説明

変形性膝関節症治療薬及び変形性膝関節症用の漢方薬の選択方法

【課題】生薬であって、様々な変形性膝関節症に対して臨機応変に対応することができる、変形性膝関節症治療薬を提供する。
【解決手段】本発明の変形性膝関節症治療薬は、麦門冬(バクモンドウ)又はその抽出物、半夏(ハンゲ)又はその抽出物、当帰(トウキ)又はその抽出物、甘草(カンゾウ)又はその抽出物、桂皮(ケイヒ)又はその抽出物、芍薬(シャクヤク)又はその抽出物、川きゅう(センキュウ)又はその抽出物、人参(ニンジン)又はその抽出物、牡丹皮(ボタンピ)又はその抽出物、及び生姜(ショウキョウ)又はその抽出物、呉茱萸(ゴシュユ)又はその抽出物、及び阿膠(アキョウ)又はその抽出物を含有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生薬を用いた変形性膝関節症治療薬及び変形性膝関節症用の漢方薬の選択方法に関する。
【背景技術】
【0002】
変形性膝関節症は、加齢による筋力の低下や肥満などをきっかけとして、膝関節が変形したり断裂したりして膝の激しい痛みを伴う病気である。膝関節部分が炎症を起こしているために関節液(いわゆる水)が溜まり、むくみを伴うことが多い。
【0003】
変形性膝関節症の治療法としては、関節液を注射器で抜き取り、炎症を抑えるステロイドを関節に注射投与することが行われている。しかしながら、この治療方法は単なる対症療法にすぎず、症状が重い場合には、人工関節などの外科的な手術方法がとられることも多い。
【0004】
一方、変形性膝関節症に対する生薬の処方については、もっぱら防已黄耆湯(すなわち、防已(ボウイ)、黄耆(オウギ)、白朮(ビャクジュツ)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)及び生姜(ショウキョウ)からなる生薬)が用いられていた。
【0005】
また、本発明に関連する技術として、経筋に基づく鍼灸治療法が挙げられる(非特許文献1)。これについては、後述する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【非特許文献1】誰でもできる経筋治療 篠原昭二 著 株式会社 医道の日本社 発行 2005年1月17日発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、変形性膝関節症に対して防已黄耆湯が処方されても、効果の認められない場合がある。特に、膝に水がたまらない変形性膝関節症の患者に対しては、ほとんど効果がないといわれている。このため、従来の漢方薬の処方箋では、変形性膝関節症の症状を軽減することは困難な場合も多かった。
【0008】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、生薬であって、様々な変形性膝関節症に対して臨機応変に対応することができる、変形性膝関節症治療薬を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従来、変形性膝関節症において関節の痛みを和らげる方法として、東洋医学における鍼灸治療法が挙げられる。鍼灸治療法は腰痛、肩こり、膝関節痛などの運動器系の愁訴に対して効果的であるといわれている。運動器系の愁訴を対象とする「経絡」は鍼灸治療法における最も基本的な概念であり、「経絡」の概念の中に「経筋」が含まれている(非特許文献1)。経筋とは、経絡の中でも特に筋肉系統にかかわるものであって、関節や筋肉を主体とした運動器系の愁訴に対応して診断や治療を行う際の参考となるものである。
【0010】
本発明者らは、この経筋という概念は鍼灸治療以外に、漢方薬の処方にも利用できないかと考えた。そして、変形性膝関節症治療薬について、経筋との関りを考慮し、筋肉のどの部分に異常(例えば痛みや筋肉の硬直など)があるかによって処方箋を決めたところ、顕著な効果を見出し、本発明の変形性膝関節症治療薬を完成するに至った。
【0011】
例えば、大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)に痛みや筋肉の硬直などの違和感を訴える患者に対し、次のように考察した。すなわち、大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)に痛みや筋肉の硬直などの違和感は、足陽明経筋に不和があると考えられ、さらには、足陽明経筋は陽明胃経が関連していることから、胃が冷えることで足陽明経筋の筋肉が硬直していると考えた。このため、温経湯によって胃を温めることで陽明胃経を温めたところ、足陽明経筋の筋肉である大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)の痛みや筋肉の硬直が改善され、膝関節に対する負担が軽減されるという顕著な効果が見出された。
【0012】
また、大腿二頭筋(太ももの両側面の筋肉)に痛みや筋肉の硬直などの違和感を訴える患者に対しては、次のように考察した。すなわち、大腿二頭筋(太ももの両側面の筋肉)に痛みや筋肉の硬直などの違和感は、足少陽経筋に不和があると考えられ、さらに、足少陽経筋は少陽胆経が関連していることから、胆嚢が冷えることで足少陽経筋の筋肉が硬直すると考えた。このため、温経湯によって胆嚢を温めることで少陽胆経を温めたところ、足少陽経筋の筋肉である大腿二頭筋(太ももの両側面の筋肉)に痛みや筋肉の硬直などが改善され、膝関節に対する負担が軽減されるという顕著な効果が見出された。
【0013】
温経湯とは、麦門冬(バクモンドウ)又はその抽出物、半夏(ハンゲ)又はその抽出物、当帰(トウキ)又はその抽出物、甘草(カンゾウ)又はその抽出物、桂皮(ケイヒ)又はその抽出物、芍薬(シャクヤク)又はその抽出物、川きゅう(センキュウ)又はその抽出物、人参(ニンジン)又はその抽出物、牡丹皮(ボタンピ)又はその抽出物、及び生姜(ショウキョウ)又はその抽出物を含有する生薬である。従来の漢方薬の常識では、温経湯は血液循環をよくして手先のほてりをとる一方、体全体をあたためる作用があり、具体的には、生理不順や生理痛、更年期障害、頭痛、足腰の冷えや痛み、冷えのぼせ等には用いられていたが、変形性膝関節症に用いられることは無かった。
【0014】
すなわち、第1発明の変形性膝関節症治療薬は、温経湯の成分からなる治療薬であり、麦門冬(バクモンドウ)又はその抽出物、半夏(ハンゲ)又はその抽出物、当帰(トウキ)又はその抽出物、甘草(カンゾウ)又はその抽出物、桂皮(ケイヒ)又はその抽出物、芍薬(シャクヤク)又はその抽出物、川きゅう(センキュウ)又はその抽出物、人参(ニンジン)又はその抽出物、牡丹皮(ボタンピ)又はその抽出物、及び生姜(ショウキョウ)又はその抽出物、呉茱萸(ゴシュユ)又はその抽出物、及び阿膠(アキョウ)又はその抽出物を含有することを特徴とする。
【0015】
一方、半腱様筋と下腿三頭筋(ヒラメ筋)に相当する部分(すなわち、足の後ろ側の部分)に痛みや筋肉の硬直などの違和感を訴える患者に対しては、次のように考察した。すなわち、半腱様筋と下腿三頭筋(ヒラメ筋)に相当する部分(すなわち、足の後ろ側の部分)に痛みや筋肉の硬直などの違和感は、足太陽経筋に不和があると考えられる。さらに、足太陽経筋は太陽膀胱経が関連していることから、膀胱が冷えることで足太陽経筋の筋肉が硬直しているものと考えた。このため、柴胡桂枝乾姜湯によって膀胱を温めることで太陽膀胱経が温めたところ、足太陽経筋の筋肉である半腱様筋と下腿三頭筋(ヒラメ筋)に相当する部分(すなわち、足の後ろ側の部分)の痛みや筋肉の硬直などが改善され、膝関節に対する負担が軽減されるという顕著な効果が見出された。
【0016】
柴胡桂枝乾姜湯とは、柴胡(サイコ)又はその抽出物、牡蛎(ボレイ)又はその抽出物、オウゴン又はその抽出物、乾姜(カンキョウ)又はその抽出物、括呂根(カロコン)又はその抽出物、甘草(カンゾウ)又はその抽出物、及び桂皮(ケイヒ)又はその抽出物を含有する生薬である。従来の漢方薬の常識では、柴胡桂枝乾姜湯は、体の熱や炎症を抑え、また神経の疲れをいやして、心と体の状態をよくするとされ、カゼがこじれて微熱や頭痛が続くときや、更年期障害や血の道症、神経症や不眠症等には用いられていたが、変形性膝関節症に用いられることは無かった。
【0017】
すなわち、第2発明の変形性膝関節症治療薬は、柴胡桂枝乾姜湯の成分からなる治療薬であり、柴胡(サイコ)又はその抽出物、牡蛎(ボレイ)又はその抽出物、オウゴン又はその抽出物、乾姜(カンキョウ)又はその抽出物、括呂根(カロコン)又はその抽出物、甘草(カンゾウ)又はその抽出物、及び桂皮(ケイヒ)又はその抽出物を含有することを特徴とする。
【0018】
以上のように、経筋の考え方を漢方薬の処方に適用することにより、変形性膝関節症用の漢方薬の選択を適切に行うことができる。すなわち、本発明の変形性膝関節症用の漢方薬の選択方法は、変形性膝関節症用の漢方薬の選択方法であって、経筋の異常部位によって処方を選択することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】足小用経筋の存在部位(灰色部分)を示す図である。
【図2】足太陽経筋の存在部位(灰色部分)を示す図である。
【図3】足陽明経筋の存在部位(灰色部分)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
前述したように、「経筋」とは、運動器系の愁訴を対象とする「経絡」の中に含まれる概念のうち、特に筋肉系統にかかわるものである。従来から、関節や筋肉を主体とした運動器系の愁訴に対して、鍼灸治療における診断や治療の参考となるものである(非特許文献1)。
【0021】
中国の古典的な医学書である霊枢には、血の流れているのが脈であり、その血管が栄養して伸び縮みするのが経筋であると説明されている。そして、経筋は起、結、布(薄く広がる)に分かれており、手足の関節部分に付着して(結の部分)骨を動かすものととらえられており、筋肉の配置と関連するものである。
【0022】
変形性膝関節症と関連する経筋としては、その患部から考えて足小用経筋(図1参照)、足太陽経筋(図2参照)、及び足陽明経筋(図3参照)の3系統の経筋(非特許文献1から引用)が挙げられる。
【0023】
例えば、大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)に痛みや筋肉の硬直などの違和感を訴える患者に対しては、その部位から足陽明経筋に不和があると考えられる。そして、足陽明経筋は陽明胃経が関連していることから、胃が冷えることで足陽明経筋の筋肉が硬直する。これに対しては、温経湯によって胃を温めることで陽明胃経が温まり、足陽明経筋の筋肉の硬直を改善して膝関節に対する負担を軽減することができる。
【0024】
また、大腿二頭筋(ふとももの両側面の筋肉)に痛みや筋肉の硬直などの違和感を訴える患者に対しては、その部位から足少陽経筋に不和があると考えられる。そして、足少陽経筋は少陽胆経が関連していることから、胆嚢が冷えることで足少陽経筋の筋肉が硬直する。これに対しては、温経湯によって胆嚢を温めることで少陽胆経が温まり、足少陽経筋の筋肉の硬直を改善して膝関節に対する負担を軽減することができる。
【0025】
さらには、半腱様筋と下腿三頭筋(ヒラメ筋)に相当する部分(すなわち、足の後ろ側の部分)に痛みや筋肉の硬直などの違和感を訴える患者に対しては、その部位から足太陽経筋に不和があると考えられる。そして、足太陽経筋は太陽膀胱経が関連していることから、膀胱が冷えることで足太陽経筋の筋肉が硬直する。これに対しては、柴胡桂枝乾姜湯によって膀胱を温めることで太陽膀胱経が温まり、足太陽経筋の筋肉の硬直を改善して膝関節に対する負担を軽減することができる。
【0026】
以下、本発明を具体化した実施例を説明する。
(実施例1)
<症例1>
H20.8.15〜 膝関節痛で通院来店。
女性 66才 身長 156cm 体重51kg
寺の住職の奥さんで正座することが多かった。
既病歴:貧血気味で疲れやすい。やせ型で歩行が困難な状態。冷え性及び高血圧。
現症:膝関節痛があり、歩行が困難、正座が出来ない。太ももの両側面の筋肉(大腿四頭筋)及び太ももの両側面の筋肉(大腿二頭筋)に違和感があると訴える。
【0027】
<処方>
温経湯(下記の重量割合の乾燥した植物の、湯抽出液の乾燥エキス)を1日3回食前服用を処方
麦門冬(バクモンドウ)・・・10g
半夏(ハンゲ)・・・・・・・・5g
当帰(トウキ)・・・・・・・・2g
甘草(カンゾウ)・・・・・・・2g
桂皮(ケイヒ)・・・・・・・・2g
芍薬(シャクヤク)・・・・・・2g
川きゅう(センキュウ)・・・・2g
人参(ニンジン)・・・・・・・2g
牡丹皮(ボタンピ)・・・・・・2g
生姜(ショウキョウ)・・・・・2g
呉茱萸(ゴシュユ)・・・・・・3g
阿膠(アキョウ)・・・・・・・2g
【0028】
<結果>
H20.10.8
長い距離を歩けるようになる。
H21.1 歩くのは大丈夫になる。立ち上がるときに痛む。

温経湯を継続服用する。
H21.5 歩くのが楽になる。
【0029】
(実施例2)
<症例2>
H16.7.14〜 膝関節痛で通院来店。
女性 82才、両膝関節痛、頭痛、首筋の後ろがこる、胸部疼痛、頻尿、残尿感。半腱様筋と下腿三頭筋(ヒラメ筋)に相当する部分(すなわち、足の後ろ側の部分)に痛みや発熱などの違和感があると訴える。
膝の側が痛いと訴える。
【0030】
<処方>
柴胡桂枝乾姜湯(下記の重量割合の乾燥した植物の、湯抽出液の乾燥エキス)を1日3回食前服用を処方
柴胡(サイコ)・・・・・・・・8g
牡蛎(ボレイ)・・・・・・・・3g
オウゴン・・・・・・・・・・・3g
乾姜(カンキョウ)・・・・・・3g
括呂根(カロコン)・・・・・・4g
甘草(カンゾウ)・・・・・・・2g
桂枝(ケイシ)・・・・・・・・3g
【0031】
<結果>
膝の痛みが和らぐ。
【0032】
(実施例3)
<症例3>
H12.3.15〜 膝関節痛で通院来店。
女性 62才、両膝の裏側が痛い(腰痛、冷え性)。太ももの両側面の筋肉(大腿四頭筋)及び太ももの両側面の筋肉(大腿二頭筋)に違和感があると訴える。
【0033】
<処方>
実施例1と同様、温経湯を1日3回食前服用を処方。
【0034】
<結果>
H16.9.4 膝の痛みが和らぐ。
H12.3.15 温経湯を服用始める。
H12.5.13 膝関節や腰の痛みが楽になる。
H12.11.4 膝関節痛、腰痛もさらに楽になる。
H13.3.3 膝関節痛の症状が治る。
【0035】
(実施例4)
<症例4>
女性 66才
既病歴:腰痛がH15年中旬からあり、整形外科に通院中。
膝関節痛はH16年4月から始まる。
当初、右膝関節痛から始まり、後に左膝関節痛も始まった。
下半身の冷えが以前からある。コンクリートのたたきのところで、働
いているので冷えは長い。精肉関係の仕事
現症:下半身の冷え、両足の変形性膝関節炎、大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)や大腿二頭筋(太ももの両側面の筋肉)に痛みや発熱などの違和感を訴える
H15.11中旬から腰痛
【0036】
<処方>
H16.6.23 下半身の冷えと膝関節痛から考えて、実施例1と同様、温経湯を1日3回食前服用を処方。
【0037】
<結果>
H16.6.23 下半身の冷えと膝関節痛から考えて温経湯を服用する。
H16.7.21 膝関節痛が少し楽になる。朝に膝関節が痛む。
H16.8.19 さらに膝関節痛が楽になる。
H16.10.25 週に2回だけ膝関節が痛む。
H16.11.19 膝関節痛がよくなった。
H17.3.16 膝関節痛がほとんどなくなる。
【0038】
以上の実施例1〜4から、大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)や大腿二頭筋(太ももの両側面の筋肉)に痛みや発熱などの違和感を訴える患者に対しては、温経湯を処方することにより、痛みを軽減できることが分かった。また、半腱様筋と下腿三頭筋(ヒラメ筋)に相当する部分(すなわち、足の後ろ側の部分)に痛みや発熱などの違和感を訴える患者に対しては、柴胡桂枝乾姜湯を処方することにより、痛みが軽減できることが分かった。
【0039】
なお、温経湯及び柴胡桂枝乾姜湯の混合生薬の混合割合は、上記処方箋が通常用いられるが、下記の範囲で変更することも可能である(カッコ内は特に好ましい範囲を示す)。
【0040】
<温経湯>
麦門冬(バクモンドウ)・・・5〜15重量部(8〜12重量部)
半夏(ハンゲ)・・・・・・・・3〜7重量部(4〜6重量部)
当帰(トウキ)・・・・・・・・1〜3重量部(1.5〜2.5重量部)
甘草(カンゾウ)・・・・・・・1〜3重量部(1.5〜2.5重量部)
桂皮(ケイヒ)・・・・・・・・1〜3重量部(1.5〜2.5重量部)
芍薬(シャクヤク)・・・・・・1〜3重量部(1.5〜2.5重量部)
川きゅう(センキュウ)・・・・1〜3重量部(1.5〜2.5重量部)
人参(ニンジン)・・・・・・・1〜3重量部(1.5〜2.5重量部)
牡丹皮(ボタンピ)・・・・・・1〜3重量部(1.5〜2.5重量部)
生姜(ショウキョウ)・・・・・1〜3重量部(1.5〜2.5重量部)
呉茱萸(ゴシュユ)・・・・・・2〜4重量部(2.5〜3.5重量部)
阿膠(アキョウ)・・・・・・・1〜3重量部(1.5〜2.5重量部)
【0041】
<柴胡桂枝乾姜湯>
柴胡(サイコ)・・・・・・・6〜10重量部(7〜9重量部)
牡蛎(ボレイ)・・・・・・・・2〜4重量部(2.5〜3.5重量部)
オウゴン・・・・・・・・・・・2〜4重量部(2.5〜3.5重量部)
乾姜(カンキョウ)・・・・・・2〜4重量部(2.5〜3.5重量部)
括呂根(カロコン)・・・・・・3〜5重量部(3.5〜4.5重量部)
甘草(カンゾウ)・・・・・・・1〜3重量部(1.5〜2.5重量部)
桂枝(ケイシ)・・・・・・・・2〜4重量部(2.5〜3.5重量部)
【0042】
また、上記実施例では、各植物の乾燥エキスを混合して処方を行ったが、乾燥した植物を所定の割合で混合したものを湯で煎じた煎じ液を服用してもよい。
【0043】
この発明は上記発明の実施の態様及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
麦門冬(バクモンドウ)又はその抽出物、半夏(ハンゲ)又はその抽出物、当帰(トウキ)又はその抽出物、甘草(カンゾウ)又はその抽出物、桂皮(ケイヒ)又はその抽出物、芍薬(シャクヤク)又はその抽出物、川きゅう(センキュウ)又はその抽出物、人参(ニンジン)又はその抽出物、牡丹皮(ボタンピ)又はその抽出物、及び生姜(ショウキョウ)又はその抽出物、呉茱萸(ゴシュユ)又はその抽出物、及び阿膠(アキョウ)又はその抽出物を含有することを特徴とする変形性膝関節症治療薬。
【請求項2】
柴胡(サイコ)又はその抽出物、牡蛎(ボレイ)又はその抽出物、オウゴン又はその抽出物、乾姜(カンキョウ)又はその抽出物、括呂根(カロコン)又はその抽出物、甘草(カンゾウ)又はその抽出物、及び桂皮(ケイヒ)又はその抽出物を含有することを特徴とする変形性膝関節症治療薬。
【請求項3】
変形性膝関節症用の漢方薬の選択方法であって、経筋の異常部位によって処方を選択することを特徴とする変形性膝関節症用の漢方薬の選択方法。
【請求項4】
足陽明経筋、足少陽経筋及び足太陽経筋のうちのいずれが異常部位であるかによって処方を選択することを特徴とする請求項3に記載の変形性膝関節症用の漢方薬の選択方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−251934(P2011−251934A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126385(P2010−126385)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(510153641)株式会社アルス (1)
【Fターム(参考)】