壁面パネル構造
【課題】 壁面ブロックの寸法誤差による取付け状態の見栄えの低下を抑制するとともに、壁面ブロックの取付けを容易に行い得る壁面パネル構造の提供。
【解決手段】 複数個の壁面ブロックどうしを組合わせて正面視して矩形のパネルユニットとし、該パネルユニットどうしを壁面に沿うように且つ壁面方向に間隔を置いて配置されてなり、壁面に沿って隣合うパネルユニットどうしの隅部間に、該隣合うパネルユニットどうしを連結するとともに前記壁面方向の間隔を調節しうる間隔調節手段が設けられた壁面パネル構造。
【解決手段】 複数個の壁面ブロックどうしを組合わせて正面視して矩形のパネルユニットとし、該パネルユニットどうしを壁面に沿うように且つ壁面方向に間隔を置いて配置されてなり、壁面に沿って隣合うパネルユニットどうしの隅部間に、該隣合うパネルユニットどうしを連結するとともに前記壁面方向の間隔を調節しうる間隔調節手段が設けられた壁面パネル構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面パネル構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の壁面パネル構造として、例えば、特許文献1参照に示すものがある。これは、壁面パネル体としての矩形の壁面ブロックどうしを、壁面に沿うように順次隣接させて、壁面に取付ける構成である。
【特許文献1】特開平5−148921号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の壁面パネル構造は、壁面ブロックを隣接させて壁面に沿うよう取付けるものである。ここで、壁面ブロックの製品寸法には誤差が生じているのが一般的である。したがって、この誤差が累積することで、例えば壁面に沿って上下に積み上げた壁面ブロック列とそれに隣合う壁面ブロック列とで、その上面の高さに大きな差が生じてしまうことになる。このことは、横方向に並べた壁面ブロック列についても同様で、累積誤差により横方向端部の位置が上下の壁面ブロック列で大きな差となり、目立つものであった。
【0004】
このような製品寸法による累積誤差から発生する見栄えの低下を解消する(目立たなくする)ためには、予め壁面ブロックどうしを離間させてその離間間隔を調節しつつ配置するということが考えられる。
しかしながら、このようにすると、壁面に対する壁面ブロックの取付けが煩雑になってしまうことが考えられる。
【0005】
そこで本発明は、壁面ブロックの寸法誤差による取付け状態の見栄えの低下を抑制するとともに、しかも壁面ブロックの取付けを容易に行い得る壁面パネル構造の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、壁面ブロックを壁面に沿うよう組合わせるようにしてなる壁面パネル構造において、壁面に沿って隣合う壁面ブロックどうしの隅部間に、該隣合う壁面ブロックどうしを連結するとともに前記壁面方向の間隔を調節しうる間隔調節手段が設けられたことを特徴としている。
【0007】
上記構成において、間隔調節手段によって、壁面ブロックどうしを壁面方向に沿って連結し、離間間隔を調節しつつ壁面ブロックを壁面に沿うように組付けるようにする。
【0008】
本発明の壁面パネル構造は、複数個の壁面ブロックどうしを組合わせて正面視して矩形のパネルユニットとし、該パネルユニットどうしを壁面に沿うように且つ壁面方向に間隔を置いて配置されてなり、壁面に沿って隣合うパネルユニットどうしの隅部間に、該隣合うパネルユニットどうしを連結するとともに前記壁面方向の間隔を調節しうる間隔調節手段が設けられたことを特徴としている。
【0009】
上記構成において、間隔調節手段によってパネルユニットどうしを壁面方向に沿って連結し、離間間隔を調節しつつパネルユニットを壁面に沿うように組付けるようにする。
【0010】
本発明の壁面パネル構造では、四個の壁面ブロックどうしを組合わせて一個のパネルユニットが構成され、該パネルユニットの四隅部に間隔調節手段が設けられたことを特徴としている。
【0011】
上記構成において、四個の壁面ブロックどうしを組合わせて一個のパネルユニットとし、パネルユニットどうしの壁面方向の離間間隔を調節しつつパネルユニットを壁面に沿うように組付けるようにする。
【0012】
本発明の壁面パネル構造では、パネルユニットがその中心で壁面に対して該壁面に沿う面内で取付け具を介して回動可能に取付けられ、間隔調節手段はパネルユニットどうしを隣合うように配置した際に、パネルユニットの回動を阻止する回動阻止手段を兼用してなることを特徴としている。
【0013】
上記構成において、例えば四個の壁面ブロックどうしを組合わせて一個のパネルユニットとし、取付けビス等の取付け具によってパネルユニットをその中心で壁面に対して壁面に沿う面内に取付けると、取付け具を中心としてパネルユニットが回動し易い状態となるが、パネルユニットどうしの隅部間に設けた間隔調節手段によって、パネルユニットの不測・不要な回動が阻止されることになる。
【0014】
本発明の壁面パネル構造では、間隔調節手段は、パネルユニットの隅部に形成された凹部および隣合うパネルユニットの隅部に形成された凹部の間に、両凹部を埋めるように該両凹部に渡される調節具を有することを特徴としている。
【0015】
上記構成において、パネルユニットの隅部に形成した凹部に調節具を埋めるようにパネルユニットの凹部に渡して、パネルユニットどうしを壁面方向に沿うように、且つパネルユニットどうしの離間間隔を調節しつつ組付ける。
【0016】
本発明の壁面パネル構造では、壁面ブロックは外枠体と前板体とを有し、パネルユニットを構成する壁面ブロックの外枠体の隅部に、該壁面ブロックの中心に向けて窪む正面視して扇状の凹部が形成され、調節具は、パネルユニットどうしを壁面に沿うように且つ壁面方向に間隔を置いて配置した際に、隣合うパネルユニットの各壁面ブロックの凹部間に嵌合されるものであることを特徴としている。
【0017】
上記構成において、四個のパネルユニットを壁面に沿うように配置すると、各パネルユニットにおける凹部が組合わさって凹部は正面視して円形になり、調節具を各凹部に渡すように組付ける。
【0018】
本発明の壁面パネル構造では、凹部の前後部には調節具の前後部が係止する係止壁がそれぞれ形成されていることを特徴としている。
【0019】
上記構成において、各パネルユニットの凹部に調節具を挿入することで調節具の前後部が係止壁に係止するから、隣合うパネルユニットどうしが前後に位置ずれするのが防止される。
【0020】
本発明の壁面パネル構造では、調節具は凹部に対して面方向から嵌合可能な円柱状部を有することを特徴としている。
上記構成の壁面パネル構造では、調節具の円柱状部を(正面視して扇状の)凹部に嵌合するようにしてパネルユニットどうしを連結する。
【0021】
本発明の壁面パネル構造では、調節具に、壁面ブロックの隅部の前後方向端面に当接可能な凸部が設けられていることを特徴としている。
上記構成において、凸部が壁面ブロックの隅部の前後方向端面に当接することにより、壁面ブロックの中心回りの不要な回動が抑制されるとともに、凸部が壁面ブロックの隅部の前後方向端面に当接することで、壁面ブロックどうしの間隔が保持される。
【0022】
本発明の壁面パネル構造では、調節具は、円柱状部と、該円柱状部の前後部の外周に径方向に突出して前後の係止壁と前後方向でそれぞれ当接可能な当接面を有する前後の鍔部とを備え、凸部が前後の当接面に前後方向に突出して設けられていることを特徴としている。
【0023】
上記構成において、調節具の前後の当接面が前後の係止壁と前後方向でそれぞれ当接することで、隣合う壁面ブロックどうしが互いに前後方向に位置ずれするのを回避し、凸部が壁面ブロックの隅部に当接することで調節具を中心とした壁面ブロックの回動範囲が規制され、凸部が壁面ブロックの隅部の前後方向端面に当接することで、壁面ブロックどうしの間隔が保持される。
【0024】
本発明の壁面パネル構造では、凸部は互いに直交する方向に交差する凸条から形成されていることを特徴としている。
この構成によれば、凸部が壁面ブロックの隅部に当接することで調節具を中心とした壁面ブロックの回動範囲が規制される。
【発明の効果】
【0025】
本発明の壁面パネル構造によれば、間隔調節手段によって壁面ブロックどうしの壁面方向の離間間隔を調節しつつ壁面ブロックを壁面に沿うように組付けるようにすると、壁面ブロックの製品寸法による累積誤差に基づく見栄えの低下を抑制することができるとともに、壁面ブロックの取付け作業を容易に行い得る。
【0026】
また、本発明の壁面パネル構造によれば、間隔調節手段によってパネルユニットどうしの壁面方向の離間間隔を調節しつつパネルユニットを壁面に沿うように組付けるようにすると、壁面ブロックの製品寸法による累積誤差に基づく見栄えの低下を抑制することができるとともに、複数個の壁面ブロックをパネルユニットとしているから、その分だけ壁面ブロックの取付け作業を容易に行い得る。
【0027】
また、四個の壁面ブロックどうしを組合わせて一個のパネルユニットとし、取付けビス等の取付け具によってパネルユニットをその中心で壁面に対して壁面に沿う面内に取付けると、取付け具を中心としてパネルユニットが回動し易い状態となるが、パネルユニットどうしの隅部間に設けた間隔調節手段によって、パネルユニットの不測・不要な回動を阻止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の第一の実施形態に係る壁面パネル構造を、図1ないし図13に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の壁面パネル構造1は、家屋の壁面2に沿って配置されるもので、パネルユニット3と、パネルユニット3の不測・不要な回動を阻止する回動阻止とパネルユニット3の壁面2方向の間隔を調節(微調節)するための間隔調節とを兼用した間隔調節手段4とを有する。
【0029】
ここで、パネルユニット3の基本構成を説明する。パネルユニット3は複数個、この場合は四個の壁面ブロック5どうしを組合わせて正面視して矩形のパネルユニット3としているものである。
各壁面ブロック5は、外枠体6と前板体7とを有し、外枠体6と前板体7とはそれぞれ合成樹脂により一体または別体に成形されており、この実施形態では別体に形成されている。
【0030】
図2に示すように、外枠体6には、正面視して矩形の外枠体6の連続する二辺の枠体部10,11の外側面それぞれに、対向する残りの二辺の枠体部12,13側に向けて窪む帯状の凹溝14,15が形成されている。この凹溝14,15は枠体部10,11の前後幅途中に形成されている。
【0031】
凹溝14,15はそれぞれ帯状の底面14c,15cと底面の幅方向端部から立設する側面14a,14b,15a,15bによって形成されている。前記二辺の枠体部10,11では、パネルユニット3を壁面2に取付けた際に壁面2側に位置する後部17と、後部17から前方に向けて突出する前部16とを有する。凹溝14,15は枠体部10,11の後部17と前部16との境界部分に形成されている。また、二辺の枠体部10,11の各凹溝14,15は連続しており、且つ同一の深さに形成されている。パネルユニット3を正面視してその中心に対して前部16は後部17に比べて小径(小面積)に形成されている。
【0032】
前記二辺の枠体部10,11の外面において、その後部17と前部16とは、壁面2に平行な段付き面18を介して一体的に形成されている。前記二辺の枠体部10,11以外の二辺の枠体部12,13の外面の後部17および前部16は面一の平面に形成されている。
【0033】
外枠体6の前部16のうち、凹溝14,15どうしが連続する部分に相当する隅部には、正面視して円弧状の湾曲壁20が形成されている。
【0034】
パネルユニット3は、壁面2に取付けビス21によって取付けられるものであり、外枠体6の後部17のうち、凹溝14,15どうしが連続する部分に相当する隅部の後部に、4個の壁面ブロック5どうしを隣接するよう組合わせた状態において、取付けビス21の胴部22が挿入される正面視して扇状の小径凹部23が形成され、該隅部の前部に取付けビス21の頭部24が挿入される正面視して扇状の大径凹部25が、小径凹部23に連続して形成されている。大径凹部25と小径凹部23とは壁面2に沿う段付き面によって連続して形成されている。
【0035】
取付けビス21の胴部22と頭部24とは、取付けビス21の径方向の段付き面を介して連続されており、胴部22の外周面には雄ねじが形成されている。4個の壁面ブロック5どうしを隣接するよう組合わせた状態において、各大径凹部25と各小径凹部23とで、径の異なる孔部(後述の中心孔60)がパネルユニット3の中心に形成される。
なお、孔部の小径側の径は取付けビス21の胴部22に比べてわずかに大きくなるよう設定されており、孔部の大径側の径は取付けビス21の頭部24に比べてわずかに大きく設定されている。
【0036】
前記二辺の枠体部10,11のうちの一方の枠体部10の後部17には、壁面2方向に突出する凸起26が一体的に形成されている。凸起26は、枠体部10の長手方向に間隔を置いて対で形成されている。他方の枠体部11の後部17には、隣合う壁面ブロック5の凸起26が嵌合する嵌合孔27が形成されている。
凸起26および嵌合孔27は、壁面ブロック5どうしを隣接して組付ける組付け手段として用いられるが、この凸起26および嵌合孔27は組付け手段としての一例であり、嵌合、被嵌合の関係に限らず、壁面ブロック5どうしを隣接して組付ける手段として係止、被係止の関係を用いてもよい。
【0037】
凹溝14,15どうしが連続する部分に相当する隅部に対角線上で対向する隅部には、間隔調節手段4を構成する調節凹部28が形成されている。
調節凹部28は、前後の小径調節凹部30と、両小径調節凹部30の間に配置される大径調節凹部31とを有する。小径調節凹部30および大径調節凹部31はともに正面視して扇状に形成されており、四個の壁面ブロック5を組合わせた状態で正面視して円形になるように形成されている。
【0038】
前後それぞれの小径調節凹部30と大径調節凹部31との間における壁面ブロック5の隅部は、後述する調節具32の円柱部43の外周面が壁面2の面方向で嵌合可能な円弧面(符号省略)とされている。
【0039】
すなわち、四個の壁面ブロック5を組合わせた状態で、各小径調節凹部30が組合わされて円柱状の凹部となり、各大径調節凹部31が組合わされてそれぞれ円柱状の凹部となる。また、凹溝14,15は正面視して縦方向一方、横方向一方の双方に形成されることになる。
【0040】
図3に示すように、小径調節凹部30の前後、大径調節凹部31の前後には、後述の調節具32の前後部が係止する係止壁33が形成されている。特に、前側の小径調節凹部30の前係止面34aは外枠体6の前隅部から形成されてなり、後側の小径調節凹部30の後係止面34bは外枠体6の後隅部から形成されてなる。
小径調節凹部30の小径内周面35、大径調節凹部31の大径内周面36は、調節具32の外周面が当接可能な当接面とされている。
【0041】
二辺の枠体部10,11以外の二辺の枠体部12,13の何れかの前部16に、壁面2方向に突出した取付け凸起29が一体的に形成されている。この取付け凸起26は、図4(a),(b)に示すように、前板体7の側部に折曲して形成された枠体部長手方向の取付け片38に形成された取付け孔40に嵌合するものである。
前板体7は、前面の平板部41と、前記取付け片38とを有し、取付け孔40に取付け凸起26を嵌合することで外枠体6と平板部41とが一体化される。
【0042】
上記構成の四個の壁面ブロック5どうしを、凸起26を嵌合孔27に嵌合させることで組合わせて、正面視して矩形のパネルユニット3としているもので、そのパネルユニット3の対角線の交点に、取付けビス21を挿入する孔が形成された状態となる。なお、各壁面ブロック5における湾曲壁20が前記対角線の交点側に位置することになる。
また、パネルユニット3の四隅には、調節具32の取付け部分が配置される。
【0043】
前記調節具32は、パネルユニット3の四隅それぞれに形成された調節凹部28に嵌合するもので、その前後に、前係止面34a、後係止面34bに摩擦力をもって壁面2に沿う方向で摺動するようにして係止する面を有するものである。あるいは小径調節凹部30の係止壁33に摩擦力をもって壁面2に沿う方向で摺動するようにして係止する面を有するものである。
【0044】
さらに具体的に調節具32の構成を説明すると、図5(a),(b),(c)に示すように、調節具32は、径方向中心にある円柱部43と、円柱部43の外周面から径方向外方に突出する鍔部44とから形成されている。円柱部43は前後方向中心部に比べて前後部が大径に形成されている。
【0045】
鍔部44は、前側の対の小径鍔部45,46と、後側の対の小径鍔部47,48と、円柱部43の軸方向中心にある対の大径鍔部50,51とから構成されている。調節具32の外周面としての各小径鍔部45,46,47,48および大径鍔部50,51の四隅は円弧状に形成されており、その曲率は、当接面としての小径調節凹部30の小径内周面35、大径調節凹部31の大径内周面36と同一に設定されている。
【0046】
円柱部43、はその長手方向中心側の中心部43aに比べて前後部43bが大径に形成されている。また、調節具32の長手方向(前後方向)の長さL1は、前係止面34aと後係止面34bとの間の長さ(前後の離間距離)に比べて、若干長く設定されている。具体的には、小径鍔部45の前面および小径鍔部48の後面にわずかな肉盛り45a,48aを形成することで、若干長く設定されている。
【0047】
この構成により、調節具32を調節凹部28に嵌合することで、調節具32が調節凹部28に若干の圧入力をもって嵌合されるように設定されている。また、小径鍔部45,46,47,48がそれぞれ小径調節凹部30に嵌合して小径鍔部45,46,47,48の外周面がそれぞれ小径内周面35に当接可能となり、大径鍔部50,51の外周面がそれぞれ大径調節凹部31の大径内周面36に当接可能となる。
【0048】
この実施形態では、上記のように四個の壁面ブロック5を組合わせたパネルユニット3どうしを壁面2に沿って、且つ壁面2に沿う方向の隙間δをもって、間隔調節手段4を用いて組付けるようにするものである。
【0049】
以下に、複数個のパネルユニット3を壁面2に沿うように縦横に並べて配置するよう施工する場合について説明する。
すなわち、予め壁面2に設置するパネルユニット3を複数個準備しておき、また、パネルユニット3を取付けるための中心を壁面2に対して芯出ししておく。そして、パネルユニット3の中心を、芯出しした位置に位置合わせし、取付けビス24を、壁面ブロック5の隅部に形成された小径凹部23および大径凹部25の組合わせによって正面視して円形に形成されている中心孔60(図6参照)に挿入して、これを壁面2に螺合する。そうすると、取付けビス24の段部が小径凹部23および大径凹部25の境界面である壁面2方向に沿う段付き面に当接(圧接)し、パネルユニット3が壁面2に取付けられる。
【0050】
このとき、壁面ブロック5の隅部に形成された小径凹部23および大径凹部25の組合わせによって正面視して円形に形成されている中心孔60があるから、芯出し位置はこの中心孔60を通して確認することができ、したがってパネルユニット3を確実に芯出し位置に合致する位置に置いて、しかも確実に取付けビス24を壁面2に螺合することができる。
なお、このようにしてパネルユニット3を壁面2に取付けた状態では、パネルユニット3はその中心に挿通されている取付けビス24のみで支持されているから、パネルユニット3は壁面2に対して回動し易い状態となっている。
【0051】
上記作業を、縦列あるいは横列一列について行う。その後、調節具32を上下、あるいは左右に隣合うパネルユニット3の調節凹部28どうしに渡すようにして嵌合するようにする。このとき、調節具32の長手方向の長さL1は、前係止面34aと後係止面34bとの間の長さに比べて、若干長く設定されているから調節具32を調節凹部28に渡すように嵌合することで、調節具32が調節凹部28に若干の圧入力をもって嵌合されることになり、その圧入力によって隣合うパネルユニット3どうしが固定されることになる。つまり、調節具32を調節凹部28に渡すようにして嵌合(連結)することにより、パネルユニット3単体では壁面2に対してその壁面2に沿うように回動し易い状態が解消される。
なお、左右に隣合うパネルユニット3の調節凹部28に調節具32を嵌合した状態では、調節具32の略半分が上方に突出した状態となっている。
【0052】
上記のようにして例えば横列一列のパネルユニット3の取付けを終了したら、当該一列のパネルユニット3を構成する各パネルユニット3の上方に、予め芯出ししていた位置を目安に、パネルユニット3を取付ける。このとき、既に取付けてある調節具32の突出した部分に、上方のパネルユニット3の調節凹部28が嵌合するようにして該パネルユニット3を壁面2に取付ける(図6参照)。
【0053】
ここで、隣合うパネルユニット3どうしを壁面2方向に沿うよう配置するにあたり、予め壁面2方向に沿う所定の間隔を置くようにするものであるが、当該間隔と、パネルユニット3の調節凹部28の径を加えた距離は、調節具32の鍔部44の径に比べて若干大きくなるように設定されている。
【0054】
具体的に、パネルユニット3どうしを隣合うように配置した状態において、前記間隔と調節凹部28の小径内周面35の径とを加えた距離は、小径鍔部45の最大径に比べて若干大きく設定されている。換言すれば、パネルユニット3どうしを隣合うように配置した状態において、小径鍔部45の最大径は、前記間隔と調節凹部28の小径内周面35の径とを加えた距離に比べて小さくなるよう設定されている。つまり、調節具32を調節凹部28に嵌合するよう取付けた状態では、調節具32の外周面と調節凹部28の内面との間に若干の隙間が生じるように設定されている。
【0055】
そして、調節具32は調節凹部28に若干の圧入力をもって嵌合されるものの、パネルユニット3の中心部回りに該圧入力を超える回転力が働いた場合に、前記隙間が埋められるようになり、調節具32の外周面と調節凹部28の内面とが当接するものである。しかしながら、調節具32の外周面と調節凹部28の内面とが当接したとしても、調節具32を介してパネルユニット3どうしが連結されているから、調節具32によってパネルユニット3の不測・不要な回動は抑制されることになる。
さらに、調節具32の外周面と調節凹部28の内面との間の隙間を小さくする、あるいは大きくするようにすることで、既に取付けてあるパネルユニット3に隣合うようにパネルユニット3を壁面2方向に微調節しつつ配置して、該パネルユニット3を芯出し位置に配設することができる。
【0056】
上記のようにしてパネルユニット3を、壁面2に沿って、且つ所定の間隔を置いて隣合うように設置することで、予め設定した個数のパネルユニット3が壁面2に設置されることになる。
【0057】
そして、本発明の実施形態では、四個の壁面ブロック5どうしを組合わせて一個のパネルユニット3として扱い、これを取付けビス21だけで取付ける構成であるから、壁面2に取付ける壁面ブロック5が多数あったとしても、四個の壁面ブロック5どうしを組合わせて一個のパネルユニット3として扱う分だけ取付けが容易で作業性が良好である。
【0058】
しかも、四個の壁面ブロック5どうしを組合わせて一個のパネルユニット3とし、これらパネルユニット3を壁面2に沿う所定の間隔を置いて配置し、調節具32の外周面と調節凹部28の内面との間の隙間を小さくする、あるいは大きくするようにすることで、既に取付けてあるパネルユニット3に隣合うようにパネルユニット3を壁面2方向に微調節しつつ配置して、該パネルユニット3を芯出し位置に配設することで、従来のように壁面ブロック5を直接的に隣接するようにして配置することで発生する累積誤差による端部の壁面ブロック5どうしの段差を解消することができる。
【0059】
図7(a),(b),(c)は、調節具32をその径方向で半割り形状とした調節具32Aであり、図8(a),(b),(c)は調節具32Aをさらに径方向で半割り形状とした調節具32Bである。
【0060】
調節具32Aの基本構成は、調節具32を、その二隅の円弧状部分をそのまま欠けることなく半割りにした形状であるが、半割り面を平面とすべく、外面を平面とした隠し用壁61が設けられている。隠し用壁61は、小径鍔部45,46の半割り面間、小径鍔部47,48の半割り面間、および大径鍔部50,51の半割り面間を塞ぐように設けられるもので、その外面が円柱部43の半割り面と面一となるように一体的に形成されている。
【0061】
また、小径鍔部45および小径鍔部48の半割り面側端部には、それぞれ長手方向に突出する板片63が、その外面を円柱部43の半割り面と面一となるように一体的に形成されている。
【0062】
この調節具32Aは、端部に配置するパネルユニット3において隣合うパネルユニット3どうしの調節凹部28に渡すように嵌合させて使用する。端部に配置するパネルユニット3において隣合うパネルユニット3どうしの調節凹部28は、側面から見たとき調節凹部28の内側の凹凸が見えてしまうから、調節凹部28に調節具32Aをその面一となっている平面が外側に位置するように嵌合することで、隠し用壁61および円柱部43の半割り面によって該凹凸を隠すことができ、しかも調節具32Aは調節具32の半割り形状であるから、端部のパネルユニット3の側方へ調節具32Aが突出することがない。
【0063】
また、板片63がそれぞれ係止壁33に側方から当接することで、調節具32Aが調節凹部28に入り込んでしまうという状態を回避することができる。
【0064】
調節具32Bは、端部のパネルユニット3のうち、隅部のパネルユニット3、すなわち二辺の枠体部12,13側にパネルユニット3が配置されていないパネルユニット3の調節凹部28に嵌合して使用するものである。
【0065】
調節具32Bは、調節具32を、その一隅の円弧状部分をそのまま欠けることなく4分の一に分割した形状であるが、割り面を平面とすべく、外面を平面とした隠し用壁62が設けられている。隠し用壁62は、小径鍔部45,46の割り面間、小径鍔部47,48の割り面間、および大径鍔部50,51の割り面間を塞ぐように設けられるもので、その外面が円柱部43の割り面と面一となるように一体的に形成されている。
【0066】
また、小径鍔部45および小径鍔部48の割り面側端部には、それぞれ長手方向に突出する板片64が、その外面を円柱部43の割り面と面一となるように一体的に形成されている。
【0067】
端部の隅に配置するパネルユニット3において、該パネルユニット3の調節凹部28は、側面あるいは上下面から見たとき調節凹部28の内側の凹凸が見えてしまうから、調節凹部28に調節具32Bをその面一となっている平面が外側に位置するように嵌合することで、隠し用壁62および円柱部43の割り面によって該凹凸を隠すことができ、しかも調節具32Bは調節具32の分割形状であるから、端部のパネルユニット3の側方、上下方へ調節具32Bが突出することがない。
【0068】
また、板片64がそれぞれ係止壁33に側方から当接することで、調節具32Aが調節凹部28に入り込んでしまうという状態を回避することができる。
【0069】
図9は、取付けビス21を中心孔60に挿入した後に、その頭部24を隠すための隠し蓋65を示している。これは、円板状の蓋体66と、この蓋体66の裏面外周部から取付けビス21の軸方向に突出するよう設けられた複数のフック67から一体的に形成されている。フック67は蓋体66の周方向に等間隔で離間して四個設けられている。
【0070】
フック67は、基部68と基部68の先に設けられた楔形状の係止部70とから一体的に形成されている。係止部70は、凹溝14(15)の側面14a(15a)に、基部68の弾性によって係止する係止面71が形成されている。
【0071】
図10は隠し蓋65の使用状態図を示しており、図示のように、中心孔60に隠し蓋65を位置合わせして挿入することで、係止部70が前部16の外面に押圧されて縮径するよう弾性変形し、さらに隠し蓋65を押圧することで、係止面71が凹溝14(15)の側面14a(15a)に、壁面2に垂直な面で係止する。このとき、フック67の先端部は、凹溝14(15)の側面14b(15b)に当って、それ以上後方に移動するのを阻止される。
【0072】
本発明の実施形態に係る壁面パネル構造1では、外枠体6には、正面視して矩形の外枠体6の連続する二辺の枠体部10,11の外側面それぞれに、対向する残りの二辺の枠体部12,13側に向けて窪む凹溝14,15が形成されている。また、凹溝14,15どうしが連続する部分に相当する隅部には湾曲壁20が形成され、二辺の枠体部10,11のうちの一方の枠体部10には凸起26が形成され、他方の枠体部11には、隣合う壁面ブロック5の凸起26が嵌合する嵌合孔27が形成されている。
【0073】
この構成によれば、パネルユニット3を組立てるにあたり湾曲壁20を中心側に位置するようにすれば、凸起26と嵌合孔27が嵌合するようになるから、四個の外枠体6を何れの配置としたとしても、同じ形状のパネルユニット3を構成することができるという、組立て作業上での容易さがある。
【0074】
しかも、対向する残りの二辺の枠体部12,13側に向けて窪む凹溝14,15を形成し、凹溝14,15どうしが連続する部分に相当する隅部を湾曲壁20とすることで、湾曲壁20を中心側に位置するようにしてパネルユニット3を組立てれば、一個のパネルユニット3において、常に隣接する壁面ブロック5に連続的な縦横方向の凹溝14,15が形成されるようになる。
【0075】
そしてこのような凹溝14,15には、それぞれ棚板等を取付けるための棚柱等を縦横に挿通することが可能であり、したがって壁面パネル構造1の付加価値を向上させることができる。すなわち、凹溝14,15を設けていることにより、棚板、棚柱等の装飾用部品を、特別な施工をすることなく取付けることができる。
【0076】
図1に示す棚柱75は、中抜きの矩形断面に形成されており、その前面に、矩形の切欠き76を所定間隔毎に形成している。また一本の棚柱75の長さは、例えば一個のパネルユニット3の縦方向長さの半分の長さに比べてやや短く形成するようにしておく。これにより、パネルユニット3を設置した後に、縦方向の溝を形成している凹溝14(15)に、上方あるいは下方から、隠し蓋65(フック67)に当接するまで挿入するように構成している。
【0077】
例えば棚柱75の切欠き76に、棚受け用のアングル77を取付けるようにする。具体的には、アングル77の後部に形成された上下の係止片78を切欠き76に挿入して係止するようにすることで取付けることができる。
【0078】
あるいは、横方向の溝となっている凹溝14(15)には、取付け具80を係止するようにして、この取付け具80に棚板81を取付けるようにすることも可能である。具体的には図1および図11に示すように、取付け具80はその後部に、凹溝14(15)の側面14a(15a)に係止するフック82と、フック82の側面14a(15a)への係止とともに、前板体7の前面に面どうしで当接する本体部83とを備える。本体部83は左右側が開放された断面コ字形に形成され、その挿入口84に棚板81の後部を把持し、且つ棚板81をビス止めするよう構成されている。
なお、パネルユニット3を正面視してその中心に対して前部16は後部17に比べて小径(小面積)に形成されているから、隣合う壁面ブロック5の枠体部10,11間には壁面2方向の隙間があるから、この隙間から取付け具80を挿入することが可能である。
【0079】
上記実施形態では、取付けビス21は胴部22と頭部24とから構成し、胴部22の外周面に雄ねじを形成した例を示した。ここで、図6に示す取付けビス21では、その頭部24の外周面にも雄ねじを形成している。そして、頭部24の前面頂部にドライバー等の工具用の溝(例えば十字溝)85を形成している。このような取付けビス21を用いて、壁面2に取付けビス21を介して化粧板86を取付けることが可能である。
【0080】
具体的に、取付けビス21に連結する前後方向のポール状の連結部材87を設けて、この連結部材87の前部に化粧板86を支持させるようにしている。連結部材87の両端部内周面のうち、少なくとも一端側の内周面には雌ねじを形成している。この実施形態では、連結部材87の両端部内周面の双方に雌ねじを形成している。そして一端側の雌ねじを取付けビス21の頭部に螺合して連結部材87をパネルユニット3から前方に突出させ、予め化粧板86の板面に形成した取付け孔と連結部材87の他端側とを位置合わせするようにして化粧ねじ88を取付け孔に挿通し、化粧ねじ88を連結部材87の他端側に螺合する。
【0081】
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。ここで、調節具32の別の実施形態を図12および図13に示す。これらの図に示す調節具32は、前当接部材90と後当接部材91とを前後一対で組合わせて構成されるものである。
【0082】
前当接部材90は、前円板92と、この前円板92の後面から後方に向けて突出する複数本(図では四本)の嵌合脚部材94とから一体に形成されている。嵌合脚部材94は前円板92の後面に周方向に等間隔に離間して配置されている。各嵌合脚部材94は、その中心に嵌合孔95を形成した前後方向で同一断面の中抜き円柱状に形成されている。
【0083】
後当接部材91は、後円板96と、この後円板96の前面から前方に向けて突出する複数本(図では四本)の被嵌合脚部材93とから一体に形成されている。被嵌合脚部材93は後円板96の前面に周方向に等間隔に離間して配置されている。被嵌合脚部材93は円錐台形状に形成されており、その先端部分の径は嵌合孔95に比べて小径に形成されており、前後方向途中で嵌合孔95の径を超える径に形成されている。この被嵌合脚部材93は、嵌合脚部材94に後方から内嵌するものである。
【0084】
前円板92の中心には雌ねじ孔97が形成されており、後円板96の中心には貫通孔98が形成されている。雌ねじ孔97は前円板92の厚み方向途中から形成されており、その前部には調節ボルト100の大径頭部101が挿入されて当接可能な段付き面102を有する挿入凹部103が形成されている。大径頭部101の前面にはレンチ等の工具で調節ボルト100を回転操作するための工具用凹部104が形成されている。
【0085】
貫通孔98には、調節ボルト100の胴部105の途中に形成した段部106が前後方向で当接する当接面107が形成されている。調節ボルト100の先端部には、抜止め用の止めリング108を取付けるための環状溝110が形成されている。
なお、調節ボルト100における胴部105の大径頭部101側の外周面に雌ねじ孔97に螺合する雄ねじ112が形成されている。
【0086】
上記構成の前当接部材90の嵌合脚部材94に後当接部材91の被嵌合脚部材93を嵌合する一方で、調節ボルト100の雄ねじ112を雌ねじ孔97に螺合するとともに調節ボルト100の胴部105を貫通孔98に挿通し、環状溝110に抜止め用の止めリング108を取付ける。
【0087】
このような調節具32をパネルユニット3の調節凹部28(係止壁33間)に挿入し、上記のようにしてパネルユニット3を壁面2に沿うように配置する。そして、必要に応じて調節ボルト100を回転させて後円板96に対する前円板92の位置を相対的に離間させることで、後円板96および前円板92の外周部分をそれぞれ係止壁33に内側から圧接する。この圧接力により、隣合うパネルユニット3どうしが不測・不要に回動するのを防止することができる。
【0088】
図14ないし図25に第二の実施形態を示す。この第二の実施形態に係る壁面パネル構造1では、図1ないし図13で示した壁面パネル構造1とは壁面ブロック5、調節具32および隠し蓋65の構成が異なっている。
【0089】
壁面ブロック5では、図14ないし図16に示すように、二辺の枠体部10,11の、パネルユニット3を壁面2に取付けた際に壁面2側に位置する後部17が内外二重構造となっている。すなわち枠体部10,11の後部17は外後部17Aと外後部17Aに間隔を置いてその内側に配置された内後部17Bとから構成されている。内後部17Bの内面は前部16の内面と面一となるよう前部16に一体的に形成されている。
【0090】
外後部17Aと内後部17Bとは、壁面2方向にほぼ均等間隔に配置されたリブRにより一体化されている。嵌合孔27は外後部17Aにのみ形成されている。内後部17Bの内面上で且つその後端には、外枠体6を壁面2にビス止めするための一対の取付け片6aが複数組形成されている。
凹溝14,15の前側に、凹溝14,15に比べて小幅の小幅溝19a,19bが凹溝14,15に平行に複数本(この場合二条の溝)形成されている。これら小幅溝19a,19bも凹溝14,15と同様に、取付け具80のフック82(図11参照)を係止させるのに用いられる。
【0091】
図15ないし図17に示すように、調節凹部28は、前後の小径調節凹部30と、両小径調節凹部30の間に配置された大径調節凹部31とを有し、小径調節凹部30および大径調節凹部31はともに正面視して扇状に形成されており、四個の壁面ブロック5を組合わせた状態で正面視して円形になるように形成されている点、小径調節凹部30の前後、大径調節凹部31の前後には、調節具32の前後部が係止する係止壁33が形成されている点、小径調節凹部30の小径内周面35、大径調節凹部31の大径内周面36は、調節具32の外周面が当接可能な当接面とされている点については、第一の実施形態と同様である。
【0092】
しかしながら、第二の実施形態における前後の小径調節凹部30は、第一の実施形態における小径調節凹部30に比べてその前後方向幅ができるだけ小さく形成されており、しかも第一の実施形態に比べて、壁面ブロック5の前後方向中心側に配置されている。以上は、第一の実施形態における壁面ブロック5との構成上の相違点である。
なお、前後それぞれの小径調節凹部30と大径調節凹部31との間における壁面ブロック5の隅部は、調節具32の円柱部43の外周面が壁面2の面方向で嵌合可能な円弧面(符号省略)とされていることは上記第一の実施形態と同様である。
【0093】
次に、図18に基づいて、調節具32の構成の相違を説明する。先ず、第二の実施形態における調節具32は、第一の実施形態に比べて長手方向(前後方向)の長さL1が短く形成されている。そして、調節具32は、前側の一個の小径鍔部46と、後側の一個の小径鍔部47と、円柱部43の軸方向中心にある対の大径鍔部50,51とから構成されている。
また、小径鍔部46,47の当接面、すなわち、小径鍔部46の前面46a、小径鍔部47の後面47aには、前後方向に突出する凸部150,151がそれぞれ中心に形成されている。これら凸部150,151は、それぞれ直角に交差する凸条160,161から正面視して十字形状に形成されている。その突出量は、この場合、小径鍔部46,47の前後方向の厚みにほぼ等しく設定されている。
なお、凸条160,161の壁面2の面方向の長さは、小径鍔部46,47の径に比べて小さく設定されている。第二実施形態では、第一の実施形態における小径鍔部45および小径鍔部48を省略して凸条160,161を形成してあっても、調節具32は、第一の実施形態に比べて長手方向の長さL1が短く形成されている。
【0094】
肉盛り45a,48aは、この場合、小径鍔部46,47には形成されておらず、大径鍔部50の前面、大径鍔部51の後面にそれぞれ形成されている。肉盛り45a,48aは、円柱部43を回避して大径鍔部50の前面、大径鍔部51の後面に形成されていることは勿論である。そして、肉盛り45a,48aは何れかの凸条160,161に平行に形成されている。
【0095】
図19は、調節具32をその径方向で半割り形状とした調節具32Aを示しており、図20は調節具32Aをさらに径方向で半割り形状とした調節具32Bである。
【0096】
調節具32Aは、端部に配置するパネルユニット3において隣合うパネルユニット3どうしの調節凹部28に渡すように嵌合させて使用するものである。
この実施形態における調節具32Aの構成が第一の実施形態と異なる部分について説明すると、調節具32Aは小径鍔部45、小径鍔部47および板片63を省略しており、小径鍔部46,47、大径鍔部50,51、円柱部43を有する。また、小径鍔部45の前面および小径鍔部47後面に、それぞれ一径方向の凸条160のみが形成され、大径鍔部50の前面および大径鍔部51の後面に、肉盛り45a,48aが一径方向の凸条160と平行に形成されている。
【0097】
調節具32Aを隣合うパネルユニット3どうしの調節凹部28に渡すように嵌合させて一径方向の凸条160の側面を係止壁33の隅部の前後方向端面に当接させると、その嵌合力によって、隣合うパネルユニット3どうしの関係において、パネルユニット3は取付けビス21回りの回動範囲を規制されることになり、パネルユニット3どうしを確実に連結することができる。
【0098】
図23ないし図25に、調節具32Bの構成を示す。調節具32Bは、端部のパネルユニット3のうち、隅部のパネルユニット3、すなわち二辺の枠体部12,13側にパネルユニット3が配置されないパネルユニット3の、その調節凹部28に嵌合するようにして使用される。
【0099】
調節具32Bは、第一の実施形態における調節具32Bの板片64、小径鍔部45、その隠し用壁62、小径鍔部48およびその隠し用壁62を省略した構成を有する。また、大径鍔部50の前面および大径鍔部51の後面に、肉盛り45a,48aが径方向に形成されている。
なお、端部のパネルユニット3のうち、隅部のパネルユニット3、すなわち二辺の枠体部12,13側にパネルユニット3が配置されていないパネルユニット3の調節凹部28に嵌合して使用するものであるから、凸条160,161は有しない。
【0100】
調節具32Bは、調節具32を、その一隅の円弧状部分をそのまま欠けることなく4分の一に分割した形状であるが、割り面を平面とすべく、大径鍔部50および大径鍔部51の間には、外面を平面とした隠し用壁62が設けられている。この隠し用壁62は、大径鍔部50,51の割り面間を塞ぐように設けられるもので、その外面が円柱部43の割り面と面一となるように一体的に形成されている。
【0101】
図21に示すように、第二の実施形態における隠し蓋65には、その前面の中心に、摘み170が前方に突出するよう一体的に形成されている。この摘み170の断面形状は、作業者が摘み易ければ特に特定されるものではない。この実施形態の場合、摘み170はその断面形状が多角形に形成されており、摘み170は全体として角柱状に形成されている。他の構成は図9で示した隠し蓋65と同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0102】
図22および図23は、調節具32を用いて壁面ブロック5どうしを連結した斜視図である。調節具32は、その小径鍔部46,47を小径調節凹部30に嵌合するようにし、大径鍔部51を大径調節凹部31に嵌合するようにして、第一の実施形態と同様にしてパネルユニット3どうしを壁面2に沿うように組付ける。
この際、凸条160,161の側面が係止壁33の壁面ブロック5の隅部の前後方向端面(側面)に当接可能となるから、隣合うパネルユニット3どうしの関係において、パネルユニット3は、取付けビス21回りの回動範囲を規制されることになる。このように、パネルユニット3は、取付けビス21回りの回動範囲が規制されることで、壁面2に対するパネルユニット3の取付けがし易くなる。
そして、凸条160,161が壁面ブロック5の隅部に当接することによれば、凸条160,161が壁面ブロック5(パネルユニット3)間に介装されるから、壁面ブロック5どうしの間隔を保持することができる。
【0103】
調節具32は、第一の実施形態に比べて長手方向の長さが短く形成され、前側の一個の小径鍔部46が最も手前にあって、これは第一の実施形態に比べてパネルユニット3(壁面ブロック5)の前面から奥まった位置にあるから、その分だけ観者から調節具32が見えにくくなっており、したがって美観の低下を抑えることができる。
【0104】
図24に示すように、調節具32Aは、端部に配置するパネルユニット3において隣合うパネルユニット3どうしの調節凹部28に渡すように嵌合させる際に、一径方向の凸条160の側面を係止壁33の隅部の前後方向端面に当接させると、その嵌合力によって、隣合うパネルユニット3どうしの関係において、パネルユニット3は取付けビス21回りの回動範囲を規制されることになり、パネルユニット3どうしを確実に連結することができる。
【0105】
図25に示すように、調節具32Bは、端部のパネルユニット3のうち、隅部のパネルユニット3、すなわち二辺の枠体部12,13側にパネルユニット3が配置されていないパネルユニット3の調節凹部28に嵌合して使用する。
【0106】
また、隠し蓋65には、その前面の中心に摘み170が前方に突出するよう形成されているから、この摘み170を作業者が摘んで、中心孔60に隠し蓋65を位置合わせして挿入するようにすれば、パネルユニット3の奥まった位置に隠し蓋65を装着する際にその作業がし易い。
【0107】
上記実施形態では、四個の壁面ブロック5で一個のパネルユニット3を構成し、これを壁面2の面方向に沿うよう組付けた場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一個の壁面ブロック5からパネルユニット3を構成することも可能である。この場合では、壁面ブロック5の中心に取付けビス21を挿通する中心孔60を設けるようにし、壁面ブロック5の四隅に調節凹部28を形成するようにする。
そして、中心孔60に取付けビス21を挿通するようにして壁面ブロック5を壁面2に取付け、壁面ブロック5の調節凹部28に調節具32を渡すようにして上記実施形態と同様にして、順次壁面ブロック5を壁面2の面方向に沿って組付けるようにする。
【0108】
さらに、上記各実施形態では、調節具32には、小径鍔部、大径鍔部、あるいは隠し用壁を設けたが、調節具32をその前後面を当接面とする単純な円柱形状に形成することも可能であり、また当接面に突条、あるいは肉盛りを形成することも可能である。
【0109】
上記各実施形態では、凸部(凸条160,161)は小径鍔部45の前面および小径鍔部47の後面に形成した構成としたがこれに限定されるものではない。すなわち、凸部が壁面ブロック5の隅部の前後方向端面に当接可能であれば、凸部を調節具32の円柱部43の外周面に径方向に突出させて、凸部の側面を壁面ブロック5の隅部の前後方向端面に当接させるよう構成することも可能である。また、凸部を大径鍔部50,51のそれぞれの前面および後面、あるいは大径鍔部50,51の外周面に径方向に突出するよう設けて、凸部の側面を壁面ブロック5の隅部の前後方向端面に当接させるよう構成することも可能である。
【0110】
あるいは、凸部を小径鍔部45,47の外周面に径方向に突出するよう設けて、凸部の側面を壁面ブロック5の隅部の前後方向端面に当接させるよう構成することも可能である。
何れの場合も凸部が壁面ブロック5の隅部に当接することで調節具32を中心とした壁面ブロック5の回動範囲を規制することができ、壁面ブロック5どうしの間隔を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の第一の実施形態を示す壁面パネル構造の取付け状態を示す斜視図
【図2】同じくパネルユニットを構成する壁面ブロックの外枠体の単体斜視図
【図3】同じくパネルユニットを構成する壁面ブロックの底面図
【図4】同じくパネルユニットを構成する壁面ブロックの前板体の単体図で(a)は単体底面図、(b)は単体正面図
【図5】同じく調節具の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図、(c)は単体正面図
【図6】同じくパネルユニットどうしの取付け状態を示す側面図
【図7】同じく調節具の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図、(c)は単体正面図
【図8】同じく調節具の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図、(c)は単体正面図
【図9】同じく隠し蓋の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図
【図10】同じく隠し蓋の使用状態を示す平面図
【図11】同じく棚板の取付け状態の一例を示す側面図
【図12】同じく別の実施形態を示す調節具の平面図
【図13】同じく調節具の前当接部材の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図、(c)は単体正面図
【図14】本発明の第二の実施形態を示すパネルユニットの背面図
【図15】同じく壁面ブロックの正面側からの斜視図
【図16】同じく二個の壁面ブロックを組合わせた状態の正面側からの斜視図
【図17】同じく調節凹部の拡大図
【図18】同じく調節具の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図
【図19】同じく調節具の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図、(c)は単体側面図
【図20】同じく調節具の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図、(c)は単体側面図
【図21】同じく隠し蓋の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図
【図22】同じく二個の壁面ブロックを組合わせ調節具を取付けた状態の斜視図
【図23】同じく調節具の取付け状態を示す斜視図
【図24】同じく調節具の取付け状態を示す斜視図
【図25】同じく調節具の取付け状態を示す斜視図
【符号の説明】
【0112】
1…壁面パネル構造、2…壁面、3…パネルユニット、4…間隔調節手段、5…壁面ブロック、6…外枠体、7…前板体、10,11…枠体部、12,13…枠体部、14,15…凹溝、20…湾曲壁、28…調節凹部、29…凸起、30…小径調節凹部、31…大径調節凹部、32…調節具、33…係止壁、41…平板部、43…円柱部、44…鍔部、45,46…小径鍔部、47,48…小径鍔部、50,51…大径鍔部、75…棚柱、81…棚板、93…被嵌合脚部材、94…嵌合脚部材、100…調節ボルト
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面パネル構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の壁面パネル構造として、例えば、特許文献1参照に示すものがある。これは、壁面パネル体としての矩形の壁面ブロックどうしを、壁面に沿うように順次隣接させて、壁面に取付ける構成である。
【特許文献1】特開平5−148921号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の壁面パネル構造は、壁面ブロックを隣接させて壁面に沿うよう取付けるものである。ここで、壁面ブロックの製品寸法には誤差が生じているのが一般的である。したがって、この誤差が累積することで、例えば壁面に沿って上下に積み上げた壁面ブロック列とそれに隣合う壁面ブロック列とで、その上面の高さに大きな差が生じてしまうことになる。このことは、横方向に並べた壁面ブロック列についても同様で、累積誤差により横方向端部の位置が上下の壁面ブロック列で大きな差となり、目立つものであった。
【0004】
このような製品寸法による累積誤差から発生する見栄えの低下を解消する(目立たなくする)ためには、予め壁面ブロックどうしを離間させてその離間間隔を調節しつつ配置するということが考えられる。
しかしながら、このようにすると、壁面に対する壁面ブロックの取付けが煩雑になってしまうことが考えられる。
【0005】
そこで本発明は、壁面ブロックの寸法誤差による取付け状態の見栄えの低下を抑制するとともに、しかも壁面ブロックの取付けを容易に行い得る壁面パネル構造の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、壁面ブロックを壁面に沿うよう組合わせるようにしてなる壁面パネル構造において、壁面に沿って隣合う壁面ブロックどうしの隅部間に、該隣合う壁面ブロックどうしを連結するとともに前記壁面方向の間隔を調節しうる間隔調節手段が設けられたことを特徴としている。
【0007】
上記構成において、間隔調節手段によって、壁面ブロックどうしを壁面方向に沿って連結し、離間間隔を調節しつつ壁面ブロックを壁面に沿うように組付けるようにする。
【0008】
本発明の壁面パネル構造は、複数個の壁面ブロックどうしを組合わせて正面視して矩形のパネルユニットとし、該パネルユニットどうしを壁面に沿うように且つ壁面方向に間隔を置いて配置されてなり、壁面に沿って隣合うパネルユニットどうしの隅部間に、該隣合うパネルユニットどうしを連結するとともに前記壁面方向の間隔を調節しうる間隔調節手段が設けられたことを特徴としている。
【0009】
上記構成において、間隔調節手段によってパネルユニットどうしを壁面方向に沿って連結し、離間間隔を調節しつつパネルユニットを壁面に沿うように組付けるようにする。
【0010】
本発明の壁面パネル構造では、四個の壁面ブロックどうしを組合わせて一個のパネルユニットが構成され、該パネルユニットの四隅部に間隔調節手段が設けられたことを特徴としている。
【0011】
上記構成において、四個の壁面ブロックどうしを組合わせて一個のパネルユニットとし、パネルユニットどうしの壁面方向の離間間隔を調節しつつパネルユニットを壁面に沿うように組付けるようにする。
【0012】
本発明の壁面パネル構造では、パネルユニットがその中心で壁面に対して該壁面に沿う面内で取付け具を介して回動可能に取付けられ、間隔調節手段はパネルユニットどうしを隣合うように配置した際に、パネルユニットの回動を阻止する回動阻止手段を兼用してなることを特徴としている。
【0013】
上記構成において、例えば四個の壁面ブロックどうしを組合わせて一個のパネルユニットとし、取付けビス等の取付け具によってパネルユニットをその中心で壁面に対して壁面に沿う面内に取付けると、取付け具を中心としてパネルユニットが回動し易い状態となるが、パネルユニットどうしの隅部間に設けた間隔調節手段によって、パネルユニットの不測・不要な回動が阻止されることになる。
【0014】
本発明の壁面パネル構造では、間隔調節手段は、パネルユニットの隅部に形成された凹部および隣合うパネルユニットの隅部に形成された凹部の間に、両凹部を埋めるように該両凹部に渡される調節具を有することを特徴としている。
【0015】
上記構成において、パネルユニットの隅部に形成した凹部に調節具を埋めるようにパネルユニットの凹部に渡して、パネルユニットどうしを壁面方向に沿うように、且つパネルユニットどうしの離間間隔を調節しつつ組付ける。
【0016】
本発明の壁面パネル構造では、壁面ブロックは外枠体と前板体とを有し、パネルユニットを構成する壁面ブロックの外枠体の隅部に、該壁面ブロックの中心に向けて窪む正面視して扇状の凹部が形成され、調節具は、パネルユニットどうしを壁面に沿うように且つ壁面方向に間隔を置いて配置した際に、隣合うパネルユニットの各壁面ブロックの凹部間に嵌合されるものであることを特徴としている。
【0017】
上記構成において、四個のパネルユニットを壁面に沿うように配置すると、各パネルユニットにおける凹部が組合わさって凹部は正面視して円形になり、調節具を各凹部に渡すように組付ける。
【0018】
本発明の壁面パネル構造では、凹部の前後部には調節具の前後部が係止する係止壁がそれぞれ形成されていることを特徴としている。
【0019】
上記構成において、各パネルユニットの凹部に調節具を挿入することで調節具の前後部が係止壁に係止するから、隣合うパネルユニットどうしが前後に位置ずれするのが防止される。
【0020】
本発明の壁面パネル構造では、調節具は凹部に対して面方向から嵌合可能な円柱状部を有することを特徴としている。
上記構成の壁面パネル構造では、調節具の円柱状部を(正面視して扇状の)凹部に嵌合するようにしてパネルユニットどうしを連結する。
【0021】
本発明の壁面パネル構造では、調節具に、壁面ブロックの隅部の前後方向端面に当接可能な凸部が設けられていることを特徴としている。
上記構成において、凸部が壁面ブロックの隅部の前後方向端面に当接することにより、壁面ブロックの中心回りの不要な回動が抑制されるとともに、凸部が壁面ブロックの隅部の前後方向端面に当接することで、壁面ブロックどうしの間隔が保持される。
【0022】
本発明の壁面パネル構造では、調節具は、円柱状部と、該円柱状部の前後部の外周に径方向に突出して前後の係止壁と前後方向でそれぞれ当接可能な当接面を有する前後の鍔部とを備え、凸部が前後の当接面に前後方向に突出して設けられていることを特徴としている。
【0023】
上記構成において、調節具の前後の当接面が前後の係止壁と前後方向でそれぞれ当接することで、隣合う壁面ブロックどうしが互いに前後方向に位置ずれするのを回避し、凸部が壁面ブロックの隅部に当接することで調節具を中心とした壁面ブロックの回動範囲が規制され、凸部が壁面ブロックの隅部の前後方向端面に当接することで、壁面ブロックどうしの間隔が保持される。
【0024】
本発明の壁面パネル構造では、凸部は互いに直交する方向に交差する凸条から形成されていることを特徴としている。
この構成によれば、凸部が壁面ブロックの隅部に当接することで調節具を中心とした壁面ブロックの回動範囲が規制される。
【発明の効果】
【0025】
本発明の壁面パネル構造によれば、間隔調節手段によって壁面ブロックどうしの壁面方向の離間間隔を調節しつつ壁面ブロックを壁面に沿うように組付けるようにすると、壁面ブロックの製品寸法による累積誤差に基づく見栄えの低下を抑制することができるとともに、壁面ブロックの取付け作業を容易に行い得る。
【0026】
また、本発明の壁面パネル構造によれば、間隔調節手段によってパネルユニットどうしの壁面方向の離間間隔を調節しつつパネルユニットを壁面に沿うように組付けるようにすると、壁面ブロックの製品寸法による累積誤差に基づく見栄えの低下を抑制することができるとともに、複数個の壁面ブロックをパネルユニットとしているから、その分だけ壁面ブロックの取付け作業を容易に行い得る。
【0027】
また、四個の壁面ブロックどうしを組合わせて一個のパネルユニットとし、取付けビス等の取付け具によってパネルユニットをその中心で壁面に対して壁面に沿う面内に取付けると、取付け具を中心としてパネルユニットが回動し易い状態となるが、パネルユニットどうしの隅部間に設けた間隔調節手段によって、パネルユニットの不測・不要な回動を阻止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の第一の実施形態に係る壁面パネル構造を、図1ないし図13に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の壁面パネル構造1は、家屋の壁面2に沿って配置されるもので、パネルユニット3と、パネルユニット3の不測・不要な回動を阻止する回動阻止とパネルユニット3の壁面2方向の間隔を調節(微調節)するための間隔調節とを兼用した間隔調節手段4とを有する。
【0029】
ここで、パネルユニット3の基本構成を説明する。パネルユニット3は複数個、この場合は四個の壁面ブロック5どうしを組合わせて正面視して矩形のパネルユニット3としているものである。
各壁面ブロック5は、外枠体6と前板体7とを有し、外枠体6と前板体7とはそれぞれ合成樹脂により一体または別体に成形されており、この実施形態では別体に形成されている。
【0030】
図2に示すように、外枠体6には、正面視して矩形の外枠体6の連続する二辺の枠体部10,11の外側面それぞれに、対向する残りの二辺の枠体部12,13側に向けて窪む帯状の凹溝14,15が形成されている。この凹溝14,15は枠体部10,11の前後幅途中に形成されている。
【0031】
凹溝14,15はそれぞれ帯状の底面14c,15cと底面の幅方向端部から立設する側面14a,14b,15a,15bによって形成されている。前記二辺の枠体部10,11では、パネルユニット3を壁面2に取付けた際に壁面2側に位置する後部17と、後部17から前方に向けて突出する前部16とを有する。凹溝14,15は枠体部10,11の後部17と前部16との境界部分に形成されている。また、二辺の枠体部10,11の各凹溝14,15は連続しており、且つ同一の深さに形成されている。パネルユニット3を正面視してその中心に対して前部16は後部17に比べて小径(小面積)に形成されている。
【0032】
前記二辺の枠体部10,11の外面において、その後部17と前部16とは、壁面2に平行な段付き面18を介して一体的に形成されている。前記二辺の枠体部10,11以外の二辺の枠体部12,13の外面の後部17および前部16は面一の平面に形成されている。
【0033】
外枠体6の前部16のうち、凹溝14,15どうしが連続する部分に相当する隅部には、正面視して円弧状の湾曲壁20が形成されている。
【0034】
パネルユニット3は、壁面2に取付けビス21によって取付けられるものであり、外枠体6の後部17のうち、凹溝14,15どうしが連続する部分に相当する隅部の後部に、4個の壁面ブロック5どうしを隣接するよう組合わせた状態において、取付けビス21の胴部22が挿入される正面視して扇状の小径凹部23が形成され、該隅部の前部に取付けビス21の頭部24が挿入される正面視して扇状の大径凹部25が、小径凹部23に連続して形成されている。大径凹部25と小径凹部23とは壁面2に沿う段付き面によって連続して形成されている。
【0035】
取付けビス21の胴部22と頭部24とは、取付けビス21の径方向の段付き面を介して連続されており、胴部22の外周面には雄ねじが形成されている。4個の壁面ブロック5どうしを隣接するよう組合わせた状態において、各大径凹部25と各小径凹部23とで、径の異なる孔部(後述の中心孔60)がパネルユニット3の中心に形成される。
なお、孔部の小径側の径は取付けビス21の胴部22に比べてわずかに大きくなるよう設定されており、孔部の大径側の径は取付けビス21の頭部24に比べてわずかに大きく設定されている。
【0036】
前記二辺の枠体部10,11のうちの一方の枠体部10の後部17には、壁面2方向に突出する凸起26が一体的に形成されている。凸起26は、枠体部10の長手方向に間隔を置いて対で形成されている。他方の枠体部11の後部17には、隣合う壁面ブロック5の凸起26が嵌合する嵌合孔27が形成されている。
凸起26および嵌合孔27は、壁面ブロック5どうしを隣接して組付ける組付け手段として用いられるが、この凸起26および嵌合孔27は組付け手段としての一例であり、嵌合、被嵌合の関係に限らず、壁面ブロック5どうしを隣接して組付ける手段として係止、被係止の関係を用いてもよい。
【0037】
凹溝14,15どうしが連続する部分に相当する隅部に対角線上で対向する隅部には、間隔調節手段4を構成する調節凹部28が形成されている。
調節凹部28は、前後の小径調節凹部30と、両小径調節凹部30の間に配置される大径調節凹部31とを有する。小径調節凹部30および大径調節凹部31はともに正面視して扇状に形成されており、四個の壁面ブロック5を組合わせた状態で正面視して円形になるように形成されている。
【0038】
前後それぞれの小径調節凹部30と大径調節凹部31との間における壁面ブロック5の隅部は、後述する調節具32の円柱部43の外周面が壁面2の面方向で嵌合可能な円弧面(符号省略)とされている。
【0039】
すなわち、四個の壁面ブロック5を組合わせた状態で、各小径調節凹部30が組合わされて円柱状の凹部となり、各大径調節凹部31が組合わされてそれぞれ円柱状の凹部となる。また、凹溝14,15は正面視して縦方向一方、横方向一方の双方に形成されることになる。
【0040】
図3に示すように、小径調節凹部30の前後、大径調節凹部31の前後には、後述の調節具32の前後部が係止する係止壁33が形成されている。特に、前側の小径調節凹部30の前係止面34aは外枠体6の前隅部から形成されてなり、後側の小径調節凹部30の後係止面34bは外枠体6の後隅部から形成されてなる。
小径調節凹部30の小径内周面35、大径調節凹部31の大径内周面36は、調節具32の外周面が当接可能な当接面とされている。
【0041】
二辺の枠体部10,11以外の二辺の枠体部12,13の何れかの前部16に、壁面2方向に突出した取付け凸起29が一体的に形成されている。この取付け凸起26は、図4(a),(b)に示すように、前板体7の側部に折曲して形成された枠体部長手方向の取付け片38に形成された取付け孔40に嵌合するものである。
前板体7は、前面の平板部41と、前記取付け片38とを有し、取付け孔40に取付け凸起26を嵌合することで外枠体6と平板部41とが一体化される。
【0042】
上記構成の四個の壁面ブロック5どうしを、凸起26を嵌合孔27に嵌合させることで組合わせて、正面視して矩形のパネルユニット3としているもので、そのパネルユニット3の対角線の交点に、取付けビス21を挿入する孔が形成された状態となる。なお、各壁面ブロック5における湾曲壁20が前記対角線の交点側に位置することになる。
また、パネルユニット3の四隅には、調節具32の取付け部分が配置される。
【0043】
前記調節具32は、パネルユニット3の四隅それぞれに形成された調節凹部28に嵌合するもので、その前後に、前係止面34a、後係止面34bに摩擦力をもって壁面2に沿う方向で摺動するようにして係止する面を有するものである。あるいは小径調節凹部30の係止壁33に摩擦力をもって壁面2に沿う方向で摺動するようにして係止する面を有するものである。
【0044】
さらに具体的に調節具32の構成を説明すると、図5(a),(b),(c)に示すように、調節具32は、径方向中心にある円柱部43と、円柱部43の外周面から径方向外方に突出する鍔部44とから形成されている。円柱部43は前後方向中心部に比べて前後部が大径に形成されている。
【0045】
鍔部44は、前側の対の小径鍔部45,46と、後側の対の小径鍔部47,48と、円柱部43の軸方向中心にある対の大径鍔部50,51とから構成されている。調節具32の外周面としての各小径鍔部45,46,47,48および大径鍔部50,51の四隅は円弧状に形成されており、その曲率は、当接面としての小径調節凹部30の小径内周面35、大径調節凹部31の大径内周面36と同一に設定されている。
【0046】
円柱部43、はその長手方向中心側の中心部43aに比べて前後部43bが大径に形成されている。また、調節具32の長手方向(前後方向)の長さL1は、前係止面34aと後係止面34bとの間の長さ(前後の離間距離)に比べて、若干長く設定されている。具体的には、小径鍔部45の前面および小径鍔部48の後面にわずかな肉盛り45a,48aを形成することで、若干長く設定されている。
【0047】
この構成により、調節具32を調節凹部28に嵌合することで、調節具32が調節凹部28に若干の圧入力をもって嵌合されるように設定されている。また、小径鍔部45,46,47,48がそれぞれ小径調節凹部30に嵌合して小径鍔部45,46,47,48の外周面がそれぞれ小径内周面35に当接可能となり、大径鍔部50,51の外周面がそれぞれ大径調節凹部31の大径内周面36に当接可能となる。
【0048】
この実施形態では、上記のように四個の壁面ブロック5を組合わせたパネルユニット3どうしを壁面2に沿って、且つ壁面2に沿う方向の隙間δをもって、間隔調節手段4を用いて組付けるようにするものである。
【0049】
以下に、複数個のパネルユニット3を壁面2に沿うように縦横に並べて配置するよう施工する場合について説明する。
すなわち、予め壁面2に設置するパネルユニット3を複数個準備しておき、また、パネルユニット3を取付けるための中心を壁面2に対して芯出ししておく。そして、パネルユニット3の中心を、芯出しした位置に位置合わせし、取付けビス24を、壁面ブロック5の隅部に形成された小径凹部23および大径凹部25の組合わせによって正面視して円形に形成されている中心孔60(図6参照)に挿入して、これを壁面2に螺合する。そうすると、取付けビス24の段部が小径凹部23および大径凹部25の境界面である壁面2方向に沿う段付き面に当接(圧接)し、パネルユニット3が壁面2に取付けられる。
【0050】
このとき、壁面ブロック5の隅部に形成された小径凹部23および大径凹部25の組合わせによって正面視して円形に形成されている中心孔60があるから、芯出し位置はこの中心孔60を通して確認することができ、したがってパネルユニット3を確実に芯出し位置に合致する位置に置いて、しかも確実に取付けビス24を壁面2に螺合することができる。
なお、このようにしてパネルユニット3を壁面2に取付けた状態では、パネルユニット3はその中心に挿通されている取付けビス24のみで支持されているから、パネルユニット3は壁面2に対して回動し易い状態となっている。
【0051】
上記作業を、縦列あるいは横列一列について行う。その後、調節具32を上下、あるいは左右に隣合うパネルユニット3の調節凹部28どうしに渡すようにして嵌合するようにする。このとき、調節具32の長手方向の長さL1は、前係止面34aと後係止面34bとの間の長さに比べて、若干長く設定されているから調節具32を調節凹部28に渡すように嵌合することで、調節具32が調節凹部28に若干の圧入力をもって嵌合されることになり、その圧入力によって隣合うパネルユニット3どうしが固定されることになる。つまり、調節具32を調節凹部28に渡すようにして嵌合(連結)することにより、パネルユニット3単体では壁面2に対してその壁面2に沿うように回動し易い状態が解消される。
なお、左右に隣合うパネルユニット3の調節凹部28に調節具32を嵌合した状態では、調節具32の略半分が上方に突出した状態となっている。
【0052】
上記のようにして例えば横列一列のパネルユニット3の取付けを終了したら、当該一列のパネルユニット3を構成する各パネルユニット3の上方に、予め芯出ししていた位置を目安に、パネルユニット3を取付ける。このとき、既に取付けてある調節具32の突出した部分に、上方のパネルユニット3の調節凹部28が嵌合するようにして該パネルユニット3を壁面2に取付ける(図6参照)。
【0053】
ここで、隣合うパネルユニット3どうしを壁面2方向に沿うよう配置するにあたり、予め壁面2方向に沿う所定の間隔を置くようにするものであるが、当該間隔と、パネルユニット3の調節凹部28の径を加えた距離は、調節具32の鍔部44の径に比べて若干大きくなるように設定されている。
【0054】
具体的に、パネルユニット3どうしを隣合うように配置した状態において、前記間隔と調節凹部28の小径内周面35の径とを加えた距離は、小径鍔部45の最大径に比べて若干大きく設定されている。換言すれば、パネルユニット3どうしを隣合うように配置した状態において、小径鍔部45の最大径は、前記間隔と調節凹部28の小径内周面35の径とを加えた距離に比べて小さくなるよう設定されている。つまり、調節具32を調節凹部28に嵌合するよう取付けた状態では、調節具32の外周面と調節凹部28の内面との間に若干の隙間が生じるように設定されている。
【0055】
そして、調節具32は調節凹部28に若干の圧入力をもって嵌合されるものの、パネルユニット3の中心部回りに該圧入力を超える回転力が働いた場合に、前記隙間が埋められるようになり、調節具32の外周面と調節凹部28の内面とが当接するものである。しかしながら、調節具32の外周面と調節凹部28の内面とが当接したとしても、調節具32を介してパネルユニット3どうしが連結されているから、調節具32によってパネルユニット3の不測・不要な回動は抑制されることになる。
さらに、調節具32の外周面と調節凹部28の内面との間の隙間を小さくする、あるいは大きくするようにすることで、既に取付けてあるパネルユニット3に隣合うようにパネルユニット3を壁面2方向に微調節しつつ配置して、該パネルユニット3を芯出し位置に配設することができる。
【0056】
上記のようにしてパネルユニット3を、壁面2に沿って、且つ所定の間隔を置いて隣合うように設置することで、予め設定した個数のパネルユニット3が壁面2に設置されることになる。
【0057】
そして、本発明の実施形態では、四個の壁面ブロック5どうしを組合わせて一個のパネルユニット3として扱い、これを取付けビス21だけで取付ける構成であるから、壁面2に取付ける壁面ブロック5が多数あったとしても、四個の壁面ブロック5どうしを組合わせて一個のパネルユニット3として扱う分だけ取付けが容易で作業性が良好である。
【0058】
しかも、四個の壁面ブロック5どうしを組合わせて一個のパネルユニット3とし、これらパネルユニット3を壁面2に沿う所定の間隔を置いて配置し、調節具32の外周面と調節凹部28の内面との間の隙間を小さくする、あるいは大きくするようにすることで、既に取付けてあるパネルユニット3に隣合うようにパネルユニット3を壁面2方向に微調節しつつ配置して、該パネルユニット3を芯出し位置に配設することで、従来のように壁面ブロック5を直接的に隣接するようにして配置することで発生する累積誤差による端部の壁面ブロック5どうしの段差を解消することができる。
【0059】
図7(a),(b),(c)は、調節具32をその径方向で半割り形状とした調節具32Aであり、図8(a),(b),(c)は調節具32Aをさらに径方向で半割り形状とした調節具32Bである。
【0060】
調節具32Aの基本構成は、調節具32を、その二隅の円弧状部分をそのまま欠けることなく半割りにした形状であるが、半割り面を平面とすべく、外面を平面とした隠し用壁61が設けられている。隠し用壁61は、小径鍔部45,46の半割り面間、小径鍔部47,48の半割り面間、および大径鍔部50,51の半割り面間を塞ぐように設けられるもので、その外面が円柱部43の半割り面と面一となるように一体的に形成されている。
【0061】
また、小径鍔部45および小径鍔部48の半割り面側端部には、それぞれ長手方向に突出する板片63が、その外面を円柱部43の半割り面と面一となるように一体的に形成されている。
【0062】
この調節具32Aは、端部に配置するパネルユニット3において隣合うパネルユニット3どうしの調節凹部28に渡すように嵌合させて使用する。端部に配置するパネルユニット3において隣合うパネルユニット3どうしの調節凹部28は、側面から見たとき調節凹部28の内側の凹凸が見えてしまうから、調節凹部28に調節具32Aをその面一となっている平面が外側に位置するように嵌合することで、隠し用壁61および円柱部43の半割り面によって該凹凸を隠すことができ、しかも調節具32Aは調節具32の半割り形状であるから、端部のパネルユニット3の側方へ調節具32Aが突出することがない。
【0063】
また、板片63がそれぞれ係止壁33に側方から当接することで、調節具32Aが調節凹部28に入り込んでしまうという状態を回避することができる。
【0064】
調節具32Bは、端部のパネルユニット3のうち、隅部のパネルユニット3、すなわち二辺の枠体部12,13側にパネルユニット3が配置されていないパネルユニット3の調節凹部28に嵌合して使用するものである。
【0065】
調節具32Bは、調節具32を、その一隅の円弧状部分をそのまま欠けることなく4分の一に分割した形状であるが、割り面を平面とすべく、外面を平面とした隠し用壁62が設けられている。隠し用壁62は、小径鍔部45,46の割り面間、小径鍔部47,48の割り面間、および大径鍔部50,51の割り面間を塞ぐように設けられるもので、その外面が円柱部43の割り面と面一となるように一体的に形成されている。
【0066】
また、小径鍔部45および小径鍔部48の割り面側端部には、それぞれ長手方向に突出する板片64が、その外面を円柱部43の割り面と面一となるように一体的に形成されている。
【0067】
端部の隅に配置するパネルユニット3において、該パネルユニット3の調節凹部28は、側面あるいは上下面から見たとき調節凹部28の内側の凹凸が見えてしまうから、調節凹部28に調節具32Bをその面一となっている平面が外側に位置するように嵌合することで、隠し用壁62および円柱部43の割り面によって該凹凸を隠すことができ、しかも調節具32Bは調節具32の分割形状であるから、端部のパネルユニット3の側方、上下方へ調節具32Bが突出することがない。
【0068】
また、板片64がそれぞれ係止壁33に側方から当接することで、調節具32Aが調節凹部28に入り込んでしまうという状態を回避することができる。
【0069】
図9は、取付けビス21を中心孔60に挿入した後に、その頭部24を隠すための隠し蓋65を示している。これは、円板状の蓋体66と、この蓋体66の裏面外周部から取付けビス21の軸方向に突出するよう設けられた複数のフック67から一体的に形成されている。フック67は蓋体66の周方向に等間隔で離間して四個設けられている。
【0070】
フック67は、基部68と基部68の先に設けられた楔形状の係止部70とから一体的に形成されている。係止部70は、凹溝14(15)の側面14a(15a)に、基部68の弾性によって係止する係止面71が形成されている。
【0071】
図10は隠し蓋65の使用状態図を示しており、図示のように、中心孔60に隠し蓋65を位置合わせして挿入することで、係止部70が前部16の外面に押圧されて縮径するよう弾性変形し、さらに隠し蓋65を押圧することで、係止面71が凹溝14(15)の側面14a(15a)に、壁面2に垂直な面で係止する。このとき、フック67の先端部は、凹溝14(15)の側面14b(15b)に当って、それ以上後方に移動するのを阻止される。
【0072】
本発明の実施形態に係る壁面パネル構造1では、外枠体6には、正面視して矩形の外枠体6の連続する二辺の枠体部10,11の外側面それぞれに、対向する残りの二辺の枠体部12,13側に向けて窪む凹溝14,15が形成されている。また、凹溝14,15どうしが連続する部分に相当する隅部には湾曲壁20が形成され、二辺の枠体部10,11のうちの一方の枠体部10には凸起26が形成され、他方の枠体部11には、隣合う壁面ブロック5の凸起26が嵌合する嵌合孔27が形成されている。
【0073】
この構成によれば、パネルユニット3を組立てるにあたり湾曲壁20を中心側に位置するようにすれば、凸起26と嵌合孔27が嵌合するようになるから、四個の外枠体6を何れの配置としたとしても、同じ形状のパネルユニット3を構成することができるという、組立て作業上での容易さがある。
【0074】
しかも、対向する残りの二辺の枠体部12,13側に向けて窪む凹溝14,15を形成し、凹溝14,15どうしが連続する部分に相当する隅部を湾曲壁20とすることで、湾曲壁20を中心側に位置するようにしてパネルユニット3を組立てれば、一個のパネルユニット3において、常に隣接する壁面ブロック5に連続的な縦横方向の凹溝14,15が形成されるようになる。
【0075】
そしてこのような凹溝14,15には、それぞれ棚板等を取付けるための棚柱等を縦横に挿通することが可能であり、したがって壁面パネル構造1の付加価値を向上させることができる。すなわち、凹溝14,15を設けていることにより、棚板、棚柱等の装飾用部品を、特別な施工をすることなく取付けることができる。
【0076】
図1に示す棚柱75は、中抜きの矩形断面に形成されており、その前面に、矩形の切欠き76を所定間隔毎に形成している。また一本の棚柱75の長さは、例えば一個のパネルユニット3の縦方向長さの半分の長さに比べてやや短く形成するようにしておく。これにより、パネルユニット3を設置した後に、縦方向の溝を形成している凹溝14(15)に、上方あるいは下方から、隠し蓋65(フック67)に当接するまで挿入するように構成している。
【0077】
例えば棚柱75の切欠き76に、棚受け用のアングル77を取付けるようにする。具体的には、アングル77の後部に形成された上下の係止片78を切欠き76に挿入して係止するようにすることで取付けることができる。
【0078】
あるいは、横方向の溝となっている凹溝14(15)には、取付け具80を係止するようにして、この取付け具80に棚板81を取付けるようにすることも可能である。具体的には図1および図11に示すように、取付け具80はその後部に、凹溝14(15)の側面14a(15a)に係止するフック82と、フック82の側面14a(15a)への係止とともに、前板体7の前面に面どうしで当接する本体部83とを備える。本体部83は左右側が開放された断面コ字形に形成され、その挿入口84に棚板81の後部を把持し、且つ棚板81をビス止めするよう構成されている。
なお、パネルユニット3を正面視してその中心に対して前部16は後部17に比べて小径(小面積)に形成されているから、隣合う壁面ブロック5の枠体部10,11間には壁面2方向の隙間があるから、この隙間から取付け具80を挿入することが可能である。
【0079】
上記実施形態では、取付けビス21は胴部22と頭部24とから構成し、胴部22の外周面に雄ねじを形成した例を示した。ここで、図6に示す取付けビス21では、その頭部24の外周面にも雄ねじを形成している。そして、頭部24の前面頂部にドライバー等の工具用の溝(例えば十字溝)85を形成している。このような取付けビス21を用いて、壁面2に取付けビス21を介して化粧板86を取付けることが可能である。
【0080】
具体的に、取付けビス21に連結する前後方向のポール状の連結部材87を設けて、この連結部材87の前部に化粧板86を支持させるようにしている。連結部材87の両端部内周面のうち、少なくとも一端側の内周面には雌ねじを形成している。この実施形態では、連結部材87の両端部内周面の双方に雌ねじを形成している。そして一端側の雌ねじを取付けビス21の頭部に螺合して連結部材87をパネルユニット3から前方に突出させ、予め化粧板86の板面に形成した取付け孔と連結部材87の他端側とを位置合わせするようにして化粧ねじ88を取付け孔に挿通し、化粧ねじ88を連結部材87の他端側に螺合する。
【0081】
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。ここで、調節具32の別の実施形態を図12および図13に示す。これらの図に示す調節具32は、前当接部材90と後当接部材91とを前後一対で組合わせて構成されるものである。
【0082】
前当接部材90は、前円板92と、この前円板92の後面から後方に向けて突出する複数本(図では四本)の嵌合脚部材94とから一体に形成されている。嵌合脚部材94は前円板92の後面に周方向に等間隔に離間して配置されている。各嵌合脚部材94は、その中心に嵌合孔95を形成した前後方向で同一断面の中抜き円柱状に形成されている。
【0083】
後当接部材91は、後円板96と、この後円板96の前面から前方に向けて突出する複数本(図では四本)の被嵌合脚部材93とから一体に形成されている。被嵌合脚部材93は後円板96の前面に周方向に等間隔に離間して配置されている。被嵌合脚部材93は円錐台形状に形成されており、その先端部分の径は嵌合孔95に比べて小径に形成されており、前後方向途中で嵌合孔95の径を超える径に形成されている。この被嵌合脚部材93は、嵌合脚部材94に後方から内嵌するものである。
【0084】
前円板92の中心には雌ねじ孔97が形成されており、後円板96の中心には貫通孔98が形成されている。雌ねじ孔97は前円板92の厚み方向途中から形成されており、その前部には調節ボルト100の大径頭部101が挿入されて当接可能な段付き面102を有する挿入凹部103が形成されている。大径頭部101の前面にはレンチ等の工具で調節ボルト100を回転操作するための工具用凹部104が形成されている。
【0085】
貫通孔98には、調節ボルト100の胴部105の途中に形成した段部106が前後方向で当接する当接面107が形成されている。調節ボルト100の先端部には、抜止め用の止めリング108を取付けるための環状溝110が形成されている。
なお、調節ボルト100における胴部105の大径頭部101側の外周面に雌ねじ孔97に螺合する雄ねじ112が形成されている。
【0086】
上記構成の前当接部材90の嵌合脚部材94に後当接部材91の被嵌合脚部材93を嵌合する一方で、調節ボルト100の雄ねじ112を雌ねじ孔97に螺合するとともに調節ボルト100の胴部105を貫通孔98に挿通し、環状溝110に抜止め用の止めリング108を取付ける。
【0087】
このような調節具32をパネルユニット3の調節凹部28(係止壁33間)に挿入し、上記のようにしてパネルユニット3を壁面2に沿うように配置する。そして、必要に応じて調節ボルト100を回転させて後円板96に対する前円板92の位置を相対的に離間させることで、後円板96および前円板92の外周部分をそれぞれ係止壁33に内側から圧接する。この圧接力により、隣合うパネルユニット3どうしが不測・不要に回動するのを防止することができる。
【0088】
図14ないし図25に第二の実施形態を示す。この第二の実施形態に係る壁面パネル構造1では、図1ないし図13で示した壁面パネル構造1とは壁面ブロック5、調節具32および隠し蓋65の構成が異なっている。
【0089】
壁面ブロック5では、図14ないし図16に示すように、二辺の枠体部10,11の、パネルユニット3を壁面2に取付けた際に壁面2側に位置する後部17が内外二重構造となっている。すなわち枠体部10,11の後部17は外後部17Aと外後部17Aに間隔を置いてその内側に配置された内後部17Bとから構成されている。内後部17Bの内面は前部16の内面と面一となるよう前部16に一体的に形成されている。
【0090】
外後部17Aと内後部17Bとは、壁面2方向にほぼ均等間隔に配置されたリブRにより一体化されている。嵌合孔27は外後部17Aにのみ形成されている。内後部17Bの内面上で且つその後端には、外枠体6を壁面2にビス止めするための一対の取付け片6aが複数組形成されている。
凹溝14,15の前側に、凹溝14,15に比べて小幅の小幅溝19a,19bが凹溝14,15に平行に複数本(この場合二条の溝)形成されている。これら小幅溝19a,19bも凹溝14,15と同様に、取付け具80のフック82(図11参照)を係止させるのに用いられる。
【0091】
図15ないし図17に示すように、調節凹部28は、前後の小径調節凹部30と、両小径調節凹部30の間に配置された大径調節凹部31とを有し、小径調節凹部30および大径調節凹部31はともに正面視して扇状に形成されており、四個の壁面ブロック5を組合わせた状態で正面視して円形になるように形成されている点、小径調節凹部30の前後、大径調節凹部31の前後には、調節具32の前後部が係止する係止壁33が形成されている点、小径調節凹部30の小径内周面35、大径調節凹部31の大径内周面36は、調節具32の外周面が当接可能な当接面とされている点については、第一の実施形態と同様である。
【0092】
しかしながら、第二の実施形態における前後の小径調節凹部30は、第一の実施形態における小径調節凹部30に比べてその前後方向幅ができるだけ小さく形成されており、しかも第一の実施形態に比べて、壁面ブロック5の前後方向中心側に配置されている。以上は、第一の実施形態における壁面ブロック5との構成上の相違点である。
なお、前後それぞれの小径調節凹部30と大径調節凹部31との間における壁面ブロック5の隅部は、調節具32の円柱部43の外周面が壁面2の面方向で嵌合可能な円弧面(符号省略)とされていることは上記第一の実施形態と同様である。
【0093】
次に、図18に基づいて、調節具32の構成の相違を説明する。先ず、第二の実施形態における調節具32は、第一の実施形態に比べて長手方向(前後方向)の長さL1が短く形成されている。そして、調節具32は、前側の一個の小径鍔部46と、後側の一個の小径鍔部47と、円柱部43の軸方向中心にある対の大径鍔部50,51とから構成されている。
また、小径鍔部46,47の当接面、すなわち、小径鍔部46の前面46a、小径鍔部47の後面47aには、前後方向に突出する凸部150,151がそれぞれ中心に形成されている。これら凸部150,151は、それぞれ直角に交差する凸条160,161から正面視して十字形状に形成されている。その突出量は、この場合、小径鍔部46,47の前後方向の厚みにほぼ等しく設定されている。
なお、凸条160,161の壁面2の面方向の長さは、小径鍔部46,47の径に比べて小さく設定されている。第二実施形態では、第一の実施形態における小径鍔部45および小径鍔部48を省略して凸条160,161を形成してあっても、調節具32は、第一の実施形態に比べて長手方向の長さL1が短く形成されている。
【0094】
肉盛り45a,48aは、この場合、小径鍔部46,47には形成されておらず、大径鍔部50の前面、大径鍔部51の後面にそれぞれ形成されている。肉盛り45a,48aは、円柱部43を回避して大径鍔部50の前面、大径鍔部51の後面に形成されていることは勿論である。そして、肉盛り45a,48aは何れかの凸条160,161に平行に形成されている。
【0095】
図19は、調節具32をその径方向で半割り形状とした調節具32Aを示しており、図20は調節具32Aをさらに径方向で半割り形状とした調節具32Bである。
【0096】
調節具32Aは、端部に配置するパネルユニット3において隣合うパネルユニット3どうしの調節凹部28に渡すように嵌合させて使用するものである。
この実施形態における調節具32Aの構成が第一の実施形態と異なる部分について説明すると、調節具32Aは小径鍔部45、小径鍔部47および板片63を省略しており、小径鍔部46,47、大径鍔部50,51、円柱部43を有する。また、小径鍔部45の前面および小径鍔部47後面に、それぞれ一径方向の凸条160のみが形成され、大径鍔部50の前面および大径鍔部51の後面に、肉盛り45a,48aが一径方向の凸条160と平行に形成されている。
【0097】
調節具32Aを隣合うパネルユニット3どうしの調節凹部28に渡すように嵌合させて一径方向の凸条160の側面を係止壁33の隅部の前後方向端面に当接させると、その嵌合力によって、隣合うパネルユニット3どうしの関係において、パネルユニット3は取付けビス21回りの回動範囲を規制されることになり、パネルユニット3どうしを確実に連結することができる。
【0098】
図23ないし図25に、調節具32Bの構成を示す。調節具32Bは、端部のパネルユニット3のうち、隅部のパネルユニット3、すなわち二辺の枠体部12,13側にパネルユニット3が配置されないパネルユニット3の、その調節凹部28に嵌合するようにして使用される。
【0099】
調節具32Bは、第一の実施形態における調節具32Bの板片64、小径鍔部45、その隠し用壁62、小径鍔部48およびその隠し用壁62を省略した構成を有する。また、大径鍔部50の前面および大径鍔部51の後面に、肉盛り45a,48aが径方向に形成されている。
なお、端部のパネルユニット3のうち、隅部のパネルユニット3、すなわち二辺の枠体部12,13側にパネルユニット3が配置されていないパネルユニット3の調節凹部28に嵌合して使用するものであるから、凸条160,161は有しない。
【0100】
調節具32Bは、調節具32を、その一隅の円弧状部分をそのまま欠けることなく4分の一に分割した形状であるが、割り面を平面とすべく、大径鍔部50および大径鍔部51の間には、外面を平面とした隠し用壁62が設けられている。この隠し用壁62は、大径鍔部50,51の割り面間を塞ぐように設けられるもので、その外面が円柱部43の割り面と面一となるように一体的に形成されている。
【0101】
図21に示すように、第二の実施形態における隠し蓋65には、その前面の中心に、摘み170が前方に突出するよう一体的に形成されている。この摘み170の断面形状は、作業者が摘み易ければ特に特定されるものではない。この実施形態の場合、摘み170はその断面形状が多角形に形成されており、摘み170は全体として角柱状に形成されている。他の構成は図9で示した隠し蓋65と同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0102】
図22および図23は、調節具32を用いて壁面ブロック5どうしを連結した斜視図である。調節具32は、その小径鍔部46,47を小径調節凹部30に嵌合するようにし、大径鍔部51を大径調節凹部31に嵌合するようにして、第一の実施形態と同様にしてパネルユニット3どうしを壁面2に沿うように組付ける。
この際、凸条160,161の側面が係止壁33の壁面ブロック5の隅部の前後方向端面(側面)に当接可能となるから、隣合うパネルユニット3どうしの関係において、パネルユニット3は、取付けビス21回りの回動範囲を規制されることになる。このように、パネルユニット3は、取付けビス21回りの回動範囲が規制されることで、壁面2に対するパネルユニット3の取付けがし易くなる。
そして、凸条160,161が壁面ブロック5の隅部に当接することによれば、凸条160,161が壁面ブロック5(パネルユニット3)間に介装されるから、壁面ブロック5どうしの間隔を保持することができる。
【0103】
調節具32は、第一の実施形態に比べて長手方向の長さが短く形成され、前側の一個の小径鍔部46が最も手前にあって、これは第一の実施形態に比べてパネルユニット3(壁面ブロック5)の前面から奥まった位置にあるから、その分だけ観者から調節具32が見えにくくなっており、したがって美観の低下を抑えることができる。
【0104】
図24に示すように、調節具32Aは、端部に配置するパネルユニット3において隣合うパネルユニット3どうしの調節凹部28に渡すように嵌合させる際に、一径方向の凸条160の側面を係止壁33の隅部の前後方向端面に当接させると、その嵌合力によって、隣合うパネルユニット3どうしの関係において、パネルユニット3は取付けビス21回りの回動範囲を規制されることになり、パネルユニット3どうしを確実に連結することができる。
【0105】
図25に示すように、調節具32Bは、端部のパネルユニット3のうち、隅部のパネルユニット3、すなわち二辺の枠体部12,13側にパネルユニット3が配置されていないパネルユニット3の調節凹部28に嵌合して使用する。
【0106】
また、隠し蓋65には、その前面の中心に摘み170が前方に突出するよう形成されているから、この摘み170を作業者が摘んで、中心孔60に隠し蓋65を位置合わせして挿入するようにすれば、パネルユニット3の奥まった位置に隠し蓋65を装着する際にその作業がし易い。
【0107】
上記実施形態では、四個の壁面ブロック5で一個のパネルユニット3を構成し、これを壁面2の面方向に沿うよう組付けた場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一個の壁面ブロック5からパネルユニット3を構成することも可能である。この場合では、壁面ブロック5の中心に取付けビス21を挿通する中心孔60を設けるようにし、壁面ブロック5の四隅に調節凹部28を形成するようにする。
そして、中心孔60に取付けビス21を挿通するようにして壁面ブロック5を壁面2に取付け、壁面ブロック5の調節凹部28に調節具32を渡すようにして上記実施形態と同様にして、順次壁面ブロック5を壁面2の面方向に沿って組付けるようにする。
【0108】
さらに、上記各実施形態では、調節具32には、小径鍔部、大径鍔部、あるいは隠し用壁を設けたが、調節具32をその前後面を当接面とする単純な円柱形状に形成することも可能であり、また当接面に突条、あるいは肉盛りを形成することも可能である。
【0109】
上記各実施形態では、凸部(凸条160,161)は小径鍔部45の前面および小径鍔部47の後面に形成した構成としたがこれに限定されるものではない。すなわち、凸部が壁面ブロック5の隅部の前後方向端面に当接可能であれば、凸部を調節具32の円柱部43の外周面に径方向に突出させて、凸部の側面を壁面ブロック5の隅部の前後方向端面に当接させるよう構成することも可能である。また、凸部を大径鍔部50,51のそれぞれの前面および後面、あるいは大径鍔部50,51の外周面に径方向に突出するよう設けて、凸部の側面を壁面ブロック5の隅部の前後方向端面に当接させるよう構成することも可能である。
【0110】
あるいは、凸部を小径鍔部45,47の外周面に径方向に突出するよう設けて、凸部の側面を壁面ブロック5の隅部の前後方向端面に当接させるよう構成することも可能である。
何れの場合も凸部が壁面ブロック5の隅部に当接することで調節具32を中心とした壁面ブロック5の回動範囲を規制することができ、壁面ブロック5どうしの間隔を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の第一の実施形態を示す壁面パネル構造の取付け状態を示す斜視図
【図2】同じくパネルユニットを構成する壁面ブロックの外枠体の単体斜視図
【図3】同じくパネルユニットを構成する壁面ブロックの底面図
【図4】同じくパネルユニットを構成する壁面ブロックの前板体の単体図で(a)は単体底面図、(b)は単体正面図
【図5】同じく調節具の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図、(c)は単体正面図
【図6】同じくパネルユニットどうしの取付け状態を示す側面図
【図7】同じく調節具の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図、(c)は単体正面図
【図8】同じく調節具の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図、(c)は単体正面図
【図9】同じく隠し蓋の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図
【図10】同じく隠し蓋の使用状態を示す平面図
【図11】同じく棚板の取付け状態の一例を示す側面図
【図12】同じく別の実施形態を示す調節具の平面図
【図13】同じく調節具の前当接部材の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図、(c)は単体正面図
【図14】本発明の第二の実施形態を示すパネルユニットの背面図
【図15】同じく壁面ブロックの正面側からの斜視図
【図16】同じく二個の壁面ブロックを組合わせた状態の正面側からの斜視図
【図17】同じく調節凹部の拡大図
【図18】同じく調節具の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図
【図19】同じく調節具の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図、(c)は単体側面図
【図20】同じく調節具の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図、(c)は単体側面図
【図21】同じく隠し蓋の単体図で(a)は単体斜視図、(b)は単体平面図
【図22】同じく二個の壁面ブロックを組合わせ調節具を取付けた状態の斜視図
【図23】同じく調節具の取付け状態を示す斜視図
【図24】同じく調節具の取付け状態を示す斜視図
【図25】同じく調節具の取付け状態を示す斜視図
【符号の説明】
【0112】
1…壁面パネル構造、2…壁面、3…パネルユニット、4…間隔調節手段、5…壁面ブロック、6…外枠体、7…前板体、10,11…枠体部、12,13…枠体部、14,15…凹溝、20…湾曲壁、28…調節凹部、29…凸起、30…小径調節凹部、31…大径調節凹部、32…調節具、33…係止壁、41…平板部、43…円柱部、44…鍔部、45,46…小径鍔部、47,48…小径鍔部、50,51…大径鍔部、75…棚柱、81…棚板、93…被嵌合脚部材、94…嵌合脚部材、100…調節ボルト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面ブロックを壁面に沿うよう組合わせるようにしてなる壁面パネル構造において、壁面に沿って隣合う壁面ブロックどうしの隅部間に、該隣合う壁面ブロックどうしを連結するとともに前記壁面方向の間隔を調節しうる間隔調節手段が設けられたことを特徴とする壁面パネル構造。
【請求項2】
複数個の壁面ブロックどうしを組合わせて正面視して矩形のパネルユニットとし、該パネルユニットどうしを壁面に沿うように且つ壁面方向に間隔を置いて配置されてなり、壁面に沿って隣合うパネルユニットどうしの隅部間に、該隣合うパネルユニットどうしを連結するとともに前記壁面方向の間隔を調節しうる間隔調節手段が設けられたことを特徴とする壁面パネル構造。
【請求項3】
四個の壁面ブロックどうしを組合わせて一個のパネルユニットが構成され、該パネルユニットの四隅部に間隔調節手段が設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の壁面パネル構造。
【請求項4】
パネルユニットがその中心で壁面に対して該壁面に沿う面内で取付け具を介して回動可能に取付けられ、間隔調節手段はパネルユニットどうしを隣合うように配置した際に、パネルユニットの回動を阻止する回動阻止手段を兼用してなることを特徴とする請求項2または請求項3記載の壁面パネル構造。
【請求項5】
間隔調節手段は、パネルユニットの隅部に形成された凹部および隣合うパネルユニットの隅部に形成された凹部の間に、両凹部を埋めるように該両凹部に渡される調節具を有することを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れかに記載の壁面パネル構造。
【請求項6】
壁面ブロックは外枠体と前板体とを有し、パネルユニットを構成する壁面ブロックの外枠体の隅部に、該壁面ブロックの中心に向けて窪む正面視して扇状の凹部が形成され、調節具は、パネルユニットどうしを壁面に沿うように且つ壁面方向に間隔を置いて配置した際に、隣合うパネルユニットの各壁面ブロックの凹部間に嵌合されるものであることを特徴とする請求項5記載の壁面パネル構造。
【請求項7】
凹部の前後部には調節具の前後部が係止する係止壁がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項5または請求項6記載の壁面パネル構造。
【請求項8】
調節具は凹部に対して面方向から嵌合可能な円柱状部を有することを特徴とする請求項5ないし請求項7の何れかに記載の壁面パネル構造。
【請求項9】
調節具に、壁面ブロックの隅部の前後方向端面に当接可能な凸部が設けられていることを特徴とする請求項5ないし請求項8の何れかに記載の壁面パネル構造。
【請求項10】
調節具は、円柱状部と、該円柱状部の前後部の外周に径方向に突出して前後の係止壁と前後方向でそれぞれ当接可能な当接面を有する前後の鍔部とを備え、凸部が前後の当接面に前後方向に突出して設けられていることを特徴とする請求項8記載または請求項9記載の壁面パネル構造。
【請求項11】
凸部は互いに直交する方向に交差する凸条から形成されていることを特徴とする請求項10記載の壁面パネル構造。
【請求項1】
壁面ブロックを壁面に沿うよう組合わせるようにしてなる壁面パネル構造において、壁面に沿って隣合う壁面ブロックどうしの隅部間に、該隣合う壁面ブロックどうしを連結するとともに前記壁面方向の間隔を調節しうる間隔調節手段が設けられたことを特徴とする壁面パネル構造。
【請求項2】
複数個の壁面ブロックどうしを組合わせて正面視して矩形のパネルユニットとし、該パネルユニットどうしを壁面に沿うように且つ壁面方向に間隔を置いて配置されてなり、壁面に沿って隣合うパネルユニットどうしの隅部間に、該隣合うパネルユニットどうしを連結するとともに前記壁面方向の間隔を調節しうる間隔調節手段が設けられたことを特徴とする壁面パネル構造。
【請求項3】
四個の壁面ブロックどうしを組合わせて一個のパネルユニットが構成され、該パネルユニットの四隅部に間隔調節手段が設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の壁面パネル構造。
【請求項4】
パネルユニットがその中心で壁面に対して該壁面に沿う面内で取付け具を介して回動可能に取付けられ、間隔調節手段はパネルユニットどうしを隣合うように配置した際に、パネルユニットの回動を阻止する回動阻止手段を兼用してなることを特徴とする請求項2または請求項3記載の壁面パネル構造。
【請求項5】
間隔調節手段は、パネルユニットの隅部に形成された凹部および隣合うパネルユニットの隅部に形成された凹部の間に、両凹部を埋めるように該両凹部に渡される調節具を有することを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れかに記載の壁面パネル構造。
【請求項6】
壁面ブロックは外枠体と前板体とを有し、パネルユニットを構成する壁面ブロックの外枠体の隅部に、該壁面ブロックの中心に向けて窪む正面視して扇状の凹部が形成され、調節具は、パネルユニットどうしを壁面に沿うように且つ壁面方向に間隔を置いて配置した際に、隣合うパネルユニットの各壁面ブロックの凹部間に嵌合されるものであることを特徴とする請求項5記載の壁面パネル構造。
【請求項7】
凹部の前後部には調節具の前後部が係止する係止壁がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項5または請求項6記載の壁面パネル構造。
【請求項8】
調節具は凹部に対して面方向から嵌合可能な円柱状部を有することを特徴とする請求項5ないし請求項7の何れかに記載の壁面パネル構造。
【請求項9】
調節具に、壁面ブロックの隅部の前後方向端面に当接可能な凸部が設けられていることを特徴とする請求項5ないし請求項8の何れかに記載の壁面パネル構造。
【請求項10】
調節具は、円柱状部と、該円柱状部の前後部の外周に径方向に突出して前後の係止壁と前後方向でそれぞれ当接可能な当接面を有する前後の鍔部とを備え、凸部が前後の当接面に前後方向に突出して設けられていることを特徴とする請求項8記載または請求項9記載の壁面パネル構造。
【請求項11】
凸部は互いに直交する方向に交差する凸条から形成されていることを特徴とする請求項10記載の壁面パネル構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2008−248671(P2008−248671A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−156560(P2007−156560)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】
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