荷が出力端子18に付加される負荷の2倍となるようにインピーダンス変換する。また、キャリアアンプ10とピークアンプ12とが動作するような電力では、キャリアアンプ10及びピークアンプ12のそれぞれの出力に付加される負荷が出力端子18に付加される負荷となるようにインピーダンス変換する。1/4波長位相線路24は、キャリアアンプ10側に挿入した1/4波長位相線路22に起因したキャリアアンプ10とピークアンプ12との位相差を補償するための線路である。1/4波長位相線路26は、キャリア増幅器10とピーク増幅器12との出力を合成するノードのインピーダンスと後段の特性を整合させている。
【0016】
キャリアアンプ10は、例えばA級又はAB級アンプであり、分配器14が分配した信号を常に増幅する。一方、ピークアンプ12は、例えばC級アンプであり、分配器14が分配した信号が所定の電力以上の信号を増幅する。
【0017】
図2は、ドハティ増幅器の出力電力に対するドレイン効率の変化の一例を示すグラフである。図2のように、出力電力が飽和出力の場合、キャリアアンプ10とピークアンプ12とが飽和電力となる。よって、ドレイン効率が最大となる。一方、出力電力が飽和出力から6dBバックオフした出力では、キャリアアンプ10のみが飽和電力となり、ピークアンプ12は増幅していない。この場合もドレイン効率は最大となる。このように、ドハティ増幅器は、ドレイン効率が最大となる出力電力が2箇所あるため、ドレイン効率が高い出力電力の範囲を大きくできる。例えば、デジタル変調信号用のパワーアンプでは、線形性を保つため飽和出力から5dB〜8dBバックオフした出力電力で動作させることが多い。ドハティ増幅器は、バックオフして使用する場合に図2のようにドレイン効率を向上させることができる。
【0018】
図3は、実施例1に係る増幅器の構成の一例を示すブロック図である。図3のように、増幅器200は、デジタル信号発生器40、デジタル信号歪補償器(Digital Pre−Distortion;DPD)42、デジタル−アナログ変換器(Digital Analog Converter;DAC)44、アップコンバータ46、信号発生器50、アンプ48、ドハティ増幅器100、ゲート電圧供給回路30及び34、ドレイン電圧供給回路32及び36、方向性結合器52、バンドパスフィルタ58、アンテナ60、ダウンコンバータ54、アナログ−デジタル変換器(Analog Digital Converter;ADC)56、並びに、電圧変更部70を有する。
【0019】
デジタル信号発生器40は、デジタル信号であるベースバンド信号を発生させて、DPD42に出力する。DPD42は、ドハティ増幅器100が信号を増幅する際に生じる歪を補償する。DPD42は、ドハティ増幅器100の歪特性を補償する演算を行うために、ベースバンド信号に応じた歪を補償するための補償値を、内部に設けられたメモリ等の記憶部43のテーブル45に記憶する。DPD42は、テーブル45に基づいて、ベースバンド信号の歪を補償するデジタル信号を出力する。DAC44は、DPD42が出力したデジタル信号をアナログ信号に変換する。アップコンバータ46は、DAC44が出力したアナログ信号を、信号発生器50が出力する信号の周波数に変換し、RF信号とする。アンプ48は、アップコンバータ46が出力するRF信号を増幅して、ドハティ増幅器100へ出力する。
【0020】
ドハティ増幅器100は、アンプ48の出力をさらに増幅して出力する。図3におけるドハティ増幅器100の構成は、図1と同様のため、説明を省略する。キャリアアンプ10が有する第1FETのゲート及びドレインには、それぞれバイアス電圧を供給するゲート電圧供給回路30及びドレイン電圧供給回路32が接続される。ピークアンプ12が有する第2FETのゲート及びドレインには、それぞれバイアス電圧を供給するゲート電圧供給回路34及びドレイン電圧供給回路36が接続される。方向性結合器52は、ドハティ増幅器100の出力を2つの信号に分配する。2つの信号のうち一方は、バンドパスフィルタ58を通過して、所定の周波数の信号成分が抽出され、アンテナ60に出力される。2つの信号のうち他方は、ダウンコンバータ54にてベースバンド信号の周波数に変換され、ADC56にてデジタル信号に変換され、DPD42へフィードバックされる。これにより、ドハティ増幅器100の歪特性が補償される。
【0021】
電圧変更部70は、ドハティ増幅器100への入力信号(以下、入力信号)であるRF信号の周波数が変化した場合、記憶部43が記憶するテーブル45に基づいて、入力信号の周波数に応じて第1FET及び第2FETの少なくとも一方に供給されるゲート電圧及びドレイン電圧の少なくとも一方を変更する。ここで、テーブル45には、入力信号であるRF信号の周波数と、電圧変更部70がRF信号の周波数に応じて変更する第1FET及び第2FETの少なくとも一方に供給されるゲート電圧及びドレイン電圧の少なくとも一方と、が関連付けられている。例えば、RF信号の所定の周波数に対して、ドレイン効率が所定の値以上となる第1FET及び第2FETの少なくとも一方に供給されるゲート電圧及びドレイン電圧の少なくとも一方をあらかじめ測定した結果をテーブル45に記憶しておくとする。この場合、電圧変更部70が、テーブル45に基づいて、第1FET及び第2FETの少なくとも一方に供給されるゲート電圧及びドレイン電圧の少なくとも一方を変更することにより、ドレイン効率が所定の値以上となるようにすることができる。よって、ドレイン効率の低下を抑制することができる。
【0022】
図4は、実施例1に係る電圧変更部70の処理の一例を示すフローチャートである。図4のように、電圧変更部70は、入力信号であるRF信号の周波数が変化したか否かを判定する(ステップS10)。例えば、電圧変更部70は、信号発生器50の周波数を所定の周期で取得して、RF信号の周波数が変化したか否かを判定する。RF信号の周波数が変化しなかった場合(ステップS10のNo)、処理を終了する。RF信号の周波数が変化した場合(ステップS10のYes)、電圧変更部70は、テーブル45から第1FET及び第2FETの少なくとも一方に供給されるゲート電圧及びドレイン電圧の少なくとも一方の電圧値を取得する(ステップS12)。電圧変更部70は、ステップS12で取得した電圧値を、デート電圧供給回路30及び34並びにドレイン電圧供給回路32及び36のいずれかに設定して、第1FET及び第2FETの少なくとも一方に供給されるゲート電圧及びドレイン電圧の少なくとも一方の電圧値を変更する(ステップS14)。以上で処理を終了する。
【0023】
実施例1において、電圧変更部70が、入力信号であるRF信号の周波数が変化した場合、記憶部43が記憶するテーブル45に基づいて、入力信号の周波数に応じて第1FET及び第2FETの少なくとも一方に供給されるゲート電圧及びドレイン電圧の少なくとも一方を変更する例を説明した。例えば、入力信号であるRF信号の周波数が変化したことにより、ピークアンプ12のドレイン電流が大きくなった場合、第2FETに供給されるゲート電圧を変更して、ピークアンプ12のドレイン電流を小さくする。逆に、ピークアンプ12のドレイン電流が小さくなった場合、第2FETに供給されるゲート電圧を変更して、ピークアンプ12のドレイン電流を大きくする。これにより、ドレイン効率の低下を抑制することができる。例えば、入力信号であるRF信号の周波数が変化したことにより、キャリアアンプ10のドレイン電流が大きくなった場合、第1FETのゲート電圧を調整して、キャリアアンプ10のドレイン電流を小さくする。逆に、キャリアアンプ10のドレイン電流が小さくなった場合、第1FETに供給されるゲート電圧を変更して、キャリアアンプ10のドレイン電流を大きくする。これにより、ドレイン効率の低下を抑制することができる。例えば、入力信号であるRF信号の周波数が変化したことにより、飽和出力が低下する場合、第1FET及び第2FETのドレイン電圧を増加させる。これにより、飽和出力の低下を防ぐことができる。
【0024】
実施例1において、電圧変更部70は、入力信号の周波数が変化した場合、第1FETに供給されるゲート電圧及びドレイン電圧を変更せず、入力信号の周波数に応じて第2FETに供給されるゲート電圧及びドレイン電圧のうち少なくとも一方を変更するようにしてもよい。また、電圧変更部70は、入力信号の周波数が変化した場合、第1FETに供給されるドレイン電圧を変更せず、第2FETに供給されるドレイン電圧を増加させるようにしてもよい。この場合、第1FET及び第2FETに供給されるゲート電圧を変更しない方が好ましい。ピークアンプ12に流れるドレイン電流は、キャリアアンプ10のドレイン電流と比較して小さいため、ピークアンプ12のドレイン電圧だけを増加させることにより、増幅器全体の消費電力の増加を抑えることができる。よって、ドレイン効率へ与える影響を抑えることができる。
【0025】
実施例1において、電圧変更部70が、入力信号の周波数に応じて第1FET及び第2FETの少なくとも一方に供給されるゲート電圧及びドレイン電圧の少なくとも一方を変更する条件は、例えば、ドハティ増幅器100が、中心周波数が2.14GHzとなるように設計されているとすると、RF信号の周波数が、比帯域が3%である帯域幅(=約64MHz)より大きくなるように変化した場合である。すなわち、RF信号の周波数が2108MHzより小さい又は2172MHzより大きい場合である。入力信号の周波数は、増幅器の中心周波数に対して比帯域が例えば3%程度の帯域内であると、良好な増幅特性や電力効率特性が得られやすい。入力信号の周波数が、増幅器の中心周波数に対して比帯域が3%である帯域を超える場合に、第1FET及び第2FETの少なくとも一方に供給されるゲート電圧及びドレイン電圧の少なくとも一方を変更することにより、ドレイン効率の低下を抑制することができる。
【0026】
実施例1において、入力信号の周波数と、電圧変更部70が入力信号の周波数に応じて変更する第1FET及び第2FETの少なくとも一方に供給されるゲート電圧及びドレイン電圧の少なくとも一方と、を関連付けたテーブル45がDPD42の記憶部に記憶される例を説明した。DPD42以外の構成がテーブル45を記憶してもよい。電圧変更部70が内部にテーブル45を記憶してもよい。テーブル45に記憶される内容は、あらかじめ測定した結果でもよい。テーブル45に記憶される内容は、動的に更新されてもよい。
【0027】
実施例1において、記憶部43を有し、ドハティ増幅器100の出力信号の歪みを補償する歪み補償部であるDPD42を備える例を説明した。この場合、DPD42の記憶部43に、電圧変更部70が利用するテーブルを記憶することができるため、新たに記憶部を設ける必要がない。よって、コストを低減することができる。
【実施例2】
【0028】
図5は、実施例2に係る増幅器の構成の一例を示すブロック図である。図5に示す増幅器300は、図3に示す増幅器200に対して、バンドパスフィルタ58及びアンテナ60の代わりに、スイッチ62、バンドパスフィルタ64及び65並びにアンテナ66及び67を備える点が異なる。また、記憶部43が、テーブル45の代わりに、テーブル47及び49を記憶する点が異なる。以下、それらの差異について説明する。
【0029】
図5のように、スイッチ62は、方向性結合器52から入力される信号の出力先を周波数帯に応じて切り替える。例えば、増幅器300をW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)の基地局に使用する場合、スイッチ62は、信号の周波数が1.8〜1.85GHz帯(以下、周波数帯1)の場合、信号をバンドパスフィルタ64に出力する。スイッチ62は、信号の周波数が2.11〜2.17GHz帯(以下、周波数帯2)の場合、信号をバンドパスフィルタ65に出力する。バンドパスフィルタ64及び65は、所定の周波数の信号成分を抽出して、それぞれアンテナ66及び67に出力する。
【0030】
記憶部43は、テーブル47及び49を記憶する。テーブル47及び49は、それぞれ周波数帯1及び2の信号の歪補償処理を行うためのテーブルである。DPD42は、ドハティ増幅器100への入力信号(以下、入力信号)であるRF信号の周波数が周波数帯1及び2のいずれであるかを判定して、判定結果に応じて、歪補償処理を行うためのテーブルを切り替える。
【0031】
電圧変更部70は、入力信号であるRF信号の周波数が変化した場合、記憶部43が記憶するテーブル47及び49に基づいて、入力信号の周波数に応じて第1FET及び第2FETの少なくとも一方に供給されるゲート電圧及びドレイン電圧の少なくとも一方を変更する。ここで、テーブル47及び49には、それぞれ周波数帯1及び2のRF信号の周波数と、電圧変更部70がRF信号の周波数に応じて変更する第1FET及び第2FETの少なくとも一方に供給されるゲート電圧及びドレイン電圧の少なくとも一方と、が関連付けられている。電圧変更部70は、RF信号の周波数帯に応じて、参照するテーブルを切り替えて、第1FET及び第2FETの少なくとも一方に供給されるゲート電圧及びドレイン電圧の少なくとも一方を変更する。
【0032】
実施例2において、電圧変更部70は、RF信号の周波数帯に応じて、参照するテーブルを切り替えて、第1FET及び第2FETの少なくとも一方に供給されるゲート電圧及びドレイン電圧の少なくとも一方を変更する例を説明した。これにより、ドレイン効率の低下を抑制することができる。
【0033】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0034】
10 キャリアアンプ
12 ピークアンプ
14 分配器
20 合成器
70 電圧変更部
100 ドハティ増幅器
200、300 増幅器



【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号を2つの信号に分配する分配器と、前記2つの信号のうち一方が入力する第1FETからなるキャリアアンプと、前記2つの信号のうち他方が入力する第2FETからなるピークアンプと、前記キャリアアンプの出力インピーダンスを変換し、前記キャリアアンプの出力信号と合成する合成器と、を有するドハティ増幅器と、
前記入力信号の周波数が変化した場合、前記入力信号の周波数に応じて前記第1FET及び前記第2FETの少なくとも一方に供給されるゲート電圧及びドレイン電圧の少なくとも一方を変更する電圧変更部と、
を備えることを特徴とする増幅器。
【請求項2】
前記電圧変更部は、前記入力信号の周波数が変化した場合、前記第1FETに供給されるゲート電圧及びドレイン電圧を変更せず、前記入力信号の周波数に応じて前記第2FETに供給されるゲート電圧及びドレイン電圧のうち少なくとも一方を変更することを特徴とする請求項1に記載の増幅器。
【請求項3】
前記電圧変更部は、前記入力信号の周波数が変化した場合、前記第1FETに供給されるドレイン電圧を変更せず、前記入力信号の周波数に応じて前記第2FETに供給されるドレイン電圧を増加させることを特徴とする請求項1に記載の増幅器。
【請求項4】
前記入力信号の周波数と、前記電圧変更部が前記入力信号の周波数に応じて変更する前記第1FET及び前記第2FETの少なくとも一方に供給されるゲート電圧及びドレイン電圧の少なくとも一方と、を関連付けたテーブルを記憶する記憶部を有し、
前記電圧変更部は、前記入力信号の周波数が変化した場合、前記テーブルに基づいて、前記入力信号の周波数に応じて前記第1FET及び前記第2FETの少なくとも一方に供給されるゲート電圧及びドレイン電圧の少なくとも一方を変更することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の増幅器。
【請求項5】
前記記憶部を有し、前記ドハティ増幅器の出力信号の歪みを補償する歪み補償部を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の増幅器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−34134(P2012−34134A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171092(P2010−171092)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000154325)住友電工デバイス・イノベーション株式会社 (291)
【Fターム(参考)】