説明

売上データ処理装置、サーバ装置及びプログラム

【課題】顧客がユーザ登録をすることなく、顧客の決済に対応する取引情報を顧客に提供することである。
【解決手段】ECR20は、商品の決済を行い取引情報を生成し、当該生成した取引情報に対応する取引番号及び自装置の装置IDを含み、当該取引情報を閲覧するためのURL情報を生成し、当該生成したURL情報を携帯電話機50に送信し、前記生成した取引情報を、前記取引番号及び前記装置IDとともにサーバ装置10に送信する制御手段を備える。サーバ装置10は、前記取引情報、取引番号及び装置IDをECR20から受信して記憶し、当該取引情報を閲覧するためのURL情報を、受信した取引情報を表示可能な携帯電話機50から受信すると、当該URL情報に対応する取引情報を読み出して携帯電話機50に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、売上データ処理装置、サーバ装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を販売する店舗に設置され、販売された商品の売上データを処理する売上データ処理装置としてECR(Electronic Cash Resister)やPOS(Point Of Sales)端末が知られている。売上データ処理装置において、商品の決済時に、顧客の購入した商品の合計金額等を算出しレシートに印刷する。
【0003】
また、商品の決済時に、顧客の購入した商品に関係するサイトのURL(Uniform Resource Locator)情報を、顧客の携帯電話機に赤外線送信する売上データ処理装置が考えられている(例えば、特許文献1参照)。そのURLは、顧客の携帯電話機で受信されて記憶される。顧客は、携帯電話機に記憶されているURLを選択入力し、選択したURLに対応する商品に関するサイトを携帯電話機に表示させることができる。
【0004】
また、商品の決済時に、売上データ処理装置が、顧客の購入した商品の品名、数量、金額の情報(レシート情報)を顧客のUSB(Universal Serial Bus)キーに書き込み、そのレシート情報を用いて顧客にレシートイメージを提供するシステムが考えられている(例えば、特許文献2参照)。顧客は、商品決済後に、自宅PC(Personal Computer)にUSBキーを接続する。PCは、レシート活用サーバ装置の管理するサイトに接続し、そのUSBキーからレシート情報を読み出して家計簿データとともにレシート活用サーバ装置へ送信する。レシート活用サーバ装置は、そのレシート情報をPCから受信し、そのレシート情報に基づきレシートのイメージデータを作成してPCに送信し、そのイメージデータをレシートイメージとしてPCに表示させる。顧客は、PCに表示されたレシートイメージを閲覧できる。
【特許文献1】特開2004−265245号公報
【特許文献2】特開2004−178486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のレシートを印刷する売上データ処理装置では、商品の決済時に、レシートを印刷し、その印刷したレシートを店員が顧客に手渡していた。このため、店員の作業負担が大きく、またレシート用のロール紙の費用負担も大きかった。
【0006】
また、従来の購入した商品に関係するサイトのURL情報を携帯電話機に送信する売上データ処理装置では、レシート情報を携帯電話機に表示させることができなかった。
【0007】
また、従来のUSBキーにレシート情報を書き込むシステムでは、レシートを手渡すことに代えて、自宅PCでレシートイメージを表示することができる。しかし、レシートイメージを顧客本人にしか見られなくするため、事前の顧客のユーザ登録(レシート活用サーバ装置への顧客のユーザID及びパスワードの登録)が必要であった。ユーザ登録は、顧客にとって作業負担が大きく、レシート活用サーバ装置にとっても、管理する情報が増えて記憶及び処理の負担が大きかった。また、ユーザ登録情報の漏洩のおそれがあった。
【0008】
本発明の課題は、顧客がユーザ登録をすることなく、顧客の決済に対応する取引情報(レシート情報)を顧客に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明の売上データ処理装置は、
売上データ処理装置の取引情報を記憶し、当該取引情報を閲覧するためのURL情報を携帯端末から受信すると、当該URL情報に対応する取引情報を前記携帯端末に送信するサーバ装置と、受信した取引情報を表示可能な携帯端末と、に通信接続可能に構成された売上データ処理装置であって、
前記携帯端末と通信を行うための第1の通信手段と、
前記サーバ装置と通信を行うための第2の通信手段と、
商品の決済を行い取引情報を生成し、当該生成した取引情報に対応する取引番号及び自装置の装置IDを含み、当該取引情報を閲覧するためのURL情報を生成し、前記第1の通信手段を介して、前記生成したURL情報を前記携帯端末に送信し、前記第2の通信手段を介して、前記生成した取引情報を、前記取引番号及び前記装置IDとともに前記サーバ装置に送信する制御手段と、を備える。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の売上データ処理装置において、
前記携帯端末は、売上データ処理装置と非接触通信する非接触通信部を有し、当該非接触通信部を識別するための非接触通信部IDを記憶し、
前記第1の通信手段は、前記携帯端末と非接触の通信を行うための通信手段であり、
前記制御手段は、前記第1の通信手段を介して、前記携帯端末から前記非接触通信部IDを受信し、前記取引情報の取引番号、前記装置ID、前記受信した非接触通信部IDを含むURL情報を生成し、前記第2の通信手段を介して、前記生成した取引情報を、前記取引番号、前記装置ID及び前記非接触通信部IDとともに前記サーバ装置に送信する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の売上データ処理装置において、
前記制御手段は、前記取引番号及び前記非接触通信部IDを暗号化し、当該暗号化した情報を含むURL情報を生成する。
【0012】
請求項4に記載の発明のサーバ装置は、
決済に応じて取引情報を生成する売上データ処理装置と、受信した取引情報を表示可能な携帯端末と、に通信接続可能に構成されたサーバ装置であって、
前記売上データ処理装置及び前記携帯端末と通信するための通信手段と、
情報を記憶する記憶手段と、
前記通信手段を介して、取引情報、当該取引情報に対応する取引番号、及び前記売上データ処理装置の装置IDを、当該売上データ処理装置から受信し、当該取引情報を当該取引番号及び当該装置IDに対応付けて前記記憶手段に記憶させ、前記通信手段を介して、取引番号及び装置IDを含み、取引情報を閲覧するためのURL情報を前記携帯端末から受信し、当該URL情報から取引番号及び装置IDを取得し、当該取引情報及び当該装置IDに対応する取引情報を前記記憶手段から読み出し、前記通信手段を介して、前記読み出した取引情報を前記携帯端末に送信する制御手段と、を備える。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のサーバ装置において、
前記携帯端末は、売上データ処理装置と非接触通信する非接触通信部を有し、当該非接触通信部を識別するための非接触通信部IDを記憶し、
前記URL情報は、前記取引番号、前記装置ID、及び前記決済を行った携帯端末の非接触通信部を識別するための非接触通信部IDを含み、
前記制御手段は、前記通信手段を介して、前記取引情報、前記取引番号、前記装置ID及び前記非接触通信部IDを前記売上データ処理装置から受信し、当該取引情報を当該取引番号、当該装置ID及び当該非接触通信部IDに対応付けて前記記憶手段に記憶させ、前記受信したURL情報から取引番号、装置ID及び非接触通信部IDを取得し、当該取引番号、当該装置ID及び当該非接触通信部IDに対応する取引情報を前記記憶手段から読み出す。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のサーバ装置において、
前記制御手段は、前記受信したURL情報から前記売上データ処理装置により暗号化された取引番号及び非接触通信部IDを取得し、当該暗号化された取引番号及び非接触通信部IDを複号化する。
【0015】
請求項7に記載の発明のプログラムは、
売上データ処理装置の取引情報を記憶し、当該取引情報を閲覧するためのURL情報を携帯端末から受信すると、当該URL情報に対応する取引情報を前記携帯端末に送信するサーバ装置と、受信した取引情報を表示可能な携帯端末と、に通信接続可能に構成された売上データ処理装置に搭載されたコンピュータを、
前記携帯端末と通信を行うための第1の通信手段、
前記サーバ装置と通信を行うための第2の通信手段、
商品の決済を行い取引情報を生成し、当該生成した取引情報に対応する取引番号及び自装置の装置IDを含み、当該取引情報を閲覧するためのURL情報を生成し、前記第1の通信手段を介して、前記生成したURL情報を前記携帯端末に送信し、前記第2の通信手段を介して、前記生成した取引情報を、前記取引番号及び前記装置IDとともに前記サーバ装置に送信する制御手段、
として機能させる。
【0016】
請求項8に記載の発明のプログラムは、
決済に応じて取引情報を生成する売上データ処理装置と、受信した取引情報を表示可能な携帯端末と、に通信接続可能に構成されたサーバ装置に搭載されたコンピュータを、
前記売上データ処理装置及び前記携帯端末と通信するための通信手段、
情報を記憶する記憶手段、
前記通信手段を介して、取引情報、当該取引情報に対応する取引番号、及び前記売上データ処理装置の装置IDを、当該売上データ処理装置から受信し、当該取引情報を当該取引番号及び当該装置IDに対応付けて前記記憶手段に記憶させ、前記通信手段を介して、取引番号及び装置IDを含み、取引情報を閲覧するためのURL情報を前記携帯端末から受信し、当該URL情報から取引番号及び装置IDを取得し、当該取引情報及び当該装置IDに対応する取引情報を前記記憶手段から読み出し、前記通信手段を介して、前記読み出した取引情報を前記携帯端末に送信する制御手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、顧客がユーザ登録をすることなく、顧客の決済に対応するURL情報に対応する取引情報を顧客に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明に係る好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0019】
先ず、図1〜図4を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図1に、本実施の形態のレシート情報表示システム1の構成を示す。
【0020】
本実施の形態のレシート情報表示システム1は、顧客が購入する商品の決済を行い、その決済のレシートイメージを顧客側で表示するシステムである。図1に示すように、レシート情報表示システム1は、サーバ装置10と、売上データ処理装置としてのECR(Electronic Cash Register)20と、携帯端末としての携帯電話機50と、を備える。サーバ装置10及びECR20は、通信ネットワークNを介して通信接続されている。ECR20は、非接触ICリーダ/ライタ40を有する。
【0021】
サーバ装置10は、ECR20の決済のレシートの内容情報(取引情報としてのレシート情報)を管理するDB(DataBase)サーバとして機能する。また、サーバ装置10は、携帯電話機50からのレシートイメージのWEBページ表示要求に応じて、そのWEBページデータを生成して携帯電話機50に送信して表示させるWEBサーバとしても機能する。なお、サーバ装置10を、上記DBサーバ及びWEBサーバとして別々に設け、各サーバが相互にアクセス可能な構成としてもよい。
【0022】
ECR20は、商品(サービス)を販売する店舗内に設置され、顧客が購入する商品の決済処理(登録処理)を行う。また、ECR20は、非接触ICリーダ/ライタ40を介した携帯電話機50の電子マネー決済が可能である。また、ECR20は、商品の決済のレシート情報に対応し当該レシート情報を閲覧するためのURL情報を生成し、非接触ICリーダ/ライタ40を介して携帯電話機50に送信する。
【0023】
また、本実施の形態では、レシート情報表示システム1において、1つの店舗に設置された1台のECR20を説明するが、これに限定されるものではない。例えば、レシート情報表示システム1が、1つの店舗に設置された複数のECR20を含む構成としてもよく、複数の店舗に設置された複数のECR20を含む構成としてもよい。
【0024】
非接触ICリーダ/ライタ40は、Felica(登録商標)等の非接触通信方式のリーダ/ライタである。非接触ICリーダ/ライタ40は、非接触に、携帯電話機50に記憶された情報の読み出し、携帯電話機50への情報書き込み(送信)を行う。非接触ICリーダ/ライタ40は、コイルアンテナ、制御部等を備える。非接触ICリーダ/ライタ40は、コイルアンテナに発生させる磁束を介して携帯電話機50(の非接触IC部59(後述))と各種データの送受信を行う。
【0025】
携帯電話機50は、基地局(図示略)と無線通信を行い、この基地局を介して通信ネットワークNと接続されている。携帯電話機50は、通信ネットワークNを介して、無線通話と、データ通信と、を行う。また、携帯電話機50は、(ブラウザによる)WEBページ表示機能を有する。さらに、携帯電話機50は、非接触通信方式の非接触IC部59を有する。携帯電話機50は、非接触IC部59が非接触ICリーダ/ライタ40に近づけられた状態で、非接触ICリーダ/ライタ40により情報の読み出し又は書き込みが行われる。また、図1において、複数の顧客のそれぞれが所有する携帯電話機50が1台で表されている。
【0026】
通信ネットワークNは、インターネットとするが、これに限定されるものではなく、LAN(Local Area Network)、専用線等を含むこととしてもよい。
【0027】
次いで、図2〜図4を参照して、サーバ装置10と、ECR20と、携帯電話機50と、の内部構成を説明する。図2に、サーバ装置10の機能構成を示す。図3に、ECR20の機能構成を示す。図4に、携帯電話機50の機能構成を示す。
【0028】
図2に示すように、サーバ装置10は、制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)11と、操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、表示部14と、記憶手段としての記憶部15と、通信手段としての通信部16と、を備え、各部がバス17を介して接続されている。
【0029】
CPU11は、サーバ装置10の各部を中央制御する。CPU11は、記憶部15に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM13に展開し、RAM13に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0030】
CPU11は、記憶部15に記憶されたレシート情報DB追加プログラムに従い、ECR20から送信されたレシート情報、非接触通信部IDとしての非接触IC部ID、及び装置IDとしてのレジIDを受信して、取引インデックスDB70、取引詳細DB90に追加する。
【0031】
また、CPU11は、記憶部15に記憶されたWEBページ情報送信プログラムに従い、携帯電話機50から送信されたURL情報に応じたレシートイメージのWEBページ情報を生成して、携帯電話機50に送信する。
【0032】
操作部12は、カーソルキー、文字、数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードを含む構成とし、操作者による各キーの押下入力を受け付けてその操作情報をCPU11に出力する。また、操作部12は、マウス等のポインティングデバイスを含み、位置入力を受け付けて操作情報としてCPU11に出力することとしてもよい。
【0033】
RAM13は、揮発性のメモリである。また、RAM13は、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納するワークエリアを有する。
【0034】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)、ELD(ElectroLuminescent Display)等で構成され、CPU11からの表示制御信号に従って画面表示を行う。
【0035】
記憶部15は、磁気記録媒体を有するHDD(Hard Disk Drive)等により構成され、各種プログラム及び各種データを記録媒体に読み出し及び書き込み可能に記憶する。記憶部15は、売上情報登録プログラムと、WEBページ情報送信プログラムと、が記憶されている。また、記憶部15は、後述する取引インデックスDB70と、共通アクセス鍵DB80と、取引詳細DB90と、が記憶されている。
【0036】
通信部16は、モデム、ルータ、ネットワークカード等により構成される。通信部16は、接続される通信ネットワークN上のECR20、携帯電話機50等の外部機器と情報を送受信する。
【0037】
図3に示すように、ECR20は、制御手段としてのCPU21と、操作部22と、RAM23と、表示部24と、記憶部25と、第2の通信手段としての通信部26と、ドロア27と、印刷部28と、I/F(インタフェース)部29と、メモリカセット30と、スロット部31と、計時部32と、第1の通信手段としての非接触ICリーダ/ライタ40と、を備え、メモリカセット30、非接触ICリーダ/ライタ40を除く各部がバス33を介して接続されている。
【0038】
CPU21、RAM23、通信部26については、それぞれ、サーバ装置10のCPU11、RAM13、通信部16の構成と同様であり、異なる部分を主として説明する。
【0039】
CPU21は、記憶部25に記憶された売上登録プログラムに従い、顧客が購入する商品に関する情報を登録して決済し、その決済に対応するレシートの印刷、又はレシート情報に対応するURL情報の生成及び携帯電話機50への送信を行う。
【0040】
操作部22は、電源キー、カーソルキー、文字、数字入力キー及び各種機能キー等を備えたレジ用のキー操作部を含む構成とし、オペレータによる各キーの操作入力を受け付け、その操作情報をCPU21に出力する。操作部22のキー操作部には、例えば、部門キー、PLU(Price Look Up)キー、精算キーを含む。
【0041】
表示部24は、LCD、ELD等で構成され、CPU21からの表示制御信号に従って画面表示を行う。また、操作部22は、表示部24と一体的にタッチパネルを構成することとしてもよい。また、操作部22は、顧客用の表示部と、店員用の表示部とを有するものとする。
【0042】
記憶部25は、各種プログラム及び各種データを読み出し及び書き込み可能に記憶するフラッシュメモリ、各種プログラム及び各種データを読み出し可能に記憶するROM(Read Only Memory)等により構成される。記憶部25には、売上登録プログラム、レジ番号が記憶されている。レジ番号は、ECR20の同一店舗内の識別番号である。
【0043】
通信部26は、ネットワークカード等により構成され、通信ネットワークN上のサーバ装置10と通信を行う。
【0044】
ドロア27は、硬貨や紙幣等の現金を収納する引出し部と、この引出し部の開放部とを有する。ドロア27は、例えば、CPU21の指示に応じて、開放部により引出し部が開けられる。
【0045】
印刷部28は、サーマルプリンタ等の印刷部であり、レシート用、ジャーナル用のロール紙を有し、CPU21から入力される指示に従って、各ロール紙に対して金額等のデータを印刷する。
【0046】
I/F部29は、非接触ICリーダ/ライタ40との有線接続部であり、非接触ICリーダ/ライタ40との通信を介する。
【0047】
メモリカセット30は、半導体メモリを有し、スロット部31に着脱可能なメモリカセットである。スロット部31は、メモリカセット30の装着部である。メモリカセット30には、装着先のECR20用の情報が記憶されている。メモリカセット30には、サーバ装置10及びECR20の共通鍵である共通アクセス鍵(のデータ)と、レジIDとが記憶されている。レジIDは、ECR20の店舗を跨いだ識別番号である。
【0048】
計時部32は、計時回路(RTC(Real Time Clock))を有し、この計時回路により現在の日時情報を計時してCPU21に出力する。
【0049】
なお、ECR20が、商品に付されたバーコードを読み取るバーコードスキャナを備える構成としたり、クレジットカードの電子決済を行う電子決済装置がECRに接続されている構成等としてもよい。
【0050】
次いで、図4を参照して、携帯電話機50の内部構成を説明する。携帯電話機50は、CPU51と、操作部52と、RAM53と、表示部54と、ROM55と、通信部26と、フラッシュメモリ57と、通話部58と、非接触IC部59と、を備え、各部がバス60を介して接続されている。
【0051】
CPU51、RAM53については、それぞれ、サーバ装置10のCPU11、RAM13の構成と同様であり、異なる部分を主として説明する。
【0052】
CPU51は、ROM55に記憶されたWEBページ表示プログラムに従い、商品の購入時にECR20から受信したURL情報に対応するレシートイメージのWEBページを表示する。
【0053】
操作部52は、電源キー、カーソルキー、文字、数字入力キー及び各種機能キー等を備えた携帯電話用のキー操作部を含む構成とし、ユーザによる各キーの操作入力を受け付け、その操作情報をCPU51に出力する。
【0054】
表示部54は、LCD、ELD等で構成され、CPU51からの表示制御信号に従って画面表示を行う。
【0055】
ROM55は、各種プログラム及び各種データを読み出し可能に記憶する記憶部である。ROM55には、WEBページ表示プログラムが記憶されている。
【0056】
通信部56は、無線通信アンテナ、モデム(MODEM:MOdulator/DEModulator)、RF(Radio Frequency)部等を備える。通信部56において、無線信号受信の際に、無線通信アンテナにより基地局(図示略)から送信される音声データ又は各種データの無線信号が受信され、RF部により増幅及び周波数変換され、その周波数変換された信号がモデムにより復調される。また、通信部56において、無線信号送信の際に、モデムにより送信対象の音声信号又は各種データが変調され、その変調信号がRF部により増幅及び周波数変換され、その変換された信号が無線通信アンテナを介して無線電波として基地局に無線送信される。基地局は、通信ネットワークNに接続されている。このため、携帯電話機50は、通信部56により、基地局、通信ネットワークNを介してサーバ装置10と各種データの通信が可能である。
【0057】
フラッシュメモリ57は、各種プログラム及び各種データを読み出し及び書き込み可能に記憶する。
【0058】
通話部58は、マイク、スピーカ、音声処理部を備える。通話部58において、通信部56から入力された音声のデジタル信号が音声処理部によりアナログ音声信号に変換されてスピーカへ出力されて音声出力される。また、通話部58において、マイクから入力されたアナログ音声信号が音声処理部によりデジタル信号に変換されて、通信部56へ出力される。
【0059】
非接触IC部59は、コイルアンテナ部、制御部、メモリ部等により構成される。コイルアンテナ部は、非接触ICリーダ/ライタ40との間で磁界を介する電磁誘導により情報を送受信する。制御部は、メモリ部に記憶された情報を読み出したり、メモリ部に情報を書き込む。非接触IC部59は、商品の代金のクレジット支払いを行うクレジット払い機能の非接触IC部とし、メモリ部に、少なくとも携帯電話機50の非接触IC部59のIDとしての非接触IC部IDが記憶されている。
【0060】
次に、図5を参照して、サーバ装置10の記憶部15に記憶される情報を説明する。図5(a)に、取引インデックスDB70の構成を示す。図5(b)に、共通アクセス鍵DB80の構成を示す。図5(c)に、取引詳細DB90の構成を示す。
【0061】
図5(a)に示すように、記憶部15に記憶される取引インデックスDB70は、非接触IC部ID71と、日付72と、取引番号としてのレシート番号73と、レジ番号74と、リンク番号75と、レコード数76と、レジID77と、を有する。
【0062】
非接触IC部ID71は、各顧客の携帯電話機50の非接触IC部59のIDである。日付72は、非接触IC部ID71に対応する携帯電話機50にECR20がレシート情報を送信した日付情報である。レシート番号73は、非接触IC部ID71に対応する携帯電話機50に送信したレシート情報を識別する番号である。レジ番号74は、非接触IC部ID71に対応する携帯電話機50にレシート情報を送信したECR20のレジ番号である。
【0063】
リンク番号75は、非接触IC部ID71に対応する携帯電話機50に送信したレシート情報にリンクする取引詳細DB90の先頭のレコード番号である。レコード数76は、非接触IC部ID71に対応する携帯電話機50に送信したレシート情報にリンクする取引詳細DB90のレコード数である。レジID77は、非接触IC部ID71に対応する携帯電話機50にレシート情報を送信したECR20のレジIDである。
【0064】
図5(b)に示すように、記憶部15に記憶される共通アクセス鍵DB80は、レジID81と、共通アクセス鍵82と、を有する。
【0065】
レジID81は、ECR20のレジIDである。共通アクセス鍵82は、レジID81に対応するECR20とサーバ装置10との間で使用される共通アクセス鍵の内容データである。
【0066】
図5(c)に示すように、記憶部15に記憶される取引詳細DB90は、レコード番号91と、詳細データ92と、を有する。レコード番号91は、取引詳細DB90のレコード番号であり、リンク番号75に対応している。詳細データ92は、レシート情報の詳細データであり、レシートイメージ作成のためのデータである。詳細データ92は、顧客が購入した商品の商品名、個数、金額、小計、税金、日時情報、レジ番号、レシート番号、担当者情報等を含む。
【0067】
次に、図6〜図11を参照して、レシート情報表示システム1の動作を説明する。図6に、ECR20で実行される売上登録処理の流れを示す。図7に、売上登録処理のURL情報生成処理の流れを示す。図8に、サーバ装置10で実行されるレシート情報DB追加処理の流れを示す。図9に、携帯電話機50で実行されるWEBページ表示処理の流れを示す。図10に、サーバ装置10で実行されるWEBページ情報送信処理の流れを示す。図11に、レシートイメージ画面541を示す。
【0068】
先ず、図6を参照して、ECR20で実行される売上登録処理を説明する。売上登録処理は、顧客が購入する商品に関する情報を登録して決済し、その決済に対応するレシートの印刷、又はレシート情報に対応するURL情報の生成及び携帯電話機50への送信を行う処理である。
【0069】
顧客がECR20の設置してあるレジカウンタに購入する商品を運んだものとする。ECR20において、例えば、操作部22を介して、店員からの顧客が購入する商品の登録入力が開始されたことをトリガとして、記憶部25から読み出されて適宜RAM23に展開された売上登録プログラムと、CPU21との協働により、売上登録処理が実行される。
【0070】
図6に示すように、先ず、操作部22により、店員による顧客が購入する商品の登録入力が受け付けられ、その入力された登録情報がRAM23に格納される(ステップS11)。ステップS11では、商品のPLUコード(に対応する商品名)、個数、金額、登録の担当者(店員)等が入力され、それらの情報を含む登録情報がRAM23に格納される。
【0071】
そして、操作部22を介して店員から登録の終了(締め)が指示入力されたか否かが判別される(ステップS12)。ステップS12においては、締めを行う場合に、店員が顧客に締めの方法を確認し、顧客の返答に応じた締めの方法の情報の入力も行われる。締めの方法は、現金払いによる締め(通常の締め)、又は携帯電話機50の非接触IC部59でのクレジット払い機能の締めとする。ステップS12においては、さらに、現金払いによる締めの場合に、店員が顧客にレシートに対応するURLの要求有無を確認し、顧客の返答に応じたレシートに対応するURLの要求有無の情報の入力も行われるものとする。
【0072】
登録を終了しない場合(ステップS12;NO)、ステップS11に移行される。登録を終了する場合(ステップS12;YES)、ステップS12で入力された締めの方法の情報に応じて、携帯電話機50の非接触IC部59のクレジット払いの締めか否かが判別される(ステップS13)。
【0073】
非接触IC部59のクレジット払いの締めである場合(ステップS13;YES)、ステップS11で入力された金額の小計、税金等の演算が行われる(ステップS14)。そして、携帯電話機50の非接触IC部59を非接触ICリーダ/ライタ40にかざすことを要求する情報が表示部24の顧客用の表示部に表示される(ステップS15)。また、非接触ICリーダ/ライタ40のかざし部分が発光可能な構造とし、ステップS15では、非接触ICリーダ/ライタ40のかざし部分が発光、点滅されることとしてもよい。また、ステップS15に応じて、顧客は、携帯電話機50の非接触IC部59を非接触ICリーダ/ライタ40にかざす。
【0074】
そして、携帯電話機50の非接触IC部59が非接触ICリーダ/ライタ40にかざされた状態で、非接触IC部59に記憶されている非接触IC部ID、又は非接触IC部IDを含む電子決済のための情報が非接触ICリーダ/ライタ40により読み出されて取得される(ステップS16)。ステップS16では、通常の締めを行った場合に非接触IC部IDが読み出され、携帯電話機50の非接触IC部59での締めである場合に電子決済のための情報が読み出される。電子決済のための情報は、現在までの決済金額、回数等を含む。
【0075】
そして、ステップS12で入力された締めの方法の情報に応じて、携帯電話機50の非接触IC部59のクレジット払いの締めか否かが判別される(ステップS17)。非接触IC部59のクレジット払いの締めである場合(ステップS17;YES)、ステップS11の登録情報、ステップS14の演算情報、ステップS16で読み出された電子決済のための情報に基づいて電子決済が行われ、携帯電話機50の非接触IC部59が非接触ICリーダ/ライタ40にかざされた状態で、その電子決済の結果情報が非接触ICリーダ/ライタ40により非接触IC部59に書き込まれる(ステップS18)。
【0076】
上記ステップS18の説明は、支払い金額が所定金額以下の電子決済のケースであり、カード会社のサーバへのアクセスは、バッチ処理で行われる。しかし、支払い金額が所定金額より大きい電子決済のケースでは、カード会社のサーバへのリアルタイムのアクセスが必要となる。この場合に、ステップS18で、例えば、ECR20において、クレジット機能のIDが携帯電話機50から取得され、クレジット機能のIDと商品購入の合計金額とを含む決済データが生成されてカード会社サーバ(図示略)に送信され、カード会社サーバから決済データの認証結果を受信し、認証結果がOK(クレジット支払いOK)であると、電子決済が実行される。
【0077】
ステップS18の実行後、又は非接触IC部59のクレジット払いの締めでない場合(ステップS17;NO)、ステップS16で取得された非接触IC部ID等を用いて、携帯電話機50におけるレシートイメージ閲覧のためのURL情報を生成するURL情報生成処理が実行される(ステップS19)。ステップS19のURL情報生成処理は、詳細に後述される。
【0078】
そして、携帯電話機50の非接触IC部59が非接触ICリーダ/ライタ40にかざされた状態で、ステップS19で生成されたURL情報が非接触ICリーダ/ライタ40により非接触IC部59に送信される(ステップS20)。携帯電話機50において、非接触IC部59を介してECR20からURL情報が受信され、そのURL情報がフラッシュメモリ57に記憶される。
【0079】
そして、計時部32から現在の日時情報が取得され、その日時情報、ステップS11の登録情報、ステップS14又はS22の演算情報、ステップS16で取得されたレジ番号、レシート番号等を含むレシート情報が生成され、そのレシート情報が、ステップS16で取得された非接触IC部ID、ステップS19で取得されたレジIDとともに、通信部26、通信ネットワークNを介してサーバ装置10に送信され(ステップS21)、売上登録処理が終了する。レシート情報は、レシートイメージを生成するための情報となる。また、ステップS21において、販売した商品の個数、金額の情報は、記憶部25のフラッシュメモリに記憶されている部門別、PLU別等の合計器ファイルに加算される。
【0080】
非接触IC部59のクレジット払いの締めでない場合(ステップS13;YES)、現金払いによる通常の締め処理が実行される(ステップS22)。ステップS22では、ステップS14と同様に合計金額、税金等の演算がなされ、また販売した商品の個数、金額の情報が、記憶部25のフラッシュメモリに記憶されている部門別、PLU別等の合計器ファイルに加算される。
【0081】
そして、ステップS12で入力されたURL情報の要求有無の情報に応じて、携帯電話機50にURL情報を送信するか否かが判別される(ステップS23)。携帯電話機50にURL情報を送信する場合(ステップS23;YES)、ステップS15に移行される。携帯電話機50にURL情報を送信しない場合(ステップS23;NO)、計時部32から現在の日時情報が取得され、記憶部25に記憶されているレジ番号が読み出され、新たな次のレシート番号が生成され、その日時情報、レジ番号、レシート番号、ステップS11の登録情報、ステップS22の演算情報からレシート情報が生成され、そのレシート情報に基づいて印刷部28によりレシートが印刷出力され(ステップS24)、売上登録処理が終了する。レシート番号は、例えば、ECR20で発行したレシートの通番である。また、ステップS20,S24において、レシート情報は、印刷部28によりジャーナル印刷される。
【0082】
図7を参照して、ステップS19のURL情報生成処理を説明する。先ず、記憶部25からレジ番号が読み出されて取得される(ステップS191)。そして、ECR20の新たな次のレシート番号が生成されて取得される(ステップS192)。
【0083】
そして、ステップS16で読み出された非接触IC部IDが取得される(ステップS193)。そして、ステップS191で取得されたレジ番号と、ステップS192で取得されたレシート番号と、ステップS193で取得された非接触IC部IDと、が合成されて合成情報が生成される(ステップS194)。
【0084】
そして、スロット部31を介して、メモリカセット30から共通アクセス鍵が読み出されて取得される(ステップS195)。そして、ステップS195で取得された共通アクセス鍵を用いて、ステップS194で生成された合成情報が暗号化され暗号化データが生成される(ステップS196)。そして、メモリカセット30からレジIDが読み出され、このレジIDと、またステップS196で生成された暗号化データを用いて、サーバ装置10でのスクリプト処理のためのURL情報が生成され(ステップS197)、URL情報生成処理が終了する。
【0085】
例えば、ステップS191でレジ番号として2バイトの“00000001”が得られ、ステップS192でレシート番号が3バイトの“00000123”が得られ、ステップS193で非接触IC部IDとして8バイトの“0123456789ABCDEF”が得られた例を考える。そして、ステップS194で、これらの情報が合成されて合成情報“00000001000001230123456789ABCDEF”が生成される。そして、ステップS176で、合成情報が暗号化されて暗号化データ“57B45720F4750A50723EE7348C2759023”が生成される。そして、ステップS197で、レジID“0000000010”が取得され、店舗名、暗号化データに基づいて、URL情報“http://xxx.com/rct_srv/0000000010/DB?57B45720F4750A50723EE7348C2759023”が生成される。
【0086】
次いで、図8を参照して、サーバ装置10で実行されるレシート情報DB追加処理を説明する。レシート情報DB追加処理は、ECR20から送信されたレシート情報、非接触IC部ID及びレジIDを受信して、取引インデックスDB70、取引詳細DB90に追加する処理である。
【0087】
サーバ装置10において、例えば、売上登録処理のステップS19に対応して、通信ネットワークN及び通信部16を介して、ECR20からレシート情報を、非接触IC部ID及びレジIDとともに受信開始したことをトリガとして、記憶部15から読み出されて適宜RAM13に展開されたレシート情報DB追加プログラムと、CPU11との協働により、レシート情報DB追加処理が実行される。
【0088】
図8に示すように、先ず、通信ネットワークN及び通信部16を介して、ECR20からレシート情報が、非接触IC部ID及びレジIDとともに受信される(ステップS31)。そして、ステップS31で受信されたレシート情報を用いて、記憶部15に記憶されている取引インデックスDB70に新たなレコードが追加される(ステップS32)。具体的には、レジID、非接触IC部ID、レシート情報中の日時情報の日付、レシート番号、レジ番号が、それぞれ、レジID77、非接触IC部ID71、日付72、レシート番号73、レジ番号74とされたレコードが生成される。
【0089】
そして、ステップS31で受信されたレシート情報を用いて、記憶部15に記憶されている取引詳細DB90にレコードが追加される(ステップS32)。具体的には、レシート情報中のレシート情報の詳細データ(担当者情報、レジ番号、レシート番号、日時情報、商品名、商品の金額、個数、小計、税金等)が、詳細データ92のレコードに追加され、追加したレコードに対応するレコード番号91が新たに設定される。
【0090】
そして、ステップS33で追加された取引詳細DB90のレコードのレコード番号91及びレコード数に対応するリンク番号、レコード数が、ステップS32で追加されたレコードのリンク番号75、レコード数76に設定される(ステップS34)。
【0091】
そして、取引インデックスDB70、取引詳細DB90のレコード追加が成功した旨が生成され、その旨の情報が、通信部16及び通信ネットワークNを介して、ECR20に送信され(ステップS35)、レシート情報DB追加処理が終了する。ステップS35に対応して、ECR20では、レコード追加が成功した旨の情報が受信される。
【0092】
次いで、図9を参照して、携帯電話機50で実行されるWEBページ表示処理を説明する。WEBページ表示処理は、商品の購入時にECR20から受信したURL情報に対応するレシートイメージのWEBページを表示する処理である。
【0093】
携帯電話機50において、例えば、操作部52を介して、ユーザ(顧客)からのWEBページ表示処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、ROM55から読み出されて適宜RAM53に展開されたWEBページ表示プログラムと、CPU51との協働により、WEBページ表示処理が実行される。
【0094】
図9に示すように、先ず、フラッシュメモリ57に記憶されているURL情報が読み出されて表示部54に表示され、操作部52を介してユーザからの表示したいレシートに対応するURL情報の選択入力が受け付けられる(ステップS41)。そして、ステップS41で選択入力されたURL情報が、通信部56、通信ネットワークNを介してサーバ装置10に送信される(ステップS42)。
【0095】
そして、通信ネットワークN、通信部56を介して、サーバ装置10から、ステップS41で選択されたURL情報に対応するWEBページ情報が受信される(ステップS43)。そして、ステップS43で受信されたWEBページ情報が表示部54にレシートイメージ画面として表示され(ステップS44)、WEBページ表示処理が終了する。ステップS42〜S44は、ブラウザとしての処理である。
【0096】
次いで、図10を参照して、サーバ装置10で実行されるWEBページ情報送信処理を説明する。WEBページ情報送信処理は、携帯電話機50から送信されたURL情報に応じたレシートイメージのWEBページ情報を生成して、携帯電話機50に送信する処理である。
【0097】
例えば、WEBページ表示処理のステップS42に対応して、通信ネットワークN及び通信部16を介して、携帯電話機50からURL情報を受信開始したことをトリガとして、記憶部15から読み出されて適宜RAM13に展開されたWEBページ情報送信プログラムと、CPU11との協働により、WEBページ情報送信処理が実行される。
【0098】
図10に示すように、先ず、通信ネットワークN及び通信部16を介して、携帯電話機50からURL情報が受信される(ステップS51)。そして、ステップS51で受信されたURL情報に含まれるレジIDが取得される(ステップS52)。そして、記憶部15に記憶されている共通アクセス鍵DB80が参照され、ステップS52で取得されたレジIDに対応するレジID81の共通アクセス鍵82が取得される(ステップS53)。
【0099】
そして、ステップS53で取得された共通アクセス鍵を用いて、ステップS51で受信されたURL情報の暗号化データ部分が復号化されて合成情報が取得され、この合成情報から、非接触IC部ID、レジ番号及びレシート番号が取得される(ステップS54)。そして、記憶部15に記憶されている取引インデックスDB70が参照され、ステップS54で取得された非接触IC部ID、レシート番号及びレジ番号に対応する非接触IC部ID71、レシート番号73及びレジ番号74に対応するレコードのリンク番号75及びレコード数76が検索されて取得される(ステップS55)。
【0100】
そして、記憶部15に記憶されている取引詳細DB90が参照され、ステップS55で取得されたリンク番号75及びレコード数76に対応するレコード番号91の詳細データ92が取得される(ステップS56)。そして、ステップS56で取得された詳細データ92から、レシートイメージのWEBページ情報が生成される(ステップS57)。そして、WEBページ表示処理のステップS43に対応し、ステップS57で生成されたWEBページ情報が、通信部16及び通信ネットワークNを介して、携帯電話機50へ送信され(ステップS58)、WEBページ情報送信処理が終了する。
【0101】
例えば、ステップS51でURL情報“http://xxx.com/rct_srv/0000000010/DB?57B45720F4750A50723EE7348C2759023”が受信された例を考える。ステップS52で、URL情報からレジID“0000000010”が取得される。そして、ステップS54で、暗号化データ“57B45720F4750A50723EE7348C2759023”が共通アクセス鍵で復号化されて合成情報“00000001000001230123456789ABCDEF”が生成され、レジ番号 “00000001”、レシート番号 “00000123”及び非接触IC部ID “0123456789ABCDEF”が得られる。
【0102】
そして、ステップS55で、レジ番号 “00000001”、レシート番号 “00000123”及び非接触IC部ID “0123456789ABCDEF”に対応するリンク番号“000888”及びレコード数 “00000008”が得られる。そして、ステップS56で、レコード番号 “000888”〜“000895”の詳細データが得られる。このとき、ステップS57で生成され、携帯電話機50の表示部54に表示されるレシート情報のWEBページ画面は、図11に示すレシートイメージ画面541のようになる。レシートイメージ画面541には、レシートイメージとともに、非接触IC部ID、レシート番号、レジIDが含められている。
【0103】
以上、本実施の形態によれば、ECR20が、携帯電話機50の非接触IC部59による電子決済又は通常の決済に応じて、レシート情報を生成するとともに、レシート情報を特定するための非接触IC部ID、レジID及びレシート番号を含むURL情報を生成して携帯電話機50の非接触IC部59に送信する。また、ECR20は、レシート情報を、非接触IC部ID及びレジIDとともにサーバ装置10に送信する。サーバ装置10は、ECR20からレシート情報、非接触IC部ID及びレジIDを受信し、取引インデックスDB70及び取引詳細DB90に記憶する。
【0104】
また、サーバ装置10は、携帯電話機50からURL情報を受信すると、当該URL情報からレジID、非接触IC部ID、レシート番号及びレジ番号を取得し、これらの情報に対応するレシート情報を取引詳細DB90から読み出し、このレシート情報等を用いてレシートイメージのWEBページ情報を生成して携帯電話機50に送信する。携帯電話機50は、サーバ装置10から、送信したURL情報に対応するWEBページ情報を受信して表示部54にレシートイメージとして表示する。
【0105】
このため、顧客がユーザ登録をすることなく、顧客の決済に対応するURL情報を携帯電話機50に送信でき、このURL情報に対応するレシート情報(のWEBページ情報)を顧客の携帯電話機50に提供でき、レシートイメージとして表示させることができる。顧客は、URL情報に対応するレシート情報のレシートイメージを閲覧できる。
【0106】
また、ECR20が、レシート情報とともに非接触IC部IDをサーバ装置10に送信し、サーバ装置10が、取引詳細DB90を非接触IC部IDに紐付けて記憶する。このため、サーバ装置10が、非接触IC部IDをキーとして、取引詳細DB90のレシート情報を管理することができる。例えば、サーバ装置10は、非接触IC部IDをキーとして、レシート情報を集計できる。
【0107】
また、ECR20が、非接触IC部ID、レジ番号及びレシート番号を共通アクセス鍵で暗号化し、その暗号化情報を含むURL情報を生成して携帯電話機50に送信する(書き込む)。サーバ装置10は、携帯電話機50から受信したURL情報の暗号化データ部分を共通アクセス鍵で復号化して、非接触IC部ID、レジ番号及びレシート番号を得る。このため、非接触IC部ID、レジ番号及びレシート番号が第三者に知られることを防ぐことができる。
【0108】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る売上データ処理装置、サーバ装置及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0109】
例えば、上記実施の形態では、携帯電話機50でレシートイメージのWEBページを表示する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、携帯電話機50からURL情報をPC等のブラウザ機能を有する外部機器に送信し、その情報処理装置において、URL情報をサーバ装置10に送信してレシートイメージのWEBページを表示する構成としてもよい。
【0110】
また、ECR20からURL情報を受信する携帯端末としては、携帯電話機50に限定されるものではなく、例えば、非接触IC部を有するPDA(Personal Digital Assistant)等、他の携帯端末としてもよい。また、ECR20から携帯端末へのURL情報の送信方式は、非接触ICの電磁誘導方式に限定されるものではなく、無線通信方式、赤外線通信方式等、他の通信方式としてもよい。
【0111】
また、上記実施の形態では、携帯電話機50の非接触IC部59が、クレジット払い機能を有し、クレジット払いによる電子決済を行う構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、携帯電話機50の非接触IC部59が、残高情報を記憶する前払い式の電子マネー機能や、デビット機能を有し、それらの機能による電子決済を行う構成としてもよい。
【0112】
また、上記実施の形態では、URL情報のうち、レジ番号、レシート番号及び非接触IC部IDを暗号化する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、URL情報のうち、少なくともレシート番号及び非接触IC部IDを暗号化する構成としてもよい。
【0113】
また、上記実施の形態では、URL情報に、レジID、レジ番号、レシート番号及び非接触IC部IDを含む構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、URL情報に、少なくともレジID及びレシート番号を含める構成としてもよい。
【0114】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部15、記憶部25及びROM55を使用した例を開示したが、この例に限定されない。
その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。
また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0115】
また、上記実施の形態におけるレシート情報表示システム1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明に係る実施の形態のレシート情報表示システムの構成を示すブロック図である。
【図2】サーバ装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】ECRの機能構成を示すブロック図である。
【図4】携帯電話機の機能構成を示すブロック図である。
【図5】(a)は、取引インデックスDBの構成を示す図である。(b)は、共通アクセス鍵DBの構成を示す図である。(c)は、取引詳細DBの構成を示す図である。
【図6】ECRで実行される売上登録処理を示すフローチャートである。
【図7】売上登録処理のURL情報生成処理を示すフローチャートである。
【図8】サーバ装置で実行されるレシート情報DB追加処理を示すフローチャートである。
【図9】携帯電話機で実行されるWEBページ表示処理を示すフローチャートである。
【図10】サーバ装置で実行されるWEBページ情報送信処理を示すフローチャートである。
【図11】レシートイメージ画面を示す図である。
【符号の説明】
【0117】
1 レシート情報表示システム
10 サーバ装置
11 CPU
12 操作部
13 RAM
14 表示部
15 記憶部
16 通信部
17 バス
20 ECR
21 CPU
22 操作部
23 RAM
24 表示部
25 記憶部
26 通信部
27 ドロア
28 印刷部
29 I/F部
30 メモリカセット
31 スロット部
32 計時部
33 バス
40 非接触ICリーダ/ライタ
50 携帯電話機
51 CPU
52 操作部
53 RAM
54 表示部
55 ROM
56 通信部
57 フラッシュメモリ
58 通話部
59 非接触IC部
60 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
売上データ処理装置の取引情報を記憶し、当該取引情報を閲覧するためのURL情報を携帯端末から受信すると、当該URL情報に対応する取引情報を前記携帯端末に送信するサーバ装置と、受信した取引情報を表示可能な携帯端末と、に通信接続可能に構成された売上データ処理装置であって、
前記携帯端末と通信を行うための第1の通信手段と、
前記サーバ装置と通信を行うための第2の通信手段と、
商品の決済を行い取引情報を生成し、当該生成した取引情報に対応する取引番号及び自装置の装置IDを含み、当該取引情報を閲覧するためのURL情報を生成し、前記第1の通信手段を介して、前記生成したURL情報を前記携帯端末に送信し、前記第2の通信手段を介して、前記生成した取引情報を、前記取引番号及び前記装置IDとともに前記サーバ装置に送信する制御手段と、
を備える売上データ処理装置。
【請求項2】
前記携帯端末は、売上データ処理装置と非接触通信する非接触通信部を有し、当該非接触通信部を識別するための非接触通信部IDを記憶し、
前記第1の通信手段は、前記携帯端末と非接触の通信を行うための通信手段であり、
前記制御手段は、前記第1の通信手段を介して、前記携帯端末から前記非接触通信部IDを受信し、前記取引情報の取引番号、前記装置ID、前記受信した非接触通信部IDを含むURL情報を生成し、前記第2の通信手段を介して、前記生成した取引情報を、前記取引番号、前記装置ID及び前記非接触通信部IDとともに前記サーバ装置に送信する請求項1に記載の売上データ処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記取引番号及び前記非接触通信部IDを暗号化し、当該暗号化した情報を含むURL情報を生成する請求項2に記載の売上データ処理装置。
【請求項4】
決済に応じて取引情報を生成する売上データ処理装置と、受信した取引情報を表示可能な携帯端末と、に通信接続可能に構成されたサーバ装置であって、
前記売上データ処理装置及び前記携帯端末と通信するための通信手段と、
情報を記憶する記憶手段と、
前記通信手段を介して、取引情報、当該取引情報に対応する取引番号、及び前記売上データ処理装置の装置IDを、当該売上データ処理装置から受信し、当該取引情報を当該取引番号及び当該装置IDに対応付けて前記記憶手段に記憶させ、前記通信手段を介して、取引番号及び装置IDを含み、取引情報を閲覧するためのURL情報を前記携帯端末から受信し、当該URL情報から取引番号及び装置IDを取得し、当該取引情報及び当該装置IDに対応する取引情報を前記記憶手段から読み出し、前記通信手段を介して、前記読み出した取引情報を前記携帯端末に送信する制御手段と、を備えるサーバ装置。
【請求項5】
前記携帯端末は、売上データ処理装置と非接触通信する非接触通信部を有し、当該非接触通信部を識別するための非接触通信部IDを記憶し、
前記URL情報は、前記取引番号、前記装置ID、及び前記決済を行った携帯端末の非接触通信部を識別するための非接触通信部IDを含み、
前記制御手段は、前記通信手段を介して、前記取引情報、前記取引番号、前記装置ID及び前記非接触通信部IDを前記売上データ処理装置から受信し、当該取引情報を当該取引番号、当該装置ID及び当該非接触通信部IDに対応付けて前記記憶手段に記憶させ、前記受信したURL情報から取引番号、装置ID及び非接触通信部IDを取得し、当該取引番号、当該装置ID及び当該非接触通信部IDに対応する取引情報を前記記憶手段から読み出す請求項4に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記受信したURL情報から前記売上データ処理装置により暗号化された取引番号及び非接触通信部IDを取得し、当該暗号化された取引番号及び非接触通信部IDを複号化する請求項5に記載のサーバ装置。
【請求項7】
売上データ処理装置の取引情報を記憶し、当該取引情報を閲覧するためのURL情報を携帯端末から受信すると、当該URL情報に対応する取引情報を前記携帯端末に送信するサーバ装置と、受信した取引情報を表示可能な携帯端末と、に通信接続可能に構成された売上データ処理装置に搭載されたコンピュータを、
前記携帯端末と通信を行うための第1の通信手段、
前記サーバ装置と通信を行うための第2の通信手段、
商品の決済を行い取引情報を生成し、当該生成した取引情報に対応する取引番号及び自装置の装置IDを含み、当該取引情報を閲覧するためのURL情報を生成し、前記第1の通信手段を介して、前記生成したURL情報を前記携帯端末に送信し、前記第2の通信手段を介して、前記生成した取引情報を、前記取引番号及び前記装置IDとともに前記サーバ装置に送信する制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
決済に応じて取引情報を生成する売上データ処理装置と、受信した取引情報を表示可能な携帯端末と、に通信接続可能に構成されたサーバ装置に搭載されたコンピュータを、
前記売上データ処理装置及び前記携帯端末と通信するための通信手段、
情報を記憶する記憶手段、
前記通信手段を介して、取引情報、当該取引情報に対応する取引番号、及び前記売上データ処理装置の装置IDを、当該売上データ処理装置から受信し、当該取引情報を当該取引番号及び当該装置IDに対応付けて前記記憶手段に記憶させ、前記通信手段を介して、取引番号及び装置IDを含み、取引情報を閲覧するためのURL情報を前記携帯端末から受信し、当該URL情報から取引番号及び装置IDを取得し、当該取引情報及び当該装置IDに対応する取引情報を前記記憶手段から読み出し、前記通信手段を介して、前記読み出した取引情報を前記携帯端末に送信する制御手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2010−157057(P2010−157057A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334220(P2008−334220)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】