説明

壁パネル

【課題】カーテンウォールとして利用可能な中空孔が複数形成された板状の壁パネルを提供すること。
【解決手段】カーテンウォール1は、中空孔11が複数形成された板状のコンクリート製のパネル本体10と、このパネル本体10に設けられたパネル側ファスナー20、30と、を備える。パネル本体10には、パネル側ファスナー20、30に干渉する中空孔が形成されていない。この発明によれば、パネル本体10のパネル側ファスナー20、30が設けられる部分の強度を確保できるから、ロッキング方式やスエイ方式などのファスナー方式を採用して、カーテンウォール1を利用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁パネルに関する。詳しくは、中空孔が複数形成された板状のコンクリート製の壁パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建物の壁材としてプレキャストコンクリートパネルを利用することが提案されている。
プレキャストコンクリートパネルは、主に工場で製造された板状の鉄筋コンクリートパネルであり、一般には、従来の鉄筋コンクリート壁と同様の材料で密実に成形される場合が多い。しかし、プレキャストコンクリートパネルについては、水密性、気密性、断熱性、耐火性、防音性といった機能の付加、軽量化、高強度化、変形追従性能の向上、あるいは施工性の向上を目的として、多くの提案がなされている。例えば、中空孔が複数形成されたプレキャストコンクリートパネルや、気泡を多く含んだ発泡コンクリートパネルなど、種々のコンクリート強度、成分、養生方法が提案されている。
【0003】
しかしながら、中空孔が複数形成されたプレキャストコンクリートパネルを建物の壁材として用いることは少なかった。これは、中空孔が複数形成されたプレキャストコンクリートパネルに支持金物を取付けた場合、プレキャストコンクリートパネルの強度に問題があり、支持金物を用いずに躯体の鉄骨に固定しても、地震時の躯体の変形に対する追従能力に限界があったからである。
【0004】
中空孔が複数形成されたプレキャストコンクリートパネルを建物の壁材として用いる場合の1つは、特許文献1に示すように、平屋の店舗や工場の壁として用いる場合である。
【0005】
この壁パネルは、板状であり、軽量化のために長さ方向に沿って複数の中空孔が形成されている。また、このパネルには、長さ方向に延びる複数のPC鋼線により、プレストレスが導入されて、高強度となっている(特許文献1参照)。この壁パネルは、アンカー筋やグラウト材などを介して基礎梁に固定されている。
この壁パネルは、建物の構造躯体を構成する耐力壁であり、仕上材として躯体の変形に対して追従することは全く期待されていない。
【0006】
中空孔が複数形成されたプレキャストコンクリートパネルを非耐力壁として用いる例としては、躯体の鉄骨に固定し、地震時の躯体の変形に対して追従させる構造も、極めて少ないが提案されている。
このようなパネルは、例えば、上下端を支持金物で躯体から支持させて、高さ方向に複数段に積み上げる。
【0007】
この支持金物は、若干のスライドは可能であるが、ロッキングは不可能となる固定度の高い方法で支持する。その理由は、従来の支持金物は、中空孔のないプレキャストコンクリートパネルに用いられるので、この従来の支持金物を利用しようとしても、プレキャストコンクリートパネルの強度に問題が生じてしまい、そのままでは使用できないからである。
【0008】
具体的には、パネルの一部の中空孔には補強筋が挿入されて、この補強筋の一端は、パネルから突出している。さらに、この補強筋が挿入された中空孔には、コンクリートが充填されて、これにより、補強筋とパネルとが一体化している。支持金物は、躯体に固定された板材であり、水平方向に延びる長孔が形成されている。
上述のパネルから突出した補強筋は、支持金物の長孔に挿通されている。
したがって、補強筋が支持金物の長孔内を移動することで、パネルがある程度水平にスライド可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−286998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
近年、このようなパネルをカーテンウォールとして機能させることが要請されている。
しかしながら、以上のように補強筋を介して水平方向にスライド可能に支持する構成では、カーテンウォールの複雑な挙動に追従することができない、という問題があった。
【0011】
本発明は、カーテンウォールとして利用可能な壁パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の壁パネルは、中空孔が複数形成された板状のコンクリート製のパネル本体と、当該パネル本体に設けられたパネル側ファスナーと、を備えた壁パネルであって、前記パネル本体には、前記パネル側ファスナーに干渉する中空孔が形成されないことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、パネル本体には、パネル側ファスナーに干渉する中空孔を形成しないので、パネル本体のパネル側ファスナーが設けられる部分の強度を確保できる。よって、ロッキング方式やスエー方式などのファスナー方式を採用して、壁パネルをカーテンウォールとして利用できる。
【0014】
請求項2に記載の壁パネルは、前記パネル本体の前記パネル側ファスナーの近傍には、格子状の補強筋が配置されていることを特徴とする。
【0015】
ここで、格子状の補強筋としては、例えば、ワイヤーメッシュがある。
この発明によれば、パネル本体のパネル側ファスナーの近傍に格子状の補強筋を配置したので、パネル側ファスナーを介してパネル本体に応力が作用しても、この応力に抵抗できる。
また、補強筋を鋼線に結束固定すれば、パネル本体のコンクリートを打設する際に、補強筋の位置がずれるのを防止できる。
【0016】
請求項3に記載の壁パネルは、前記パネル側ファスナーは、前記パネル本体の背面に沿って配置された板状のプレートと、当該プレートに固定されて前記パネル本体の内部に向かって延びる定着部と、を備えることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、パネル本体の内部に向かって延びる定着部をパネル側ファスナーに設けたので、パネル側ファスナーに引抜き力が作用しても、定着部がパネル本体に係止して、引抜き力に抵抗する。よって、パネル側ファスナーがパネル本体から脱落するのを防止できるから、ロッキング方式やスエー方式などのファスナー方式を採用して、壁パネルをカーテンウォールとして利用できる。
【0018】
請求項4に記載の壁パネルは、前記プレートの端縁のうち前記パネル本体の長さ方向と直交する部分は、前記パネル本体の背面側に向かうに従って拡がる形状であることを特徴とする。
【0019】
壁パネルは、以下の手順で製造される。まず、水平な型枠面上にパネル側ファスナーを所定位置に配置するとともに、型枠面に沿って鋼線を配置して、プレストレスを導入する。この状態で、パネル本体の長さ方向に沿ってコンクリートを打設する。
【0020】
このように、壁パネルを製造する際、水平な型枠面上にプレートを配置して、パネル本体の長さ方向に沿ってコンクリートを打設するため、プレートの端縁のうちパネル本体の長さ方向と直交する部分にコンクリートが回りにくくなり、豆板ができる場合がある。
そこで、この発明によれば、プレートの端縁のうちパネル本体の長さ方向と直交する部分を、パネル本体の背面側に向かうに従って拡がる形状とした。よって、プレートのうちパネル本体の長さ方向と直交する部分にコンクリートが回りやすくなり、豆板の発生を防止できる。
【0021】
請求項5に記載の壁パネルは、前記パネル本体には、長さ方向に延びる複数の鋼線によりプレストレスが導入され、前記定着部は、先端にスリットが形成された割ボルトと、当該割ボルトの先端に螺合されたナットと、を備え、前記パネル側ファスナーは、前記鋼線が前記割ボルトのスリットに挿通されて、この状態で前記ナットが締め付けられることにより、前記鋼線に固定されることを特徴とする。
【0022】
上述のように、水平な型枠面上にパネル側ファスナーを所定位置に配置した状態で、パネル本体のコンクリートを打設するため、流動するコンクリートに押されてパネル側ファスナーの位置がずれるおそれがある。
【0023】
そこで、この発明によれば、割ボルトおよびナットを含んで定着部を構成し、鋼線を割ボルトのスリットに挿通してナットを締め付けて、パネル側ファスナーを鋼線に固定した。鋼線の型枠に対する位置は固定されているため、パネル側ファスナーを鋼線に固定することで、パネル本体のコンクリートを打設する際に、パネル側ファスナーの位置がずれるのを防止できる。
【0024】
請求項6に記載の壁パネルは、前記割ボルトのスリットには、楔部材が嵌め込まれていることを特徴とする。
【0025】
上述のように、パネル側ファスナーに引抜き力が作用すると、ナットがパネル本体に係止して抵抗するが、このとき、割ボルトのスリット部分が変形して、割ボルトがナットから抜けてしまうそれがある。
しかしながら、この発明によれば、割ボルトのスリットに楔部材を嵌め込んだので、割ボルトのスリット部分が変形するのを抑制でき、割ボルトがナットから抜けるのを防止できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、パネル本体には、パネル側ファスナーに干渉する中空孔を形成しないので、パネル本体のパネル側ファスナーが設けられる部分の強度を確保できる。よって、ロッキング方式やスエー方式などのファスナー方式を採用して、壁パネルをカーテンウォールとして利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態に係る壁パネルであるカーテンウォールの背面図である。
【図2】前記実施形態に係るカーテンウォールの第1パネル側ファスナー部分の背面図および横断面図である。
【図3】前記実施形態に係るカーテンウォールの第1パネル側ファスナー部分の縦断面図である。
【図4】前記実施形態に係るカーテンウォールの第1パネル側ファスナーの打込み金物を背面側から視た図である。
【図5】前記実施形態に係るカーテンウォールの第1パネル側ファスナー部分の拡大横断面図である。
【図6】前記実施形態に係るカーテンウォールの第2パネル側ファスナー部分の背面図および横断面図である。
【図7】前記実施形態に係るカーテンウォールの第2パネル側ファスナー部分の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に係る壁パネルとしてのカーテンウォール1の背面図である。
カーテンウォール1は、プレキャストコンクリート製であり、鉄骨造である建物2の外周部分の躯体としての鉄骨梁3に支持される。
このカーテンウォール1は、板状のコンクリート製のパネル本体10と、このパネル本体10の下端側に設けられた一対の第1パネル側ファスナー20と、パネル本体10の上端側に設けられた一対の第2パネル側ファスナー30と、を備える。
【0029】
各鉄骨梁3には、カーテンウォール1の第1パネル側ファスナー20を支持する第1躯体側ファスナー40と、カーテンウォール1の第2パネル側ファスナー30を支持する第2躯体側ファスナー50と、が設けられている。
具体的には、第1躯体側ファスナー40は、鉛直方向(面内方向)の自由度を確保しつつ、第1パネル側ファスナー20を介して、カーテンウォール1の荷重を支持する。
また、第2躯体側ファスナー50は、鉛直方向(面内方向)および水平方向(面外方向)の自由度が確保された状態で、第2パネル側ファスナー30を支持する。
【0030】
図2および図3は、カーテンウォール1の第1パネル側ファスナー20の部分の背面図、横断面図、および縦断面図である。
パネル本体10には、軽量化のために、長さ方向に沿って複数の中空孔11が形成されている。また、このパネル本体10には、長さ方向に延びる複数の鋼線12によりプレストレスが導入されている。この鋼線12は、カーテンウォール1の正面側および背面側に2段に設けられている。
【0031】
詳しくは後述するが、このパネル本体10には、第1パネル側ファスナー20および第2パネル側ファスナー30を構成する打ち込み金物60が打ち込まれている。パネル本体10の打ち込み金物60の近傍には、2本の鋼線12Aが設けられるとともに、補強筋としてのワイヤーメッシュ13が配置されている。
【0032】
第1パネル側ファスナー20は、パネル本体10に打ち込まれた上述の打込み金物60と、この打込み金物60に固定された略L字形状のファスナー本体21と、を備える。
打込み金物60は、パネル本体10の背面に沿って設けられた平板状のプレート61と、このプレート61に溶接されてパネル本体10の内部に向かって延びる複数の定着部62と、を備える。
【0033】
図4は、打込み金物60をカーテンウォール1の背面側から視た図である。
プレート61の長さ方向両端縁つまりプレート61の端縁のうちパネル本体10の長さ方向と直交する部分61Aは、パネル本体10の背面側に向かうに従って拡がるテーパ形状となっている。
このプレート61の略中央には、2つの雌ねじ部611が形成されている。
【0034】
図5は、カーテンウォール1の第1パネル側ファスナー20の部分の拡大断面図である。
定着部62は、先端にスリット631が形成された割ボルト63と、これら割ボルト63の先端に螺合されたナット64と、を備える。
割ボルト63のスリット631には、上述の鋼線12Aが挿通されており、この状態で、スリット631に楔部材632が嵌め込まれて、ナット64が螺合されている。
【0035】
ファスナー本体21は、互いに直交するように配置された一対の片部22、23で構成される。
片部22には、長孔24が形成され、仮ボルト25を長孔24に挿通して、打込み金物60のプレート61の雌ねじ部611に螺合することにより、ファスナー本体21は、打込み金物60に固定されている。
また、片部22には、溶接用長孔26が2つ形成されている。仮ボルト25により片部22をプレート61に固定した状態で、片部22の外周および溶接用長孔26に沿って溶接を行い、片部22をプレート61に溶接する。
一方、片部23には、挿通孔27が形成されている。
【0036】
第1躯体側ファスナー40は、梁3の上フランジに固定されて外側に向かって延びるブラケット41と、このブラケット41の上面に設けられた台座プレート42と、この台座プレート42の上面から上方に延びる台座ボルト43と、この台座ボルト43に螺合されたナット44と、を備える。
台座ボルト43は、第1パネル側ファスナー20の挿通孔27に挿通されて、第1パネル側ファスナー20の片部23の下面は、ナット44の上面に当接している。
これにより、カーテンウォール1は、鉛直方向にスライド可能となっている。
また、ナット44を回転させることで、カーテンウォール1の高さを調整可能となっている。
【0037】
図6および図7は、カーテンウォール1の第2パネル側ファスナー30の部分の背面図、横断面図、および縦断面図である。
第2パネル側ファスナー30は、パネル本体10に打ち込まれた打込み金物60と、この打込み金物60に固定された平板状のファスナー本体31と、を備える。
【0038】
ファスナー本体31は、打込み金物60に沿って配置され、連結ボルト32が外側に向かって突出した状態で、固定ボルト33により、打込み金物60に固定されている。
【0039】
第2躯体側ファスナー50は、梁3の下フランジに固定されて外側に向かって延びるブラケット51と、このブラケット51に対して水平方向にスライド可能に支持された略L字形状のファスナー本体52と、を備える。
ファスナー本体52は、互いに直交するように配置された一対の片部53、54で構成される。
【0040】
片部53には、水平方向に延びるルーズホール55が形成されている。
一方、ブラケット51の下面には、鉛直方向に突出する連結ボルト56が設けられている。この連結ボルト56は、ファスナー本体52のルーズホール55に挿通されて、ナット57が締め付けられている。これにより、カーテンウォール1は、水平方向にスライド可能となっている。
【0041】
また、片部54には、鉛直方向に延びるルーズホール58が形成されている。
第2パネル側ファスナー30の連結ボルト32は、このファスナー本体52のルーズホール58に挿通されて、ナット59が締め付けられている。これにより、カーテンウォール1は、鉛直方向にスライド可能となっている。
【0042】
以上のパネル本体10は、パネル本体10の背面側を下にしてコンクリートを打設することで、製造される。
すなわち、図5に示すように、床面を型枠面とし、型枠面上の所定位置に鋼線12、12Aを水平方向に配置し、プレテンションを導入する。
次に、打込み金物60を用意し、この打込み金物60のプレート61を型枠面に載せる。そして、打込み金物60の割ボルト63の先端のスリット631の根元部分に鋼線12Aを通す。次に、スリット631に楔部材632を嵌め込み、ナット64を螺合する。これにより、鋼線12Aに対して、打込み金物60の位置が固定される。
また、鋼線12にワイヤーメッシュ13を結束固定する。
【0043】
次に、複数層に分けて、所定位置に中空孔11を形成しながら、パネル本体10の長さ方向に沿ってコンクリートを打設する。なお、打込み金物60の割ボルト63やナット64に干渉する中空孔は、形成しないこととする。
【0044】
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)パネル本体10には、パネル側ファスナー20、30に干渉する中空孔を形成しないので、パネル本体10のパネル側ファスナー20、30が設けられる部分の強度を確保できる。よって、ロッキング方式やスエイ方式などのファスナー方式を採用して、カーテンウォール1を利用できる。
【0045】
(2)パネル本体10のパネル側ファスナー20、30の打込み金物60の近傍にワイヤーメッシュ13を配置したので、パネル側ファスナー20、30を介してパネル本体10に応力が作用しても、この応力に抵抗できる。
また、ワイヤーメッシュ13を鋼線12に結束固定したので、パネル本体10のコンクリートを打設する際に、ワイヤーメッシュ13の位置がずれるのを防止できる。
【0046】
(3)パネル本体10の内部に向かって延びる定着部62をパネル側ファスナー20、30に設けたので、パネル側ファスナー20、30に引抜き力が作用しても、定着部62がパネル本体10に係止して、引抜き力に抵抗する。よって、パネル側ファスナー20、30がパネル本体10から脱落するのを防止できるから、ロッキング方式やスエー方式などのファスナー方式を採用して、カーテンウォール1を利用できる。
【0047】
(4)プレート61のうちパネル本体10の長さ方向と直交する部分をパネル本体10の背面側に向かうに従って拡がる形状とした。よって、プレート61の端縁うちパネル本体10の長さ方向と直交する部分にコンクリートが回りやすくなり、豆板の発生を防止できる。
【0048】
(5)割ボルト63およびナット64を含んで定着部62を構成し、鋼線12を割ボルト63のスリット631に挿通してナット64を締め付けて、パネル側ファスナー20、30の打込み金物60を鋼線12に固定した。鋼線12の型枠に対する位置は固定されているため、打込み金物60を鋼線12に固定することで、パネル本体10のコンクリートを打設する際に、打込み金物60の位置がずれるのを防止できる。
【0049】
(6)割ボルト63のスリット631に楔部材632を嵌め込んだので、割ボルト63のスリット部分が変形するのを抑制でき、割ボルト63がナット64から抜けるのを防止できる。
【0050】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0051】
1…カーテンウォール(壁パネル)
2…建物
3…梁(躯体)
10…パネル本体
11…中空孔
12、12A…鋼線
13…ワイヤーメッシュ(補強筋)
20…第1パネル側ファスナー
21…ファスナー本体
22、23…片部
24…長孔
25…仮ボルト
26…溶接用長孔
27…挿通孔
30…第2パネル側ファスナー
31…ファスナー本体
32…連結ボルト
33…固定ボルト
40…第1躯体側ファスナー
41…ブラケット
42…台座プレート
43…台座ボルト
44…ナット
50…第2躯体側ファスナー
51…ブラケット
52…ファスナー本体
53、54…片部
55…ルーズホール
56…連結ボルト
57…ナット
58…ルーズホール
59…ナット
60…打込み金物
61…プレート
61A…端縁
62…定着部
63…割ボルト
64…ナット
611…雌ねじ部
631…スリット
632…楔部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空孔が複数形成された板状のコンクリート製のパネル本体と、
当該パネル本体に設けられたパネル側ファスナーと、を備えた壁パネルであって、
前記パネル本体には、前記パネル側ファスナーに干渉する中空孔が形成されないことを特徴とする壁パネル。
【請求項2】
前記パネル本体の前記パネル側ファスナーの近傍には、格子状の補強筋が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の壁パネル。
【請求項3】
前記パネル側ファスナーは、前記パネル本体の背面に沿って配置された板状のプレートと、当該プレートに固定されて前記パネル本体の内部に向かって延びる定着部と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の壁パネル。
【請求項4】
前記プレートの端縁のうち前記パネル本体の長さ方向と直交する部分は、前記パネル本体の背面側に向かうに従って拡がる形状であることを特徴とする請求項3に記載の壁パネル。
【請求項5】
前記パネル本体には、長さ方向に延びる複数の鋼線によりプレストレスが導入され、
前記定着部は、先端にスリットが形成された割ボルトと、当該割ボルトの先端に螺合されたナットと、を備え、
前記パネル側ファスナーは、前記鋼線が前記割ボルトのスリットに挿通されて、この状態で前記ナットが締め付けられることにより、前記鋼線に固定されることを特徴とする請求項3または4に記載の壁パネル。
【請求項6】
前記割ボルトのスリットには、楔部材が嵌め込まれていることを特徴とする請求項5に記載の壁パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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